愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

ぶつぶつ2

2016年07月31日 | Weblog
昨日採点していた1年生必修科目。採点基準を変更し,採点をやり直すことにした。でたらめな答案は不合格にするという厳正さを維持しながら,幾分か甘めの基準を用いる。秋学期は,履修者全員に模範解答を配布し,解答のあり方を説明する予定。大学の試験なんて大したことないと学生に高をくくらせることのないようにしなければならない。まだなお暗雲が立ち込めている。

本日大学のオープンキャンパスに参加。本来の役割ではなかったが,学部学科個別相談会で,高校生たちに対応した。ここで驚いたこと。マーケティングに関心があるという高校生がたくさん。相談者の6割以上はマーケティングを学びたいという。まさに驚き。

なぜ驚いたかというと,高校教育において,高校生がマーケティングという専門用語を聞き,その概要説明を受ける機会は非常に少ないからだ。しかも商学部のメインの教科領域がマーケティングであることを聞くこともほとんどない。そもそも商学部はこの地方では特殊学部という扱い。

テレビや新聞,あるいはインターネットなどのメディアで取り上げられている情報のなかに,マーケティングという用語が多く登場したのか。ともかく今年度の入試に少し光が差した。




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ぶつぶつつぶやき

2016年07月30日 | Weblog
学期末定期試験が昨日終了。現在採点中。

1年生の必修科目。絶望的な答案続出。勉強してきた形跡の見られないものばかり。大学の試験・単位取得なんて大したことないと,高をくくっていたのか。まともな文章にもなっていない答案多数。

試験直前2回にわたって,学期内授業内容の復習として,試験勉強のための要点を説明した。それをきちんと聞いて,覚えてくれば,合格点が取れるようになっていたはず。例年同じことをしているが,いつも学生たちは「あの復習のおかげで,試験対策ができましたよ」という。成績のいい学生などは,「先生,対応が優しすぎ。完璧にヤマがはれました」とも。今回はヤマをまったくはってきていない学生がほとんどか・・・。あの2回の説明を全然聞いていなかったとしか思えない。

素点だけ見ると不合格者続出。どうしたものか。厳正な成績評価をすべしというのが大学教育のトレンド。甘い評価によって,大学教育なんて大したことないと本当に高をくくられても困る。う~ん。

ともかくこんな酷い状況は初めて。なぜなのか。
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ゼミ活動が始まった

2016年07月25日 | 募集
2年生のゼミ生募集が終わり,ゼミ活動は始まりました。商学部で最も人気のないこのゼミでは今年度も応募者はわずかで,今回5名のゼミ生を確定しました。とりつぶし寸前です。

そのゼミ生の中に面白いことを言う者がいました。「僕は先生の1年生の必修科目を落とされました。それでこのゼミを応募する気になったのです」。

私の科目の成績が良かったから応募したという学生は過去何人もいました。しかし,成績不振だったのであえて応募するという学生は始めてです。そのゼミ生曰く,「自分は大学教育をなめていました。試験でいい加減な解答をしていたのですが,先生にはそれを見られていたのです。ちゃんとしているのだなと思いました」。

そのゼミ生は運動部に入っていて,その練習で忙しいそうです。「このゼミは厳しいそうだと聞いたのですが,部活動をやりながらついていけますか?」と質問してきました。私は「実はこのゼミはたいして厳しくない。課題は1年間にせいぜい2つ与える程度。長期間でそれらを完成させてもらう。何度もその間ダメ出しをする。大変そうなのはやり直しをすることだけ。私の方からは,課題の締め切りと,求められるレベルを指示するだけで,具体的なスケジュールはゼミ生に任せている」と答えました。自分たちでスケジュール管理をするのならばなんとかついていけそうと感じてもらえた様です。

ゼミ生たちは,平日は夜まで図書館やパソコン室に残って文献の調査やレジュメの作成をしています。休日はフィールド調査のためにキャンパスや街頭で活動することが多い。しかし,それは私が無理にやらせているわけではありません。私が細かな指示をすることはありません。うちのゼミを忌避する商学部の学生たちは,そういううちのゼミ生の忙しそうな姿を見て,強制されていると思っているようです。だから大変でつまらなそうなゼミだと想像しているようです。

自分なりの問いを見つけ,その答えをさんざん悩んで導き出す過程。それが大学の学びです。きちんと取り組めば大変面白い,いわば知的エンターテイメントです。大学の学びの楽しさをゼミで知って欲しいと思っています。そのためには,自主性が大事なのです。

卒業していったゼミ生たちは,それなりにその楽しさを味わってくれたと思います。キャンパスを訪ねてくる卒業生からは,必ず,「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるようにしてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と言われます。

その新しいゼミ生は国体出場選手に選ばれる可能性があるほど運動部活動を頑張っているそうです。それでも,自主性を維持すれば,ゼミの活動はきちんとやり遂げることができるはずです。

先週から2年ゼミ生には早速論文コンテストの事前調査を行ってもらうための説明をしました。定期試験終了後始める予定です。
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テーマを絞り込む過程

2016年07月10日 | 名古屋マーケティング・インカレ
ゼミの3年生と4年生は研究テーマを一旦決定しました。3名しかいない3年生は,1チームで研究発表を行うことになり,当然1つのテーマを決定しました。彼らは昨年度からテーマパークを調査していたので,それに関連したテーマを探しました。その結果,導出したテーマは,「どうすれば海外テーマパークが日本に受け入れられるのか?」というものです。つまり,海外テーマパークが日本市場で成功するための原則ないしは指針を自分たちなりに打ち立てようというのです。

正直言って大きすぎるテーマです。学生の手には負えません。もっと絞り込んで,狭い,小さいテーマに修正しなければ,まともな発表はできないでしょう。

彼らは,理論的検討として,国際マーケティング論の標準化・適応化論を取り上げるとしています。標準化・適応化論は,国際市場参入を検討する際には避けて通ることができない議論です。したがって,国際マーケティング論の中心的議論で,数多くの既存研究が存在しています。国際マーケティングの教科書では必ず詳細に解説されます。まずは,これらのうち主要なものをきちんとレビューして,自分たちなりに議論を整理しなければなりません。ただし,それら主要既存研究の大半は製造業を対象にしていますので,サービス業とりわけテーマパークに応用可能なのかどうかも検討しなければなりません。また,サービス業の隣接産業である小売業を対象とした研究は,集客という点で,テーマパーク経営に参考になる可能性があるので,その国際展開に関する研究は詳細に検討する必要があります。

この標準化・適応化論を取り上げる際に,市場参入成功のカギとして,適応化を暗黙に想定するケースが多いようです。しかしながら,企業が製品・サービスのマーケティングについて標準化・適応化することと,それが市場に受け入れられることとは次元が違います。製品・サービスが標準化していても市場参入がかない,そこの消費者に受け入れられた例はいくつもあります。したがって,市場に受け入れられるとはどういうことなのか,日本市場を対象にするならば,そこで受け入れられることはどういうことなのか,子細に検討する必要があります。そのためには,テーマパークに関する日本市場の調査・分析をきちんと行わなくてはなりません。

これらのことをきちんと行いながら,個別企業の事例研究に入ってほしいと思います。学生の発表では,理論的検討を無視して,いきなり個別企業の事例研究を行うことが多い。うちのゼミの3年生たちもそうです。しかし,思考の枠組みや分析の視点がないまま,やみくもに事例を記述しても,まともな分析はできません。表面的な感想しか出てきません。学生は理論的検討を嫌いますが,それがなければ,一貫した論理を根底に持つ,分析ができないのです。理論的検討は大学ならではの学びです。そして,それをきちんと行えば,思考の枠組みができてくるので,大きなテーマを狭く絞り込むことが可能になります。今は枠組みがないから,ぼんやり大きなテーマを掲げてしまっているのです。

ゼミ生には,テーマを絞り込む過程に理論的検討が含まれることを理解してほしいと思います。
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