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■ 御朱印帳の使い分け

ひさしぶりに、追記してみました。

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2022/03/26 UP

多くのアクセスをいただき、ありがとうございます。
こちらは先ほどgoo blogのトップでご紹介いただいた記事です。
しばらくトップに置いておきます。

また、このところUPした御朱印関連記事のリンク、ぜんぜんつくっていなかったので末尾に追加して再構成しました。
よろしければどうぞ。

また、記事を若干補強しました。

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2022/02/04 UP
久しぶりにすこし追加してみました。

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2019/04/30 UP
結願関係の記事を加えて、平成最後のUPです。

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すこし追加してみました。(2019/02/28)
このページ予想外にアクセスをいただいているので、またすこし内容を補充してみました。

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御朱印を集めはじめて突き当たる疑問はいくつかありますが、もっとも多いのはつぎの3つではないでしょうか。

1.神社とお寺の御朱印帳は分けるのか、一緒でいいのか?
2.御朱印帳のサイズは?
3.御朱印帳は両面使うか、片面だけか?

今回はこれについてまとめてみます。
なお、いずれも人それぞれ考え方に違いがあり、「これが正解!」というものはないような気がしています。
あくまでも個人のひとつの考え方としてお読みください。


1.神社とお寺の御朱印帳は分けるのか、一緒でいいのか?

これはすぐに直面する問題です。多くの方は歴史ある観光地で御朱印デビューすると思いますが、こういうところでは、有名な神社やお寺がたくさんあるからです。
最初から汎用ないし手づくり御朱印帳を使う人は希だと思うので、寺社で御朱印帳を購入し、最初の頁に初御朱印を受けることになります。
一般に神社の方が敷居が低く、オリジナル御朱印帳も多いので、たいていは神社の御朱印帳でスタートということになります。

さて、無事に御朱印帳と初御朱印をゲットし、つぎに有名なお寺にやってきました。
すでに御朱印帳は手にしていて、表面の題字には「御朱印帳」とあるので(オリジナル御朱印帳は記入済みであったり、御朱印帳を購入すると書いていただけることが多い)、お参りをして次の頁に御朱印を受けるだけです。

敏感な人はこの時点で疑問を抱きます。
「神社とお寺」の御朱印をひとつの御朱印帳にいただいてもいいのかということに・・・。

わが国には神仏習合(混淆)という思想があります。
これは本地垂迹説や神本仏迹説(神様や仏様が状況によって仏様や神様にお姿を変えて衆生に向かわれる)に基づくもので、神社とお寺の敷居は低くなり、神宮寺や別当寺は神社と密接なかかわりをもち、地主神社や伽藍神もまた、お寺と不可分の関係をもってきました。

また、御朱印は日本廻国六十六部(大乗妙典奉納巡礼)の納経請取状に起源をもつという説もあります。
六十六部の巡礼地には寺院も神社もありますから、そうなると、納経請取状は寺社がまじっていた可能性があります。
(ただし、六十六部と本地垂迹説の関連は強く、六十六部は神社というより神社に垂迹された本地(菩薩・諸天)を巡っていたとみることもできるので、このあたりの解釈はむずかしいところかも・・・。)

〔神社と元別当寺の例〕
 
【写真 上(左)】 六月八幡神社(足立区六月)
【写真 下(右)】 炎天寺(元別当寺)(足立区六月)

なお、現在は別当制度自体がなくなっているので、どちらかが一括して授与ということはほとんどありません。
神社は神社の御朱印、寺院は寺院の御朱印を、それぞれ個別に授与されています。

〔1ヶ所の授与所で神社と元別当寺の御朱印が拝受できるめずらしい例〕
  
【写真 上(左)】 塚越稲荷神社(埼玉県蕨市)
【写真 下(右)】 定正寺(元別当寺)(埼玉県蕨市/足立百不動第86番の御朱印)


明治維新後の一時期に廃仏毀釈のうごきがあったものの、ながらく神仏習合の時代がつづいてきたので、この流れからすると「神社とお寺の御朱印は一緒でいいのでは」という考えが出てきます。
実際、近畿には「神仏霊場」という神社と寺院を巡る霊場があり、七福神でも神仏混合のケースがあります。

〔神仏混合の七福神の例(東海七福神)〕
 
【写真 上(左)】 品川神社・大黒天(品川区北品川)
【写真 下(右)】 品川寺・毘沙門天(品川区南品川)

ただ、廃仏毀釈の事実を重視したり、神仏はもともと性格が異なるという考えをとると、分ける方が自然、ということになるでしょう。
また、筆者は遭遇したことはないですが、一部の寺社では神社(寺院)の御朱印帳には御朱印を授与しないという例も少数ながらたしかにあるらしく、これを避けるために分ける人も少なくないようです。

〔神社とお寺を分けていない例〕
 
【写真 上(左)】 左 浅草神社(台東区浅草) 右 不動院(台東区寿)
【写真 下(右)】 左 一向寺(栃木県佐野市) 右 朝日森天満宮(栃木県佐野市)

筆者は当初は一緒にいただいていましたが早々に別々に切り替えました。
これは思想的なものではなく、神社と寺院の御朱印は趣が異なるから、という単純な理由からです。
かように個人の考え方によるところ大なので、「答えはない」とするしかないような気がしています。

むずかしいところで寺院境内の鎮守社・地主神や境内社があります。
神社と寺院の御朱印帳を分けている場合は判断のしどころですが、筆者の場合、原則寺院境内の鎮守神や地主神の御朱印は寺院御朱印帳、神社境内鎮座の仏教系尊格の御朱印(七福神の弁財天、毘沙門天、大黒天など)は神社御朱印帳に拝受しています。
ただし神社のご由緒によっては例外もあって、ケースバイケースです。

〔寺院境内の神社の例〕
  
【写真 上(左)】 諏訪山 吉祥寺(文京区本駒込)
【写真 下(右)】 茗荷稲荷神社(境内社)(文京区本駒込)
御朱印はいずれも吉祥寺寺務所で拝受できます。
正式名は社号ですが、御朱印は権現号となっています。

寺院と鎮守(神)について、明確なのは鎌倉の建長寺です。
建長寺背後の山上にご鎮座の半僧坊大権現は、公式Webに「明治二十三年五月、建長寺の鎮守として浜松市引佐町の方廣寺から勧請」と明記されています。

建長寺では、神仏が入りまじった御朱印を授与されているので、少しくご紹介してみます。
建長寺の御本尊は地蔵菩薩で、御本尊・地蔵菩薩の御朱印は受付朱印所で授与されています。
上記のとおり、山上の半僧坊大権現は建長寺の鎮守で、こちらの御朱印は半僧坊の授与所で授与されています。

  
【写真 上(左)】 建長寺御本尊の御朱印
【写真 下(右)】 「勝上ケン地蔵尊」の御朱印(半僧坊大権現(鎮守)にて授与)

半僧坊は権現(仏・菩薩が衆生を救うために仮にあらわされたお姿)で、御真言をお唱えして参拝します。
半僧坊にはたくさんの天狗像が祀られ、期間限定かもしれませんが大天狗や烏天狗の御朱印も授与されています。
半僧坊と天狗の関係については諸説あり、正直よくわかりません。

 
【写真 上(左)】 半僧坊大権現(鎮守)の御朱印
【写真 下(右)】 「大天狗」の御朱印(半僧坊大権現(鎮守)にて授与)

建長寺は、鎌倉地蔵尊霊場のうち、第9番「心平地蔵尊」、第10番「済田地蔵尊」、第11番「勝上ケン地蔵尊」の3つの札所となっています。
このうち、第9番「心平地蔵尊」、第10番「済田地蔵尊」は受付朱印所、第11番「勝上ケン地蔵尊」は鎮守である半僧坊の授与所での授与です。
つまり、地蔵尊霊場の御朱印を鎮守で授与されているということになります。


回春院の御本尊・文殊菩薩と護法神・韋駄天の御朱印

建長寺の塔頭、回春院では複数の尊格の御朱印を授与されていますが、そのひとつに韋駄天があります。
韋駄天は、仏教では天部に属し、禅刹では伽藍の護法神として多く祀られます。
韋駄天の御朱印はなかなかいただけませんが、こちらでは快く授与いただけます。
よって建長寺山内では、仏尊の御朱印のほかに、鎮守と伽藍の護法神の御朱印もいただける、ということになります。

ここまでくるともはや神仏の区分はむずかしくなるので、おそらく観念して(笑)すべてお寺の御朱印帳に拝受ということになるかと・・・。


2.御朱印帳のサイズは?

たいていの御朱印帳のサイズは、横11cm×縦16cmの小タイプか横12cm×縦18cmの大タイプになります。
東京周辺のオリジナル御朱印帳は、神社・お寺ともに横11cm縦16cmの小タイプが主流です。
これは持ち運びしやすいですが、寺院御朱印など記入される要素が多い場合はやや窮屈に感じることがあります。

また、お寺の書置用用紙は大きなサイズの場合があり、小タイプに貼ろうとすると収まりません。
そんなこともあって、筆者は神社用は小タイプ、お寺用は大タイプにしています。

日蓮宗・法華宗用も、寺院オリジナル御首題帳の多くが小タイプなので必然的に小タイプになっています。
ただし例外的に大サイズのものもあり、一冊あると大サイズの書置御首題を拝受した場合にこちらに張り込めるので重宝します。

 
【写真 上(左)】 神社の御朱印帳の例(小タイプ)〔鷲神社(台東区千束)〕
【写真 下(右)】 お寺の御朱印帳の例(大タイプ)〔水澤寺(水澤観音)(群馬県渋川市)〕

<例外の例>
 
神社の大サイズ御朱印帳 芝大神宮(港区芝大門)

 
日蓮宗寺院の大サイズ御首題帳 身延山久遠寺 奥之院思親閣(山梨県身延町)

 
日蓮宗新聞社の大サイズ御首題帳に大サイズの書置御首題を貼り込んだ例(善性寺(荒川区東日暮里))


3.御朱印帳は両面使うか。片面だけか?

これもいろいろな意見があります。
筆者はお寺の御朱印が圧倒的に多く、片面にすると冊数が増えるので、お寺用は両面にしています。
両面使用の場合、袋部分に墨抜け防止用の半紙を仕込む必要があります。
また、紙質によっては半紙を置いても裏面に抜けることがあるので、筆者は鳥の子紙かそれに近いしっかりとした紙質で、山(頁)数が片面20くらいのものを使うようにしています。

紙質がいい大サイズのオリジナル御朱印帳としては、浅草寺(聖観音宗/東京・浅草)、豊川稲荷東京別院(曹洞宗/東京・赤坂)、水澤寺(天台宗/群馬・渋川)、中禅寺(天台宗/栃木・日光)、喜多院(天台宗/埼玉・川越)などがあります。
日光・輪王寺関連寺院の御朱印帳もどれも大判で紙質がいいです。

これらの御朱印帳で拝受すると、しばしばお寺さまから「書きやすい」というお言葉をいただきます。
紙質がしっかりしていて、筆の走りがいいからでは?
とくに浅草寺のものは紙質がよく、比較的廉価で頒布いただけるので愛用しています。

 
【写真 上(左)】 浅草寺の御朱印帳
【写真 下(右)】 喜多院の御朱印帳

御朱印帳には、1枚ものと2枚重ね(袋型)があって、蛇腹式のものはほとんど2枚重ね(袋型で外表のあるもの)なので、半紙が仕込めます。
また、外表の裏面に揮毫はないので、後日表装をかける場合にも問題ないのでは?
ただし、1枚ものの場合はほぼ確実に裏面に墨抜けしますので、両面使用はまず不可能です。

あとは表裏揮毫の問題ですが、浅草寺の御朱印帳では、表面(「御朱印帳」の題字のある方)の1頁目に「南無観世音菩薩」の揮毫と落款、裏面(題字のない方)の最後の頁に山号寺号が記されているので両面使用を前提としている感じがあり、両面使用を前提としている以上、表裏に優劣はないような気もしますが、さてさてどうでしょうか。(確信なし)

なお、神社用と日蓮宗・法華宗の御首題帳は、寺社オリジナルものの片面使いとしています。
神社の御朱印帳や御首題帳は小サイズが主流で、小サイズタイプは紙質もうすめのものが多いので、半紙を仕込んでも墨抜けする場合があります。
なので片面使いとしています。
神社の御朱印帳は意匠が美しいものが多いので、オリジナル御朱印帳を集めるのも面白いかもしれません。


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神社用、お寺用のなかで、さらに分けていくというやり方もあります。
かなりマニアックになりますが(笑)、せっかくなのでご紹介します。



尊格系札所(薬師霊場や不動尊霊場など)を一冊に纏める場合は、必然的にひとつの尊格のみの御朱印帳ができあがります。
専用納経(御朱印)帳を出されている霊場もあって、ほとんどが大判の規定用紙の綴じ込みタイプです。

 
【写真 上(左)】 狭山三十三観音霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第十四番 寶珠寺(東京都東久留米市)

 
【写真 上(左)】 児玉三十三霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第十九番 宥勝寺(埼玉県本庄市)

筆者の場合、メジャー札所では御朱印帳への書き入れをお願いできるので御朱印帳を使います(使いました)。
マイナーな札所の場合、規定用紙の書き置き対応となるケースが多いので専用納経帳を使います。
むずかしいのはこの中間で、同じ霊場で御朱印帳と専用納経帳に分かれてしまうことがあります。

はじめて御朱印帳を手にすると、空白の頁をはやく御朱印で埋めたくなります。
お寺で御朱印をいただきやすいのは名刹や観光寺院で、メジャー霊場の札所となっているところも多いので、どうしても当初はメジャー霊場の御朱印が多くなります。
振り返ると、メジャー霊場は最初から専用納経帳で回った方がよかったかも、と思うふしもあります。
(たとえば、御本尊は御朱印帳に、観音様は観音霊場の専用納経帳に、という受け方があります。)

でも、最初から専用納経帳を使うという発想にはなかなか到りませんし、そもそもその状況では初番で発願御朱印をいただいた専用納経帳をもっていません。
(ただし、鎌倉デビューの場合、いきなり坂東霊場初番の杉本寺で専用納経帳&発願印ゲットという荒ワザ(?)を繰り出すことはできます。)

御朱印歴を重ねていくといずれ「御開帳」の年が巡ってきます。
メジャー霊場の「御開帳」では御開帳御朱印を授与されることが多いので、御朱印熱が冷めなければ、いずれ御開帳時に専用納経帳で打ち直す、という局面になります。
なので(近場の)メジャー霊場については、結局は御朱印帳、専用納経帳どちらでも拝受する、ということになるかもしれません。

〔御朱印帳と専用納経帳(御開帳)の例〕 武蔵野三十三観音霊場初番 東高野山 長命寺(練馬区高野台)

↑ 当初は御朱印帳にいただきました。

  
↑ 御開帳時に専用納経帳にいただきました。

発願印、結願印をいただく場合は、専用納経帳にした方がベターです。
専用納経帳がない場合は御朱印帳をつかいますが、そもそも専用納経帳がない霊場では、発願印、結願印も捺されないケースが多いです。
(御朱印帳を数冊に分けての結願でも結願印をいただけた霊場もありますが、これもタイミング次第かもしれません。)

 
【写真 上(左)】 鎌倉地蔵尊霊場 発願の御朱印(宝戒寺)
【写真 下(右)】 鎌倉地蔵尊霊場 結願の御朱印(安養院)


御開帳霊場の場合も考えどころです。
2017年4月~5月に御開帳された「都筑橘樹酉歳地蔵菩薩霊場」では、御朱印帳への揮毫はむずかしそうだったので専用納経帳をつかいました。

〔都筑橘樹酉歳地蔵菩薩霊場の例〕
 
【写真 上(左)】 都筑橘樹酉歳地蔵菩薩霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第十六番 西蔵寺(川崎市宮前区)

ほぼ同時期に御開帳された武相二十八不動尊霊場、三浦二十一薬師如来霊場、三浦二十八不動尊霊場では御朱印帳への揮毫・印判ないし書置が期待できそうだったので御朱印帳で臨みましたが、予想通りほとんど揮毫をいただき結願を迎えることができました。


〔薬師如来霊場の例〕
・武南十二薬師霊場(寅年御開帳)
(直近では2022年4月1日~4月30日御開帳)

 
【写真 上(左)】 チラシ
【写真 下(右)】 専用納経帳
 
【写真 上(左)】 第1番貴雲寺の御朱印(専用納経帳)
【写真 下(右)】 第1番貴雲寺の御朱印(御朱印帳貼付用)

※御朱印は原則規定用紙での授与でしたが、御朱印帳貼付用書置ご用意の札所も、御朱印帳に揮毫捺印いただけた札所もありました。

寅年薬師如来霊場についてはこちら ↓ をどうぞ。
■ 寅薬師霊場御開帳  ~ 12年に一度の御朱印 ~


御朱印帳をひとつの霊場専用とする場合、ランダムでいくか順打ちでいくかはむずかしいところです。
1頁めは発願寺でいただくとしても、たやすく順打ち巡拝できる霊場は希です。

御朱印帳に鉛筆で頁を打ち、付箋を貼った頁に授与いただいて順打ち御朱印帳を仕上げるというテクニカルな方法もありますが、1箇所でもずれる(違う頁に授与される)とこのコンセプトはたちまち瓦解します(笑)
十二支守り本尊や十三仏くらいならばなんとかなるとも思いますが、観音霊場(三十三ヶ所)、弘法大師霊場(八十八ヶ所)ともなると、いかんともしがたいところがあります。

■めずらしく順打ちにこだわった滝野川寺院めぐり(十六ヶ所)の御朱印の例

右 第14番 思惟山 正受院(北区滝野川)の御朱印 左 第15番 瀧河山 金剛寺(北区滝野川)の御朱印

弘法大師霊場(八十八ヶ所)では、よほどの厚手(山数の多い)の御朱印帳でなければ、確実に数冊にまたがります。
また、現役の弘法大師霊場の多くは専用納経帳を設定されているので、規定用紙のみ授与の札所も少なくありません。
規定用紙は御朱印帳サイズをこえる大判のものが主流なので、この時点で霊場専用御朱印帳コンプリートの野望は崩れ去ります(笑)

なので、きっちり順打ちで霊場御朱印を揃えたい場合は、順序にこだわらず巡拝できる専用納経帳をおすすめします。

ただし例外もあります。
たとえば豊島八十八ヶ所霊場は専用納経帳がないので、御朱印帳コンプリートが可能かもしれません。
実際、10冊以上にまたがりましたが、筆者は88の御朱印をすべて御朱印帳に収めています。

 
【写真 上(左)】 第1番発願寺 武王山 最明寺 安養院(東京都板橋区)の御朱印
【写真 下(右)】 第88番結願寺 如意山 観明寺(東京都板橋区)の御朱印
※御朱印帳10冊以上を持ち込むわけにはいかず、参拝リストをお納めしたら結願の揮毫をいただけました。

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専用納経帳には、用紙を差し替える(あるいは挟み込んでいく)和綴じ様式のものと、あらかじめ揮毫(印刷)された頁に御寶印や寺院印をいただく帳面様式のものなどがあります。
いずれも専用納経帳だけでなく御朱印帳に揮毫いただける場合もあり、専用納経帳と御朱印帳揮毫で尊格が違ったりするので、興味が尽きません。

〔和綴じ様式の例〕
 
【写真 上(左)】 御府内八十八ヶ所霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第六十一番 正福院(台東区元浅草)

〔帳面様式の例〕
 
【写真 上(左)】 奥多摩新四国霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第五十五番 清泰寺(埼玉県飯能市)

 
【写真 上(左)】 南毛霊場 多野藤岡三十三観音の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第七番 千手寺(群馬県藤岡市) 第八番 大雲寺

〔専用納経帳と御朱印帳揮毫で尊格が異なる例〕
 
【写真 上(左)】 行徳・浦安三十三カ所観音霊場の専用納経帳Vers.(徳願寺/千葉県市川市)
【写真 下(右)】 同 御朱印帳揮毫Vers.(同)

※こちらの専用納経帳は地元の郷土文化研究団体発行のもの。
専用納経帳Vers.の揮毫(印刷)は山号・寺号で、これに札所本尊の観世音菩薩の加印という構成に対し、揮毫Vers.は御本尊(六字御名号・南無阿弥陀佛)と札所本尊・観世音菩薩のダブル尊格の豪華絢爛たる内容で、三寶印や寺院印は同一ながらそれぞれ趣の異なる御朱印となっています。
(おそらく、郷土文化研究団体では尊格の揮毫までは難しいという背景があるかと思われ、レアケースかもしれません。)

〔限定専用御朱印帳と通常御朱印で尊格が異なる例/前橋四公祭〕
 
【写真 上(左)】 前橋四公祭専用御朱印帳Vers.(龍海院/群馬県前橋市)
【写真 下(右)】 通常(?)のVers.(書置)(同)
前橋四公祭(第2回)は平成29年10月14日~20日、11月4日~10日に前期・後期に分けて開催され、専用御朱印帳が配布されました。
専用御朱印帳は、予め印刷された揮毫の上に朱印を捺すタイプです。
専用御朱印帳では、御本尊釋迦牟尼佛の揮毫、書置御朱印では院号が主揮毫となっていて尊格が異なります。


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お寺用で分けているのは、浄土宗の阿弥陀如来・六字御名号用、日蓮宗・法華宗の御首題帳、日蓮宗・法華宗の御朱印帳、修験系寺院用、(浄土)真宗用です。
真言宗智山派だけで完結した御朱印帳もありますが、ここまで細分化するとどうしても持ち出す機会が少なくなって進みが遅くなるので、いまは↑のようになっています。

仏教の宗派によって、御朱印に特徴がみられます。
進みは遅くなりますが、宗派毎に御朱印帳を整えてみるのもひとつの楽しみかもしれません。

■ 日本仏教13宗派と御朱印(首都圏版)


この他にお大師様(弘法大師)、元三大師、閻魔様専用の御朱印帳もありますが、こちらは基本、ご縁日に拝受するようにしているので、ちょっと特殊です。

 
【写真 上(左)】 お大師様専用の例 左 光蔵院(港区赤坂) 右 西新井大師 總持寺(足立区西新井)
【写真 下(右)】 閻魔様専用の例 左 源覚寺(文京区小石川) 右 還国寺(文京区小日向)

ご縁日用の御朱印帳をつくると、ご縁日参拝の楽しみができます。
ご縁日の御朱印については ↓こちらの記事をご覧ください。
■ ご縁日と御朱印

 
【写真 上(左)】 令和初縁日の御朱印 左 養願寺(品川区北品川) 右 寛永寺(台東区上野桜木)
【写真 下(右)】 お不動さまと観音さまの縁日御朱印の例 左 薬研堀不動尊(中央区東日本橋) 右 浅草寺・四万六千日(台東区浅草)


〔浄土宗の阿弥陀如来・六字御名号用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(京都・知恩院)
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 榧寺(台東区蔵前) 右 宗慶寺(文京区小石川)

なお、日蓮宗・法華宗の場合、専用の御首題帳でないと御首題をいただけない場合があります。
(他宗派が混じる御朱印帳では、”妙法”やその他の揮毫となる場合もあり。)

〔日蓮宗・法華宗の御首題用〕
 
【写真 上(左)】 御首題帳(身延山・久遠寺)
【写真 下(右)】 御首題の例 左 陽運院(墨田区太平) 右 長照寺(大田区本羽田)

〔日蓮宗・法華宗の御朱印用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(池上本門寺)
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 雑司ヶ谷鬼子母神堂(豊島区) 右 安国論寺(鎌倉市)

〔真言宗智山派でまとめた御朱印帳〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(成田山・神護新勝寺)
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 総持院(さいたま市緑区) 右 長福寺(千葉県館山市)

〔(浄土)真宗用〕
 
【写真 上(左)】 帳面
【写真 下(右)】 左 善福寺(港区元麻布) 右 願船寺(茨城県東海村/親鸞聖人二十四輩 第14番)
(浄土)真宗は教義上御朱印を授与されない寺院が多いですが、「参拝記念」を授与されるケースはけっこうあります。
この帳面は汎用のものを使い、あえて「御朱印帳」の題字も入れていません。

〔修験系寺院用〕
神仏習合の雰囲気をもっともよく遺すのが修験道です。
現代では 、金峰山修験本宗、本山修験宗、真言宗醍醐派、それに各地の霊山を拠点とする国峰修験がその流れを汲むとされています。

たとえば埼玉県飯能市の竹寺(医王山 薬寿院 八王寺)は天台宗寺院ですが、山岳修験の流れを汲むとされ、現在でも神仏習合しています。
御本尊は牛頭天王で、本地仏は薬師如来です。

 
【写真 上(左)】 竹寺の御朱印帳
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 天龍寺(埼玉県飯能市) 右 長谷寺(群馬県高崎市) 

竹寺の御朱印帳には両部鳥居と茅の輪が描かれ、扁額には山号が記されています。
また、裏表紙に「神仏習合 竹寺」と明記されています。
こちらは修験系の寺院御朱印帳として使っていますが、独特な尊格が多く、神仏習合のイメージ濃厚な御朱印帳となっています。


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神社の場合は、神社汎用、神明社・天祖神社、八幡神社、浅間神社、東照宮、熊野神社、諏訪神社、氷川神社、天満宮・北野神社、出雲大社系に分けています。
ただし、種類を増やしすぎると外出時に持ち歩く御朱印帳の数が増えるという問題が生じます。
なので神社については汎用以外は参拝先を決めたときしか持ち出さないようにしています。

全国の一之宮については専用御朱印帳も頒布されており、巡拝している方も多いようですが、筆者は入手しておりません。

〔浅間神社用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(北口本宮富士浅間神社(山梨県富士吉田市))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 富士山下宮小室浅間神社(山梨県富士吉田市) 右 新倉富士浅間神社(山梨県富士吉田市)

〔八幡神社用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(川越八幡宮(埼玉県川越市))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 浅海八幡宮(群馬県みどり市) 右 鳩峯八幡神社(埼玉県所沢市)

宗派や神社別の御朱印帳をつくると、ご住職や宮司様との会話がはずむことがあります。
筆者は渋谷区内の八幡宮の氏子ですが、八幡神社で八幡神社専用の御朱印帳を出すと、「あちこち廻られていますね。どちらかの氏子さんですか?」などときかれることがあります。
これが糸口となって、貴重なお話しを伺えたりもします。

檀家寺や産土神社の名前をお伝えすると、「ああ、そちらのご住職(宮司さん)とは●●で同期で・・・」などと思わぬ展開のお話しを伺えたりも・・・。
それに、専用の御朱印帳だと先様も思わず気合い?が入り、筆致も冴えるような感じも・・・。(気のせいか(笑))

〔東照宮用〕
  
【写真 上(左)】 御朱印帳(世良田東照宮(群馬県太田市))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 仙波東照宮(埼玉県川越市) 右 徳川東照宮(群馬県太田市)

〔諏訪神社用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(諏訪大社下社秋宮(長野県下諏訪町))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 諏訪神社(群馬県藤岡市) 右 諏訪神社(東京都立川市)


お寺用の場合は基本ランダムにいただくようにしていますが、お寺さんの縁起によっては、1冊のなかに同居いただくのはどうなのかな? という場合もあります。
また、書き置きはサイズが合えば御朱印帳に貼り付けますが、書き置きが続いた場合、その部分の厚味が膨らんでしまいます。
なので、常時2~3冊を同時並行し、状況に応じて振り分けています。

〔大日如来が続いた例〕

【写真 上(左)】 左 光明院(北区田端) 右 大龍寺(北区田端)
【写真 下(右)】 左 観蔵院(大田区西嶺町) 右 密蔵院(大田区田園調布南)

〔不動明王が続いた例〕

【写真 上(左)】 左 天然寺(埼玉県川越市) 右 西音寺(北区中十条)
【写真 下(右)】 左 来迎院(埼玉県杉戸町) 右 水上寺(群馬県みなかみ町)

大日如来、不動明王、如意輪観世音菩薩など力感ある尊格が続くと、ことばでは言い表しにくいのですが「中身が稠密になって御朱印帳が負けてしまう」感じになることがあります。
この場合は他の尊格にお出ましいただくようにしていますが、このときも並行して複数冊あると楽です。
如来、菩薩、明王、天部などさまざまな尊格にお座りいただくと、バランスがとれるような感じがします。

とくに天部が入ると多彩感が強まります。
天部は御本尊の例は多くないですが、弁財天、大黒天、毘沙門天は七福神の尊格でもあるので、御朱印はいただきやすくなっています。
(註:以上はあくまでも筆者の個人的な感覚や趣向によるものです。)

〔天部拝受の例〕
 
【写真 上(左)】 〔地蔵菩薩と弁財天〕 左 専教院(文京区小日向) 右 徳雲寺(文京区小日向)
【写真 下(右)】 〔毘沙門天と十一面観世音菩薩〕 左 宗建寺(東京都青梅市) 右 玉泉寺(東京都青梅市)

筆者の場合、お寺用は汎用御朱印帳の両面使用がメインなので、表面の最初と最後、裏面の最初と最後をどうするか、ということがでてきます。
密教の中心仏である大日如来とその教令輪身である不動明王、浄土教系の御本尊阿弥陀如来、禅宗系の宗派本尊釈迦牟尼佛(釈迦如来)にお座りいただくことが多いですが、生まれ年の十二支守り本尊、普賢菩薩にお願いすることもあります。
1冊だけですが、当家の檀家寺のご住職に揮毫いただいたものもあります。

 
■ 最初の頁の例
・准胝観世音菩薩(准胝仏母)にお座りいただいた例 (佛母寺・埼玉県本庄市)
■ 最後の頁の例
・大日如来にお座りいただいた例 (長明寺・群馬県太田市)

とくに両面の総頁が100にも及ぶような厚手の御朱印帳の場合は、最終頁はもちろん、これに向けてお座りいただく尊格を考えたりもします。
札所もそうですが、このような尊格の多彩さもお寺の御朱印の醍醐味であり、数が増えている理由でもあると思います。


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2022/03/26 新規リンクを加えて整理  --------------------------------------

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【 BGM 】 ハイトーン特集
■ 手と手(オリジナル) - 熊田このは

聴き手の心を揺さぶる希有のハイトーン。おすすめです。

■ さよならメモリーズ - ???

「練習無しの一発撮りです。」って! エコーの効きを差し引いても抜群の声質だと思う。

■ SterCrew - みにゅ

透明感あうれるガラス細工のようなハイトーン。

■ キミトセカイ - 佳仙

フェミニンでやさしいハイトーン。

■ drive_qualia - 櫻川めぐ

声優系では抜群の声質だと思う。
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■ 1980年代の母性曲

■ 翳りゆく部屋(松任谷由実~私と荒井由実の50年~)から分離して、曲を追加してみました。

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1980年代前後はいささか迷いがあったようなコメント。「もがき」と表現していた。
でも、そんなことないと思うけどね。楽曲のできからすると。
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■ユーミンの母性曲
その迷い?を打開したのが1981年の「守ってあげたい」だと思う。
これはユーミンの「母性」を感じさせる曲だった。
ここからの数年間でリリースした「ずっとそばに」「ノーサイド」を合わせて、個人的にはユーミンの3大母性曲だと思っている。

□ 守ってあげたい(1981年)

これもカノン進行だよね。でもベタつかない。

□ ずっとそばに 『REINCARNATION』(1983年)

バックのインストのフレーズどりが神すぎる。個人的にはユーミン屈指の名曲。

□ ノーサイド 『NO SIDE』(1984年)

この時代ならではのフェンダー・ローズの響きがたまらん。

たしかにこの時代(1980年代前半~中盤)、男性が同世代の女性に無意識的にでも「母性」を求める流れがあったのかもしれぬ。
それだけ女性サイドにも余裕があったのでは・・・。

□ YOU ARE NOT ALONE - ANRI 杏里 『Timely!!』(1983年)


□ Cloudyな午後 - 中原めいこ 『ロートスの果実』(1984年)


□ Anytime Anyplace - 当山ひとみ 『Hello Me』(1986年)


□ ホノルル・シティ・ライツ - 二名敦子(1984年)


□ やわらかなあした - 今井優子(1988年)


□ 瞳がほほえむから - 今井美樹(1986年)


こういう路線を敷いたのはやっぱりユーミンでは・・・。


↓ これも母性曲だと思う。
□ シャ・ラ・ラ - サザンオールスターズ(1982年)
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副都心線直通ダイヤ(東武東上線ダイヤ改悪)

やっぱりアクセス増えてきましたね、この記事(笑)
でも、これは10年前(2013年3月)の改正(改悪)についての記事で、今回(2023/03/18)の「地獄の改悪」についてのものではありません。

今回(3/18)の「地獄の改悪」については裏ネタもいろいろ持っているのですが、あまりの改悪っぷりに脱力して書く気が起こりません。
しばらく様子をみて、どこかのタイミングでどうしてこんなことになったのか、裏ネタ絡めつつ考察してみたいと思います。(地上誘導とか・・・)
まぁ、今回の改正(改悪)を一言でいうと、「東上線の地価爆下げダイヤ」(朝霞市と板橋区、川越以遠除く)つぅところでしょうか・・・。
固定資産税下がるのだけが救いか・・・(まさか下がらないなんてこと、ないよね)

それにしても2012年6月30日改正のダイヤ↓ いま振り返ると天国すぎるわ・・・。


【大ダイヤ改正】東武東上線、最高に最悪!?


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2013/03/15 UP
ひさびさのカキコなのに温泉ネタじゃなくてすみません。



明日(3/16)から東京メトロ副都心線と東急東横線の直通運転がはじまります。
新ダイヤはいかに・・・。
ということで、渋谷発副都心線のダイヤを比較してみました。
上が新ダイヤ、下が旧ダイヤです。

一目みてわかるのは、夜20時以降の赤字の列車が極端に減っていること。
(平日は20:36以降全廃)

赤字の列車とは急行です。
これは、渋谷を出ると新宿三丁目、池袋、小竹向原、和光市しか停まらないたいへん速達性の高いものでした。
それが、通勤急行に置き換えされたうえに、本数も減ってしまいました。

(急行停車駅)
渋谷、新宿三丁目、池袋、小竹向原、和光市/和光市まで4駅
(通勤急行停車駅)
渋谷、新宿三丁目、池袋、小竹向原、氷川台、平和台、営団赤塚、営団成増、和光市/和光市まで8駅

とくに影響が大きいのは東武東上線方面です。(小竹向原分岐の西武線は急行でも通勤急行でも実質的な差はない。)

通勤有効時間帯といわれる平日17時以降でくらべてみました。
17時台 直通通急2本 → 直通通急1本、和光市行通急2本
18時台 直通通急2本 → 直通通急1本、和光市行通急1本 
19時台 直通通急3本 → 和光市行通急2本 
20時台 直通急行1本、和光市行急行2本 → 和光市行通急2本 
21時台 直通急行2本、和光市行急行2本 → 直通通急2本、和光市行通急1本 
22時台 和光市行急行1本 → 直通通急1本、和光市行通急1本 
23時台 なし → 和光市行通急1本 

渋谷発20~21時台というのはすこし残業するとふつうにこのくらいになるという、帰宅のゴールデンタイムです。
これがこのていたらく、しかもこれからはほとんど東横線から直通してくるので確実に座れる保証もありません。
東上線から副都心線経由で渋谷・新宿方面に通勤している人にとっては確実に改悪になると思います。

個人的には便利な急行が全時間帯で増発されると期待していただけに、新ダイヤをみたときにはほとんど目が点。

「急行の前後の普通列車が混雑するので急行をなくした。」という説もありますが、さほど混んでたとも思われないし、
今回は空いているハズの土休日でも19時以降の急行(とくに東上線直通)が大幅に減っています。
(たしかに線内回避駅がすくないですが、別に平行ダイヤ(急行などの優等列車が各停を追い越さずにのろのろ走るダイヤ)でもいいじゃん。)

土休日で横浜方面から東上線に直通する夜時間帯の急行は
渋谷発時刻で20:12、22:07のかなしいかなわずか2本!
これでは横浜行って、中華街で夕食楽しんで直通でスイスイ帰宅、というのは夢のまた夢。お話になりません。

いま、沿線価値を決める大きなファクターは、新宿、渋谷エリアへの速達性。
だから、今回の改正を一言でいうと、「東上線の地価下げダイヤ」っつうところでしょうか・・・。
正直、移行にともなう様子見の仮ダイヤであることを祈りたいです。

直通列車を極力減らし、かつ1本たりとも優等列車にせず、かたくななまでに副都心線直通列車の利便性を上げようとしない東武東上線(東武鉄道東上業務部)。
池袋までの自己路線の乗客減を回避するのがその目的でしょうが、大きな目でみると、結局は沿線価値を下げ、地盤沈下が進みかねないということにいい加減気づいて欲しいものです。


最終日(3/15)の東横線渋谷駅

ダイヤ改正(悪?)のたびに吠えている(笑)気もするけど、だってぜんぜん良くならないんだもん。
明治神宮前駅は急行停まるよになったけどね、土休日だけ・・・。
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■ 真夜中のグルーヴ曲

仕事がどうにも終わらんです(笑)
頭が冴えてしばらく眠れそうにないので、なつかしい曲を思いつくままにWebから拾ってきました。

01.Grover Washington Jr. - Just the Two of Us (feat. Bill Withers) (Official Lyric Video)


02.Just Once / Quincy Jones (ft. James Ingram)


03.Street Life - The Crusaders '1979


04.Save Your Time For Me / Kazu Matsui Project Feat. Robben Ford


05.Lee Ritenour - Cross My Heart


06.George Benson - Never Too Far to Fall (1983, Warner Bros.)


07.RODNEY FRANKLIN - Love Dancin (Jazz/Funk)


08.MARILYN SCOTT - TILL I SEE YOU AGAIN


09.The Key To You - David Benoit 


10.Patti Austin - Say You Love Me


↑ の10曲にはある共通点があります。
答えは後日かきます。

わかる人はすぐわかると思うが・・・(笑)
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”来る曲” J-POP Female Vers. Part-2

10年以上も前に、こんな記事UPしてました。
いま振り返ると、この頃が”セツナ系”のピークだったかもしれぬ。

ほとんどリンク切れしているので、新規に追加して15曲ダースあげてみました。

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2012-05-18 UP
突然ですが、”来る曲” J-POP Female Vers.です。

それにしても、このところのJ-POP Fem. Vocalって、
どうしてこんなにメロディアスでセツナ系なんだろう。
これは世界で売れると思うが・・・。

今回は余計なコメントつけませぬ。じっくりきいてみてください。

※ You-Tubeの試聴(クリック)は自己責任にてお願いします。
※ 気に入ったら買ってあげてね。


01.きぼうのうた - RAM WIRE


02.Way To Love - 唐沢美帆


03.最後の恋 - erica


04.Hands - 愛内里菜


05.恋ノ夢。 - ハジ→ feat. erica


06.compass - 川嶋あい


07.サヨナラ サヨナラ - 竹仲絵里


08.孤独な生きもの - KOKIA


09.見えない月 - 藤田麻衣子


10.Because - LGYankees feat.中村舞子


11.Palette - 花たん


12.アレルヤ - Kalafina


13.The Days I Spent With You - 今井美樹


14.千年の恋 - 杏里


15.This Love - Angela Aki
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■ 春向きの洋楽30曲!

目下、年度末の仕事ラッシュで新規の記事がなかなかおカキコできません。
とりあえずこのところアクセスが伸びているこの記事、リンクつなぎなおしてあげてみます。

1980年代の洋楽の楽曲のよさをご堪能くださいませ。

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2022/02/27 UP

せっかくつくったので(笑)、こいつもあげておきます。

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2021/02/27 UP

追加して30曲にしました。

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2021/02/25 UP

春バージョンもつくってみました。
春の曲はさらにむずかしいな・・・(笑)
春らしく跳ねる感じの曲と、春の夕暮れを感じさせるエモーショナルなスロー曲を散りばめてみました。

今回もUPしながらつくっていきます。
夏バージョン秋バージョン冬バージョンと同様、1980年代の曲がメインです。

とりあえず、思いつくまま12曲ほど。

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01.The Bangles - Manic Monday
〔 From 『Different Light』(1985)

■ 1981年にLos Angelesで結成された米国のガールスバンド。
2nd ALBUM『Different Light』(1985)からのシングルカットで世界的にブレーク。
作曲はPrince。Princeらしいクセのあるメロが、ブライトなSusanna Hoffsらのヴォーカルとシンクロして1980年代中盤らしい仕上がりに。
この曲を聴くと、1985年の時点ですでにAORがメインストリームから外れていることがわかる。

02.Dara Sedaka - The Real Me
〔 From 『I'm Your Girl Friend』(1982)

■ Neil Sedakaの娘さん。大スターの愛娘のデビューアルバムだけに、当代一流の面子を集めてヒットを狙ったと思われるが、AORがメインストリームを担っていた1982年、やはりこういう仕上がりとなっている。
バックはDavid Foster(key)、Michael Landau, Steve Lukather(g)、Dennis Belfield(b)、Mike Baird(ds)というAORオールスターズ。プロデュースはDavid Foster。
Richard Pageと思われるBacking Vocalが絶妙に効いている。

03.Peabo Bryson &Roberta Flack - Heaven Above Me
〔 From 『Born To Love』(1983)

■ Peabo Bryson & Roberta Flackのデュエットアルバム『Born To Love』収録のMid-Up曲 。
1983年の作品ながら、Simmons Drums(電子ドラム)やプログラミングを導入し、当時のBCMのメインから一線を画した曲調。
でも、メロやSaxの音色はこの時代ならではのものだと思う。

04.Sweetness - Memory (Disco Dance Version)
〔 From 『Memory (Cats)』(1987)

■ ハイエナジー(Hi-NRG)から1曲。
Andrew Lloyd Webber作のスタンダードナンバーのカバー。
ALBUM収録は1987年だが、Hi-NRGレーベル”Rams Horn”からの12"盤リリースは1983年で、Hi-NRG全盛期にオンタイムで流されていた。
バックで延々と流れるピッキングギターのリフはHi-NRGならではのもので、のちのユーロビートではこういう構成はほとんど姿を消している。

05.Central Line - Walking Into Sunshine
〔 From 『Breaking Point』(1981)

■ 1980年代初頭に英国で一大ムーブメントとなった「funka latina」(ファンカ・ラティーナ)
当初は「British Jazz-Funk」とも呼ばれ、1981年リリースの『Slipstream - The Best Of British Jazz-Funk』というオムニバスアルバムが実質的な火付け役となった。
当時、輸入盤でこのALBUMをゲットし、粒ぞろいの楽曲にほとんどのアーティストのALBUMを買いあさった。
ほぼ英国盤しかリリースされていなかったので、やたらに高かった記憶が・・・。
Central Lineも『Slipstream』収録のユニット。オリジナルアルバム2枚を出したのみだが、ラテンリズムをうまくとり入れた佳曲をいくつか残している。

06.Melba Moore - Stay
〔 From 『A Lot Of Love』(1986)

■ 1970年からの長いキャリアをもつ米国ゴスペル系のBCMシンガー。スケール感あふれる歌いまわしはさすがの貫禄。

07.Bill Champlin - Sara
〔 From 『Runaway』(1981)

■ 個人的にはAOR系ではもっとも歌が巧いと思っているシンガーのひとりで、David Fosterと組んで数々の名作を残す。
これは、2nd ALBUM『Runaway』からのミディアムナンバーで、Jay Graydonと思われるギターのフレーズとDavid Fosterのメロディアスなキーボードワークが絶妙にバランスして渋めに収まっている。
Backing VocalsはRichard Page&Tom Kellyか?
『Runaway』はAORを代表する名アルバムだと思う。

08.Tracey Ullman - They Don't Know
〔 From 『You Broke My Heart In 17 Places』(1983)

■ 英国のミュージカル女優が1983年、突如として放ったスマッシュヒット曲。
原曲は英国のシンガーソングライターKirsty MacCollの1979年の作品
MOR的でわかりやすいこういう曲もしっかりヒットしていたことが、当時の洋楽のバラエティを物語っている。

09.Jeff Lorber Fusion - Reflections
〔 From 『Wizard Island』(1980)

■ んでもって、こういうアーバンなフュージョン系もしっかりマーケット的に成立していた。
Sax:Kenny Gorelick(ブレーク前のケニーG)、Drumsは名手Dennis Bradford。

10.Morris Day & The Time -Jungle Love
〔 From 『Ice Cream Castle』(1984)

■ 1981年にミネアポリスで結成された”プリンス・ファミリー”のひとつ。
”Jamie Starr”を名乗ったPrinceがインストを担当していた。
オリジナルメンバーは、Morris Day、Jimmy Jam、Terry Lewisという、いまから振り返ると信じられない面子。
これは1st ALBUM『Ice Cream Castle』(1984)から放ったヒット曲。

11.Dan Hartman - I Can Dream About You
〔 From 『I Can Dream About You』(1984)

■ 映画「ストリート・オブ・ファイヤー」の挿入歌で1984年にヒット。邦題は「あなたを夢見て」。
この頃は映画とサントラの同時ヒットがあたりまえのようにあった。
ハスキーでキレのよいハントーンヴォイスの米国のシンガー。
1976年に1st ALBUMをリリース。以降計8枚のALBUMを残しているが1996年以降はALBUMを残していない模様。

12.Patti Austin - If I Believed
〔 From 『Gettin' Away With Murder』(1985)

■ Quincy Jonesの秘蔵ッ子として知られ、これはQwest Recordsから1985年にリリースした『Gettin' Away With Murder』からの名バラード。
Randy Goodrumらしい華麗なメロディ。リリカルなキーボードもRandy Goodrum。
プロデュースはRuss Titelman。Drumsは名手Steve Ferroneだが、ベースはサンプリングと思われ、往年のBCMのグルーヴ感はもはやここにはない。
1980年中盤~後半にかけては、こういうシャープでメロディアスな名バラードがいくつも生み出された。

13.Restless Heart - Don't Ask The Reasons Why
〔 From 『The Secret Of My Success - Music From The Motion Picture Soundtrack』(1987)

■ ナッシュヴィル出身のカントリー系ロック・グループで1st ALBUMリリースは1985年。
これはマイケル.J.フォックス主演の映画「The Secret Of My Success」(摩天楼はバラ色に)のサントラ収録曲でDavid Fosterのプロデュース。
カントリー系のアーティストにDavid Foster一派がプロデュースに入ってAOR化させるパターンは1980年代前半にはめずらしくなかったが、1987年時点ではレアパターン。
メロディのよさとアレンジの巧みさが際立つ佳曲。

14.Sarah McLachlan - I Will Remember You
〔 From 『Mirrorball』(1999)

■ 全世界で高い人気を誇るカナダのシンガーソングライター。
1st ALBUMリリース前の1987年、女性主導型のライヴイベントであるリリス・フェア(Lilith Fair Celebration Of Women In Music)を提唱・成功させ注目を集める。
強い意思を感じさせる楽曲やステージングは、各方面から高い評価を得ている。

15.J.D.Souther - Go Ahead And Rain
〔 From 『Home By Dawn』(1984)

■ 米国デトロイト出身のシンガーソングライターで、「You're Only Lonely」(1979年)のビッグヒットをもつ。
楽曲提供が多く自身は寡作な人だが、そのALBUMは粒ぞろい。
これは4枚目のオリジナルアルバム『Home By Dawn』(1984)収録曲で、Randy McCormick(key)、Billy Walker(g)、David Hungate(b)などAOR系ミュージシャンが入っているが、Drumsは自身で叩きAORとは一線を画した仕上がりとなっている。
『Home By Dawn』はセールス的にはいまひとつだったが、メロディーに優れた佳曲の多い名盤。

16.Perri - Tradewinds
〔 From 『Tradewinds』(1990)

■ 1986年に1st ALBUMをリリースしたロスアンジェルスのレディソウル系ユニット。
これは3rd ALBUM『Tradewinds』(1990)からのタイトル曲で、いかにも西海岸らしいブライトなBCM。
Ralph MacDonald、William Salterの共作、PercussionにLuis Conteも入って、1990年の作ながら往年のBCMを彷彿とさせる仕上がり。

17.Thom Rotella - Paradise Island
〔 From 『Home Again』(1989)

■ 1989年に DMPから1st ALBUMをリリースしたスムース・ジャズ系のギタリスト。
これは1st ALBUM『Home Again』(1989)収録曲で、持ち味のウェストコーストっぽい軽めのナンバーに仕上がっている。
作曲の才に恵まれ、Positive Musicに移ってリリースした3rd ALBUM『How My Heart Beats』も好アルバム。

18.Jim Photoglo - Ruled By My Heart
〔 From 『Fool In Love With You』(1981)

■ ロスアンジェルス出身のアーティストで、1980年代前半にAOR系の名盤を数枚リリースしている。
これは2nd ALBUM『Fool In Love With You』(1981)収録のミディアム・ナンバーでPhotogloらしい曲構成。
Bill Cuomo(key)、Fred Tackett(g)、Dennis Belfield(b)、Carlos Vega(ds)と、一流ミュージシャンがバックを堅めて安定した仕上がり。
Thom Masonと思われるSaxが主役並みに頑張っているのが、この時代のAORらしい。

19.Enya - Only Time
〔 From 『A Day Without Rain』(2000)

■ 改めて紹介の必要もないと思われるアイルランドの超メジャーアーティストで、ヒーリング・ミュージックの代表格。
もとは”Clannad”というアイリッシュ・フォークバンドに在籍していたが、1980年代中盤に独自の境地を切り開く。
これは名盤『A Day Without Rain』(2000)収録の代表曲で、Enyaらしい清々しさが満ちあふれている。

20.Marc Jordan - The Same Mistake
〔 From 『Reckless Valentine』(1993)

■ またしてもMarc Jordanです。
1983年の名盤『A Hole In The Wall』以降の数枚はいまひとつ迷いが感じられるような内容だったが、Sin-Drome Recordsに移ってリリースした『Reckless Valentine』(1993)は吹っ切れたような素晴らしい仕上がりとなった。
音的にはもはやAORを離れているが、エモーショナルな歌いまわしはオリジナルな魅力にあふれている。

21.D Train - Keep On
〔 From 『You're The One For Me』(1982)

■ 1980年代前半にいくつかのディスコヒットを放った Brooklyn出身の2人組ユニット。
当時のグルーヴ絡みのBCMとは一線を画した硬質なリズムが新鮮だった。ヴォーカルのレベルも高くて聴き応えあり。

22.Dan Siegel - Deserted Beach
〔 From 『Dan Siegel』(1982)

■ 1980年代初頭、海辺のフュージョンといえばこの人だった。
これは3rd ALBUM『Dan Siegel』(1982)収録曲で、華麗なタッチのキーボードが楽しめる。
Guitarは Paul Jackson Jr.、PercussionはLenny Castro、FlugelhornはMark Hatchと思われる。
1980年代のフュージョン~1990年代のスムース・ジャズと時代の流れを巧みに捉え、1990年代にも名作を多くのこしたアーティスト。

23.Evelyn 'Champagne' King - I'm Just Warmin' Up
〔 From 『Get Loose』(1982)

■ Bronx(New York)出身の女性BCM シンガーで1970年代後半~1980年代中盤にかけて好アルバムを複数のこしている。
Kashifとの関係が深く、硬質なリズムの曲が多いが、『Get Loose』(1982)収録のこの曲はNeil Jason(b)、Andy Newmark(ds)のサポートが効いてか、粘りのあるグルーヴをつくりだしている。

24.The Go-Go's - Head Over Heels
〔 From 『Talk Show』(1984)

■ 1978年、ロスアンジェルスで結成されたガールズバンドで、いくつかのビッグヒットをもつ。
これは『Talk Show』(1984)からのシングルヒットで、人気も高かったが翌年1985年にあっさり解散。
メンバーのBelinda Carlisleはそののち欧州に活動拠点を移し、ソロシンガーとして成功している。

25.Tiffany - Could've Been
〔 From 『Tiffany』(1987)

■ 1987年から1989年にかけて立て続けにヒットを放った、カリフォルニア州出身のシンガー。
デビューは15歳。これは16歳でリリースした大ヒット曲。
フックあるメロディをもつこのバラードは、当時日本でもよくかかっていた。

26.Brian McKnight - Still
〔 From 『Superhero』(2001)

■ ニューヨーク州バッファロー出身のBCM系シンガーで、Take 6のメンバーClaude V. McKnight III を実兄にもつ。
艶のあるハイトーンヴォイスをもち、メジャーアーティストとの競演も多い。
1st ALBUMリリースは1992年で、1990年代のBCMを支えたシンガーの一人だと思う。

27.Change - The Very Best In You
〔 From 『Sharing Your Love』(1982)

■ またまたChangeです。(好きなので・・・(笑))
Jacques Fred Petrus & Mauro Malavasiの才能がいかんなく発揮されたディスコ・ユニット。
Luther Vandross、James Robinsonの名ヴォーカルが在籍していたことでも知られる。
これは全盛期の名盤『Sharing Your Love』(1982)のトップを飾るアップ・チューンで、ソフィスティケートされたChangeの魅力がもっともよくあらわれている1曲。

28.Michael Colina - Joy Dancing
〔 From 『Shadow Of Urbano』(1988)

■ ちょっと詳細がよくわからない人(Private Musicつながりで買った)だけど、Wikiによるといろいろな分野で活動しているらしい。
個人的にはメロディアスなキーボードワークが魅力で、作曲能力も相当なものがあると思う。
これは1st ALBUM『Shadow Of Urbano』(1988)の1曲目で、SaxはMichael Brecker。

29.Eric Carmen - Every Time I Make Love To You
〔 From 『Winter Dreams』(1998)

■ 元Raspberries(ラズベリーズ)のメインヴォーカルで、1975年の解散後はソロとしても成功を収めたオハイオ州クリーブランド出身のシンガー。
1980年代以降は映画『フットルース』の「Almost Paradise”(愛のテーマ)」を作曲するなど裏方に回った感が強いが、1998年、14年ぶりにリリースしたアルバム『Winter Dreams』はメロディにあふれた好盤だった。(ひょっとして日本限定リリース? あまり売れなかったみたいだけど。)
これはそのアルバム収録のナンバーで、メロディーメイカーとしての確かな才能がうかがわれる1曲。

30.Bobby Caldwell - Come To Me
〔 From 『Bobby Caldwell』(1978)

■ AORの代表的シンガーBobby Caldwell。
これは1st ALBUM『Bobby Caldwell』(1978)収録のバラードで、パーラメントのCMでかかってたので、日本でもよく知られている曲だと思う。
伸びやかで深みのあるハイトーンは、いま聴いてもオリジナリティにあふれている。


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【日本Vers.】
唱歌ですが2曲。

01.早春賦 - 小鳩くるみ

メロディの美しさは唱歌屈指の名曲。
小鳩くるみ。本名、鷲津名都江。
「アタックNo.1」の鮎原こずえ役の声優として広く親しまれた。
ハイトーンの声質の美しさは、日本の歌い手のなかでも歴代屈指だと思う。

02.朧月夜 - 鮫島有美子

唱歌はほんとうに名曲が多い。曲も歌詞も。
さりげに難曲。ソロで歌うには相当な力量がいると思う。

03.朧月夜 - 中島美嘉

名曲だから、こういう優れたアレンジテイクが生まれる。
中島美嘉の歌唱力も凄いが、葉加瀬太郎のバイオリンも圧巻。

■ 歌の女神が舞い降りた国 / 美メロ&ハイトーン&透明感の癒し曲50曲
■ 桜曲40曲!

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『たまらなく、アーベイン』 ~1980年代前半の音楽の空気感~

シティ・ポップが再評価される昨今ですが、シティ・ポップ全盛期の当時、POPミュージックがどのような聴かれ方をしていたかを如実に示す本があります。
書名は『たまらなく、アーベイン』、初版は1984年。

1984年といえば洋楽ではアダルト・コンテンポラリー(AC)、アダルト・オリエンテッド・ロック(AOR)やブラック・コンテンポラリー(BCM)、邦楽ではいまでいう「シティ・ポップ」がピークを迎えた頃です。
この本は1990年に『ぼくだけの東京ドライブ』と書名を替えて、いま筆者の手元にあるのはこちらですが、超ひさびさにつらつらと読み拾ってみました。



「何度でも読み返されるべき異形の、 二度とやって来ない時代のライフスタイル読本」 by 菊地成孔氏

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前文の「田中康夫からあなたへ」してからすでに、この時代の音楽感が語られています。

「音楽は常にその時代の気分を伝えてくれます。」「五木寛之氏の時代がジャズの気分で、村上龍氏の時代がロックの気分だったとしたら、今の僕たちは、アダルト・コンテンポラリーやブラック・コンテンポラリーの気分の中に生きているのではないでしょうか」
「アダルト・コンテンポラリーやブラック・コンテンポラリーの音楽も、僕たちが信じられる物のひとつです。ジャズやロックと違って、ストーリーやメッセージを持たない”気分の音楽”は、ドラマのないのがドラマになってしまった僕たちの生活、そのものです。」


”気分の音楽”。
言い得て妙です。確かにそんな聴き方をしていました。

「メロディが美しいから聴いてしまう、ただ、それだけのことで、他の理由も持たない僕たちは(以下略)」

この頃の音楽好きはおおむね洋楽メインにシフトしていて、歌詞よりもメロディやサウンド志向でした。
(洋楽の歌詞はよほどの意訳のセンスがないとその本意が捉えにくく、とても日本人には”刺さる”ものではないから・・・、それに歌詞なしのフュージョンも1ジャンルをつくってたし・・・。)

だから「メロディが美しいから」(サウンドが心地よいから)聴いてしまうという流れは、いま思い返してもそうだったと思う。

「朝・昼・夕方・夜」と四つの時間帯にアルバムを分けて、それぞれ、どんな時間帯の、どんなシチュエーションで聴いたら、ピッタリくるかというエッセイに仕立てました。」

「アルバム」です。「曲」じゃなくて「アルバム」。
アルバム1曲通して聴く、あるいは気に入りの曲だけをテープにピックアップする。
そんな聴き方がふつうでした。

そして「シチュエーション」。
この頃、音楽(洋楽も邦楽も)は家だろうが外出先だろうが常に聴き手につきまとっていて、人々は「シチュエーション」によって音楽を巧みに聴き分けていたように思う。


田中康夫氏は1980年に『なんとなく、クリスタル』を発表し、これをきっかけにいわゆる「クリスタル族」が生まれたともいわれます。
この小説は映画化されましたが、そのサントラはACやBCMで固められ、この流れがのちの『たまらなく、アーベイン』につながっていったとみられます。

『なんとなく、クリスタル』サントラ収録の名曲2曲

■ 99 - Toto(1979年)


■ You Can Have Me Anytime - Boz Scaggs(1980年)



『たまらなく、アーベイン』は田中氏手持ちのAC&BCM系の3000枚のアルバムから100枚をセレクトしてエッセイにしたもので、とりあげられているアルバムはかなりとマニアック。

自分でもとうに忘れていたアルバムやアーティストがつぎつぎと出てくるので、いっそのことこの本に沿ってこの頃の曲をご紹介してみたいと思います。
じつは、AC&BCM系は専門なので・・・(笑)
まずは動画をUPし、コメントはじっくり調べてあとからいれます(と、また逃げる・・・(笑))

『たまらなく、アーベイン』には当時の「シチュエーション」を語るキーワード(モノや場所など)が散りばめられているので、そのワードも拾い上げてみます。
また、関連するアルバムや曲も紹介されているので、併せてピックアップしてみます。

ちなみに田中康夫氏の小説やエッセイに含まれる情報量は質・量ともにもの凄いのですが、かなりクセのある文体なので好き嫌いははげしく分かれると思います。


まずは「朝」の1枚目です。
Alessi – 『Long Time Friends』(1982年)

■ Still In Love (B-3)


〔キーワード〕
・目黒区八雲の彼女、文京区本駒込の彼氏
・玉川通りの真中交差点、首都高浜崎橋
・自動車電話


【関連アルバム(曲)】
■ Love Is the Answer - England Dan & John Ford Coley(1977年)


■ Open Mind - Richie Lecea(1978年)


■ Come Back to Me - Leslie, Kelly&John Ford Coley(1980年)


ちょっとマニアック過ぎますかね・・・(笑)
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■ 熱唱!ミリオンシンガー出場の逸材たち

3/2放映の日テレ「熱唱!ミリオンシンガー」、さきほど録画視たけどやたらにレベル高かった。
とりあえず女性のみ。

■ 間瀬しずか - Love Forever

声質がたおやかで、感情の乗せ方がやたらに巧い。

■ 竹野留里 - Guiano-花

元カラバトの常連さん。
声に力がこもってるし、さすがの安定感。

■ 伊沢有香 - また君に恋してる

この子のことはカラバト関連記事で書いたことないけど、これは巧い。
歌の実力は相当なものだと思う。

■ 柴山サリー - 負けないで/ZARD 【歌ってみた】

唖然。
坂井泉水さんの微妙にゆらぐ切ない歌声に、ここまで肉薄した歌い手は聴いたことがない。
この声は練習して出せるものじゃないと思う。

■ 柴山サリー - マイ フレンド/ZARD 【歌ってみた】

この泉水さんワンアンドオンリーの難曲をここまで歌いこなすとは・・・。
とくに高音に飛ばすときの声の表情がそっくり。
さすがにサビ部の神がかり感は完璧には再現できてないけど、やっぱりすごいテイクだと思う。

↓ あと、この人がいたか・・・。
■ IZUMIRT - 二人の夏(Covered)

いずれにしても、ZARDの高レベルカバーは貴重。
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