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■ 長瀞七草寺と秩父満願の湯

  

昨日は残暑のさなか、長瀞七草寺巡りとひさびさに満願の湯に入ってきました。

■長瀞七草寺巡り
秩父鉄道サイト
長瀞町観光協会サイト

境内に「秋の七草」が一種類づつ植えられている長瀞町内の七つのお寺を巡る札所巡り。
ウォーキングブーム、花の写真ブーム、そして御朱印ブームが重なって、近年とみに活況を呈しているようです。
各鉄道会社が力を入れているので、電車で行き徒歩・レンタサイクルや巡回バスなどで楽しむのも手かと思いますが、今回は車で行きました。
札所間の距離はさしてないので、早めに現地に入れば徒歩でも1日で結願できるかと思います。
花の盛りはややタイムラグがあって、くず、ききょう、なでしこが早めです。秩父鉄道のチラシでもこの3ヶ寺を先に巡る2日間分割プランが紹介されていました。
また、この霊場は他札所の重複札所が1ヶ寺しかないので、御朱印収集的にも貴重なものだと思います。

 

【写真 上(左)】 秋の七草の由来書(真性寺)
【写真 下(右)】 結願でいただけた手拭い

●秋の七草
山上憶良が詠んだ以下の二首の歌がその由来とされ、滋養などのために”七草がゆ”を楽しむ「春の七草」とちがって、花の美しさを愛でるものとされているようです。
 秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花
 〔万葉集・巻八 1537〕
 萩の花 尾花 葛花 瞿麦(なでしこ)の花 姫部志(をみなへし) また藤袴 朝貌の花
 〔万葉集・巻八 1538〕

尾花はすすき、をみなへしは女郎花とも。「朝貌の花」は桔梗とするのが定説のようで、やはり桔梗が植えられていました。
春の七草は調子のよい「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」の順で定着していますが、秋の七草の順序は諸説あります。

山上憶良の歌に因むと、「はぎ、おばな、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう」となります。
五・七・五の調子でいくなら「はぎ、ききょう、くず、ふじばかま、おみなえし、おばな、なでしこ、(秋の七草)」となります。
語呂で知られているのは「おすきなふく(服)は」で、「お:おみなえし、す:すすき、き:ききょう、な:なでしこ、ふ:ふじばかま、く:くず、は:はぎ」となります。
べつに「おおきなはかま(袴)は(穿)く」=「お:おみなえし、お:おばな、き:ききょう、な:なでしこ、はかま:ふじばかま、は:はぎ、く:くず」というのもあります。
秩父鉄道、町観光協会のチラシともに並び順は↑のいずれともことなるランダムですが、末尾のおみなえしとなでしこだけは一致しています。(長瀞駅周辺での結願を意図したものだと思う。)

ふだんは順打ち、逆打ちにはぜんぜんこだわらないのですが、今回は一日結願なので御朱印の構成(順序)にこだわってみました(笑)
やはり、由来とされる山上憶良の歌に因む、「はぎ、おばな、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう」の順にしました。
寄居方面から入りこの順番で順打ちすると、おばなとなでしこで道順の重複が出るので、効率的に回るために頁を決めて揮毫いただくという、綴じ式納経帳的な方法をとりました。

長瀞七草寺で花をテーマにしたブログ記事はたくさんみつかるので、今回はほとけさまに焦点をあててまとめてみたいと思います。

1.不動山 白山寺 洞昌院 【萩】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 扁額

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【写真 上(左)】 萩
【写真 下(右)】 御朱印

長瀞町野上下郷2868 真言宗智山派 御本尊:不動明王、関東三十六不動29番札所
Pは参道脇にあります。七草寺で唯一、他霊場の札所(関東三十六不動)を兼ねるお寺です。
私は関東三十六不動、連れは七草寺の御朱印をいただきましたが、単に「御朱印をお願いします」というと、どちらの御朱印か尋ねられるようです。
御本尊は弘法大師のお作とも伝わる(関東三十六不動霊場ガイドブック)不動明王です。
奥の院は「苔不動」の聖地とされていますが、今回は遙拝のみでした。
本堂左手には虚空蔵菩薩のお堂があります。向拝から扉越しに端正なお姿が拝観できます。
萩は参道から本堂前、そして裏山とたくさん植えられていますが、やや盛りを過ぎていたかもしれません。

2.吉祥山 道光寺 【尾花(すすき)】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 扁額

 
【写真 上(左)】 尾花
【写真 下(右)】 御朱印
 
長瀞町岩田735 臨済宗妙心寺派 御本尊:釈迦如来
寄居方面から入ると最初のお寺で、「樋口」駅からも近いのでここから打ち始める人も多いかもしれません。県道に面して広いPがあります。
開けた感じの明るい寺で、あちこちで尾花が穂を上げはじめていました。色味に微妙なコントラストがあり、陽光を受けてとても綺麗でした。
山門右手の六地蔵もすすきを背景になかなか画になります。
納経所には地元の方?が何人か詰められてご開帳札所のようです。
御本尊は釈迦如来で、普賢、文殊の両菩薩とともに釈迦三尊形式となっており、御朱印の尊格も”南無釈迦三尊”となっています。

3.野上山 金剛院 遍照寺 【くず】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 向拝

 
【写真 上(左)】 くず
【写真 下(右)】 御朱印

長瀞町野上下郷2323 真言宗智山派 御本尊:役行者(神変大菩薩)
すこし山手に入ったところにあります。徒歩アプローチと車アプローチは別で、車アプローチは距離は短いですが一部未舗装です。Pからは山道をトラバース気味に少し下って葛棚をくぐっての風情あるアプローチとなります。
高台で見晴らしもよい好ロケーションのお寺です。ただし、くずはすでに盛りを過ぎていました。

御本尊は御本尊としてはめずらしい役行者(神変大菩薩)で、等身大で迫力があります。
脇本尊として不動明王もおわしますが、こちらも古色を帯びられて風格あるお姿でした。
御本尊が役行者ということもあってか、山岳修験的な雰囲気を感じます。由緒書きによると醍醐寺とのつながりを示すものもあるそうです。
御朱印の尊格は”神変大菩薩”で、役行者の御朱印は高崎市の長谷寺(金峰山修験本宗/坂東三十三箇所第15番札所)でしかいただいたことがないのでこれは希少です。

4.長瀞山 五大院 不動寺 【撫子】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 扁額

 
【写真 上(左)】 撫子
【写真 下(右)】 御朱印

長瀞町長瀞1753-1 真言宗醍醐派 御本尊:不動明王・五大明王
宝登山ロープウェイの乗り場のそばにあるお寺で、宝登山ロープウェイ駐車場の奥にPがあります。じっさいにはここが最後(結願)のお寺となりました。
宝登山は山岳信仰の歴史も古く、宝登山神社・玉泉寺から不動寺にかけてはやはり山岳修験的な雰囲気を感じます。
開山は、品川寺三十一世・仲田順和和上(境内縁起書より)で、いまなお真言宗醍醐派別格本山である品川寺との関係が深そうです。また、「火生三昧・火渡り荒行」が年々厳修されているようです。

本堂はこぢんまりとしていますが、御内陣須弥壇には御本尊不動明王とその脇侍である矜羯羅童子と制多迦童子、そして、東に降三世明王、南に軍荼利明王、西に大威徳明王、北に金剛夜叉明王がおわされる壮麗な五大明王の様式となっています。
私が参拝したときは堂内にあげていただけたので、まぢかで拝することができました。
一般に不動明王を御本尊とする寺院では、御真言として中咒(慈救咒)が掲げられていることが多いですが、ここでは、大咒(火界咒)、中咒(慈救咒)、小咒(一字咒)と掲げられていて、護摩修行の場としての臨場感があります。

御朱印の尊格は”五大力尊”で、これも関東では例のすくないものです。
参道まわりや本堂前に植えられているなでしこは、やや盛りを過ぎた感じでした。

5.東谷山 真性寺 【女郎花(おみなえし)】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 扁額

 
【写真 上(左)】 おみなえし
【写真 下(右)】 御朱印

長瀞町本野上436 真言宗智山派 御本尊:不動明王
アプローチは狭いですが、本堂手前に駐車できるスペースがあります。
規模は大きくないですが、なんとなくほのぼのとした感じのするお寺です。
おみなえしは本堂を囲むようにたくさん植えられていて満開でした。
本堂前には立派な修行大師像が。

6.金嶽山 法善寺 【藤袴(ふじばかま)】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 扁額

 
【写真 上(左)】 ふじばかま
【写真 下(右)】 御朱印

長瀞町大字井戸4176 臨済宗妙心寺派 御本尊:阿弥陀如来
道沿いに広いP。風格ある山門、楚々とした境内は禅寺の趣。
境内のあちこちで咲いていたふじばかまは繊細な花姿で、うす紫と白の二種類あったようです。
すっきりとした御内陣。竜虎の欄間彫刻が見事でした。

御朱印はご住職とおぼしきご高齢の方に揮毫いただけました。味わいのあるすばらしい筆致です。

7.金玉山 多宝寺 【桔梗(ききょう)】

 
【写真 上(左)】 本堂
【写真 下(右)】 扁額

 
【写真 上(左)】 桔梗
【写真 下(右)】 御朱印

長瀞町本野上40-1 真言宗智山派 御本尊:十一面観世音菩薩
道沿いに大きなスペースがありますが、Pはさらに奥です。
参道まわりには、如意輪観世音菩薩や馬頭観世音菩薩もおられます。
ちょうど巡礼バスが発車するところで、20人以上も乗っていたと思います。このバスの到着とかちあうと御朱印拝受は時間がかかるのでは?
なお、今回御朱印所は最大でも3人待ち、ほとんどは待ちなしでいただけました。御朱印を受けない参拝客もけっこういたので、ウォーキングメインの人も多いのでは。

ききょうは参道まわりや本堂前に植えられていますが、やや盛りを過ぎていました。

御本尊はこの霊場唯一の観音様。十一面観世音菩薩は人々の十一品類の無明煩悩を断ち切る功徳を施すとされ、数々の大寺の御本尊とされる力感のある観音様です。  
御朱印も力強い豪壮な筆致です。

長瀞七草寺の御朱印の特徴は、中央の御宝印・三宝印のかわりに花の印判が捺されているところです。
イメージ的にはやさしい感じがありますが、不動明王、釈迦三尊、神変大菩薩、五大力尊、不動明王、阿弥陀如来、十一面観世音菩薩と力感ある尊格が並びます。

 
【写真 上(左)】 七草寺の御朱印
【写真 下(右)】 不動寺の御朱印所看板

 
【写真 上(左)】 洞昌院の七草寺霊場の御朱印
【写真 下(右)】 洞昌院の関東三十六不動霊場の御朱印 

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結願後、かなり時間があったので、宝登山神社や秩父十三佛、秩父七福神の札所巡りにモードチェンジ。(御朱印三昧 ^^; )
宝登山神社はさすがですね。空気がちがいます。本殿から藤谷淵神社、日本武尊社、天満天神社、宝玉稲荷神社と回っていくと、なぜかいつの間にか玉泉寺の境内にいるという・・・。
神仏習合、そして特殊な分離の歴史があるそう。(玉泉寺の御朱印は授与されていないようです。)
あと、藤谷淵神社の祭神にはおどろきました。

 
【写真 上(左)】 宝登山神社
【写真 下(右)】 宝登山神社の御朱印

 
【写真 上(左)】 玉泉寺山門
【写真 下(右)】 みごとなタマゴタケが生えていました 

宝登山神社は人気のパワスポらしく、若いカップルや女性グループが目立ちました。人気のかき氷も行列店がいくつかありました。

【秩父満願の湯】
  
【写真 上(左)】 満願の湯
【写真 下(右)】 秩父鹿の味噌焼丼

参拝を終えて、ひさびさに秩父満願の湯に立ち寄りました。
入浴前に「秩父鹿の味噌焼丼」があったので食べてみました。味噌だけでシンプルに仕上げられ鹿肉の滋味が引き立ってなかなか美味でした。こういうのはあまり手を加えずにシンプルに調理した方がいいですね。
連れが注文した”黄金めし(セット)”もなかなか美味でした。(セットでついていた蕎麦のレベルも想定外に高かった。)

脱衣所、露天まわりなどリニューアルされて綺麗になっていました。依然はやや雑多な感じのあった脱衣所&浴場がシックな感じに一新され、これはリニューアルの成功例では。
露天から望む奥長瀞渓谷の佇まいはやはりいいですね。日帰り温泉では関東でも屈指の沢沿い露天ではないでしょうか。

土曜の夜だったのでファミリー客が目立ちました。客回転を速めるためか湯温が高めに設定されていて、子供さんがゆっくり入れる浴槽があまりなくちょっと気の毒でした。

全体にお湯のコンディションは悪くないです。
とくに水風呂は源泉のかけ流しに近い湯づかいで、しっかりイオウ臭が香ります。高アルカリのイオウ重曹泉系の威力発揮でお肌つるつる。
このところ秩父では新木鉱泉ばかり入っていたのですが、新木の”甘イオウ臭たまご水”とはちょっとちがったニュアンスを感じました。
以前のレポはこちら(当サイトでのレポは近日UPの予定。)

【 BGM 】


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ガラス細工のように繊細な声質&唱法でちょっと曲を選ぶような気もするけど、はまったときのヒーリング感&感情の入り方はハンパじゃないです。
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