愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

合同研究発表会

2024年06月09日 | 運営
6月8日,本学経営学部の藤原ゼミとうちのゼミとで合同の研究発表会を名城公園キャンパスにて開催しました。4月から始まった調査研究について,現段階で考え出した研究目的と,現状分析を何とか話してもらうという発表会です。

不動産事故物件のコミュニケーション,爬虫類の気持ち悪さの源泉,クロックスのマーケティング,インターネット通販の衝動買いなど,色々なテーマが取り上げられていました。ゼミの毛色が出ていて,藤原ゼミの各学生は,共分散構造分析をツールとして使いこなすことを主眼としたテーマ設定を行っています。基本的に計量分析必須です。うちのゼミの学生は,小売業・飲食業を中心に企業の戦略分析を取り上げる傾向にあります。両ゼミとも,指導教員の研究に影響を受けています。研究を教育の中核に置く大学教育として好ましいことだと思います。

学生の研究発表後,教員による講評において,私は「既存研究を読み,それを踏まえて仮説を導き出すという作業では,手堅い論理展開になるが,ありきたりの結論を導き出しがちなので,現実に起きていることをきちんと拾い上げて,それをもとに悩んで欲しい。学生らしく,既存研究にはとらわれない結論を導き出して欲しい」という話をしました。この言葉の背景には,学生たちには,様々な情報を色々な角度で収集し,複数の理論や視座で論理展開を試みて欲しいという思いがあります。

つまりは,簡単に結論を出すなということです。テーマを二転三転させながら,混乱する揺れ動きの過程で,思考力を鍛えて欲しいのです。

研究発表会後は懇親会となりました。最初は,誕生月ごとに着座したため,両ゼミの初対面の学生同士が顔を合わせて,ぎこちない場面が続きました。しかし,時間が進むにつれ,座が乱れ,学生らしい,がやがやした楽しい雰囲気になりました。商学部と経営学部は同じキャンパスにあるビジネス系学部ながら,学部間の学生交流はあまりありません。これを機会に,両ゼミの学生が交流を深めてくれれば良いと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後のゼミ

2024年02月06日 | 運営
1月18日は演習Ⅲ(4年生ゼミ)の最後の授業になりました。この日は卒業アルバムの集合写真を撮影するとともに,これまでのゼミ活動の振り返りを各自にしてもらいました。例年行ってもらっています。

大半のゼミ4年生は,ただの時間つぶしのように感じたかもしれません。「もう帰りたい」と言い出すゼミ生もいました。しかし,この振り返りには教育的な意味がありました。自分の活動を客観的に捉えることができるかどうか,いわばメタ認知能力があるかどうか,それを自覚してもらいたかったのです。

以前から分かってはいましたが,「やはりそうか」とこちらが納得したことがありました。卒論が表彰されるレベルのゼミ生は,自分の良くなかった点を指摘し,周囲との関係を振り返りました。自分の活動を客観的に振り返る能力があれば,自分の欠点が見えてくるし,自分以外の存在も視野に入ります。そして,その能力が高ければ,自分を改善することにつながります。その結果,卒論はレベルの高いものになります。

その一方,ネット情報を貼り合わせた安易な卒論を書こうとしたゼミ生は,「楽しかった」「卒論は意外に簡単だった」など楽観的口調で,感情を簡単に表現しただけでした。卒論ではこちらの指摘を受け留めきれず,最後まで改善しきれませんでしたが,自分の活動を客観的に振り返ることが今一つであるため,楽観的で,厳しさに欠けてしまったかもしれません。

3月に卒業していく,ゼミの4年生の皆さん。卒業までに,この4年間をきちんと振り返ってみてください。他の学生,教員,家族などとの関係を踏まえて,俯瞰的に自分を眺め,客観的に自分の活動を評価する努力をしてみてください。客観的に自分を振り返ることができる能力は,社会に出て活躍するうえで,非常に重要です。その能力が高ければ,傲慢にならず,卑屈にもならず,他者を敬い他者とよい関係を結びながら,自分の活動や技量を改善することができるのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卒業生が集う

2023年10月16日 | 運営
昨日(10月15日)に開催されたホームカミングデーへの参加を呼び掛けたところ,10名近いゼミの卒業生が集ってくれました。こんなにたくさんの卒業生が集ったゼミは他にはなさそうでした。大変うれしく思います。自分の財産はゼミの卒業生たちなのだと改めて得心しました。

当日開催されていた,学生研究発表会終了後,多くの卒業生が残ってくれて,1時間ほど歓談しました。当日集まった最年長者と最年少者では15歳ほど年齢が離れていますが,共通してゼミで体験したことが多いので,和気あいあいとした雰囲気になりました。

最年長の卒業生たちは,日進キャンパスしか知らず,今回初めて名城公園キャンパスに来場しました。「ずいぶんハイテクでびっくりした」と名城公園キャンパスの第一印象を語っていました。一方で最年少卒業生は日進キャンパスを知りません。この点は世代ギャップを生んでいました。

日進キャンパスの商学部の建物が跡形も無くなったという話をすると,最年長卒業生たちは驚いていました。変わらないようで,実際には大学はどんどん変化しています。

もっとゆっくりと卒業生の話を聞きたいと私は思い,お互いに様々な近況を語り合いたいと卒業生たちも感じ,当日来れなかった卒業生にも会いたいという思いをみな持っていたようで,近いうちに忘年会か新年会を開催しようと話し合って,この日はお開きになりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホームカミングデー

2023年10月15日 | 運営
10月15日日曜日は名城公園キャンパス大学祭の日でしたが,同時にホームカミングデーが開催されました。卒業生が母校に帰るという企画です。その催しの一環として,商学部は学生による研究発表会「ビジネスカンファレンス・ホームカミングデー大会」を開催しました。卒業生と現役学生とが触れ合う場として設けました。

うちのゼミからは3年生2チームが発表しました。1週間前に,名古屋マーケティング・インカレ第2回中間発表会でゼミから4チームが参加しましたが,そのうちの2チームです。まあまあの出来だと自覚して,率先してエントリーしてくれました。1つは同性婚式が広まらないのはなぜかを追究する発表,もう1つはハンバーガーチェーン「バーガーキング」の日本市場参入に関するマーケティング戦略の是非を考察するチーム。

私は発表会の運営委員・司会役として,動き回っていたので,彼らの発表は聞きませんでしたが,参加者のコメント用紙の記入を読んでみると,悪くない発表のようでした。1週間前の名古屋マーケティング・インカレ第2回中間発表会でつまづいた点を修正していたようです。

今回は1月開催予定の本大会前の中間発表会ではあるが,同窓会組織「商経会」の援助を受けて,学部長による表彰が行われました。本大会とは違い,少数の優れた発表を選出するというのではなく,「ダメではない」真面目に努力した成果をたたえるという姿勢で表彰がなされました。全12発表のうち,不真面目でダメな発表は1つもなかったので,今回の発表者全員に研究奨励賞が学部長より授与されました。

かつての中間発表会では,準備不足で,何を語っているのかよくわからない発表が含まれていましたが,今回そのようなものは1つもありませんでした。3年生の選ばれたチームに加え,自発的に参加を希望した4年生(卒論)も含まれていたので,全体レベルは過去の中間発表と比べれば,高かったといえるでしょう。

1つでも発表の機会が多ければ,学生の思考やプレンテーション能力は向上すると思います。発表したうちの2チームの能力向上を願っています。また,発表しなかったチームも刺激を受けて一層の努力を重ねるよう祈っています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほんま?なんで?と問いかけてみる

2023年06月15日 | 運営
現在ゼミ3年生の研究発表チームの一つが,同性カップルの結婚式・披露宴が広がらないのはなぜか?というテーマで調査研究を展開しています。当初読んだ関連記事では,式場が拒否するからだということでしたが,実際に名古屋市内の式場数十にインタビューしてみるとほとんどが同性婚式・披露宴開催可とのこと。したがって,何がその広がりを阻んでいるのか仮説立案のために悩んでいます。

ところで,結婚式・披露宴に関する面白い記事を見つけました。下段の記事は,ブライダルフェア(結婚式場見学会)にやってくるカップルの多くがフレンチのコース料理を食べたことがなく,試食会で初めて経験したことを報告しています。デフレが続き賃金が上昇しない経済情勢の日本では,結婚式を挙げることができる比較的余裕のある中流層でも,コース料理を食べたことがない人が多くなっている。経済格差は経験格差をもたらす一例ではないかという指摘です。

この記事では,以前ならば,安価な料理と比較的高価な料理を食べ比べてもらうと,ほとんどの見学者は高価な料理をおいしいと評価し,そちらを披露宴メニューに選択した。しかし,今では料理の味の違いが分からないので安い方でよいと答えるカップルばかりになっていると報告しています。そして,それは文化の衰退につながるのではないかという危惧を表明しています。

この記事を読んだときに,本当にカップルの多くがフレンチのコース料理を食べたことがないのか? 印象論ではなく,それを示すデータがあるのか? また,それが仮に本当だとして,なぜそうなったのか? 経済格差が進行したため,フレンチコースの食事を経験することができる層が減少し,経験格差を生んだという記事の説明を支える根拠はあるのか? 結婚して式を挙げることができるカップルは余裕のある中流層であるはずだが,その人たちがフレンチコースを食べる経験がなくなったとことについて,経済環境の悪化以外に理由は存在しないのか? 

いつもゼミで諭している,なんで?ほんま?を追究せよ!に適した例のような気がしてあれこれ考えています。こういう何気ない記事の中に研究ネタが転がっていると思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あなたが初めてコース料理を食べたのはいつだろうか。ウエディング研究家の安東徳子さんは、「披露宴を行うのは30代から40代前半のカップルが中心だが、コース料理を食べたことがないという人が増えている。廉価な会場だと9割のカップルが『ウエディング試食会で食べるのが初めて』というケースもある。経験の格差が広がっている」という――。

昨年、あるホテルのブライダルフェアで行われたフレンチの試食会でのことです。この日は8組のカップルが参加していました。部屋の中ほどの席に座っていたカップルの新郎が、おもむろに両手でスープ皿を持ち上げ、直接口をつけてズズっと音を立てて、スープを飲み始めたのです。周りを気にすることもなく、ゆっくりとスープを飲む干す姿はとても堂々としていました。さらにびっくりしたのは、その後でした。向かい合って座っていた新婦も同じようにスープ皿を持ち上げて、口をつけて飲み始めたのです。まるで新郎を見て「そうやって飲めばいいのね」と納得したかのような表情でした。

安東 徳子「『コース料理を初めて食べた』というカップルが9割…婚礼業界で常識化する『残酷すぎる経験格差』の実態」『プレジデントオンライン』2023/05/26 抜粋
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゼミ合宿

2023年05月07日 | 運営
5月5日と6日,ゼミ合宿を行いました。2019年9月以来ほぼ4年ぶりです。いつもは3,4年生合同(2年生も加わることがある)で実施するのですが,就職活動で忙しい4年生ははずれ,3年生のみ参加でした。

個人的な事情により,現在私は泊りがけで出かけることが困難なのですが,今回は久しぶりの開催であることと数か月前にスケジュールを決めていたため,色々やりくりして引率することにしました。

行先は熱海でした。実は2015年にも熱海をゼミで訪ねています。その時の旅程を参考にしました。8年前と比べて,観光客が増加しています。2015年にも観光客が多い,特に若い人たちがすごく多いと感じていましたが,今回は若いグループに加え,家族連れも多いという印象。コロナ禍明けの開放感で観光需要が高まったのか、とにかく人,人,人。

かつて熱海は寂れ切っていました。1990年代半ばにここを訪れた時,駅前の商店街には人通りがなく寒々しい雰囲気を感じました。ところが2015年にすごい賑わいを見て復活を知りました。今回は復活を超えた再生を感じました。どこに行っても行列です。集客の仕掛けがあちこちにあります。これはマーケティングを学ぶ上でよい事例であるので,熱海の魅力を自分たちなりに考えて欲しいと一部のゼミ生には話しました。せっかくのゼミ合宿を物見遊山だけにはしたくなかったのでした。考えてくれたでしょうか。

今回宿泊したのは,5階建てのマンションを改装した施設です。一棟丸貸しです。5階にはバーベキュー設備があり,さらに屋上には温泉風呂があります。また地下室が存在していて,そこではカラオケが利用できます。2から4階が寝室になっています。

初日,宿泊施設到着後バーベキューのため近くのスーパーに食材を買い出しに行きました。買い出し後,研究発表の検討会を地下室で行いました。7月8日の発表会までにテーマを決めなければならないので,そのための議論を行いました。その後,5階でバーベキューを行いました。準備,調理,食事において,ゼミ生はそれぞれ役割を分担し,他のメンバーを気遣いしながら楽しんでくれました。また,地下室は音漏れがないため,食事後は深夜まで皆でカラオケ等を楽しみました。

翌日,熱海城等の観光に出かける予定だったのですが,ものすごい強風のため,ロープウエイが動かず,熱海城は断念。仕方なく各自食事・観光を自由にした後,全員で昼過ぎにMOA美術館に行きました。その後もあちこちを歩き回ったので,みな夕方にはぐったりです。

観光は予定通りできず,アクシデントがいくつもありましたが,今回の合宿は,私にとって各ゼミ生の個性を確認できる良い機会となりました。ゼミ生にとってもお互いに個性を確認しあう機会になったのではないでしょうか。今後のゼミの運営がスムーズに,そして活発になることを期待しています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

合同ゼミ

2023年02月25日 | 運営
先日,成績発表が行われました。ここで学生にとって年度が実質的に終わります。卒業式終了後のオリエンテーションから新年度行事が始まりますので,この間1か月近く,勉学面では空白になります。それではもったいないということで,勉学面の関心を維持するため,経営学部藤原ゼミと合同で勉強会を開催しました。藤原ゼミ2年生,うちのゼミ2年生,3年生が集まりました。

藤原ゼミはうちと同じくマーケティング専門のゼミです。藤原先生はラグジュアリーブランドを対象に消費者行動の計量分析を中心とした研究をされているので,ゼミでもそれを中核の指導内容とされているようです。私は小売マーケティングについてケーススタディや歴史研究を手掛け,ゼミでもそれを指導の中核としているので,マーケティング専門ゼミといっても両者は毛色が異なります。毛色の異なるゼミの合同活動は指導の幅が広がり,学生には良い刺激になります。

今回は,名古屋マーケティング・インカレに向けた勉強会になりました。藤原ゼミが次年度それに参加予定なので,うちのゼミ3年生が経験談を展開して,何を今後行うべきかを示し,それを受けた両ゼミ2年生が今後の在り方を考える機会を設けるという内容でした。そこには3年生の研究発表プレゼンも含まれました。今年度名古屋マーケティング・インカレ発表分の改善版を一つサンプルとして発表してもらいました。

3年生には身についた能力について語ってもらいました。うまくいかなかったこと,大変だったことも正直に話してもらいました。身についた能力については,異口同音に「人前で話すことが苦にならなくなった」「プレゼンがスムーズにできるようになった」と3年生たちは話しました。2回の中間発表会と1回の本大会で,他大学の学生や教員を前に研究発表するという機会に加え,ゼミでは毎週プレゼンをしてもらいました。数十回繰り返せば,さすがに能力は引き上がります。

うまくいかなかったこと,大変だったことについては,チーム内の対立・瓦解,研究テーマが定まらないことの混乱という2つが焦点になりました。チーム内の対立・瓦解はテーマが定まらないことと関連しているので,結局彼らにとってテーマ設定が最も苦労したことでした。「夏休みを無駄にしなければ,もっとテーマは早く固まったはず」という反省も聞かれました。私からは「例年,3月に始めて,テーマが確定するのは10月か11月」と補足しました。いつもゼミでは,テーマが固まれば研究は半分以上進んだも同然と諭していますが,それを3年生に実感してもらったということです。

チーム内の対立・瓦解に関連して,チーム編成に関するアドバイスを彼らはしていました。研究領域や関心が共通する人が集まってチームを作るより,先に信頼できる人がチームを作り,その上で関心をすり合わせてテーマを決めたほうが良いというアドバイスです。研究内容よりも人を重視するということです。昨今流行りのジョブ型人事に反する考えですが,例年学生たちを見ていると(そして自分の属する組織を眺めると)これは案外重要だなと思います。

勉強会は90分程度続きました。藤原ゼミの2年生が殊の外熱心で,きちんとメモをとり,質問をしている姿が印象的でした。この後懇親の場が設けられました。うちのゼミで,2,3年生が学年を超えて懇親する機会は3年ぶりでした。次年度のキックオフになった点と学年とゼミを超えて懇親の機会があったという点で意義ある一日になりました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卒業生来訪

2022年09月24日 | 運営
9月23日(金)は秋分の日で祝日です。しかし、大学は授業日でした。近年、月曜日を中心に、祝日を授業日にすることが常態化しています。祝日の授業日、たまにゼミの卒業生が大学に訪ねてきてくれますが、今回、3年前に卒業した石黒君が私の研究室を訪ねてくれました。

現在の仕事、居住地での生活、将来の目標など様々な話題を提供してくれました。当然大学時代の思い出話をしましたが、石黒君は「ゼミは楽しかったです。通常の授業では、学生は教員の説明を聞いてそれを覚えて試験で再現するだけ。ゼミでは、自分で調査し、思考し、プレゼンテーションする。その後、同級生や先輩・後輩と議論する。これが大学らしい活動で、いい経験でした」と語ってくれました。そして、自らで調査やプレゼンテーションをする能力を身に着けると、社会に出てから役立つと強調しました。

こちらからはゼミの現況を話しました。ゼミの雰囲気が、以前のように活発に議論する様子ではなくなっていること、学生たちに活動を決定してもらうと何もやらない方向に行くことなどを説明すると、「懇親会、合宿、その他の課外活動ができないのは、つまらない。ゼミらしい活動ができず後輩たちはかわいそうです」「多分元に戻すには何年もかかると思います。学生に決めさせず、先生が決めてどんどん活動を進めたほうが良いと思います。学生はそもそも合宿や発表会の意義を理解していないとい思うので、自発的にやろうとはしないでしょう」と話しました。

石黒君の卒論はビジカンで最優秀賞に選ばれました。その年は卒業式を実施しませんでした。卒業式が挙行されていたら、式後の学部ごとの学位記伝達の場で、ビジカン表彰の賞状を併せて伝達されたはずです。彼はそれがないことをずいぶんと残念に思ったそうです。しかし、合宿は毎年実施できたし、研究発表会にも何度も参加できた。これらは本当にいい経験で、今のゼミ生の現状と比較すれば、幸運だったそうです。

自分の卒論はたまたま最優秀に選ばれたが、他のゼミ生の卒論も出来の良いものがいくつもあり、ゼミ生間で卒論の読み合わせをしたり、質問をし合ったりという時間は楽しかったと話してくれました。現在のゼミ4年生にはこんな雰囲気は全くありません、ゼミの伝統が崩れつつあります。立て直すためには、卒業生の力を借りながら、教員が率先するしかないのかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雑誌紹介

2022年09月16日 | 運営
『宣伝会議』10月号の大学ゼミ訪問という連載記事において、うちのゼミが紹介されました。このゼミは別段何か特殊な教育をしているわけではないので、特色をもってゼミの紹介をするのは難しいのではないかと思っていました。しかし、ライターさんはあまり特色のないこのゼミを上手に紹介してくれました。

このゼミの教育の方針として、「なんで?」「ほんま?」の追究ということがまず書かれています。これは常日頃口癖にしている言葉であるとともに、大事にしてきたゼミの指導原理です。したがって、ゼミの教育の方針であることは間違いないのですが、考えるまでもなく大学教育として当たり前の問いかけです。根拠やメカニズムに関する問いかけがゼミの特色ということはないかなという思いです。

記事の最後のほうで、ブログの執筆がゼミの特色として紹介されています。これも特色というほどのことはないかなと個人的には考えているのですが、振り返ってみると、15年も執筆を続けています。ここまで長く続けると特色としてとらえてもいいのかなとも感じています。

実はこのブログは大学関係者、とくに広報関係の部署には大変評判が悪いらしい。私が厳しくゼミ生の能力や努力の足りなさを指摘していることが、広報上よろしくないようです。私個人が大学広報から敬遠されているかもしれません。ただ、このブログは大学広報のために執筆しているのではなく、ゼミ生の能力向上のための指導の一環として執筆しています。指導のために、厳しいことを指摘する必要があることはいうまでもありません。ブログで指摘している内容は大半、ゼミ生に口頭で説明しています。とくにゼミ生から強い反発や苦情を受けたことはありません。自分たちも了解していることがほとんどです。

最近、このブログで問題だなと個人的に感じていることが一つあります。現役のゼミ生の多くが読まないことです。これまでは、2年次ゼミの選考をきっかけに大半のゼミ生は読んできました。最近はゼミの活動に関心がないのか、読む学生が減少しています。そういえば、ゼミの合宿や懇親会にも関心を示さなくなっています。学生に自主的に何か決定させると、何もやらない方向に帰着します。このモチベーションの低さと、ブログを読まないこととが関連しているかもしれません。

せっかくゼミの特色として取り上げてもらったこのブログですが、学生が読まず、指導の一環になっていないのならば、ただの教員の不平の発露になりかねません。大学広報関係に嫌われるのはむべなるかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

経過報告

2022年08月29日 | 運営
8月29日は事務休業日でしたが、ゼミの3,4年生合同の研究発表・卒論の経過報告会を実施しました。全員出席するよう求めましたが、実際に出席したのは3分の1。3年生においては4チームのうち3チームはメンバーが1人以上出席しましたが、1チームは誰も出席せず。4年生は出席しないもの多数。欠席者には代替措置として経過を示すデータを求めました。大半は提出しましたが不十分なものが続出。さらに提出すらしない者もいました。

少数で行った経過報告会でしたが、大変有意義でした。少数がゆえに、学生間の質疑応答が活発になり、一つ一つの発表の問題点と修正点を丁寧に検討することができました。数人の4年生が3年生の発表に対して的確に問題点を指摘したので、3年生は多くの気づきを得て、今後の方向性が導出できた思います。また、4年生は論理的思考の訓練になったと思います。さらに、4年生の卒論テーマ発表に対して、それに初めて触れる3年生が素直に理解できない点、疑問に思う点を指摘してくれたのも良かった。4年生は「分からせる」論理構築の難しさに気づいてくれたと思います。また、3年生にとっては質疑応答の練習になったと思います。

以前のように、学年を超えて、研究発表や卒論について、肩ひじ張らずに「ああでもないこうでもない」と指摘し合うことの教育的意義を改めて知ることになりました。今後、このような機会を何度も作ります。

ところで、今回の発表会に関わらなかった多くの学生について、そのままにしておきます。何らかの課題を割り当てるとかはしません。結局、研究発表や卒論の作成が滞るだけのことで、それは自業自得です。学期最後に評価が下ります。事前に欠席の連絡をしなかった学生も数名いました(社会通念上、サボりとみなす)。それに対してペナルティーを直ちに与えることもしません。ただ、「普段の行動は見られているよ。自分に跳ね返るよ」と諭します。これまた学期最後に評価が下ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする