昨年の暮れ 子供のころかじっていた 肉桂が懐かしいーと 話していたら 友達が 洗ってかじりないよーと 土のついた肉桂の根を届けてくれました。
遥か昔 日本が戦争に負け大人たちは子供の空腹を満たすのに精いっぱいの時代 甘くもない果物や
木の実で空腹を満たしていました。
学校給食は 脱脂粉乳のミルクだけ 街角にはお姉さんたちが立ち 傷痍軍人の白衣の人が 募金箱を持って立っていました。
道端には ござ一枚に焼け跡の商品をそれらしく並べて 道行く人を 呼び止めていました。
素足の子供たちの ひびやあかぎれは普通でした。
それでも お互い助け合い 子供会もありました。
お姉さんやお兄さんに交じって ベニスの商人を演じたのをはっきり覚えています。
小学校一年生の夏に 終戦を迎えましたが 子供は子供の目で 大人たちや戦争はいやだと はっきり見ていたのだと 感じています。
子供のころ あんなにかじっていた肉桂 今口にしていますが それほどの感激はありません。
子供だから 美味しかったのでしょう。
肉桂も お菓子作りの材料として ハイカラにシナモンなどと書かれ出ていますが 風邪気味の時
肉桂飴を 口にするくらいです。
でも 鼻の穴をくすぐるあの何とも言えない 香りは いいものです。