愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

Eco Life

2012年07月17日 | Weblog
7月13日の『ナショナル・ジオグラフィック』(日本版)につぎのような記事が掲載されました。「アメリカの消費者は、環境と調和する持続可能な行動が他国に遅れを取っている。しかも,自らが環境に及ぼす影響に罪悪感を抱く割合が最も低い」という内容です。ナショナル・ジオグラフィック協会と国際世論調査機関グローブスキャンによるグリーンデックス(Greendex)調査レポートの要約です。

グリーンデックスは,ナショナル・ジオグラフィック協会とグローブスキャンが2008年から3年続けて実施している調査で,今回が4度目。インターネットを利用し,世界17カ国の消費者1万7000人に,住宅,交通,食品,消費財」について質問し,環境に対する姿勢と行動を評価しているそうです。

アメリカに来て,驚いたのが,アメリカ人のエコ意識の低さと,環境保護を顧みない消費生活です(少なくともアーカンソー)。

アーカンソー大学フォートスミス校に着いた初日に,大学のカフェテリアで,学生が,缶,ビン,紙ごみ,食べ残しを全部まとめてゴミ箱に捨てている姿を見て驚きました。私の案内役の日本人留学生に,「あんな捨て方でいいのですか?」と聞くと,「ええ,こちらではあれでいいのです」と返答されました。さらに,家庭でのゴミの捨て方を質問すると,「市指定のボックスに,何もかもいっしょくたに入れて,週に1度家の前に出しておくと収集してくれます」と返答。「分別する必要はないのですか?」と聞き返すと,「そんなことはこちらではしません」と強調されました。地元新聞をたまたま読んだときに,ゴミを2種類に分別して収集する案に対して反対運動が起き,政治問題になっているという記事を見ました。面倒だし,混乱が起きるというのがその反対理由です。

また,こちらのエアコンの使用状況にも驚きました。各施設では5月の初めからすでにエアコン(冷房)を入れているのですが,節電が徹底している日本では考えられないくらい低い温度設定で稼働させています。しかもずっとつけっぱなしです。大学,レストラン,ショッピング・センターなどの施設では,寒くて長袖のジャケットが必要なくらいです。6月末からこちらでは屋外の気温が摂氏40度に達するようになりましたが,そんななか私はジャケットを持ち歩いています。現地の人に聞いてみると,家庭では外出中もつけっぱなしが当たり前なのだそうです。

日本では,多くの地域でポリのレジ袋の無料配布が廃止され,人々は買い物バッグを持ち歩くことが当たり前になっています。こちらでも持ち歩き型の買い物バッグは存在しています。スーパーの店内で売られていますし,小売店が無料配布してくれる場合あります。しかし,だれもそんなものを持ち歩いていません。日本人留学生がそれを持って買い物に出かけると,同行したアメリカ人学生から「貧乏くさくて,格好悪いからやめて!」と抗議されたそうです。私の場合,ある大手小売業者が無償で配布してくれた買い物バッグを持って,その店に行き,レジでその買い物バッグを差し出すと,店員がそれを無視して,レジ袋に商品を詰め始めました。いったいこのバッグ配布は何の意味があったのか,不思議な気持ちでその店を出ました。ちなみに,こちらでは,多くの小売店で,一度の買い物で信じられないくらいの数のレジ袋をくれます。1~2品に1枚という感じです。

日本では環境に配慮した商品というものが小売店の店頭にたくさん並んでいます。消費者の商品選択の要因の1つとして環境保護が持ち上げるのは普通になっています。しかし,こちらの小売店でそのような商品を見ることは非常に少ない。エコが差別化の重要項目にはなっていないようです。

今朝,フォートスミス市のゴミ収集に間に合うように,収集ボックスに,ビンやら布やら紙やら生ごみやらをいっしょくたに入れて,家の前に出しました。その作業をしながら,名古屋では,8種類ほどにゴミを分別していることを思い出しました。おそらく日本中至る所で,その程度の分別が行われているでしょう。過去20年日本経済は停滞の中にいました。この先も停滞は続きそうです。しかし,日本が世界の中で一歩前を進みつつある分野があることを肌身で感じました。環境保護が今後不可避のトレンドであるとすると,日本は先端を走ることになるのかもしれません。過去20年は停滞ではなかったのかもしれません。

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カード社会2

2012年07月06日 | Weblog
私が持っている3枚のクレジット・カードうちの2枚がほぼ同時にスキミングされました。そして,偽造カードが何者かによって作られ,不正に利用されました。

アメリカは日本以上にスキミング犯罪が多いことを知っていたので,アメリカに入国して以降,レストランではテーブルチェックはしない,怪しげな店では買い物をしない,毎日web上で取引を確認するなど,それなりに警戒していました。しかし,結局はそんなことぐらいでは防ぎようはなかったのです。

現地の人は,「アメリカではよくあることですよ。自分もやられました。保険がかかっていて損害は補償されるのじゃないですか? 気にすることはありません。」と慰めてくれました。いつどこでどのようにスキミングされているのか見当がつかないそうです。

1枚のカードはカード会社の不正検知システムが働いて使えなくなってしまい,「おかしい」と思ってweb上で取引を確認し,不正利用を存在を知ったので,即座にカード会社に連絡しました。もう1枚のカードは取引の度にその内容がメールで送られてくる仕組みになっているのですが,身に覚えのない取引報告(インドで買い物をしたことになっていた)が送られてきたので,即座にカード会社に連絡しました。

日本のカード会社は即座に再発行の手続きを取ってくれたのですが,少々困ったことになりました。再発行カードは直接アメリカの私の手元には送ることができないというのです。仕方がないので,申請住所を変更して,私の実家あてに送ってもらうようにし,それを私の実家からアーカンソーの現住所に転送してもらうことにしました。セキュリティー上やむを得ない処置だとは思いますが,観光ではなく,商用で海外に滞在している人の中には,一家全員で転居してしまった人もいるはずです。その場合には,どのような処置がとられるのでしょうか。関心を持ちます。

スキミング対策のため,ギフトカード利用を思い立ちました。アメリカでは,日本の商品券のように,カード会社が発行したプリペイドのクレジット・カードが存在します。それをお礼や記念品として贈ることが一般化しているのですが,自分用に買って利用することを考えたのです。1枚に6ドルほどの発行手数料がかかることが難点ですが,これだとスキミングされても被害は少なく済みます。金額が限られるので,いつも使うわけにはいかず,根本的な解決にはなりませんが,通常のクレジット・カード利用の機会を減らして,スキミングされる可能性を減じることはできそうです。

ただし,ギフト・カードはスキミング対策以外の利便性を私にもたらしてくれました。日本発行のカードでは取引することができない,現地のインターネット通販を利用することができるようになったのです。また,日本発行のカードを受け付けないガソリンスタンドでカードを使うことができるようにもなったのでした。

ところで,日本のカード会社は不正利用の損害を補償してくれるのでしょうか。1つの会社は,現地の警察で犯罪の証明をもらってくるよう私に指示しました。いったいどうやってもらえばいいのでしょうか。どこでスキミングされたのか分からないし,取引の明細は日本語で書かれています。現地の警察官が日本語を理解するとは思えません。もちろん,私に以上の事柄を英語で説明する能力はありません。I'm in trouble.
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