愛知学院大学青木ゼミのブログ

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卒論発表会

2014年01月17日 | 卒論
先日,ゼミの補講として,卒論発表会を開催しました。例年通り,実質的には審査会です。すなわち,ゼミの2,3,4年生が参加し,卒論に関する口頭発表について評価する会です。

今回は,卒論提出後あらかじめ4年生が相互評価して,修正点を指摘し合い,問題点のある卒論については書き直しがなされました。その書き直しを踏まえて,発表が行われました。発表者は4年生全員です。その発表に対し,2,3年生が100点満点で採点し,さらにコメントを記入しました。また,4年生は自分以外の発表者に対して採点しました。

評価基準は,例年通り,研究目的の具体性,情報収集(調査)の徹底,内容の独自性,論理性,プレゼンテーションの巧みさでした。

1位になったのは,竹内祐太「顧客満足とロイヤルティの関係についての研究」でした。これは,顧客満足と顧客(もしくはブランド)ロイヤルティに関する理論的文献をサーベイし,自分なりに両者の関係定式化を試みた卒論です。

顧客満足を獲得すれば,企業は自ずと顧客からのロイヤルティを獲得することができるという了解に疑問を持ったことが,この卒論執筆の動機になっています。そして,理論的文献から両者の定義や発生ロジックを引用して,その関係を検討しています。つぎに,顧客ロイヤルティを心理的ロイヤルティと行動的ロイヤルティ(リピート購買)に分け,顧客満足ある・なし,心理的ロイヤルティある・なし,行動的ロイヤルティある・なしを組み合わせて8つの関係を導出しています。さらに,顧客満足があるにも関わらず,行動的ロイヤルティーがない場合のロジックについて検討しています。

顧客満足の獲得が重要であることは,マーケティングの研究・実務上強調されています。そのことに異論はありません。ただし,顧客満足を実現することと,売上高や利益を得ることは次元の違うことだという認識が看過されがちなのが気になります。竹内君の卒論はそのことを取り上げています。なお,この卒論は学部優秀卒論賞にノミネートされます。

今年度は,理論の検討,アンケートやヒヤリングによる仮説の検証,ケーススタディーによる法則性の導出,歴史の検討など,様々なアプローチが見られました。かつてはケーススタディー一辺倒だったことを考えると,進歩したと思います。また,既存研究を検討し,それを踏まえて,自分なりの考えを導出する卒論もいくつか見られました。この点も進歩です。

数万字分の内容をわずか20分間に凝縮して発表するのは大変高度なプレゼンテーションです。4年生が,学生生活の集大成として,最後にそれを経験し,能力向上を果たしたならば,良かったと思っています。

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