マジョルカピンク

水曜どうでしょう。大泉洋。大谷翔平。大好き

そして誰もいなくなった

2017-04-02 20:57:46 | テレビ
1週間遅れの感想ですみません。

テレ朝の2夜連続スペシャルドラマに外れなし。
しかし先週はミステリの女王にしてスーパー大御所アガサ・クリスティーの代表作「そして誰もいなくなった」のドラマ化ということで大いに不安が。
あの設定を日本を舞台にすることじたいに無理がある。島そのものが密室となるような状況をどうやって?インディアン人形を兵隊さんとか言ってるし…。はじめは「無いわ」と思いながら見ていましたが。

実に素晴らしかったです。

脚本、演出、演技が見事に噛みあっていましたね。驚いたことに日本を舞台に、日本人が演じているにもかかわらず原作のエッセンスをしっかり保ったまま、ほぼ忠実に再現していました。こんなこと、できるんですね。日本のテレビも捨てたもんじゃないと思いました。
あまりにも有名な作品なので、物語を知っている方も多いでしょうが、ネタばれは不本意なのでストーリーについては多くを申しません。
代表作が多いクリスティーの作品の中でも、やはりこの作品こそが白眉だと思えるのは、全員が容疑者なのに全員が本当に一人ずつ亡くなってしまう恐ろしさ。そして下界から完全に切り離されているという閉塞感。ミステリーってやっぱり怖くないとミステリーとは言えないと思う。本格ミステリなのにホラーか心理スリラーを思わせる恐怖。昔高校生の時初めてこ原作を読んだ歳は、怖くて怖くて夜中に読んだことを後悔しました。しかも普通のミステリーなら謎解きが終わったあとは魔法がとけたように怖くなくなりません?この作品は最後まで怖いまんまなんですよね。

この作品は欧米では何度も映像化されていますが、これはっていう作品は無いような気がします。
無理やりポアロを登場させた作品もあったように思いますし、昔水曜ロードショーで見たバージョンは砂漠の中のホテルが舞台でしたがこれが全然怖くなくて…残念でした。陸の孤島と言っても、地続きと離れ小島では絶望感が全然違いますし。今回は現代を舞台にしても、無人島で携帯・PCを取り上げ停電にさせればクラシカルな設定は全然可能なんだなと。それぞれ脛に傷を持つ彼らが追い詰められていくさまは結末がわかっていてもスリリングで目が離せませんでした。演者は遺作となった渡瀬恒彦さんはじめみなさん素晴らしかった。舞台劇を見ているような厳かさがあり、重厚でした。

今また本格古典ミステリブームなのか、ネタがないのか知らないけど、少し前にも「オリエント急行殺人事件」の三谷バージョンがありましたね。
やはり名作は強い。今後も古典作品の日本ドラマ化に期待しちゃいます。

今夜はなんと「人間の証明」のスペシャルドラマ版。
今のところ私が愛する角川映画版に非常に忠実な感じ!嬉しい。この感想はまた後日。


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