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関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 柴原温泉 「菅沼館」 【閉館】
この施設は2010年秋に閉館しています。
秩父屈指の名湯といわれた柴原鉱泉「菅沼館」は、2010年10月に閉館しています。
筆者は温泉仲間とともに閉館1ヶ月前の2010年9月に宿泊していますが、ネタが多すぎるためついつい放置プレーとなり(笑)、気がついたら12年が経過してしまいました。
一念発起して、記録の意味でレポをUPします。
柴原温泉 「菅沼館」
住 所 :埼玉県秩父市荒川贄川2050
電 話 :日帰り入浴不可/2010年10月閉館
時 間 :同上
料 金 :同上
秩父には、江戸時代から「秩父七湯」と呼ばれるいで湯がありました。
1.新木の湯 (新木鉱泉)
2.鳩の湯 (鳩の湯温泉、温泉施設は閉館)
3.柴原の湯 (柴原温泉)
4.千鹿谷の湯(千鹿谷温泉、温泉施設は閉館)
5.鹿の湯 (白久温泉、温泉施設は閉館)
6.梁場の湯 (現存せず)
7.大指の湯 (現存せず)
うち、5.6.7は早くに廃湯となり、2.4は近年閉館して温泉施設の営業はありません。
「菅沼館」は3.柴原の湯 (柴原温泉)の湯治宿でしたが、2010年10月に閉館しています。
柴原の湯 (柴原温泉)は旧小野原村と旧贄川村の境にあって、『新編武蔵風土記稿』の小野原村の項には「温泉 小名芝原ニアリ 村の北方ニシテ贄川村界の谷間ニテ 両岸ニ湯潭一ヶ所ツゝアリ 共ニ大サ五尺ニ二尺五六寸ハカリ 石モテ積立シ潭ナリ 其由来ヲ尋ヌルニ イツノ頃ヨリ湧出ルコトニヤ知モノナシ 慶安五年(1652年)村ノ水帳ニモ此邊ヲ湯本ト記セシヨシ 其古キ●ヲシテ知ヘシナレト 諸方ヘ聞ヘテ賑ヒシハ近世ノ事ナリト云 今ニ年々三四六七ノ四ヶ月ハ分テ賑ヒ群集スト云リ 此湯ノ効験ハ打身疝気或ハ虚分●気其外 諸病ニ益シト云 瘡毒癩瘡ノ如キニ至リテハ 甚タコレヲ禁ストナリ 両村ノ地ニ跨リ民家六戸アリ イツレモ病客ノ往来スルヲ以テ業トセリ」とあります。
谷間に湯つぼがあり、慶安五年(1652年)の村の資料にも記載され、近世には大いに賑わい湯治宿が6軒あったことなどが記されています。
『埼玉の神社』(埼玉県神社庁)の(小野原鎮座)稲荷神社の項には「柴原は古くから鉱泉で有名であり、その湯本には昭和36年に焼失した本社(稲荷神社)の社殿建築と同じ宮大工が造ったという、見事な彫刻が施された湯権現社が祀られている。なお、同社の建築年代は江戸中期と思われる。」とあり、すでに江戸中期には湯本守護神としての湯権現社が祀られていたことがわかります。
【写真 上(左)】 三峯神社
【写真 下(右)】 三峯神社の御朱印
Web上には出所不明ながら「柴原温泉は三峯神社の登拝口として賑わった」という記事がいくつかみつかります。
気になったので少し調べてみました。
『荒川村贄川における集落機能と生業形態の変化』(河野敬一氏・平野哲也氏/1991年)には「(贄川は)甲州、信州への交通路、三峰山への参詣路、荒川渡船など、交通の要衝に存在」、「昭和5年(1930年)には対岸の白久に秩父鉄道の三峰口駅が開設された。(中略)秩父参詣者は秩父鉄道を利用し、三峰口駅から白川橋を渡り贄川宿を通らずに参詣できるようになった。」とあります。
また、「三峰山は修験の山で、江戸時代中期以降、農業や火伏せ盗賊除けの神として庶民の間で信仰が盛んになり参詣客が増加した。(中略)参詣を終えるとすぐに下山し、贄川の宿屋を利用するものも多かった。明治期の贄川には『角屋』『角六』『丸太』『逸忠館』『小櫃屋』『油屋』という6軒の旅館が存在した。」
「近世期以来、(贄川の)町分の東の入口には三峰神社の一の鳥居が存在し、三峰神域の入口とされていた。贄川から三峰神社までの約10㎞は、険しい山越えのルートだったため、参詣の前夜に贄川で一泊し、翌朝早く発って三峰神社へ参拝し、夕方再び贄川へ戻り、さらに一泊して帰郷するという行程が一般的であった。」という記載もあり、昭和5年の秩父鉄道開通以前、三峯神社参詣者は贄川経由の登拝がメインであったことを示唆しています。
『埼玉の神社』(埼玉県神社庁)の(贄川鎮座)八幡大神社の項に「贄川の宿は、三峰山への登拝路における最後の宿場としても大きい役割を担ってきた。当時、登拝日の決まっていた(三峰)講社に対して、神社からの使者がこの贄川の宿まで講社の人々を出迎え、道中の労をねぎらった。帰路に当たっても、使者が講社の人々を贄川まで送り、別れの盃を交わし、道中の無事を祈るとともに、翌年の参拝が約束された。こうした贄川の宿を中心とした三峰神社と講社との結びつきが、三峰講を支える大きな柱の一つとなっていた」とあります。
また、同書の(白久鎮座)熊野神社の項に「三峰詣の登拝順路にあたる当地は、三峰山の信仰と関連するところが多い。なお、この登拝路は、紀州熊野詣の形に類似しているともいわれ、彼地九十九王子に、猪鼻王子が現在でも残っている。」とあります。
いまの地理感から考えると三峰神社からかなり離れた麓の贄川に、登拝口や一の鳥居があったのは不思議な感じもしますが、『江戸における三峰信仰の展開とその社会的背景』(三木一彦氏/2001年)によると、江戸小日向(現・文京区)からの三峰詣ではじつに9泊10日の行程を要していたそうですから、贄川(柴原)~三峰間の10㎞強程度は「すぐ下の麓」という感覚だったのでしょう。
また、三峰山麓には熊野信仰の影響を受けて九十九王子が奉安されていたようで、神域内に(九十九王子を奉安するための)ある程度の距離が必要だったのでは。
贄川と柴原は、道筋こそことなるものの距離的にはさほど離れていません。
上記のとおり三峰講と贄川の宿の結びつきが強かったとすれば、表立って柴原の湯宿に泊まることは憚られたのかもしれませんが、帰途であれば精進落としの意味もあって、温泉で疲れを癒すニーズもあったであろうことは容易に想像できます。
実際『(埼玉県)宮代町史』には、三峰講による三峰神社への代参は毎年4月、川崎市資料にも「多摩区生田の土淵では、4月に代参者2名を(三峰講として)秩父の三峰神社に送った。」とあり、『新編武蔵風土記稿』の「(柴原温泉は)年々三四六七ノ四ヶ月ハ分テ賑ヒ群集ス」という記事と符合しています。
ただし、柴原の湯の本分は湯治であったこと、また、三峰講と贄川宿の強固な関係からして、柴原の湯で参詣客の利用があっても大っぴらにできなかったため、三峰講絡みの記録が少ないのかもしれません。
三峰講は関東平野を中心に多くの代参講が組織されており、(参考:関東平野における三峰信仰の展開(三木一彦氏/2005年))そのほとんどは徒歩による参詣だったので、三峰山麓の宿泊需要は旺盛だったと思われます。
田植え期間をのぞく春~初夏の三峯参詣繁忙期には、贄川の6軒の宿では足りず柴原の湯の宿に送客したこともあったのでは?
ただし、三峰講の旅程はおそらく地元の講元で管理されており、贄川が満杯で柴原の湯に泊まったとしても記録としては贄川泊になったと思われます。
こうした点からも三峰講と柴原の湯のつながりが残りにくかったのかもしれません。
秩父札所三十四ヶ所観音霊場との関係も考えられます。
秩父札所三十四ヶ所観音霊場は文暦元年(1234年)開創と伝わる古い霊場で、長享二年(1488年)の秩父札所番付が実在することから、室町時代後期には定着していたとされます。
西国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所とともに日本百番観音に数えられるメジャー霊場で、江戸時代に入るといよいよ盛んに巡拝されました。
【写真 上(左)】 第30番 法雲寺
【写真 下(右)】 第30番 法雲寺の御朱印
【写真 上(左)】 第32番 法性寺
【写真 下(右)】 第32番 法性寺の御朱印
柴原は第30番瑞龍山 法雲寺と第32番般若山 法性寺を結ぶ道筋にあり、秩父札所の巡拝者が泊まりに利用した可能性があります。
(直接関係ないですが、秩父札所に曹洞宗寺院が多い理由を考察した興味ぶかい論文がみつかりましたのでご紹介します。→こちら(『武蔵国秩父札所三十四観音霊場の形成にみる中世後期禅宗の地方展開』(小野澤眞氏/2012年))
以上からすると、柴原の湯 (柴原温泉)は江戸時代から、湯治客、三峰講、秩父札所という集客3チャネルを持っていた可能性があり、これが山あいの湯場ながら6軒の湯宿を支えた背景なのかもしれません。
大正14年刊の『埼玉県秩父郡誌』にも柴原鉱泉は以下のとおり記載されています。
「柴原鉱泉は其の発見江戸時代初期にあり。現今浴客を収容するの設備漸く完全ならんとす。」
明治維新後も大正くらいまではかなりの浴客を迎えていたことがわかります。
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前置きが長くなりました。
【写真 上(左)】 柴原温泉
【写真 下(右)】 右手おくが「菅沼館」
柴原温泉には、2010年時点で「かやの家」(旧称:白百合莊)「柳屋」「菅沼館」の3軒の湯宿がありました。(「きくや」もまだ営業中だったかもしれませんが詳細不明。)
かつての6軒の湯宿は3軒になっているものの、「かやの家」は”日本秘湯を守る会会員宿”、「柳屋」は名物の手打ち蕎麦と日帰り入浴、「菅沼館」は湯治宿とうまく棲み分けしていました。
わけても「菅沼館」のお湯はコアな温泉マニアのあいだで定評があり、日帰り入浴不可ということもあってナゾ多きお湯となっていました。
(じつは、筆者はダメもとで突入し日帰り入浴を乞うたことがあるのですが、「ここは湯治宿なので・・・」とやんわりお断りされた過去があります。)
この温泉マニア垂涎の「菅沼館」が廃業するという情報が出たのはたしか2010年春頃。
これを受けて温泉仲間が廃業直前に貸し切りのオフ会を設定してくださり、これに参戦するかたちでついに初入湯を果たしました。
湯治宿ですが、1泊2食付での宿泊としました。
【写真 上(左)】 庭内エントランス
【写真 下(右)】 庭先のサイン
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 帳場棟
「かやの家」「柳屋」は湯宿としてわかりやすい外観ですが、沢にかかる小橋を渡った最奥の「菅沼館」は湯治宿だけあって民家的な構え。
「柳屋」の裏手的な立地でややわかりにくいですが、庭先に「菅沼館」の看板が出ているので迷うことはありません。
【写真 上(左)】 玄関扁額
【写真 下(右)】 客室棟から帳場棟
【写真 上(左)】 客室棟-1
【写真 下(右)】 客室棟-2
正面が切妻屋根一層の帳場棟。そこから手前に向かってL字型に2層の客室棟が伸びています。築300年の歴史をもつようです。
玄関にはきっちりと宿名扁額を掲げて好ましげなたたずまい。
1階の帳場まわりもいい意味で年季が入って風格さえ帯びています。
【写真 上(左)】 帳場まわり-1
【写真 下(右)】 帳場まわり-2
【写真 上(左)】 1階
【写真 下(右)】 1階廊下
泊まったのは2階。湯治宿らしい開放感あふれる外廊下。
山あいの9月の涼やかな風が、網戸ごしに心地よく吹き込んできます。
窓からは手前に「柳屋」、すこし離れて「かやの家」が望めます。
【写真 上(左)】 階段
【写真 下(右)】 2階廊下
【写真 上(左)】 2階客室-1
【写真 下(右)】 2階客室-2
部屋数はすみませぬ覚えていません。
貸し切りだったので、ふすま開け放しで広々とつかいました。
【写真 上(左)】 館内の扁額
【写真 下(右)】 湯治宿の趣
湯治宿ですが部屋のつくりはよく、床の間に掛け軸も。
すみずみまで清掃が行き届いてきもちがいいです。
【写真 上(左)】 格言の扁額
【写真 下(右)】 句碑
【写真 上(左)】 スリッパ
【写真 下(右)】 室番
館内各所に格言や句、趣味のいい風景画などが掲げられ、ご主人は相当な風流人では?
スリッパの文字は館名ではなく「ゆもと」。湯元宿としての矜持が感じられます。
写真の撮影時間からすると、入浴は早朝から20時まで。
夕食は18時、朝食は7時半からだったと思います。
入浴20時まで、朝食7時半からは、さすがに保守本流の正統派湯治宿。なんちゃって系ではありません(笑)
【写真 上(左)】 夕食
【写真 下(右)】 朝食
食事は家庭料理的メニューでしたが、素材と味つけがよく、予想以上に満足いくものでした。
浴室は広くなく宿泊人数がそれなりにいたので忙しい入浴となりましたが、それでも夕・朝ともにこの名湯を満喫できました。
*************
入湯レポの前に、すこしく柴原温泉の泉源について触れてみます。
柴原温泉の泉源地は、沢沿いに建つ「柳屋」の玄関向かって左手のパイプが引かれた小径を沢沿いに遡ったところにあります。
【写真 上(左)】 柳屋
【写真 下(右)】 柳屋の脇の道です
【写真 上(左)】 淵
【写真 下(右)】 湯大権現宮入口
9月の頃合いでは草木が生い茂り、よほどの好き者でない限り探る気にはならないかと。
「柳屋」脇の小径をしばらく登ると「湯大権現宮入口」の標柱と祠?があらわれます。
このあたりの沢は淵となっていて小滝が流れ込んでいます。
【写真 上(左)】 登ります
【写真 下(右)】 乗っ越した先の沢と林相
ここから急な登りとなりますが、道沿いにパイプが数本引かれているので泉源に向かっていることがわかります。
小さな高みをひとつ乗っ越すと、再び沢沿いとなりここにも数本のパイプが見えます。
ここまで基本は沢沿いの道で徒渉はないですが、ところどころ苔で滑りやすいので要注意。
あたりはうっそうと木々が茂り、沢音だけが響きます。
【写真 上(左)】 湯大権現宮が見えてきます
【写真 下(右)】 湯大権現宮
ひとしきり沢を遡上すると切妻造妻入木造一部ブロック造トタン覆の建物が見えてきます。
こちらが「湯大権現宮」の覆屋です。
よこに説明板がありましたので転記します。
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荒川村指定有形文化財 湯大権現宮 平成二年四月九日指定
この社は江戸時代の嘉永年間(1848-1854年)に磐若村(現在の小鹿野町磐若)の神田雄七郎という大工棟梁によって建立されたもので、彫刻なども見事であるが一部欠けたりしており、聞く所によると盗難にあったといわれている。
社のわきに掘られている井戸は、柴原温泉に使われる湯がわき出している。
この湯は、弱アルカリ性硫化水素がふくまれており、ゆで玉子に似たにおいがする。
この井戸がいつ頃掘られたかは、湯元・菅沼館に口伝されている所によると、鎌倉時代とも藤原時代ともいわれているという。
以前、菅沼館では湯治客が自炊をしていたので、その火のために何度か火災に会い(ママ)、文書は焼失し口伝だけが残っているのだという。
この社には大己貴神(大国主命)と少彦名命の二神が祭られている。
荒川村教育委員会
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【写真 上(左)】 湯大権現宮社殿
【写真 下(右)】 湯大権現宮と手前が菅沼館泉源
「湯大権現宮」の覆屋には「●有者菅沼館」の木板が掲げられていました。
覆屋内には神田雄七郎作と伝わる社殿が安置され、市指定有形文化財に指定されています。
市の公式Webには「社の脇にある井戸からは、鉱泉が湧き出ており、温泉郷の湯元となっている。現在の社は、嘉永・安政年間(1848~1860)、般若村(現小鹿野町)の棟梁神田雄七郎の手によるもので、規模は小さいが、重厚で格調の高い風格を備えている。」とあります。
小ぶりながら千鳥破風、軒唐破風を備え、水引虹梁まわりに精緻な彫刻が施されたすばらしい社殿です。
【写真 上(左)】 菅沼館泉源
【写真 下(右)】 菅沼館泉源の内部
この「湯大権現宮」のすぐ脇にある井戸が、おそらく菅沼館の泉源と思われます。
内部は暗くよく見えませんが、フラッシュ撮影すると壁面は白い硫黄の湯花に覆われ、ほぼ透明の源泉がたまり、そこにホースが挿し込まれていることがわかります。
見た目からするとかなり強めのイオウ臭(甘たまご臭)が香り立ちそうですが、不思議なことにイオウ臭はさほど感じませんでした。
【写真 上(左)】 最大の泉源
【写真 下(右)】 最大の泉源の内部
「菅沼館泉源」のひとつ上の井戸はもっとも大規模で横穴式。
こちらの内部は見やすく、やや白濁気味で金属のパイプが延びていました。
こちらでは「菅沼館泉源」より明瞭なイオウ臭を感じました。
【写真 上(左)】 ナメ状の沢
【写真 下(右)】 泉源井戸がいくつも見えます
ここから奥の沢沿いにもいくつかの井戸が見えます。
そこまでは河床いっぱいの流れなのでナメ状の河床を徒渉しないとたどり着けませんが、せっかくの機会なので突入してみました。(滑りやすいのでおすすめしません。)
【写真 上(左)】 上部の泉源-1
【写真 下(右)】 上部の泉源-2
【写真 上(左)】 上部の泉源-3
【写真 下(右)】 上部の泉源の内部
上部の泉源井戸にもパイプが挿入されています。
位置関係からして、いずれの井戸も河床より低いレベルまで掘り下げ、石積みできっちり組み上げられています。
探索時にモーター音はしませんでしたが形状からすると自然流下はむずかしそうなので、間欠的なポンプ送湯はあるかと。
メモには「徒渉先に泉源5or4+タンク」とあるので、徒渉前の2つと併せると計7の泉源ないし、6の泉源+貯湯槽(タンク)があることになります。
江戸時代の湯宿の軒数は6軒と伝わるので、湯宿毎に自家井戸をもっていたのでは。
また、メモには「パイプ出ているのと出ていないのあり、一番おくがかやの家、手前が柳屋」とあるので、写真には残っていませんが所有を示す何かがあったのかも。
パイプを合流しているものもあるので、複数の泉源を併せて使っている宿もあるかもしれません。
また、もったいなくも漏れているパイプもありました。
*************
さて、いよいよ入湯です。
浴場は1階に1箇所。広くはないのでおそらく時間を譲りあっての入浴となります。
浴場に近づくにつれイオウ臭が強まり、期待が高まります。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 浴場のサイン
脱衣所は木棚にプラかご。狭く簡素ながら使い勝手のいい脱衣所です。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 温泉分析書
【写真 上(左)】 浴室
【写真 下(右)】 浴槽から脱衣所
浴室は崖下に位置し、昼間でも薄暗いですがそれだけに落ち着いた空間になっています。
天高はさほどないものの、浴槽よこに開け放ちの窓があるのでこもりは感じられません。
黒い石の内床と白&ピンクのタイル壁が不思議なコントラストを見せています。
【写真 上(左)】 浴槽-1
【写真 下(右)】 浴槽-2
浴槽は扇型で、伊豆石or三波石の枠に青いタイル貼浴槽が嵌め込まれています。
2人も入ればいっぱいでしょうか。
【写真 上(左)】 湯溜め槽
【写真 下(右)】 湯溜め槽の湯口
浴槽手前に鉄平石造の湯溜め槽があり、壁から突き出た塩ビパイプから冷たい源泉が数L/minほど(変動あり)常時投入され、槽内の源泉には白い湯の花を浮かべていました。
この湯溜め槽から浴槽への直接投入はなく、上部スリットから排湯されてそれを青いバケツで受けています。
バケツは3つあり、順に満杯にしていきます。
湯溜め槽はかなり深く、相当量の源泉を溜めることができます。
【写真 上(左)】 バケツに溜められる源泉
【写真 下(右)】 バケツからの源泉投入
泉温は低く、湯溜め槽から浴槽にそのまま落とし込むと浴槽の湯温が下がってしまうので、バケツに溜め、必要に応じてバケツの源泉を浴槽に注ぎ込む方式になっているのだと思います。
槽内壁面からの熱湯注入はあるものの槽内吸湯口は見当たらず。
湯溜め槽のなかに吸湯口があるか、別系統で源泉を引きそれをボイラー加温して浴内注入しているのかもしれません。
じっさい、ボイラーとみられる施設に外から引かれたパイプ(源泉ライン?)が接続されていました。
【写真 上(左)】 ボイラーよこの源泉ライン?
【写真 下(右)】 硫化したカラン
なので、湯づかいは源泉加温かけ流しということになります。
泉温11.3℃、湧出量1.8L/minのスペックでは、このようにするしか方法はないのかもしれません。
真っ黒に硫化したカラン×4。石鹸はおいてありました。
保温用の樹脂パネルの蓋3枚を外していよいよ入ります。
お湯はかなりぬるめ。これは温泉好きがつづけて入っていたので、冷たい源泉をバケツでばりばり投入し、オーバーフローさせていたためと思います。(湯溜め槽がかなり減っていた(笑))
【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 オーバーフロー時の湯色
浴槽のお湯はうすく黄緑がかって、うす茶の浮遊物を浮かべています。
浴槽のお湯は秩父らしい甘いたまご系のイオウ臭がメインですが、湯溜め槽の湯口では明瞭なしぶ焦げイオウ臭が香ります。
秩父の硫黄泉はほとんど甘たまご系イオウ臭なので、このしぶ焦げイオウ臭はめずらしいもの。
しぶ焦げイオウ臭なので、浴後肌にイオウ臭が残りそうな感じもしますが、水硫イオン(HS^-)系の硫黄泉のためかほとんど残りませんでした。
それでも浴中はイオウ臭のバリエーションが楽しめるので、イオウ臭中毒者(笑)にはたまらんお湯かと。
湯溜め槽の湯口は重曹味+たまご味+微苦味で、典型的な重曹硫黄泉のそれ。
かなりつよいツルすべと、肌にまとわりつくようなとろみ、そしてイオウ泉特有のスルスルとした湯ざわりは秩父のお湯でもイオウ分強めの「新木鉱泉」の源泉槽を軽く凌駕しています。
あたたまりはさほど強くないですが、入るほどにあとを曳くような絶妙な浴感があり強く記憶に残ります。
なるほどこれは文句なく秩父一の名湯かと。
基本の湯づかいはさすがに安定していて、夕・朝ともに湯質の大きな変化はありませんでした。
*************
最後に宿主さんにお伺いしたメモが残っているので、記録のためにアップしておきます。
・信じられないでしょうが昔は本当に賑わっていて、1間6畳に9人までも泊めた。
・繁忙期は部屋数が足りず、布団部屋にもお客を泊めた。
・泊まり客は近在のお百姓さんたちがメインだったが、遠来の客もおり、そのようなお客は予約なしでも泊めた。
・繁忙期はさながらお祭りのようで、庭で旅芸人の興業が催されることも。
(たしかに宿の前庭は興業も開けそうな広がりがありました。)
・宿泊客たちは湯治を終えると、秩父音頭を謡いながら帰っていった。
・300年の歴史を閉じるのは残念だが、これもいたしかたないこと。
などなど・・・。
■ 秩父音頭(小沢千月)
時代の変遷とともに客層が先細り、閉館を余儀なくされたということでしょうか。
それにしても噂に違わぬ良泉。
閉館目前のこの宿泊は、温泉好きとして会心の一湯となりました。
〔 源泉名:不明 湧出地:荒川村大字贄川湯ノ入2の35の8号 〕 <S30.3.9分析>
単純硫黄冷鉱泉(Na-HCO3型) 11.3℃、pH=8.4、1.8L/min自然湧出、固形物総量=335.05/kg
Na^+=不明、Ca^2+=3.55、Cl^-=3.40、SO_4^2-=51.91、HCO_3^-=不明
総硫黄=7.99mg/kg
療養適不試験の結果適と認定する 但し以上の検査は温泉小分析法による
主要成分が一部不明なので全体の成分バランスがわかりませんが、総硫黄=7.99mg/kgなので堂々たる「硫黄泉」であることがわかります。
(「温泉法」規定では総硫黄=1mg/kg以上で温泉、「鉱泉分析法指針」では総硫黄=2mg/kg以上で「硫黄泉」です。)
くわしくは→こちら(温泉分析書の見方 (うつぼ流・初級編))
〔 2022/10/13UP (2010/09入湯) 〕
【 BGM 】
■ 月ひとつ - See-Saw
■ This Love - Angela Aki
秩父屈指の名湯といわれた柴原鉱泉「菅沼館」は、2010年10月に閉館しています。
筆者は温泉仲間とともに閉館1ヶ月前の2010年9月に宿泊していますが、ネタが多すぎるためついつい放置プレーとなり(笑)、気がついたら12年が経過してしまいました。
一念発起して、記録の意味でレポをUPします。
柴原温泉 「菅沼館」
住 所 :埼玉県秩父市荒川贄川2050
電 話 :日帰り入浴不可/2010年10月閉館
時 間 :同上
料 金 :同上
秩父には、江戸時代から「秩父七湯」と呼ばれるいで湯がありました。
1.新木の湯 (新木鉱泉)
2.鳩の湯 (鳩の湯温泉、温泉施設は閉館)
3.柴原の湯 (柴原温泉)
4.千鹿谷の湯(千鹿谷温泉、温泉施設は閉館)
5.鹿の湯 (白久温泉、温泉施設は閉館)
6.梁場の湯 (現存せず)
7.大指の湯 (現存せず)
うち、5.6.7は早くに廃湯となり、2.4は近年閉館して温泉施設の営業はありません。
「菅沼館」は3.柴原の湯 (柴原温泉)の湯治宿でしたが、2010年10月に閉館しています。
柴原の湯 (柴原温泉)は旧小野原村と旧贄川村の境にあって、『新編武蔵風土記稿』の小野原村の項には「温泉 小名芝原ニアリ 村の北方ニシテ贄川村界の谷間ニテ 両岸ニ湯潭一ヶ所ツゝアリ 共ニ大サ五尺ニ二尺五六寸ハカリ 石モテ積立シ潭ナリ 其由来ヲ尋ヌルニ イツノ頃ヨリ湧出ルコトニヤ知モノナシ 慶安五年(1652年)村ノ水帳ニモ此邊ヲ湯本ト記セシヨシ 其古キ●ヲシテ知ヘシナレト 諸方ヘ聞ヘテ賑ヒシハ近世ノ事ナリト云 今ニ年々三四六七ノ四ヶ月ハ分テ賑ヒ群集スト云リ 此湯ノ効験ハ打身疝気或ハ虚分●気其外 諸病ニ益シト云 瘡毒癩瘡ノ如キニ至リテハ 甚タコレヲ禁ストナリ 両村ノ地ニ跨リ民家六戸アリ イツレモ病客ノ往来スルヲ以テ業トセリ」とあります。
谷間に湯つぼがあり、慶安五年(1652年)の村の資料にも記載され、近世には大いに賑わい湯治宿が6軒あったことなどが記されています。
『埼玉の神社』(埼玉県神社庁)の(小野原鎮座)稲荷神社の項には「柴原は古くから鉱泉で有名であり、その湯本には昭和36年に焼失した本社(稲荷神社)の社殿建築と同じ宮大工が造ったという、見事な彫刻が施された湯権現社が祀られている。なお、同社の建築年代は江戸中期と思われる。」とあり、すでに江戸中期には湯本守護神としての湯権現社が祀られていたことがわかります。
【写真 上(左)】 三峯神社
【写真 下(右)】 三峯神社の御朱印
Web上には出所不明ながら「柴原温泉は三峯神社の登拝口として賑わった」という記事がいくつかみつかります。
気になったので少し調べてみました。
『荒川村贄川における集落機能と生業形態の変化』(河野敬一氏・平野哲也氏/1991年)には「(贄川は)甲州、信州への交通路、三峰山への参詣路、荒川渡船など、交通の要衝に存在」、「昭和5年(1930年)には対岸の白久に秩父鉄道の三峰口駅が開設された。(中略)秩父参詣者は秩父鉄道を利用し、三峰口駅から白川橋を渡り贄川宿を通らずに参詣できるようになった。」とあります。
また、「三峰山は修験の山で、江戸時代中期以降、農業や火伏せ盗賊除けの神として庶民の間で信仰が盛んになり参詣客が増加した。(中略)参詣を終えるとすぐに下山し、贄川の宿屋を利用するものも多かった。明治期の贄川には『角屋』『角六』『丸太』『逸忠館』『小櫃屋』『油屋』という6軒の旅館が存在した。」
「近世期以来、(贄川の)町分の東の入口には三峰神社の一の鳥居が存在し、三峰神域の入口とされていた。贄川から三峰神社までの約10㎞は、険しい山越えのルートだったため、参詣の前夜に贄川で一泊し、翌朝早く発って三峰神社へ参拝し、夕方再び贄川へ戻り、さらに一泊して帰郷するという行程が一般的であった。」という記載もあり、昭和5年の秩父鉄道開通以前、三峯神社参詣者は贄川経由の登拝がメインであったことを示唆しています。
『埼玉の神社』(埼玉県神社庁)の(贄川鎮座)八幡大神社の項に「贄川の宿は、三峰山への登拝路における最後の宿場としても大きい役割を担ってきた。当時、登拝日の決まっていた(三峰)講社に対して、神社からの使者がこの贄川の宿まで講社の人々を出迎え、道中の労をねぎらった。帰路に当たっても、使者が講社の人々を贄川まで送り、別れの盃を交わし、道中の無事を祈るとともに、翌年の参拝が約束された。こうした贄川の宿を中心とした三峰神社と講社との結びつきが、三峰講を支える大きな柱の一つとなっていた」とあります。
また、同書の(白久鎮座)熊野神社の項に「三峰詣の登拝順路にあたる当地は、三峰山の信仰と関連するところが多い。なお、この登拝路は、紀州熊野詣の形に類似しているともいわれ、彼地九十九王子に、猪鼻王子が現在でも残っている。」とあります。
いまの地理感から考えると三峰神社からかなり離れた麓の贄川に、登拝口や一の鳥居があったのは不思議な感じもしますが、『江戸における三峰信仰の展開とその社会的背景』(三木一彦氏/2001年)によると、江戸小日向(現・文京区)からの三峰詣ではじつに9泊10日の行程を要していたそうですから、贄川(柴原)~三峰間の10㎞強程度は「すぐ下の麓」という感覚だったのでしょう。
また、三峰山麓には熊野信仰の影響を受けて九十九王子が奉安されていたようで、神域内に(九十九王子を奉安するための)ある程度の距離が必要だったのでは。
贄川と柴原は、道筋こそことなるものの距離的にはさほど離れていません。
上記のとおり三峰講と贄川の宿の結びつきが強かったとすれば、表立って柴原の湯宿に泊まることは憚られたのかもしれませんが、帰途であれば精進落としの意味もあって、温泉で疲れを癒すニーズもあったであろうことは容易に想像できます。
実際『(埼玉県)宮代町史』には、三峰講による三峰神社への代参は毎年4月、川崎市資料にも「多摩区生田の土淵では、4月に代参者2名を(三峰講として)秩父の三峰神社に送った。」とあり、『新編武蔵風土記稿』の「(柴原温泉は)年々三四六七ノ四ヶ月ハ分テ賑ヒ群集ス」という記事と符合しています。
ただし、柴原の湯の本分は湯治であったこと、また、三峰講と贄川宿の強固な関係からして、柴原の湯で参詣客の利用があっても大っぴらにできなかったため、三峰講絡みの記録が少ないのかもしれません。
三峰講は関東平野を中心に多くの代参講が組織されており、(参考:関東平野における三峰信仰の展開(三木一彦氏/2005年))そのほとんどは徒歩による参詣だったので、三峰山麓の宿泊需要は旺盛だったと思われます。
田植え期間をのぞく春~初夏の三峯参詣繁忙期には、贄川の6軒の宿では足りず柴原の湯の宿に送客したこともあったのでは?
ただし、三峰講の旅程はおそらく地元の講元で管理されており、贄川が満杯で柴原の湯に泊まったとしても記録としては贄川泊になったと思われます。
こうした点からも三峰講と柴原の湯のつながりが残りにくかったのかもしれません。
秩父札所三十四ヶ所観音霊場との関係も考えられます。
秩父札所三十四ヶ所観音霊場は文暦元年(1234年)開創と伝わる古い霊場で、長享二年(1488年)の秩父札所番付が実在することから、室町時代後期には定着していたとされます。
西国三十三ヶ所、坂東三十三ヶ所とともに日本百番観音に数えられるメジャー霊場で、江戸時代に入るといよいよ盛んに巡拝されました。
【写真 上(左)】 第30番 法雲寺
【写真 下(右)】 第30番 法雲寺の御朱印
【写真 上(左)】 第32番 法性寺
【写真 下(右)】 第32番 法性寺の御朱印
柴原は第30番瑞龍山 法雲寺と第32番般若山 法性寺を結ぶ道筋にあり、秩父札所の巡拝者が泊まりに利用した可能性があります。
(直接関係ないですが、秩父札所に曹洞宗寺院が多い理由を考察した興味ぶかい論文がみつかりましたのでご紹介します。→こちら(『武蔵国秩父札所三十四観音霊場の形成にみる中世後期禅宗の地方展開』(小野澤眞氏/2012年))
以上からすると、柴原の湯 (柴原温泉)は江戸時代から、湯治客、三峰講、秩父札所という集客3チャネルを持っていた可能性があり、これが山あいの湯場ながら6軒の湯宿を支えた背景なのかもしれません。
大正14年刊の『埼玉県秩父郡誌』にも柴原鉱泉は以下のとおり記載されています。
「柴原鉱泉は其の発見江戸時代初期にあり。現今浴客を収容するの設備漸く完全ならんとす。」
明治維新後も大正くらいまではかなりの浴客を迎えていたことがわかります。
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前置きが長くなりました。
【写真 上(左)】 柴原温泉
【写真 下(右)】 右手おくが「菅沼館」
柴原温泉には、2010年時点で「かやの家」(旧称:白百合莊)「柳屋」「菅沼館」の3軒の湯宿がありました。(「きくや」もまだ営業中だったかもしれませんが詳細不明。)
かつての6軒の湯宿は3軒になっているものの、「かやの家」は”日本秘湯を守る会会員宿”、「柳屋」は名物の手打ち蕎麦と日帰り入浴、「菅沼館」は湯治宿とうまく棲み分けしていました。
わけても「菅沼館」のお湯はコアな温泉マニアのあいだで定評があり、日帰り入浴不可ということもあってナゾ多きお湯となっていました。
(じつは、筆者はダメもとで突入し日帰り入浴を乞うたことがあるのですが、「ここは湯治宿なので・・・」とやんわりお断りされた過去があります。)
この温泉マニア垂涎の「菅沼館」が廃業するという情報が出たのはたしか2010年春頃。
これを受けて温泉仲間が廃業直前に貸し切りのオフ会を設定してくださり、これに参戦するかたちでついに初入湯を果たしました。
湯治宿ですが、1泊2食付での宿泊としました。
【写真 上(左)】 庭内エントランス
【写真 下(右)】 庭先のサイン
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 帳場棟
「かやの家」「柳屋」は湯宿としてわかりやすい外観ですが、沢にかかる小橋を渡った最奥の「菅沼館」は湯治宿だけあって民家的な構え。
「柳屋」の裏手的な立地でややわかりにくいですが、庭先に「菅沼館」の看板が出ているので迷うことはありません。
【写真 上(左)】 玄関扁額
【写真 下(右)】 客室棟から帳場棟
【写真 上(左)】 客室棟-1
【写真 下(右)】 客室棟-2
正面が切妻屋根一層の帳場棟。そこから手前に向かってL字型に2層の客室棟が伸びています。築300年の歴史をもつようです。
玄関にはきっちりと宿名扁額を掲げて好ましげなたたずまい。
1階の帳場まわりもいい意味で年季が入って風格さえ帯びています。
【写真 上(左)】 帳場まわり-1
【写真 下(右)】 帳場まわり-2
【写真 上(左)】 1階
【写真 下(右)】 1階廊下
泊まったのは2階。湯治宿らしい開放感あふれる外廊下。
山あいの9月の涼やかな風が、網戸ごしに心地よく吹き込んできます。
窓からは手前に「柳屋」、すこし離れて「かやの家」が望めます。
【写真 上(左)】 階段
【写真 下(右)】 2階廊下
【写真 上(左)】 2階客室-1
【写真 下(右)】 2階客室-2
部屋数はすみませぬ覚えていません。
貸し切りだったので、ふすま開け放しで広々とつかいました。
【写真 上(左)】 館内の扁額
【写真 下(右)】 湯治宿の趣
湯治宿ですが部屋のつくりはよく、床の間に掛け軸も。
すみずみまで清掃が行き届いてきもちがいいです。
【写真 上(左)】 格言の扁額
【写真 下(右)】 句碑
【写真 上(左)】 スリッパ
【写真 下(右)】 室番
館内各所に格言や句、趣味のいい風景画などが掲げられ、ご主人は相当な風流人では?
スリッパの文字は館名ではなく「ゆもと」。湯元宿としての矜持が感じられます。
写真の撮影時間からすると、入浴は早朝から20時まで。
夕食は18時、朝食は7時半からだったと思います。
入浴20時まで、朝食7時半からは、さすがに保守本流の正統派湯治宿。なんちゃって系ではありません(笑)
【写真 上(左)】 夕食
【写真 下(右)】 朝食
食事は家庭料理的メニューでしたが、素材と味つけがよく、予想以上に満足いくものでした。
浴室は広くなく宿泊人数がそれなりにいたので忙しい入浴となりましたが、それでも夕・朝ともにこの名湯を満喫できました。
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入湯レポの前に、すこしく柴原温泉の泉源について触れてみます。
柴原温泉の泉源地は、沢沿いに建つ「柳屋」の玄関向かって左手のパイプが引かれた小径を沢沿いに遡ったところにあります。
【写真 上(左)】 柳屋
【写真 下(右)】 柳屋の脇の道です
【写真 上(左)】 淵
【写真 下(右)】 湯大権現宮入口
9月の頃合いでは草木が生い茂り、よほどの好き者でない限り探る気にはならないかと。
「柳屋」脇の小径をしばらく登ると「湯大権現宮入口」の標柱と祠?があらわれます。
このあたりの沢は淵となっていて小滝が流れ込んでいます。
【写真 上(左)】 登ります
【写真 下(右)】 乗っ越した先の沢と林相
ここから急な登りとなりますが、道沿いにパイプが数本引かれているので泉源に向かっていることがわかります。
小さな高みをひとつ乗っ越すと、再び沢沿いとなりここにも数本のパイプが見えます。
ここまで基本は沢沿いの道で徒渉はないですが、ところどころ苔で滑りやすいので要注意。
あたりはうっそうと木々が茂り、沢音だけが響きます。
【写真 上(左)】 湯大権現宮が見えてきます
【写真 下(右)】 湯大権現宮
ひとしきり沢を遡上すると切妻造妻入木造一部ブロック造トタン覆の建物が見えてきます。
こちらが「湯大権現宮」の覆屋です。
よこに説明板がありましたので転記します。
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荒川村指定有形文化財 湯大権現宮 平成二年四月九日指定
この社は江戸時代の嘉永年間(1848-1854年)に磐若村(現在の小鹿野町磐若)の神田雄七郎という大工棟梁によって建立されたもので、彫刻なども見事であるが一部欠けたりしており、聞く所によると盗難にあったといわれている。
社のわきに掘られている井戸は、柴原温泉に使われる湯がわき出している。
この湯は、弱アルカリ性硫化水素がふくまれており、ゆで玉子に似たにおいがする。
この井戸がいつ頃掘られたかは、湯元・菅沼館に口伝されている所によると、鎌倉時代とも藤原時代ともいわれているという。
以前、菅沼館では湯治客が自炊をしていたので、その火のために何度か火災に会い(ママ)、文書は焼失し口伝だけが残っているのだという。
この社には大己貴神(大国主命)と少彦名命の二神が祭られている。
荒川村教育委員会
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【写真 上(左)】 湯大権現宮社殿
【写真 下(右)】 湯大権現宮と手前が菅沼館泉源
「湯大権現宮」の覆屋には「●有者菅沼館」の木板が掲げられていました。
覆屋内には神田雄七郎作と伝わる社殿が安置され、市指定有形文化財に指定されています。
市の公式Webには「社の脇にある井戸からは、鉱泉が湧き出ており、温泉郷の湯元となっている。現在の社は、嘉永・安政年間(1848~1860)、般若村(現小鹿野町)の棟梁神田雄七郎の手によるもので、規模は小さいが、重厚で格調の高い風格を備えている。」とあります。
小ぶりながら千鳥破風、軒唐破風を備え、水引虹梁まわりに精緻な彫刻が施されたすばらしい社殿です。
【写真 上(左)】 菅沼館泉源
【写真 下(右)】 菅沼館泉源の内部
この「湯大権現宮」のすぐ脇にある井戸が、おそらく菅沼館の泉源と思われます。
内部は暗くよく見えませんが、フラッシュ撮影すると壁面は白い硫黄の湯花に覆われ、ほぼ透明の源泉がたまり、そこにホースが挿し込まれていることがわかります。
見た目からするとかなり強めのイオウ臭(甘たまご臭)が香り立ちそうですが、不思議なことにイオウ臭はさほど感じませんでした。
【写真 上(左)】 最大の泉源
【写真 下(右)】 最大の泉源の内部
「菅沼館泉源」のひとつ上の井戸はもっとも大規模で横穴式。
こちらの内部は見やすく、やや白濁気味で金属のパイプが延びていました。
こちらでは「菅沼館泉源」より明瞭なイオウ臭を感じました。
【写真 上(左)】 ナメ状の沢
【写真 下(右)】 泉源井戸がいくつも見えます
ここから奥の沢沿いにもいくつかの井戸が見えます。
そこまでは河床いっぱいの流れなのでナメ状の河床を徒渉しないとたどり着けませんが、せっかくの機会なので突入してみました。(滑りやすいのでおすすめしません。)
【写真 上(左)】 上部の泉源-1
【写真 下(右)】 上部の泉源-2
【写真 上(左)】 上部の泉源-3
【写真 下(右)】 上部の泉源の内部
上部の泉源井戸にもパイプが挿入されています。
位置関係からして、いずれの井戸も河床より低いレベルまで掘り下げ、石積みできっちり組み上げられています。
探索時にモーター音はしませんでしたが形状からすると自然流下はむずかしそうなので、間欠的なポンプ送湯はあるかと。
メモには「徒渉先に泉源5or4+タンク」とあるので、徒渉前の2つと併せると計7の泉源ないし、6の泉源+貯湯槽(タンク)があることになります。
江戸時代の湯宿の軒数は6軒と伝わるので、湯宿毎に自家井戸をもっていたのでは。
また、メモには「パイプ出ているのと出ていないのあり、一番おくがかやの家、手前が柳屋」とあるので、写真には残っていませんが所有を示す何かがあったのかも。
パイプを合流しているものもあるので、複数の泉源を併せて使っている宿もあるかもしれません。
また、もったいなくも漏れているパイプもありました。
*************
さて、いよいよ入湯です。
浴場は1階に1箇所。広くはないのでおそらく時間を譲りあっての入浴となります。
浴場に近づくにつれイオウ臭が強まり、期待が高まります。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 浴場のサイン
脱衣所は木棚にプラかご。狭く簡素ながら使い勝手のいい脱衣所です。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 温泉分析書
【写真 上(左)】 浴室
【写真 下(右)】 浴槽から脱衣所
浴室は崖下に位置し、昼間でも薄暗いですがそれだけに落ち着いた空間になっています。
天高はさほどないものの、浴槽よこに開け放ちの窓があるのでこもりは感じられません。
黒い石の内床と白&ピンクのタイル壁が不思議なコントラストを見せています。
【写真 上(左)】 浴槽-1
【写真 下(右)】 浴槽-2
浴槽は扇型で、伊豆石or三波石の枠に青いタイル貼浴槽が嵌め込まれています。
2人も入ればいっぱいでしょうか。
【写真 上(左)】 湯溜め槽
【写真 下(右)】 湯溜め槽の湯口
浴槽手前に鉄平石造の湯溜め槽があり、壁から突き出た塩ビパイプから冷たい源泉が数L/minほど(変動あり)常時投入され、槽内の源泉には白い湯の花を浮かべていました。
この湯溜め槽から浴槽への直接投入はなく、上部スリットから排湯されてそれを青いバケツで受けています。
バケツは3つあり、順に満杯にしていきます。
湯溜め槽はかなり深く、相当量の源泉を溜めることができます。
【写真 上(左)】 バケツに溜められる源泉
【写真 下(右)】 バケツからの源泉投入
泉温は低く、湯溜め槽から浴槽にそのまま落とし込むと浴槽の湯温が下がってしまうので、バケツに溜め、必要に応じてバケツの源泉を浴槽に注ぎ込む方式になっているのだと思います。
槽内壁面からの熱湯注入はあるものの槽内吸湯口は見当たらず。
湯溜め槽のなかに吸湯口があるか、別系統で源泉を引きそれをボイラー加温して浴内注入しているのかもしれません。
じっさい、ボイラーとみられる施設に外から引かれたパイプ(源泉ライン?)が接続されていました。
【写真 上(左)】 ボイラーよこの源泉ライン?
【写真 下(右)】 硫化したカラン
なので、湯づかいは源泉加温かけ流しということになります。
泉温11.3℃、湧出量1.8L/minのスペックでは、このようにするしか方法はないのかもしれません。
真っ黒に硫化したカラン×4。石鹸はおいてありました。
保温用の樹脂パネルの蓋3枚を外していよいよ入ります。
お湯はかなりぬるめ。これは温泉好きがつづけて入っていたので、冷たい源泉をバケツでばりばり投入し、オーバーフローさせていたためと思います。(湯溜め槽がかなり減っていた(笑))
【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 オーバーフロー時の湯色
浴槽のお湯はうすく黄緑がかって、うす茶の浮遊物を浮かべています。
浴槽のお湯は秩父らしい甘いたまご系のイオウ臭がメインですが、湯溜め槽の湯口では明瞭なしぶ焦げイオウ臭が香ります。
秩父の硫黄泉はほとんど甘たまご系イオウ臭なので、このしぶ焦げイオウ臭はめずらしいもの。
しぶ焦げイオウ臭なので、浴後肌にイオウ臭が残りそうな感じもしますが、水硫イオン(HS^-)系の硫黄泉のためかほとんど残りませんでした。
それでも浴中はイオウ臭のバリエーションが楽しめるので、イオウ臭中毒者(笑)にはたまらんお湯かと。
湯溜め槽の湯口は重曹味+たまご味+微苦味で、典型的な重曹硫黄泉のそれ。
かなりつよいツルすべと、肌にまとわりつくようなとろみ、そしてイオウ泉特有のスルスルとした湯ざわりは秩父のお湯でもイオウ分強めの「新木鉱泉」の源泉槽を軽く凌駕しています。
あたたまりはさほど強くないですが、入るほどにあとを曳くような絶妙な浴感があり強く記憶に残ります。
なるほどこれは文句なく秩父一の名湯かと。
基本の湯づかいはさすがに安定していて、夕・朝ともに湯質の大きな変化はありませんでした。
*************
最後に宿主さんにお伺いしたメモが残っているので、記録のためにアップしておきます。
・信じられないでしょうが昔は本当に賑わっていて、1間6畳に9人までも泊めた。
・繁忙期は部屋数が足りず、布団部屋にもお客を泊めた。
・泊まり客は近在のお百姓さんたちがメインだったが、遠来の客もおり、そのようなお客は予約なしでも泊めた。
・繁忙期はさながらお祭りのようで、庭で旅芸人の興業が催されることも。
(たしかに宿の前庭は興業も開けそうな広がりがありました。)
・宿泊客たちは湯治を終えると、秩父音頭を謡いながら帰っていった。
・300年の歴史を閉じるのは残念だが、これもいたしかたないこと。
などなど・・・。
■ 秩父音頭(小沢千月)
時代の変遷とともに客層が先細り、閉館を余儀なくされたということでしょうか。
それにしても噂に違わぬ良泉。
閉館目前のこの宿泊は、温泉好きとして会心の一湯となりました。
〔 源泉名:不明 湧出地:荒川村大字贄川湯ノ入2の35の8号 〕 <S30.3.9分析>
単純硫黄冷鉱泉(Na-HCO3型) 11.3℃、pH=8.4、1.8L/min自然湧出、固形物総量=335.05/kg
Na^+=不明、Ca^2+=3.55、Cl^-=3.40、SO_4^2-=51.91、HCO_3^-=不明
総硫黄=7.99mg/kg
療養適不試験の結果適と認定する 但し以上の検査は温泉小分析法による
主要成分が一部不明なので全体の成分バランスがわかりませんが、総硫黄=7.99mg/kgなので堂々たる「硫黄泉」であることがわかります。
(「温泉法」規定では総硫黄=1mg/kg以上で温泉、「鉱泉分析法指針」では総硫黄=2mg/kg以上で「硫黄泉」です。)
くわしくは→こちら(温泉分析書の見方 (うつぼ流・初級編))
〔 2022/10/13UP (2010/09入湯) 〕
【 BGM 】
■ 月ひとつ - See-Saw
■ This Love - Angela Aki
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■ 熊谷天然温泉 「花湯スパリゾート」
熊谷天然温泉 「花湯スパリゾート」
住 所 :埼玉県熊谷市上之1005
電 話 :048-501-1126
時 間 :10:00~翌2:00(土日祝 ~翌9:00) / 原則無休
料 金 :700円(土日祝 800円) 温活ネストコース1,180円(土日祝 1,208円)
※20時以降入館は100円引、深夜延長料金1,200円(土日祝のみ)
※温活ネストコースは小学生以下入場不可
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
※浴場まわりの写真はこちら(@nifty温泉)をご覧ください。
深谷の「花湯の森」、国済寺天然温泉などを運営する、㈱リゾート花湯の森(不動産業「フジケンホーム㈱」系列)が、2017年4月27日に鋭意新設オープンした日帰り温泉施設。
場所は17号バイパス沿いで、「花湯の森」と違ってわかりやすいところ。
オープンからかなりの人気のようですが、8月の土曜夜に混雑覚悟で突入してきました。
国道から一旦生活道路に引き入れ、さらに敷地内に入場用車路を設けるなどSC的なつくり。さすがに有数の車社会、北関東の施設です。
Pもたっぷりですが、これでもしばしば満車になるようです。
行ったときは数台の空きがあり、なんとか待たずに停められました。
【写真 上(左)】 風情あるエントランス-1
【写真 下(右)】 風情あるエントランス-2
立地はロードサイドですが、「約7,200坪(東京ドームの約半分の広さ!)の広大な敷地」を謳うだけあって、外構・エントランスからしてゆったりとしたつくり。
純和風の仕上げで、「花湯の森」ほどではないですがなかなか趣があります。
【写真 上(左)】 玄関へのアプローチ
【写真 下(右)】 玄関
エントランス正面にいきなり弁財天が鎮座されていて、思わず御真言を唱えてしまいました。
【写真 上(左)】 弁天様
【写真 下(右)】 「いろはのゐ」前に据えられた魚沼・塩沢の銘醸「鶴齢」の一斗樽
館内入って右手がフロント、左手が休憩・待ち合わせスペース、正面にはメイン食事処の「讃岐のだし匠 いろはのゐ」。
混雑しがちなフロントまわりはたっぷりとしたスペースどりで、狭めだった「花湯の森」にくらべて大きく改善されています。
夕食を「讃岐のだし匠 いろはのゐ」でとりましたが、だしにこだわったレシピでうどんも美味しくそれなりに楽しめました。
新潟の地酒&讃岐うどんというやや違和感のあるコンセプトながら、売りははっきりしていて狙いは面白いと思います。
プライスラインも「花湯の森」にくらべて低めに設定され、利用しやすくなっています。
【写真 上(左)】 豆腐
【写真 下(右)】 名物のネギたっぷりの豚しゃぶ
【写真 上(左)】 松花堂弁当-1
【写真 下(右)】 松花堂弁当-2
館内は回廊様式で、これは立地的に競合施設となる「なめがわ温泉 花和楽の湯」を意識したかも。チェアが置かれたデッキ向こうの中庭の緑が映えて和めます。
内装はレトロ入った和シックな仕上げ。アースカラーのカラースキムが秀逸で、天井も高くて圧迫感はありません。
廊下を進むとカフェスペースの「cafe Premiere(カフェ プルミエール)」。
ショーケースに並んだフルーツ満載ジュレが美味しそうでした。
ソフトドリンク、ソフトクリームやアルコール類に加え、パスタ、ピッツァ、パンケーキなどの軽食メニューや生ハムなどのおつまみメニューも。厚焼きも名物のようです。
廊下を挟んだテラス席でもこれらのメニューを楽しめるようです。
さらに進むと枕付マットが配備された男女別の寝ころび処。その横にカットサロンと湯もみ処とたかの友梨で、そのさらに奥が館内着&タオルセット受付処。
最近の施設はフロントと館内着&タオルセット受付処を分けるケースが多いですが、フロントの混雑緩和には有効です。
【写真 上(左)】 緑ゆたかなデッキ
【写真 下(右)】 足湯
廊下左手デッキにはこの手の施設お約束の足湯があります。
湯口には道祖神が御座します。ほとけさまをお迎えするというのもコンセプトなのかもしれません。
(ただし、この足湯は温泉ではないような感じも)
廊下を左に曲がって正面が温活ネストゾーンで、入浴のみコースの客は入れません。
このところブーム気味?の温活ですが、この日は時間がなかったので入浴のみコースで入館。なのでレポはありません。
ネストゾーン入口手前右手が浴場エントランスで、ここにも椅子が配されています。
館内に座れる場所がたくさんあるのは○で、これもゆったりとしたスペースどりならでは。
右手が男湯、左手が女湯で固定制のようです。
脱衣所はまあまあ広め。脱衣所が狭い「花湯の森」の反省があったと思いますが、施設のスペース感からするともっと広くてもいいかも。
脱衣所のつくりにすこぶるうるさい連れは、「これでもまだ狭い!」と不満気でした。
脱衣所からセパレートされ台数も多いドライヤーコーナーは使い勝手のいいもの。
脱衣所から浴場入口にかけてのゆったりとしたスペースもなかなかです。
「花湯の森」、「おがわ温泉 花和楽の湯」など、この部分がやたら狭くて施設イメージを落としているだけに、とくに留意して設計した感じがあります。
内湯はゆったりとしたスペースどりで、天井高く窓も広くて開放感があります。
館内側に配した洗い場はセパレート式15、非セパ式10の計25。シャンプー類はDHCを使用で800円の入浴料にしてはお得感があります。
窓側には左に高濃度炭酸泉(10人以上、座湯×3併設)、右手に加温かけ流し層(黒みかげ石縁伊豆石タイル貼10人以上、座湯×3併設)を配置。
その内側にジェット×4、電気風呂、ジャグジー×2の機能浴槽群を配置し、これらはおそらく真湯か井水の使用。
その右手おくにはタワーサウナ、水風呂(5-6人)があります。
高濃度炭酸泉はおそらく井水使用で炭酸はさほど強くはないものの、ゆったり深めで入りごこちよく、わりにぬるめなので和めます。
水風呂もとろみと光線の屈曲がある井水使用。17℃程度とやや冷たいですが、すっきり気持ちよく入れます。
この水風呂は「井水かけ流し水風呂」を謳っています。じつはスパ銭で「井水かけ流し水風呂」は少なくないのですが、ここまではっきり打ち出したものは記憶にありません。
井水とはいえ「かけ流し」はやはりインパクトがあります。
また、ここは露天側の広い窓を開放していました。
ふつう水風呂は内湯おくのサウナ付近にあるので換気が悪くなりがちですが、通気のいいこの水風呂はすこぶる快適で気に入りました。
さて、注目の内湯「源泉加温かけ流し槽」です。
鶯色に色づいた湯色からして存在感があり、入る前から期待が高まります。
黒みかげ石の湯口上段から相当量のやや熱湯を投入。べつに中段の孔からもやや熱湯を投入。
ふたつの湯口はお湯の感じ・湯温ともほとんど差がなくどうして分離投入しているのかわかりませんが、ひょっとすると孔の湯口は非加温源泉かもしれません。
すみません。お湯があまりによかったので、不覚にも排湯の確認をしわすれましたが(笑)、お湯の感じからして文句なくかけ流しかと。
ほぼ適温のお湯は鶯色に色づいて浮遊物はほとんどなく、明瞭な重曹味に金気だし味とよわいイオウたまご味とわずかに甘味をまじえた複雑ながらバランスのとれたおだやかな味。
こげ臭と金気貝汁臭とかすかな甘イオウ臭をまじえた芳醇な湯の香が湯口で高く香り、湯面でも感知できます。
予想以上の絶妙な湯の香にびっくり。
この湯の香は他の客もはっきり感じているらしく「たまごの臭いがする」「温泉の臭いだ!」などの声が、かけ流し槽で何度か聞かれました。
重曹泉らしい明瞭なツルすべ湯で、これはアルカリというより重曹によるものかと思います。
この源泉名は「美肌の湯」ですが、そう名づけたくなる気持ちがわかる美人の湯系の湯ざわりです。
メタけい酸=64.2mg/kgが効いているためか、とろみも感じられ、すこぶる入り心地のいいお湯です。
さて、露天に移ります。
露天も回遊様式で、中央を流れる水路(奥側は渓谷風)を挟んで左手ゾーンと右手ゾーンに分かれ、水路にかかる橋により連絡しています。
この露天も緑にあふれています。「花湯の森」のレポで開放的すぎる露天について苦言を呈しましたが、この露天は木々で目隠しが効いていて落ちつきます。
ただ、あまりに植栽が多すぎて見通しがきかず、初入浴では全容を把握するのに時間がかかります。
しかし、熊谷郊外のロードサイドによくぞこれだけの露天をつくり上げたものです。「フジケンホーム」の露天づくりによせる執念(&資金力)おそるべし! というべきか。
【露天左ゾーン】
内湯から露天への出入口はふたつあり、内湯奥側からアプローチするのが左ゾーンです。
屋根付きの回廊が延び、まずは右手にシルクの湯(おそらくバブル湯)があらわれます。
屋根付き10人弱程度の大きさで、ぬるめなのでけっこう客がいます。
とろみが感じられるお湯はおそらく井水使用かと。循環だと思いますがカルキ臭はほとんど感じられませんでした。
さらに進むとおくにある「露天源泉かけ流し槽」への回廊と右ゾーンへの連絡通路の分岐があります。
まずはおくの「露天源泉かけ流し槽」です。
銘石組み平石敷10人弱の岩風呂で、おおむね屋根がかかっています。
おくに岩づくりの湯口があり、かなりの量のやや熱湯が投入されています。
槽内排湯はおそらくなく、手前上面排湯口からの排湯で、ここもお湯の感じからしてかけ流しかと思います。
ただ、湯船の形状からか一部でお湯が滞留している感じがあり、内湯にくらべて鮮度感がよわいように感じました。
分岐に戻ると左手にメイン露天(大岩風呂)があります。
数十人はいけそうな大ぶりな露天(石組み青鉄平石敷)で、手前に半身浴槽を5つ設置。
いくつかの湯口からの投入で、上面排湯口からの排湯+底面吸湯の循環仕様。ここはカルキ臭がつよく、温泉使用かどうか確かめる間もなく退散。(井水か大量加水だと思う)
かけ流し槽群にくらべるとあきらかに湯質が劣り、カルキ臭もあるためかえらく空いています。
ただ、ここから眺める滝(水路への流し込み)は圧巻。豪壮な岩組みをつたうこの滝はかけ流し槽群からはよく見えないので、いささかもったいない感じも・・・。
滝の流れが当たる岩組みは変色していたので、井水使用かもしれません。
【露天右ゾーン】
左右のゾーンをつなぐ橋を渡ると左手手前に壺湯が3つとそのおくに(非加温)生源泉かけ流し槽の「渓流の湯」。
このゾーンはひときわ奥まって目立ちませんが、ヒーリングモード入っているからか、はたまたお湯がいいためか意外に客がいます。
壺湯は左右が楕円形、中央が円形でこれが一番大きめ。
ともに底面からの注湯でオーバーフローは、お湯の感じからみてもかけ流しでは。
ややぬるめで鮮度感はさほど高くないですが、ここのお湯だけは甘イオウ臭ではなくしぶ焦げ系のイオウ臭を感じました。
(非加温)生源泉かけ流し槽は「渓流の湯」と愛称が振られています。
それだけ自慢の浴槽ということか・・・。
がっしりとした屋根付のつくりで、すべて檜づくりと思われ、ヒノキ臭が香っています。
6-7人ほどの檜風呂で、浴槽の尻が当たる部分が盛り上がっていて、意外に入り心地よし。
奇を衒った変形浴槽は個人的には好きではないですが、ここの浴槽は感心しました。
檜の湯口からおそらく20L/min以上もの大量投入&浴槽縁からの豪快なオーバーフローは文句なしのかけ流しで、お湯の鮮度感は申し分ありません。
ここのお湯はひょっとすると貯湯なしの直接投入かもしれません。
ただ、疑問だったのは湯口の湯温が意外に高かったこと。泉温は40.0℃なので非加温であればもっと温くなる感じもしますが、泉温が上がったか、あるいは軽く加温をかけているかもしれません。
ここのお湯もしぶ焦げ系イオウ臭の感じがありますが、ヒノキ臭と混ざってよくわかりませんでした。
鮮度のいいお湯に入ると、湯温や泉質とは別にお湯の鮮度そのもので温まる感じがすることがありますが、ここのお湯もそんな感じ。
熊谷のロードサイドでこれだけのお湯に入れるとは、ある意味驚異です。
お湯についてはかけ流し系4槽のニュアンスに大差ありません。
お湯のよさは、「渓流の湯」 > 壺湯 > 内湯「源泉加温かけ流し槽」 > 「露天源泉かけ流し槽」の順かな?
ただ、「露天源泉かけ流し槽」もけっして悪いわけではなく、かけ流し槽のレベルはすこぶる高いもの。
泉質は単純温泉ながら、溶存物質=903.7mg/kgと塩類泉に近く入りごたえのあるお湯で、鮮度がいいためか金気とイオウ気がしっかり残っていて、これが浴感に絶妙なコントラストをもたらしています。
橋の右手内湯側に進んだ左手には寝湯(×8)。
お湯をうすく溜めるタイプで、けっこうあたたまります。
さらに内湯よりにはデッキチェアが4つおかれて涼めます。
これで内湯ゾーンに戻って周回完了です。
土曜の夜でPは満車に近かったものの、館内は広く客が分散するためか、浴場は意外に空いていてストレスは感じませんでした。
客層は若いカップルやグループ客が多く、ファミリー層は目立ちませんでした。
施設コンセプトは「日常的に使える癒しリゾート空間」とのことで、全体に環境設定が巧くヒーリングモードが感じられるつくり。
先行施設を充分研究し、満を持して作り上げた感じがあります。
スパ銭としてはほぼ完成型とも思われる好施設で、料金も比較的リーズナブルなのでなるほど人気が高いのもうなづけます。
リピートしたくなる施設なので、今後ますます人気が上がっていくかも。
近隣の競合施設は厳しい戦いを強いられるのでは。(というか、メイン競合は「花湯の森」や国済寺天然温泉など自社施設か? 「花湯の森」と国済寺の中間を狙った施設とも思われますが、間口が広くてどちらからも客をとってしまいそう。)
メディアなどでは「温活カフェ」がクローズアップされているようで、温泉マニアは引いてしまいそな感じもありますが、なかなかどうしてお湯は一級品。
とくにお湯の鮮度感は関東平野部では得難いものなので、おすすめします。
【追記_2018/05】
残念ながら2017晩秋あたりから↑の絶妙な湯の香が消滅し、湯色も透明になっています。(今年春にかけて数回行って確かめたので間違いないと思う。)
かけ流しは継続していると思われますが、かけ流し槽全槽で除鉄&ろ過を導入した可能性があります。
いまでもかけ流しで、ふつうにみると悪くはないのかもしれませんが、コアな温泉好きは物足りなさを感じてしまうかも。
あの絶妙な湯の香は、わずか数ヶ月の幻で終わってしまうのでしょうか。
〔 源泉名:美肌の湯 〕 <H26.12.17分析>
単純温泉(Na-HCO3型) 40.0℃、pH=7.9、316L/mn(約1,500m掘削揚湯)、成分総計=917.5mg/kg(溶存物質=903.7mg/kg)
Na^+=214.9mg/kg (91.70mval%)、Ca^2+=8.7、Fe^2+=1.8
Cl^-=26.9 (7.42)、HS_^-=0.2、HCO_3^-=573.3 (91.71)
陽イオン計=233.0 (10.20mval)、陰イオン計=604.0 (10.25mval)、メタけい酸=64.2、メタほう酸=2.4、遊離炭酸=13.8、硫化水素=0.03
<温泉利用掲示>(公式Web)
露天風呂では、地下約1,500メートルから湧き出る自家源泉を、加温・加水・循環濾過を一切せず、そのままの状態で檜の浴槽にかけ流し(露天「渓流の湯」)
■御朱印
江戸時代には中山道の宿場・熊谷宿が置かれ、宿場町として栄えた熊谷には多くの寺院があります。
忍秩父三十四観音霊場や幡羅郡新四国八十八ヶ所霊場などはメジャーな霊場ではありませんが、市内に霊場札所が点在します。
妻沼の聖天様、天台宗別格本山の常光院、三ヶ尻(熊谷)観音龍泉寺など名刹も多数。
深谷と同様、複数の札所を兼務するお寺も多いので、御朱印収集的にはテクニカルなエリアといえそうです。
【少間山 観音院 龍泉寺】 →HP
熊谷市三ケ尻3712 真言宗豊山派 御本尊:不動明王
関東八十八箇所霊場第83番、武州路十二支霊場(子・千手観世音菩薩)、(ぼけ封じ)関東三十三観音霊場第29番 他
永禄年間(1558~70)創建とされる古刹で、観音山中腹の観音堂に御座される千手観世音菩薩は「三ヶ尻の観音様」として知られています。
また、渡辺崋山ゆかりの寺で、「松図格天井画」と「双雁図」は県の文化財に指定されています。
1.関東八十八箇所霊場第83番の御朱印
本堂に御座される御本尊不動明王が札所本尊です。
中央に札所本尊、不動明王の御宝印(種子:カンマン)と揮毫、左下に山号寺号と寺印。右には関東第83番の札所印、左上には関東八十八箇所開創二十周年の記念印が捺されています。
2.武州路十二支霊場(子・千手観世音菩薩)の御朱印
観音堂御本尊として御座される千手観世音菩薩・三ヶ尻(熊谷)観音が札所本尊です。
中央に札所本尊、千手観世音菩薩の御宝印(種子:キリーク)と揮毫(観世音)、左下に山号寺号と寺院印。右上に山号印。左上には武州路十二支・子年の札所をあらわす揮毫がされています。
3.(ぼけ封じ)関東三十三観音霊場第29番の御朱印
観音堂に御座されるぼけ封じ観世音菩薩が札所本尊です。
中央に札所本尊、ぼけ封じ(聖)観世音菩薩の御宝印(種子:サ)と揮毫(観世音)、左下に山号寺号と寺院印。右下には(ぼけ封じ)関東三十三観音霊場第29番の札所印が捺されています。
他に忍秩父三十四観音霊場第29番、幡羅郡新四国八十八ヶ所霊場第38番・第59番の札所でもありますが、御朱印の授与については不明です。
【 BGM 】
Destiny ~ずっと前から好きでした - 花たん
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■ 深谷花園温泉 「花湯の森」
深谷花園温泉 「花湯の森」
住 所 :埼玉県深谷市人見薬師堂888
電 話 :048-551-1126
時 間 :10:00~23:00(土日祝 ~24:00) / 原則無休
料 金 :1,150円(土日祝 1,350円)・12歳(小学生)以下入館不可
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (ぽかなび.jp)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
埼玉県深谷市に2007年4月25日にオープンした日帰り温泉施設で、2007年11月に入っていますが、うかつにもメモをなくしてしまい未レポとなっていました。
2015年7月に再訪し、その後3回ほど入っているので最近の状況をレポしてみます。
場所はかなりわかりにくいので、末尾の地図をご参照ください。
関越・花園ICからR140経由でさほど距離はないものの、迷うとやっかいです。素直にナビに従った方がいいかと・・・。
【写真 上(左)】 周囲の景色
【写真 下(右)】 門番
埼北らしいのどかな農村風景のなか、忽然とあらわれる温泉リゾート。となりは同一経営のショートコースのゴルフ場です。
同一経営の「ホテル 花湯の森」も同じ敷地内かと思いきや、こちらは車で7分ほどと離れています。(宿泊者に無料入浴券サービス)
駐車場は160台とたっぷりですが、施設前のPはたいてい混雑気味です。
Pよこに泉源らしきものがあるも、それかどうかは確信もてず。
【写真 上(左)】 駐車場入口
【写真 下(右)】 泉源施設?
【写真 上(左)】 昼のエントランス
【写真 下(右)】 エントランスサイン
エントランスの門構えからして、すでにそのあたりのスパ銭とは一線を画しています。
ここのコンセプトは”豪農”かと思われるほど、それっぽい雰囲気にあふれています。
木々に囲まれ緩いカーブを描く玄関へのアプローチは、料亭か老舗旅館を彷彿とさせるものがあります。玄関前には立派な足湯「観音足湯」も。
【写真 上(左)】 紅葉&外観
【写真 下(右)】 玄関へのアプローチ
【写真 上(左)】 立派な観音足湯
【写真 下(右)】 観音足湯
【写真 上(左)】 観音足湯の湯口
【写真 下(右)】 析出がでています
玄関まわりもゆったりとしたスペースどりで、大ぶりの花瓶に草花が生けられて、ワンランク上の雰囲気。館内着・レンタルタオルセットは料金内です。
【写真 上(左)】 凝った扁額風サイン
【写真 下(右)】 玄関
フロント右手は軽食コーナ「麺やさくら」、最近知名度が上がってきている「深谷煮ぼうとう」が楽しめます。
フロント左手の廊下左右に各施設が配置され、突き当たりが浴場です。
フロントから廊下まわりのスペースどりが施設グレードのわりにやや狭めかな。
【写真 上(左)】 玄関まわり-1
【写真 下(右)】 玄関まわり-2
全体に(豪農の)古民家和風仕上げで、暖色系の照明を効果的に配した落ちついた環境設定。
ここは地元の不動産業「フジケンホーム」系列で、なんとなく「(オーナー?の)好みで採算度外視で雰囲気追求してみました」的イメージがあります。
ここは小学生以下入館不可なので、客層も落ちついています。
【写真 上(左)】 「野の花」の意匠-1
【写真 下(右)】 「野の花」の意匠-2
廊下フロント側から左手に60畳敷の大広間「山法師」、本、雑誌、新聞、碁盤、お茶や水が用意されるなど、長時間滞在型のアメニティとなっています。
廊下をはさんだ右手に地元食材を採り上げる和風飲食「野の花」。
魚料理も充実し、この日は築地直送の丸もののマグロが捌かれて、エントランス前に展示されていました。
雰囲気は抜群ですが、メニューに当たり外れがあるので、コスパを求めるならば慎重な検討要か。
【写真 上(左)】 「野の花」の蕎麦
【写真 下(右)】 「野の花」の焼きもの
その他、簡易ベッドを備えたねころび処「花夢」、岩盤浴(料金内)、貸切個室風呂など。
ボディケア、足ツボ、あかすり、フェイシャル&ボディエステなどのヒーリング系施設も充実していて、さすがに「温泉リゾート」を標榜するだけのことはあります。
ただ、ねころび処「花夢」のスペースどりはスパ銭並で、もうすこし余裕がほしいところ。(長時間滞在の温泉リゾート系施設ではねころび処はとっても大切。)
浴場寄りの廊下左手は和風庭園に面した縁側で、お休み処「花風月」と名付けられ、デッキが並べられていて和めます。(館内禁煙、ここのみ喫煙可か? 雰囲気いいのにタバコの臭いがただよっているのは辟易。)
廊下突き当たり手前左が男湯、おくが女湯。
オープン時は男湯・女湯ともほぼシンメトリの構成でしたが、その後女湯の露天ゾーンにに「美肌のための別館『椿』」が増設されたようで、現況、女性の方がコスパがよくなっています。
さて、ようやく浴場です。
脱衣所は、洗面所やドライヤー処はセパレートされているもののさほど広くなく、プールタイプのスリムロッカーはややチープで混雑すると使い勝手が一気に悪くなります。
ハイレベルを謳う施設でも脱衣所は割りを喰いやすいところで、こういう例は意外に多いですが、とくに女性は脱衣所のつくりにうるさいので(すくなくともわたしの連れはそう)もう少し気をつかうべきでは・・・。
扉を抜けると、脱衣所とは打って変わった空間が広がります。
豪壮な木組みの天井は圧巻で、なかには直径80cmの大松の梁もあるそう。
なんとなく、富士急ハイランドの「ふじやま温泉」を思い起こしました。
内床も伊豆石的な石材(十和田石らしい)で、浴場の上質感を高めています。
窓の広いあかるい内湯で、露天の全容が見渡せます。
ただ、いまいち気になるのはあまりに開放的なこと。日本人は風呂好き、露天好きとはいっても、やはり無防備のはだかではどこかに目隠しがほしいもの。
本当に居心地のよい浴場は、このような細かな部分に気が遣われていたりします。
露天のところどころに竹垣を置くなどすると、もっと居心地がよくなるような気も。
内湯は窓側に20人以上はいけるメイン浴槽(木枠十和田石敷)と、そのおくに寝湯×4で、おくの2つはジャグジー付。
寝湯と相対して水風呂(黒みかげ石枠十和田石敷3-4人)とサウナ。
セパレート型カラン10(少なすぎ)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
週末はそこそこ混みますが、浴場は広いのでさほど混雑感はありません。
露天ゾーンは、内湯側左手に三波石を組み上げた豪勢な大露天(東屋付小石敷15人以上)。
右手は内湯側から「ねころびの湯」×5(麦飯石使用)と並んで「檜風呂」(6-7人)を配置、この2槽とも屋根付きです。
檜風呂はややぬるめで、壁面に「高濃度炭酸泉」と掲出があるものの、私には炭酸は感じられず。
この炭酸泉はおそらく井水使用だと思いますが、循環仕様で鮮度は感じられませんでした。
「檜風呂」の先の低地には広い池を配しています。木々に囲まれた池のたたずまいは大名庭園を思わせるほどの風情を湛え、この露天の真骨頂はこの池にあるといっても過言ではないかと。
ひと言でいうと「絵になる露天」で、紅葉の時季などライトアップされて見事な景観が楽しめます。
この池の左手のもっとも奥まったところに陶製の壺湯が4つ。ここも屋根付きで、側壁の丸窓や四つ目垣など、芸の細かな和の意匠が雰囲気を醸し出しています。
内湯の左横も露天ゾーンで、外側に豪壮な岩組の枯山水。その前にはデッキも置かれています。
本館寄り、サウナの横にはあかすり処を配置しています。
さてさてようやく湯づかいです。
確実に温泉使用と思われるのは、内湯メイン浴槽と露天メイン浴槽です。
内湯メイン浴槽は、木の湯口からやや熱めのお湯の投入+熱湯側面注入で上面排湯口への排湯。オーバーフローはありません。
露天メイン浴槽は黒褐色に変色した岩組から突き出た筒からやや熱湯の投入+熱湯側面注入で上面排湯口への排湯。こちらもオーバーフローはありません。
内湯・露天ともにほぼ適温で、無色透明で浮遊物はなし。
露天より内湯の方が塩味を感じますが、成分なりの塩味は感じられず、かなりの加水があるかと思います。
また、露天では明瞭な消毒臭を感じ、内湯でも露天ほどではないもののカルキ気を感じます。
このくらいの濃度の食塩泉で塩素系消毒をかけると、湯口まわりが黒変することが多いですが、ここもそんな感じでした。
お湯は内湯の方がよく、それなりの温まりはあるものの、温泉らしい雑味は感じられず物足りなさを感じます。逆にいうと完璧に調製されたお湯だと思います。
ツルすべの湯ざわりを感じるのは、希釈に井水をつかっていて、その井水由来のものではなないかと・・・。
ここは温泉よりも、井水の浴槽がいいです。
確実に井水使用は露天の壺湯4つと内湯の水風呂。
陶器製の壺湯はおくから円形、楕円、楕円、円形という配置で、おくの2つは熱め、手前2つはぬるめでした。お湯はあきらかにぬるめの方がよく、とくに一番手前の円形浴槽のお湯はかなりのレベルだと思います。
水風呂もかけ流し量が多く、鮮度感があるので入っていて気持ちがいいです。
とろみを帯びた湯ざわりやわらかなお湯で、明瞭なツル(ヌル)すべを感じます。入っていて和むお湯です。
2007年に入ったときは、この壺風呂はさほどお湯がいい印象がなかったので、その後湯づかいを改善したのかも。
※2016/12の入湯時点では、一番手前の円形浴槽のお湯も加温が効いていまいちでした。ときおり湯づかいを変えるのか?
浴後は肌がつるつるになり、爽快感も出て、この井水の素性のよさが感じられました。
この井水は「薬師の霊泉」といい、花湯の森敷地・人見薬師堂内の深層井戸水とのこと。
館内掲示によるとpH=8.2、重炭酸そうだ300mg/kg、メタけい酸38mg/kg。
重炭酸そうだは340mg/kg、メタけい酸は50mg/kgで温泉規定に乗りますから、温泉に近い泉質といえるでしょう。
(なお、重炭酸そうだ340mg/kgの規定に乗るには、イオンベースではNa^+=93.06mg/kg、HCO_3^-=246.94mg/kg以上の含有がそれぞれ必要です。)
ちなみに2007年入湯時に掲出されていた水質検査結果のデータは下記のとおり。
〔 名称:薬師の霊泉 〕 <H19.1.29分析>
泉質なし 17.6℃、pH・湧出量不明、成分総計=不明
Mg^2+=6.9mg/l、Ca^2+=22
HCO_3^-=260、CO_3^2-=0.6
メタけい酸=38、メタほう酸=0.9、遊離炭酸=0.9、重炭酸そうだ=270
温泉槽はどうにも面白くなかったので、後半はほとんど壺湯と水風呂の往復となりました。(2015/07入湯時)
それにしても、温泉槽の湯づかいはもう少しなんとかならないのかな。
おそらく湯量が少ないのだと思いますが(ぽかなび.jpには「毎分31.2L」とある)、たとえばあまり入っていない寝湯を2つほどつぶして源泉槽にすれば、それだけでこの浴場の価値は格段に上がると思います。
箱根の人気施設「天山」は、須雲川の自然をいかした瀟洒な施設のできもさることながら、ベースとなっているのはそのお湯のよさです。
花湯の森も施設のできや雰囲気的にはかなりのレベルに達しているので、やはりもうすこし湯づかいに気をつかってほしいところ。
成分総計=7.025g/kgの等張性に近い食塩泉は、食塩泉の醍醐味がもっとも味わえる濃度です。
源泉の力を活かせれば、「西の天山、東の花湯」の評価を得られる可能性もあるのでは?
※2016年の春頃から、内湯の温泉濃度が上がっているような感じがします。温まり感もそれなりに感じるようにはなりました。それでも成分総計=7.025g/kgからするとまだまだもの足りないですが・・・。
〔 源泉名:薬師の湯 〕 <H18.4.21分析>
Na-塩化物泉 26.5℃、pH=7.7、湧出量不明(2,000m掘削揚湯)、成分総計=7.025g/kg
Na^+=2300mg/kg (93.22mval%)、Fe^2+=4.8
Cl^-=3320 (93.65)、HCO_3^-=896 (14.68)、Br^-=14
陽イオン計=2479.01 (107.31mval)、陰イオン計=4237.33 (108.66mval)、メタけい酸=122、メタほう酸=139、遊離炭酸=48
<温泉利用掲示>(2007年)
加水:あり 加温:あり 衛生管理のため循環ろ過と掛け流しを併用 衛生管理のため次亜塩素酸を使用
E139.16.26.898N36.9.22.071
〔 2017/01/09UP (2007/11・2015/07以降数回入湯) 〕
■ブランドグルメ
〔 深谷ねぎ 〕
白ねぎ(根深ねぎ)の代表的な産地、深谷。
とくに国道17号の北側、利根川と小山川に囲まれた新戒、中瀬地区などは、かつて利根川の氾濫で土地が深く肥え、白ねぎの栽培適地として知られています。
また、白ねぎは冬の寒さが甘味を引き出すといわれ、利根川沿いに赤城颪が吹き下ろす深谷の冬ねぎは甘味ときめ細やかな繊維を兼ね備え、その食味には定評があります。
■御朱印
上杉氏が深谷城を築き、江戸時代には中山道の宿場(深谷宿)として発展した深谷には多くの寺院があります。多彩な霊場札所があり、複数の札所を兼務するお寺も多いので、御朱印収集的にはテクニカルなエリアです。
深谷には七福神巡りがあり、秋の七草寺巡りと掛け合わせて、おそらく通年御朱印対応されています。
そのなかで毘沙門天、七草はクズを受け持つお寺です。
ここは深谷ではめずらしく、七福神のみの単一札所となっています。
【瑠璃山 薬師寺 正傳院】
深谷市高島161 高野山真言宗 御本尊:薬師如来 札所本尊:毘沙門天
小野篁公のお作とも伝わる薬師如来を御本尊とする密寺。
深谷七福神は市も力を入れているらしく、どちらも対応は親切です。
御本尊、薬師如来の御朱印はたしか授与されていないと思います。(七福神のお寺では御本尊の御朱印をいただけないかお尋ねすることにしている。)
札所本尊の毘沙門天の揮毫、中央に御宝印?、左下に院号と寺印、深谷七福神の札所を示すものはありません。
せっかくなので、3つの霊場札所を兼ねるテクニカル^^; なお寺もご紹介します。
【深谷山 光明院 瑠璃光寺】
深谷市稲荷町北9-25 天台宗 御本尊:釈迦如来 札所本尊:薬師如来・大日如来・大黒天
平安年間、慈覚大師円仁創建と伝えられる古刹。深谷城主上杉氏の崇拝が篤かったとされ、薬師堂に祀られる秘仏、寅薬師は有名です。
関東九十一薬師霊場第39番、武蔵国十三佛霊場第12番、深谷七福神の3つの霊場の重複札所となっています。
1.関東九十一薬師霊場第39番の御朱印
中央に札所本尊、薬師尊の印判と御宝印、左下に山号寺号と寺印。右上には関東九十一薬師霊場第39番の札所印が捺されています。
2.武蔵国十三佛霊場第12番の御朱印
中央に札所本尊、大日如来の印判と御宝印、左下に山号寺号と寺印。右上には武蔵国十三佛霊場第12番の札所印が捺されています。
3.深谷七福神(大黒天)の御朱印
中央に札所本尊、大黒天の印判と御影の印、左下に山号寺号と寺印。右上には深谷七福神・七草寺第1番の札所印が捺されています。
【 BGM 】
トモシビ - Suara
できない私が、くり返す。「Re:Call」 - 霜月はるか
なないろの朝 - くゆり
これは難しい! BGMにならんか?(笑)
※まだ写真があるのですが、整理がついていないので後日UPします。
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■ 桐生新里温泉? 「寄居町老人福祉センター かわせみ荘」
桐生新里温泉? 「寄居町老人福祉センター かわせみ荘」
住 所 :埼玉県大里郡寄居町大字保田原301番地 保健福祉総合センター内
電 話 :048-581-8523
時 間 :10:00~16:00 ※ 温泉の日(原則として第1~第3土曜、第4日曜)
料 金 :500円(一般大人)
■ オフィシャルHP
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
埼玉県立川の博物館「かわはく」のそばにある公共系施設が日にち限定で温泉使用浴場を外来者にも開放しているものです。
たしか「ホテルシティプラザ寄居」が井水使用かどうかWeb検索していて、引っかかったかと思いますが、公式Webには「天然温泉(赤城南麓の湯)宅配サービスによる『温泉の日』を実施しています。泉質はアルカリ単純温泉です。疲労回復・健康増進にご利用ください。」との説明。
温泉浴槽が提供される「温泉の日」は原則として第1~第3土曜と第4日曜。ちょうど第4日曜朝に検索していて、すかさずTELすると「本日温泉入浴できます。」との回答。
ここまできたらもう止まりません(笑)。
■ 開館日カレンダー
場所は、寄居の「かわはく」のそば、目立つ建物なので迷うことはないと思います。
ここは、老人福祉センター(1階)、児童館(2階)、隣保館(3階)の三つの機能が併設された複合施設で、老人福祉センター&児童館は、指定管理者制度により寄居町から社会福祉法人 寄居町社会福祉協議会が受託し管理運営しています。
【写真 上(左)】 目の前は荒川の河原
【写真 下(右)】 「温泉の日」のノボリ
【写真 上(左)】 案内板
【写真 下(右)】 サイン
目の前は荒川の河原。Pは広く、入り口に「温泉の日」のノボリが立っていました。
エントランスのフロントで受付。右手が大広間兼休憩所兼カラオケスペース、左手おくが浴場。館内にはそこそこの客。やはり温泉目当てなのかな?
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 フロアガイド
廊下のおく、手前左手が男湯、奥左手が女湯、右手は休憩所です。公共施設然としたなんとなく無機質な空間。
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴場入口
脱衣所はかなり狭いです。入ったときはごったがえしで、しばらく休憩所で間を置いてからおもむろに入りました。
窓の広いあかるい浴室に、黒みかげ石枠白タイル貼の変形10人弱の浴槽ひとつとシンプル。
カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 ジャグジーゾーンから
日曜13時で独占(一瞬)~8人とけっこうな盛況。お客はほとんど地元のお年寄りでした。
天井は低くこもり気味で、しかもあたたまるお湯なので、お客の回転は速いです。広い窓のセンターがルーバー開放され、外気は入るのですが、この日は来る途中、車の外気温表示が40℃を超えた(これは初体験)というもの凄い猛暑日で、外気が入ってきてもぜんぜん涼しくありません。
左手の赤みかげ石の湯口からの熱湯投入+右手側面からの熱湯注入で、左手手前はジャグジー風呂となっています。
なぜか槽内吸湯は未確認ですが、オーバーフローはなく、お湯の感じからしても循環でしょう。
湯口ではよわいカルキ臭、湯面でもカルキ臭を感じます。これは施設の性格上いたしかたないところか。
湯口にはうっすらと石膏系の析出が出ています。洗い場カラン周辺にも同様の析出がでていたので、ここは通常井水使用で、その井水が石膏分を含んでいるのかもしれません。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯口&湯色
かなり熱めのお湯は無色透明で浮遊物なし。味不明でカルキ臭。ただし、お湯の鮮度は意外に悪くありません。
意外なほどに明瞭なツルすべとかなり強いあたたまりがあります、浴後は肌がすべすべに。
イメージとしては薄めながらpH高めで重曹泉と硫酸塩泉を兼ね備えた感じか。
じつは、ここはWebで「天然温泉(赤城南麓の湯)宅配サービス」と見た瞬間に、粕川中之沢温泉(みはらしの湯)/サンデン温泉スタンドのお湯と勝手に決め込んでいました。(スペックはこちら→ONKEN21さんの利根川温泉掲示板。)
このお湯は温スタでも触れているし、粕川温泉元気ランドが5㎞の引湯をして使用しているので、これにも入湯しています。
そのときの印象よりも、よほど重曹分が強いような感じがありました。
館内に分析書掲示がなかったので帰りがけにフロントで訊ねたところ、係の人はあまり詳しくないらしく、「場所はよくわからないが赤城山の南麓からタンクローリーで運んできていて、夏場はまだ温かい。」とのこと。
どうにも腑に落ちず、帰宅してからWeb検索してみると、ここの使用源泉はどうやら粕川中之沢温泉ではなく、赤城カントリー倶楽部内で湧く桐生新里温泉(赤城南麓の湯)のようなのです。
決め手としたのは「赤城南麓の湯」というネーミングが合致していることと、このお湯は太田市の温泉宅配業者により、施設向けの業務用温泉宅配サービスが提供されているということです。
また泉温30.1℃、pH=8.45、成分総計=0.50g/kgのNa-SO4・HCO3型のアル単で、加水されていなければ、浴感イメージとほぼ合致するスペックです。
このお湯は日帰り入浴不可の赤城カントリー倶楽部内浴場でしか入湯できないと思っていたので、これはラッキー。(個人的に、群馬県内の未湯源泉は数えるほどになってきているので、1湯でもつぶせるとかなりうれしい。)
ローリー温泉は温泉好きからは敬遠されがちですが、さすがにローリーして加水というのは気がひけるのか、加水しないケースも多いように感じます。(濃い食塩泉をのぞく)
ここもそんな例のひとつではないかと。
それにしても、寄居で桐生新里温泉とは、思わぬ拾いものとなりました。
〔 源泉名:桐生新里温泉(赤城南麓の湯) 〕 <H20.1.23分析>
アルカリ性単純温泉(Na-SO4・HCO3型) 30.1℃、pH=8.45、湧出量不明(1,555m掘削)、成分総計=0.50g/kg
Na^+=120mg/kg (79.51mval% #)、Ca^2+=16.6 (12.58)、Fe^2+=0.51
Cl^-=25.7、SO_4^2-=142 (45.35)、HCO_3^-=149 (37.46)、CO_3^2-=11.1
陽イオン計=146 (6.56mval)、陰イオン計=328 (6.51mval)、メタけい酸=19.7、遊離炭酸=0.8
# 分析書データの取り扱いについては、温泉宅配業者がWeb上で制限しているので、mval(%)値は、赤城カントリー倶楽部のWebのデータをもとに筆者にて概算した価です。
※ インコース13番ホールセカンドショット地点の右上にあり、地下1555メートルより湧き出る源泉(赤城カントリー倶楽部Webより)
<温泉利用掲示>
確認できず
■ブランドグルメ
〔 風布・小林のみかん 〕
寄居町、風布・小林地区は、日本のみかん産地の北限として知られ、天正年間に鉢形城主であった北条氏邦が小田原から移植したのが始まりといわれています。
収穫期は10月中旬~12月中旬。やや酸味は強めながら、爽やかな風味をもつ貴重なみかんです。(寄居町公式Webなどを参照)
〔 2016/01/02UP (2015/07入湯) 〕
E139.13.9.651N36.6.52.102
【 BGM 】
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■ (サイボク)天然温泉 「花鳥風月」 (旧 サイボク天然温泉 「まきばの湯」)
(サイボク)天然温泉 「花鳥風月」
【新施設「花鳥風月」営業データ】
住 所 :埼玉県日高市下大谷沢546
電 話 :042-919-2626
時 間 :10:00~22:00(最終受付21:00) / 原則火休
料 金 :1,000円(土日祝 1,200円、19:00~ 800円)
■ オフィシャルHP
2013年1月25日閉館し、復活は絶望的とみられていたサイボク天然温泉 「まきばの湯」が、天然温泉「花鳥風月」と名を変えて2014年6月16日(月)にオープンしました。
少しく遅くなりましたが、これは6/21(土)に入湯したときのレポです。
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※7/13に再訪しています。
お湯は6/21のときより、だいぶよくなっていました。さすがに「品質のサイボク」か。
ただ、以前のお湯にくらべると、やはりどうしても今ひとつ感も・・・。
それだけ、以前のお湯が卓越していたということでしょうか。(詳細は追ってレポします。)
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土曜夕刻のわりに温泉前のPの車は少な目。温泉再開がまだ充分に周知されていないのでは。
また、建物右手奥側にあった温泉スタンドは撤去され、再開の予定は現在のところないそうです。
【写真 上(左)】 案内図に温泉が復活
【写真 下(右)】 温泉スタンド跡地
館内のレイアウトは大きく変わっていませんが、別料金の岩盤浴「石ノ湯」がなくなり「さわやか酸素ルーム」に変わっています。
また、2階の軽食コーナーが廃止されています。
料金体系は旧施設よりも安く設定。しかも旧施設では別途料金だったレンタルバスタオル・タオル付なのでよけいに割安感があります。
(ただし割引率が高かったスタンプカードは廃止となっています。)
廊下のおく、手前「湯処 花鳥」と奥側「湯処 風月」は、以前のネーミングを受け継いだもので、あたらしい施設名もこの風流な浴場名にちなんだものでしょう。
【写真 上(左)】 外観-1
【写真 下(右)】 エントランス
毎週水曜日の男女入替制で、この日の男湯は奥(「湯処 風月」(旧「風月の湯」))でした。
脱衣所もほとんど変わっていません。ゆったりと機能的なこの脱衣場は、改善ポイントがほとんどないのだと思います。
【写真 上(左)】 外観-2
【写真 下(右)】 夜の外観
【写真 上(左)】 エントランスから館内
【写真 下(右)】 浴場入口
内湯の構成も大きな変化はありませんが、細かいところで改変があります。
1.窓ガラスがクリアーになって明るくなった。
2.以前の「マッサージ浴」が炭酸寝湯×3(湯口付)に変更。
3.中温32℃の水風呂が20℃ほどとなり、20℃ほどの水風呂×2の構成に・・・。
3は、冷たい水風呂が好きなので個人的にはありがたいです。
露天はかなり変わっています。
1.つぼ湯×3が撤去され「湯あがり美人」(ボディクリーン)に。
2.ミストサウナは廃止。
3.間欠的にミストを噴出していた「霧の浮船」は廃止。
4.「観天の湯」(洞窟風呂)が温泉足湯に。
5.歩行浴が炭酸泉(寝湯×3、通常浴槽)ゾーンに。
6.露天源泉槽 「風月の湯」はなくなり、炭酸泉浴槽に。
7.階段途中にあった「隠れ湯」は廃止。
8.全体に植栽が減ってすっきりとした感じに。
個人的に痛いのは6.7で、温泉浴槽より炭酸泉浴槽の方が多くなっています。
(「湯処 花鳥」も、ほぼ同様の構成に変更されているよう。)
炭酸泉は浴槽毎に炭酸濃度がちがい、旧歩行浴ゾーンの浴槽はかなり炭酸が効いていました。ここは井水じたいの質がいいので炭酸泉もなかなか快適です。
1~3は経緯からすると当然に予想されたところですが、極上の源泉が楽しめた露天源泉槽 「風月の湯」が炭酸泉になるとは想定外。
個人的には、他の浴槽の湯づかいを循環に切り替えてでも 「風月の湯」のお湯は守りきるのでは?という淡い期待があっただけにこれは残念でした。
でもって、温泉利用浴槽は、内湯、大露天風呂と洞窟内の足湯と思われます。
また、露天上部の浴槽にバイパスがなく、階段を昇った客がときおり浴槽内を通過していく点が改善されるのでは?と考えていましたが、これはそのまま。
内湯は、赤みかげ石の湯口から温度が変動するお湯(源泉では?)の投入+側面熱湯注入で、たしか以前はなかった底面大量注入もあります。
相当量のオーバーフローはあるものの、浴槽脇には「加温、循環、消毒処理」の掲示がありました。
大露天風呂は中央の石の湯口から温度が変動するお湯(源泉では?)の投入+底面&側面熱湯注入で上面排湯口への流し出し。こちらは掲示見あたらず湯づかい状況不明。
内湯・露天とも湯口のお湯は濃度相当の塩味を感じ、加水はないかと思います。ただ、消毒気は感じました。
また、以前ほのかに感じた金気は感じられなかったので徐鉄しているかもしれません。
【写真 上(左)】 「湯処 花鳥」の露天(館内掲示より)
【写真 下(右)】 泉源
さて、問題のお湯です。(この日は夕食前(17時頃)と夕食後(20時頃)の2回入ったので分けて書きます。)
【17時頃】(これはあくまでも個人的感想です。)
浴場に入ったとたんに感じる消毒臭。非濾過だったブタのかけ湯のお湯もこころなしか元気がありません。
お客はパラパラで、こんなに空いているサイボクの温泉も久しぶりです。
そのわりにスタッフの数は多く、なんとなくピリピリとした空気が感じられます。
内湯はお湯じたいの消毒臭はさほど強くないものの、室内に消毒臭がこもり気味なのであまり快適ではありません。
大露天風呂はそれなりの塩素系消毒気は感じられるものの、さほど悪いものではありませんでした。(露天では、裏でかすかにアブラ臭の片鱗も・・・。)
まぁ、事情が事情だけに復活当初はこの程度のお湯でもいたしかたなしかなと思いつつ、それでも旧源泉露天の卓越したお湯になじんでいただけにどうしても物足りなさは残ってしまいます。
(旧源泉露天のすばらしさについては、↓の過去レポをご覧くださいませ。)
【20時頃】(これもあくまでも個人的感想です。)
19時から800円と昼間料金より200円(土日祝は400円)安くなるので、当然さきほどより混んでいます。それでも往年の「まきばの湯」に比べるとぜんぜん空いています。
浴場に入ったときの消毒臭がさっきより強いような気がしたので嫌な予感。その予感どおり今回は、内湯、露天ともかなりきつめの消毒湯に変貌していました。
一度、とある事情で消毒剤が過投入された別施設のお湯に入ったことがありますが、正直、この時間の浴感はそれに近いものがありました。
このくらいの残留塩素濃度になると、お湯がぺとついて肌が締めつけられるような違和感のある湯ざわりがでてくるように思います。(で、とても長湯できない。)
じっさい他のお客もそれを感じたのか、温泉槽はガラガラでみな炭酸泉浴槽に集結していました。
再開して初めてのウィークエンドの夕方。事故再発は絶対に防がなくてはならないので、大事をとっての消毒剤投入はやむなしとの感もありますが、なんぼなんでもこれは入れすぎでは?
それと疑問に思ったのは、スタッフが残留塩素を測っている姿が見られなかったことです。(単にタイミング的に合わなかっただけかもしれませんが・・・)
こまめに測っていれば過消毒しなくても状況に応じて必要残留塩素量は確保できるはず。
「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止対策マニュアルについて」(厚生労働省健康局生活衛生課長/健衛発第95号 平成13年9月11日)には、「浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤は、浴槽水中の遊離残留塩素濃度を、1日2時間以上0.2~0.4mg/Lに保つことが望ましいこと。」とあるので、多くの温泉施設のお湯はこのレベルの残留塩素量をキープしているものとみられますが、ここまでの消毒気を感じるものはそうはありません。
それに残留塩素量は多ければいいというものではなく、実際、上記「マニュアルについて」にも「いずれの方法においても、浴槽水の遊離残留塩素濃度を測定し、薬剤濃度が高くならないよう(1.0mg/L程度までが望ましい。)注意する必要があります。」と注記されています。
旧施設より温泉使用浴槽を絞っているので湯量は確保できるはずで、大ぶりの大露天風呂で規定量の消毒をかけたとしても、それなりの湯質は確保できるような気もしますがどうでしょうか。
(東日本大震災直後の一時期、露天源泉槽 「風月の湯」&「隠れ湯」&「観天の湯」(洞窟風呂)を休止した際、露天メイン浴槽はすばらしいお湯になっていました。いまはそのときに近いほど温泉浴槽を絞っています。)
さらに個人的わがまま(^^;)をいうと、炭酸泉になってしまった露天上段の源泉槽を復活してほしいところ。ここは浴槽が広くなく(前よりさらに狭くなった気がする)、お湯の回転がいいので、混雑時でもいい状態のお湯がキープできるのでは。
事故再発は絶対許されないという剣が峰的状況、しかも再開直前に県内他施設でレジ菌症事故発生、さらに4/29に競合施設だった「やまとの湯狭山店」が閉店し、お客の入り込みが読めないなかでのオープン。
これ以上ないともいえる厳しい条件下での再開だけに、この段階でNG評価を出してしまうのは拙速に過ぎるかと・・・。
あれだけ通い詰めたサイボクの温泉。再発防止は絶対条件としても、なんとか工夫しつつお湯の質を上げて行ってほしいものです。
なんといっても「品質のサイボク」ですから。
回数券を買ったので、じっくり見守っていきたいと思います。
〔 2014/07/03UP (2014/06再オープン入湯) 〕
【 BGM 】
************************************
サイボク天然温泉 「まきばの湯」(旧施設)
【旧「まきばの湯」営業時データ】
住 所 :埼玉県日高市下大谷沢546
電 話 :042-989-4126
時 間 :10:00~22:00 / 月1回程度月休 (2014/05/18現在休業中)
料 金 :1,200円(土日祝 1,500円、17:00~ 全日1,000円、20:30~ 全日700円) (同上)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 日帰り温泉ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (Yahoo!トラベル)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (ぽかなび.jp)
■ 紹介ページ (温泉みしゅらん)
2013年1月25日閉館し、復活は絶望的とみられていたサイボク天然温泉 「まきばの湯」が再開に向け準備に入っているようです。(出所は、→こちら)。
品質のサイボク、どういう湯づかいで復活を図るか、興味がもたれるところです。
************************************
【レポ】
※ 浴場内撮影禁止のため、浴場の写真はありません。
雰囲気・泉質・湯づかいの三拍子揃った日帰り温泉施設で、月に1回はかならず入るホームグラウンドです。
料金体系などが変わっているので最新情報をまじえて再UPします。
サイボクハムの旧日高牧場跡地を掘削・湧出したもので、2002/05自家源泉が湧出、同年10月に温泉スタンドを新設、2004/06/24に温浴施設をオープンしています。
当初原則1,500円でスタート。次第にハードルを下げ、回数券購入で1,000円(スタンプカード20ポイント(1回入浴につき原則1P)で無料券2枚Getできるので、実質は@909円)でいつでも入浴できるようになりました。
また、数年前から時間制限を解除、平日を1,200円に変更し、17:00~(ナイトサービス) 全日1,000円を導入。
最近、20:30~(ひとっ風呂ナイト) 全日700円の料金が設定されて、さらに入りやすくなっています。
また、2007/04に「蔵の湯 鶴ヶ島店」、2009/05に宮沢湖温泉 「喜楽里 別邸」と競合施設がオープンしてからは、期間限定割引サービスなども打ち出されるようになりました。
【写真 上(左)】 外観-1
【写真 下(右)】 外観-2
ここは、智光山公園のそばで、ファーマーズマーケットやミートショップなどがあるので以前からよく遊びに来ていました。
【写真 上(左)】 ショップ-1
【写真 下(右)】 ショップ-2
【写真 上(左)】 ミートショップ
【写真 下(右)】 レストラン
買い物客でにぎわう一角に誕生した立派な2層の建物で、ロビーも広く全体にゆったりとつくられています。
もともとお金をかけてつくられているのと、メンテナンスがとってもよろしいので、開設から9年たった施設にはとても思えません。
ちなみに、ここはスタッフの応対のよさにも定評あり。さすがに”品質のサイボク”です。
【写真 上(左)】 外観-3
【写真 下(右)】 エントランス
浴場は1階で右手「花鳥の湯」と左手「風月の湯」は週毎の男女交替制。
そのおくに別料金の岩盤浴「石ノ湯」もあります。
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 「花鳥の湯」 入口
「花鳥の湯」と左手「風月の湯」は構成がちがい、「花鳥の湯」のほうが露天源泉槽が広く、露天に休憩所もあるのでわたしはこちらが好み。(ただし「風月の湯」にあるミストサウナはありません。)
脱衣所はともにゆったりとして、メンテもしっかりとしているので気持ちがいいです。
館内の飲食処も味はいいですが、おすすめは別棟にある「レストランサイボク」の焼肉コース。
ゴールデンポークやスーパーゴールデンポークといったオリジナル銘柄豚が味わえます。
フロントに断れば外出再入場OKとなり、温泉グルメプランもあります。
【写真 下(右)】 「花鳥の湯」 露天 (館内掲出のポスターより)
【写真 上(左)】 「風月の湯」 露天 (同上)
「花鳥の湯」
内湯ゾーンに入ると、いきなり子ブタ像の湯口から源泉が注がれるかけ湯がお出迎え。
このお湯はおそらく非濾過でいちばんいいです。
右手浴槽ゾーンに、内湯「まきばの湯」(赤みかげ石造半ひょうたん形10人強)、マッサージ浴、腰掛足湯(3人)、高温遠赤サウナ、水風呂×2(低温18℃/中温32℃)。
露天ゾーンは、左手につぼ湯(陶製1人×3)、中央に大露天風呂(岩組鉄平石敷25人以上)と、そのおくに「霧の浮船」(間欠的に霧が吹き出す岩風呂)&「望季の湯」(洞窟風呂)がつながってともに岩枠石敷であわせて10人位。
右手には「流水立ち浴」もあります。
中央おくの階段を登ると「隠れ湯」(岩枠石敷3人)、数段上がって露天源泉槽 「花鳥の湯」(鉄平石造5-6人、東屋付)。
「風月の湯」
こちらも入口に子ブタのかけ湯。
内湯は(赤みかげ石造半円形10人位)、マッサージ浴、腰掛足湯(3人)、高温遠赤サウナ、水風呂×2(低温18℃/中温32℃)で「花鳥の湯」とほぼおなじ構成。
露天ゾーンは、左手に歩行浴、中央に大露天風呂(岩組鉄平石敷25人以上)と、そのおくに「霧の浮船」&「観天の湯」(洞窟風呂)で10人位。
右手につぼ湯(陶製1人×3)とその手前にミストサウナがあります。
中央おくの階段を登ると「隠れ湯」(岩枠石敷3人)、数段上がって露天源泉槽 「風月の湯」(鉄平石造4-5人、東屋付)。
露天は豪壮な岩組みですが、上部はハリボテ。なかなか精巧にできていて、こぶしで叩いていかないと継ぎ目がわからないほど。
ただ、どちらも上部の浴槽にバイパスがなく、客がときおり浴槽内を通過していくのは残念。
洗い場はセパレート式で30程度。
シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。シャンプー&ソープは上質なオリジナルで柚子とお茶がブースで選べます。
いつもいくのは午後からなのでAMはよくわかりませんが、いちばん混むのは料金が安くなる18:00から1時間程度。
他施設で混む17:00~18:00は新規に入り込む客が少ないので意外に狙い目。
【写真 上(左)】 子ブタの湯口 (同上)
【写真 下(右)】 五つ星の温泉
以前は、閉館前の21:00~22:00は客数が減ってきて湯質もよくなるゴールデンタイムだったのですが、最近、20:30~(ひとっ風呂ナイト) 全日700円の料金が設定されて、客数が増えているのは個人的にちと残念。
週末はコンスタントに入り込みますが、全体にスペースが広いのと、お湯のいい浴槽が分散しているのでピーク時をのぞいて比較的ゆったりと入れます。
また、客筋がいいのもここの特長かと。(お子さまもわりに行儀がいい ^^ )
内湯・露天とも洋風と和風がないまぜになっていて、当初はやや違和感がありましたが、いまは慣れて上質な空間を楽しめます。
水風呂とつぼ湯は井水利用、他は温泉利用です。(当初井水利用だったマッサージ浴は温泉に切り替えた模様。)
内湯&露天源泉槽には”源泉かけ流し”の掲示。「流水立ち浴」は50%の希釈湯のようです。
内湯は、赤みかげ石の湯口から非加温源泉と思われるぬる湯を投入(量は変動)+側面注入でオーバーフロー。おそらく側面注入も加温源泉のかけ流しだと思います。
大露天風呂と洞窟風呂は、岩の湯口からの投入+側面注入で浴槽端の上面排湯口への排湯(槽内排湯あるかも・・・)。
うち、洞窟風呂の湯口は非加温源泉かもしれません。
露天源泉槽/「隠れ湯」は、木(/岩)の湯口からの非加温源泉投入+側面熱湯注入で浴槽端の上面排湯口からの排湯で、ここも掛け流しかと。
湯温は露天源泉槽をのぞきほぼ適温で、湯口そばでややぬる、注入口そばでやや熱め。
お湯は浴槽によって違います。
大露天風呂は、タール臭&つよめの磯の香。
洞窟風呂は、よわい磯の香。
「隠れ湯」は、よわい鉱物系アブラ臭+弱磯の香。
内湯は、よわい粘土系アブラ臭。
湯口ではしっかりとした塩味にほのかな金気だし味。
湯色は、うすく茶色に懸濁し、かけ流し系浴槽ではわずかにうす茶の湯の花も浮かびます。
湯ざわりはヌルすべで、ほどよい濃度感。
露天源泉槽のお湯はすぐれものです。
やや熱めのお湯はきもち翠がかったうす茶の微懸濁で、うす茶の湯の花も浮かびます。
湯口でしっかりとした塩味+微だし味によわい鉱物系アブラ臭とほのかな金気臭、湯面でもよわいながらアブラ臭が香ります。
5mg/kg超の食塩泉を裏付ける重厚な浴感があって、よくあたたまるお湯は入り応え充分。
同時に、入るほどにきもちが落ちついていくような格調高いイメージもあって、とっても好み。
浴槽の大きさのわりに投入量が多いので、しっかりと鮮度感も感じられ、浴後は肌がしっとりと落ちつきます。
最近は湯づかいがさらによくなっていて、露天源泉槽湯口では焼けタイヤ臭的な温泉臭さえ感じられます。
浴感も充分で、じっさいH24/2の最新分析では成分濃度がUPしています。
お湯は、露天源泉槽 > 内湯 = 隠れ湯 > 洞窟風呂 > 大露天風呂の順によく、腰掛足湯のお湯もかなりのレベルです。
もっとも変動のはげしいのは内湯で、ここは混雑度に応じて投入量を変えていくので、客数が一気に減ったときなど、露天源泉槽を凌ぐコンディションになるときがあります。
意表をついていいのは秩父伏流水(井水)使用のつぼ湯で、鮮度感があり、こまかな気泡が舞っていてわずかながらアワつきもあります。
内湯の水風呂もカルキ臭なくすこぶる入りごこちのいいもの。
【写真 上(左)】 建立された温泉富多神社
【写真 下(右)】 温泉スタンド
ここは湯づかいに相当気をつかっていて、「天然温泉に、塩素系殺菌剤は一切入れておりません」とのこと。
(コストのかかる銀イオン殺菌らしい。)
温泉協会の表示看板があり、全項目で中黒丸(適正)でした。
”療養泉”や効能にこだわりすぎの気がしないでもないですが、力のあるお湯であることは間違いないです。
明らかにスパ銭よりはワンランク上の施設で、レストランの食事も美味しいし、なにより客層は落ち着いていて、スパ銭のようなザワついた感じがないのがいいです。
【写真 上(左)】 トントンハウス
【写真 下(右)】 ディスプレイがかわいいです
以前、「料金1,500円はやはり高すぎるとは思いますが、スパ銭並みの料金設定をすると週末はファミリー客殺到でたいへんなことになりそう。料金設定が相当にむずかしい施設かと・・・。個人的には、回数券利用で週末1,000円弱くらいだとまちがいなく”通い”でしょう。」
と書きましたが、競合ができて客が分散し、週末でも実質1,000円弱となったので、予想どおり”通い”のお湯となりました。
とくに全館に流れるヒーリングモードは他の施設では味わえないものなので、疲れ気味の週末などは、ついつい足が向いてしまいます。
※ H24.2に再分析。濃度が濃くなっています。
〔 源泉名:サイボク天然温泉 〕 <H24.2.15分析>
Na-塩化物温泉 39.0℃、pH=8.1、成分総計=7459mg/kg
Na^+=2563.0mg/kg、Mg^2+=11.9、Ca^2+=200.1、Fe^2+=0.3
Cl^-=4249.0、Br^-=19.8、I^-=8.0、HCO_3^-=68.6
陽イオン計=2812、陰イオン計=4347、メタほう酸=78.4
〔 源泉名:サイボク天然温泉 〕 <H14.5.24分析>
Na-塩化物温泉 40.6℃、pH=8.1、922L/min(2,000m掘削揚湯)、成分総計=6972mg/kg
Na^+=2452mg/kg (90.94mval%)、Mg^2+=11.9、Ca^2+=178.6 (7.59)、Fe^2+=0.6
Cl^-=4095 (98.72)、Br^-=20.2、I^-=9.6、HS^-=0.07、HCO_3^-=60.4、CO_3^2-=3.6
陽イオン計=2669 (117.3mval)、陰イオン計=4191 (117.0mval)、メタほう酸=79.5
<温泉利用掲示> (HP内「天然温泉利用証」の説明より引用)
*サイボク天然温泉における6項目の最高ランク説明
〈源泉〉利用源泉も浴槽の所在地にあり、湧出状況も良好である。
〈引湯〉利用源泉の引湯方法や引湯距離に問題なし。
〈泉質〉利用源泉は「療養泉」に該当する泉質である。
〈給湯〉源泉かけ流しである。
〈加水の有無〉加水は一切していない浴槽である。
〈新湯注入率〉浴槽内に充分な量の新湯が注入されていて新鮮である。
〔 2011/06/03内容補強のうえUP (2004/12/04レポをベースに最新状況を付加) 〕
【オープン後の情報】
----------------------------------------------
〔 2007/05/27レポ 〕
先日「自遊人」の無料パスポ利用で平日(初!)入ってきました。
平日のためか、それとも蔵の湯鶴ヶ島店の温泉開湯の影響か、信じられないくらいに空いていました。21時すぎで内湯5人、露天3人の計8人!
ほぼ全槽でオーバーフローし、週末まど底にしか溜まっていないブタのかけ湯がザンザコにあふれています。
当然のことながらお湯はよく、とくに露天源泉槽ではうす茶の湯の花が浮き、湯面でもアブラ臭がしていました。
水風呂もすばらしく、澄み切った水に灰色の湯の花を浮かべていました。
ほぼベストな状態のサイボクに入れたわけですが、源泉槽と内湯についていえば、週末の混雑時とさほど大きな差がなかったのにはおどろき。
オープン時はお湯がよくてもだんだんにダメになっていってしまう施設が多いなか、ここはじわじわと湯づかいがよくなってきています。
さすがに”品質のサイボク”か?
-----------------------------------
〔 2006/09/17日レポ 〕
本日入ってきました。
巾着田の曼珠沙華ブームの影響か大混雑。19時で男湯の入り込みはなんと102人!。
子連れ指数高く場内はプール状態。内湯はあきらかになまり気味で、にごりが入っていましたが、この圧倒的な入場数を受けてもお湯が破綻していないのは驚異。
露天の源泉槽は物理的にMAX4~5人に限定されるので、かなりの鮮度感を保っています。
ここは最低でも月に一度はきてますが、このところ湯づかいが安定し、露天源泉槽と内湯の差がほとんどなくなっていました。源泉露天は入りごこちが悪い(熱湯注入の位置が悪く、階段を登ってきた通過客が浴槽内を通るので落ち着かない)ので、最近はほとんど内湯にいますが、本日はさすがに露天に避難(笑)してました。
総計7g弱の食塩泉は濃すぎず薄すぎず、すこぶる入り心地のいいもので、最近はしっかりとアブラ臭もあるので、とても好きなお湯です。
施設も上質でゆったりしているし、18時からは土日でも1,000円で入れるので、定番化しています。
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〔 2005/09/24レポ 〕
夕方からの割引システム(ナイトプラン)を採用した日高のサイボク「まきばの湯」にいってみました。
ナイトプラン(大人:通常1,500→1,000、子供:通常1,000→700)はだんだんと条件が緩和され、現在は、通年18:00~、土日祝可となっています。(HPには緩和前のが載っています。)
さすがに混んでいましたが、ここは全体にゆったりつくられているので閉口するほどではありません。
お湯は、ゲキ混み順番待ち状態だった露天上段の源泉風呂より、むしろ内湯の湯口そばの方がよく、温泉スタンドと同様のアブラ臭が弱いながら感じられ、塩味もしっかりとありました。
混んでいたので、湯口から非加温非加水源泉を多めにいれていたように思います。
井水使用のつぼ湯も投入量が多く新鮮でよかったでした。
近場の連休夕方で、これだけのお湯を楽しめるのはなかなかにポイントが高いです。
(ただし、循環の大露天と洞窟風風呂は濁りが入って消毒臭がひどく、入る気になれませんでしたが・・・。)
【事前情報】
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埼玉の新顔2湯の情報です 〔 2004/06/14レポ 〕
1.サイボク天然温泉「まきばの湯」(埼玉県日高市)
オープン予定:6/24
料金:1,500円(大人)
営業時間:10:00~22:00
●「ちょっと高め」という情報が気がかりでしたが、やはり・・・。このエリアで1,500円はキツイなぁ。
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「サイボクハム」の日帰り温泉 〔 2003/06/13レポ 〕
埼玉県日高市の「サイボクハム」の日帰り温泉施設の概要が公表されました。(本日付朝日新聞朝刊第2埼玉欄)
名称:まきばの湯
オープン予定:来年6月
施設:延べ床面積約4千㎡ 地下1階 地上2階建、源泉槽、各種露天、サウナなど
投入費:約12億円
泉質、レポ済みですが再掲しときます。(略)
淡黄褐色透明でアブラ臭+臭素臭、塩味+苦味+微甘味の複雑な味のする典型的な化石海水系の食塩泉で、とてもいいお湯なので楽しみです。(混みそうですが~)
*稼働中の温泉スタンドは、「利用者が毎月1万人に上る人気ぶり」との事。
セルフ式3基、100円/20L。車横付け可(ガソリンスタンドタイプ)。100%源泉。
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サイボク天然温泉の泉質 〔 2003/01/11レポ 〕
本日、またもサイボクの温スタで汲んできました。
10/26のカキコで、「チラシや看板には誇らしげに浴感や効能が謳われてますが、分析表の掲示も公開もないのは疑問です。」
と書きましたが、分析表が掲示されてました(パネルへのリライトですが)(略)
やはりけっこう濃いですね、Brもかなりあります。
あいかわらず強烈なアブラ臭を振りまいてます ^^)
それと、郡司さんの「おもしろ温泉ゼミナール」を開催するみたいです。
3/2(日) 14:00~15:30 於:サイボクハム (予定)
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都幾川村温泉スタンド & サイボク天然温泉温泉スタンド 〔 2002/10/26レポ 〕
<都幾川村温泉スタンド>(9~17時、水曜休、問合せ先0493-65-1535(村役場))
「旅館とき川」とは別源泉。場所はONKEN21さんの詳細レポを...。
16時すぎにいきましたが、前後に2組程度で余裕をもって汲めました。
セルフ式1基、30円/20L、10・50・100円硬貨使用可、釣り銭返却なし、飲泉不可。
Na-塩化物温泉(等張性アルカリ性低温泉) 26.8℃、成分総計=8.712g/kg
Na^+=2920.0mg/kg (95.57mval%)、Ca^2+=99.5 (3.74)、Fe^2+=0.4、Cl^-=4191.0 (87.43)、SO_4^2-=583.6 (8.99)、HCO_3^-=259.3 (3.14)、CO_3^2-=10.8、Br^-=10.2、I^-=2.3、陽イオン計=3046.0 (132.90mval)、陰イオン計=5059.0 (135.20mval)、メタほう酸=577.9 <H11.8.23分析>
<サイボク天然温泉温泉スタンド>(埼玉県日高市、9~19時、問合せ先0429-85-0869)
少しまえにカキコしました、10/12にオープンのできたて温泉スタンド。
今年5 月に日高牧場跡地より湧出した温泉です。ファーマーズマーケットやレストランのある人気の「サイボクハム」の第2駐車場の奥にあります。
17時頃に行きましたがけっこう盛況でした。ポリタン(600円、20Lなど)も売ってます。
セルフ式3基、100円/20L。車横付け可(ガソリンスタンドタイプ)。100%源泉。
チラシや看板には誇らしげに浴感や効能が謳われてますが、分析表の掲示も公開もないのは疑問です。
Na-塩化物温泉(弱アルカリ性低張性温泉)、療養泉、pH=8.1、色は微黄色で塩味と微鉄味を有す (チラシより)
生け捕りにしてきた、都幾川村とサイボクの源泉を比較してみると...。
都幾川:微黄色透明で臭素臭、かなり強い塩味。
サイボク:淡黄褐色透明でアブラ臭+臭素臭、塩味+墨っぽい苦味+微甘味の複雑な味、あたたかい。(ゲット時38℃位?)
都幾川は喜連川第二、サイボクは喜連川早乙女からH2S臭を抜いた感じの芳香。
塩味は都幾川村の方が強いですが、サイボクの方が複雑な味臭がします。
まったくの推測ですが、お湯の感じからサイボクは溶存総量で3g/kg以上、Br^-=20mg/kg以上は優にあるかと思います。鉄分もけっこうあるのでは?
どちらもすばらしいポテンシャルをもった温泉かと・・・、近場で好みのアブラ臭と臭素臭が楽しめるのはうれしいことです。
これからもちょくちょく汲みにいきたいです。
とくに、サイボクは2004年頃に温泉施設を建設予定で、この泉質で40.6℃、922L/minというスペックをどう活かしていくのか、興味シンシンです。
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「サイボクハム」に温泉スタンド 〔 2002/10/11レポ 〕
温泉湧出が伝えられていた、埼玉県日高市の「サイボクハム」で12日から温泉スタンドが設置されるようです。(朝日新聞10/11朝刊西埼玉欄)
料金は100円/20L。
40.6℃、922L/min(2000M掘削)の弱アルカリ性泉で、色は「ほんのり黄色の琥珀色」?? とのこと。ガウスさんの情報(8/29)によると、Na-塩化物温泉とのことで化石海水系の食塩泉でしょうか? 楽しみです。
「2004年をめどに地域の日帰り湯治場を目指す『温泉館』を建設する計画」とのことです。
■ブランドグルメ
〔 サイボクのハム・ソーセージ 〕
数々の国際コンテストで受賞し、品質に定評があるサイボクのハム・ソーセージ。
受賞したメダルはじつに1,000個を越えるそう。
東北牧場(宮城県栗原市)、鳩山牧場(埼玉県鳩山町)、南アルプス牧場(山梨県早川町)の3つの牧場で丹精こめて育てられるオリジナル銘柄豚、ゴールデンポークやスーパーゴールデンポークからつくられる逸品です。
〔 2014/05/18最新情報補強のうえUP (2004/12/04レポをベースに最新状況を付加) 〕
E139.23.52.875N35.53.18.306
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■ 上尾温泉 「湯の道 利久 上尾店」
上尾温泉 「湯の道 利久 上尾店」
住 所 :埼玉県上尾市中分2-180-1
電 話 :048-783-9988
時 間 :10:00~25:00 / 原則無休
料 金 :650円(土日祝 750円)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
露天の「源泉かけ流し岩風呂」の湯づかいが変わったという情報があったので再訪してみました。
今回は南側「小敷谷」方面からの県道でアプローチしたのですが、しっかり電飾看板がありました。
ただ、やはり立地的には、「上尾道路」の開通待ちといったところでしょうか。
正面左手の足湯はなくなったかも?(掲示なし、外側のお湯はうかつにも確認しわすれ。)
受付の対応はあいかわらず親切で好感。開業時の入館6h制限は撤廃され、時間制限なしとなっています。
今回は土曜夜に行ったので、前回よりはかなり入っていましたが、埼玉南部のスパ銭としては空いています。(ここに行く前に「さいたま清河寺温泉」を偵察したが、下のPまでいっぱいの超盛況的雰囲気。ここは人工炭酸泉を新設してから以前に輪をかけた人気施設となっています。)
フィットネス「Q~fit」は前回よりはやる気をみせていて(笑)、限定ながら年会費5.250円で1年間使い放題という太っ腹なキャンペーンを展開中。
前回レポ↓との違いのみレポしますので、詳細は前回レポをご覧ください。
1.掛け湯
以前は源泉使用とみたが、おそらく井水使用となっている。これで、おそらく内湯ゾーンでの温泉利用はなくなり、温泉は露天ゾーンでの集中利用になったかと・・・。
2.内湯・水風呂
内湯は白濁湯に。入浴剤系の芳香は感じられなかったので、おそらく「絹の湯」「シルキーバス」などといわれるマイクロバブル系による白濁かと思われる。
ただ、あいかわらず井水の質がいいので入浴感はなかなか。
水風呂も上質ながらオーバーフローがすくなく、やや鮮度感に欠けるのは残念。
3.露天檜風呂
とにかく熱くおそらく44℃はあったかと思う。底面注入口の位置が悪くそこから熱湯を容赦なく注入するため、ただでさえ広くない浴槽の収容人数がよけいにすくなくなっている。お湯のイメージじたいは前回と大差なし。
4.メイン露天
ここも熱い。小露天からの落ち口右手に石組みの湯口が新設され、消毒済源泉と思われる湯温変動湯が相当量注入されている。前回よりあきらかに消毒気がつよいが、濃度感は強まっている感じも。
5.小露天
前回より湯温が上がっていてやぬる。ここも右手に石組みの湯口が新設され、消毒済源泉と思われる湯温変動湯が相当量注入されている。(メイン露天とここの新設湯口はおそらく同一系統のお湯とみられる。)
ここも前回よりあきらかに消毒気がつよく(よわいうがい薬臭+糊臭)、ややとんがったイメージのお湯に。その分、小露天とメイン露天のお湯の差は小さくなっている。
6.壺湯
以前より湯温はひくくぬるめ。よわい漢方薬系の臭いで消毒気はほとんど感じられない。
濃度感しっかりだがとろみを帯びてつつみこまれるようなやさしいお湯で、前回の小露天よりいいかも・・・。
壺湯は2つあるが奥のやつはなぜか底に浅くたまっているのみで入れず。1槽のみでは長時間占拠するワケにはいかず、じっくり入れなかったのが残念。
前回のレポで「ただ、湯口からの間欠投入は疑問。一気に大量投入するなら絞りでもいいので常時投入してほしいところ。」と書きましたが、現在常時投入となっています。
消毒がつよまっているのは、埼玉中部の有力施設がレジ菌症例発生により閉館となった状況を目の当たりにしてはいたしかたないところか・・・。
壺湯のお湯を見るにつけ、やはり相当の実力をもった源泉と思われるので、安全性と湯質のバランスをうまくとってほしいところです。
施設全体でみると「さいたま清河寺温泉」よりゆったりしているし、入り込みもすくなそうなので、週末など「さいたま清河寺温泉」の混雑を避けるにはいい施設だと思います。
〔 2013/01/27UP (2013/01入湯) 〕
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群馬県吉岡町にあるスパ銭「湯の道 利久」が、埼玉県上尾市に2012/04/20新規オープンしたスパ銭。
位置的にはJR高崎線「北上尾」駅から西側荒川方面に3kmくらいのところ、県道57浦和鴻巣線「中分」交差点のそばです。
この交差点は変則で、かつややおくまっているので、目立つ「ケーヨーデイツー」に気をとられていると確実に見落とします。
この日は夜、北上尾方面から県道57でアプローチしたのですが、分岐を見落とし一周しての到達となりました。
前に「ケーヨーデイツー」のPがあり、そのおくにちょっとスパ銭的じゃない体育館的な建物、しかも(たしか)県道に向けて電飾サインがなかったのでわかりにくいです。
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 正面から
Pはたくさん。正面はさすがにスパ銭的装いをみせていますが、なんとなく大味。
玄関左手に大きな足湯。この足湯の左端にある石の湯口からは、おそらく源泉を入れていると思います。
【写真 上(左)】 玄関と左手に足湯
【写真 下(右)】 足湯の案内
スタッフの応対はとても感じのいいものでした。
1階に土産品ショップ、食事処「楽座」、個室(露天付きもあり)、2階が浴場フロアです。
2階正面にフィットネスがありなんとなく浮いています。チラシに載っていなかったので、暫定利用かも・・・。
手前に溶岩浴、左が男湯、右が女湯で固定制のようです。
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 玄関の温泉案内
脱衣所はたっぷり広め、というか余分なスペースがあってがら~んとした感じも。
浴場に入って左手が内湯「風花の湯」、右手が露天「朝霧の湯」。
女湯の内湯は「羽衣の湯」、露天は「夕霧の湯」と、それぞれ風雅なネーミング。
女湯にはパウダールームがあります。
<内湯「風花の湯」>
白い床面、青磁色壁面&黒いエッジ材のシャープな色味で構成され、やや無機質な印象。
パネル天井は高くなく、やや閉塞感のあるイメージながら、換気が効いていてこもりはほとんどなし。
入ってすぐ右手に掛け湯。これは少量間欠投入ながらにごりもあって、お湯の感じからしても源泉かと思います。(2013.1時点では真湯か?)
右手から時計まわりにアカスリ、高温サウナ、水風呂、機能浴槽(真湯)、洗い場、座湯、内湯(白湯、20人位)とローマ風呂風円形の炭酸泉。
スパ銭ご用達アイテムはほとんど揃っています。
内湯には掛け湯をのぞき温泉利用の浴槽はなさそう。
内湯と水風呂はおそらく井水使用と思われ、若干のとろみも感じて悪くないです。
カルキをほとんど感じないのも好感。
カランセパ型6+15の計21、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
平日19時で10~20人ほどと埼玉南部のスパ銭にしては空いています。
<露天「朝霧の湯」>
ピロティタイプの露天で、塀に囲まれ展望はききませんが風はよくとおります。
ただ、緑がすくないのでちと殺伐とした印象。
右から時計まわりに、壺湯×2(陶製1人)、メイン露天(石組石敷数10人)とその右手おく上段に小露天(同5-6人)。
その右手に寝湯「浮雲の湯」と檜風呂がならんで配置されています。
確信はもてませんが、ほとんどの浴槽は温泉使用かと思います。
メイン露天(下段)は、上段小露天からの流し込み&底面注入で、底面吸湯&側溝への上面排湯。
小露天は変形の石の湯口からときおり(10分毎くらいか?)大量投入(湯温は変動)で底面注入口からの注入は不明。
槽内排湯は見あたらず、おそらく投注入全量を下段小露天への流し出し。
チラシではメイン露天と小露天をあわせて「源泉かけ流し岩風呂」としていますが、下段はなんとなく循環併用のような感じも・・・。
上段小浴槽はお湯の感じからしてかけ流しにちかいのでは?
檜風呂はいい木材をつかっているようで、どっしりとした質感。
檜の湯口からの間欠投入+底面注入で、側溝への上面排湯。
湯温は、壺湯が適温、メイン露天と檜風呂がやや熱、小露天はぬるめ。
吉岡の利久も上段源泉槽から下段に流し込んでいますが、あちらはゲキ熱湯。こちらはぬる湯なので逆ですね。
【写真 上(左)】 足湯-1
【写真 下(右)】 足湯-2
お湯は小露天とその他の浴槽であきらかにちがうので別々にレポします。
<小露天>
緑茶色ささにごりで茶色の浮遊物が少量。しっかりとした塩味にかすかに甘味がまじり、よわい泥臭を感じます。
ひっかかるような湯ざわりととろみ。
鮮度感はさほど感じないものの、えらく当たりのやわらかなやさしいお湯でなごめます。
ただ、湯口からの間欠投入は疑問。一気に大量投入するなら絞りでもいいので常時投入してほしいところ。
全体に527L/minという豊富な湯量のダイナミック感を楽しめなかったのはちと残念。
<その他の温泉槽>
うすく茶色がかって茶色の浮遊物少量。塩味は小露天とさほどかわらずほぼ無臭。(檜風呂のみよわいうがい薬臭。)
お湯のイメージはなんとなく川越の「小江戸はつかり温泉」を思い起こしました。(モール系入っているのでは?)
よくあたたまり湯上がり感も上々。浴後は肌がしっとり落ちつき、さりげに美人の湯では?
浴感もしっかりあるし、悪くはありません。
悪くはないが、なんとなくインパクトに欠ける(というか浴感に華がない)ような感じがしました。
【写真 上(左)】 足湯の湯口-1
【写真 下(右)】 足湯の湯口-2
お湯は悪くないし、設備はひととおり揃っているし、料金もリーズナブルだし、これが日帰り温泉稀少エリアだったら集客ぜんぜん問題なしでしょう。
ただ、ここは車で一走りすると県南屈指の人気施設「さいたま清河寺温泉」があります。
「さいたま清河寺温泉」はこのところさらに湯づかいがよくなっているし、泉質的な面白さも充分なので、温泉好きはどうしてもそちらに流れてしまうかな?
また、露天の風情も清河寺のほうが上かと・・・。
埼玉初進出、候補地などいろいろと検討したかと思いますが、強豪、「清河寺」に挑戦状をたたきつけるような立地、しかも場所的にわかりにくいところに出店したのはなにか事情があったのかな?
ただ、近場の客や「さいたま清河寺温泉」の混雑を避ける客は安定してとれるだろうし、近くに広域幹線道路「上尾道路」の開通も予定されているので、そのときには商圏も変わってくるのだと思います。
〔 源泉名:上尾温泉 利久の湯 〕 <H22.11.5分析>
Na-塩化物温泉 40.2℃、pH=7.67、527L/min掘削揚湯、成分総計=5678mg/kg
Na^+=1899mg/kg (87.05mval%)、Ca^2+=155.4 (8.17)、Fe^2+=2.3、Cl^-=3167 (94.60)、Br^-=13.3、I^-=2.9、HS^-=0.02、HCO_3^-=296.9 (5.19)
陽イオン計=2134 (94.89mval)、陰イオン計=3483 (94.44mval)、メタけい酸=44.7、メタほう酸=16.7、遊離炭酸=8.7
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過:実施 塩素消毒:実施
■ブランドグルメ
〔 榎本牧場のジェラートアイス 〕
上尾市の荒川寄りにある乳牛の牧場で、「搾りたての牛乳をたっぷり使ったアイス」を製造販売しています。
ジェラートアイスはたくさんの種類があって通販もしているようです。
「利久」のチラシにはここのソフトクリームを販売とありましたが、確認しわすれました(^^;)
〔 2012/05/22UP (2012/04入湯) 〕
E139.33.38.731N35.58.13.217
【 BGM 】
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■ 北本温泉 「北本温泉 湯楽の里」
北本温泉 「北本温泉 湯楽の里」
住 所 :埼玉県北本市二ツ家3-162-1
電 話 :048-590-4126
時 間 :9:00~25:00 / 原則無休
料 金 :750円(土日祝 800円) 会員各100円引
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
2002/3/13にオープンした温泉スパ銭。2012/07/20にリニューアルをかけていますがリニューアル前施設のレポです。
R17とJR高崎線の間を走る県道164鴻巣桶川さいたま線(旧中山道)沿い、県道164と33が交差する「二ツ家」交差点の南側。
位置的には桶川駅と北本駅の中間くらいです。
マツキヨ、AOKI、ラーメン店などどおなじ敷地内にあり、ロードサイド店的ロケーション。
非常に安定感のあるスパ銭的つくりで、食事処、カットサロン、マッサージ、休憩コーナーなど、スパ銭ご用達アイテムはほとんど揃っています。
他の湯楽の里にくらべ、ゆったりとした感じがあるのも好感。
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 エントランス
左が男湯、右手が女湯の固定制のようです。
浴場はスパ銭としてはめずらしい回廊様式で、なかなかいい感じ。
各種機能浴槽に中温サウナ、高温サウナを備えてアイテム充実。
うち、露天の壺風呂(陶製1人)×3、と露天の2槽が温泉槽のようで、館内掲示によると壺風呂と露天の「上の湯」が”加温かけ流し”となっています。
なお、2012/07のリニューアルでは、ロウリュウサウナや高濃度炭酸泉が導入され、さらにお楽しみが増えているようです。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 施設案内図
水風呂と白湯は真湯ですが、弱とろみと指先の青白発光があって、きしきしした湯ざわりはむしろ温泉槽より強いもの。軽さを感じるお湯で、かなり上質な井水とふみました。
浴槽まわりに石膏っぽい析出も出ているので、若干の硫酸塩成分を含んでいるかも。
水風呂は18℃くらいの入りごろで、「循環」掲示ながら鮮度感はかなりのものがありました。
カラン34、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜15時で50人以上いる盛況ながら、適度に分散しているので混雑感はさほどありません。
壺風呂は竹樋の湯口投入+側面注入でオーバーフロー。
露天は10人以上の石組浴槽がふたつで、軒下タイプで屋根掛けがあります。
手前「下の湯」がややぬる、おくの「上の湯」が適温~やや熱。
おのおのの石組みの湯口には石灰華と赤茶の変色がでていて、湯口の湯温は変動しています。
いずれも上面排湯口からの排湯で、湯口から排湯に向かうにつれて、うす茶の変色がつよまっていきます。
お湯は無色透明~うす茶うすにごりで白い浮遊物が少量浮かびます。
ほぼ無味で、全体によわいカルキ臭があるもののさして気になりません。
ぎしぎしにツルすべが入りまじる繊細な湯ざわりで、よくあたたまります。
pH高めで重炭酸土類系が入っているせいか、どこかクセもの的で、温泉らしい力感を感じます。
また、析出や変色の加減からして、徐鉄・濾過はないか、あってもよわいものかと思います。
温度規定ぎりぎり(28.5℃)のアル単という先入観でいくと、意外に入りごたえのあるお湯にびっくり。イメージ的には佐久あたりのお湯にちかいものを感じました。
温泉と井水、ともに楽しめるのも好感。
掲示類はとてもしっかりしていて、どちらかというと非力な泉質を、湯づかいでしっかりカバーしている感じ。
ゆったりとした回廊づくりとともに、好感度の高い施設となりました。
〔 源泉名:湯楽の里 北本温泉 〕 <H17.1.12分析>
アルカリ性単純温泉(Na-HCO3・Cl型) 28.5℃、pH=8.7、207L/min(1,410m掘削揚湯)、成分総計=379.9mg/kg
Na^+=100.5mg/kg (91.27mval%)、Ca^2+=4.5 (4.59)、Fe^2+=0.6
Cl^-=73.6 (43.78)、HS^-=0.2、SO_4^2-=4.1、HCO_3^-=147.1 (50.73)、CO_3^2-=3.0
陽イオン計=109.9 (4.79mval)、陰イオン計=230.4 (4.75mval)、メタけい酸=37.8、メタほう酸=1.8
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:一部あり 塩素系薬剤使用:あり
<同(詳細)>
壺風呂・上の湯:加温かけ流し 下の湯:加温循環
※スパ銭にはめずらしく日本温泉協会の「温泉利用証」がありました。
(女性露天風呂/岩風呂 上の湯/2005/09/01)
・循環装置なし、源泉を常時浴槽に注いでおり、循環はしていません。(完全放流式)
・新湯注入量:毎分100L、浴槽が満たされるまでの時間:1時間19分
・通年塩素系薬剤を適宜投入しています。
■ブランドグルメ
〔 北本のトマト(石戸トマト) 〕
北本ではふるくからトマトが特産品とされ、「石戸トマト」の名で全国に知られていたそうです。
粒の揃わないものもトマトクリームなど、加工品として有効利用されていて、いまも、大福、羊羹、まんじゅうなど、多くの加工品がつくられています。
〔 2013/01/06UP (2010/02入湯) 〕
E139.33.26.497N36.0.34.741
〔 BGM 〕
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■ 早稲田天然温泉 「めぐみの湯」
住 所 :埼玉県三郷市仁蔵193-3
電 話 :048-957-7777
時 間 :10:00~24:00 / 原則無休
料 金 :800円(土日祝900円)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
■ 紹介ページ (ぽかなび.jp)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
2006/04/27に正式オープンしたお湯に定評のある日帰り温泉施設。
外環三郷西IC、草加方面からだとICを下りて少し先の側道から常磐道の側道に入り、2km弱走った突き当たりを右折、すぐの信号を左折しJR武蔵野線のガードをくぐってすぐ左折(仁蔵の信号)すると右手に見えてきます。
場所的にはJR武蔵野線「三郷」駅と「新三郷」駅の中間くらいの線路脇。
以前は三郷中央・三郷・吉川の各駅から送迎バスがありましたが、現在は廃止されています。
オープン時は1,300円タオル付(会員1,000円)でしたが、2010年11月に平日600円土休日700円と大幅値下げ。2012/10/01にふたたび値上げし、現在平日800円土休日900円となっています。
元配送センターの跡地に建てられたとおぼしきこの施設。外観は箱形で特徴に乏しく、施設構成もシンプルで、いわゆるスパ銭仕様ではありません。
1Fに受付と会員制スイミングプール、ELVで2Fにあがると温浴フロアです。
食事処、手もみ処、休憩場、個室風呂×2と男女別の浴場があります。
男女湯は固定制のようで、男湯が左手です。
この施設は全体に空間どりがゆったりとしていますが、脱衣所も広め。
セパレート型のドライヤー処もゆったり配置されてつかい勝手がいいです。
内湯ゾーン手前に洗い場、サウナ、水風呂、奥に左から大内湯(赤みかげ石枠青石タイル貼10人弱、39℃)、浅めの小内湯(同4人、やや熱め*)、真湯槽(4人)の3槽。
*)2012/12時点ではややぬるめに設定されています。
水風呂はすぐれもの。おそらくかけ流しでカルキ気なく20℃ほどと入りごろ。やや緑味を帯びてわずかにうす茶の浮遊物を浮かべています。よわい金気味に金気貝汁臭。とろみをおびてただならぬあと曳き感とよわいながら収斂感もあり、金気まじりで弱酸性に振れた水質とみましたがどうでしょうか。
首都圏では東鷲宮百観音温泉とならぶ逸品の水風呂かと思います。
「虹の湯」となづけられた露天ゾーンに奥から大露天(岩+鉄平石枠鉄平石敷10人強、適温)中露天(同4-5人、やや熱め)、小露天(同3-4人、ややぬる)の3槽を配置。
露天は軒下的ながら風がとおりそこそこ開放感もあります。チェアがたくさんおかれているものナイス。
なお、男女湯露天はシンメトリではなく、女湯には壺湯があります。
カラン23(内セパ式7)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
料金改定を受けて入り込み具合に変動はあるものの、スパ銭などとくらべておおむね空いていてゆったりと入れます。
すべての温泉槽は赤茶に色づき石灰華系の析出のでた石(岩)の湯口から熱湯(非加温源泉だと思う)を投入し、側溝 or 排湯口への上面排湯。
湯口は50℃近くもあり、掲示によると「非加温」とのことなので、泉温(45.4℃)が上昇した可能性も。
槽内注排湯は確認できず、自信あふれる掲示類やお湯の感じからしてもおそらく温泉槽はすべてかけ流しかと思います。
お湯は透明度5~20cmほどの黄土色にごり湯で、鮮度がいいと緑味を帯びて透明度が増し、鮮度が落ちると赤味がかって透明度が落ちます。当然、鮮度感もこれに比例します。
以前は小内湯の湯口そばの鮮度感がベストでしたが、いま(2012/12現在)は投入量を絞っているので小露天湯口そばのコンディションがベストです。
強鹹味+弱金気だし味+微苦味。鉱物系アブラ臭+金気貝汁臭+アンモニア臭+ヨウ素?臭+臭素?臭が入り混じった、化石海水系らしい湯の香が湯面でも高く香ります。
土類系成分に重曹分が抑え込まれてギシギシとした湯ざわり。湯あがりはややぺとつくものの、意外に湯切れよく爽快な浴後感。
ただ、力感あふれる高張泉なので浴後はほどよい湯づかれ感がでます。
強食塩泉らしい重厚な浴感とつよい温まりを備えたお湯で、よく発汗し水分をしこたまもっていかれます。とくに熱湯槽は長湯不可で浴槽まわりにトド続出。
食塩と土類+金気で怒濤のように攻めてくるので、正直、温泉慣れしてないと辛いものがあるかも・・・。
湯色といい味臭といい、イメージ的には市川の「法典の湯」に似ていますが、重曹気が表面に出てきていない分、こちらのほうが凶暴な感じ。
また、金気がよく効いていて、首都圏ではもっとも有馬の金泉(入湯済未レポ)に近いニュアンスがあるのでは?
それにしても、化石海水型強食塩泉をこれだけ潤沢につかう施設は貴重。
スペック的にもっと強力(濃厚)な施設はいくらもありますが、ここまで湯づかいよく、源泉の力を体感できる施設はちょっと見あたりません。
二宮温泉 「みどりの湯 船橋・田喜野井店」のレポで、「南関東の化石海水系で正統派の東横綱を三郷早稲田の「めぐみの湯」とするならば、クセモノ系西横綱はここになるのでは?」と書きました。
しばらくぶりに入ってみて、やはりこの感想に変化のないことを実感。
ファミリー客などスパ銭的なアミューズ感を求める向きはさておき、とくに濃厚温泉マニアは見逃せない泉質・湯づかい重視の好施設だと思います。
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【オープン時の感想】
一度行くと無料で会員になれ、次回から1,000円で入れるようですが、それならばいっそのこと料金1,000円(できればタオルなし980円 ^^; )にしてしまえば、入り込みはぜんぜん違うと思いますがどうでしょうか。
外観や建物じたいには料金1,300円なりの質感はうすいのですが、洗い場のシャンプーやドレッサーの備品類などはさすがに高級品をつかっていてなんとなくチグハグ。やや無機質であちこちに無意味に広い空間があったりして、ここらへんは旧緑営グループの施設に似た雰囲気かな。
食事は軽食しか食べませんでしたが、なかなか凝ったメニューがあって期待できるかも・・・。
なんといってもお湯のインパクトが凄いので、料金1,000円ならば、再訪したい施設だと思います。
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〔 源泉名:早稲田天然温泉 めぐみの湯 〕 <H16.8.3分析>
Na-塩化物強塩温泉 45.4℃、pH=7.2、300L/min(約1,500m掘削揚湯)、成分総計=24.44g/kg
Na^+=8190mg/kg (86.42mval%)、K^+=91.6、NH4^+=16.7、Mg^2+=338.0、Ca^2+=491.9、Fe^2+=8.3
Cl^-=14750 (98.70)、Br^-=51.2、I^-=19.9、HCO_3^-=281.9
陽イオン計=9137 (412.2mval)、陰イオン計=15110 (421.5mval)、メタけい酸=83.1、メタほう酸=83.3
<パンフ掲載>
加水:なし 加温:なし 循環ろ過:なし 薬剤処理:なし
〔 パンフ掲載より 〕
当館の温泉は「加温・加水・濾過・薬剤処理」を一切せず、地下1,500mから湧き出たお湯をそのまま湯船へ供給しております。濾過をしないため、そのお湯を贅沢に掛け流しております。
■ブランドグルメ
〔 みさと小松菜漬 〕
あくがすくなくつかいやすい冬野菜として人気が高いコマツナは、東京都江戸川区小松川発祥とされますが、そこから近い三郷も名産地として知られています。小松菜にちなむ加工品がいくつかあり、三郷市商工会Webでは三郷市特産品として「みさと小松菜漬」が紹介されています。
〔 2012/12/09内容補強のうえUP (2006/12/01レポ (2006入湯)/以降20回以上入湯 〕
E139.52.53.375N35.50.54.514
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■ 清河寺温泉 「さいたま清河寺温泉」
清河寺温泉 「さいたま清河寺温泉」
住 所 :埼玉県さいたま市西区大字清河寺683−4
電 話 :048-625-7373
時 間 :10:00~25:00 / 原則無休
料 金 :700円(土日祝 800円) ※会員各50円引
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (ぽかなぴ.jp)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
2012/11/6~8で休館し、2012/11/09リニューアルオープン、リニューアル後のレポです。
おもな変更点は以下のとおり。
1.内湯温泉循環槽(檜湯)が高濃度炭酸温泉になっている。
2.内湯白湯槽が薬用風呂(入浴剤入)になっている。
露天に大きな変更はありませんが全体に加温を抑えぬるめになっている印象。
また温泉臭はややつよくなっているような気もします。
その結果、かなり熱めで敬遠されていた露天源泉あつ湯に客が入るようになっています。
反面、生源泉槽がかなりぬるく、いつになくすいていました。
さて、注目の高濃度炭酸温泉です。
右手底面注入口と檜の湯口の2ヶ所から気泡とともにお湯が注がれています。
湯口そばではコップにサイダーを注いだがごとくシュワシュワと白く泡立っています。
強力なアワつき、炭酸収斂感などから1000mg/kgは優に超えているとみられます。
湯面にただよう炭酸が息苦しいほどで、すこし炭酸をよわめるか、換気をつよくしたほうがいいかも・・・。
また、温泉をつかっているとのことで浴感はかなり強烈。長湯は控えたほうがいいかもしれません。
オーバーフローはなく、快適だった檜湯よこの「掛け流し座湯」はお湯の流れ出しがなくなったのはちと残念。
なお、浴槽よこに「温泉法では炭酸濃度250mg/kg以上が炭酸泉として定義され、1000mg/kgは高濃度炭酸泉とされる。」といったニュアンスの掲示がありましたが、これは間違いです。
温泉法では炭酸濃度250mg/kg以上で”温泉”に規定されるに過ぎず(規定泉)、泉質名は環境省鉱泉分析法指針に基づいて付されますが、1000mg/kg以上で炭酸泉となり、高濃度炭酸泉という泉質はありません。(→ 療養泉と規定泉参照)
2012/04/20に近場にオープンし炭酸泉を装備している「湯の道 利久 上尾店」を意識してのリニューアルにも思えますが、これまでいまいち人気がなかった内湯白湯や露天源泉あつ湯に客がまわるようになったのは成果だと思います。
もともと埼玉屈指の人気施設でしたが、スタンプカードも導入され、これまで以上に集客力を高めている印象。
週末夕方に行きましたがこれまでにないほどの大混雑で、正直落ち着いて入れず。
ゆったり入るなら平日のほうがいいかと思います。
〔 2012/12/02最新情報UP (2012/11入湯) 〕
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県南有数の人気施設となった「さいたま清河寺温泉」。
ここは平日に早く帰れたときなどついつい足が向いてしまいます。
月1ペースで入っているのでもう数十回の入湯になっていると思いますが、オープン時から変わっているところについて、最新情報をまじえてリニューアルUPします。
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【写真 上(左)】 案内板
【写真 下(右)】 エントランス
2003年秋に一時開放され、埼玉のお湯とは思えぬ鮮度感と潤沢なアワつきで伝説と化した仮設浴場(レポ)の正規施設で、施設のできやお湯のよさから県南屈指の人気を誇る日帰り施設です。
場所は、R17新大宮バイパスとR16が合流する「宮前IC」の西北、「清河寺」の六叉路から県道216上野さいたま線を上尾方向に少し走った右手(カインズホームの少し手前)にある「マルハン清河寺店」のとなりです。
施設前の第1Pは週末はほとんど満車状態で、たいていは「マルハン清河寺店」と共用の裏手Pに停めることになります。
(なお、以前は「パチンコCube」という、ややぱっとしないP店でしたが、いまはメジャーな「マルハン」となって流行っているようです。)
典型的なT岡設計仕様の和風スパ銭で、採光のよいあかるい館内。
当初、休憩スペースがすくなかったのですが、いまは浴場よこにゆったりとしたうたたね処(休憩室)が増築され改善されています。
浴場は男女固定制で手前が女湯、奥が男湯。
脱衣所は広くなく、たいていごったがえしていますが、露天側に屋外ポーチがあるのは優。
【写真 上(左)】 新設されたうたたね処
【写真 下(右)】 浴場入口
内湯ゾーンに檜湯(檜枠木目調磁器タイル貼10人、温泉、加温循環表示あり)、各種機能浴槽(真湯)、白湯槽(石タイル貼5人、真湯)、サウナ、水風呂(カルキ臭弱、常に冷たい)。
サウナはあかり採りのあるあかるいもの。
水風呂前のぬる湯かけ湯はなかなか気がきいています。
カラン26、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
週末はもちろん平日夜でもかなりの入り込みがある人気施設ですが、浴場のスペースがゆったりしているので、イモ洗いになることはあまりありません。
内湯は赤茶に色づいた石の湯口から大量投入、側面注入、底面吸湯ありでオーバーフローなし。
やや赤味がかったうす茶色透明のお湯は、うがい薬がかった薬品臭ながら濃度感はしっかりとあります。やや熱めでよくあたたまり、なぜか明瞭なとろみがあります。
水風呂は井水と思われ水質がいいですが、たいていやたらに冷たいです。
白湯槽も井水使用と思われ、湯中の指先がよわく青白発光し、よわいとろみも感じられて硫酸塩泉系浴感。
カルキは若干感じるものの、清澄なイメージであたたまりは温泉槽よりむしろつよいほど。
かならず何回が入るマストアイテムになっています。
露天はなかなかにすばらしいでき。背景に大きな竹林が広がり、さわさわと竹林を渡る風の音がここちいいです。
よくある和風露天ですが、周辺環境と浴槽配置が優れていて、風情あふれる露天に仕上がっています。
首都圏のスパ銭系ではもっともすぐれた露天のひとつかと思います。
(ただ、北風の通り道なので、冬場はかなり寒いです。)
右手手前から、生源泉湯(鉄平石造円型10人)、源泉岩風呂(岩+鉄平石造20人以上、東屋付)、源泉あつ湯(石枠鉄平石貼7-8人)、つぼ湯(陶製1人×2)、寝湯(3人)、寝ころび湯(6人)と多彩。
生源泉湯は中央みかげ石の湯口から投入でオーバーフロー。
源泉岩風呂は源泉あつ湯からの流し込み+岩の湯口からの投入で、寝湯側の排湯路への流し出し。
源泉あつ湯は石樋の湯口から熱湯を投入で源泉岩風呂への流し出し。
すべての湯口は鉄分の赤茶変と石灰華がでています。
HPによると露天の温泉槽はすべてかけ流しのようで、お湯の感じからしてもまちがいないかと・・・。
■生源泉湯:35℃、黒い浮遊物わずかに浮遊。空いていれば鮮度感高いが、人気浴槽なので混むとお湯がなまり気味になる。アワつきあるがタイミングにより量は変動。
■源泉岩風呂:40℃位、黒&うす茶の浮遊物あり。広め浴槽ながらコンディションいいときはかなりのアワつきがあるのは立派。
■源泉あつ湯:42℃位、浮遊物見あたらず。アワつきはたいていなし。
■つぼ湯:37℃位、ここはオープン当初いまいちだったが、いつのころからか非常に湯づかいがよくなり、たいていベストコンディション。潤沢なアワつきと香り立つ温泉臭。
■寝湯:ややぬる。底面から源泉を注入していてかなり状態がよい。
湯色は緑灰色で、透明度60cmくらいのうすにごりを呈しています。
いずれも湯口で塩味+重曹味+金気だし味(けっこう美味しい ^^; )、新鮮な金気による貝汁臭。
(各槽でコンディションにより、これに重炭酸土類泉系焦げ臭、天然ガス臭などが加わります)。
重曹泉系のよわいツルすべと重炭酸土類泉的な染み渡るような浴感。
あたたまりは成分濃度にくらべつよい方ではないですが、浴後もほっこり感が持続します。
ここは、オープン時から次第に湯づかいがよくなってきています。
こういうのはなかなかすくないのですが、埼玉では「サイボク天然温泉 まきばの湯」、「埼玉スポーツセンター 天然温泉」などがあります。
こういう地道なオペレーションの積み重ねが、好施設、杉戸天然温泉「雅楽の湯」を産み出したのだと思います。
すぐれものの浴場とすばらしいお湯、埼玉を代表するハイレベルな日帰り温泉としておすすめです。
【写真 上(左)】 オープン時の外観-1
【写真 下(右)】 オープン時の外観-2
<オープン時の状況>
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どれもなまった感じはないものの、源泉あつ湯とつぼ湯はなんとなくお湯に勢いが感じられず、ほとんど生源泉湯&源泉岩風呂(ここがいちばん空いてる)にいました。
源泉岩風呂はアワつきや浮遊物が多く、温泉臭も他の浴槽よりややつよいような気がしました。
アワつきは仮設時の加熱浴槽程度はあったと思います。(時間により変化していた)
生源泉湯は、アワつきはわずかですが、絶妙のぬる湯で長湯し放題。
味からみて濃度はかなりあるのに、重曹が緩衝剤になっているためかすこぶるおだやかなお湯です。
お湯に個性を求める人は源泉岩風呂、鮮度感や癒しを求める人は生源泉湯かな?(笑)
連れによると女湯の生源泉湯はかなりすごいアワつき湯だったらしく、逆に源泉岩風呂はほとんどアワつきはなかったそう。
隣あっているのにこのアワつき量のはげしい落差は疑問です。
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源泉の素性がよく、スパ銭としては湯づかいもいいのでお湯はかなりのレベルです。
重曹泉系の爽快感と適度な湯づかれがでる浴後感は仮設時と同様で、やはりなかなかのお湯とみました。
ただ、仮設浴場のインパクトがあまりに強かったので、生源泉湯についてはなにか釈然としないものが残りました。
仮設時には関東有数のアワつき湯ということで話題を呼んだだけに、評価はわかれるところかも。(ガス抜き装置を通さないと、やっぱりヤバイのかな・・・?)
それでも、入りやすいスパ銭だしお湯もいいので、週末大盛況状態がつづいていくと思います。
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※源泉岩風呂のアワつきについては、ONKEN21さんも指摘されていましたが、源泉直の気泡(ガス)というよりは、加温による重曹分の分解で発生した炭酸ガスによるものかもしれません。
〔 源泉名:清河寺温泉 〕 <H21.12.14分析>
Na-塩化物温泉 38.3℃、pH=7.9、湧出量不明(1,500m掘削揚湯)、成分総計=4.109g/kg
Na^+=1411mg/kg (92.50mval%)、Ca^2+=59.1、Fe^2+=0.6、Cl^-=1987 (85.69)、HCO_3^-=563.8 (14.13)
陽イオン計=1540 (66.36mval)、陰イオン計=2555 (65.41mval)、メタけい酸=36.9、メタほう酸=7.9、遊離炭酸=5.7
〔 源泉名:清河寺温泉 〕 <H11.7.27分析>
Na-塩化物温泉 38.3℃、pH=7.71、480L/min掘削揚湯、成分総計=4.690g/kg
Na^+=1580mg/kg (91.97mval%)、Ca^2+=71.6、Fe^2+=0.4、Cl^-=2343 (87.33)、HCO_3^-=576.6 (12.49)
陽イオン計=1695 (74.73mval)、陰イオン計=2925 (75.68mval)、メタほう酸=8.1 、遊離炭酸=13.2
<温泉利用掲示>
●生源泉湯:
加温、循環ろ過、塩素消毒はしていません。
●源泉あつ湯・源泉岩風呂・寝湯・寝ころび湯・足湯・壷湯:
加温しています。循環ろ過・塩素消毒はしていません。
●桧湯:
加温、循環ろ過、消毒消毒しています。
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清河寺温泉続報 〔 2006年2月24日レポ 〕
平日夜にはじめて行ってみました。
回数券買ってしもた。回数券買うと無料招待券を1枚もらえます。(2月末まで)
お湯は前回レポと近いですが、源泉岩風呂のアワつき量は前回より増えていて、湯口のガス臭と焦げ臭が強まり浴感がパワーアップしています。
生源泉湯は32℃とぬるく、ザコザコオーバーフローながら、アワつきはあいかわらずほとんどありませんでした。
連れによると女湯の生源泉湯はアワつき好調だったそうですが、他の浴槽ではアワつきは感じられなかったそうです。
前回レポでは、「源泉岩風呂のアワつきは、加温による重曹分の分解で発生した炭酸ガスによるものかも?」と書きましたが、そうだとすると、さらに加熱のつよい源泉あつ湯で、もっとアワつきがみられるはずです。
そこで、大胆な(笑)推理をしてみました。
1.源泉供給ラインは2系統ある。
2.ひとつはメタンガス除去を強くかけていて、もうひとつはさほどかけていない。
3.メタンガス除去のすくないラインは、女湯生源泉湯と男湯源泉岩風呂でつかい、多いラインはその他のかけ流し槽でつかっている。
これで、男湯と女湯の生源泉湯のちがい、男湯源泉岩風呂の特異なアワつき、男湯生源泉で鮮度感あるのにアワつきがない理由などが説明できますがどうでしょう???。
ぜんぜん違うか・・・ (^^;;
生源泉湯は入り心地よくいくらでも入れそう、源泉岩風呂はお湯がいきいきとしていてパワーがあります。どちらもいいですが、個人的には源泉岩風呂のほうが好きかな。
〔 2012/12/02内容補強のうえUP (2006/02/05レポ (2006年2月のオープン以来数十回入湯)) 〕
E139.35.7.080N35.55.49.919
【BGM】
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■ 見沼天然温泉 「小春日和」
見沼天然温泉 「小春日和」
住 所 :埼玉県さいたま市見沼区染谷3-191 (旧 大宮市)
電 話 :0278-50-1500
時 間 :10:00~24:00(土日祝 9:00~) / 原則無休
料 金 :800円(土日祝 900円)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (Yahoo!ロコ)
■ 紹介ページ (ぽかなび.jp)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
2009/12/28にオープンした新鋭日帰り温泉施設。2012/09の最新情報を追加してリニューアルUPです。
ONKEN21さんの速攻レポ(温泉みしゅらん)あり。
小春日和(こはるびより)という名前は日帰り温泉施設としては異色ですが、やわらかでかわいいイメージのあるいいネーミングだと思います。
「静寂の地見沼の自然に贅の限りをつくした小春日和。やわらかな光が降りそそぐかのごとく小春日和と名付けました。」(from HP meta name="description" content=")
ちなみにここではど~でもいいことですが(笑)、「小春日和」とは、早春に訪れる春めいた暖かな日ではなく、晩秋から初冬にかけて、大陸からの移動性高気圧に覆われた、暖かくおだやかな天候のことをいいます。なので、俳句では「小春日和」は冬の季語。
さらに源泉名は「染谷天然温泉 花みずき」。なんとも風流なことばに彩られた施設です。
大宮駅東口から東に向かう県道を走り、「東新井」交差点をすぎてしばらく行った「片柳コミュニティーセンター入口」交差点(右手にスーパー「モリヤ」、看板もあり)を左折、あとは看板にしたがっていくと到着。
片柳小の先あたりから斜め左に入るショートカットルートもありますが、道が細く入り組んでいるのでおすすめできません。
JR京浜東北線「北浦和」駅からほぼ毎時無料送迎バスも出ているので電車客も便利。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 玄関前の庭園
広大な敷地をもっていてPはたっぷりで、外構を広くとった余裕のあるつくり。
玄関前や中庭の庭園はとても立派ですが、このあたりから川口安行にかけては、江戸の大名庭園を支えた造園・園芸のメッカ。このくらいの造作はふつうの感覚なのかも・・・。
ちなみに、玄関先で挨拶をされていた着物姿の上品な女性(女将さん)によると、ここは元農家だったので、敷地はたっぷりとれたとのこと。
館内はとくに豪華ではないですが、中庭を上手に配したつくりで、施設や意匠も奇をてらったところがなく実用的で好感。
ただ、2階の休憩所がザコ寝タイプでややお粗末。ふつうのスパ銭より若干高めの料金設定なので、もうひと工夫ほしいところか・・・。(これはオープン時。2Fの最新状況は追って確認します。)
食事処はかなり力を入れているようで、和スイーツ新メニューの抹茶パフェは、甘さひかえめで美味でした。
【写真 上(左)】 抹茶パフェ
【写真 下(右)】 オープン時の中庭
オープン時に中庭で工事中だった足湯はその後完成。豪壮な木づくりの屋根を構えたもので、これだけ立派な足湯は日帰り施設ではちょっと記憶にありません。
【写真 上(左)】 中庭の足湯 (工事中/オープン時)
【写真 下(右)】 足湯が完成しました
注入湯口はアワ立ち、湯色、お湯の感じとも浴場と変わらぬ上質なものです。
ここはもとお屋敷だったあたりとのことで、足湯のおくには屋敷神と思われる稲荷大明神が祀られています。
【写真 上(左)】 立派な足湯
【写真 下(右)】 足湯の湯色
廊下を渡って食事処の右手奥に浴場。手前が男湯、おくが女湯のほぼ固定制のよう。
脱衣所は施設規模のわりに狭めですが、ドライヤー処がセパレートされているのはナイス。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 サイン
内湯ゾーンは、天井高くてこもりなく、明るすぎず、暗すぎずでなかなかの雰囲気。
ただ、ここもスケール感にやや欠けるかな?
(埼玉南部の日帰り温泉は週末やたらに混むので、よほど空間をたっぷりとらないとどうしても混雑感がでてしまう。)
入口から時計まわりに、掛け湯(おそらく井水)、サウナ、水風呂、ジェットバス(たぶん真湯)、非加熱源泉かけ流し(4人)、加熱源泉かけ流し(12人以上)、洗い場という配置。
水風呂は18℃くらいの入りごろで、とろみと白い浮遊物と指先のよわい青白発光があるので井水かと思います。
オープン時に気になったカルキ臭はかなり控えめになっていて、すこぶる入りごこちのいいもの。
露天は内湯とはうってかわって開放感あふれるもの。
手前左手に加熱源泉かけ流し(あつ湯)(10人位)、右手に加熱源泉かけ流し(ぬる湯)(15人以上、TV付)、奥に加熱源泉かけ流し(半身)(15人以上、一部屋根付)ととなりあって非加熱源泉かけ流し(冬期加温)(12人以上、一部屋根付)と多彩。
浴槽は内湯・露天ともおおむね石枠石タイル貼。露天の浴槽はほとんど浅めなのが残念。
槽内注吸湯は未確認ですが、すべての温泉使用槽で(たぶん)源泉を投入し、ほとんどの浴槽で大量の上面排湯がありました。
浴槽の名前が湯づかいそのものというのが斬新。覚えにくいけど・・・(笑)。
この表示を信じると、6つの温泉使用槽すべてがかけ流しという、おそるべき施設です。
(お湯の感じからしても、おそらく全浴槽かけ流しだと思う。)
オープン時はほとんどカルキを感じませんでしたが、2010/02/05のリニューアルオープン以降は消毒処理をしているようです。
なのでオープン時とリニューアルオープン以降で若干のお湯のイメージのちがいがあります。
【写真 上(左)】 内湯非加熱源泉かけ流し浴槽 (画像提供:義満さん (施設オープン前の撮影))
【写真 下(右)】 露天 (内湯方向から) (同上)
【オープン時】
お湯は、茶褐色のにごり湯で透明度50~60cmくらい。
加温系浴槽では茶色の浮遊物がみられ、全槽でこまかな気泡が舞っているもののアワつきはほとんどありませんでした。
土類系のギシギシとした湯ざわりがあり浴後ややペトつく塩化土類泉系の浴感で濃度感も十分あるものの、意外にもあたたまりはさほどつよくありません。
南関東の化石海水系強食塩泉のなかではかなり上品、逆にいうとスペックほどの凶暴さが感じられないお湯ではないかと・・・。
このあたりは春日部温泉「春日部温泉 湯楽の里」にイメージが似ています。
それでも、かなりの湯づかれと水分をもっていかれる感じがあるので、ぬる湯にまかせての長湯はからだへの負担が大きいかも・・・。
お湯の味臭は、加温系浴槽と非加温系浴槽で若干ニュアンスがちがい、後者のほうがお湯(鮮度)がいいように感じました。(カルキはどちらもまったく感じませんでした。)
加温系浴槽は、強塩味微苦味によわいアブラ臭。
非加温系浴槽は、強塩味微苦味に金気だし味とまろ味、よわいアブラ臭に金気貝汁臭とコゲ臭とメタンガス臭が加わります。(露天湯口では+弱アンモニア臭)
とくに、露天非加熱源泉かけ流し(冬期加熱)の湯口まわりのお湯はすばらしく、源泉直引きと思われる湯口のお湯はガス発泡でシュワシュワと白くアワ立つほど。
【写真 上(左)】 露天 (館内掲示より)
【写真 下(右)】 夜の露天 (館内掲示より)
【リニューアルオープン後】
お湯の色味や味、湯ざわりはほとんど変わりませんが、湯の香が若干変化しています。
(金気だし味はよわまっている。全体に金気はオープン時よりよわまっている印象。)
オープン時非加温系浴槽の「よわいアブラ臭に金気貝汁臭とコゲ臭とメタンガス臭が加わります。(露天湯口では+弱アンモニア臭)」という複雑な湯の香は、リニューアル後、露天の「非加温源泉かけ流し」の湯口そばのみでわずかに感じられる程度。
非加温系浴槽は、おおむね弱アンモニア臭。加温系浴槽では、よわい磯の香+うがい薬臭が感じられます。
この「よわい磯の香+うがい薬臭」は、おそらく消毒によって追い出されてきた臭素(Br^-=38.4)やヨウ素(I^-=15.9)によるものと思われ、この香りの強弱によって消毒の加減がわかるような気がします。
あえて順序をつけると、こんな感じかな? (右にいくほど「よわい磯の香+うがい薬臭」がつよまる。)
【露天】(非加温源泉かけ流し湯口そば) < 【内湯】(非加温源泉かけ流し) < 【内湯】(加温源泉かけ流し) < 【露天】(加温源泉かけ流し(ぬる湯)) < 【露天】(同(半身浴)) < 【露天】(同(あつ湯))
オープン時にくらべるとお湯はややおとなしくなった感じがしないでもないですが、それでも相当なもの。
とくに、露天・内湯の非加温系浴槽は、埼玉南部でも屈指の仕上がりかと思います。
露天はぬる湯のオンパレードでしかもあさめ浴槽が多いので、冬場は湯温調整で対応するのかと・・・。
(オープン時は全体にぬるく、あちこちで「ぬるすぎる」という声がきかれましたが、いまはむしろ熱めの浴槽が多くなっています。)
ただ、非加温源泉かけ流し(とくに露天)はぬる湯がキープされ、ONKEN21さんも予想されていたとおり、暑い時季には人気炸裂しているようです。
近くでは、上尾の花咲の湯 「HANASAKI SPA」もぬる湯源泉槽を売りにしているし、それだけさいたま清河寺温泉(→仮設浴場レポ)のぬる湯源泉槽成功のインパクトがつよかったということか・・・。
埼玉中南部は、蔵の湯東松山温泉 「蔵の湯東松山店」、行田天然温泉 「古代蓮物語」(休業中)、上尾の花咲の湯 「HANASAKI SPA」、さいたま清河寺温泉(→本施設レポ)、そしてここなどを核として、まさにぬる湯源泉浴のメッカと化しつつあるような・・・。
それにしても、大宮周辺には、さいたま清河寺温泉、宮の湯天然温泉 「小さな旅 むさしの湯」、上尾の花咲の湯 「HANASAKI SPA」など、湯づかいのすぐれた施設があいついでオープンし、大激戦地となりました。
とくに、至近距離にある「小さな旅 むさしの湯」(このところ、オープン時ほどのお湯のインパクトがない。)がどのような対抗策を打ち出してくるか、しばらくは目がはなせないところか・・・。
と、オープン時に書きましたが、やはり至近競合の「小さな旅 むさしの湯」が手をこまねいているわけはなく、一時弱体化していたかけ流し系浴槽(「石の湯」露天の壺湯)の湯づかいをパワーアップし、強力炭酸泉を導入するなど、対抗策らしきものを打ち出してきています。
「石の湯」露天の壺湯は力感バリバリなので、これを凌駕するのはかなりきびしい感じがしますが、日帰り温泉施設としての上質感はあきらかに「小春日和」のほうが上。
周辺の温泉好きは贅沢な選択を迫られることになりそうです。
また、ここは女将さんを筆頭に接客レベルが非常に高いです。
西のサイボクに対して、東の小春日和か?
【写真 上(左)】 見沼の風景-1
【写真 下(右)】 見沼の風景-2
そばの見沼たんぼは手軽な散策地として定評があり、いくつかのPのある公園が散策のベースとなります。
また、ちかくには「染谷花しょうぶ園」もあるので、散策かたがた訪ねてみるのも一興かと・・・。
ps.キャンペーン情報
11月30日まで「朝風呂一番、アフタヌーンセット、晩酌セット」を実施中。
とくに「朝風呂一番」は、開店~12時までに入館すると料金500円で12時以降も在館入浴可、週末も実施しているので、これは破格の安さです。
〔 HP掲載より 〕
地下1530mから38.4℃で湧出されたナトリウム-塩化物強塩温泉です。
入浴することにより皮膚に塩分が付着し、汗の蒸発を防ぐ為、保湿効果がよく、湯冷めしにくいので「温まりの湯」と言われております。
〔 源泉名:染谷天然温泉 花みずき 〕 <H16.4.30分析>
Na-塩化物強塩温泉 38.4℃、pH=7.4、480L/min(1530m掘削揚湯)、成分総計=20.54g/kg
Na^+=4970mg/kg (85.57mval%)、NH^4+=15.5、Mg^2+=353.6 (8.21)、Ca^2+=381.6 (5.37)、Fe^2+=5.3
Cl^-=12270 (98.56)、HCO_3^-=268.5、Br^-=38.4、I^-=15.9
陽イオン計=7801 (354.3mval)、陰イオン計=12590 (351.1mval)、メタけい酸=58.2、メタほう酸=78.8、遊離炭酸=11.0
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり(露天あつ湯、露天ぬる湯、露天あさ湯、内湯檜風呂) 循環・ろ過:なし 消毒:全ての浴槽にて実施
〔 2012/09/23リニューアルUP (2010/01以降数回入湯、最新入湯2012/09) 〕
E139.41.10.006N35.54.22.322
【 BGM 】
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■ 天然戸田温泉 「彩香の湯」
天然戸田温泉 「彩香の湯」
住 所 :埼玉県戸田市氷川町1-1-23
電 話 :048-433-2615
時 間 :10:00~24:00 / 原則無休
料 金 :1,000円 ※会員200円引 (800円、22時~)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (Yahoo! トラベル)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
■ 紹介ページ (ぽかなび.jp)
■ 紹介ページ (温泉みしゅらん)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
2003年12月、戸田市のガソリンスタンド跡地にオープンした温泉スパ銭。
R17新大宮バイパス「下笹目」交差点を東に折れて「中央通り」を1kmほど走ると道沿い右手に見えてきます。
JR埼京線「戸田公園」駅、都営三田線「高島平」駅からそれぞれ約1時間間隔で無料送迎バスも運行されています。
【写真 上(左)】 道路沿いのサイン
【写真 下(右)】 バス乗場
典型的な和風スパ銭の造りは、スパ銭で有名なT岡設計の設計によるもの。
1階をPに充てたピロティ型で、第2Pもあるので駐車台数200台と充実(無料)。
【写真 上(左)】 エントランスサイン
【写真 下(右)】 PからELVでアプローチできます
<オープン直後>
Pに入るときロッカー満杯で1時間待ちと云われましたが、すぐに入れました。
本日までは会員料金1,300円で入場OK。深夜料金(22~)900円もあります。
定番のヘアカット、ソフト整体、足底健康法、3階には小規模ながらリクライナーがあるレストルームも。
※オープン時はタオル、バスタオル、館内着付1,400円の料金設定でしたが、いまは入浴のみのコースが設定されて入りやすくなっています。
あと、ここの食事処はスパ銭系にしてはけっこういけます。(やや高めですが・・・)
【写真 上(左)】 エントランス-1
【写真 下(右)】 エントランス-2
<再UP時>
ロビーのおくに浴場入口。右が男湯、左が女湯の固定制。
脱衣所はやや狭めですが、スタッフがこまめに清掃しています。
男女別の浴室は、内湯ゾーンに桧湯(檜枠石貼10人ほど、温泉)、機能浴槽、坐湯、サウナに水風呂。
露天ゾーンに源泉岩風呂(岩枠石貼4-5人、温泉)、メイン露天(岩枠石貼5人+寝湯×4、温泉)、寝湯(温泉)、壺湯(陶製1人×3、温泉)、漢方薬蒸湯と多彩。
オープン数年後のリニューアルで生源泉浴槽(鋳物羽釜2人×1)が増設されています。(「七福の湯 戸田店」への対抗策か?)
カラン24、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
以前は混雑で有名な施設でしたが、2008年夏、ちかくに「七福の湯 戸田店」がオープンして混雑はやや緩和されているようです。
【写真 上(左)】 上が浴場(露天)
【写真 下(右)】 泉源施設
桧湯は、石の湯口からの投入+底面注入に窓側側溝への流し出しとたぶん底面流下あり。
源泉岩風呂は、うすく赤茶に色づいた岩の湯口から投入でたぶん槽内注排湯はなく、隣のメイン露天への流し出しのみの源泉かけ流しですが、途中投入が止まったり量が変動したりして、源泉の供給が安定していない様子でした。(オープン時)
メイン露天は、源泉岩風呂からの流し込みとたぶん槽内注湯があるはずですが発見できず。底面吸湯数ヶ所と横の側溝への流し出し。
壺湯は、木の湯口からの投入で底面自然流下+オーバーフロー。
増設された生源泉浴槽は、パイプからのややぬる湯投入で槽内注吸湯なしのオーバーフロー。これは文句なしのかけ流しでしょう。
生源泉浴槽&源泉岩風呂以外は、循環か希釈があるのでは?
お湯は浴槽によってかなり違います。
ぬるめの源泉岩風呂は、暗橙色40~60cmのにごり湯で、こまかい気泡 or 粒子がびっしりとただよっていますが、アワつきはないのでたぶん粒子でしょう。(オープン時)
強塩味で後味に苦味。油粘土系アブラ臭にアンモニアがまじって柑橘を思わせる甘い温泉臭は、板橋スパティオに似た香りでなかなかです。
(この源泉岩風呂はコンディションの変化が激しく、色がうすくなったりうがい薬臭やタール臭が卓越することがあります。)
ぬるめの壺湯は、うす緑黄色ささにごりで、源泉槽と同様の味臭ながらややよわいもの。
やや熱めの桧湯と適温の大露天は、うす緑黄色ほぼ透明で、明瞭な塩味にうがい薬臭+アンモニア臭があります。
うがい薬臭は、おもに消毒によって成分中の臭素やヨウ素が追い出されてきたものかと思います。
全体に塩化土類が多いためか、引っかかるようなぎしぎしとした湯ざわりがあるものの、浴後は肌がすべすべになる美人の湯系か?
増設された生源泉浴槽は、これらの浴槽とはあきらかに一線を画しています。
ややぬる目のお湯は透明度10cmほどの茶色のにごり湯。
南関東の化石海水系温泉に独特な化学工場がかったアブラ臭にアンモニア臭と金気貝汁臭が加わりますが、臭いじたいはさしてつよいものではありません。
つよい鹹味に金気だし味。
濃度感はあるもののあたたまり感はさほどではなく、けっこう長湯できます。
それでもかなりの発汗があるので、相当に水分をもっていかれているかと。
湯ざわりは他浴槽と大差ありません。
【写真 上(左)】 直引きされている源泉ライン
【写真 下(右)】 赤茶に染まる泉源付近
それにしても生源泉浴槽の絶妙な雑味感は見事なもので、「加水・加温なし」(掲示)はおろか、おそらくろ過・徐鉄もないと思います。
投入ラインはPよこにある泉源から直接引き入れられているようで、掛け値なしに”源泉直引き”では?
オープン時に「源泉の素性はかなりいいとは思いますが、残念ながら湧出量780L/minを実感するほどの、潤沢な源泉づかいはされていません。(揚湯規制か?)」と書きましたが、虎の子の生源泉の設置によりこのコメントは撤回します(笑)
お湯のよさは、生源泉 > 源泉岩風呂 > 壺湯 > 桧湯 > 大露天 の順かと思います。
強食塩泉らしい濃度感と塩味はあるのですが、なぜかさほどほてらず長湯し放題です。
成分総計19.49g/kgのNa-Cl強塩温泉でMg2 =392.0、Ca2 =483.9と塩化土類を相当含んでおり、Fe2 =5.4と鉄分も含有。
NH4 =14.4、Br =45.5、I =18.1と香り関連の成分もけっこう豊富で、HCO3 =465.6と重曹分もかなりのもの。
推測ですが、HCO3 =465.6がほてり感を軽減し、本来なら出ている筈の重曹泉系のツルすべが塩化土類のキシキシに打ち消され、「塩辛く濃度感はあるものの、あまりほてらずぎしぎし感のある強食塩泉」となっているのでは?
生源泉浴槽設置でお楽しみが増えましたが、これは人気浴槽となっていてなかなか入れません。(Max2人しか入れないうえに、壺風呂大好きなお子さまたちも乱入する。「1人10分程度でゆずりあってお楽しみください」という掲示も・・・。)
個人的にはもっとキャパのある源泉岩風呂で、この湯づかいをしてほしいような気もします。
〔 源泉名:天然戸田温泉 〕 <H15.3.11分析>
Na-塩化物強塩温泉 42.0℃、pH=7.5、780L/min(1,600m掘削自噴)、成分総計=19.49g/kg
Na^+=6256mg/kg (81.82mval%)、NH4^+=14.4、Mg^2+=392.0、Ca^2+=483.9、Fe^2+=5.4
Cl^-=11620 (97.50)、Br^-=45.5、I^-=18.1、HCO_3^-=465.6
陽イオン計=7270 (332.6mval)、陰イオン計=12150 (336.2mval)、メタほう酸=17.3
〔 パンフ記載より 〕
生源泉(天然温泉使用)
地下1,500メートルから湧き出る源泉をダイレクトにかけ流しています。
※加温していない為、ぬる湯となっています。
■ブランドグルメ
〔 戸田ボートパン 〕
戸田といっても特産品はなかなか思い当たりませんが意外にあります。(→カタログ(PDF))
そのなかでとくに惹かれたのがブランジェリーボヌールの「戸田ボートパン」。
『口のなかを走り抜けるおいしさ』というキャッチもお茶目で、さすがは競艇のメッカ戸田。
キワもの的お店かと思いきや、天然酵母をつかう本格派のパン屋さんのようです。
〔 2012/09/07内容補強のうえUP (2003年より10回以上入湯、最新入湯2012/09) 〕
E139.39.55.773N35.48.30.175
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■ 清河寺温泉 「いずみの湯」 (仮設浴場)
清河寺温泉 「いずみの湯」
※ 現在、新施設オープン、当施設は撤去済 / 下記は体験入浴実施時のデータ
住 所 :埼玉県さいたま市西区大字清河寺683−4
電 話 :不掲載
時 間 :11:00~22:00、毎時00分から50分間の貸切入浴(予約制)
料 金 :無料(体験入浴)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
人気日帰り施設、「さいたま清河寺温泉」の前身の仮設浴場。
2003年秋、仮設浴場に入浴したときの(※ 現在施設撤去済)レポです。
記録の意味で、画像を追加してリニューアルアップします。
【写真 上(左)】 体験入浴の案内
【写真 下(右)】 道路側から
パチンコ店が掘り当てた温泉に、仮設浴場で体験入浴できるのでいってみました。
場所は、R17新大宮バイパスとR16が合流する「宮前IC」の西北、「清河寺」の六叉路から県道216上野さいたま線を上尾方向に少し走った右手(カインズホームの少し手前)にある「パチンコCube」の敷地内です。
【写真 上(左)】 裏側から
【写真 下(右)】 ご挨拶
空いていれば飛び込みでも入れますが、けっこう人気のようなので、TEL予約がベターかと。
パチンコ店の景品カウンターで住所氏名を書いて申し込み、浴場のカギを受け取ります。毎時00分から50分間の貸し切り入浴ができます。
駐車場の道路ぎわにある仮設浴場は、トタン板で囲まれた露天ですが、屋根つきの脱衣所にはロッカーもあります。
持ち帰り用に分析書コピーが置いてあるのはえらい!
【写真 上(左)】 立派な分析書
【写真 下(右)】 全容
ベンチや観葉植物やパラソルなどもおいてあり、仮設にしては余裕のあるつくり。
【写真 上(左)】 水風呂
【写真 下(右)】 水風呂の掲示
細長い露天ゾーンには人工芝が敷いてあり、左手に木樽の1人用の浴槽が3つでややぬるく、これは非加温の源泉槽でしょう。
右手には、かけ湯槽と水風呂(地下300mからの天然水)とかがり火(温泉とともに噴出する天然ガスを燃焼)。
【写真 上(左)】 かけ湯槽
【写真 下(右)】 かがり火
さらにおくには、やや大きめの木樽風呂(1-2人)がふたつ。左が適温槽で右手が高温槽、適温槽には非加温源泉と加温源泉のパイプ、42℃くらいの高温槽には加温源泉のパイプのみが引かれています。
【写真 上(左)】 手前の非加温3槽
【写真 下(右)】 おくの加温2槽
【写真 上(左)】 おくの右、高温槽
【写真 下(右)】 おくの左、適温槽
どの浴槽も塩ビパイプから注(投)入で、当然オーバーフローの源泉かけ流し。床は川状態。とくに一番おくの非加温槽は、30L/minほども投入のザンザコかけ流しで鮮度感はピカ一。
【写真 上(左)】 おくから非加温3槽
【写真 下(右)】 非加温槽(おく)
お湯はすばらしいものです。(ほとんど非加温槽にいたのでその様子です)
緑灰色ささにごりのお湯は、気泡でさらに白濁。気泡は非加温槽で多いですが加温槽にもあり。
遊離炭酸=13.2mgなので、この気泡は炭酸ガスではなく、窒素などの気体によるものでしょう。
【写真 上(左)】 非加温槽(中)
【写真 下(右)】 非加温槽(手前)
入ったとたん全身がアワアワに包まれます。すごい量で、アワつきで有名な韮崎旭や山口を軽く凌駕しています。
拭っても次の瞬間にはアワがつき始め、湯面では気泡がはねています。
【写真 上(左)】 ただようアワアワ
【写真 下(右)】 アワまみれの手
肌をなでるあわあわがくすぐったくてサイダーに浸かっているよう。
弱塩味+微重曹味+明瞭なだし味。金気臭にかすかなモール?臭は、甲府の自噴泉群のイメージに近いもの。分析書データより鉄分がつよい感じです。
【写真 上(左)】 気泡でにごる非加温槽
【写真 下(右)】 ザンザコです
お湯じたいにも重曹泉系のツルすべがありますが、アワつきのぬるぬるがすごいです。
浴中は清涼感ある軽やかな浴感で長湯できますが、浴後はのどが乾きどっしりときてあとを曳きまくります。さすがに総計5g/kg近い力のあるお湯です。
体験入浴は10月末日までで、その後入浴施設の建築に着手するよう。
「保健所の許す限り『100%天然温泉掛け流し』をめざし新施設をたちあげていきたい」とのはり紙があったので期待できそうです。
浴後書いたアンケートにも、「非加温源泉かけ流し槽」の設置をお願いしてきました。
優良スペックなので可能性は充分あるかと・・・。
〔 源泉名:清河寺温泉 〕 <H11.7.27分析>
Na-塩化物温泉 38.3℃、pH=7.71、480L/min掘削揚湯、成分総計=4.690g/kg
Na^+=1580mg/kg (91.97mval%)、Ca^2+=71.6、Fe^2+=0.4、Cl^-=2343 (87.33)、HCO_3^-=576.6 (12.49)
陽イオン計=1695 (74.73mval)、陰イオン計=2925 (75.68mval)、メタほう酸=8.1 、遊離炭酸=13.2
●現在、T岡設計の設計により新施設を建設中で開業は2006年1月の予定。
パースを見る限り典型的なスパ銭になりそうなので、どこまで源泉が活かせるか興味ぶかいところです。
●新施設「さいたま清河寺温泉」は2006年2月2日グランドオープンしています。
(→ 新施設「さいたま清河寺温泉」のレポ)
●仮設浴場に入浴した温泉好きの声の多くは「非加温源泉かけ流し槽」の設置だったようで、これは、新施設で「生源泉湯」として見事実現されました。
この浴槽は新施設屈指の人気浴槽となり、埼玉県を中心に小ブームとなった「ぬる湯源泉かけ流し」のはしりとなりました。
〔 場内掲示 〕
約二ヶ月の間の「無料体験入浴」は、ご満足いただけましたでしょうか?
大変ご好評頂いておりましたが、10月31日をもちまして終了とさせていただきます。
ご入浴された皆様方のご意見、ご指導を参考にさせていただき、保健所の許す限り「100%天然温泉掛け流し」をめざし新施設をたちあげていきたいとスタッフ一同頑張ってまいります。
どうぞ新しい清河寺温泉にご期待ください。
清河寺温泉「いずみの湯」
○ 一郷一会100名湯
〔 2012/05/22画像補強のうえUP (2003/10/04レポ (2003/10入湯)) 〕
E139.35.7.080N35.55.49.919
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■ 新木鉱泉 「新木鉱泉旅館」
新木鉱泉 「新木鉱泉旅館」
住 所 :埼玉県秩父市上山田1538
電 話 :0494-23-2641
時 間 :12:00~21:00
料 金 :900円
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (Yahoo!トラベル)
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
秩父札所四番金昌寺にほど近いところ、現女将は9代目という秩父を代表する老舗旅館で、これまで幾度となく入っている近場のお気に入りです。
文政十年のむかし、初代おきくばあさんが鎮守様(恒時神社)のお導きで発見したという古いお湯で、「御代の湯」ともいわれ「秩父七湯」のひとつに数えられています。
ちなみに「秩父七湯」とは、どうやら新木の湯・鳩の湯・柴原の湯・千鹿谷の湯 <以上現存> 鹿の湯(白久)・梁場の湯・大指の湯を云うらしいですが、和銅や不動の湯が入っていることもあり固定化されていないようです。
【写真 上(左)】 由緒書(旧)
【写真 下(右)】 由緒書(新)
火山もなく、高温泉も少ない秩父は温泉のイメージがうすいエリアですが、古くから「秩父七湯」をはじめとする自然湧出や浅井戸の鉱泉群があって、秩父札所巡りの宿として親しまれてきました。
その多くは”たまご水”といわれる硫黄を含んだアルカリ性のヌルすべ冷鉱泉ですが、湧出量は多くなく、源泉をいいコンディションで味わえる施設は稀少。
新木鉱泉は、そんな数少ないお湯のひとつとして温泉好きに知られています。
【写真 上(左)】 高篠温泉郷のお湯
【写真 下(右)】 梅紫色の看板が目印
場所は秩父市内東部、”高篠鉱泉郷”といわれる一画にあります。
県道82長瀞玉淀自然公園線からすぐですが、細い路地をたどっていくので要注意。
県道沿いに看板がでています。
Pは建物前と手前にありますが、建物前は宿泊者メインのようなので、日帰りは手前に停めたほうがいいかも。
【写真 上(左)】 和シックな外観
【写真 下(右)】 いい味をだしています
木造民芸調の重厚な建物は独特の風情があり、館内もしっとりと落ち着いた和風旅館の雰囲気。
訪れるたびに綺麗になっていくようで感心します。
【写真 上(左)】 玄関脇のサイン
【写真 下(右)】 小道具が効いています
帳場で受付し、右手別棟の湯屋棟へ向かいます。
かわいい太鼓橋を渡った正面左が男湯、右が女湯の固定制です。
【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 右手が湯屋棟
以前は太鼓橋手前の小スペースは休憩所(待合せ所)として提供されていましたが、いまはエステができています。
また、別に日帰りでも利用可能(3,150円/h)の貸切風呂もあります。
【写真 上(左)】 湯屋棟
【写真 下(右)】 以前の休憩所
【写真 上(左)】 太鼓橋2003
【写真 下(右)】 太鼓橋2007
細長い脱衣所はガラスを介して内湯に面した棚式。
蔵造り調のシックな内湯は天井高くこもりもなく、きもちの落ちつく空間に仕上がっています。
すぐ外にある露天は、木塀越しに前に広がるのどかな畑の景色を眺めながら入れるもので、夕暮れどきなど風情ある湯あみを楽しめます。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 サウナ
内湯(木枠石貼7-8人、ジェット3付)、源泉水風呂(樽造1人)、サウナ、メイン露天(木枠伊豆石貼円形2-3人)、小露天(陶製1人)。
以前の露天は、メイン露天(木造円形2-3人)、小露天×2(木造各1人)と3槽ありましたが、いまはリニューアルされて2槽になっています。
なお、連れの話をきくと露天は女湯のほうがゆったりしていそう。
サウナは源泉水風呂入浴用に設置されたもので、ビシっと熱めできもちがいいです。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 源泉水風呂
カラン8、シャンプー、ドライヤーあり。
人気宿で日帰り客もけっこう入るので、夕食前など混むときもありますが、わたしはほとんど18時以降にいくので、たいてい独占かせいぜい3人程度と空いています。
【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 以前の露天
ここの浴槽は比較的コンディションの変化が激しいのですが、最近(2012/04)入ったときはメイン露天がかなりいいコンディションになっていました。(内湯はうすい感じだった。)
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 メイン露天の湯口
お湯はコンディションがいいときは青みがかってうすく白濁。
甘いイオウ臭と燻したような臭いが混ざった独特の温泉臭があります。
【写真 上(左)】 入りごこちのいい内湯
【写真 下(右)】 渋い桶
源泉槽以外は槽内注吸湯ありでオーバーフローなく、たぶん循環ですがカルキ臭はほとんど感じられず。
タイミングにより湯口から源泉を投入することもあるようです。
アルカリ性のヌルすべと重曹系のツルすべが明瞭で、湯あがりさっぱりでお肌すべすべになる典型的な美人の湯です。
【写真 上(左)】 メイン露天
【写真 下(右)】 小露天
でも、ここはなんといっても内湯にある源泉水風呂が出色かと。
コックをひねって冷たい源泉を自分で溜めます。
Maxで5L/min程度の吐水量ですが、浴槽がちいさいのですぐにオーバーフローします。
投入口にはコップがあって飲泉もできます。
【写真 上(左)】 溜め中の源泉水風呂
【写真 下(右)】 源泉水風呂の湯口
明瞭な甘イオウ臭とたまご味は”たまご水”の面目躍如。
甘~いイオウ臭香るヌルすべたまご水にかけ流し状態で入れるこの浴槽は、秩父でも屈指のものかと思います。
【写真 上(左)】 旧分析書
【写真 下(右)】 文句なしの美人の湯
なお、以前は昭和38年の分析書しか見あたりませんでしたが、平成17年1月に分析がなされ、総硫黄6.1mg/kgの堂々たる硫黄泉であることが証明されています。
【写真 上(左)】 露天からの景色
【写真 下(右)】 夜の玄関
〔 源泉名:新木鉱泉 〕 <H17.1.17分析>
単純硫黄冷鉱泉(Na-HCO3型) 14.8℃、pH=9.4、8.5L/min自然湧出、成分総計=0.599g/kg
Na^+=156.1mg/kg (94.83mval%)、Cl^-=17.1、OH^-=0.3、HS^-=6.1、チオ硫酸イオン<0.1、SO_4^2-=56.5 (16.50)、HCO_3^-=295.6 (67.69)、CO_3^2-=7.1
陽イオン計=161.9 (7.16mval)、陰イオン計=391.7 (7.15mval)、硫化水素=<0.1
■源泉槽の横に下記のような説明板があります。
含硫黄アルカリ泉(?)
1.5℃、pH=9.5、11.4L/min、蒸発残留物=45000PPM、ヒドロ炭酸=34400PPM、総硫黄=5.71PPM <S38.11.12分析>
〔 由来 〕(オフィシャルHPより)
新木の名称は、荒木丹下という悪党が四番・金昌寺のご本尊により改心させられ、仏道に帰依したところから金昌寺は別名新木寺とも呼ばれ、それが当館の名ともなったとのいわれがあります。
その新木鉱泉の創業は江戸時代、文政10年(1827年)にさかのぼります。
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○ 一郷一会100名湯
○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。
■ブランドグルメ
〔 みな寿しの岩魚すし 〕
秩父の岩魚をつかった上品な押し寿司で、新木鉱泉にも近い大野原にお店があります。
個人的に好物(^^)で、道の駅「ちちぶ」で見つけるとたいてい買って帰ります。
〔 2012/05/04リニューアルUP (2000年以前から幾度となく入湯) 〕
E139.6.47.075N36.0.24.418
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■ 杉戸天然温泉 「雅楽の湯」
杉戸天然温泉 「雅楽の湯」
住 所 :埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸2517
電 話 :0480-53-4126
時 間 :10:00~24:00 / 年中無休
料 金 :980円(土日祝 1,080円)タオルセット・館内着付 / 19:00~ 780円(土日祝 880円)
■ オフィシャルHP
※ 営業状況、時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
※ この施設は浴場内撮影禁止です。掲載写真は、開業前に開催された「施設見学会」時に支配人さんの諒解を得て撮影したものです。
埼玉県杉戸町に2012/04/11オープンした最新鋭の日帰り温泉。
運営は「さいたま清河寺温泉」と同じ三和興産(株)で、オフィシャルHPにも「杉戸天然温泉『雅楽の湯』は、清河寺温泉の姉妹店です。」と表記されています。
杉戸は日光街道の宿場町として賑わいましたが、いまはわりに地味なエリアで、「東武動物公園のそば」といったほうが通りがいいかも。
鉄道だと、東武伊勢崎線「東武動物公園」駅から送迎バス(約30分毎/無料?)あり。
車だと高速利用は東北道「岩槻」IC or 「久喜」IC経由で20~30分ほど。「久喜」ICからはちとルートが複雑なので、「岩槻」IC~R16~R4という幹線経由が無難なところか。
東武動物公園駅入口をすぎてしばらく行ったAOKIのすぐ先(カインズの手前)の歩道橋の角(信号なし)を右折してしばらく走った左手。
R4は交通量が多いので右折要注意です。
【写真 上(左)】 平日午後の入り
【写真 下(右)】 玄関サイン
田んぼのなかに突如として和風スパ銭があらわれます。Pは広々で停めやすいもの。
外観はこぢんまりとしていますが、おくがふかく施設充実。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 エントランス
中庭&回廊形式を大胆にとりいれた構成で、全体に外光が入ってあかるい雰囲気。
ここらへんのつくりは、小川町の「花和楽の湯」を彷彿とさせるもの。
中庭に面して足湯も設置されています。
【写真 上(左)】 シックな館内
【写真 下(右)】 足湯
【写真 上(左)】 足湯&中庭
【写真 下(右)】 中庭
フロントで入館受付、右手おくのリネンカウンターで入浴セット(館内着+タオルセットなど)を受けとります。
現在のところ、昼間で入浴セットなしのコースは設定されていません。
リネンカウンターのおくは別料金の岩盤浴ゾーン。
【写真 上(左)】 岩盤浴ロビー
【写真 下(右)】 岩盤浴
フロント左手は飲食ゾーンで食事処「みやび」とビュッフェレストラン「irodori」があります。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 洗い場
浴場は手前右手が男湯、左手おくが女湯で交替制かは不明。
脱衣所はスペース広く、天井高く、外光もたっぷりとられて(露天がみえます)なかなかのでき。什器類のシックな色づかいも好感。
入って内湯ゾーンは回廊形式で、なんとなく北本の「湯楽の里」を思い起こしましたが、上質感はこちらのほうが上。
とくに完全セパレートされた洗い場は、高級旅館並の仕上がりか?
カランはセパレート型15+オープン型8の系23。アメニティ類完備。
平日16時で20~30人程度でしたが、浴場が広いのでえらく空いているように感じます。
【写真 上(左)】 高い木組みの内湯天井
【写真 下(右)】 内湯
内湯は回廊のおく、露天を借景として窓が広くとられ、高い天井に太い木梁がわたされた雰囲気あるもの。このあたりも高級旅館的質感。
露天に面して半露天的な「シルク風呂」(超微細気泡浴槽)の乳白色が、いいアクセントになっています。
【写真 上(左)】 シルク風呂
【写真 下(右)】 水風呂
水風呂はやや冷たいものの、カルキ気がなく若干のとろみも感じるなかなかのもの。
水風呂のよこには機能浴槽(真湯)もあります。
サウナは日に3回ロウリュを実施中。かなり広いので扇ぎ手がたいへんそうですが、なかなか気合い入ったパフォーマンスを展開していました。(入ったとき(16:30~)のオイルはシトラスでこれもかなりの使用量。)
ただ、4/27までの実施ということで、その後継続するかは不明です。
【写真 上(左)】 サウナ
【写真 下(右)】 緑ゆたかな庭園露天
露天はすばらしいものです。
背面左右に照葉樹の大木2本を配し、左手おくには竹林がつづきます。
いつも思うのですが、露天風呂と竹林はほんとうに相性がいいですね。
雰囲気ある和風庭園のなかに多様な浴槽を配置した、いわゆる「絵になる露天」で、さいたま見沼の「小春日和」を思い起こしましたが、それより野趣ゆたか。
手前から時計まわりに、休憩ゾーン(デッキチェアあり)、「高濃度炭酸温泉」(温泉)、左手おくに「寝湯&寝ころび湯」。中央上部に「あつ湯」、下段に「源泉岩風呂」。
右手おくに「壷風呂・石風呂」と浴槽は多彩。
ただ、雨よけは「源泉岩風呂」の一部に東屋が掛けられている程度で、大雨のときはどうなるかな?
【写真 上(左)】 源泉岩風呂
【写真 下(右)】 絵になる露天
また、スケール感は申し分ないですが、逆に見通しがよすぎてややあけ広げ過ぎな感も・・・。
若干の仕切りなどを施すと、さらに居ごこちはアップするかも。
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それでは主要浴槽ごとにレポしていきます。
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 内湯の湯色
<内湯>
石造20人程度で湯温はかなり熱め。
中央の石の湯口数ヶ所から熱湯源泉投入+側面注入で窓際スリットからの排湯。
踏み込みの形状がちと人間工学的じゃないので要注意。(踏み込みがふかく、奥行きがあるので、浅湯か?と油断していると浴槽中央あたりでいきなりふかくなる感じ、出るときもかなり手前に段差がセリ出しているのでつまづきそうになる。”段差注意”のハリ紙は出ているが・・・)
設計段階ではここまでのにごり湯を想定していなかったのかも。
この内湯建屋は露天(壷風呂)サイドからみると湯抜きを備えた湯屋建築で、いいアクセントになっています。
【写真 上(左)】 高濃度炭酸温泉
【写真 下(右)】 寝湯&寝ころび湯
<高濃度炭酸温泉>
壁際にL字型に設置で湯温はややぬる、計7-8人ほど。木樋の湯口はあるが間欠投入で槽内注入がメイン。
炭酸はかなりつよめ。掲示では温泉利用の”加水なし”だが、かなりうすめに感じる。
ただ、それでも温泉利用の炭酸泉はかなりの入りごたえ。
底に黒砂が溜まっていてちと気になるが、これは内湯掲示によると「源泉汲み上げ時にまじるもの」とのこと。
<寝湯&寝ころび湯>
大木のたもとに設えられて”隠れ湯”的。お湯は高濃度炭酸温泉と同様、うすめに感じる。
ぬるゆなので長湯可。計7-8人ほど。
【写真 上(左)】 あつ湯
【写真 下(右)】 あつ湯の湯口
<あつ湯>
石組小石敷7-8人。加温かけ流し浴槽でかなり熱い。
赤茶に色づいた石組の湯口から透明な熱湯源泉を投入+側面注入で下段「源泉岩風呂」への流し出し。
<源泉岩風呂>
石組小石敷10人以上+寝湯×4付設。循環浴槽で湯温はほぼ適温に調整されている。
上段「あつ湯」からの流入+底面注入で側面スリットからの排湯。
お湯は循環槽としてはいいできだが、かけ流し系浴槽にくらべるとどうしても劣る。
【写真 上(左)】 壷風呂
【写真 下(右)】 石風呂
<壷風呂・石風呂>
間隔を置いて1人×3槽を贅沢に配置し、陶製×2&石づくり×1。
アプローチの踏み石がいびつで滑りやすいので注意。
赤茶に色づいた石樋の湯口からかなりの量の透明な源泉を投入でけっこう熱い。
それにしても、人気アイテムはもれなく盛り込んだと思われるほどのすばらしい充実ぶりをみせています。
〔お湯〕
さて、問題のお湯です。
ここではかけ流し系3槽(壷風呂・石風呂/内湯/露天あつ湯)についてのイメージのみ書きます。
湯色は緑がかった茶色がベースの透明度10~20cm程度のにごり湯で、赤茶の浮遊物がただよいます。
壷風呂・石風呂は緑色、内湯は赤茶、露天あつ湯は黄色系の色味がつよくなっています。
透明度は、内湯 > 露天あつ湯 > 壷風呂・石風呂の順で濃く、もっとも鮮度感を感じた壷風呂・石風呂のにごりがいちばんうすくなっています。
お湯のよさは、壷風呂・石風呂 > 内湯 > 露天あつ湯の順かな?
ただ、内湯は食塩泉&鉄泉、壷風呂・石風呂は重炭酸土類泉がそれぞれ卓越したニュアンスがあって、イメージが微妙にちがいます。
【写真 上(左)】 湯色のコントラストが綺麗
【写真 下(右)】 源泉岩風呂の湯色
強塩味+微苦味+微旨味+微金気だし味の複雑な味。
重炭酸土類泉系焦げ臭+金気貝汁臭+アブラ系鉱物臭のいかにもよさげな湯の香。
重炭酸土類&鉄泉系のぎしぎしとした湯ざわりながら、浴後は意外なほど肌がすべすべになります。
高張性食塩泉のあたたまりに、重炭酸土類泉の力感&奥行きを加えた力強いイメージのお湯。
あつ湯槽が多いのでトド多発、湯あたり注意。
場所的に化石海水系の濃いめ食塩泉を想像していましたが、ここまで重炭酸土類がでているとは正直おどろきました。
なお、このあと物好きにも「東鷲宮百観音温泉」に突入しましたが(意外に近い)、強食塩泉バリバリの「百観音温泉」に対し、こちらはやはり重炭酸土類がつよく出ているように感じました。
温泉好きは入りくらべてみるのも面白いかと・・・(ヘロヘロになりますが)
鮮度感、湯質、湯づかいとも申し分なく、これは埼玉屈指の名湯といっても過言ではないかと・・・。
とくに壷風呂の鮮度感は、埼玉では「埼玉スポーツセンター」の源泉槽、清岸寺温泉の壺湯などとならぶ屈指のレベルかと思います。(還元系だと思う)
また、かなりの広さの内湯でも相当の鮮度感を維持しているのは立派。
ただ、問題は湯温。
スタッフの話によると壷風呂・石風呂や内湯は加温していないが、気温によってかなり熱くなるので、投入量で調整をかけているがなかなか微妙との由。
源泉温度は46.0℃ですが、わたしがいったときは(非加温槽の)湯口はおそらく50℃近くはあったような気がします。
夏場はさらに投入量を絞ることになると思いますが、そのときの鮮度はどうなるか、しばらくお湯とスタッフとの格闘がつづくのだと思います。
さすがに埼玉屈指の人気施設「清岸寺温泉」を運営しているだけあって、すばらしいできの施設となっています。
贅沢な空間どりと環境演出はチェーン系スパ銭とはあきらかに一線を画すもので、設備も充実しているし、現行料金は1日過ごすならけっして高くないと思いますが、一浴利用のお客にはどうかな?
R4にも近いので、館内着なし割引料金を設定すれば、車利用客の吸引も期待できるような気もしますが、投資回収を考えるとそうもいかないのかも・・・。
【写真 上(左)】 生源泉かけ流し
【写真 下(右)】 湯休み処
それと名称「雅楽の湯」。これは”うたのゆ”とカナをふらないとまず読めないでしょう。
すなおに「うたの湯」ないし源泉名から「みやびの湯」としたほうが、知名度UPやパブリシティ上有利なような感じもします。
いずれにしても、埼玉を代表するハイレベルな日帰り施設がまたひとつオープンしたわけで、温泉好きとしては嬉しいところ。
それにしても、近年オープンした埼玉の日帰り温泉は軒並みレベルが高いです。
温泉不毛県と呼ばれたかつての埼玉県。それがいまや日帰り温泉施設の範疇に限っていえば、全国屈指の県になっているのでは? と感じるほどです。
〔 源泉名:杉戸みやび温泉 〕
Na-塩化物温泉 46.0℃、pH=7.3、560L/min(約1,500m掘削揚湯)、成分総計=16.07g/kg
Na^+=5250mg/kg (83.73mval%)、NH4^+=17.6、Mg^2+=188.6 (5.69)、Ca^2+=510.2 (9.33)、Fe^2+=5.4、Cl^-=9560 (98.29)、Br^-=35.9、I^-=6.7、SO_4^2-=2.2、HCO_3^-=250.8 (1.50)、陽イオン計=6058 (272.8mval)、陰イオン計=9856 (274.4mval)、メタけい酸=52.8、メタほう酸=91.4、遊離炭酸=7.9 <H21.2.19分析>
<温泉利用掲示>
●生源泉湯 / 壷風呂・石風呂
加水:なし、加温:なし、循環ろ過:なし、塩素消毒:なし
●源泉あつ湯
加水:なし、加温:あり、循環ろ過:なし、塩素消毒:なし
●源泉岩風呂 / 寝湯 / 高濃度炭酸温泉
加水:なし、加温:あり、循環ろ過:あり、塩素消毒:あり
■ブランドグルメ
〔 武井鶏園の合鴨肉 〕
合鴨(アイガモ)は、マガモとアヒルとの交雑交配種。
杉戸町の武井鶏園では、埼玉県産合鴨を指定農場で70から77日飼育(ふつうより長い)し、職人さんが手作業で加工、「色付きと厚みにおいて各段の差」がある品質を確保しているそうです。通販でも販売しているようです。
(「武井鶏園」HPなどを参考。)
〔 2012/04/27UP (2012/04入湯) 〕
E139.43.46.902N36.2.8.393
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