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■ 湯河原温泉 「花長園」

このところむやみに忙しくて、数ヶ月ぶりのUPとなります。

 

湯河原温泉 「花長園」
住 所 :神奈川県足柄下郡湯河原町宮上656
電 話 :0465-62-3155
時 間 :食事付き日帰りプランあり
料 金 :同上
オフィシャルHP
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (湯河原温泉旅館協同組合)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

湯河原温泉宮上地区の奥湯河原寄りにある湯宿で「はなちょうえん」と読みます。
自家源泉をもち多彩な浴場に貸切で入れるので、宿泊(素泊り)してみました。(現在、日帰りは食事付のみという情報あり。)

 
【写真 上(左)】 末広橋からの藤木川
【写真 下(右)】 県道からのアプローチ

湯河原の温泉街は湯河原美術館の下手あたりまでで、そこからは湯宿が点在するエリアとなります。
藤木川に沿って走る県道75号が川を左岸に渡り返す末広橋のたもとから、すこし山手にのぼったところにあります。

 
【写真 上(左)】 湯宿の趣
【写真 下(右)】 客室

創業は昭和28年。木造2階建て11室の純和風のお宿で、和風の庭園を配しています。
県道から少しおくまって、藤木川の瀬音がきこえる落ちついたたたずまい。
ここは漁師船直送の魚が味わえる宿としても知られていますが、この日は素泊まりだったのでコメント不可。(→Web紹介ページ

 
【写真 上(左)】 風情ある廊下
【写真 下(右)】 ネコが数匹

館内はところどころ古さは目立つものの、こまめに手が入れられています。
ご主人はなにか飄々とした感じの方で、いたれりつくせりの接客はないですが、なにげに居ごこちよし。(自由に放っておいてくれる感じ)
客室に32インチ液晶TVがあるなどアメニティもなかなかで、6月の平日というのにほぼ満室にちかい入りだったのにはびっくり。

 
【写真 上(左)】 野天風呂入口
【写真 下(右)】 野天風呂ゾーン

1階に帳場と浴場、2階が客室という配置。
浴場は、奥まった別棟の「野天風呂ゾーン」の手前に「山彦の湯」、おくが「寿寿風の湯」のふたつの露天。

 
【写真 上(左)】 右が「観月風呂」、左が「見晴らし岩風呂」
【写真 下(右)】 「夫婦風呂」入口

館内に戻って帳場寄りには、「観月風呂」、「見晴らし岩風呂」、「夫婦風呂」の3つの内風呂が並んでいます。

 
【写真 上(左)】 「寿寿風の湯」サイン
【写真 下(右)】 「寿寿風の湯」の脱衣所

■「寿寿風の湯」
木棚に籐の脱衣籠が並ぶ脱衣所は、ゆったりとして雰囲気ありつかい勝手もいいもの。
浴場側にかかる「花長園 寿寿風」の赤い暖簾がなかなか効いています。

 
【写真 上(左)】 「寿寿風の湯」
【写真 下(右)】 「寿寿風の湯」の浴槽

扉をあけると石畳のむこうに石造り10人ほどの立派な露天で、半分ほどよしずの屋根が掛かっています。
植え込みの向こうは藤木川の流れで瀬音がきこえます。

 
【写真 上(左)】 眼下が藤木川
【写真 下(右)】 「寿寿風の湯」の湯口

石膏の析出+若干の石灰華がでた大ぶりの石の湯口から熱湯を少量投入。
他に適温の槽内注入があって、槽内排湯はみあたらずオーバーフロー。この槽内注入は撹拌用だと思います。

 
【写真 上(左)】 「山彦の湯」サイン
【写真 下(右)】 「山彦の湯」の脱衣所

■「山彦の湯」
こちらも雰囲気ある脱衣所で、こちらも浴場側の「花長園 山彦」の紫紺の暖簾が対照的に効いています。
扉をあけると石畳のむこうに露天で、雰囲気は「寿寿風の湯」に似ています。
こちらは石枠青鉄平敷7-8人で「寿寿風の湯」よりやや小ぶり。
おなじくよしず屋根と、植え込みの向こうに藤木川の瀬音。川沿い露天のイメージはこちらの方が強いです。

 
【写真 上(左)】 「山彦の湯」
【写真 下(右)】 「山彦の湯」の浴槽

 
【写真 上(左)】 「山彦の湯」の湯口
【写真 下(右)】 「山彦の湯」の湯口&湯色

こちらも石膏の析出+若干の石灰華がでた大ぶりの石の湯口から適温湯を相当量投入(「寿寿風の湯」よりだいぶ多い)。
他に適温の槽内注入&オーバーフローで、「寿寿風の湯」とどこかでお湯の行き来があるかもしれません。

 
【写真 上(左)】 「観月風呂」の脱衣所
【写真 下(右)】 「観月風呂」

■「観月風呂」
脱衣所はまあまあゆったり。二面採光のあかるい浴室ながら天井はさほど高くはありません。
岩組み鉄平石敷10人弱で、内湯ではいちばん大ぶりな浴槽。

 
【写真 上(左)】 「観月風呂」の湯口
【写真 下(右)】 貸し切り札

石膏の析出+若干の石灰華がでた大ぶりの石の湯口から水を投入し、上からパイプで熱湯源泉を当てています。
他にジャグジー状にボコボコと湯面を揺らす底面注入がありますが、これは撹拌用エアーかもしれません。槽内排湯はみあたらずオーバーフロー。

 
【写真 上(左)】 「見晴らし岩風呂」
【写真 下(右)】 「見晴らし岩風呂」の湯口

■「見晴らし岩風呂」
脱衣所は狭め。二面採光のあかるい浴室。
岩組み鉄平石敷4人ほどで、内湯では中くらいの大きさ。

「観月風呂」と同系統の投入で、ここも底面からのボコボコ&オーバーフローがあります。
加水量多めで、湯温はいちばんぬるめ。

 
【写真 上(左)】 「夫婦風呂」
【写真 下(右)】 「夫婦風呂」からの眺め

■「夫婦風呂」
もっともちいさな浴場で脱衣所は狭め。こちらも二面採光であかるい浴室です。
鉄平石造り2人。名前のとおり夫婦水いらずで入れそうな大きさ。

石膏の析出+若干の石灰華がでた石の湯口から熱湯を投入で、槽内注入・排湯ともなく投入全量をオーバーフローする文句なしのかけ流し。
底面からのボコボコがないので落ちついて入れます。

 
【写真 上(左)】 「夫婦風呂」の湯口
【写真 下(右)】 「夫婦風呂」の潤沢なオーバーフロー

お湯はどの浴槽も基本的には同系ですが、湯づかい(加水加減)によりニュアンスに若干のちがいが出ています。
湯温は、「夫婦風呂」(熱め)、「観月風呂」(やや熱)、「寿寿風の湯」(適温)、「山彦の湯」(適温~ややぬる)、「見晴らし岩風呂」(ぬるめ)の順か・・・。
84.6℃という高温源泉。それぞれ大きさのちがう浴槽でグラディエーション的に温度差をつけているとしたら、相当テクニカルな湯づかいかと。

お湯のよさはストレートに加水加減(湯温)と比例していると思われ↑と同じ順。
ここから考えても循環系の浴槽はないのでは?
とくに「夫婦風呂」のコンディションは抜群で、身を沈めるとざんざこのオーバーフローが申し訳ないほど。

 
【写真 上(左)】 注がれる源泉(「見晴らし岩風呂」)
【写真 下(右)】 湯口まわりの析出

ほぼ無色透明のお湯にはわずかに白くこまかな浮遊物。硫酸塩泉系らしく湯中の指先がよわく青白に発光しています。
かなりつよめの芒硝味と芒硝臭(うらによわい石膏臭も)。
この芒硝臭は消毒っぽい感じもありますが、おそらく源泉起源の湯の香だと思います。(芒硝泉系のお湯でときおり感じるもの。)

ツルすべと肌がぷりぷりと張る弾性感。硫酸塩泉ながらきしきしはさほど感じず、独特な弾性感が卓越し、肌のうえをお湯がすべるような上質な湯ざわりが楽しめます。

入るにつれお湯の熱さを感じなくなるのが芒硝泉の特徴。
湯温からくる火照りはほとんど感じないものの、お湯じたいの力感がつよいのでからだのなかからの温まりが強烈。途中で水浴びしないと長湯はきびしいほど・・・。
そのわりに浴後の熱の抜けよく、充実した爽快感に包まれる湯上がりは芒硝泉ならではのもの。
入り方のむずかしい泉質ですが、なるほど上級マニア(笑)の評価の高いのもうなづけます。

 
【写真 上(左)】 泉源?
【写真 下(右)】 アプローチのサイン

湯河原では「南明館」(入湯済未レポ)とともに、もっとも芒硝気のつよくでているお湯と思われ、このあたりから中伊豆まで延々とつづく「芒硝泉ワールド」の東側の一番手に当たるかもしれません。

繁忙時以外は全浴室貸切できるシステムで、帳場においてある貸し切り札を浴場入口に掛け、上がったら戻します。なので帳場に札がない浴場は入浴中ということになります。

温泉浴槽付の部屋が数室あって客が分散するうえに、夜どおし入れるので、タイミングを図れば全浴槽制覇はむずかしくないです。
ただ、相当な大きさのある「寿寿風の湯」、「山彦の湯」まで貸切にしてしまうのはどうなのかな。
夜中に時間を気にせず露天をゆったり堪能するのは泊まりの醍醐味、貸切だとどうしてもほかのお客が待っているのではないかと落ちつきません。
とくにこの貸切湯はあまりに贅沢なのでなおさらです。

ただ、「広~い貸切露天」で集客している可能性もあり、このへんは舵取りの難しいところか・・・。

しっとり落ちついた「隠れ宿」的イメージのお宿で、思い立ったときに疲れをいやすのにぴったりかも。
今度は、料理をたのんでゆったり泊まりたいと思いました。

〔 源泉名:湯河原第38号 〕 <H20.10.31分析>
Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉 84.6℃、pH=8.2、湧出量不明、成分総計=2072mg/kg
Na^+=487mg/kg、Ca^2+=170
Cl^-=728、SO_4^2-=475、HCO_3^-=38.6
陽イオン計=701.9、陰イオン計=1245.6、メタけい酸=110、メタほう酸=13.7
※このあたりは通称「源泉境」と呼ばれ、100本以上もの泉源をもつ湯河原でも、とくに泉源の多いエリアとなっています。


<温泉利用掲示>
加水:あり 加温:なし 循環装置等の使用:なし 消毒処理:なし

〔 館内掲示 〕
当園のお風呂は、カラン、シャワーから出るお湯にも温泉を使用しておりますため、(以下略)

〔 2013/10/26UP (2011/06入湯) 〕


E139.4.17.270N35.8.49.380
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