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■ 片品土出温泉(市山の湯) 「尾瀬岩鞍リゾートホテル」

  

片品土出温泉(市山の湯) 「尾瀬岩鞍リゾートホテル」
住 所 :群馬県利根郡片品村土出2609
電 話 :0278-58-7131
時 間 :12:00~16:00(要事前確認)
料 金 :600円
オフィシャルHP
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況、時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

上級者に人気の高いホワイトワールド尾瀬岩鞍(旧尾瀬岩鞍スキー場)のベースにある36室のリゾートホテル。
「市山の湯」という自家源泉?をつかい、日帰り入浴も受け付けています。
なお、岩鞍のあたりは”土出(つちいで)”という地名で、温泉地名は土出温泉とされることもあります。(→ 戸倉・片品エリアの源泉

 
【写真 上(左)】 ホワイトワールド尾瀬岩鞍
【写真 下(右)】 ロビー

 
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 男湯入口

洋風の瀟洒なホテルで、館内おくまったところ、右手に「浮島」(男湯)、左手に「水ばしょう」(女湯)。
脱衣所はゆったりで使い勝手よし。
浴場は天井低めで窓がちいさく、やや圧迫感があってこもり気味。
手前に洗い場がセパレートされているのは機能的で使いやすいです。サウナも備え付けています。

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 サウナ

カラン12、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜14時で男女湯とも独占でした。

 
【写真 上(左)】 浴槽(左が温泉槽、右が水風呂)
【写真 下(右)】 湯口(左が温泉槽、右が水風呂)

湯口をはさんで左手に温泉槽(石枠タイル貼10人程度、やや熱~適温)、右手に水風呂(同4-5人)がとなり合っています。
白い湯の花が盛大に出た石の湯口から階段上に落とし込み、途中で分岐させて左手温泉槽サイドに大量投入、水風呂には少量の投入。
湯口のおくには3本のパイプがあり、熱湯槽側の左手のは熱湯、水風呂槽側の右手のは水、中央のはややぬる湯で、これはお湯の感じからして非加温源泉とみました。

 
【写真 上(左)】 温泉槽
【写真 下(右)】 水風呂

 
【写真 上(左)】 大もとの湯口
【写真 下(右)】 温泉槽の湯口

温泉槽にはメイン湯口のほかに底面熱湯注入があり、底面吸湯&切欠から排湯口への上面排湯。
水風呂は、メイン湯口のほかに、赤茶に色づいた石の専用投入口から水を相当量投入で、切欠から排湯口への上面排湯。
水風呂は↑のとおり、メイン湯口から少量ながらお湯を投入しているのでさほど冷たくありません。

 
【写真 上(左)】 水風呂の専用投入口
【写真 下(右)】 水風呂の色

お湯はほぼ無色透明で、白~クリーム色の湯の花がただよい、とくに水風呂で大量。湯の花は湯口まわりにも出ています。浴場入口には、「浴槽内の沈殿物は、地下から湧出した温泉の”湯の花”です。」という掲示も。

たまご味+微甘味+微苦味+微重曹味に、湯口ではかなり明瞭な甘イオウ臭をただよわせ、水風呂ではこの甘イオウ臭が湯面でも香ります。

 
【写真 上(左)】 盛大に舞うイオウ系の湯の花
【写真 下(右)】 湯口にも白い湯の花

温泉槽は循環と思われますが予想以上にコンディションよく、水風呂はほとんどかけ流しかと思われるほどの仕上がり。
掲示泉質は「アルカリ性単純硫横(?)温泉」、硫黄系成分は掲示されていませんでしたが、かなりの量を含んでいるのでは?
片品村の源泉のなかでもキャラが立った一湯ではないでしょうか。

〔 源泉名:片品温泉 市山の湯 〕
アルカリ性単純硫横(ママ)温泉 41.7℃、pH=9.18、湧出量不明、成分総計=0.35g/kg
Na^+=79.2mg/kg、Fe^2+=0.02、F^-=5.4、Cl^-=50.4、HS^-=記載なし、SO_4^2-=29.2、HCO_3^-=42.8、CO_3^2-=29.8、陽イオン計=84.0、陰イオン計=162、メタけい酸=98.4、メタほう酸=5.1、硫化水素=0.0 <H14.3.4分析>

<温泉利用掲示>
加水:あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤・紫外線装置使用:あり

■ブランドグルメ
〔 大白大豆 〕(おおじろだいず)
かつて、片品村の特産品として東京方面で高値で取引されていたという地場の大豆。
「おもに煮豆用だったが、味噌、醤油、納豆、豆腐用にもつかわれ、豆腐にすると甘味とこくのあるのが特徴」とのこと。
地元の(有)尾瀬ドーフによって納豆などの加工品が製造・販売されています。
(「故郷に残したい食材」((社)農山漁村文化協会)HPなどを参考。)

〔 2016/01/11UP (2007/11入湯) 〕


E139.13.18.395N36.48.40.109

【 BGM 】
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■ カンチ山鉱泉 「富士屋旅館」 〔営業休止中?〕

 

カンチ山鉱泉 「富士屋旅館」 〔営業休止中?〕
住 所 :福島県いわき市小名浜岡小名山田作20
電 話 :0246-53-5970 〔営業休止中?〕
時 間 :時間要問合せ 〔営業休止中?〕
料 金 :500円 〔営業休止中?〕
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

2003年秋に1度だけ入湯し、強烈な印象が残っているお湯。
レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいていますが、写真や文章を補強して当ブログにリニューアルUPします。
なお、このお湯はすでに営業休止しているとのWeb情報があり、現在は入湯不可とみられます。

 
【写真 上(左)】 見逃せない案内看板
【写真 下(右)】 敷地には燃料用の廃材

いわき市内に潜む秘湯。
R6常磐バイパス「住吉」交差点を東に折れて、すぐのT字路信号を右折(県道66)します。
少し走るとY字路があるので斜め左に進み、最初に出てくる歩道橋の交差点を左折。
立派な道をしばらく走ると左手の奥まった斜面に案内看板があります。
おそらく唯一の看板なので、これを見逃すとまず到達できません。

 
【写真 上(左)】 外観-1
【写真 下(右)】 外観-2

この看板を左折してダートをしばらく走ると、庭先に燃料用らしい廃材が積み上げられ、外壁に”カンチ山”と手書きされた、なんともB級な佇まいの建物が見えてきます。

道のどん詰まり。背後にうっそうと茂る竹林を背負い、前面は開けてかなりの駐車スペースがあります。
右手の母屋はわりにまともな建物ですが、左手の建物は水色に塗られた木造?の外壁とその上に葺かれた朱い瓦屋根のコントラストがなんともいえない雰囲気を醸し出しています。

 
【写真 上(左)】 入口
【写真 下(右)】 営業案内

 
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 館内

いくら声をかけても宿の人が出てきません。
ちょうど廊下を通りがかった下着姿のお客?が、宿の人を呼びにいってくれました (^^;
廊下にマンガ本の棚があったりしてB級ワールド炸裂の館内。でも意外に清掃がきいていて不快な感じはまったくありません。
廊下のおくに浴室が2つあり、空いている方に適宜案内しているようですが、ひとつしかお湯を入れていないこともあるようです。

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 おくの浴場

行ったときは両方とも空いていて奥側の浴室へと案内されました。
こじんまりとした浴室には、1人入ればいっぱいの古びたタイル貼浴槽がひとつ。ピンク色の壁面タイルと紺鼠色の浴槽タイルのコントラストが絶妙な味わい。天井が高く、こもりはほとんどありません。

 
【写真 上(左)】 高い天井
【写真 下(右)】 絶妙なタイルの意匠

浴槽外面や内床の不思議な意匠&色調のタイル貼りも、これまたいい味を出しています。
さらに圧巻なのは、壁面に填め込まれた富士山と鯉の2枚のタイル絵。
ピンクのベースタイルにあえて黒いタイルで縁を取るなど、つくり手のただものでないセンスが感じられます。
タイルのところどころには欠けやひびが生じていますが、これも時を刻んだ風合いと化しています。
カラン・シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。休日10時で独占。

 
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 タイル絵

お湯の投入はなく、側面にふたつあいている孔から薪焚きのお湯が供給されているようで、オーバーフローもないので加温源泉の溜め湯かと。
別に壁から突き出た冷水の出るカランがあって、よこにはコップが置いてありました。
しっかりとした重曹味があったので、これは非加温源泉だと思います。

 
【写真 上(左)】 源泉カラン
【写真 下(右)】 コップがおいてありました

浅めに張られた適温のお湯は緑褐色を呈し、透明度50cmくらいのにごり湯となっています。
湯中には茶色の浮遊物がたくさんただよっています。
微重曹味で北茨城の湯の網温泉「鹿の湯松屋」に似た漢方薬を思わせる苦っぽいような独特な薬臭。
からだのなかまで染み渡るような独特な浴感があって、入るほどに気持ちが落ち着いていくようないいお湯です。
あたたまり感はさほど強くはありませんが、浴後なかなか冷めません。

 
【写真 上(左)】 湯色-1
【写真 下(右)】 湯色-2

 
【写真 上(左)】 浴槽から脱衣所
【写真 下(右)】 説明書き

帰り際に、まだ空いていた手前のもうひとつの浴場をのぞいてみました。
こちらはクリーム色のタイル壁面にアルプス風のタイル絵があしらわれていました。
浴槽の大きさはほぼ同じで、こちらも浅めにお湯が張られ、半分だけ木板で蓋がされていました。

 
【写真 上(左)】 手前の浴場
【写真 下(右)】 手前の浴場のタイル絵

浴後、女将さん?と少し話しをしました。
薪焚きなのでお湯がやわらかいとよくいわれる。”カンチ”とは、地元の方言で”やけど”のことで、とくに皮膚病関係に特効があり、アトピー治療で滞在する人もいるそうです。

いわき周辺にはこのような小規模な鉱泉がたくさんありましたが、近年、廃業の動きが目立っているようです。
入った限りではどれも味わい深い魅力をもっているので、何とか頑張って続けていって欲しいものです。

温泉分析書なし、鉱泉?
浴室内掲示に「この鉱泉はカンチ山より沸き出る天然水を使用しており、季節により色に変化がありますが水質に影響はありません。」とあり。

追記.
このお湯は、東日本大震災のかなり前に、すでに営業を休止しているようです。
”カンチ山”というインパクトある名前、壁面に手書きの看板、そしてなにより説得力あふれる質感のお湯。
しみじみと趣ふかい、いわきの湯めぐりのなかでもとくに感慨のふかい入湯となりました。

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

〔 2016/01/11写真・内容補強のうえリニューアルUP (2003/11入湯) 〕


E140.54.2.130N36.57.57.100
※ 地図はWeb検索によるもので、別の位置を示している可能性があります。

【 BGM 】
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■ 桐生新里温泉? 「寄居町老人福祉センター かわせみ荘」

  

桐生新里温泉? 「寄居町老人福祉センター かわせみ荘」
住 所 :埼玉県大里郡寄居町大字保田原301番地 保健福祉総合センター内
電 話 :048-581-8523
時 間 :10:00~16:00 ※ 温泉の日(原則として第1~第3土曜、第4日曜)
料 金 :500円(一般大人)
オフィシャルHP
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

埼玉県立川の博物館「かわはく」のそばにある公共系施設が日にち限定で温泉使用浴場を外来者にも開放しているものです。
たしか「ホテルシティプラザ寄居」が井水使用かどうかWeb検索していて、引っかかったかと思いますが、公式Webには「天然温泉(赤城南麓の湯)宅配サービスによる『温泉の日』を実施しています。泉質はアルカリ単純温泉です。疲労回復・健康増進にご利用ください。」との説明。
温泉浴槽が提供される「温泉の日」は原則として第1~第3土曜と第4日曜。ちょうど第4日曜朝に検索していて、すかさずTELすると「本日温泉入浴できます。」との回答。
ここまできたらもう止まりません(笑)。
開館日カレンダー

場所は、寄居の「かわはく」のそば、目立つ建物なので迷うことはないと思います。
ここは、老人福祉センター(1階)、児童館(2階)、隣保館(3階)の三つの機能が併設された複合施設で、老人福祉センター&児童館は、指定管理者制度により寄居町から社会福祉法人 寄居町社会福祉協議会が受託し管理運営しています。

 
【写真 上(左)】 目の前は荒川の河原
【写真 下(右)】 「温泉の日」のノボリ

  
【写真 上(左)】 案内板
【写真 下(右)】 サイン

目の前は荒川の河原。Pは広く、入り口に「温泉の日」のノボリが立っていました。
エントランスのフロントで受付。右手が大広間兼休憩所兼カラオケスペース、左手おくが浴場。館内にはそこそこの客。やはり温泉目当てなのかな?

 
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 フロアガイド

廊下のおく、手前左手が男湯、奥左手が女湯、右手は休憩所です。公共施設然としたなんとなく無機質な空間。

 
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴場入口

脱衣所はかなり狭いです。入ったときはごったがえしで、しばらく休憩所で間を置いてからおもむろに入りました。
窓の広いあかるい浴室に、黒みかげ石枠白タイル貼の変形10人弱の浴槽ひとつとシンプル。
カラン6、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。

 
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 ジャグジーゾーンから

日曜13時で独占(一瞬)~8人とけっこうな盛況。お客はほとんど地元のお年寄りでした。
天井は低くこもり気味で、しかもあたたまるお湯なので、お客の回転は速いです。広い窓のセンターがルーバー開放され、外気は入るのですが、この日は来る途中、車の外気温表示が40℃を超えた(これは初体験)というもの凄い猛暑日で、外気が入ってきてもぜんぜん涼しくありません。

左手の赤みかげ石の湯口からの熱湯投入+右手側面からの熱湯注入で、左手手前はジャグジー風呂となっています。
なぜか槽内吸湯は未確認ですが、オーバーフローはなく、お湯の感じからしても循環でしょう。
湯口ではよわいカルキ臭、湯面でもカルキ臭を感じます。これは施設の性格上いたしかたないところか。

湯口にはうっすらと石膏系の析出が出ています。洗い場カラン周辺にも同様の析出がでていたので、ここは通常井水使用で、その井水が石膏分を含んでいるのかもしれません。

 
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯口&湯色

かなり熱めのお湯は無色透明で浮遊物なし。味不明でカルキ臭。ただし、お湯の鮮度は意外に悪くありません。
意外なほどに明瞭なツルすべとかなり強いあたたまりがあります、浴後は肌がすべすべに。
イメージとしては薄めながらpH高めで重曹泉と硫酸塩泉を兼ね備えた感じか。

じつは、ここはWebで「天然温泉(赤城南麓の湯)宅配サービス」と見た瞬間に、粕川中之沢温泉(みはらしの湯)/サンデン温泉スタンドのお湯と勝手に決め込んでいました。(スペックはこちら→ONKEN21さんの利根川温泉掲示板。)

このお湯は温スタでも触れているし、粕川温泉元気ランドが5㎞の引湯をして使用しているので、これにも入湯しています。
そのときの印象よりも、よほど重曹分が強いような感じがありました。

館内に分析書掲示がなかったので帰りがけにフロントで訊ねたところ、係の人はあまり詳しくないらしく、「場所はよくわからないが赤城山の南麓からタンクローリーで運んできていて、夏場はまだ温かい。」とのこと。

どうにも腑に落ちず、帰宅してからWeb検索してみると、ここの使用源泉はどうやら粕川中之沢温泉ではなく、赤城カントリー倶楽部内で湧く桐生新里温泉(赤城南麓の湯)のようなのです。
決め手としたのは「赤城南麓の湯」というネーミングが合致していることと、このお湯は太田市の温泉宅配業者により、施設向けの業務用温泉宅配サービスが提供されているということです。

また泉温30.1℃、pH=8.45、成分総計=0.50g/kgのNa-SO4・HCO3型のアル単で、加水されていなければ、浴感イメージとほぼ合致するスペックです。

このお湯は日帰り入浴不可の赤城カントリー倶楽部内浴場でしか入湯できないと思っていたので、これはラッキー。(個人的に、群馬県内の未湯源泉は数えるほどになってきているので、1湯でもつぶせるとかなりうれしい。)

ローリー温泉は温泉好きからは敬遠されがちですが、さすがにローリーして加水というのは気がひけるのか、加水しないケースも多いように感じます。(濃い食塩泉をのぞく)
ここもそんな例のひとつではないかと。

それにしても、寄居で桐生新里温泉とは、思わぬ拾いものとなりました。

〔 源泉名:桐生新里温泉(赤城南麓の湯) 〕 <H20.1.23分析>
アルカリ性単純温泉(Na-SO4・HCO3型) 30.1℃、pH=8.45、湧出量不明(1,555m掘削)、成分総計=0.50g/kg
Na^+=120mg/kg (79.51mval% #)、Ca^2+=16.6 (12.58)、Fe^2+=0.51
Cl^-=25.7、SO_4^2-=142 (45.35)、HCO_3^-=149 (37.46)、CO_3^2-=11.1
陽イオン計=146 (6.56mval)、陰イオン計=328 (6.51mval)、メタけい酸=19.7、遊離炭酸=0.8
# 分析書データの取り扱いについては、温泉宅配業者がWeb上で制限しているので、mval(%)値は、赤城カントリー倶楽部のWebのデータをもとに筆者にて概算した価です。
※ インコース13番ホールセカンドショット地点の右上にあり、地下1555メートルより湧き出る源泉(赤城カントリー倶楽部Webより)

<温泉利用掲示>
確認できず

■ブランドグルメ
〔 風布・小林のみかん 〕
寄居町、風布・小林地区は、日本のみかん産地の北限として知られ、天正年間に鉢形城主であった北条氏邦が小田原から移植したのが始まりといわれています。
収穫期は10月中旬~12月中旬。やや酸味は強めながら、爽やかな風味をもつ貴重なみかんです。(寄居町公式Webなどを参照)

〔 2016/01/02UP (2015/07入湯) 〕


E139.13.9.651N36.6.52.102

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〔 温泉地巡り 〕 伊豆山温泉

あけましておめでとうございます。
なかなか時間がとれませんが、今年はなんとかUPのペースを上げたいと思っています。(と、毎年こんなことを言っている・・・)

温泉地巡りの伊豆山温泉編をリニューアルUPします。

 

<プロフィール>
伊豆山温泉は、湯河原と熱海のあいだにある由緒ある温泉地です。
7件ほどある湯宿は海側に集まり、山側には公共系施設、保養施設や別荘地が点在して、歓楽的な色彩の少ない落ち着きのあるたたずまいをみせています。
海側にある泉源”走り湯”が有名ですが、山側にも多くの泉源があってバラエティ豊かな泉質が楽しめます。

 
【写真 上(左)】 熱海方面から中心部
【写真 下(右)】 山側、般若院そばの泉源

 
【写真 上(左)】 逢初橋
【写真 下(右)】 逢初橋バス停

神仏習合の古刹として名高い伊豆山神社をはじめ、源頼朝公と北条政子が初めて出逢ったといわれる逢初橋、真言宗の古刹、走湯山般若院など歴史の香り高いみどころが点在しています。

 
【写真 上(左)】 逢初地蔵尊と路地
【写真 下(右)】 伊豆山漁港と相模湾

伊豆山神社あたりからのたおやかな相模湾の眺望は、頼朝公と北条政子がこれを眺めながら恋を語ったと伝えられるほどです。

 
【写真 上(左)】 伊豆山神社
【写真 下(右)】 伊豆山上方からの眺め

統計などでは熱海温泉に含まれていることもありますが、熱海とは独立した観光協会・旅館組合があります。
泉質に定評のあるふたつの共同浴場は一般にも開放されていますが、えらくわかりにくくてマニア向き。(筆者註:山側にあった共同浴場「般若院浴場」は、平成17年春に閉鎖・取り壊しとなり、現在はすこし下手に足湯が設置されています。)

比較的高級な宿が多いですが、最近はリーズナブルな料金設定をするお宿もあり、以前よりは敷居が低くなっています。

<歴史>
伊豆山温泉の象徴”走り湯”は、約1200年前の奈良時代養老年間の発見と伝えられ、日本三大古泉(諸説あり、道後、有馬、さはこの湯(いわき湯本)、南紀白浜などがあげられる)のひとつとして数えられます。
全国でも珍しい横穴式源泉で、山腹から湧き出たお湯が海へと走るように流れ落ちるさまから”走り湯”と名づけられたといわれ、源頼朝公が旗揚げ前に湯治した湯とも伝えられています。

 
【写真 上(左)】 走湯神社
【写真 下(右)】 走り湯入口

~ 走り湯伝説 ~ (うみのホテル中田屋「走り湯資料館」掲示類より抜粋集約)
平治の乱に破れた源義朝の三男、頼朝は伊豆のひるが小島に流された。頼朝は伊豆山をこよなく愛し、伊豆山権現の加護のもと、この走り湯で湯治の日々を送っていた。
源氏ゆかりの人々から源氏再興を求められた頼朝は、走り湯のすぐ前の岩風呂から日の出を見て力を得、旗揚げを決意しついに日の本の統一を成し得た。
このことから、新しく物事を始める時、この走り湯に入って決意し、新たに出発すれば大願成就すると今日まで言い伝えられている。
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【写真 上(左)】 国道から浜浴場
【写真 下(右)】 国道から伊豆山神社参道

伊豆山のお湯は病を治し長寿に効験があるとされ、古くから神格化されて信仰の対象となっていました。山側にある伊豆山神社は、役小角(走り湯の開湯伝承にも関わられている)とふかいゆかりをもつ修験道の霊場で、走湯山走湯(伊豆)大権現と呼ばれて古くから信仰を集めました。
伊豆山神社境内の説明板に、「後白河法皇の御撰による梁塵秘抄(りょうじんひしょう)に『四方の霊験所は、伊豆の走湯(伊豆山神社を指す)、信濃の戸隠、駿河の富士山、伯耆の大山』と著され」とあり、はるか古からわが国第一級のパワースポットであったことがうかがわれます。

 
【写真 上(左)】 伊豆山神社境内
【写真 下(右)】 伊豆山神社の御朱印

なお、走湯(伊豆)大権現はかつて神仏混淆の霊場でしたが、太閤秀吉の小田原攻めにより多くの堂宇が焼亡。のちに別当寺であった蜜厳院が再建され、徳川家康公により走湯山般若院の院号が贈られて、真言宗伊豆派の名刹として関東一円に大きな勢力を誇ったとされています。
明治の廃仏毀釈により、この地は伊豆山神社となり、走湯山般若院は少しく離れた現在の場所に移転しました。伊豆山屈指の名湯「旧 般若院浴場」は走湯山般若院のすぐ下にあって、現在は「般若院の足湯」となっています。

 
【写真 上(左)】 走湯山般若院
【写真 下(右)】 山号の扁額

 
【写真 上(左)】 参道脇にも泉源?
【写真 下(右)】 走湯山般若院の御朱印

また、伊豆山神社では毎年11月10日、列格記念日祭に併せて伊豆山温泉の源泉を御献湯する温泉感謝祭が執り行なわれています。
このように、今に至る伊豆山神社や別当寺と温泉の浅からぬ関係をみても、走湯大権現と温泉の強いかかわりを感じざるを得ません。

鎌倉期を代表する歌人としても知られる源実朝公は二所詣の折、この地で
~ はしりゆの神とはむへそいひけらしはやきしるしのあれはなりけり ~
など三首を詠み「金槐和歌集」に収められています。

鎌倉時代以降は、二所詣(走湯権現と箱根権現、のちに三島明神が加わる)が広まり、多くの参詣客で賑わいました。

 
【写真 上(左)】 伊豆山浜からつづく階段(参道)
【写真 下(右)】 参道の説明板

前出の資料館掲示の古絵図をみると、伊豆山浜からはじまる伊豆山神社の参道(階段)は温泉場を抜けて本殿までつづいており、温泉場じたいが門前町の体をなしていたことがうかがわれます。
ちなみに、伊豆山浜から本殿前に至る伊豆山神社への参道(階段)はコンクリート化されながらも現在まで残り、平成22年2月に実施された地元関係者の調査によると837段の段数が確認されています。
なお、走湯神社は伊豆山浜から16段目に当たっています。

 
【写真 上(左)】 足湯と走り湯
【写真 下(右)】 湧出口の碑

江戸期以前は熱海の中心とされていたという文献もあり、江戸期も熱海のなかに含まれていたようで、”走り湯”は”大湯”とともに熱海を代表する源泉とされ、湯治に来た大名は必ず見物したといわれています。
なお、資料館の掲示資料によると、かつて、相模屋(濱田氏)、中田屋(中田氏)、古屋、江島屋(前田氏)、伊豆山屋、井ノ口屋、伊豆屋(中田氏)、うめや(多田氏)、若松屋(大木氏)、海老屋(湯原氏)などの宿があり、現存するお宿に系譜がつながるものもみられます。

歴代領主や徳川家康公の来訪を受け、明治期には皇室の御料温泉になっており、非常に格式の高い温泉であったことがうかがわれます。
また、走り湯と走湯(伊豆)大権現は「講」の修行場としても知られ、ここに集う行者たちは役小角の入湯伝承にあやかり「無垢霊場 大悲心水 沐浴罪滅 六根清浄」と唱えつつ入湯したそうです。

<温泉>
平成15年の熱海温泉組合の調査によると伊豆山地区には実に106ヶ所の温泉井(利用数は62ヶ所)があって、平均湧出量は55.3L/min、温泉の平均温度は60.2℃となっています。往時は日約7千石(900L/min)もの湧出量を誇ったと伝えられる”走り湯”は、昭和39年に枯渇しましたが、昭和45年の増掘により復活し現在に至っています。
なお、伊豆山温泉観光協会・伊豆山温泉旅館組合公式Webによると、「現在でも70度のお湯が毎分170L湧き出し」ているそうです。
また、「熱海伊豆山温泉には、114本の源泉があり、伊豆山温泉組合の手により管理されています。」とも掲載されています。

伊豆山温泉の泉源は伊豆山浜から山手の七尾あたりまで広く濃密に分布し、山側の源泉は、海側の土類食塩泉系に対して、おおむね硫酸塩泉系か単純温泉系のようです。

 
【写真 上(左)】 走り湯の上
【写真 下(右)】 走り湯の足湯

現在、走り湯(伊豆山1号泉)は第二走り湯(同78号泉)などと混合され、”走り湯混合泉”として共同配湯されている可能性がありますが、走り湯直上の泉源配湯口には下記の施設名の掲示がありました。
観事協/水葉亭/蓬莱/偕楽園/中田屋

偕楽園のWebによると、第二走り湯は走り湯神社より50mほどの場所に、昭和38年掘削されたもの。(筆者註:おそらく漁港そばとみられる)
「ここはかつて、走り湯神社から伊豆山神社へ上がる神馬の洗い場であったため、『馬の湯』」(同Web)とも称するようです。
また、ニューさがみやのWebには、「犬の湯と馬の湯の源泉を総称して走り湯と呼ばれております。」とあるので、走り湯(伊豆山1号泉)は「犬の湯」と呼ばれているのかもしれません。

※走り湯のレポ

 
【写真 上(左)】 走り湯の内部-1
【写真 下(右)】 走り湯の内部-2

現在”走り湯”(伊豆山1号泉)に確実に浸かれるのは平成22年8月に走り湯のよこに新設された「走り湯の足湯」ですが、偕楽園のWebをみるとここの大浴場でも伊豆山1号泉の単独使用をしているようです。

走り湯は土類食塩泉ベースながら相当量の硫酸塩を含み、これが作用してかつよい浴感と温まり感があります。
湯づかいのいい浴場では、浴場にいるだけで熱気を感じとるほどの力感あふれるお湯です。

 
【写真 上(左)】 般若院浴場の跡地
【写真 下(右)】 新設された般若院の足湯

名湯の誉れ高かった「般若院浴場」でつかわれていた源泉(伊豆山56号泉)は、「2009年7月のリニューアル工事により、般若の湯は別途新しく掘削し」(ニューさがみやWeb)とありますが、「般若院の足湯」のお湯をみるかぎり泉質に大きな変化はなさそうです。
なお、伊豆山温泉観光協会・伊豆山温泉旅館組合公式Webには「伊豆山にこんな共同浴場がありましたの気持ちよりUPしてあります」の註釈とともに、いまなお「般若院浴場」の紹介がされており、この浴場のもっていた存在感の強さが偲ばれます。

 
【写真 上(左)】 般若院の泉源
【写真 下(右)】 足湯に直引きです

各種資料ややませみさんの資料を総合すると、代表施設の使用源泉は下記のようです。

浜浴場(共同浴場)
■走り湯混合泉 (※掲示は下記)
 □S-78 (第2走り湯) Ca・Na-Cl 71.6℃ 総成分=9242.1mg/kg

 
【写真 上(左)】 浜浴場
【写真 下(右)】 浜浴場の浴槽
  
〔ホテルニューさがみや〕
■走り湯混合泉
■S-50(321050)? Ca・Na-SO4・Cl 64.0℃
■S-56 (般若院温泉/(新)般若の湯) Ca・Na-SO4・Cl 63℃ 総計=1.733g/kg
■S-63(321063) (逢初の湯) Na・Ca-SO4・Cl 70.3℃ 総計=1.726g/kg

うみのホテル中田屋
■走り湯混合泉 (※掲示は下記)
 □S-78 (第二走り湯) Ca・Na-Cl 71.6℃ 総計=10.18g/kg

 
【写真 上(左)】 中田屋
【写真 下(右)】 中田屋の足湯「あしりゆ」

〔ホテル水葉亭〕
■S-46(321046/敷地内自家) 65.0℃
■S-1 (走り湯) Ca・Na-Cl 68.8℃ TSM(溶存計)=12.280g/kg
■S-78 (第二走り湯) Ca・Na-Cl 71.6℃ 総計=10.18g/kg
■S-43 (所在:伊豆山字中尾)
■S-47 69.5℃
■S-58 Ca・Na-SO4・Cl 74.7℃ TSM=2.349g/kg
■S-86 (所在:伊豆山字猪洞) 67.6℃
(※掲示は下記)
●王朝大浴殿
 □混合温泉(伊豆山43.46.58.47.1.78.86号泉) Ca・Na-Cl 60.6℃ 総成分=7.530g/kg
 □含食塩-芒硝泉(Na・Ca-SO4・Cl)* 泉温不明 総計=1874mg/kg *)筆者追記
●展望大浴場/露天
 □混合温泉【新月通りのタンク】(伊豆山43.46.58号泉) Ca・Na-Cl 62.8℃ 総成分=9.313g/kg

 
【写真 上(左)】 水葉亭
【写真 下(右)】 水葉亭の絶景露天

〔星野リゾート 界 熱海 (旧 蓬莱)/ヴィラ・デル・ソル〕
■S-1(321001) (走り湯) Ca・Na-Cl 68.8℃ TSM(溶存計)=12.280g/kg 他

偕楽園
■走り湯混合泉 (※掲示は下記)
 □S-1 (走り湯) Ca・Na-Cl 68.8℃ 総成分=12.31g/kg
 □S-78 (第二走り湯) Ca・Na-Cl 71.6℃ 総計=10.18g/kg
■S-63(321063) (逢初の湯) Na・Ca-SO4・Cl 70.3℃ 総計=1.726g/kg

 
【写真 上(左)】 偕楽園
【写真 下(右)】 偕楽園の内湯

〔ラビスタ伊豆山〕
■S-62 (321062/自家) (伊豆山62号) Ca・Na-SO4・Cl 72.2℃ 総計=1.823g/kg

 
【写真 上(左)】 ラビスタ伊豆山の内湯
【写真 下(右)】 ラビスタ伊豆山の露天

ハートピア熱海(旧 ウェルハートピア熱海)
■S-28(321028) (岩間2号) Ca・Na-SO4・Cl 56.2℃ TSM=1.789g/kg
■S-29(321029) (板東温泉) 単純温泉(Na・Ca-SO4・Cl型) 47.8℃ TSM=0.573g/kg (※掲示は下記)
<伊豆山28号、29号混合泉>
単純温泉(Ca・Na-SO4・Cl型) 53.2℃ 総成分=883.7mg/kg

 
【写真 上(左)】 ウェルハートピア熱海
【写真 下(右)】 ウェルハートピアの内湯

「般若院浴場」(2005年4月閉鎖)〕 ※下記は営業時のデータ
■S-56 (伊豆山56号) Ca・Na-SO4・Cl 63.0℃ 総計=1.733g/kg

 
【写真 上(左)】 今はなき般若院浴場
【写真 下(右)】 般若院浴場の浴室

〔参考〕
■走り湯・第2走り湯の混合泉 Ca・Na-Cl 62.1℃ 総成分=12084.183mg/kg

※各施設のレポリストは→こちら

 
【写真 上(左)】 走り湯泉源のものすごい析出
【写真 下(右)】 張り巡らされる送湯管

なお、伊豆山温泉観光協会・伊豆山温泉旅館組合Webによると、毎年2月に実施される温泉実態調査より、「伊豆山の宿泊施設で使用する各源泉の温度は56.0~72,1℃を記録し、平均値は66.7℃となります。」とのことで、堂々たる高温泉の温泉地であることがわかります。

走り湯に代表される土類食塩泉だけでなく、硫酸塩泉や般若院の明礬緑礬泉的なお湯までバラエティゆたかなお湯を揃える伊豆山は、やはり東伊豆屈指の名湯だと思います。

【 BGM 】
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