定期試験が終了しました。学生たちはしばらくは勉強を理由に大学に出向く機会はほとんどありません。4月上旬まで長い休みに入ります。この間,4年生は学生生活最後の貴重な経験をして欲しいと思います。長期の旅行に行くことは社会人になるとなかなかできなくなります。財布の許す限り,長い旅行に行くことを勧めます。3年生は就職活動が本格化します。厳しい雇用情勢が身に染みると思いますが,悔いを残さないように活動してください。1,2年生は比較的余裕のあるゆったりとした時間を過ごせると思います。フットワークを軽くして,思いついたことは何でもやってみてください。
さて,全学生に休み中の活動として勧めるのは,読書です。大学の授業を離れ,余裕のある時間に,自分の行く末,社会の変遷,経済のあり方,歴史の深淵,文章の美しさを考察してください。ゆっくり読書をする機会は学生ならではの特権なのかもしれません。
以下にお勧めの本を紹介します。といっても,専門的な難しい本ではありません。経済に関連した気軽に読める面白い本です。
金子哲雄『超三流主義~年収200万円で600万円の暮らしを!~』扶桑社。題名からするとふざけた内容を想像してしまいますが,今後の生活を見直すことに役立ちそうな本です。デフレ・低収入時代の生き方を指南しています。賢い買い物術,節約生活の考え方と方法,ちょっとした見栄の張り方などが内容の中心です。
節約生活の考え方と方法が書かれた章では,惨めにならないようにいかに節約をするかということがあれこれ説明されています。これを読み終えたとき,ある本を思い出しました。ベストセラーのトマス・スタンリー=ウイリアム・ダンコ『となりの億万長者』早川書房です。アメリカの億万長者の暮らしぶりを調査して描いた本なのですが,その内容は興味深いものです。意外にも億万長者たちは贅沢な消費生活を送ることなく,質素倹約を心がけた地味な生活を営んでいることが示されているのです。けちでありながらも惨めにはならない,合理的なライフスタイルというべきものです。『超三流主義』は貧乏人の生き方を示した本のようですが,その実は金持ちのライフスタイルにも通じるデフレ時代の生き方を考えさせてくれます。
『超三流主義』にはつぎのような面白い表現が何度か出てきます。「真の国際競争力をつけるためには収入を高くする努力よりも,低収入でも生活できる力をつけていくほうが現実的」。グローバリゼーションが現実になったこの時代,多くの仕事は(全てとはいえませんが)低賃金の国の労働者に流れていきます。低収入で生活できる人は,職業や居住地の選択幅を広げて生きていけます。強い人は,どんな経済情勢になっても生きていくことができる人なのです。
『となりの億万長者』によれば,億万長者たちが地味な生活を送ってお金を貯めるのはそれが経済的自由を得ることになると考えるからだそうです。経済的自由とは,景気にも,失業にも,会社の都合にも生活が左右されないことです。庶民も同じで,けちけち生活を送ることで,「国際競争力」を獲得して経済的自由を得るのです。
なお,『超三流主義』の賢い買い物術が書かれた章では,小売マーケティングにおける価格設定の方法を踏まえて,それを顧客の立場から逆手にとって安く買う方法が述べられている箇所があります。小売マーケティングの勉強に少々役立ちます。
さて,全学生に休み中の活動として勧めるのは,読書です。大学の授業を離れ,余裕のある時間に,自分の行く末,社会の変遷,経済のあり方,歴史の深淵,文章の美しさを考察してください。ゆっくり読書をする機会は学生ならではの特権なのかもしれません。
以下にお勧めの本を紹介します。といっても,専門的な難しい本ではありません。経済に関連した気軽に読める面白い本です。
金子哲雄『超三流主義~年収200万円で600万円の暮らしを!~』扶桑社。題名からするとふざけた内容を想像してしまいますが,今後の生活を見直すことに役立ちそうな本です。デフレ・低収入時代の生き方を指南しています。賢い買い物術,節約生活の考え方と方法,ちょっとした見栄の張り方などが内容の中心です。
節約生活の考え方と方法が書かれた章では,惨めにならないようにいかに節約をするかということがあれこれ説明されています。これを読み終えたとき,ある本を思い出しました。ベストセラーのトマス・スタンリー=ウイリアム・ダンコ『となりの億万長者』早川書房です。アメリカの億万長者の暮らしぶりを調査して描いた本なのですが,その内容は興味深いものです。意外にも億万長者たちは贅沢な消費生活を送ることなく,質素倹約を心がけた地味な生活を営んでいることが示されているのです。けちでありながらも惨めにはならない,合理的なライフスタイルというべきものです。『超三流主義』は貧乏人の生き方を示した本のようですが,その実は金持ちのライフスタイルにも通じるデフレ時代の生き方を考えさせてくれます。
『超三流主義』にはつぎのような面白い表現が何度か出てきます。「真の国際競争力をつけるためには収入を高くする努力よりも,低収入でも生活できる力をつけていくほうが現実的」。グローバリゼーションが現実になったこの時代,多くの仕事は(全てとはいえませんが)低賃金の国の労働者に流れていきます。低収入で生活できる人は,職業や居住地の選択幅を広げて生きていけます。強い人は,どんな経済情勢になっても生きていくことができる人なのです。
『となりの億万長者』によれば,億万長者たちが地味な生活を送ってお金を貯めるのはそれが経済的自由を得ることになると考えるからだそうです。経済的自由とは,景気にも,失業にも,会社の都合にも生活が左右されないことです。庶民も同じで,けちけち生活を送ることで,「国際競争力」を獲得して経済的自由を得るのです。
なお,『超三流主義』の賢い買い物術が書かれた章では,小売マーケティングにおける価格設定の方法を踏まえて,それを顧客の立場から逆手にとって安く買う方法が述べられている箇所があります。小売マーケティングの勉強に少々役立ちます。