愛知学院大学青木ゼミのブログ

愛知学院大学商学部青木ゼミの活動を報告するためのブログです。

春学期終了

2010年07月16日 | 運営
昨日春学期最終のゼミが行われました。3年生では,各チームに夏休み中行うべき課題を発表してもらいました。9月2日に臨時ゼミを行う予定なので,その日までにやらなければならないことを考えてもらったのです。

先の名古屋マーケティング・インカレ中間発表会で噴出した様々な問題点を洗い出し,それをいかに克服するかということが問われています。各チームとも,根本的な問題を等閑視している,すなわち,何のためにこの研究を進めるのか,これを進めた結果何がいえるのかということをあいまいにしてきています。皆そのことを反省することになりました。「一旦ゼロベースで考えてみる」「理論に具体例を結び付けてみる」「最初に感じた疑問点を掘り下げてみる」など様々意気込みを語ってくれました。

私は全チームにつぎのことを申し渡しました。学生の研究発表では戦略提案を目的とすることが多い。具体的な戦略を提案できれば格好がいいという思いがどこかにあるのか。ただ,具体的戦略提案はその根拠を示すことが難しく,結局実践の外側にいる学生では思いつきで終わってしまいがち。何とか根拠を示したとしても,強引さが目立ち,ロジックを崩してしまう。もし,きちんとした根拠を示した提案を行えないならば,それは回避して,なぜ研究対象としている事象が起きたのかを説明するための要因追究にとどめておくことを考えて欲しい。これでも十分研究価値があるのだから。

そもそも大学で行われている学問研究は「なぜの探究」です。なぜそんなことが起きたのかを説明することが重要なのです。企業などの実践は「いかにうまくやるかの追求」でしょう。実学を標榜すると,「いかに」が重要であるように思えてくるのですが,大学という教育研究機関は事業実践の現場とは離れているので,そもそも「いかに」を追求することは難しいのです。それよりも,大学ならではの「なぜの探究」を重んじた方が,わざわざ大学教育を受ける意味があるように思います。まずは,「なぜそんなことが起きたのか」という問いにきちんと答えられるようにして欲しいと思います。これも大変難しいことではあるのです。

4年生では,卒論の概要を各自述べてもらいました。私はいままで口酸っぱく,論文のタネになる文献を見つけてきて欲しい,そしてそれを解読して読書ノートにまとめてきて欲しいと指示しました。タネ文献の問題点を検討し,それの修正,発展,追加を考察すれば卒論のテーマは案出でき,ロジックの展開も容易になるのだと。

しかし,誰一人として読書ノートを作成してきているものはいませんでした。3年生にノートの作成を指示したら翌週は全員きちんとやってきたのとは大違い。それどころか,卒論テーマもきちんと考えてきておらず,提出締め切り直前で,苦し紛れに他の学生と共同研究にすると言い出す学生が現れる始末。結局,春学期はほとんど何もやらなかったのでした。

卒論になると,なぜこんなにもやる気がないのか,手抜きをするのか。あきれ果てています。昨年度よりもレベルが落ちています。このままでは,夏休み中にも何もやらず,秋学期に入って,やっと手がけ始め,コピペ卒論を書き上げる学生が続出することが見込まれます。もちろんそんなものはつき返しますが。

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