愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

自分に厳しく

2008年02月24日 | Weblog
先日,2,4年生の成績発表がありました。進級・卒業を控えている学生たちなので悲喜こもごもです。成績発表後,学生が教員に対し,質問書という形で,評価が適切であったかどうか確認を求めてくることがあります。「単位が取れなかったけど,本当にだめだったのか?」「もっと評価はいいはずなんだけど,間違ってませんか?」という思いを込めての確認要請です。

学生にとっては,教員はいい加減に成績をつけているのではという思いがあるのかもしれません。私が学生時代にも,~~先生は扇風機で答案を飛ばして,飛んだ距離で成績をつけているなんていう噂がありました。教員になってみて分かることは,そんないい加減に成績をつけることはありえないということです。国の許認可事業である大学において,責任を問われる単位認定作業で,いい加減なことはできません。学生の質問書を読んで,答案,レポート,出欠状況を確認して,質問に対するコメントと評価変更の可否を回答しますが,評価変更することは基本的にありません。

質問書を読むと,きちんと答案を書き,出席をしたのに,なぜダメなのですかという内容が多いのです。また,自分の答案はできていたはずだというのも多い。ところが,そういう質問をしてくる学生の答案ほど,試験問題が問いかけていることと違っていることが多いのです。試験問題の意味が理解できていないということです。いくら自分はがんばったはずだと訴えても,要求されている内容やレベルから程遠ければよい評価になるはずはありません。

学生に気づいて欲しいのは,自己評価と他者評価のずれということです。自分が思っているほど他人は自分のことを高く評価してくれないものです。たいてい,人は自分に甘いのです。社会では,自分ががんばったからと自画自賛したところで,他人が認めてくれなければどうにもならないことが多いのです。卒業後嫌というほど味わうでしょう。学生時代はそのことに気づかないのか,学生達は,試験でいい評価が得られないと,教員の評価方法がいい加減だと自分を慰め,就職面接でうまくいかないと,しょせんコネ採用だったのだと自分を慰めています。あまり有益には思えません。

面白いもので,よく勉強し,学問内容を理解している学生ほど,自分はできたはずだと口にはしないのです。よくできる学生に,試験はできましたか?と問いかけると,具体的にミスを指摘しながら,自分の不出来を嘆きます。能力が上がるにつれて,自分に厳しくなり,他者の目で自分のことを見ることができるようになるのでしょう。逆に,能力レベルが低いと,自分に甘く,他者の目で自分を見ることがなかなかできないのでしょう。社会を見渡すと,プロ,一流と呼ばれる人ほど自分に厳しいようです。自分に厳しくないとプロの仕事はできないといってもいいでしょう。まだまだダメだという自分に対するダメだしが向上心につながっているのです。
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リクルート・スタイル2

2008年02月17日 | 就職
大学3年生は就職活動真っ盛り。ここで,リクルート・スタイルにおいて,シャツの選び方を考えて見ましょう。スーツやネクタイは色々と気を使うのに,シャツには全然気を使わない学生をよく目にします。小売店でもあまりアドバイスをしてもらえないようです。

シャツを選ぶときには,色,襟の形,サイズをチェックしてください。

色については白が選ばれることがほとんどのようです。白でなくてはダメなんて思い込んでいる学生も多いようです。しかし,多く業種や企業で,無地の色つきシャツでも問題ないようです。普通のビジネスマンが着ている訳ですから。ただ,濃い色のシャツはネクタイが合わせづらく,カジュアル感が出るので止めたほうがいいでしょう。薄い色,とくに薄い青(サックスブルー)ならば,紺やグレイのスーツとは同系色になり無難です。紺スーツに,サックスブルーのシャツ,青系のネクタイなどは,色のグラデーションができるので上品な感じになります。

襟の形については,襟が狭まっているレギュラーカラー,広がっているワイドカラー,中間ぐらいのセミワイドカラーなどがあります。たいていの学生は小売店でいわれるままにレギュラーカラーのシャツを買っています。ただ,最近のデザインのスーツと合わせる時にはレギュラーでないほうがしっくりきます。最近のスーツはラペル(スーツの襟)のゴージライン(前の上襟と下襟の境目)が,上のほうにあり,角度がゆるく横線に近くなっています。シャツの襟の開きはこのゴージラインに合わせるとすっきりきれいに見えます。ゴージラインが低く,急な角度の場合は,シャツは狭まった襟にして,ゴージラインが高く,横線に近い場合は,シャツは開いた襟にするのがいいのです。最近のスーツはゴージラインが高いので,シャツはワイドかセミワイドカラーを合わせるときれいに見えます。

サイズについては,袖部分の長さ(裄たけ)をチェックしてください。手を下ろしたときにシャツがスーツジャケットから1~2センチ程度出ているのが理想です。出たシャツ部分がアクセントになって引き締まって見えるのです。出ていないと,サイズの大きいジャケットを来ているようで,幼く見えます。出過ぎると,だらしなく見えます。何より,袖が手にかかって邪魔です。


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ふさわしい仕事

2008年02月05日 | 就職
脳科学者の養老孟司さんがかつて言った言葉。「自分に合った仕事なんか無い」。「仕事とは社会に空いた穴だ。道に穴が空いていて、そのまま放っておくと誰かが転ぶと困るから、そこを埋めてみる。とにかく目の前の穴を埋める。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんてふざけたことを考えるんじゃない。仕事は、自分に合っていなくて当たり前。つらいし、面白くない、しかし、それも社会の穴で、それをとにかく埋めたから、社会がお金をくれたんだ」。就職活動中のゼミ生にはこの言葉に感じ入って欲しいと思います。

1990年代以降,自分らしくという言葉が日本中で踊ってきました。そして,自分探しという言葉も広がりました。就職活動においても,自分を活かせる仕事探しということをテーマにする学生が増えました。しかし,これは考えてみればすごく不遜な考えかもしれません。自分中心に世の中が回っているという考えが根底にあって,その自分のために仕事が存在するという発想が垣間見えるのです。

お金を稼ぐ仕事は,社会にニーズがあるから存在するのです。人が自分らしさをいくら望んだところで,社会がそれを望まなければ仕事として成り立ちようがありません。独裁者は別にして(あるいは独裁者だって),個人は大きな社会のなかのシステムに組み込まれた装置や部品の一つにしか過ぎません。個人はそのシステムにはまることができるかどうかが問われるのです。

まずは,社会の穴を埋めることができるかどうかを考えなければなりません。社会の穴を埋めることは実は容易ではありません。学生は卒業当初はそんな能力はないでしょう。人は自分が思っているほど能力はないのです。自分らしさもいいですが,社会にはどんな穴が開いているのか,そしてその穴を埋める能力は自分にはあるのか,今ないとすればどうすればその能力が身につくのか,ゼミ生には学生時代にじっくり考えて欲しいと思います。
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