30年以上前に大ヒットを飛ばした甲斐バンドというロック(Jポップ)バンドがあります。甲斐バンドはあっと驚く場所でコンサートを行うことで有名でした。代表的なものは,東京の新宿駅西口高層ビル群の谷間にある空き地で行ったコンサートです。先端的なオフィス・ゾーンである高層ビル群内で,3万人近くも観客を集めてコンサートをやったということで話題を呼びました。ちなみに,そのコンサート会場跡には今は東京都庁が建っています。それ以外にも,大阪の花園ラグビー場,両国の新国技館(こけら落とし)など,あっと驚く場所でコンサート開きました。
なぜそんな突飛なことをするのかと訊ねられた時,バンドはこう答えています。「マスメディアは自分たちのようなロックバンドをなかなか取り上げてはくれない。しかし,あっと驚く場所でコンサートをすると取り上げてもらえる」と。
日本食研という調味料を製造する食品メーカーは,愛媛県今治市に宮殿のような工場を持っていることで有名です。オーストリアのベルベデーレ宮殿をモチーフに,80億円もかけて建てたそうです。食品工場が宮殿?という疑問から大きな話題を呼びました。見学者が引きも切らず,メディアの取材も殺到したそうです。
元々日本食研の会長の思い入れで建てたそうですが,マスメディアの取材や見学者の増加によって会社の知名度は向上し,社員のモチベーションも上がったそうです。会社側は「元がとれた」と考えているそうです。
それらは,マーケティング的にいえば,パブリシティー活動を中核に据えた事業活動の展開といえるでしょう。通常,メディアによる報道は,事業活動の過程で意図せずに起きることが多いでしょう。パブリシティー活動を積極的に展開する場合でも,事業活動に付随して行われるのが普通です。しかし,以上のケースではパブリシティー活動と事業活動が一体化しています。
近年,大学業界では広報活動(パブリシティー活動含む)が非常に重視されるようになっています。明治大学が,ブランド力ナンバーワンのおしゃれな大学に様変わりしたと報じられて久しいですが,その陰には,キャンパス整備,学部改革,芸能人の多数入学に並んで,それらを活用した広報活動の充実があったことが指摘されています。多数の芸能人の積極的入学やその広報活用については賛否あるでしょう。ただ,キャンパス整備や学部改革をきちんと進めたうえでの広報活動展開には,高い評価が与えられるでしょう。
今,愛知学院大学は,新キャンパス開設を控え,広報活動,とりわけパブリシティー活動が重要になっていると私は認識しています。なぜならば,スタート時のイメージ形成は,後々まで尾を引くからです。そして,そのイメージ形成には,メディア報道が大きな影響を与えるのです。広告活動などよりも大きな影響を持つかもしれません。
うちの学部は,どのようなパブリシティー活動を展開できるでしょうか。受け身の姿勢で,取材の要請が来たら対応するというではなく,教育・研究活動そのものがメディアにとって良い伝達材料になるように,積極的な話題つくりをするという姿勢が必要になってくるのではないでしょうか。私たちは,今まで,そんなことを考えて教育・研究活動を行ってきませんでした。メディア報道を狙った教育・研究活動なんて大学のやることではないという批判は根強くあるでしょう。しかし,少子化による大学破綻時代到来まで秒読み段階に入っている現在,なりふり構っていられないのが現実です。
なぜそんな突飛なことをするのかと訊ねられた時,バンドはこう答えています。「マスメディアは自分たちのようなロックバンドをなかなか取り上げてはくれない。しかし,あっと驚く場所でコンサートをすると取り上げてもらえる」と。
日本食研という調味料を製造する食品メーカーは,愛媛県今治市に宮殿のような工場を持っていることで有名です。オーストリアのベルベデーレ宮殿をモチーフに,80億円もかけて建てたそうです。食品工場が宮殿?という疑問から大きな話題を呼びました。見学者が引きも切らず,メディアの取材も殺到したそうです。
元々日本食研の会長の思い入れで建てたそうですが,マスメディアの取材や見学者の増加によって会社の知名度は向上し,社員のモチベーションも上がったそうです。会社側は「元がとれた」と考えているそうです。
それらは,マーケティング的にいえば,パブリシティー活動を中核に据えた事業活動の展開といえるでしょう。通常,メディアによる報道は,事業活動の過程で意図せずに起きることが多いでしょう。パブリシティー活動を積極的に展開する場合でも,事業活動に付随して行われるのが普通です。しかし,以上のケースではパブリシティー活動と事業活動が一体化しています。
近年,大学業界では広報活動(パブリシティー活動含む)が非常に重視されるようになっています。明治大学が,ブランド力ナンバーワンのおしゃれな大学に様変わりしたと報じられて久しいですが,その陰には,キャンパス整備,学部改革,芸能人の多数入学に並んで,それらを活用した広報活動の充実があったことが指摘されています。多数の芸能人の積極的入学やその広報活用については賛否あるでしょう。ただ,キャンパス整備や学部改革をきちんと進めたうえでの広報活動展開には,高い評価が与えられるでしょう。
今,愛知学院大学は,新キャンパス開設を控え,広報活動,とりわけパブリシティー活動が重要になっていると私は認識しています。なぜならば,スタート時のイメージ形成は,後々まで尾を引くからです。そして,そのイメージ形成には,メディア報道が大きな影響を与えるのです。広告活動などよりも大きな影響を持つかもしれません。
うちの学部は,どのようなパブリシティー活動を展開できるでしょうか。受け身の姿勢で,取材の要請が来たら対応するというではなく,教育・研究活動そのものがメディアにとって良い伝達材料になるように,積極的な話題つくりをするという姿勢が必要になってくるのではないでしょうか。私たちは,今まで,そんなことを考えて教育・研究活動を行ってきませんでした。メディア報道を狙った教育・研究活動なんて大学のやることではないという批判は根強くあるでしょう。しかし,少子化による大学破綻時代到来まで秒読み段階に入っている現在,なりふり構っていられないのが現実です。