愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

卒業

2016年03月15日 | Weblog
今年度の卒業生、2年次最初には、12名所属していましたが、学修途中、研究発表ができずに脱落する者、やる気や努力が足りずに不適応になる者が出ました。4年次最初には8名。卒論を書く段になって脱落するものがさらに出て、最終的に残ったのは7名です。彼らについての思い出は、4年次にビジカンを運営してくれたことです。私が「ポスター発表会というよくわからないものをうちのゼミ中心で運営するぞ」と彼らにというと、まったく反対・不平をいうことなく、「あ、いいですね。分かりました、やりましょう」と快く引き受けてくれました。今回はトライアルだから、うまくいかなくてもいいので、とにかくやってみようと私が言うと、それに従い臨機応変に対応してくれました。

いろいろ気遣いをしてくれたことにも感謝します。彼らは旅行や帰省のたびにお土産を買ってきてくれました。各地方、各国の土産菓子で、ゼミの合間に皆で他愛のない話をしたことも良い思い出です。

彼らのプレゼントで何よりうれしかったのは、最後のゼミで皆から贈ってくれた万年筆と、新年会で贈ってくれたインスタントカメラです。その万年筆で最初に書いた文字を、記念に、写真として掲載します。


卒業生にはつぎの言葉を贈ります。


「仕事の報酬は仕事だ。それが一番うれしい。」

「若い方々にぜひ伝えたいことが、二つあります。一つは、自分自身を大切にすること、自分を生かすということと合わせて、それと同じくらいのウエイトで、他人(ひと)のために、社会のために何かできることはないか、ということを考えていただきたい。また、そういう気持ちを、ぜひ持っていただきたいということです。もう一つは、しっかりした生きるよりどころを、ぜひ持ってもらいたいということです。」

(井深大 ソニー創業者の言葉)


私が今まで見てきた周囲の尊敬を勝ち得ている職業人には、大きく分けて2種類います。1つは、他人のために働くことをいとわない人です。他人が喜ぶことを何より大事にする人といってもいいでしょう。もう1つは、仕事が好きで、仕事の面白さに取りつかれた人です。つぎつぎと自分でタスクを生み出します。井深さんの2つの言葉は私の知っている尊敬できる2種類の人を言い表しています。

井深大は、偉大な経営者・エンジニアとして、経済史に名を残しました。きっと自分の言葉を大事にして、生き抜いたのでしょう。私たちは、井深大のような偉人になれなくとも、市井で自らを誇り、周囲から存在を認めてもらえる人として活躍したいと願うならば、その言葉をかみしめる必要があるのではないかと思います。

2種類の人、まったく異なるタイプのように思えますが、実は共通することがあります。それは、仕事をする際に真っ先に報酬のことを考えないということです。そして、報酬の分だけ働くという料簡を持たないことです。

優れた企業においても同じようなことが言えるのかもしれません。江戸時代から今まで生き残ってきた小売業者の大丸の経営理念は「先義後利」と表現します。まず社会で果たさなくてはならないことをきちんとやり遂げる、そうすれば後から利益がついてくるという考え方です。社会で果たさなくてはならないことというのは、顧客の利便や満足の充足、社会における革新の追求などがあるでしょう。まず儲けることを考えるのではなく、顧客を喜ばせ、社会に革新を起こすような仕事をきちんとやる、そうすれば、後に儲けを得ることができるというのです。

卒業生は職業人として今後活躍していきます。その時に、職場においては、先義後利を念頭におき、他人のためにできることが何かないか気配りをして欲しいと思います。そして、仕事の面白さを探し出す努力をして欲しいと思います。そうすれば、きっと充実した職業生活を送ることができるでしょう。
コメント
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