愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

手間を惜しむな

2023年11月29日 | 名古屋マーケティング・インカレ
12月2日の名古屋マーケティング・インカレ本大会を前に,うちのゼミ3年生たちが焦っています。例年同じことを繰り返しているので,少々あきれています。

〇夏休み中の継続的調査と考察が大事といいながら,ほとんど何もやらず,2か月間無駄に過ごす。
〇チーム内で,ほとんど何もやらないメンバーが存在して,それがお荷物になったり,紛争の種になったりする。
〇理論的検討を行わないまま,思い付きの結論に安易なアンケート調査で根拠づけしようとする。
〇メモを取らず,議論や作業の記録をつけないために,堂々巡りの議論や繰り返しの作業を行う。
〇紙の文献を読もうとせず,安易にインターネット上の記事を真偽も確かめずに使おうとする。

以上毎年うちのゼミ生にとりつく悪癖ですが,今年もまた同じです。ようやく11月に入り,無為な夏休みを反省し,理論的文献を読み,テーマの絞り込みをしていますが,なかなかうまくいきません。時間足らずになりそうです。

紙の文献を読もうとせず,安易にインターネット上の記事を真偽も確かめずに使おうとすることについて,2年次に既にその問題点を指摘していましたが,ゼミ生たちは本気で取り合ってなかったようです。最近これが露呈してきました。

2つのチームが,インターネット上でフィリップ・コトラーの理論解説を探し出し(だれが書いたか分からない解説記事),これをそのまま引用しようとしました。私はコトラーの本をきちんと読まなければならない旨諭しました。インターネット上の解説記事にはコトラーのどの文献から引用したのか書かれておらず(コトラーの本の内容の解説にもかかわらず,その教科書の書名すら明らかにされていない),著作権を侵害している可能性があるうえに,間違った解説をしている可能性があるからです。

はたして,コトラーの実物の本(訳本)をゼミ生に確認してもらうと,インターネットの解説記事はコトラーの説とは違っていることが判明。さらに,その解説記事は別の学者の説をコトラー説として不正確に記述しています。

参考文献欄がURLだらけの,安易なインターネット引用をする学生チームや個人が,まともな研究発表をしたケースはありません。安易なインターネット引用をする学生は,文献調査以外でも手間を惜しんで,安直な発想で安易な作業を繰り返します。紙の文献を読むかどうかは,研究発表に対して手間をかけることの象徴なのです。手間を惜しんでは良い発表はできないのです。地道さが,思考を深め,矛盾の少ない論理を導き出すことにつながるのです。

締め切りまでもう少しですが,ゼミ生には最後まで手間を惜しまないで欲しいと思います。
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