愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

もうすぐ募集

2018年05月22日 | 募集
2年次秋学期から始まるゼミ(演習Ⅰ)の募集期間に入りました。まず,今週説明会が開かれ,その後ゼミの公開,面接と続きます。うちのゼミを志望する商学部学生はごくわずかであると思いますが,その学生はゼミの方針を知った上で応募してください。

当たり前ですが,ゼミではきちんと学問に向き合ってもらいます。週に1度,出席さえしていれば単位が取れるということはありません。週に1度の演習の時間では,ゼミ生は自分たちが調査・分析した事柄をプレゼンテーションしなければなりません。それに対して,教員や他のゼミ生が改善を促すべくコメントします。そのコメントを受けて,次週までに修正を図らなければなりません。これをずっと繰り返します。一度決めたテーマを半年間もしくは1年間ずっと追究してもらいます。

調査・分析においては,たくさんの文献を読まなければなりません。1冊か2冊の指定された本を読んで,その内容をまとめて報告して終わりということはありません。テーマに関係する専門書や論文を何十も自らサーベイして読んでもらいます。さらに,データベース等で新聞や雑誌の記事も何十も検索してもらい,社会の動きと理論とのつながりも捉えてもらいます。週に1度の演習の時間以外に,自発的にこれらを行うことになります。

文献調査がある程度終わったら,企業に対するヒヤリング調査,消費者に対するアンケート調査,店舗の視察などを行うことになります。

文献と格闘するなんてつまらなそうだし,ヒヤリングやアンケート調査なんて面倒くさそうだと思う人は,うちのゼミに応募しないでください。そういう地道な作業によって学問に向き合うことの楽しさを感じたいという学生に応募してきて欲しいと思います。

キャンパスを訪ねてくるゼミの卒業生は,必ず,「ゼミでは後輩にきちんと勉強させるようにしてください。じゃないとつまらない学生生活になります」と私に要請します。最近の卒業生だけでなく,卒業して10年経つ卒業生もそのフレーズを異口同音に述べます。卒業生たちはゼミの活動に意義を感じていたようです。

うちのゼミでは,卒業してから,キャンパスを訪ね,後輩たちに向かって,「きちんと勉強しておかないとつまらない学生生活を送ることになるよ。自分はまあまあ充実していたと思う」と語ることができる人を求めています。
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就活で大事なこと

2018年05月08日 | 就職
就活の情報解禁日、3月1日が目前にせまり、売り手市場でのんびりしていた学生たちもようやくエンジンがかかってきた。エントリーシートを書いては見せに来ている。その中で、ある傾向として気づくのは「ドラマチック」に書きたいのか? と思われる内容だ。

例えば「学生時代一番頑張ったことは、留年したがそれを挽回したこと」というもの。確かに自分なりに精いっぱい頑張ったのかもしれないが、留年したことをはじめに言うのはどうか? と思う。もちろん「なぜ留年したのか」と聞かれたらそれについて答えることは必要だ。そこをどう挽回したかとプラスの方向で答えるのはいい。だが、それはあくまでも聞かれてからのこと。自分のマイナスポイントをはじめから声高にPRする必要はない。

自分のことを長所も短所も洗いざらい書いて、わかってもらうのがエントリーシートではない。
読んだ会社側の担当がどう思うか、ということを少し考えて書こう。ドラマチックな作文も決して望まれているわけではない。確かにエントリーシートで「困難だった出来事と、それを克服した経験を書きなさい」という質問はよくある。その場合は「困難な出来事」を書かなくてはならないが、先に挙げた例のように自分の失敗を書くのではなく、「状況」を書く方がいい。

例えば「部活動のコーチがいなかったが、自分たちで工夫して練習した」などだ。質問の仕方は違うが、結局、「学生時代一番力を注いだ経験」を書くことになる。なぜなら「困難な出来事」に遭遇するのは力を入れたからこそ。そもそも力を注いで頑張ってもいないのに、困難な出来事には遭遇しないだろう。

上田晶美「ドラマチックなPR必要? 企業側に立って吟味しよう」日経新聞2018年2月18日抜粋

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以上の記事では,学生が自分の体験記をドラマチックなものにすべく,あえてミスやマイナス生活からの挽回物語を作り上げて,企業にアピールすることのおかしさを説いています。

そもそもドラマチックな物語が必要なのでしょうか? 学生たちは,就職活動において,華々しさや特別な存在感が企業に受けると思い込んでいる節があります。しかし,多くの企業や職種において,華々しさや特別な存在感より,地道さや粘り強さのほうが重要であるのかもしれません。多くの組織の採用活動は「スター発掘」とは違います。たいていの組織の採用担当者は,職場に貢献してくれる働く仲間を探し出しているのです。組織の業務には,地味で,面白みがなく,ときに理不尽で腹立たしい部分が存在します。そんな業務を,一緒に担当できる人を探し出しているのです。

なお,私が学生のエントリーシートを始めとする書類を見ていて思うことは,ドラマチックかどうか以前に,「何を伝えたいのか分からない」要領を得ないものが多いということです。これは,学生の状況を要約する能力が低いことが原因の一つではないかと考えています(少なくとも私が接している学生の話)。逆に言うと,要約能力を高めると,就活で求められる書類の評価が上がると考えられます。さらには,口頭での説明においても同様に評価を上げることができるでしょう。

ゼミでは,日経ビジネスの記事を要約する練習を毎年行っています。記事の内容を要約して口頭で説明することを指示すると,ゼミ生は,慣れないうちは記事を全部読んでしまうのです。「これでは要約にならない,記事の内容を短くまとめるように」と指示すると,ゼミ生は記事の文章をいくつか抜き取って読み上げます。これがやっとです。

しかし,これでも要約にはなりません。そもそも自分なりに重要なポイントは何か把握していないので,ばらばらの情報を紹介しているだけになります。何を伝えたいのか不明です。さらに,記事で使われている言葉を自分なりに聞き手に合わせて換えておらず,記事の内容を聞き手に理解してもらう工夫がありません。これでは聞き手には,ゼミ生が何を伝えているのか理解できません。

テーマを捉えること,焦点を当てること,聞き手に合わせて言葉を換えること,これらをきちんと行うだけで,要約能力が上がると思います。言うは易く行うは難しですが。


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