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バンクーバーの敵を平昌で討つ

2018-02-17 23:25:34 | テレビ
開催までは盛り上がりに欠けるのではと思われていた平昌オリンピックも、始まってみればやはり日本人選手などの活躍で大いに盛り上がっております。
今日という記念すべき日に、私の個人的なフィギュアに対する特別な思い、愛について書き留めておきます。うっとうしく、妄言妄想偏愛だらけの戯言ですが、この歴史的な日に少しはしゃがせて下さい。

道北生まれで、子供のころから冬季の体育はスキーとスケートばかり。スキーは苦手だったけどスケートは大好きで、白いフィギュアスケート靴を買ってもらい、父兄が校庭のグランドに作ったスケートリンクによく通いました。また父が家の裏庭に小さなリンクを作ってくれて、一日中遊んでいました。お遊び程度の経験ですが、経験がある者にとって、靴で歩くのも大変な氷の上を、跳んだり跳ねたり回ったりするのがどれほど難しいことなのかはわかるつもりです。そしてやはり北海道がウインタースポーツが盛んだったのは札幌オリンピックがあったからなのでしょう。
さすがにジャネット・リンの時代は知らないのですが、渡辺絵美さんあたりから記憶があります。全日本を何連覇もし女優さんのように美しかった彼女は女子で初めてのメダル候補だったのではないかしら。五輪に出場すると欧米の選手には見劣りし、アジアの選手が上位に入ることなんてその時点では想像もできなかった。その後伊藤みどりさんが登場し、優雅さや表現力などでは及ばないもののジャンプの技術が別次元で、誰よりも高く早く跳び、フィギュア界を驚かせました。彼女が女子史上初トリプルアクセルを成功させ銀メダルに輝いたのはアルベールビルでした。そのトリプルアクセルは伊藤みどりさん以来オリンピックでは浅田真央選手しか成功していませんでしたが、今回、団体戦で長洲未来選手が見事に決めました。
男子の場合は佐野さんはじめ五十嵐さんなどが世界選手権で活躍しましたが、フィギュアは選手寿命が短くオリンピックで日本男子はなかなか活躍できず。本田さんが一人で戦っていた時代があり、その後高橋選手織田選手小塚選手などが活躍し現在に至ります。
日本ではジャネット・リンの昔からフィギュアは人気が高い。NHK杯などの大きな国際大会が毎年のように行われ、全日本選手権や世界選手権もテレビでよく放送されていました。私自身は槇村さとるの「愛のアランフェス」などを愛読し、いつか日本も漫画のようにフィギュア大国になれればと夢見ておりました。
そんな夢を叶えてくれたのが伊藤みどり選手であり、浅田真央選手でありました。いや、荒川さんも村主さんも佐藤さんも恩田さんも中野さんも、みんな素晴らしい選手でしたよ。でも私が個人的に好きなのは、一芸に秀でるというかやはり人と違うことに挑戦する姿勢、アスリート魂に魅せられてしまうんですよ。
昔から好きな選手も総合的に美しいカタリナ・ビットやミッシェル・クワンよりもデニス・ビールマンやスルヤ・ボナリーが好きだった。だから優雅さと美しさにアスリートとしての強さを兼ね備えた浅田選手が大好きだった。年齢の規定に数日足りず、出場すれば金が獲れたかもしれないのにトリノには出れなかった。満を持して臨んだバンクーバーでしたが、当時このブログで何度も何度も書いたのですがこの間浅田選手には同い年のライバルが現れ、壁となって立ちはだかりました。

女子の場合ジュニア時代に活躍しても体の変化などに伴い好調を維持できない選手も多い中、浅田選手も以前のように勝てなくなってきた中、バンクーバーの2年前、ネットのある掲示板の「バンクーバーオリンピックでは女子シングルでキム・ヨナが女子最高得点で圧倒的な強さで勝つことが決まっている。しかもライバル浅田真央を抑えて」という内部告発的な書き込みを見たとき、目の前が真っ暗になりました。今は見ることのできないそのサイトには、何度も誘致活動に失敗している平昌五輪のアピールに、冬季五輪のスターが必要なこと。平昌では五輪用に買収した土地が塩漬けになっていたり政治問題に発展して自殺者まで出ていて、絶対に失敗できないこと。キム・ヨナが日本人の浅田選手に圧倒的に勝利することによって大変な国威発揚になること。国際スケート連盟は幹部に韓国系が多く、キム・ヨナ有利にルールを変えることができたこと。などなどとても作り話とは思えない具体的な内容で、浅田選手への評価が急に落ちたように感じられたのにも合点がいき、こんなことは許されないと当時は怒りに燃えていました。
果たして、かのオリンピックはネットの予言通りになり、浅田選手にとって厳しいものとなってしまいました。
もう平昌誘致は成功したので、これ以上貶められることはないと思っていたのですが、結局一度歪められたルールは戻らず、整合性が取れないためかその後も不可解なジャッジは続き、ソチでのリベンジも叶わず。稀代の名選手が金メダルを手にすることは出来ず、浅田選手は引退してしまいました。心も折れたでしょうし、開催国が韓国では到底次のオリンピックは無理だと思ったでしょうね。残念でなりません。キム・ヨナ選手を個人的に憎むつもりはないけど。彼女は国から求められた役割を見事にこなした女優だと思います。
ただ彼女が女子フィギュアに残した後遺症はあまりに大きい。その呪いは今も続いているのです。

今日日本の男子フィギュアは歴史的な日を迎えました。
日本には最高な選手が2人もいる。日本のファンとしてはワンツーフィニッシュが最高。でもなかなかそんな夢のようなことは起こりはしないのがオリンピックの舞台。でも今日羽生、宇野両選手はやってくれました。
バンクーバーでは4回転を一度も跳ばないライサチェクが金メダルでしたが、プルシェンコや高橋選手はリスクを承知で4回転に挑みました。浅田選手が銀で終わった傷心のバンクーバーのあと、世界選手権のジュニアで羽生選手と村上選手が男女ともに優勝し、新時代が来てくれた日本は今後も楽しみだと慰められました。そして本当に、その後男子は4回転を跳ばないと勝てない時代になった。
ソチの時、ミッシェル・クワンが「日本のテレビクルーが前回チャンピオンのライサチェクに一般人としてインタビューしていたわ!」などと憤慨したツイートが話題になりましたが、こう言っては悪いけど誰が彼の演技を覚えていますか?今なら女子でも出来るような難度のプログラムを完璧に演じたのです。バンクーバーと時は難易度の低いプログラムでも完璧に演じて、出来映え点を稼げば勝てました。これを未だにやっているのが女子なのです。トリプル-トリプルも凄いけど、3回転以上のジャンプを誰も跳びません。これば競技の進歩の妨げになっていると私は思うのです。
男子は勇敢な4回転ジャンパーたちの出現によって、新時代に突入。バンクーバーに比べソチでは4回転は勝つために必須でしたが、今回の平昌では4回転を数種類跳ばなければ勝てません。ソチでは280点超えで別次元と言われていたのに、今回はメダリスト全員が300点超えの超ハイレベルな戦いです。今見るべきは男子シングルです。あらゆるスポーツ競技で、男子より女子の方が華と言われている唯一の競技なのに、です。こうなったのをスケート連盟は恥じるべき。そして浅田選手のような勇気ある選手が現れて、時代を切り拓いていってほしいと切に願います。

今日まるで日本で開催されているようだ、と韓国の放送局に言わしめるほど日本のファンで埋め尽くされたアリーナ。期待に応え最高の演技をした選手たち。日の丸の海と流れる君が代。普段リベラリストを辞任しナショナリズムを嫌う私でもジーンとしました。
私の勝手な想像ですが、この平昌五輪のために犠牲になった天才アスリートがいた。男子とはいえ同じ競技でこうして平昌の表彰台の一番と二番を独占しすることによって、66年ぶりの男子の連覇で、しかも直前まで怪我をしていたという。彼女の無念を何か違う形で晴らすことが出来、8年前あるいはもっと前に一部の人たちが書いた陳腐な陰謀のシナリオよりも、遥かにドラマチックで永遠に語り継がれるような偉業を日本のフィギュアチームがやってのけたこと。見事な意趣返しだと思うのです。シングルは個人競技だけど、今日松岡修造さんも言っていたように、羽生選手宇野選手の陰には幾多の日本人選手の苦労や積み重ねがあって今がある。
何かこの8年越しのモヤモヤが一気に晴れたような気がして、五輪1000個目の金だとか、今回の日本チーム初の金とか、それにもまして本当に本当にあらゆる意味で日本のフィギュアの勝利だったと、快哉を叫んだ私です。お二人本当に、おめでとう!ありがとう!



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