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■ 北八ヶ岳松原湖温泉 「八峰(ヤッホー)の湯」

<北八ヶ岳松原湖温泉「八峰(ヤッホー)の湯」>(長野県小海町、10:00~21:00、500円、0267-93-2288)
オフィシャルHP

八ヶ岳東麓に湧出したカラマツの湯は、しばらく稲子湯の下の足湯でつかわれて(?)いましたが、最近、ふたつの新設施設(ここと「星空の湯りえっくす」)に導入されました。
ここは、2007/7/1オープンの公共系日帰り施設で、松原湖から麦草峠へ向かう県道480沿い、小海町高原美術館のとなりにあります。ONKEN21さんのレポあり。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 食事処の蕎麦  

センター系にしてはなかなかこ洒落た建物で外観はシャープなモノトーンですが、館内は和風で暖かみがあります。地元産の食材にこだわった食事処もあります。
行楽シーズンの午後に行ったので館内は観光客で盛況。


【写真】 木組みの天井

浴場はフロント横で、フロント側が「白駒の湯」、食事処側が「天狗の湯」。男女交替制でこの日の男湯は「白駒の湯」でした。他に別料金の家族風呂や岩盤浴(別料金500円)もあります。

脱衣所はこの手の施設にしてはやや狭め。浴室右手に遠赤サウナ、正面の窓側右手にかけ流し槽(石貼15人以上、ぬるめ)、左手に内湯(同10人弱、適温)。左手奥にセパ式カラン13、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
このかけ流し槽は中央に仕切があり、かなり入ってもイモ洗い状態にならないのでいいですね。


【写真】 露天

露天ゾーンに露天(岩枠鉄平石貼20人位、一部屋根・寝湯付、ややぬるめ)。この浴槽も細長く、カイコ棚的に整然と入れるので、容量のわりに収容力があります。露天からは八ヶ岳の展望が楽しめるらしいですが、この日は雨天につき確認できず。
日曜16時で男湯20人以上となかなかの入り。

かけ流し槽は湯口からの投入で窓側の排湯口に上面排湯。底面の吸入口は作動なし。
内湯は湯口からの投入+熱湯底面注入+底面吸湯。露天は湯口からの投入+槽内注入?+底面吸湯の循環仕様。

内湯と露天風呂は、カルキ臭バリバリの循環湯で、はっきりいってたいしたお湯ではありません。(内湯のほうがまだしもまし)


【写真 上(左)】 かけ流し槽
【写真 下(右)】 かけ流し槽の湯口

これに対して、かけ流し槽はまったく別物といっていいほどのすばらしいお湯です。
うす緑色ににごったお湯には黄茶の湯の花と細かな気泡が舞っていますがアワつきはなし。重曹味+微苦味+うま味、金気臭+桐箪笥のような臭い。(この臭いは「りえっくす」にもあったので、この源泉固有のものかも?)
きしきしが強く、どちらかというと硬めのごつごつした感触のクセの強いお湯で、かなり力強い浴感があります。ぬる湯なのでまだ入れますが、これが熱湯だったら湯慣れない人はほとんどまともに入れないのでは?

そんなわけで、あまり長湯はできないのですが、妙にあとを曳くお湯で、しばらく涼んでいるとまたぞろ入りたくなります。
イメージ的には海尻の「灯明の湯」に近いですが、より重炭酸土類が弱く、正苦味泉的な色が強いような。(SO4の成分量はあまりないですが・・・)。

「りえっくす」との比較ですが、お湯は、ここのかけ流し槽と「りえっくす」の上段内湯の湯口そばが拮抗(こっちのほうがちょいといいかも?)。浴場のつくりじたいは、個人的には「りえっくす」の方が好みです。

入りやすくバランスのとれた施設でお湯もいいのでおすすめ。ファミリーやグループならここ、カップルなら「りえっくす」という選択かな?

Na・Mg・Ca-炭酸水素塩温泉 46.0℃、pH=6.8、240L/min(動力揚湯、うち180L/minを当施設で使用)、成分総計=1192mg/kg、Na^+=158.8mg/kg (35.39mval%)、Mg^2+=72.4 (30.53)、Ca^2+=104.3 (26.63)、Fe^2+=2.7、Cl^-=75.4 (10.92)、SO_4^2-=1.9、HCO_3^-=1057 (88.79)、陽イオン計=391.0 (19.52mval)、陰イオン計=1135 (19.51mval)、メタけい酸=149.3、メタほう酸=17.9、遊離炭酸=298.8 <H13.11.22分析> (源泉名:松原湖高原カラマツの湯(仮称))

※分析書では「松原湖高原カラマツの湯(仮称)」という源泉名ですが、温泉名は「北八ヶ岳松原湖温泉」。あるいは正式な源泉名じたいを変更したのかもしれません。
お湯は旧足湯の泉源地から約4.3km引湯しているとのこと。
なお、ONKEN21さんの情報によると近くに温泉スタンドがあるらしいですが、確認しませんでした。

〔 2007年12月21日レポ 〕
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■ (塩原)大網温泉 「湯守 田中屋」 〔露天〕



(塩原)大網温泉「湯守 田中屋」〔露天〕
住 所 :栃木県那須塩原市塩原6番地(旧 塩原町)
電 話 :0287-32-3232
時 間 :13:00~20:00
料 金 :800円(内湯は別料金800円)
オフィシャルHP

※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。


大網温泉は、塩原11湯といわれる塩原温泉郷の入口に位置する歴史あるお湯です。
塩原は不思議なところで、上流の上塩原、中塩原あたりは平凡な山里をおだやかに流れていた箒川は、下流に向かうにつれしだいに険しさを増し、大網に至って幽邃な渓谷を展開します。この渓谷に面して、大網温泉の有名な露天風呂(日本3大露天に数えられることもあるらしい)があります。ここは以前3度ほど入っていますが、今回じっくり入ったのでレポします。みしゅらん、ナイジェルさん、めがねさんのレポあり。


【写真 上(左)】 300段の階段
【写真 下(右)】 階段から「仙郷湯」

ここは「湯守 田中屋」の一軒宿で本館フロントで受付。玄関よこの飲泉所では、芒硝味と鉄系だし味のきいたよさげな源泉が味わえます。
Pのよこから300段にもおよぶ急な階段を下っていくと、途中から木の間がくれに4つの露天風呂が見えてきます。


【写真 上(左)】 「河原湯」と渓谷
【写真 下(右)】 「美人の湯」

女湯「美人の湯」(鉄平石造4-5人、屋根付)と、そのよこにメインの「仙郷湯」、階段を下ると小さな「岩間湯」、さらに下った川面ちかくに「河原湯」があります。「美人の湯」以外は混浴。ほかにいくつか浴槽の残骸らしきものがありますが、お湯が張られているのは上の4槽です。
女湯にはちゃんとした脱衣所があるものの、男性は「仙郷湯」よこの目隠しもない棚の前でワイルドに脱衣します(笑)
この日は土曜ながら空いていて、12時で独占!~3人。アメニティ類はなし。


【写真 上(左)】 「仙郷湯」
【写真 下(右)】 「仙郷湯」の湯口

A.「仙郷湯」
石枠鉄平石敷20人以上。木樋の湯口から大量投入で、石のあいまから川に向けての放流。
高みにあるので渓谷の眺めが秀逸です。
適温のお湯は無色透明で茶色の湯の花を浮かべています。芒硝味+石膏味に石膏臭。湯口では弱い焦げ臭。弱いとろみときしきしがあり、湯中の手先が青白く発光するSO4泉ライクなお湯です。お湯はけっして悪くないですが、つぎの2槽にくらべるとややインパクトに欠けるような気も・・・。


【写真 上(左)】 「岩間湯」
【写真 下(右)】 「岩間湯」の湧出ポイント

B.「岩間湯」
木枠コンクリ&自然石敷+砂地底3-4人。側面の穴からの注入(自然湧出?)と砂地底からの自然湧出。側面に仕込まれているパイプからの注入はなし。
きもち青味を帯びた透明のお湯はかなり熱めで銀色の細長い湯の花浮遊。味不明、かなり強い焦げ臭+僅微イオウ臭+α。鮮度感が高く、しっかりしたとろみに肌に食い入るような力強い浴感と強い青白発光がある上質なお湯です。


【写真 上(左)】 「河原湯」と川面 露天
【写真 下(右)】 「河原湯」

C.「河原湯」
コンクリ&自然石枠、コンクリ&自然石敷+砂地底5-6人。アーチ状にコンクリの屋根が懸かっています。浴槽奥に黒い無粋なパイプが引かれていますが出ておらず、ひょっとすると全量足元自噴かも。
湧出は奥がメインで奥はややぬるめ、手前はぬるめ。きもち青味がかって微濁したお湯にはうす茶の湯の花が大量に舞い、鮮度感は高くありません。
それでも、奥の方は入り心地がいいので、前半はけっこうここにいました。
味不明、弱いながらおだやかなSO4泉系の湯の香が香ります。弱いとろみ&きしきし&青白発光。SO4泉としてのわかりやすさはA.「仙郷湯」のほうがあると思いますが、なんとなく、こっちのほうがあとを曳く奥ぶかいお湯。

以上3槽は趣がちがいそれぞれに楽しめますが、やはりダントツによかったのはB.「岩間湯」でした。石膏泉と重炭酸土類泉が絶妙にバランスしているような質感の高いお湯で、塩原でも上位に入るお湯だと思います。

とかくロケーションだけがクローズアップされがちな大網の露天ですが、なかなかどうしてお湯もすばらしいものがあります。関東に渓流露天は数々あれど、これだけのロケーションと湯質を兼ね備えたところは少ないのでは・・・?
ただし、帰りは300段の恐怖の登りが待っています(^^;)。硫酸塩泉のお湯は想像以上に身体に効いているので、あわてずゆっくり登っていきましょう。(途中に休憩所&「塩渓紀勝」という紀行文の木版もあり→みしゅらん参照)。

やませみさんの情報によると、田中屋は3本の源泉をもっています。
■大網4号泉 Na・Ca-SO4温泉 64.8℃ pH=7.1 総計=1.78
■大網5号泉 Na・Ca-SO4温泉 54.0℃ pH=8.6 ER=1.23
■岩間の湯 Na・Ca-SO4温泉 47.5℃ pH=7.2 ER=1.16
うち、内湯(男湯/後日レポします)は4号泉の単独使用。HPには「自噴する三つの自家源泉」とあるので、おそらく5号泉と岩間の湯もつかわれていると思いますが、利用浴槽が不明。露天は5号泉と岩間の湯利用では?。とくに「岩間湯」はあきらかに他の浴槽とお湯の感じが違ったので、ここは自然湧出する”岩間の湯”源泉かもしれません。

露天まわりに温泉分析書の掲示はみあたらなかったので、内湯掲示の4号泉データを載っけておきます。
Na・Ca-硫酸塩温泉 62.5℃、pH=7.7、150.01L/min動力揚湯、成分総計=1.512g/kg、Na^+=288.9mg/kg (63.66mval%)、Ca^2+=135.3 (34.21)、F^-=4.8、Cl^-=29.2 (4.05)、SO_4^2-=854.2 (87.39)、HCO_3^-=90.9 (7.32)、陽イオン計=438.1 (19.74mval)、陰イオン計=979.1 (20.35mval)、メタけい酸=89.7 <H19.3.5分析> (源泉名:大網4号)

■ここの一軒宿は、近年、「ホテルニュー大網」→「湯守 田中屋」→「温泉 宿小町」と改名を重ね、なにか経営的に不安定なものを感じていましたが、2004年末、産業再生機構の支援決定。再生機構のもとでリニューアルを実施し、翌年4月に営業を再開。2006年4月には大和証券&三井住友フィナンシャルグループ系列のファンドの傘下に入り、経営管理は同グループと再生機構その他で設立した、(株)旅館マネジメントサポートによりおこなわれています。

このところかなり人気のようで、週末の露天は若いカップルやグループ客で占拠されることもあるよう。しずかにゆったり入りたいならばオフシーズンや平日を狙うのがベターかもしれません。

〔 2007年12月4日レポ 〕
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■ 白州甲斐駒ケ岳温泉 「尾白の湯」



<白州甲斐駒ケ岳温泉「尾白の湯」> (北杜市(旧 白州町)、10:00~21:00水休、700円(市外、公園入園料200円込)、0551-35-2800)
オフィシャルHP

”名水・森・人”をテーマとした「白州・尾白の森名水公園(べるが)」内に2006年4月29日オープンした日帰り温泉施設。
場所は意外にわかりにくいですが、近くまでいくとわかります。(→ここ

「尾白川河岸の地下深くより沸き出でる超高濃度の温泉」ということなので、期待していきました(^^)
公園入口で200円を払います。すぐ先にPがありますがこれは公園用。かなり奥に「尾白の湯」専用Pがあるのでそこに駐車します。
かなり大規模な施設でびっくり。となりは広々とした「水の庭園」です。
フロント横の食事処「白州庵」は家族連れでいっぱい。
浴場は廊下を渡った別棟にあって、浴場前のロビーには「白州・尾白川天然水」の水飲み場があります。
この別棟も広々としていますが、どことなくセンター系的雰囲気を残しているのはご愛嬌。


【写真 上(左)】 水の庭園
【写真 下(右)】 広々とした館内

脱衣所も綺麗でゆったり。内湯浴場は天井高く、窓も広くて明るいもの。入って手前から打たせ湯(休止中)、水風呂(冷たい・カルキ感じず)、サウナ。その奥にかけ湯(温泉)と寝湯×5(温泉?)。さらに奥の窓ぎわに内湯(黒みかげ石枠水色タイル貼、25人以上、ジャグジー・ジェット付)があります。
カラン18(内セパ式9)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。日曜12時で10~20人ほどいましたが、浴場が広いのでゆったり。


【写真 上(左)】 尾白川天然水の水飲み場
【写真 下(右)】 内湯

露天ゾーンも広くて開放感があり、(たぶん)南アルプスの展望がききます。
手前に源泉露天風呂(岩枠石敷10人弱)、奥にメイン露天(岩枠鉄平石敷15人位、寝湯×2付)、ともに屋根がないので大雨のときはきびしいかも・・・。

メイン内湯は、石の湯口から大量投入+側面注入で底面吸湯オーバーフローなしの循環仕様。メイン露天は赤茶にうすく色づいた岩の湯口から大量投入で底面吸湯+切欠からの上面排湯でこれも循環仕様。
源泉露天は赤茶に色づいた岩の湯口からぬる湯投入+底面注入。にごり湯につき排湯不明でしたが、オーバーフローがないので、槽内排湯していると思います。

内湯とメイン露天のお湯は似ていてほぼ適温。うすにごり(内湯はほぼ透明)で湯中に白と茶とオレンジ!の浮遊物が舞っています。明瞭な塩味でほぼ無臭。特別な湯ざわりはないもののそこそこの浴感はあります。(1/10程度に希釈しているらしい。)


【写真 上(左)】 源泉露天
【写真 下(右)】 源泉露天の湯口

源泉露天のお湯はまったくちがっていて、透明度20cmほどの赤茶色のにごり湯。強塩味でかすかに金気のなまったようなまったりとした臭いで、鉄系のギシギシと土類食塩系のきしきしぺとぺとした湯ざわりがあり浴後もややぺとつきます。
30g超の濃~い強食塩泉で、濃度感はしっかりとありますが、なぜか温まりは弱くそのわりに妙に発汗するお湯。ぬる湯なのにたいていの人は成分&濃度に負けて、早々に出ていってしまいます。湯口の源泉投入量もあり、鮮度もわるくないですが、なぜか浴槽での鮮度感はあまり感じられません。個性的なイメージのお湯は、群馬太田の「湯源郷」(休業中)に近いものを感じました。

お湯のよさはダントツに源泉露天。つぎにメイン露天、内湯の順かな?
山梨らしからぬ塩気と金気の強いお湯で、南アルプスのふもとになんでこんな化石海水的強食塩泉が湧いているのか不思議。Li^+やSr^2+のただならぬ濃度からして、ジオプレッシャー型かも・・・。
※浴場内に掲げられていたT教授の解説には「『地下深部花崗岩冷却結晶時の”マグマ水的強食塩泉”』『プレート沈み込みによる”絞り水的強食塩泉”』等の大地変動による極めて高濃度の食塩泉の可能性を秘めた・・・(以下略)」とありました。

このあたりでは異色のお湯で、施設のできも悪くないので、近くにきたら寄られてみてはいかがでしょうか。

Na-塩化物強塩温泉 39.5℃、pH不明、湧出量=160.7L/min、成分総計=30850mg/kg、Li^+=21.9mg/kg、Na^+=11080 (92.06mval%)、Mg^2+=143.2、Ca^2+=345.7、Sr^2+=152.8、Ba^2+=201.9、Fe^2+=0.5、Cl^-=5302.0 (99.03)、Br^-=16.9、HCO_3^-=246.5、陽イオン計=12060 (523.6mval)、陰イオン計=18700 (523.4mval)、メタほう酸=28.9 <H16.6.30分析> (源泉名:白州尾白の湯)

<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:あり 循環・ろ過:あり 塩素系薬剤:使用

〔 2007年11月27日レポ 〕
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