愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

第1回中間発表会

2011年06月26日 | 名古屋マーケティング・インカレ
今月25日に,愛知学院大学にて,名古屋マーケティング・インカレ2011年度第1回中間発表会が開催されました。6大学から25チーム,120名近い参加者が集いました。今までで最も多い参加者です。発表会と懇親会双方合わせると(移動時間も含め)10時間近い長丁場になりました。発表会ではうちのゼミのゼミ長以下全ゼミ生と秋本ゼミ有志が様々準備を担ってくれました。

中間発表会では,各チームはプレゼン15分間,質疑応答5分間という持ち時間で発表を行いました。私は他大学のチームの発表を中心に聞いて回りました。その感想は「例年通り」ということです。大半のチームは,今後このような研究発表を展開する予定という,決意表明を内容としていました。現段階ではやむを得ないでしょう。ただ,一部のチームは,不十分な考察でしたが,具体的に結論につながる仮説や議論を展開するためのアプローチを説明していました。

いくつかのチームには発表後アドバイスをしました。チームのほうからコメントを求められるケースもありました。その時に感じたのは,発表内容が具体的でなければ,具体的なアドバイスはできないということです。アドバイス・コメントを求められて,どう言葉を発すればいいのか困ってしまったことがありました。具体的でない発表には,具体的に仮説を考え出すために,きちんと現状を調査したほうがいいというあいまいなアドバイスしかできませんでした。

若者への新聞の普及策を検討するという発表チームへのアドバイスを求められたときには困ってしまいました。普及といっても,実際に定期購読してもらうことを指すのか,単に読んでもらうことを指すのかでは,策は違います。若者の新聞離れが起きていることを指摘していたのですが,そもそもなぜそうなったのかきちんと原因分析をしないまま策を考えることはできません。そして,どの原因に焦点を当てるのかを合理的に考え出さなくては,具体的な普及策は案出できません。以上のことがあいまいなままだったので,アドバイスを求められても,答えようがなかったのです。

具体的なアドバイスが周囲からもらえれば,自分たちの問題点を見出し,改善の糸口を得ることができます。あいまいなアドバイスしかもらえなければ,改善の糸口を得ることはできません。やはり,思い付きにとどまったとしても,具体的な仮説や暫定的結論,アプローチを説明したほうがいいと改めて思った次第です。

今回感心したことが一つあります。学生たちが積極的に他大学教員にコメントを求める姿が例年以上に多く見られたのです。発表会後の懇親会の席で,わざわざノートを持ち込んで,教員にアドバイスをしてもらい,それを記録しているチームがありました。今回は中間発表会なので,本大会に向けて自分たちの問題点を徹底的に洗い出す機会として欲しかったのですが,うちのゼミのチームを見ていると,他大学教員に積極的にアドバイスをしてもらい,その機会を得る姿勢が弱かったようです。発表会や懇親会の運営を担っていたのでやむを得なかったと思いますが,この先8月までに私以外の様々な先生に問題点を指摘してもらうよう努力して欲しいと思います。

懇親会は名古屋駅周辺で開きました。日進市にある大学からそこまでの移動に,チャーターししたバスを使って1時間ほどかかりました。なぜそうなったかというと,120名ほどの人員を収容できる飲食店は大学周辺には存在しなかったからです。今回副ゼミ長を中心にゼミ生が駆けずり回って,会場を探して交渉し,バスを手配しました。そして当日の進行も管理してくれました。円滑で巧みな仕事ぶりだったと思います。

名古屋マーケティング・インカレでは発表会後必ず懇親会を開催しています。この場に出ると,「インカレらしいな」とつくづく感じます。100名を超える学生が集まるとバカ騒ぎが始まり,騒々しく,収拾のつかない状況になります。そして,楽しげな騒ぎの中でも,研究発表について意見交換している姿があちこちで見られ,何かインカレらしいまとまりが感じられます。25日もそんな感じでした。今年度もそこそこうまくいくかなという予感を得ました。
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最後であろうとなかろうと

2011年06月21日 | 運営
今週からゼミ生募集の面接が始まります。今週が一次募集面接、来週が二次募集面接、再来週が三次募集面接です。不人気が定着しているうちのゼミでは、一次募集では5名の応募があったのみでした。定員は12名以上ですので、三次募集まで行うことがほぼ確定しています。定員を満たすため学生をかき集めなくてはならないのです。

マーケティング専門のゼミのというものは、たいていどこの大学でも人気があります。しかし、うちのゼミが一次募集で募集活動が終わったのは、本学着任後12回の募集中2回のみです。今は向学心のある学生がそこそこ応募してきますが、5年ほど前まではあぶれ者の集まる荒れたゼミでした。人気ゼミに落ちたから、他に行くところがないからここに来ましたという学生ばかり。

かつてはまともなゼミ活動ができませんでした。ゼミ生の研究発表中、他のゼミ生は全くそれを聞かず、べちゃべちゃ関係のない話をするなんてことは日常茶飯事。注意しても無視するような者がほとんど。大声で騒ぐ者もいました。ゼミの課題をいいわたすと、「なんでそんな面倒なことせなあかんの」といってやってこないのが普通。研究指導として発表に対して指摘すると、「先生に突っ込まれるのは不快だから、先生の専門外で、分からないようなことを卒論に選びたい」と意味不明なことを訴える学生すらいました。

例年、名古屋マーケティング・インカレで他大学のゼミと一緒になると、うちのゼミと顕著な違いを感じるのが女子学生の数です。うちのゼミは男子学生がほとんどです。他のゼミはたいてい女子学生が半数を超えます。女子学生が多いゼミはどこの大学でも人気ゼミです。女子学生が集まれば、男子学生も集まるので、応募者は膨れ上がります。その結果きちんと選考が行われるため、優秀な学生が多数所属することになります。うちは特待生レベルの向学心ある学生が一部所属してくれていますが、平均レベルは他大学のゼミよりも低いといえます。

不人気なのは教員の私に力量がないからです。情けないことですが、研究教育能力が低く、指導力がないと見透かされているのでしょう。女子学生に不人気なのは、能力の低さに加え、きもい、うるさいおっさんには近づきたくないと評されているのでしょう。

うちのゼミの特色として、名古屋マーケティング・インカレに参加してきたことが挙げられますが、今年度からは同学部で秋本ゼミも参加します。今年度は一部希望学生の参加にとどまっていましすが、来年度からは全ゼミ生参加の予定といいます。秋本ゼミは早くも商学部では人気ゼミで応募者殺到です。そうなると、名古屋マーケティング・インカレ参加を志す者は、そちらに流れるので、うちのゼミの存在意義は(少なくとも名古屋マーケティング・インカレ関連では)なくなるでしょう。他に行くところがないから来ましたという学生を集めて、やりたくもないのに名古屋マーケティング・インカレに参加させるのは、本人たちにとっても、教員にとっても、他大学生にとっても不快で迷惑なことです。今年度が参加最後になるかもしれません。

ただ、最後であろうとなかろうと、今年度参加するゼミ3年生には、最大限力を発揮して欲しいと思います。大学やゼミのためではなく、自分のために、自分の向上のためにあと半年間徹底的に時間と労力を使ってください。最後の本大会で、涙を流して欲しいと思います。うれし涙であろうと、悔し涙であろうと。まずは今週末の中間発表会、無い力を振り絞ってでも運営と発表両面でがんばりを見せてください。
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春学期の山場

2011年06月13日 | 名古屋マーケティング・インカレ
6月も半ばに至り,ゼミでは春学期の山場を迎えています。

ゼミ3年生は今月25日開催の名古屋マーケティング・インカレ1回目中間発表会の開催と発表準備に忙しくなっています。今までの1回目中間発表会では,たいていのチームは,この先こんなテーマで研究発表を展開する予定です,という予告を述べておしまいでした。しかし,それでは夏休みという最も時間の使える時期に,テーマの具体化を行うことになってしまい,肝心の仮説の立案やその検証,結論に向けた論理の構築は秋学期に入ってあわててやることになります。

時間的余裕のある夏休みに,仮説の立案と検証,論理の構築という最も難しい作業を行って欲しいのです。そのためには,6月の中間発表段階で,大まかなテーマの説明や発表の予告ではなく,具体的に何を明らかにするのか,そのためにはどんな理論や方法を用いるのか(アプローチといいます)について,明確に説明できるようにして欲しいと思います。これらが具体的であれば,仮説は比較的容易に導出することができるのです。そして論理の構築も自ずと進みます。

現状では,うちのゼミのチームは予告ができれば御の字というレベルにとどまっています。各チームは電子マネーやタブレット端末の普及を考えるという,大学生が考えそうなありきたりの題材を扱うことを宣言して終わりです。なぜ,そうなっているかというと,社会現象の表面を追いかけているだけだからです。幅広く,特定現象の周辺の動きを記した文献,要因や原理を追究した理論的な文献,似たような現象の歴史を記録した文献をきちんと読んで理解していないからです。口酸っぱく毎週のように,きちんと調べるようにと指示していますが,ゼミ生たちは今一つ理解して実行していない様子です。中間発表会で大いに恥をかけば変わるかなと思っています。

4年生は7月に卒論テーマを提出しなければならないので,6月中に執筆の見通しを立てなくてはなりません。したがって,今月中に,具体的なテーマ,仮説,検証方法,目次案を練り上げてもらわなければなりません。しかし,先月発表を行ってもらったところ,思いつきのテーマをわずか数行書いただけのレジュメをこしらえて,あいまいな予告をするのみの発表が続出でした。就職活動が忙しいのは分かりますが,その一方で履修教科数は少ないので,時間的余裕がまったくないとは言えません。しかも昨年度マーケティング・インカレを経験しているので,やり方は分かっているはずです。どうもぬるい雰囲気なっています。

ゼミ4年生には今週から2回目の発表を行ってもらい,テーマ,仮説,検証方法,目次案を示してもらう予定です。いい加減な発表内容の場合には,特別に3年生の前で発表してもらう予定です。「上級生なんだから,下級生に手本を示してもらう」ということです。ゼミ3年生には,悪例で,反面教師になるかもしれませんが,4年生は恥をかいて,反省する機会を得てくれればいいと思っています。



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第6回名古屋マーケティング・インカレ・エントリー

2011年06月03日 | 名古屋マーケティング・インカレ
名古屋マーケティング・インカレの今年度エントリーが締め切られました。うちのゼミからは2チーム10名が参加します。なんとかかんとかゼミ生たちはテーマを考えてシートを書き上げましたが、現状では発表がきちんとできるかどうかは不明です。

1チームは電子マネーの利用促進に関するテーマを掲げています。実は電子マネーの利用促進研究は名古屋マーケティング・インカレではおなじみです。学生には身近なので取り上げられるのでしょう。ただ漠然と利用促進策を考えていきますでは、独自性があって、論理性のある策を練ることはできません。ターゲット顧客、利用場面、利用目的等をきちんと絞り込んだ上で、利用促進策をねん出するようにしなければなりません。しかも、思いつきの策ではなく、理論やデータから導き出さなくてはなりません。ゼミ生たちはそこまで考えて書いてはいませんでした。

もう1チームはタブレット型端末のプロモーション策を考えるというテーマを掲げています。一般消費者ではなく、企業向けの販売を捉えるというのです。産業財マーケティング(B to Bマーケティング)の一環として考えるということです。大学生のマーケティング研究で、産業財マーケティングを対象にするものはほとんどありません。実は学会でもメジャー領域ではありません。したがって、そのテーマを掲げること自体興味深く感じられます。これも、ただ漠然と利用促進策を考えていきますでは、独自性があって、論理性のある策を練ることはできません。産業財の場合、企業における業務のあり方を問うことになるので、まずはその実情を調べなくては、策の練りようがありません。

うちのゼミが中心となって、1回目の中間発表会を6月25日に愛知学院大学で開催します。中間発表会は、あくまで途中経過の報告を行う場なので、批判をあびそうな思い切った仮説を打ち出して、恥をかいてくれたらいいと思っています。恥をかいて、テーマのあいまいさや論理のまずさを悟ってくれればいいのです。早い段階で気づいてくれれば残りの時間で十分やり直しができます。

今年度のマーケティング・インカレは例年よりも参加大学・学生が増加しました。6大学から総勢120名ほどが参加します。発表会後の懇親会会場を大学近辺で見つけることができませんでした。やむを得ず名古屋駅周辺まで移動することになりましたが、その移動のためバスをチャーターすることになりました。運営が例年よりも複雑になっています。学生と教員による自主的運営の限界に達していると感じています。ゼミ生たちは、開催準備の仕事もしながら、発表の内容を練らなくてはならないので、みな顔が引きつっています。しかし、発表会と懇親会を運営することも重要な教育になると考えています。こちらは恥をかかないように、そして他大学に迷惑をかけないようにしっかり力を発揮して欲しいと思っています。
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