夕方 家の周りをうろうろしていたら 案の定 蚊に刺されてしまいました。
かゆいのなんの かゆみ止めの軟膏を塗りましたが 止まりません。
こんなしわくちゃの婆の血など 吸わなくてもいいのに と愚痴っています。
子供のころ 夏の夜は必ず 蚊帳をつっていました。
貧乏暮らしの我が家の蚊帳は 安ものだったのか 蚊帳の裾に寝ているとき 涎など垂らしたものなら
朝は口から 顎まで緑色になり 泣き顔で母に拭いてもらっていました。
丈の短い 浴衣の寝間着に 腹巻を胸まで上げて 蚊帳の中に入るときは正座をし 裾を二 三回両手でふり さっと頭からは入っていました。
近頃 骨董市などに 蚊帳が出ていますが おしゃれなご婦人が 柿渋などで染めて おしゃれに洋服に仕立てておられるのを見かけます。
肥満の私には似合わないと あきらめていますが 上等の蚊帳の吊り手には 彫り物をした 丸い輪に出会うことがあります。
バックの 飾りにいいなあーと いつも探しています。
それにしても 母が女の子の私に 蚊帳を買う時は 使う座敷の広さより 一回り大きい蚊帳を 買うようにと 口癖のように言っていました。
蚊帳を使うこともなく ワンプッシュの蚊よけや 電気蚊取り など使う世の中になり 母が元気だったらなんというだろうかと 網戸で夜風を入れながら 思い出しています。