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■ 箱根湯本温泉(福住横穴湧泉) 「平賀敬美術館」 〔廃業〕

※新型コロナ感染急拡大につき、当面温泉レポは休廃止施設に絞ってUPしていきます。



湯巡りを重ねていくと、ときに記憶にふかく刻みつけられるお湯に巡り会います。
これはそんな1湯でしたが、惜しくも2018年5月に廃業したようです。

箱根湯本温泉(福住横穴湧泉)「平賀敬美術館」
住 所 :神奈川県箱根町湯本613
電 話 :2018年5月廃業
時 間 :11:00~17:00/45分、水・木休(営業時データ)
料 金 :1,500円 (入館料500円+入湯料1,000円)(同上)
オフィシャルHP(閉鎖)

関東を代表する名湯、箱根湯本温泉の発祥は、湯本熊野神社下に湧く「惣湯(そうゆ)」で、奈良時代の天平十年(738年)、加賀白山の泰澄の弟子釈浄定坊による「惣湯」の発見が箱根温泉の開湯とされています。

「惣湯」は現在も湯本第9号源泉として温泉台帳に登録され、現役の泉源として利用されています。
(参考資料は → こちら(ワクワクはこね温泉 第 2 回「箱根湯本温泉」/神奈川県温泉地学研究所))

おどろくべきことに、明治時代中頃までは箱根湯本温泉は「惣湯」1 本だけで支えられてきました。
明治25年(1892年)頃、湯坂山の麓で横穴が掘削され、あらたな温泉が湧出しました。
これが名湯の誉れ高い「湯本(福住)横穴湧泉」です。

湯本第3号源泉として台帳登録されたこの源泉は、箱根屈指の老舗旅館、「萬翠楼 福住」(日帰り不可)のみで入れましたが、2005年からここ「平賀敬美術館」でも入れるようになりました。
しかし、Web情報によると、2018年5月にこの施設は廃業となり、わずか12年ほどしか入湯できなかったことになります。

「箱根湯本温泉の湧出状況について」(神奈川県温泉地学研究所、1986年)によると、このエリアで初めて温泉実態調査が実施された昭和33年当時、実質源泉数64のうち自然湧出泉は3、7、9、13、22号の5源泉で3、7、22号は横穴湧出泉、9号は竪穴湧出泉、13号は自噴泉という区分けでした。(のちに9号泉(惣湯)は動力揚湯に変更)
第3号泉(湯本(福住)横穴湧泉)は、昭和33年当時でも湯本にわずか3本しかない横穴からの自然湧出泉であったことがわかります。

これは、2008年5月に入湯したときのレポをリニューアルしたものです。
廃業施設ですが、レポは現在形で仕上げています。

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箱根の玄関口、箱根湯本駅から東海道を塔ノ沢方面に歩いていくと、左手に早川にかかる朱い欄干の湯本橋が見えます。
この橋の通りが「湯場滝通り」で、渡ったさきが湯本最古の「湯場」地区となります。
渡って左手に蕎麦処「はつ花」、正面には「萬寿福旅館」がそれぞれ構えて、湯本でももっとも風情ある一画です。

「萬寿福旅館」前で道は左右に分かれ、車や人の大半は左手「湯場滝通り」沿いに流れます。
右手は前方に湯坂山が迫る行き止まりのエリアで、湯本のなかでひときわ落ち着いたたたずまいをみせています。
右手に老舗「萬翠楼 福住」、正面に「住吉旅館」、その裏手には箱根温泉発祥の地とされる湯本熊野神社が鎮座されます。


【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 外観

「住吉旅館」前の路地を左手に曲ってさらに進むと「平賀敬美術館」が見えてきます。
路地はここで行き止まりとなり、その先は須雲川の流れに突き当たります。
早川と須雲川の合流点に湯坂山が迫るこの一角は、湯本でも古い泉源が集中する要の地です。

このこぢんまりとした美術館は、独特な作風で知られる画家・平賀敬の晩年の邸宅を美術館として開放するもの。
こちらのWeb資料(FUMA CONTEMPORARY TOKYO BUNKYO ART)によると、平賀敬は1936年東京に生まれ、1965年渡仏しパリを拠点に創作活動に入り1977年帰国、2000年没。「2005年晩年を過ごした箱根湯本の邸宅にて平賀敬美術館開館」とあります。

この建物はもともと「萬翠楼 福住」の別荘として明治後期に建てられ、井上馨、犬養毅、近衛文麿など明治の元勲が逗留した由緒あるもので、「福住旅館別荘主屋」の名称で国の登録有形文化財に指定されています。
文化庁データベース
解説文から一部引用します。
「桟瓦葺,寄棟造の木造平屋建で,北側の1間幅廊下の南方に和室7室と台所,北方に便所と浴室を配する。湯本福住旅館の長期滞在者用客室として建設された別荘風の上質な数寄屋造建築。」


【写真 上(左)】 玄関前サイン
【写真 下(右)】 玄関


【写真 上(左)】 玄関正面
【写真 下(右)】 回数券案内露天

一見重厚な瓦葺の和風建築ですが、構えは西欧式コの字型のシンメトリになっています。
和風の玄関の奥に平賀敬のアバンギャルドな作品が掲げられ、一種独特な雰囲気を放っています。
玄関わきに入浴回数券の案内。通常入浴料1,000円のところ、5枚綴りで300円、@600円+入館料500円の計1,100円で入浴できます。(通常は入館料500円+入浴料1,000円の計1,500円)


【写真 上(左)】 廊下
【写真 下(右)】 トイレも和シック

玄関で料金を払って館内へ。貸切制ですが、先客はなくすぐに入れました。
館内は木の感触がやわらかい和風の仕上げ。造作の意匠がさりげなく凝っていて見応えがあります。
廊下には平賀敬氏の作品がところせましと展示されています。


【写真 上(左)】 洗面所入口
【写真 下(右)】 浴場入口

ふたつ(3ヶ所?)ある浴場のうち奥のひとつのみ使用しているようで、原則45分1組(1~3名)の貸切制、週末など事前予約したほうがベターかと。
廊下の奥右手に浴室。扉のうえには「室浴號弐第」という渋い銘板が掲げられています。
浴場入口にタオルがおいてあり自由につかえます。


【写真 上(左)】 浴場の銘板
【写真 下(右)】 浴室からの脱衣所


【写真 上(左)】 浴室
【写真 下(右)】 窓と照明

扉をあけると眼前にすばらしい浴場が展開します。
入ってすぐよこが脱衣所。数段ひくく浴槽と手前に寝湯スペース。
崖下に設えられた浴場は全体に暗く、橙色のまるい照明が場内をぼんやりと照らしています。
要人が多く入浴したためか、窓には外敵侵入防止用の鉄格子がはめられています。
窓の外左手下に送湯装置らしき金属の箱が置かれています。


【写真 上(左)】 鉄格子
【写真 下(右)】 送湯装置?


【写真 上(左)】 天井-1
【写真 下(右)】 天井-2

木組みで湯気抜きのある高い天井は(唐)傘天井かもしれません。湯気のこもりがなく快適な浴室。


【写真 上(左)】 隣の浴場との仕切りと天井
【写真 下(右)】 桶&椅子

職人芸のタイル床と豪奢な総大理石の浴槽(2人ほど)の対比が見事。
レトロな風情は、関東近県では伊豆湯ヶ野温泉「福田家」(→ レポ)の榧風呂と双璧では?


【写真 上(左)】 シェルの石鹸受け
【写真 下(右)】 芸の細かい意匠


【写真 上(左)】 湯口(上から)
【写真 下(右)】 湯口(側方から)

竹筒のなかの塩ビパイプから熱めのお湯を16L/minほどしずかに注ぎ込み、全量をオーバーフローのかけ流し。


【写真 上(左)】 オーバーフロー
【写真 下(右)】 かけ流しの掲示

浴槽よこに白磁染付の陶枕がおいてあり、大理石の内床に寝そべるとあふれたお湯で寝湯を楽しめます。
これがかの福住横穴湧泉ですから贅沢なものです。


【写真 上(左)】 寝湯スペース
【写真 下(右)】 白磁染付の陶枕


【写真 上(左)】 内床と浴槽
【写真 下(右)】 大理石の内床

カラン2(出ず)、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。平日(連休)13時で貸切。
前後の入浴客はいないようでした。

さて、注目のお湯です。
ほぼ適温のお湯は無色透明で浮遊物はほとんどなし。
明瞭な芒硝味と微塩味に、わずかながらアルミニウム系?の収斂味がまじります。
はっきりとした石膏芒硝系の湯の香が湯面からも立ちのぼります。

ヌルすべとキシキシとよわいとろみが絶妙にブレンドされた湯ざわりで、やわらかさはさほど感じられないもののなぜか入っていてほっとするお湯です。
硫酸塩成分を含み、湯中の指先が青白く発光しています。


【写真 上(左)】 正面からの浴槽
【写真 下(右)】 斜めからの浴槽


【写真 上(左)】 上部からの浴槽
【写真 下(右)】 湯色

ほどよく温もりますがほてりはほとんどなく、浴後に爽快感が出てまたぞろ入りたくなるあと曳き系のお湯は格調高く文句なしの名湯。
泉質は異なりますが、なぜか姥子の「秀明館」(→ レポ)を思い起こしました。

じつはここの前にそぐそばの「住吉旅館」(→ レポに入りましたが、そちらの湯場惣湯系のお湯(湯本第7号・9号、41号)とは微妙にニュアンスがちがうような感じがありました。

なお、惣湯系の源泉に入れる施設は以下のとおりです。
・住吉旅館(後註:廃業の模様) → レポ
・大和旅館 → レポ
・萬寿福旅館 → 入湯済未レポ
・早雲の湯 和泉 → 入湯済未レポ 

神奈川県温泉地学研究所資料によると福住横穴湧泉(湯本第3号源泉)の泉源は「平賀敬美術館」の周辺になっています。
おそらく「平賀敬美術館」の奥の湯坂山の山裾、惣湯(第9号)にもほど近いところかと思います。

「萬翠楼 福住」の公式Webによると、福住の使用源泉は湯本第3号泉(福住横穴湧泉)。
なのでここは福住より泉源に近いところで横穴湧泉に入れる貴重な浴場ということになります。


【写真 上(左)】 休憩所
【写真 下(右)】 お茶菓子(料金内)もお洒落

浴後、休憩室でお茶菓子をいただけます。
男性のスタッフの方と少しはなしをしました。(画伯のご子息かもしれません。)
「お湯は福住と同じで、こちらの方が泉源に近い。」「お湯の質には自信があるが、知られていないので入浴客はあまり多くない。」とのことでした。

料金1,500円はきびしいですが、お湯といい、浴場の雰囲気といい、温泉好きならいちどは入る価値があるのでは。
(入館時に「HPを見た」といえば入館料100円引になります。)

なお、Pは建物前に1~2台分しかないので、湯本のPに停めて散策がてら歩いていったほうがいいかもしれません。

アルカリ性単純温泉 42.4℃、pH=8.9、湧出量不明、成分総計=0.545g/kg、Na^+=145mg/kg、Ca^2+=28.2、Cl^-=135、SO_4^2-=142、HCO_3^-=29.9、メタけい酸=45.3、メタほう酸=4.95 <H17.5.10分析> (源泉名:福住湧泉(湯本第3号))

<温泉利用掲示> 100%天然温泉かけ流し

------- 2021/07/31 追記 -------
温泉観光地の勝ち組筆頭に指折られる箱根ですが、近年の廃業施設はじつは少なくありません。
跡地の多くは外資をメインとした高級施設に生まれ変わり、そのほとんどは外来入浴できません。
なので、日帰りで入浴できる源泉の数は次第に減ってきていることになります。

子供のころから慣れ親しんだ箱根。
先の見えないコロナ禍のなか、少しでも多くの施設が生き残ってくれることを切に祈ります。

〔 2008/05/08レポに2021/07/31加筆。入湯は2008/05 〕


E139.6.7.400N35.13.39.100

【 BGM 】
■Glory To His Name - Jack Jezzro
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■ What A fool Believes (クラフトボス)

クラフトボス『見た目からおいしい』54秒 トミー・リー・ジョーンズ サントリー

↑ 最近、放映のピッチが上がってきている気がする。
もう40年以上も前の曲じゃが。
原曲は「What A fool Believes」/The Doobie Brothers (1979)

AOR(AC)に括るにはまだ洗練度が足りないけど、Michael McDonaldの鍵盤リフはやっぱりインパクトあり。

↓ 洗練度を増したMichael McDonaldのソロ曲。一級品です。
■ Our Love - Michael McDonald -


この手の曲がお好みでしたら、いろいろありますのでどーぞ ↓

ミディアムなAOR

夏向きの洋楽30曲!
1983年の夏歌12曲-1
1983年の夏歌12曲-2

跳ね曲15曲

1983年洋楽ピーク説(名曲編)
グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?)

AC全盛期('70年代後半~'80年代前半)のデュエット
AC全盛期('70年代後半~'80年代前半)のリズム
1980年代のサントラ&CM


AOR系名曲を100曲!
(100曲すべてリンクを貼りなおしました。)

1979年の洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)
1980年の洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)
1981年の洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)
1982年の洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)
1983年の洋楽ヒット曲 (Billboardデータから)

■ 佐野元春 『 ハートビート ~ 小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド ~ 』

10分06秒を一気に聴かせる真夜中のバラッド。1983年の不朽の名演。
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日本酒-1

2021/07/10 UP

4回目の緊急事態宣言が発令されました。
またしても飲食店に酒類提供の自粛要請です。

このところ日本酒が復権を果たし、都内の居酒屋でも各地の地酒が楽しめるようになっていたので、それだけに蔵元さんもきびしい局面かと思います。
応援の意味もあって、このところ通販や専門店で地酒を多めに買い入れました。
(本当はこの暑いさなかに自宅在庫はよくないのですが・・・(笑))

今回は各地の酒米をテーマにして選定してみましたので、参考までにご紹介してみます。
通販サイトが充実して、うまくググれば都内でもなかなかお目にかかれない稀少銘柄が入手できたりします。
「家飲みに地酒のお取り寄せ」、トライされてみてはいかがでしょうか。

なお、この記事(Vol.10まであります)、追記したいことがけっこうあるので、これからリニューアルしていく予定です。



左から
■風の森 秋津穂507 / 油長酒造㈱(奈良県御所市)
奈良県天理産秋津穂100%使用、精米歩合50%、7号酵母、日本酒度・酸度不明
(→情報元

■みむろ杉 特別純米酒辛口 露葉風 / 今西酒造㈱(奈良県桜井市)
奈良県産露葉風100%使用、精米歩合60%、日本酒度+6、酸度1.9
(→情報元
 
■麒麟山 超辛口 / 麒麟山酒造㈱(新潟県阿賀町)
新潟県奥阿賀産米100%使用(麹米:たかね錦 掛米:こしいぶき)、精米歩合麹米:60% 掛米:65%、日本酒度+12
(→情報元
お安いですが美味しいいいお酒です。ラベルが変わりました。

■Setouchi KAWATSURU 純米吟醸 さぬきオリーブ酵母仕込み / 川鶴酒造㈱(香川県観音寺市)
香川県産オオセト、精米歩合55%、さぬきオリーブ酵母、日本酒度0、酸度2.2
(→情報元

■出雲富士 特別純米 / 富士酒造㈱(島根県出雲市)
島根県出雲市産佐香錦100%使用、精米歩合60%、日本酒度・酸度不明
(→情報元



左から
■越前岬 槽搾り純米「越前産九頭竜」 / 田邊酒造㈲(福井県永平寺町)
福井県産九頭竜100%使用、精米歩合60%、協会601号、日本酒度+3.0、酸度1.6
(→情報元

■鶴齢 純米吟醸 / 青木酒造㈱(新潟県魚沼市)
(新潟県産?)越淡麗100%使用、精米歩合55%、日本酒度+0.5、酸度1.4
(→情報元
 
■伊予賀儀屋 無濾過純米 松山三井 赤ラベル / 成龍酒造㈱(愛媛県西条市)
愛媛県産松山三井100%使用、精米歩合60%、愛媛酵母、日本酒度+4、酸度1.6
(→情報元

■御前酒 菩提酛1859 / ㈱辻本店(岡山県真庭市)
岡山県瀬戸産雄町100%使用、精米歩合65%、1401b号 酵母、菩提酛仕込み、日本酒度・酸度不明
(→情報元

■燦然 純米吟醸 朝日 / 菊池酒造㈱(岡山県倉敷市)
岡山県産朝日100%使用、精米歩合55%、日本酒度・酸度不明



左から
■国重 純米吟醸 / 綾菊酒造㈱(香川県綾川町)
香川県綾川町産オオセト100%使用、精米歩合50%、日本酒度+1(0)、酸度不明
(→情報元

■御慶事 ふくまる純米吟醸 / 青木酒造㈱(茨城県古河市)
茨城県産ふくまる100%使用、精米歩合55%、自社酵母AOK-1(7号系)、日本酒度+1、酸度1.7
 
■苗加屋 純米吟醸 玲碧 / 若鶴酒造㈱(富山県砺波市)
富山県産雄山錦100%使用、精米歩合55%、日本酒度+1、酸度1.7

■小富士 超辛口 / 島田酒造㈱(愛媛県東温市)
松山三井、精米歩合65%、901号酵母、日本酒度+12、酸度1.1
(→情報元

■蔵元の梅酒 無添加 / 栄光酒造㈱(愛媛県松山市)
愛媛産南高梅使用の本格米焼酎、アルコール度数14.0度
甘さ控えめでおいしいです!


〔 広島の地酒特集 〕 白身の魚との相性抜群です。

左から
■うごのつき 純米吟醸酒 / 相原酒造㈲(広島県呉市)
山田錦100%使用、精米歩合60%、日本酒度・酸度不明

■雨後の月 特別純米 十三夜 / 相原酒造㈲(広島県呉市)
山田錦100%使用、精米歩合60%、協会701号酵母、日本酒度・酸度不明
(→情報元
 
■旭鳳 純米吟醸 泰平 / 旭鳳酒造㈱(広島市安佐北区)
広島県産八反錦100%使用、精米歩合60%、自社酵母(KB-1)、日本酒度+1.0、酸度1.9

■寶剱 純米酒 超辛口 / 宝剣酒造㈱(広島県呉市)
広島県産八反錦100%使用、精米歩合60%、K-701酵母、日本酒度+10、酸度1.6
(→情報元

■寶剱 純米 廣嶋八反錦 / 宝剣酒造㈱(広島県呉市)
広島県産八反錦使用、精米歩合60%、日本酒度・酸度不明
(→情報元

【 BGM 】
■ ひらひら ひらら - ClariS


■ 夏空の下 - やなわらばー


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2018/08/25 UP

2012年の古い記事ですが、なぜかこのところアクセスが増えているので、あざとらしく(笑)、上にあげてみました。

註:2012年01月30日現在の記事です。このときよりは日本酒は大きく復権していると思います。
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最近、酒屋にいくと焼酎コーナーがどんどん大きくなり、日本酒は圧迫されて小さくなっています。
焼酎は原料が多彩で、芋、麦、米、蕎麦、黒糖などのほか、栗、じゃがいも、しそ、かぼちゃ、ごぼう、にんじん、とうもろこしなどいろいろ、要はデンプンを含んでいればほぼ原料になれます。
椎茸焼酎やれんこん焼酎を飲んだこともありますが、わたしにはそれほどの個性は感じられませんでした。
それどころか、米焼酎と麦焼酎のちがいさえわからないことがあります。

 
下越、阿賀の銘醸 「麒麟山」
伝統辛口 麒麟山酒造(株)/新潟県阿賀町(旧 津川町)

焼酎は”蒸留酒”なので蒸留過程である程度原料の個性が飛んでしまうのでは?とも感じていますが、焼酎マニアから「んなワケないだろ、もっと深いわ!」と一喝されてしまいそうです(笑)
ちなみに”蒸留”とは、物質の蒸気圧の差を利用して特定成分を濃縮する方法です。
酒でいうと、1気圧におけるエタノールの沸点は約78℃で水の沸点(約100℃)より低いので、加熱するとエタノールがさきに気化して濃縮しアルコール度数が高まります。なので容易に高いアルコール度数の酒が得られるわけです。

とまれ、わたしには、焼酎の質や銘柄の差などあまりわからないので、酒屋にあれだけの銘柄が並び(最近は蔵元のエリア別にこまかく分類されていたりする)、プレミア焼酎に信じられない値段がつけられているのをみると、「蒸留酒でこれだけデリケートな飲み分けができる日本の酒飲みのレベルは本当に高い!」とつくづく感心してしまいます(^^)


秋田仙北の地酒 「刈穂」
特別本醸造 秋田清酒(株)/秋田県大仙市(旧 神岡町) 精米歩合60%

わたしが近ごろもっぱら飲んでいるのは日本酒で、飲み仲間にも日本酒好きが多いので、ビールを省略していきなり日本酒から入る、なんてこともふつうにあります。
肉料理より魚料理のほうが好きなので、どうしても日本酒にいってしまうということもあると思います。
最近の日本酒はどんどん美味しくなっているのに、どうしてこんなに勢いがないのか???
しばらく温泉をはなれて日本酒について書いてみたいと思います。

なお、日本酒については専門書やWebがたくさんあり、ひじょ~に奥がふかいので、間違いや思いちがいがあるかもしれません。
そのときは笑ってやってください。

つづきへ

<参考資料>
・「日本酒」(秋山裕一氏著、岩波新書)
・「酒の話」(小泉武夫氏著、講談社現代新書)
・「うまい日本酒はどこにある?」(増田晶文氏著、草思者文庫)
・「日本酒 にっぽんの蔵元と銘酒」(樋口孝司氏著、青春文庫)
・「吟醸酒への招待」(篠田次郎氏著、中公文庫)

日本酒-1
日本酒-2 / 1.玄米
日本酒-3 / 2.精白
日本酒-4 / 3.蒸米・麹・酒母
日本酒-5 / 4.もろみ(仕込み・造り)
日本酒-6 / 5.搾り
日本酒-7 / 6.滓澱(オリ)引き、濾過
日本酒-8 / 7.火入れ ・ 8.貯蔵・熟成
日本酒-9 / 9.濾過・火入れ(2回目) ・ 10.割水
日本酒-10 / ■味覚からのネーミング

【BGM】
■ メトロクローム - riya(eufonius)


■ Erato - 志方あきこ


■ 夢の途中 - KOKIA
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■ 奥座敷(近場の温泉たち)& メロ曲追加しました

2021/07/08 UP

4回目の緊急事態宣言発令です。
もはや宣言発令の効果はない、という見方もありますが、やはり夏休みのレジャー産業の打撃は必至かと。
GW、お盆休み、年末年始、再度のGW、そして再度のお盆休みと、5つのピークを奪われた温泉業界の苦境がもはや限界に達していることは容易に想像できます。

温泉(旅行)業界のお客はもともと多種多様で、たとえほとんどのお客が東京からであっても、制度的な補償はほとんど打たれてきませんでした。
(発令で顧客が蒸発してしまっても、施設の所在は宣言エリア外なので補償は出ないという構図。)
しかも、五輪特需を狙って投資をかけたところもあるとみられ、投資回収が重くのしかかります。

一企業で対応できることは、自ずから限界があります。
ここは過去の実績にもとづいた粗利補償的な対応でしか、収拾の糸口はつけられないのかもしれません。

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2021/01/23 UP

新型コロナ感染拡大収束のメドが見えてきません。
変異種が入ってきているし、ワクチン接種のスケジュールも不透明感を増しているなか、新型コロナ禍は当面つづくとみるべきなのかもしれません。

GW、お盆休み、年末年始と、相次いで3つのピークを奪われた温泉業界が、目下空前の苦境に立たされていることは想像に難くないところです。
オリ・パラ特需を見越して起死回生の設備投資を打ったところもあるとみられ、さらに傷口を広げてしまったケースもあるかもしれません。
↓ にも書いたとおり、もともと温泉業界はコロナ前から構造的な不況下にあり、それに今回のコロナ禍がとどめをさしてしまう懸念も出てきました。

いうまでもないことですが、温泉業界にかかわらず、営利組織はおのおの個別具体に状況がことなります。
なので、範囲を絞った一律給付策は多かれ少なかれかならず ”不公平感” を生み出します。(ぜんぜん足りないところも、政策バブルを享受するところも出る。給付なしのところからは不満も出る。)

「100年に一度」といわれる未曾有の国難。
GOTOについてのリスクや問題点は、多くの識者が指摘しているとおりですし、
財源について、様々な立ち位置から賛否両論あるとは思いますが、
ここは過去の実績にもとづいた粗利補償的な対応でしか、収拾の糸口はつけられないのかもしれません。

一刻もはやく適切な策が講じられ、
日本のすばらしい温泉たちが、このコロナ禍を乗り越えて1湯でも多く残れますように・・・。


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2020/05/24 UP

あいかわらずステイホーム中です。
このところ多くのアクセスをいただいているし、仕事も一段落したので、しばらくブログを連投していきたいと思います。

さっき視たテレビのアンケートで、新型コロナ収束したら一番やりたいことは、ダントツで「国内旅行」でした。
新型コロナ第2波、第3波が懸念されるなか、当面は県内客をメインに集客、という流れが強まるのではないでしょうか。
ここで思い起こしたのは「奥座敷」ということば。

観光の分野で「奥座敷」というと、都市近郊の観光地、とくに温泉地をさす場合が多いです。
かつて交通が不便だった時代、ビジネス客は商談地のそばに宿をとりました。
温泉地があればそこが選ばれたし、そこで接待がおこなわれるケースも少なくなかったようです。
また、都市の住民も、宴会や法要、親族の集まり、そして日頃の息抜きなどに奥座敷の旅館を利用していました。

交通が便利になって、出張は日帰りがメインになり、経費削減で接待も減りました。
かろうじて残った宿泊ニーズも、安価で設備のととのったビジネスホテルやスーパーホテルに吸収されていきました。
人々は旅行の宿泊先として近場の温泉よりも、非日常感のある遠くの温泉を志向するようになり(秘湯ブームが好例)、日頃の息抜きニーズもスーパー銭湯などの新興勢力に蚕食されていきました。

また、温泉地を支えていた多くのお宿は1万~1万5千円程度のプライス・ゾーンであり、中間所得層の減少によるニーズの2極化も、じわじわと打撃を与えていったものと考えられます。

なので、一部のブランド温泉地をのぞくと、多くの「奥座敷」は、近年たいへんな逆境にさらされていたことになりますし、実際、力尽きて廃業を余儀なくされたお宿も少なくありません。

いま「奥座敷」に残っているお宿は、このような大逆境を乗り越えてきた強者たちであり、じっさいオリジナルな魅力をもっているものです。
(とくに料理のレベルが高い割烹旅館が多い。)

これらの「強者」も、今回の新型コロナ禍では例外なく痛手を被っていると思いますし、存続の危機を迎えているケースも少なくないかもしれません。

ただ、今回のコロナ収束の過程で「近場の観光地」が見直されることはおそらく間違いなく、新たな客層を開拓するチャンスに転じる可能性もあります。
ひきつづき予断を許さない状況ですが、なんとかこの苦境を乗り切ってほしいものです。

奥座敷の温泉については、→こちらのページがよくまとまっています。

関東周辺について、すこし補足してみます。

・大子温泉・袋田温泉(茨城県大子町)・・・ 久慈エリアの奥座敷
・成沢温泉(茨城県水戸市)・・・ 水戸の奥座敷
・馬頭温泉郷(栃木県那珂川町)・・・ 那珂エリアの奥座敷
・鬼怒川温泉・川治温泉(栃木県日光市)・・・東京(下町エリア)の奥座敷
・赤見温泉(栃木県日光市)・・・ 佐野・足利の奥座敷
・やぶ塚温泉(群馬県太田市)・・・ 太田・桐生・伊勢崎の奥座敷
・伊香保温泉(群馬県渋川市)・・・ 前橋・高崎・渋川の奥座敷
・老神温泉(群馬県沼田市)・・・ 沼田の奥座敷
・水上温泉(群馬県みなかみ町)・・・ 東京(下町エリア)の奥座敷
・磯部温泉(群馬県安中市)・・・ 安中・富岡など西毛エリアの奥座敷
・八塩温泉(群馬県藤岡市)・・・ 藤岡・高崎の奥座敷
・名栗温泉(埼玉県飯能市)・・・ 飯能など奥武蔵エリアの奥座敷
・秩父温泉郷(埼玉県飯能市)・・・ 埼玉の奥座敷
・岩藏温泉(東京都青梅市)・・・ 青梅・八王子の奥座敷
・養老温泉(千葉県市原市/大多喜町)・・・ 千葉・東葛エリアの奥座敷
・青堀温泉(千葉県富津市)・・・ 木更津・富津の奥座敷
・飯山温泉・七沢温泉(神奈川県厚木市)・・・ 厚木・海老名・相模原などの奥座敷
・鶴巻温泉(神奈川県秦野市)・・・ 秦野・伊勢原などの奥座敷
・中川温泉(神奈川県山北町)・・・ 湘南エリアの奥座敷
・箱根温泉郷(神奈川県箱根町)・・・ 東京西部・神奈川の奥座敷
・湯河原温泉郷(神奈川県湯河原町)・・・ 東京西部・神奈川の奥座敷

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↓ の文章は、10年前に気に入りだった蓼科・渋川温泉 「保科館」が廃業してしまったときに書いた記事の一部です。(2011/01/08UP、→元記事
個人的には、このときからインバウンド一辺倒の風潮にはどこか違和感を感じていましたが、まさか疫病でこのような事態を迎えてしまうとは・・・。
さすがに想像だにできませんでした。

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2011/01/08 UP

このところ湯づかいのいいお宿がつぎつぎと廃業しています。(鬼怒川の名湯「元湯 星のや」も廃業の情報あり。)

2008年10月1日、観光庁が設立。
観光立国だ、インバウンドだ、観光カリスマだ、アドバイザリー・ボードだと、マスコミ映えのする政策は華ざかりですが、そのかげで観光の基盤を支えるかけがえのない資源が日に日に消え去っていきます。
幾多の不況を乗り越え、何十年もつづいてきたお宿たちがどうしてここ数年で相次いで力つき、瓦解していくのでしょうか。

かつて、ビジネスはFace to Faceで進み交通も不便だったために、ビジネス客は頻繁に地方の宿に泊まりました。
ビジホもカプセルホテルもまだまだ浸透していなかったので、彼らは往々にして温泉宿を常宿とし、それを”役得”として許す風潮がありました。(いまなら出張で温泉宿に泊まったりしたら、ふつうに”コスト管理意識希薄”で人事ポイント-1か・・・(笑))
Webが浸透し、交通は至便になって、よほどの事情がない限り出張は原則日帰り、いや、出張でさえもWeb会議の導入などで減少の一途です。

かつて温泉は「泊まりに行かなければ入れないもの」でしたが、いまは平日、仕事のあとでもふつうにスパ銭で温泉に入ることができます。
しかも、その泉質や湯づかいは有力温泉地に比肩するものさえすくなくありません。(設備は圧倒的にこちらのほうがいい。)

かろうじて残された観光宿泊ニーズは、一部のゲキ高コンセプト旅館と外資を含む大規模資本が展開する365日均一格安料金のゲキ安チェーン宿に吸収されていきます。

廃業ラッシュの背景には、こういったマーケットの構造的な縮小があります。
よくいわれる後継者問題にしても、じつはお宿個別の問題ではなく、宿泊業そのものの将来に希望がもてないから後継者が育たない(育てない)のです。

いうまでもないことですが、すべてのお宿がコンセプト(あるいはデサイナーズ)化し、経営者がカリスマ化し、インバウンド対応することなど、できるはずがありません。
だから、もっと根本的なセーフティーネット(たとえば戸別所得補償制度的な)がどうしても必要になるのでは?
もっとも政府の基本姿勢が、観光業は第一次産業とちがい基幹産業じゃないから優勝劣敗でマーケットに適応した「勝ち組」だけが残ればいい、という方向ならばまったく不要なのかも知れませんが・・・。(でも、地方に対するマーケットニーズはもはや第六次産業にあるので、ほんとはそんなこといってる場合じゃないけどね。)

中心市街地にせよ休耕田にせよ、一度疲弊・荒廃してしまったものをもとに戻すことは容易ではなく、温泉地や観光地もまた然りです。
いくらインバウンドのインフラがととのっても、受け入れ先が疲弊し、荒廃してしまってはなんの意味もありません。

期待される中国人観光客にしても、現時点で彼らの多くが求めるアメニティは和風旅館ではなくホテル型で、和食会席ではなくバイキングです。
(彼らの食べる量からすると、ちんまりとした和風懐石ではとても満足できない。だから鬼怒川や塩原のバイキング箱形ホテルは期せずして(?)彼らのニーズに合っている。)
もちろん日本通観光客として成熟してくれば、『YOKOSO! JAPAN』的な、和風旅館で会席料理というニーズも当然求められてくるでしょうが、それはたぶんまだ先のはなし。

観光地の今後の成否にとって、いまが本当の正念場だと思うのですが・・・。

■Bienvenido a Japon-YOKOSO! JAPAN-ようこそ日本


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なんか無性にメロディのいい曲聴きたくなったので、10曲に増やしました。

01.HOWEVER - GLAY


02.ただ泣きたくなるの - 国分友里恵


03.Your Eyes - 山下達郎


04.Again - アンジェラ・アキ


05.By Your Side - WISE & Kana Nishino


06 .Voyage - Ayumi Hamasaki


07 .KOKIA - 孤独な生きもの


08.The Days I Spent With You - 今井美樹


09.最後のニュース - 井上陽水


10.時代 - 薬師丸ひろ子


~ Pray ~ こんなときの美メロ曲 
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■ 伊豆山の土石流

2021/07/06 UP

たいへんな事態になってしまいました。
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。
どうか安否不明の方々のご無事が確認されますように。
また、懸命に救助にあたられている方など、二次、三次の災害がおこりませんように。

それにしても、盛り土が原因の可能性とは・・・。
2㎞も先の山奥では、住民の方々はまったく予見のしようがありません。

濁流の一部は「伊豆山浜浴場」の横の階段に流れ込んだかもしれないと思っていたのですが、報道の映像からみると、浜浴場はどうやら無事のようです。
走り湯泉源については不明です。

国道の逢初橋が流されずに、逢初橋の上を濁流が進む様は異様な感じがしたのですが、どうやら逢初橋の上方で沢筋が倒木でせき止められ、濁流が両側(とくに左岸)の道路にかけ上り、国道135号に至ったようです。
135号からは再び逢初川に戻ったか、135号から伊豆山港に降りるカーブの道路上を海岸まで流れ下ったものとみられます。

宿泊施設に大きな被害はないようですが、臨時休業が目立ち、やはりなんらかの補償が必要な状況ではないでしょうか。

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2021/07/04 UP

お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたします。

現在も安否不明の方々の捜索・救出活動がつづいています。

今回の豪雨は本州上に停滞する梅雨前線に、太平洋上の高気圧から湿った南(西)風が吹き込み前線を刺激してもたらされたもののように思います。
東伊豆の海岸線はおおむね東向きですが、湯河原~伊豆山にかけてはところどころ南向きになっています。

しかも、伊豆山付近は海岸から2㎞もないところに標高800mほどの山々が屏風状にそそり立っています。
海からの湿った南風が山に吹き上がり、局地的に積乱雲が異常発達したのではないか。

今回、避難情報の発出について課題が指摘されています。
報道されている雨量計測地の網代は北向きで、伊豆山とは地形がまったく違う。
伊豆山では網代よりはるかに多い降水があったのかもしれません。

大豪雨をもたらすスーパーセルや前線上のメソ低気圧の核心豪雨域は数㎞程度といわれます。
だとすると、数㎞はなれた地点の雨量データでは対応しきれない可能性があります。
そうなると、土砂災害危険エリアごとに雨量計を設置するくらいの備えが必要なのでは?

報道の映像からみると、海に流れ込んだのは伊豆山港から走り湯付近と思われ、そうなると伊豆山温泉の旅館は直撃を免れた可能性もありますが、長引くコロナ禍にこの豪雨禍が重なっては、もはやなすすべがないのでは?
伊豆山は観光関係の方々も多いと思われます。
ここに至っては個別的な粗利補償しか、地域経済を救う途はないのかもしれません。

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2021/07/03 UP

7/3午前中に発生した伊豆山の土石流。
TVの動画を見る限り、被害が大きいのは逢初(あいぞめ)川の旧・逢初橋のあたりではないでしょうか?

■ 〔報道/SBSnews6〕熱海で大規模土石流 約20人安否不明の現場 目撃者の証言(静岡県)


■ 熱海市伊豆山の土砂崩れ・土石流がマジでヤバい

後半の朱色の橋は、国道135号の逢初橋では?
逢初橋は流されておらず、橋から東京寄りの路面の状況が酷い。


地図をみると「伊豆山子恋の森公園」の西側に沢(逢初川)があり、旧・逢初橋の下流あたりで流路が消えています。
だとすると、逢初川上流~旧・逢初橋と沢沿いを流下し、
国道135号の逢初橋東側に下る道の上を流れ下ったのかもしれません。

国道135号の下の海沿いは伊豆山温泉です。
海岸まで到達した、という情報もあるので心配です。

安否不明の方々のご無事をお祈りします。
また、二次、三次の災害がおこりませんように。

なお現在、熱海ビーチライン伊豆スカイラインも通行止めなので、東伊豆方面から東京方面への車での帰路が絶たれた状況になっています。
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■ 塩原温泉(中塩原) 「芙蓉荘」 〔閉館?〕



Web情報によると、この湯宿は閉館している可能性があります。

塩原温泉(中塩原) 「芙蓉荘」
住 所 :栃木県那須塩原市中塩原540-467
電 話 :閉館?
時 間 :13:00~20:00(営業時データ)
料 金 :600円(同上)
紹介ページ (ニフティ温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)

※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

栃木の名湯、塩原温泉
”塩原温泉郷”とも称されるとおり、箒川の流れに沿って湯場が点在し、おのおのにエリア名が付されています。

箒川沿いを走る塩原街道(国道400号)が鬼怒川方面への「日塩もみじライン」を分けるあたりは「中塩原」と呼ばれ、数軒の湯宿が点在しています。
「芙蓉荘」は中塩原の湯宿のひとつですが、google検索情報には「閉業」とありこちらのサイトには「2019年3月27日にお泊まりのお客様をお見送りして、28年の歴史に幕をおろします。」とあるので、閉館している可能性があります。

塩原の湯巡りには「湯めぐり手形」が定番ですが、たしかこのお宿は参加したことがなく、Web上の温泉レポも少なくなっています。
そんなこともあって、記録の意味でUPしてみます。
この記事は2009年3月に入湯したときのものです。

塩原街道(国道400号)から北上する県道266号中塩原板室那須線(塩那道路)に入ってすぐのところにあります。
この「塩那道路」は高度経済成長期の昭和37年(1962年)に観光道路「塩那スカイライン」として構想された壮大な道路ですが、大佐飛山地の稜線を走るこの道路の工事は困難を極め、自衛隊員が参加したほどです。
結局観光道路としては未開通のまま廃道となり、廃道マニアの間では伝説と化している有名な物件です。(「塩那道路」については、ヨッキれんさんのすばらしいWeb記事があります。)

県道沿いですが、この先は廃道となっているので交通量はすこぶるすくなく、閑静なところ。

複雑な屋根のフォルムをもつ、凝った意匠の2階建ての建物。館内もよく手入れされ、居心地のよさそうな湯宿です。


【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 浴場入口(ボケボケですみません)

廊下のおくに男女別の浴場。左が女湯、右が男湯。
すっきりとした木棚の脱衣所。

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 洗い場

窓に面した明るい浴室に石枠水色タイル貼りの4-5人の内湯。
天井はさほど高くはなく、ややこもり気味です。


【写真 上(左)】 男湯内湯
【写真 下(右)】 露天の庭園


【写真 上(左)】 男湯露天浴槽から
【写真 下(右)】 露天からの風景

扉の外には露天で、和風の庭園を備え、内湯サイドにやや浅めの石枠鉄平石造3-4人の屋根付き浴槽が設えられています。
樹脂製の柵がありますが、立ち上がると畑の傍らを流れる小川の向こうに塩那の山々。
こういうのどかな景色の露天はありそうでなかなかないもので、風も通って快適です。

カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
カランのお湯には鉱物臭があったので、水道水ではないかもしれません。
週末午後で男女湯とも独占でした。


【写真 上(左)】 男湯内湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯内湯

内湯は黒褐色に色づいた石の湯口からのやや熱湯大量投入で、切欠からの大量上面排湯。
身を沈めるとかなりのオーバーフローがありました。
湯口サイドの側面に孔があり、ここからの排湯もあるかもしれません。

ほぼ適温のお湯は無色透明で、白い浮遊物が少量浮かび、湯中の指先が青白く発光しています。
明瞭な塩味芒硝味と明瞭な芒硝臭は浴室全体でも感じられるもの。
ツルすべ+きしきしの湯ざわりで、きっちりとあたたまるお湯です。
反面、お湯に異様な軽さがあり、これは上塩原の「和楽遊苑」(未レポ)で感じられたものと同系かと。


【写真 上(左)】 男湯露天.
【写真 下(右)】 女湯露天.

露天は石間から突き出た塩ビパイプからの適温湯投入で弱い底面吸湯。オーバーフローはありません。
露天のお湯はややぬるめで、イメージは内湯に準ずるものですが、白い浮遊物は内湯より多く、独特の軽い浴感は内湯よりよわく、全体に露天よりは鮮度が劣るような感じがしました。
露天の湯口は内湯サイドの壁面から出た2系統のラインを混合するもので、ひょっとして一部は内湯の槽内から露天にお湯を落としているかもしれません。


【写真 上(左)】 男湯露天の湯口
【写真 下(右)】 露天の湯口裏

温泉分析書記載は上塩原集中管理の「金録源泉」で、この源泉は「山の宿 たちばな家」でレポしていますが、お湯のイメージはちょっと違うような感じもしました。

〔 源泉名:金録源泉 〕 <H3.1.7分析>
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 65.6℃、pH=7.6、湧出量不明、成分総計=1602mg/kg
Na^+=420.1mg/kg、Ca^2+=28.8、Fe^2+=0.1、Cl^-=489.3、SO_4^2-=130.0、HCO_3^-=291.9、陽イオン計=473.6、陰イオン計=912.4
メタけい酸=120.4、メタほう酸=57.8、遊離炭酸=36.7

近年の塩原は休廃業つづきで、残念ながら往年の勢いをなくしています。
これにコロナ禍が追い打ちをかけているかと思うとさらに懸念が高まりますが、関東有数の実力派温泉地なので、なんとかふんばってほしいと思います。

〔 2021/07/03UP (2009/03入湯) 〕
※ このレポは2009/03入湯時のものです。
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