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プログレなJ-Pop

TVで流れてた松田聖子の「Strawberry Time」聴いて、やっぱりこれはプログレかと・・・。
2012年10月にこのテーマで記事入れてたので、リンクつなぎなおし、楽曲追加してアゲてみます。

■ Teenage Walk - 渡辺美里 

コード進行
初期の小室サウンド。
この転調、はじめて聴いたとき本当になにかの間違いかと思った(笑)
イントロのAメロ(というかサビメロの前出し)「自分だけの翼で」の後ですでに転調してるし。

■ あなたに会えてよかった - 小泉今日子

コード進行
イントロですでに転調してる。
しかもサビがドミナント始まり

3:15~
想い出が星になる
Ddim C#7 C#7/B F#m/A

からKeyソロ
B7sus4 B7 G#7 C#7
B7sus4 B7 Esus4 E
でもって、エンドはしっかりトニック。

こんな曲をアイドルが歌い、しかもヒットする時代があった。

■ Butterfly(バタフライ) - 木村カエラ(Covered)

コード進行
個人的には、この手のコード進行好物なんですけど・・・
ベースは変則カノンだと思うけど、強引な転調がたまらん (笑)

■ 眩暈 - 鬼束ちひろ


■ ヒカリノイト - 池田綾子


■ Pray - ZARD

ZARDは難曲揃いだけど、これもそんな1曲。

■ ただ泣きたくなるの - 中山美穂

コード進行
4:16~
ぬくもりを あげたい
E♭maj7 E♭dim Dm7 D♭dim
メジャーセブンス~ディミニッシュ×2

こんな難曲をよく歌いこなせたもんだ。

■ M - プリンセス プリンセス


■ far on the water - Kalafina

梶浦由記さんならではのスケール感あふれるコード進行。


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2012-10-30 UP

ケルティックなJ-Popにひきつづき、プログレなJ-Popです(笑)
”プログレ”ってゆ~のは、Pop Musicの1ジャンルでProgressive Rockの略です。
本来”先進的なRock”つう意味だが、70年代中盤以降様式化し、「ぜんぜんProgressiveじゃない」という手きびしい意見や、本来の意味でのProgressive(オルタナティヴと呼ばれるよ~な)なものも入れることがあるので定義は混沌としています。(くわしくはこっちをみてね)

でも、プログレのなかでも、とくにシンフォニック・ロックといわれるジャンルのイメージは共通していて、組曲構成など曲が長い、変拍子や転調を多用する、クラシックやジャズの要素を入れる、民俗音楽を取り入れる、インスト部が長く演奏が難しい、メジャーセブンスやディミニッシュなど難易度高いコードを多用する、そのわりに曲調が牧歌的かつ綺麗、てなところでしょうか・・・。

そこで今回は、J-Pop(女性Vo)でなにげにプログレを感じるやつを10曲ほど集めてみました。(あくまでも独断と偏見です(笑))

視聴は自己責任にてお願いします。
気に入ったら買ってあげてね。

最初にプログレ(シンフォニック・ロック)を数曲。(長いので飛ばしてきいてね(笑))
●Forse Le Lucciole Non Si Amano Pi� - Locanda Delle Fate


●BESIDE - Jon and Vangelis


●I've Got A Feeling - Barclay James Harvest



それではいきます。(年代順不同です。)

01.Strawberry Time - 松田聖子

・なぜか松田聖子。でもっていきなり「ぜんぜんプログレじゃないじゃん」とかいわれそうだが・・・(笑)。
難曲をよく唱いこなしてるということで・・・。

02.ロカ - 遊佐未森

・コメントに5拍子って書いてあるけど、そうかもしれぬ。リズムもメロもひじょ~な難曲なのに、ここまで聴きやすくまとまっているはただものじゃない。

03.異邦人 - 久保田早紀

・前もどっかでUPしたけど、民俗音楽系(ファド)てゆ~ことで・・・。
あらためて聴くと、やっぱり作曲力、歌唱力、そして美貌を兼ね備えた逸材だったと思う。

04.遠い音楽 - zabadak

・高い音楽性で知られるプログレ系?ユニット。上野洋子のブォーカルが冴え渡ってる名LIVE。

05.NOCTILUCA(LIVE) - 今井美樹

・変拍子も転調もほとんどないけど、ふしぎな浮遊感があってどことなくプログレ? 今井美樹が絶好調で気持ちよさそに唱ってる。

06.you / thanks - 雪野 五月

・アニメソングにはプログレ的な曲がけっこうあるがこれもそのひとつか。

07.見えない月 - 藤田麻衣子

・藤田麻衣子らしい天才的に冴えた曲構成&アレンジが凄すぎ。

08.また会おうね - 矢野顕子

・これも前にどっかでUPしたと思う。曲調、キーボードの旋律、切れまくったリズムセクション、どれをとってもプログレ的?。

09.Voyage - 浜崎あゆみ

・この大がかりな構成はやっぱりプログレ?。ホントにライブ?と思うくらいの安定感。

10.Erato - 志方あきこ

・ちょっと前にBGMでUP。はじけるような変拍子、舞い上がるようなメロにハイトーンヴォイス。文句なしの名曲。
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■ カラバトU-18黄金の世代の名テイク ~ 日本の歌姫たち ~

先ほど放送のアーティスト別モノマネ頂上決戦、面白かった。
出演者がハズレなしの実力者揃いだったし、審査員のリアクションも判定もコメントも素晴らしかった。
司会もゲストもテンポよく、視ていて気持ちよかった。

なんせ、トップからして柴山サリーだったから・・・。

ななみなな、すげー。
世が世ならトップシンガーに登り詰めていたかも。


誰も彼もがあまりに上手いので、カラバトU-18黄金世代との実力のレベル差がわからなくなってきたとき、出てきたのが岩口和暖ちゃん。

テクニックは対戦者の2児の母さんの方が上だったかと思う。
ただ、声の深みや音場のつくり方は和暖ちゃんのが際立っていた。
似てるのはたしかに似てるけど、その上でオリジナリティを確立している。


やっぱりこの世代、すごいわ。 ↓

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2024-02-25 UP

久しぶりのカラバトを視て、この世代のレベルの高さを改めて想う。
やっぱり「黄金の世代」なのか?

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2023/12/22 UP

先ほど放送の歌唱王、録画してたやつざっくり視てみました。

■【歌唱王】島津心美・13歳「Body Feels EXIT/安室奈美恵」full ver.【YOSHIKIデビューPJメンバー】

↑ 島津心美ちゃん、出てたのか? 録画で発見できず。
ナイステイク。さらにスケールアップしてる。

巧い人多かったけど、個人的には川嵜心蘭ちゃんかな。

■ 1st最高得点!【歌唱王】川嵜心蘭・17歳「魔法使いと私/「ウィキッド」劇団四季」full ver.

この子は人の心に響くなにかをもっている。
POPS曲でも抜群のキレ味繰り出すので、1曲はJ-POPでもよかったかも・・・。

■ 点描の唄(井上苑子ソロVers.)カバー(川嵜心蘭)
@mabo3939

♬ オリジナル楽曲 - mabo

歌に複雑な感情が乗っている。
歌にこれだけ ”切なさ” を載っけられるとは、熊田このはちゃん以来の才能では?

■ [歌うまCollection]プロより上手い歌唱力 2017.8.12 S級素音 草ヶ谷遥海さん 『Listen』 カバー

それでも、この『Listen』歌われたらとしたら厳しかったかもしれぬ。
審査員次第だけどね(笑)

■ 歌唱王 & カラバト(2022年12月23日UP)

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2023/10/16 UP

ちと思うところがあるので、アゲてみます。

先ほど放送のカラオケバトル
優勝者さんは、女性2人の歌いまわしがかなり個性的でインパクトがあった。
おめでとうございます。

だけど、個人的には「mikamo」(中野みやびちゃん & 荒河桃ちゃん & 岩口和暖ちゃん)だったかな。
3人とも声質にオリジナリティがあって、それぞれの声の魅力を発揮していた。
決勝は音程がかなり暴れたので、これがマイナスになったかな。
それと、岩口和暖ちゃんがちと抑え気味だった気がする。

この3人だったら、もっとユニゾンかハーモニーのパート増やしたら面白いテイクになったと思う。
(AI君がどう評価するかはわからんが・・・)

■ 中野みやび - 群青

芯のとおったハイトーンで、声の輪郭がはっきりしている。
音程・リズムの正確さもかなりのもの。

■ 荒河桃 - JAM

声が太くて奥行きとスケール感がある。
音程がもう少し落ち着いたら、一気に伸びるのでは。

■ 岩口和暖 - アイノカタチ

やっぱり ↓ で紹介しただけのことはある。
倍音バリバリだし、歌に感情が乗っている。


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2023/09/17 UP
この記事、書き加えつづきでわかりにくくなっていたので、コンテンツ加えて再構成しました。

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2022/01/31 UP
先ほど放映のカラバト。プロもけっこう出てたけど、う~ん、どうかな・・・。
なんか、もやもやして、そのあと録画してある昔のカラバト視てしまいました。
やっぱり、黄金の世代のパフォーマンス、いま視てもピカ一だわ。
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歌のうまさももちろんだけど、それぞれの声質のオリジナリティが際立ってる。
よくぞこれだけの才能が同時期にあらわれたものだと思う。

★ 幾田りら
超絶ボカロ曲を難なくこなす滑舌とリズム感。ハイトーンへ跳ね上げるキレッキレの歌いまわし。
誰にでもできる歌い方ではないと思う。

■ PiSTream # 147「幾田りら:CAS live.54:春一番」2017.02.04


■ YOASOBI「群青」 from 初有観客ライブ『NICE TO MEET YOU』2021.12.04@日本武道館

短期間で、よくぞここまでのぼり詰めたもんだ。
YOASOBIが全米でブレークしているということは、いまの日本の歌姫たちがそれだけのレベルにあるということかも?


そんなこともあって、カラバト黄金の世代の名テイクを改めて年代順に追ってみました。


★ 佐々木麻衣
つやっつやの深みある声質と圧倒的な声量。
昭和ムード歌謡の出来映えは絶品。
世が世なら、もっと早くにメジャーデビューしてたのでは?

2023年9月20日『約束岬』で日本クラウンよりメジャーデビュー。
売れるといいね。→詳細情報

■【カラオケバトル公式】佐々木麻衣:森昌子「哀しみ本線日本海」舞台裏コメント付き/2018.11.21 OA


■ シルエットロマンス・cover佐々木麻衣さん^^ 2022/07?



★ 三阪 咲
声に雰囲気があって、強弱のコントロール&声のまわし方が抜群で、とくにR&Bでいい味出してます。
アンサンブルを大切にするスタンスも時流に合っているのでは?

■ 三阪 咲「If I Ain't Got You (Alicia Keys)」2018/12/28 The BAND NIGHT Vol.2 ESAKA MUSE


■ 【Theモーツァルト】三阪咲「Finally」フル歌唱Ver. 2019/04/05 OA


■三阪 咲 - 繋げ! (Acoustic Live Performance) 2023/01/12UP



★ 富金原佑菜
声の成分が複雑でなかなかいないタイプ。それと声量のキャパシティ。(ぜったいお腹で支えてる)
すでに自分の世界もっているので曲がはまれば大化けするかも?
歌ってる表情がとてもいい。
歌って伝えることが本当に大好きなんだと思う。
■ 富金原佑菜ちゃんのナイステイク

■ 富金原佑菜「流星群 (鬼束ちひろ)」2018/09/17 あべのAステージ


■ カタオモイ/Aimer(Covered) 2021/07/22UP


■ 富金原佑菜 - enemy (Acoustic Cover) - Music Video 2022/06/08UP



★ 原藤由衣
歌のお姉さん的な美声だけど、それだけでは収まらない深みを感じる声質と豊かな声量。

■ 原藤由衣「My Revolution (渡辺美里)」2019/02/17 konoha&yui 天使のハーモニー 溝ノ口劇場


■ 【カラオケバトル公式】原藤由衣(北海道・高専2年生):薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」/2019.2.20 OA


■ 原藤由衣「初恋(三田寛子 村下孝蔵)」 2022.9.4 溝ノ口劇場



★ 熊田このは
比類なきスーパーソプラノ。
せつなさを帯びているのに、なぜか聴き手に元気を与える類い希な美声。
1/fゆらぎまじりのヒーリングヴォイスと透明感。
誰にも似ていない。誰のまねでもない。「熊田このは」というオリジナルのフォーマット。
■ 熊田このはちゃんのセトリ(&出演記録)-Vol.2

■ 熊田このは「明日への手紙 (手嶌葵)」2016/05/21 HEP前 路上ライブ


■ 【カラオケバトル公式】熊田このは:BENI「見えないスタート」/2017.8.23 OA


■ 熊田このは - 手と手(オリジナル)12/30/2019 at The ESAKA MUSE in Osaka/JAPAN.
on 11/3/2019,Konoha released her first original album (Japanese-language)「Konoha」.



★ 佐久間彩加
いろいろな声色が複雑に混じり合う。まさに声色の魔術師(笑)
こんな歌いまわし、意識して出せるとは思えないから、たぶん天性のものだと思う。
だから天才。
勝負師的なキレ味も魅力。
カラバト&佐久間彩加ちゃん配信ライブ情報/LIVE初参戦

■ やさしさで溢れるように/juju~カラオケ大会 グランプリ大会 首都圏カラオケバトル2015 GP~


■ 【カラオケバトル公式】佐久間彩加:Crystal Kay「君がいたから」/2020.12.13 OA(テレビ未公開部分含むフルバージョン動画)


■ 佐久間彩加 - 季節の訪れ(オリジナル)



★ 鈴木杏奈
絶対音感(?)にテクと情感が乗って、もはや文句のつけようなし。
ステージングも抜群で、人前で歌うことが本当に好きなんだと思う。

■ 鈴木杏奈 - 帰りたくなったよ (中学2年生) 2017.10.7@野木町れんがまつり


■ 【カラオケバトル公式】鈴木杏奈:LiSA「炎」(森アナイチオシ動画)2020/12/13OA.


■ 『Magic×Color』(Official Music Video)



★ 堀 優衣
どこまでもつやっつやな響きまくる美声。そしてゆるぎない安定感。
このところ、ハイトーンの美しさに磨きがかかっている。

■ 堀優衣 - This Love 2017年3月18日 東武百貨店大田原店 堀優衣ミニライブ


■ 【カラオケバトル公式】堀優衣 「Get Along Together」山根康広/2017.10.18 OA


■【カラオケバトル公式】堀優衣&小豆澤英輝:コブクロ「蕾」/2021.2.21 OA


■ 堀優衣 - アイノカタチ/MISIA feat.HIDE(GReeeeN) (Covered)



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■ 三阪咲 × 富金原佑菜 - Y / C&K 2018/09/17 あべのAステージ

これが中学生のLIVE?? ありえん。

■ 熊田このは × 富金原佑菜 - 打上花火( DAOKO X 米津玄師) 2019/04/29 溝ノ口劇場

「声質のオリジナリティ」を実感できるパフォーマンス。
このはちゃんの響き渡るハイトーンに、佑菜ちゃん、密度の濃い深みある声色をぶつけて四つに組んで譲らず。

■ 原藤由衣 × 熊田このは - さよなら大好きな人(花★花) 2019/02/17 溝ノ口劇場

どちらもハイトーンだけどそれぞれ持ち味や質感がちがう。これがオリジナリティ。

■ 鈴木杏奈 × 熊田このは - いのちの歌  2017/08/05 Leaf Bell(リーフベル)コンサート / 道の駅那須与一の郷・那須与一伝承館多目的ホール(栃木県大田原市)

鈴木杏奈ちゃん&熊田このはちゃんの貴重なデュエット。
ヒーリング感ばりばり。杏奈ちゃんは”華”、このはちゃんは”艶”かな?


やっぱりこの世代凄いわ。
個人的には2018/11/21放送の「U-18歌うま甲子園2018頂上決戦」がカラバト史上ベストの内容と思っている。

一度でいいからこのメンバーでユニット組んで歌ってほしかった。
できれば、梶浦由記さんプロデュースで ↓ こんな感じで・・・。


全員ユニゾンで歌っても、聴き分けできる自信あり(こればっかし(笑))


そして、その下の世代も ↓

★ 島津心美

■ 島津心美 - DREAMIN'/JASMINE

とても12歳のパフォとは思えず。

■ 島津心美 - SEASONS(浜崎あゆみ) 2021/07/22 Kokomi 11th Birthday Live 溝ノ口劇場

歌にエモーションを吹き込む力は、天性のものでは?


★ 加藤礼愛

■ 【カラオケバトル公式】加藤礼愛:平原綾香「Jupiter(Little Glee Monster ver.)」(森アナイチオシ動画) 2020/09/11UP

堂々たる歌いぶり。どんどんうまくなってる!
歌声に魂がこもってる感ばりばり。
4:28~ のアドリブ(フェイク)、小5の女の子のパフォーマンスとはとても思えず・・・。
しかし、この内容で97点台って、いったいどゆこと??

■ 加藤礼愛 - Hallelujah/Demi Lovato @東京ミッドタウン 2022.5.5日比谷フェスティバル まちなか劇場

凄い! 凄すぎる・・・

とても小学生のパフォーマンスとは思えず。
やっぱりこの世代も「黄金の世代」なのかもしれぬ。


★ 岩口和暖

■ 月光 - 鬼束ちひろ カバー(岩口和暖)

これだけスケール感を出せる歌い手は希。

■ アイノカタチ - MISIA カバー(岩口和暖)

抜群の声量。それとニュアンスの込め方がますます巧くなってきている。


★ 川嵜心蘭

■ 点描の唄(井上苑子ソロVers.)カバー(川嵜心蘭)
@mabo3939

♬ オリジナル楽曲 - mabo

歌に複雑な感情が乗っている。
歌にこれだけ ”切なさ” を載っけられるとは、熊田このはちゃん以来の才能では?

■ しるし - Mr.Children (Covered)
【カラオケバトル公式】川嵜心蘭:Mr.Children「しるし」(森アナイチオシ動画)

カラバトでこんな難しい曲ぶつけてくるとは・・・。
このあたりの感覚は、黄金の世代の7人に通じるところあり。
(優勝も狙うけど、なにより歌いたい曲を歌う。)


それにしても、この世代の女子の歌のうまさは尋常じゃない。
以前書いた女神系歌姫
ほんとうに日本はますます「女神系歌姫」の国になりつつあるような・・・。

今回の騒動で、TVの歌番組の構成が大きく変わる可能性があります。
日本の歌姫たちにもっともっと光を・・・。


〔関連記事〕
【抜粋編】黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)
黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)
カラバトU-18黄金の世代の7人+4人
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■ 鎌倉市の御朱印-1 (導入編&全記事のリスト)

記事リストのリンクが錯綜して、バックナンバー(UP済記事)がたどりにくくなっていましたので、末尾に最新の記事リスト&リンクをまとめてみました。

秋~冬の鎌倉もいいですが、やはり花で彩られる春の鎌倉は格別です。
気の向くままに、巡ってみてはいかがでしょうか。


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2022/01/22 UP


【写真 上(左)】 鶴岡八幡宮参道
【写真 下(右)】 建長寺半僧坊大権現からの相模湾


【写真 上(左)】 安国論寺(大町)
【写真 下(右)】 満福寺の義経腰越状の像(腰越)


鎌倉といえば寺社、寺社といえば鎌倉。
鎌倉にはいったいどのくらいの寺社があるのでしょうか。

鎌倉市統計書によると、平成29年の宗教法人数(P.130)は仏教系寺院で121、神道系神社で41となっています。宗教法人数と寺社の数は厳密には一致しないとは思いますが、Web上で寺社数150程度としている情報がみられるので、おおむねその程度なのでしょう。

同統計書(P.132)によると平成28年の各寺社(有料)の年間観光客数は582万人、鶴岡八幡宮1,184万人、銭洗弁財天120万人で、これだけで年間1,886万人、月で157万人、日で5.1万人ですから、その数はハンパではありません。(ちなみに鎌倉市の人口は17万人程度)

じつは、神奈川県資料をみると、鎌倉市の宗教法人数は際立って多い訳ではありません。

1.横浜市 1,092
2.川崎市 334
3.小田原市 256
4.横須賀市 237
5.相模原市 215
6.鎌倉市 174
6.平塚市 174
8.伊勢原市 170
9.厚木市 138
10.秦野市 111

市域の広い政令指定都市の横浜、川崎、相模原はさておき、小田原、横須賀より少なく、平塚と同数です。
それでも鎌倉に「寺社だらけ」のイメージがあるのは、寺社が特定のエリアにかたまっていること、著名な観光寺社が多いことなどが原因と思われます。
しかも、多くの寺院は複数の札所を兼ね、数種の御朱印を授与されているので、拝受できる御朱印の数はおのずから多くなります。
やはり、鎌倉は「御朱印王国」といってもいいのだと思います。

鎌倉でいただける御朱印・御首題はほぼ拝受した気がするし、今年は鎌倉をメイン舞台とするNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」も放映されるので、無謀な試みとは思いつつも、一念発起してこれまでいただいた御朱印・御首題をご紹介することとしました。

【エリア概要】
鎌倉は平安時代に相模守となった清和(河内)源氏直系の源頼義公が戦で勝利した際、源氏の氏神である京都の石清水八幡宮を勧請し、康平六年(1063年)鶴岡八幡宮(元八幡・現在の由比若宮)の地に社殿を造営、頼義公の子、八幡太郎義家公も永保元年(1081年)八幡宮を改修と伝わり、天養二年(1145年)頃には頼朝公の父、義朝公が寿福寺のあたりに住んでいたと伝わります。
このように源氏は平安時代より鎌倉と深いつながりをもっていました。

旗揚げ後の石橋山の合戦で大敗を喫し安房国に逃れた源頼朝公に対し、地元の豪族千葉介常胤が「今いる所(房総半島)は、敵襲を受けたとき防ぐには適当な場所ではなく、源家ゆかりの地でもない。速やかに相模国の鎌倉に赴くべきである。」と鎌倉入りを薦め、これを受けて頼朝公が入ったとされます。(吾妻鏡)

鎌倉は南方を相模湾、残り三方を山に囲まれた天然の要害で、陸上交通や物資の搬入は困難をきわめました。市中も狭隘で、いまでも車での鎌倉入りは苦労の多いものとなっています。

往年の鎌倉の中心地はおそらく雪ノ下の鶴岡八幡宮~若宮大路で、そこから、相模湾と七口とも八口とも云われる切り通しに向かって寺社が分布します。
鎌倉七切通しは朝比奈(朝夷奈)切通し(北東)、名越切通し(東)、極楽寺坂切通し(南西)、大仏切通し(西)、化粧坂切通し(北西)、巨福呂坂切通し(北)、亀ヶ谷坂切通し(北)とされています。
この切り通しの内側のすべてのエリアにバランスよく観光寺社が立地し、見どころが分散しているのが観光都市・鎌倉の強みだと思います。(北鎌倉エリアは切り通し外))

なお、切り通し外側の寺社は観光客もすくなく中心部とはいささか趣きが異なります。

鎌倉の寺院は、将軍家や北条執権家、鎌倉御家人ゆかりのものが多く、歴史の香りが高くなっています。山内が名勝となり、拝観料が必要な寺院も少なくありません。

宗派は、禅宗が多くメインエリアでは臨済宗建長寺派、臨済宗円覚寺派が目立ち、曹洞宗寺院は多くはありません。
密寺では真言宗では高野山真言宗、御室派、大覚寺派、泉涌寺派や真言律宗がメインで、新義真言宗はほとんどありません。天台宗寺院も比較的少なくなっています。
浄土宗は材木座に大本山光明寺があり、その影響か浄土宗寺院も比較的多いです。
時宗もおとなりの藤沢市に総本山清浄光寺(通称 遊行寺)があるためか、複数みられます。

鎌倉は日蓮聖人ゆかりの地で、霊跡寺院や由緒寺院、著名な寺院が複数立地します。
妙本寺、本覚寺、安国論寺などがその例です。


【写真 上(左)】 妙本寺の御首題
【写真 下(右)】 安国論寺の御首題

龍ノ口法難ゆかりの霊蹟寺院龍口寺は藤沢市ですが、輪番制度を担った龍口寺輪番八ヶ寺のうち六ヶ寺が鎌倉市内に位置しています。

【鎌倉と札所】
鎌倉は霊場札所のメッカです。
超メジャー霊場、坂東三十三箇所(観音霊場)は鎌倉・杉本寺からの打ち始めです。

【写真 上(左)】 坂東霊場初番・杉本寺の御朱印
【写真 下(右)】 坂東霊場第3番・安養院の御朱印

鎌倉のメジャー霊場として鎌倉三十三観音霊場、鎌倉二十四地蔵霊場、鎌倉・江ノ島七福神があり、現役霊場として円覚寺百観音霊場、鎌倉十三仏霊場、鎌倉六阿弥陀霊場、これに知名度は低いですが相州二十一ヶ所霊場が加わり、さらに認知度の低い相模国準四国八十八ヶ所霊場、鎌倉郡三十三観音霊場の札所が点在します。


■ 鎌倉三十三観音霊場の専用納経帳


【写真 上(左)】 観音霊場発願の御朱印(杉本寺)
【写真 下(右)】 観音霊場結願の御朱印(円覚寺佛日庵)


■ 鎌倉二十四地蔵霊場の専用納経帳


【写真 上(左)】 地蔵霊場発願の御朱印(宝戒寺)
【写真 下(右)】 地蔵霊場結願の御朱印(安養院)


■ 相州二十一ヶ所霊場の専用納経帳


【写真 上(左)】 相州二十一ヶ所発願の御朱印(宝戒寺)
【写真 下(右)】 相州二十一ヶ所結願の御朱印(荘厳寺)


【写真 上(左)】 鎌倉十三仏霊場発願寺の御朱印(明王院)
【写真 下(右)】 鎌倉十三仏霊場結願寺の御朱印(星井寺)


【写真 上(左)】 円覚寺百観音霊場第1番の御朱印
【写真 下(右)】 円覚寺百観音霊場第100番の御朱印頁(未拝受)

霊場とはいえないかもしれませんが、鎌倉五山は有名で、鎌倉寺院御朱印の入門コースとしているガイドもあります。(じつは、さりげに難易度高いのですが・・・(笑))
日蓮宗寺院では龍口寺輪番八ヵ寺のうち六ヶ寺が鎌倉市内です。


【写真 上(左)】 鎌倉五山第一位 建長寺の御朱印
【写真 下(右)】 鎌倉五山第一位 建長寺の扁額


【写真 上(左)】 鎌倉五山第二位 円覚寺の御朱印
【写真 下(右)】 鎌倉五山第三位 寿福寺の御朱印


【写真 上(左)】 鎌倉五山第四位 浄智寺の御朱印
【写真 下(右)】 鎌倉五山第五位 浄妙寺の御朱印

広域霊場では、坂東三十三箇所(観音霊場)、東国花の寺百ヶ寺霊場、関東八十八箇所、新四国東国八十八ヶ所霊場、関東九十一薬師霊場、関東百八地蔵尊霊場、七観音霊場、小田急沿線花の寺四季めぐりの札所があり、まさにカオス的状況となっています。


【写真 上(左)】 七観音霊場の御朱印・光明寺
【写真 下(右)】 新四国東国八十八ヶ所霊場の御朱印・補陀洛寺

鎌倉は現役霊場比率が高く、ひとつの寺院で4~5種類程度の御朱印を授与される例はざらで、「御朱印をいただきたい」旨の申告をするとすかさず「何の御朱印ですか?」と切り返されるケースもあります。
また、地蔵尊霊場や十三仏霊場は境外仏堂も多く、御朱印申告をすると「お地蔵さまの場所はわかりましたか?」などと訊かれたりします。
快く一度に数種の御朱印をいただける札所もあれば、1回の参拝でひとつだけとされている寺院もあります。

観光寺院が多い鎌倉ですが、このように御朱印難易度はけっこう高く、御朱印コンプリートを目指す向きは、事前に霊場についてしっかり押さえられたほうがベターかと。
また、霊場をきっちり巡拝したいならば、専用納経帳をつくることをおすすめします。

おどしめいたことをいろいろ書きましたが(笑)、とくに知識がなくても容易く御朱印をいただける寺社ももちろんたくさんあります。
間口の広い観光寺院とマニアックな知る人ぞ知る系寺院が混在する鎌倉は、さながら「御朱印のパラレルワールド」ともいえましょう。

【鎌倉の寺社の回り方】
鎌倉の寺社を車でまわるか、歩いてまわるかは難しい選択です。
中心部をまわるには鉄道+バス+徒歩が無難ですが、繁忙期には電車もバスもかなり混み、バスでは乗り残しが出たりします。
鎌倉は地形的に抜け道・裏道が少なく交通規制も多いので、繁忙期に鎌倉に車で突入するのはほとんど自殺行為です。

ただし、周辺部は車が圧倒的に便利で、中心部でも平日はそれなりに走れるし、コインパーキングも増えてきました。(探せばけっこう良心的な料金のところもあり)
なので、週末は鉄道・バス・徒歩、平日ならば車という選択もありかと思います。

鉄道の便は、横須賀線が直通している千葉方面からは以前からよく、2001年からは湘南新宿ラインが運行開始したので、埼玉方面からのアクセスも向上しました。
変わったところでは、繁忙期の週末に不定期運行される「ホリデー快速 鎌倉」号で、武蔵野線から武蔵野貨物線(武蔵野南線)に入り、鶴見・生麦あたりから東海道線、大船から横須賀線に入るという変則ルートで、普段は乗れない武蔵野貨物線(武蔵野南線)に乗れるので、鉄道ファンには有名な列車です。(全席指定)

鎌倉の第2の玄関口である「北鎌倉」駅は従来、円覚寺寄り(逗子方)の改札のみで、ホームが狭いため、シーズン週末午前などは大船寄りの車両から降りると大混雑に巻き込まれました。
生徒通学専用として設置された下り線大船側出口が平成29年4月から臨時改札口として利用できるようになったため(情報)、いまはさほどでもないかもしれませんが、臨時改札は交通系ICカード専用で精算はできません。なので、いずれにしても北鎌倉下車の場合は前寄り(逗子寄り)の車両に乗るのがベターです。

県央方面からだと、藤沢から江ノ電で鎌倉に入る手があり、車窓は楽しめますがけっこう時間はかかります。腰越、極楽寺、長谷あたりで下車して寺社を回るなら、江ノ電1日乗車券『のりおりくん』がお得です。

北鎌倉、二階堂、浄妙寺あたりの寺院は高低差が大きく見どころも多い大寺が多く、参拝に思いのほか時間を要します。佐助方面の神社アクセスもほとんどハイキングコースです。
よくばらずに、エリアを絞り時間をかけてじっくりまわるのが鎌倉寺社めぐりのポイントかと思います。

季節については、鎌倉はもともと湿気が多いので梅雨~夏場の暑気は耐え難いものがあります。
春は花、晩秋は紅葉と、それぞれに混み合います。
なので、一番のおすすめは空気が乾いて陽射しの明るい冬場~春先です。修学旅行生は多いですが、紅葉前で暑さが落ち着いた10月あたりもおすすめです。

鎌倉の寺社をまとめるには、やはりエリア別がわかりやすく、観光ガイドもたいていそのようになっています。
この記事もこれに従い、東から西、北から南の流れで括ってみたいと思います。


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それでは順にご紹介していきます。(連載形式とし、時間をかけていきます。)

■ 鎌倉の御朱印-2(A.朝夷奈口)へつづく


【 記事リスト 】

■ 鎌倉市の御朱印-1 (導入編)

■ 鎌倉市の御朱印-2 (A.朝夷奈口)

1.十二所神社 /鎌倉市十二所
2.岩蔵山 光觸寺 /十二所
3.飯盛山 明王院 /十二所
4.稲荷山 浄妙寺 /浄明寺

■ 鎌倉市の御朱印-3 (A.朝夷奈口)

5.(浄明寺)熊野神社 /浄明寺
6.長盛山 松久寺 /浄明寺
7.功臣山 報国寺 /浄明寺
8.大蔵山 杉本寺 /二階堂

■ 鎌倉市の御朱印-4 (A.朝夷奈口)

9.荏柄天神社 /二階堂
10.鎌倉宮 /二階堂
11.南方社・村上社 /二階堂
12.錦屏山 瑞泉寺 /二階堂

■ 鎌倉市の御朱印-5 (A.朝夷奈口)

13.鷲峰山 覚園寺 /二階堂
14.(西御門/大蔵)白旗神社 /西御門
15.満光山 来迎寺 /西御門
16.鶴岡八幡宮 /雪ノ下 ※現況御朱印のみ掲載。
17.(鶴岡八幡宮境内)白旗神社 /雪ノ下 ※同上
18.旗上辨財天社 /雪ノ下 ※同上
19.巌窟堂 岩谷不動尊 /雪ノ下

■ 鎌倉市の御朱印-6 (B.名越口-1)

20.妙法華経山 安国論寺 /大町4
21.楞厳山 妙法寺 /大町4
22.法華山 本興寺 /大町2
23.法久山 上行寺 /大町2

■ 鎌倉市の御朱印-7 (B.名越口-2)

24.祇園山 安養院 /大町3
25.稲荷山 別願寺 /大町1

■ 鎌倉市の御朱印-8 (B.名越口-3)

26.多福山 大寳寺 /大町3
27.八雲神社 /大町1
28.慧雲山 常栄寺 /大町1
29.中座山 教恩寺 /大町1

■ 鎌倉市の御朱印-9 (B.名越口-4)

30.長興山 妙本寺 /大町1
31.金龍山 宝戒寺 /小町3

最新記事は↑です。

以下、当面のUP予定です。

32.叡昌山 妙隆寺 /小町2
33.蛭子神社 /小町2
34.長慶山 大巧寺 /小町2
35.妙厳山 本覚寺 /小町1
36.天照山 光明寺 /材木座6
37.天照山 蓮乗院 /材木座6
38.天照山 千手院 /材木座6
39.石井山 長勝寺 /材木座2
40.隨我山 来迎寺 /材木座2
41.五所神社 /材木座2
42.弘延山 實相寺 /材木座4
43.南向山 補陀落寺 /材木座6
44.内裏山 九品寺 /材木座5
45.円龍山 向福寺 /材木座3
46.海潮山 妙長寺 /材木座2



【 BGM 】
■ ヴィヴァルディ: 「四季」より冬


■ Ave Maria - 志方あきこ w / 葉加瀬太郎


■ 冬景色 - はいだしょうこ
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■ 桜曲40曲!

春の嵐のあとは、いよいよ桜の季節でしょうか。
アゲてみます。

■ Nandemonaiya cover by Lilas Ikuta (Yoasobi)

このヴォーカルが世界を席巻するとは。
世界のPOPミュージックの流れがかわりつつあるのかも・・・。

■ サクラキミワタシ - 幾田りら┃[AI cover]

ほんとうに凄いというか、こわい時代になったものです。


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YOASOBIやAdoが世界でヒットしています。
また、シティ・ポップもあいかわらず人気のようです。

ボカロのエッセンスをとり込んだYOASOBIやAdoと、(以前の)洋楽のディテールやグルーヴをより深めたシティ・ポップ。
このふたつのPOPミュージックが日本に存在することは、海外からみるとある意味驚異かもしれません。
とくにメロディの美しさと若手女性ヴォーカルのレベルの高さはピカ一かも。
■ 女神系歌姫 (ハイトーンJ-POPの担い手たち)

最近の洋楽はほとんど聴いていないので断言できませんが、いまの日本はじつは世界でも有数の多彩なPOPミュージックをもつ国なのかも。

でも、マスメディアはジャニや坂道や韓国シーン模倣系に占拠されて画一化し、直近ではまともなヒット曲さえ生み出せない状況です。
■ 歌は世につれ ~炭鉱のカナリア~


↓ の曲聴いてみると、優れた才能や良質な楽曲はじつはたくさんある。
でも、シーンは細分化され、これらがメジャーシーンに出てくることはほんとうに稀です。

昭和の時代に業界をリードした大御所たちが、目下1980年代音楽ブームともいえる状況にあるにもかかわらず、総じて謙虚な物言いを繰り返すのは、いまの日本の(マイナー)音楽シーンのレベルの高さをじつは熟知しているからかもしれません。

韓国のPOPS (K-POP)は、ある意味米国POPSのメインストリームと同質です。
でも、いまや米国のユニットよりも韓国のユニットの方がスキル的に高かったりする。
だからK-POPが米国で売れる。

でも、YOASOBIやAdoやシティ・ポップが米国で再評価されているのは、おそらくいまの米国にこういったものがないからだと思う。
そういう意味では、いまの日本の(マイナーを含む)POPミュージック (J-POP)は、唯一無二(One and only)の強さをもっているのかもしれず…。

本来ならば、大手プロモーターがシーンをとりまとめてプロモートする局面かとも思いますが、いまのJ-POP界におそらくそういう存在はいないから。

「COOL JAPAN/M(ミュージック)」などと銘打ち、国家プロジェクトとして取り組んでもいいほどの局面ですが、どーせしょーもない有識者迎えて、最後は利権&忖度でグタグタになりそうだし…(笑)

やっぱり日本発の大きなムーブメントは起こせないのかな。


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2022/02/15 UP / 2022/03/18 UP

桜の季節が近づいてきたので、5曲追加して40曲UPします。
コメントも追加しました。

桜&透明感あふれるハイトーンの女性ヴォーカル。
日本ならでは?

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2021/02/09 UP

桜の季節にはだいぶ早いけど、前振りであげてみます。
整理して35曲にしました。
ハイトーンの女性ボーカル限定です。

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2019/03/25 UP
今年はおちついて花見もできないけど、
満開が近くなったので、あげてみます。

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今年も、あっという間に桜の季節ですね。
追加して40曲。再UPしてみます。
直接”桜”と関係ない曲も入ってますが、そこは雰囲気で・・・(笑)

それにしてもこのメロディの質の高さはいったい何事?
いまのJ-POPは、ほんとに「メロディーの宝庫」だと思う。(掘り下げれば、だけど・・・)

01.ひらひら ひらら - ClariS

よくわからないけど、なにかと話題の多い女子2人組ユニット。
佐久間 誠氏作の流麗なメロに、フェミニンで透明感あるハイトーンが冴えわたる名曲。

この動画、曲調といい、ヴォーカルといい、絵といい、なにかのタイミングで知られたら海外でブレークするかも・・・。
〔関連記事〕東京五輪のセレモニーソング ~ 日本の歌うま女子の底力 ~

02.花降らし - pazi

~ 顔を伏せるように歩く人が 多いから嫌になって
  そしたら飛んでいた桜が 切に愉快に見えたから
  この道で踊ってやろうと思った ~

変拍子と、ブレイクビーツ系4つ打ちと、アップビート系のグルーヴが混在してる。
歌詞だってキレまくり。
こういう曲聴くと、J-POPは確実に進歩していると思う。
でも、こういう曲がメジャーに売れないいまのJ-POP業界の不思議。

03.名もない花 - 遥海

以前から草ケ谷 遥海名義で路上LIVEなどで活動し、その卓越した歌唱力には定評があった。
ハイトーンに駆け上がるスケール感あふれる名曲。

04.さくらとことり - はな

ハイトーンのUP曲を難なくこなす抜群の声質。
こういう変化自在なリズムパターンは、最近の洋楽にはあまりないと思う。

05.桜色舞うころ - 川江美奈子

”レインボーヴォイス”といわれる多彩な唱法。
米国バークリー音楽院で学んだだけあって、曲づくりにソツがない。

06.片恋日記 - 中村舞子

”セツナ系”の代表格のハイトーン・シンガー。
声質はやたらにフェミニンかつエモーショナル。
■ 中村舞子の名バラード20曲

07.今、歩き出す君へ - Ceui

千葉県出身のシンガーソングライターCeui(セイ)。
アニメやPCゲーム系のタイアップ多数だけあって、ストーリー感ある曲づくりとフェミニンな美声。

08.すきま桜とうその都会OP 言葉繋ぎ - 花たん

こういうエモーショナルな難曲の歌いこなしは名手、花たんならでは。

09.変わらないもの(奥華子) - Covered by コバソロ & こぴ

奥華子の名曲。ブレスが切なく効いてはかなげな個性になってる。
固定ファンつきそうなキャラ。

10.キミに贈る歌 - 菅原紗由理

THE SxPLAY(菅原紗由理)@2020.6
秋田県出身のシンガーソング・ライターで、2014年春アーティスト名を「THE SxPLAY」(ザ・スプレイ)に替えて再デビュー。
これは2009年4月リリースでいきなりヒットした菅原紗由理名義のデビュー曲。
この頃の曲らしく、セツナ系入ってる。

11.Secret Base ~君がくれたもの~ ACE2013 LIVE 茅野愛衣 & 戸松遥 & 早見沙織

人気声優3人で、2001年ヒットのZONE「secret base ~君がくれたもの~」をカバー。
透明感ある3人の声質が、メロディアスなこの曲によく合ってる。

12.好きな人 - 上野優華

徳島出身の歌手でこれは2018年の2ndシングル(配信)。
聴き応えのある名曲。

13.桜 - 中村舞子

こういうテイク聴くと、やっぱり中村舞子、逸材だと思う。

14.ハルラブ - Juliet

2010年始めのリリース。この頃人気のあったセツナ系のユニット。
この頃いくつかあったセツナ系のユニットはけっこう音楽的にしっかりしていたけど、いまも活動してるのかな。

15.春音*ベール - Ceui

Ceuiからもう1曲。

16.ひらり - cover by Uh.

よくわからんが、カバーがYouTubeでけっこうみつかる歌い手?さん。
大原櫻子のヒット曲のカバーで、歌いまわしが抜群に安定している。

17.夢と葉桜 - 桜ほたる

個人的にかなり好きな声質の歌い手さん。以前は「桜菜」さん名義で動画UP。
フェミニンだけど芯のとおった美声。

18.Sakura no Uta - Hana

やっぱりハイトーンのUP曲、抜群に巧いと思う。

19.Story Teller - kicco

パソコンゲーム系の作品が多いシンガー。
個人的にこういう意表をついた曲展開、好物なんですけど・・・(笑)

20.横顔 ~わたしの知らない桜~ - 藤田麻衣子

”泣きの女王”・藤田麻衣子。桜の名曲をいくつかもってます。

21.桜霞 ~サクラノカスミ~ - 西沢はぐみ

神奈川出身のシンガーでゲーム系の楽曲が多い。
地声がおそらく相当なハイトーンで、上から降りてくる感じがある美声。

22.今日もサクラ舞う暁に - CHiCO with HoneyWorks

縦横無尽の曲構成。ハニワ曲ならではの展開。

23.さくら咲いた - 横山智佐

ベテランの声優が歌う名曲。やっぱり声優は歌のレベル高いと思う。

24.春風 - Rihwa(リファ)

フジテレビ系『僕のいた時間』主題歌で自作曲。
難しいコード使ってるわけじゃないけど、サビのメロは妙にフックあり。

25.明日へ舞う桜 - 初音ミク

これは名曲! 支援コメの多さが名曲ぶりを物語っている。
でもおそろしく難曲かと・・・。(「歌ってみた」が、ほとんど見当たらない。)

■ 明日へ舞う桜(歌ってみた)

↑ よくぞ歌った。
キー下げてると思うけど、後半やっぱりここまで上がるんだ。
やっぱりおそろしく難曲だと思う。

■ 明日へ舞う桜(歌ってみた) 

↑ こちらは原曲に近いキーか?
不安定な旋律。変則クリシェ。突然のリズムブレーク。強引な転調(笑)とハイトーンへの飛ばし。
これだけの難要素こなして健闘してると思う。コーラスはセルフ?

26.卒業写真

涙不可避的名曲。
メジャー・セブンス時代のユーミンの代表曲。(コード
セブンスコード炸裂だけど、洋楽とはあきらかに違う世界観。ユーミンの才能をあらためて思い知らされる曲。

まぁ、いろいろあるみたいだけど、このヴォーカル巧いんですけど・・・。
だまされる人多発もわかる気がする。

27.サクラ - 絢香

絢香 の「桜曲」は、やっぱりエモーショナル。

28.春に落ちて - 鹿乃(歌ってみた)

やわらかで透明感ある声質が人気の歌い手。

29.君って - 西野カナ

活動休止して、改めてその才能を実感。セツナ系を代表する歌姫。

30.さよならメモリーズ - 奏夢(歌ってみた)

奏夢(かなむ)さん、ほんとにいい声してると思う。あと独特のビブラート(というかゆらぎ)。
この難曲、なかなかこうは歌えないよ。
3:48~ 「初めて見た 満開の桜」 Xメロ
4:35~ 「一目見たときに思ったんだ~」 落ちサビ

31.さくら舞う空 - さねちゅーcomodo

よくわからんが、曲とヴォーカルの声質が○。
ヴォーカルは、桜ほたる(桜菜)さんと「スピカ」でコラボしてた楽音(ささね)さんでは?

32.SPICY CHOCOLATE - あなたと明日も feat. ハジ→ & 宇野実彩子 (AAA) (Vocal Ver.)

なんというか、神がかったビデオ・クリップだと思う。実力派、宇野ちゃんの本領発揮か。
あまりにも時代を象徴しすぎている歌詞。

33.桜ノ雨 - +α/あるふぁきゅん。【歌ってみた】

ボカロ界?ではバイブル的な桜曲。

34.君がいた未来 君といない未来 - yozuca

『D.C. 〜ダ・カーポ〜』OPでの名演やrino(CooRie)、橋本みゆきとのコラボで知られる熊本出身のシンガーソングランター。
安定感あるフェミニン・ヴォイス。作曲・アレンジの才能も相当なものだと思う。

35.はるのはるか - mimui(歌ってみた)

ボカロ系の名曲!

36.旅立ちの日に - 川嶋あい

ど定番だけど、やっぱり外せないか・・・。サビメロの塊。平成を代表する卒業ソング。

37.横顔~わたしの知らない桜~ - 藤田麻衣子

想定外の展開。神がかった楽曲構成力。

38.ひとひら - 今井美樹

安定の今井美樹。あいかわらずのレベルの高さ。
■ 今井美樹の名バラード25曲!

39.桜色舞うころ - 熊田このは

聴き手の心に響く類いまれな美声。
切なさを秘めた歌声は桜曲によく合う。
■ 熊田このはちゃんのセトリ(&出演記録)-Vol.2

40.サクラ色 - アンジェラ・アキ

もう歌わない?。この国は類い希なシンガーソングライターを失ったのか・・・?
感情過多にならず、たおやかに聴き手のこころをゆさぶる歌声。
苛烈な世の中で、おそらくもっとも人のきもちにささる曲を歌えるであろう人。

アンジェラ・アキが残した神曲、サクラ色。

■ アンジェラ・アキ  なう!

朗報。
アンジェラ・アキ、2024年2月7日(水)リリースの配信シングル「この世界のあちこちに」でついにカムバック!


■ この世界のあちこちに - アンジェラ・アキ

これをきっかけに、才能あるアーティストの良曲がふつうに売れる、あたりまえのPOPシーンを取り戻してほしい・・・。


ハイトーンヴォーカルがお好きな方はこちら ↓ もどーぞ。
■ 歌の女神が舞い降りた国 / 美メロ&ハイトーン&透明感の癒し曲50曲
■ 透明感のある女性ヴォーカル30曲
■ 女神系歌姫 (ハイトーンJ-POPの担い手たち)【リニューアル】


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1990年代以降はコード進行のパターン化(とくに王道進行の寡占化)が進み、メジャー・セブンスはおろか、マイナーセブンフラットファイブやナインス(テンションや分数コード)の使いこなしも減って、アーバンな曲じたいも次第に少なくなっていく。

多くの日本人は、根っこにヨナ抜き音階(ペンタトニック)やダウンビートが入っているので、コンスタントに洋楽を意識する局面がないと、どうしてもセブンス(四和音)やアップビートから遠ざかっていく。
最近では洋楽も急速にペンタ化やダウンビート化(というか4つ打ち化)が進みつつあるし、70~80年代に洋楽の影響を受けた多才なアーティストたちも第一線を退きつつある。
2015年以降、日本でペンタ化・4つ打ち化(ほぼフォークソング化)が進んだこと、そして海外からのシティ・ポップの評価が進んだ背景には、こんな要素もあると思う。

また、2000年以降はテクノロジーの発展もあって楽曲の多様化が進み、「なんでもありの時代」(一部で音楽的にすこぶる高度な楽曲がつくられる時代)になったが、聴き手がこれについてこれなくなり、とくに2015年以降は平易なペンタ化が進んだというのが持論。

でもって2020年代のいまから振り返ると、「シティ・ポップ」も「アーバン」も”お洒落”のワードでひとくくりにされ「シティ・ポップ」のジャンルでマーケティングされているのだと思う。

思い返してみると、
・~1970年代前半
 ペンタの時代
・1970年代前半~中盤
 ペンタとセブンスの拮抗時代
・1970年代中盤~1980年代中盤
 セブンス優位の時代
・1980年代中盤~2014年
 J-POP 進行(小室進行含む)の時代
・(2003年くらい~ ボカロやゲーム曲(一部アニソン)などの高度でマニアックな音世界、メジャー化はなし)
・2015年~
 ペンタ回帰の時代

そして・・・
・2020年~
 ペンタからの脱却の時代??(シティポップ人気、コード進行ブームやヒゲダン・ワンオクの人気)
・2021年
 ペンタからの脱却の試行錯誤にもがいた年?

↑ こんなイメージがある。

この桜曲たちは、「2003年くらい~ ボカロやゲーム曲(一部アニソン)などの高度でマニアックな音世界」に含まれるものが多くあります。
でも、聴き手は細分化され、メジャーヒットした曲は残念ながらは多くはありません。


関連記事(■ 歌は世につれ・・・ (2022年のJ-POP))

■ Everlasting Song - Yuki Kajiura/FictionJunction

↑ 桜とは直接関係ないけど、春の高揚感につながる曲なので・・・。
個人的には平成屈指の名LIVEだと思う。
梶浦さんも、FJの4人も、バックのインスト陣もすべてが神ってる。
7:34と長いけど、ま~、騙されたと思って、さいごまで聴いてみておくんなまし。
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■ 伝説のユニットkalafina

■ into the world


おそらく解散が決まってからのラストライブだと思う。
完璧な女神降臨状態。

FRONT BAND MEMBERSの演奏も、オーディエンスの振る舞いも文句のつけようなし。

メロディ、ハーモニー、リズム&アンサンブル。
そして、完璧なステージング。
音楽と真摯に向き合い、決して妥協しなかったプロのアーティストたち。

このハーモニーは、この3人が揃わなければ絶対に生み出せない。

公式Web?、まだ消えていないんだよね。
どうしても復活を期待してしまう。


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これほどのユニットをメジャーに押し上げられなかった、日本の音楽業界とリスナーたち。

■ 君の銀の庭


■ Overture ~ Eden -Live The Best 2015 "Red Day" (Sub Esp/Eng/Romaji)


■ 夢の大地 【ニコ生スタジオLIVE】
 

大人数ユニゾン全盛の時代に、ハモリの素晴らしさを伝えつづけたユニット。
誰ひとり欠けても絶対に成立しない絶妙なハーモニー。
そして、これを支えるFBM(FRONT BAND MEMBERS)の腕利きたち・・・。

この希有のユニットを継続するすべは、本当になかった?
失ってしまった代償はあまりに大きい。

■ kalafina屈指の名曲&名演! Mirai 未来

メロディ、ハーモニー、リズム&アンサンブル。
そして、完璧なステージング。
音楽と真摯に向き合い、決して妥協しなかったプロのアーティストたち。


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2023/01/12 UP

■ Ring Your Bell


■ I have a dream(Kalafina Boston 2009 Documentary)


■ 夢の大地

インスト陣のFBM(FRONT BAND MEMBERS)/(G/Vo)是永巧一 (B/Harp)高橋Jr知治 (Vln)今野均 (Key)櫻田泰啓 (Ds)佐藤強一 も当代一流のテクニシャン。(メンバー紹介は →こちら
1980年代では生み出せなかった曲調とテクニック。
世が世なら、日本を代表するトップユニットになっていたと思う。

■ 梶浦由記「Yuki Kajiura LIVE vol.#16 ~Sing a Song Tour~『overtune〜Beginning』」


Wakanaだって充分最高音とれるハイトーンもってるのに、その上をとっていた貝田さんの凄まじいハイトーン。(5:22~)
このハイトーンの厚みがFictionJunctionの聴きどころだった。
後任Joelleは相当な実力派だけど、このハイトーン攻撃を生み出せるWakanaはFictionJunctionでも唯一無二の存在だった。

■ Keiko x May'n – to the beginning [Kalafina cover] (KEIKO Live K002**Lantana*咲いたよ**)


コメントがきつい。
May'nだって相当な実力もってるのに、さすがにこのセッティングは気の毒かな・・・。
やっぱりWakana、Keiko、Hikaruの声のバランスが絶妙だったと改めて思うkalafina。

■ ♪ THIS ILLUSION ~ LiSA ✕ Wakana(Kalafina)コラボレーション!再アップ


これは貴重版。
Wakanaの声の貴重さを実感できるLIVE。
(申し訳ないけど)LiSAの代役は思いつくけど、Wakanaの代役はまったく思いつかない。
kalafinaにもFictionJunctionにも、やっぱりなくてはならない存在だったと思う。

FictionJunction 【Wakana】 - Where the lights are ~ Live [Eng Sub]


↑ じつは貝田さんに引けをとらぬ、声楽的なハイトーンをもっていることがわかる。

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2021/10/17 UP

伝説のユニットkalafina。
「梶浦サウンド総ざらい!」でも紹介したけど、FictionJunctionが多かったので、kalafinaだけまとめて名テイクを動画リンクしてみました。

■ Mirai 未来

1:58~ 「少し優しい未来を~」のハーフディミニッシュ&転調絡みの展開が凄い!
コード
さすがに梶浦由記さん、そしてこれを歌いこなすkalafinaの歌姫たち・・・。 

■ 君が光に変えて行く LIVE01 Seventh Heaven Nawapiza.flv

高い音楽性&ビジュアル性。
こんなユニットはそうは出てこない。
出せるとしたらカラバトU-18黄金の世代かとも思うが、さてさてどうなるか。

■ far on the water live


■ symphonia


■ sprinter (Live The Best 2015)


■ 夢の大地


■ Alleluia アレルヤ 


■ Into the World


■ kalafina歴史~10周年記念 / Eden ~ Mirai 未来 ~ Fate/stay night ~ むすんでひらく and more・・・


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梶浦由記さんが紡ぎ出す難曲の数々を、スケール感ゆたかに歌い上げることができた希有のユニット。
人々が忘れつつあったハーモニーの素晴らしさを、思い起こさせてくれたユニット。

2019年3月、Kalafina解散を発表。
解散関連の記事
解散に関連するツイート

解散の背景には複雑な事情がありそうだけど、これほどのユニットを失ってしまった日本のポピュラー音楽界の痛手はほんとうに大きい。
梶浦由記さん、そして名手揃いのバンドのみなさんと手を携えて、戻ってきてくれる日を待っています。
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■ 祝! アンジェラ・アキ復活

NHK「SONGS」の大泉洋特集視てて、あらためてピアノの弾き語りの難しさを感じた。

■ This Love (English Subs)

ヴォーカルもピアノも、すべてが語っている。

~ 約束と言う 私達のコンパスだけでは この恋は方角を見失うの ~

3:38~
約束と言う 私達のコンパスだけでは
この恋は(Faug F#m7 D#m7-5) 方角を見失うの
↑ オーギュメント&ハーフディミニッシュの威力
名コードに乗った名フレーズ。


シンガー・ソングライター、アンジェラ・アキの新曲が聴きたい。


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2024/02/07配信リリース。

アンジェラ・アキ「この世界のあちこちに」Lyric Video


「クランクイン!」 2023/11/22 04:00公開

『アンジェラ・アキ、10年ぶりに日本再始動! ミュージカル『この世界の片隅に』の音楽を担当』
「シンガー・ソングライターとして曲を書くことと、ミュージカル音楽作家として曲を書くこと。その1番大きな違いは、視点です。シンガー・ソングライターとして曲を作るときは私の個人的な視点で書きますが、ミュージカルの場合はキャラクターの視点。」
(↑の記事より)

↓ アクセス数に比べて異様に多いコメント数。
それだけ待ち望んでいたファンが多いということか。

■ アンジェラ・アキ「この世界のあちこちに」 Teaser

アンジー節、健在!
ピアノの旋律も声色も。
うれしすぎる。


”歌” そのものだけで人々を魅了できる人。
個人的には、日本が生んだ至高のシンガーソング・ライターのひとりだと思う。
ミュージカルも楽しみだけど、シンガー・ソングライター ”アンジー” として、もっともっと名曲を送り出してほしい。

■ アンジェラ・アキ武道館2014 トレーラー映像


■ アンジェラ・アキ『Again』

-願いは 叶うよ 叶うよ 叶うよ~ -

ポジティブな曲歌ったら唯一無二。
この時世、彼女の歌に背中を押してもらいたい人は、たくさんいると思う。

■ アンジェラ・アキ 告白 【コメント付】


■ アンジェラ・アキ『夢の終わり 愛の始まり』


■ Home - ANGELA AKI MY KEYS 2006 in Budokan


■ アンジェラ・アキ『サクラ色』



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つぎはkalafinaかな?
■ 伝説のユニットkalafina
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■ 日本にシティ・ポップはなかった??

いい加減、報告書づくりに嫌気が差して、ふと手にとったのが ↓ の本。
こらダメだわ・・・、もう仕事に戻れない(笑)




シティ vs アーバン論争で、杉山清貴&オメガトライブの「SUMMER SUSPICION」が挙げられていたけど、これはどう聴いてもアーバンかと・・・。
メジャー・セブンス系だけどアーバン。
キメやサビのウェットなベタメロがメジャー・セブンスを抑えて、結果としてアーバンに落ち着いた面白い曲。


作者の林哲司氏によると、原曲はもっと洋楽寄りで、プロデューサーから「もう少し日本っぽくしたい」とのオファーを受けて曲調を変えたそうな。
「ウエストコーストに行きたかったものを、もう一回『太平洋から日本の方へ戻って来いよ』と言われたような感覚」とも。

■ SUMMER SUSPICION - 杉山清貴&オメガトライブ


リリースは1983年4月だから、シティもまだまだ元気があった時代。
だから当然、彼らにもシティ曲はある。↓

■ what rain can do to love - 杉山清貴&オメガトライブ


■ ドラマティック・レイン - 稲垣潤一


↑ アーバンの代表格ともされる稲垣潤一だって、↓ のよなシティ曲があるもんね。

■ 夏のクラクション - 稲垣潤一


だから、シティになるかアーバンになるかは、本人の資質もさることながら、サウンド・プロダクションによるところが大きいと思う。

で、どっちが日本で売れるかというと、これは明確にアーバンですね。

そのアーバンでさえも、1990年代にはJ-POP(王道)進行や小室進行に押されて次第にディールを失っていく。
でもって、振り返ったときにシティもアーバンも「シティ・ポップ」にひとくくりにされているのが現況だと思う。

シティとアーバンでは曲調がぜんぜん違うから、やっぱり
1.シティ系「シティ・ポップ」
2.アーバン系「シティ・ポップ」
と捉えた方がわかりやすいのでは。

むしろ、シティ系「シティ・ポップ」は女性ボーカルの方がはまっていたかもしれぬ。

■ セイシェルの夕陽 - 松田聖子


さきほどの『MUSIC FAIR』で、Nathan Eastと共演してましたね。びっくり。


■ 角松敏生プロデュース 女性ボーカルMix


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2021/02/09 UP


「ザ・カセットテープミュージックの本」、遅ればせながら買ってみました。
超まぬけにも、この番組じたいながらく知らなかったので、以前の内容もつかめてやたらに面白かった。

ここ数年、「シティ・ポップ」再評価の流れもあって1980年代の邦楽を聴きなおす機会が増えていたのだが、あれこれ聴き直してはみたものの、どうも最終的には山下達郎、ユーミン、サザン、角松敏生、杏里、佐野元春、尾崎亜美、そして今井美樹あたりに戻ってきてしまう感じがあった。
他のアーティストでも、名曲!と感じたやつは、ティン・パン・アレー人脈・はっぴいえんど人脈や林哲司、上田知華、柿原朱美など一部のアーティストの作品に集中していた。

ピンときたのが、スージー鈴木氏の「日本の ”シティっぽい音楽” っていうのは、すべてアーバンだったんじゃないのか?」という発言。

この本(というか以前の放送)のなかで、どうやらシティ vs アーバン論争というのがあったらしい。
コード的にいうと、シティはメジャー・セブンス系、アーバンはm7(♭5)(マイナーセブンフラットファイブ/ハーフ・ディミニッシュ)かナインス(テンション)系。

どちらもお洒落感はあるけど、イメージがだいぶ違う。
マキタ氏&スージー氏が「錦糸町のスナックで歌えるのがアーバン、歌えないのがシティ」とまとめてたけど、さすがにいいとこ突いてると思う。

〔例〕
☆ シティ(メジャー・セブンス)

☆ 海 - サザンオールスターズ

コード
1981年の『ステレオ太陽族』までは、サザンはさりげに洒落っ気のあるメジャー・セブンス曲が多かった。
■ サザンのセブンス曲

☆ グッドタイムス&バッドタイムス - 佐野元春

コード
メジャー・セブンスに、マイナー・メジャーセブンスやシックススが絶妙に絡んでる。
濡れた歩道にさざめく(G G6 Gmaj7 G6)
もう何も言わないで(F Em7-5 Dmaj7 Am7 D7)
↑ たまらん(笑)

☆ Crescent Aventure - 角松敏生

コード
『ON THE CITY SHORE』(1983年)までの角松敏生のメジャー・セブンスの捌きはピカ一だった。
杏里とのコラボ曲もメジャー・セブンス系。


● アーバン(マイナーセブンフラットファイブ) 
● 恋人も濡れる街角 - 中村雅俊

コード
イントロのフェンダーローズは完璧なシティ(笑)
「訪れる」 / 「まんなか」(maj7)、「口にしてよ」(sus4)あたりもシティ入ってきてる。
maj7コードとsus4コードの威力がわかる1曲。
マイナーセブンフラットファイブは、メジャー・セブン(maj7)と対でAORなどでよく使われていたから、ナインスよりは洋楽寄りな感じがする。

● 悲しい色やね - 上田正樹 

マイナーセブンスフラットファイブとメジャー・セブンスが絶妙にバランス。
さすがは才人、林哲司。

○ アーバン(ナインス)
○ いとしのエリー - サザンオールスターズ

コード

↑「海」の作者も桑田さん。だけにコード(曲調)の違いがきれいに浮かび上がって聴こえる。
で、どっちが日本人受けするかといえば、間違いなくアーバン系。
だから「いとしのエリー 」は売れるべくして売れた。

○ アーバン(ナインス)
○ 悲しみにさよなら - 安全地帯

コード
歌い出しの「泣かないで」(レレレレ)がいきなりAコードの長9度でナインス。
これ、ふつうの日本人だったら素通りできないメロ。

○ アーバン(イレブンス)
○ いっそセレナーデ - 井上陽水
 
アーバン中のアーバン曲。
イントロなしの歌い出しからいきなりのイレブンス(11th)炸裂。
テンション・コードのインパクトは強烈で、ついにはサーティーンス(13th)まで繰り出す強者も(笑)


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マイナーセブンフラットファイブもナインスも ”オトナのコード” といわれてるから、ベタな感じはなく、いま聴いても都会的なお洒落感はある。
だから「アーバン」。
でも、メジャー・セブンス系の ”突き抜けたお洒落感” とは明らかにちがう。
アーバンは ”ウェットなお洒落感” だから、もともと湿度の高い音楽を好む日本人に受けるのは自然な流れかと・・・。

逆にみると、邦楽のメジャー・セブンス曲はやたらと洋楽との相性がよい。
だから、当時洋楽と混ぜてカセットに落とし込んでもまったく違和感がなかったのだと思う。
(具体的な例 → ■ 1983年の夏歌12曲
1980年代前半にディールを得ていたAORやブラコンはメジャー・セブンス系が多かったから、これは当然のハナシか・・・。

■ Arthur's Theme (Best That You Can Do) / ニューヨーク・シティ・セレナーデ - Christopher Cross

コード
Christopher Cross、Peter Allen、Burt Bacharach、Carole Bayer Sagerの共作。
(日本のオリコン洋楽シングルチャートで1981年12月7日付から6週連続1位を獲得。)
maj7とsus4乱れ打ち状態。
この華麗なメロディーラインは、とくにBurt Bacharach & Carole Bayer Sagerの存在が大きい。

あと、↓ とか。
Boz Scaggs「Jojo」のコード

それと、分数(オン)コードの導入もポイントだった。
■ Sailing - Christopher Cross

コード
「これでもか・・・!」というほどの分数(オン)コードの嵐。
分数(オン)コードがつくり出す深みのあるコード遷移がAORのひとつの聴きどころだった。

メジャー・セブンスがベースになって、これにテンション、分数(オン)コードやサスフォーなんぞをどう絡めるかがこの頃のアーティストのセンス(オリジナル感)だったのだと思う。

当時メジャー・セブンス系の曲はたくさんあったけど多くは洋楽の焼き直しで、メジャー・セブンスをオリジナルに(センスよく)使いこなしていたのは、山下達郎、ユーミン、(初期の)サザン、角松敏生、杏里、佐野元春、尾崎亜美そしてティン・パン・アレー人脈や林哲司、上田知華、柿原朱美など、じつは数えるほど。

とくにサザンはヒット曲にアーバン系や王道進行系が多いので、シティ・ポップの範疇で語られることは少ないけど、「海」とか「素顔で踊らせて」はキレッキレのメジャー・セブンス曲。

■ 素顔で踊らせて - サザンオールスターズ

初期サザンの名曲。この頃のサザンはこんな感じの曲も多かった。

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でね、なにがいいたかったかというと、邦楽の世界でメジャー・セブンスをオリジナルな感性で使いこなせる才能は限られていた。

だから、この本のなかで「山下達郎は『山下達郎というジャンル』」といっていたように、ユーミンもサザンも角松敏生も杏里も、そして林哲司も、それぞれがオリジナルなジャンルを確立していたのでは?
同じメジャー・セブンス使っても、ウェストコーストな角松や杏里、湘南のサザン、武蔵野のユーミンと、描く風景がおのおのちがう。

■ 杏里のメジャー・セブンス曲 ↓
WINDY SUMMER - ANRI 杏里

コード
作曲:角松敏生。メジャー・セブンとsus4コードの嵐。

■ 山下達郎のメジャー・セブンス曲 ↓
SPARKLE - 山下達郎

Amaj7 E をベースにとった伝説のカッティングギター。

■ ユーミンのメジャー・セブンス曲 ↓
ベルベット・イースター - 荒井由実 【YUMING COVER】

コード
凜とした透明感のあるクリシェ絡みのメジャー・セブンス。

■ 大滝詠一のメジャー・セブンス曲 ↓
雨のウェンズデイ - 大滝詠一

コード
独特のかげりを帯びる大滝詠一のメジャー・セブンス曲。

■ 中原めいこのメジャー・セブンス曲 ↓
Cludyな午後 - 中原めいこ

コード
どちらかというとベタなメロディラインのイメージが強い人だけど、やるときはやる。
リズムセクション打ち込みでも、この爽快感はさすがにメジャー・セブンス。
歌い出し、Fmaj9 C/D Gm9 B♭maj7/C Caug って、やらかしてくれてます(笑)

■ 今井美樹のメジャー・セブンス曲↓
Boogie-Woogie Lonesome High-Heel - 今井美樹

コード
作曲:上田知華。
「今夜踊りしょ」、サビのこんな大切なパートでオーギュメントかますとは、つくるほうもつくるほうだけど、歌うほうも歌うほうじゃわ・・・(笑)
それに2:56~の「さぁ 踊りましょ」、オーギュメント絡みのフェイクまでかましてるし。
今井美樹、おそるべし。

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こうやって「オリジナルジャンル系」を消し込んでいくと、「シティ」(メジャー・セブンス)系のメジャーアーティストや楽曲はほとんどなくなってしまう。
だから、↑の「日本の ”シティっぽい音楽” っていうのは、すべてアーバンだったんじゃないのか?」というスージー鈴木氏の発言が出てきたのではないか。
(シティ・ポップ(メジャー・セブンス系)は楽曲としてはあったけど、ジャンル(カテゴリー)としては成立していなかった。)

1980年代中盤以降シティ(メジャー・セブンス)系は勢いを失いアーバン系がメインとなるが、これは↑にあげたメジャー・セブンス系の才能が活動ペースを抑えたり、アーバン系、J-POP(王道進行)系やペンタ系に路線を変えていったことが大きいと思う。

もちろん時代的な背景もある。
もともと日本にはメジャー・セブンスが似合う乾いた風土はなく、1970年代後半~1980年代中盤の一億総中流のクリスタルな空気が、例外的にメジャー・セブンス優位の時代を生み出した感なきにしもあらず。
シティ・ポップ(四和音(セブンス・コード)系/16ビートアップビート曲)が一世を風靡したこの時代は、日本人にとっては異質な時代で、4つ打ちや表拍(ダウンビート)のベタメロが闊歩するいまの状況が本来の姿なのかもしれぬ・・・。

■ Turn It Into Love - Kylie Minogue (1988年)


1980年代後半に一世を風靡したストック・エイトキン・ウォーターマン (Stock Aitken Waterman/SAW)。

パッパカ、パッパカという馬乗りビート(4つ打ちベースの表拍だと思う)とベタメロ。
ジュリアナサウンドの完成です(笑)
F → G(7) → Em → Amのお約束スケール。
一部の洋楽がどんどん歌謡曲に近くなってきた。

■ 愛が止まらない - WINK (1988年)



1990年代以降はコード進行のパターン化(とくに王道進行の寡占化)やSAWサウンドの浸透が進み、マイナーセブンフラットファイブやナインス(テンション)や分数(オン)コードの使いこなしも減って、アーバンな曲じたいも次第に少なくなっていく。

(くわしくは、こちら(歌は世につれ ~炭鉱のカナリア~)をみてね。)

2000年以降はテクノロジーの発展もあって楽曲の多様化が進み「なんでもありの時代」になったが、聴き手がこれについてこれなくなり、とくに2015年以降の邦楽メジャー・シーンは平易なペンタ化が進んだというのが持論。

たとえば、
■ パプリカ - 米津玄師/Foorin

小中学生の音楽ユニットFoorinの楽曲だからじゃないよ。
このところのJ-POPはペンタ曲だらけ。↓

■ ”エモい”流行りメロディ不可欠の要素?~近年ヒット曲におけるペンタトニック・スケールの使用~


ペンタが ”エモい” ???
1980年代の”エモ-ション” の多くはドミナント・モーションがつくりだしていた。

多くの日本人は、根っこにヨナ抜き音階(ペンタトニック)やダウンビート(表拍)が入っているので、コンスタントに洋楽を意識する局面がないと、どうしてもセブンス(四和音)やアップビート(裏拍)から遠ざかっていく。
それに、最近では洋楽も急速にペンタ化やダウンビート化(というか4つ打ち化)が進みつつあるし、70~80年代に洋楽の影響を受けた多才なアーティストたちも第一線を退きつつある。

ここ数年(とくにこの7~8年)、日本でペンタ化・4つ打ち化(ほぼフォークソング化)が進んだこと、そして海外からのシティ・ポップの評価が進んだ背景には、こんな要素もあると思う。

ポップミュージックに、親しみやすさやわかりやすさ、そしてダンスとの親和性が求められるならなおさらのこと。

じつは、→ これらの曲聴くと、2000年以降のJ-POPがいかに多様化しているがわかる。
(実力のあるアーティストはたくさんいるということ。)
それに、とくに若い世代の女性ボーカルのレベルはどんどん上がってきている。(→ カラバト黄金の世代の名テイク ~ 日本の歌姫たち ~


■ ひらひら ひらら - ClariS

おそらく2016年リリース。
佐久間 誠氏作の流麗なメロに、フェミニンで透明感あるハイトーンが冴えわたる名曲。
楽曲も動画も、おそらく1980年代では創り出せなかった内容。

■ answer - 遥海/2020年5月20日On Sale

再生数わずか3.2万回。
個人的には、いまの日本で屈指の歌唱力かと。
聴く人が聴けば、素通りできないと思うが・・・。
こういう才能を埋もれさせてしまうのは、J-POP界にとっても不幸だと思う。


でも、聴き手は細分化され、音楽的に面白いことをやっていてもメジャーヒットした曲は多くない。

巷やTV、あるいはSNSなどが4つ打ちのペンタやスリーコード曲に占拠されると、これに慣れた耳にはセブンス・コードやアップビートが新鮮に響く。
だから、いまになってセブンス曲があたりまえだった1980年代の曲が再評価されているのでは。

でもって2020年代のいまから振り返ると、「シティ」も「アーバン」も ”お洒落” のワードでひとくくりにされ「シティ・ポップ」のジャンルでマーケティングされているのだと思う。

まぁ、ふつうの人からすると、どーでもいい話だとは思いますが(笑)、個人的には「目からウロコ」だったので雑駁ながら書きなぐってみました。


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〔追記 2021/06/12〕

思い返してみると、 こんなイメージがある。↓

~1970年代前半  ペンタの時代
1970年代前半~中盤  ペンタとセブンスの拮抗時代
1970年代中盤~1980年代中盤  セブンス優位の時代
1980年代中盤~2014年  J-POP 進行(小室進行含む)の時代
2015年~  ペンタ回帰の時代


■ 青春の影 - チューリップ

コード
フォークソングにセブンス、というかオンコードが入って別ものになった1974年の名曲。

■ 生まれ来る子供たちのために - オフコース

コード
後に名付けられる「小室進行」にメジャー・セブンスを絡めるオフコースらしいコード進行。
いまこの時点で、この歌詞は象徴的。
1980年の時点でこの歌詞を生み出していたとは、やはり小田和正氏は先を行きすぎていたのか・・・。

チューリップにしてもオフコースにしても、フォークやニューミュージックの枠には収まらないオリジナリティがあった。
だから、いま聴きかえしても陳腐感がない。


********************
世界的にみても1980年代中盤からは、王道進行(=J-POP 進行)やユーロビート進行の曲がやたらに増えた気がする。
ブレイクビーツや4つ打ちリズムはこれらのスケール(コード)と相性がいいから・・・。
だから、ペンタや王道進行、ユーロビート進行の氾濫に食傷した人たちが、国籍を問わず(メジャー)セブンスの宝庫「シティ・ポップ」になだれ込んだのでは?

Chord 1  スリーコード  C F G
Chord 2  J-POP 進行(王道進行)  F G7 Em Am
Chord 3  小室哲哉進行  Am F G C
Chord 4  小室哲哉進行(マイナー編)  Am Dm G Am
Chord 5  My Revolution 進行  C Am F G7
Chord 6  ユーロビート進行  F G Am Am
Chord 7  イチロクニーゴー  C Am Dm G7
Chord 8  期待感・増幅進行  Am Em F G7
Chord 9  カノン進行  C G Am Em F C F G
(出所:「コード進行に注目した J-POP 音楽の可視化」芸術科学会論文誌 Vol. 15, No. 4, pp. 177-184 (2016) 上原美咲 伊藤貴之 高塚正浩)→ こちら(PDF)

※ 孫引きでした。原典はおそらく→ こちら(コード進行マスター)。← 凄いサイトです。

■ SAY YES - CHAGE and ASKA
コード

意表をついたコード進行。
とくに「まるで 僕を ためすような 恋人の」のフレーズのコード進行は神がかってる。
神曲になるにはそれだけの理由がある。(1991年リリース)

■ DEPARTURES - globe

メジャー・セブンスがらみの小室進行曲だと思う。

■ TSUNAMI - Cover by Ai Ninomiya

コード
王道進行を大胆に取り入れたとされるサザンの大ヒット曲。

■ 愛は勝つ

完璧なまでのカノン進行曲。

■ HOWEVER - GLAY  

これも一部カノン進行入ってると思う。

■ フライングゲット - AKB48

小室進行(6451)の代表例とされる。

それと 、このところの「コード進行ブーム」?も、ペンタからのエスケープ志向のあらわれでは?

1980年代中盤~2014年  J-POP 進行(小室進行含む)の時代
2015年~  ペンタ回帰の時代
2020年~  ペンタからの脱却の時代??(シティ・ポップ人気、コード進行ブームやヒゲダン・ワンオクの人気)

※ ペンタ曲の例示はやめておきます(笑)

■ I LOVE... - Official髭男dism [Official Live Video]

・トゥ・ファイブ・ワン・(シックス)進行
・Just the Two of Us進行
サブドミナントマイナー
ドミナントセブンス・スケール
・sus4コード
(ベース)ラインクリシェ
パッシング・ディミニッシュ

音の質感はシティポップとは違うけど、テンションとリリースのバランス(ドミナント・モーション)が絶妙。
シティポップ世代(50歳代)の評価が高い理由がわかる気がする。(→ コード進行の解説

〔関連記事〕
■ ザ・カセットテープ・ミュージック
■ サザンのセブンス曲
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■ 江戸六地蔵の御朱印

自分で書いたことを忘れていた記事です。
目下、年度末で仕事がテンパってるので時間ができたら追記します。

■ 武州江戸六阿弥陀詣 → 記事
■ 江戸五色不動 → 記事

これらの札所には桜の名所もいくつかあります。
また、武州江戸六阿弥陀詣は、お彼岸に詣でるものとされていました。
春の一日、桜を愛でつつ寺院めぐりでもいかがでしょうか。


■ 朧月夜 - 中島美嘉

名曲だから、こういう優れたアレンジテイクが生まれる。
中島美嘉の歌唱力も凄いが、葉加瀬太郎のバイオリンも圧巻。


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作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
大正3年『尋常小学唱歌 第六学年用』に初出

菜の花畠に 入日薄れ
見わたす山の端(は) 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月かかりて にほひ淡し

里わの火影(ほかげ)も 森の色も
田中の小路を たどる人も
蛙(かわづ)のなくねも かねの音も
さながら霞める 朧月夜
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■ 桜曲40曲! もどうぞ。


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2021/09/06 UP


「武州江戸六阿弥陀詣の御朱印」「江戸五色不動の御朱印」がけっこうなアクセスをいただいているので、江戸六地蔵についてもまとめてみます。

作成中です。文字だらけですみません。

江戸六地蔵は、江戸に入る街道の入口に安置された6体の地蔵菩薩を巡拝する地蔵尊霊場です。
江戸六地蔵には「はじめの六地蔵(最初建立江戸六地蔵)」と「後の六地蔵」があり、これを把握しないと混乱するので最初にまとめてみます。

「はじめの六地蔵」は、下谷池之端影向山心行寺三世の(慈済庵)本誉空無(浄土木食)が元禄四年(1691年)に建立開眼したと伝わります。
こちら(『本譽空無上人道影贊』翻刻と解題/関口靜雄氏・PDFに直リンク、以下資料1)に詳しいです。)
「後の六地蔵」は、沙門正元坊が宝永年間(1704-1711年)に建立したと伝わります。

「はじめの六地蔵」は毎月二十四日ないし十八日の縁日に多くの信者を集めたと伝わりますがいつしか衰退し、いくつかは廃寺となったこともあり、現在江戸六地蔵として知られているのは正元坊建立の「後の六地蔵」です。

ただし、資料1によると『地藏本願經囑累品』/谷中安立院光輪印施には、
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空無上人發願造立
○六地藏尊靈塲  ○毎月十八日巡拜ノ衜順ニ記ス
 番外 湯島新花町  靈雲寺
 四番 池ノ端七軒町 心行寺
 一番 駒込蓬萊町  瑞泰寺
 二番 同千駄木町  專念寺
 三番 日暮里    淨光寺
 番外 谷中五重塔ノ奥  安立院
 八万四千躰 上野山内  淨名院
 五番 上野慈眼堂内   地藏堂
 六番 金龍山仲見世   正智院
 番外 淺草       駒形堂
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とあり、「はじめの六地蔵」の番外に「後の六地蔵」関連の靈雲寺と淨名院が姿をみせています。

また、Web上でみつかった『地藏菩薩俗談(三』)/眞鍋廣濟氏・PDFに直リンクには、「元緑四年になつてから『江戸はじめの六地藏』が設定せられ、次いで寳永三年には『江戸六地藏建立勘化帳』一巻が著されてゐるが、今日いふ東都の六地藏は、本郷駒込蓬莱町の瑞泰寺、同じく駒込千駄木町の專念寺、豊島區日暮里町の浄光寺、下谷廣池端七軒町の心行寺、同じく上野慈眼堂内の地藏堂、それに淺草寺雷門内の正智院の六個所で、尚この外に鋳銅六地藏と構してゐるのもあるが、これは荏原區品川町南品川宿の品川寺、淺草榮久町の東禅寺、豊島區巣鴨町の眞性寺、四谷區新宿二丁目の大宗寺、深川區霊岸町の霊巌寺、下谷區上野山内の浄名院の六寺院で、洛陽の信仰に摸つて、江戸の人士たちがそこに安置した鋳銅の地藏尊を一組として巡拝するものである。」とあります。

「東都の六地蔵」が「はじめの六地蔵」、「鋳銅六地藏」が「後の六地蔵」を示していることがわかります。

以降は「後の六地蔵」を江戸六地蔵とし、その概略を辿ってみます。
史料のほか、こちら(巣鴨史跡散歩)/巣鴨駅前商店街振興組合・PDFに直リンクの資料がたいへんよくまとまっているので、参考にさせていただきました。

〔 江戸六地蔵の略縁起と概要 〕
江戸深川の(地蔵坊)正元坊が若い頃大病を患い、父母とともに病気平癒を地蔵菩薩に祈願したところ無事治癒しました。
快癒ののち、諸国を廻った正元坊は7つの苦行を成就しました。

正元坊は京都の六地蔵に倣い、宝永三年(1706年)に丈六金銅の地蔵菩薩坐像六体の造立の願を発しました。
正元坊は地蔵尊建立にあたり、愛宕、深川、神田、湯島などの神前に4年をかけて千日参りをなし、『江戸六地蔵建立之略縁起』という教化書(寄付を募る趣旨を記した書)発刊し、衆生に地蔵尊の御利益を説いて寄進活動をはじめました。

14年間にわたり寄進を募り浄財を集め、東都の(街道の)出入口にあたる六ヶ所にそれぞれ一体づつ安置開眼したといいます。
その六ヶ所とは東海道の品川寺(品川)・奥州街道の東禅寺(浅草)・甲州街道の太宗寺(新宿)・中山道の真性寺(巣鴨)・水戸街道の霊巌寺(白河)・千葉街道の永代寺(深川)です。

六体の地蔵菩薩像の像身ないし台座には勧進者や造立年代などが陰刻され、神田鍋町の鋳物師、太田駿河守藤原正義(儀)によって鋳造されたことがわかります。
寄進額は一文から二十両、身分を問わず幅広い人々から募ったという記録があるようです。

なお、『江戸砂子』や『東都(江戸)歳事記』には、正元坊は俗名を吉之郎といい、浮世草子『好色五人女』(貞享三年(1686年)刊)、浄瑠璃、歌舞伎などで広くとりあげられた八百屋お七の恋人(吉三郎)であったことを示す記述があります。(時代が合いませんが・・・)

江都三十三観音霊場(江戸三十三観音霊場の前身とされる)第11番の南緑山 圓乗寺はお七にゆかりがあり、江戸五色不動の目黒不動尊に向かう途中の明王院も、お七の恋人吉三郎が出家(西運上人)して入った寺と伝わるので、江戸のお寺めぐりと八百屋お七は、いずれつながりがあったのかもしれません。

六地蔵のうち、深川富岡八幡宮の二の鳥居付近にあった永代寺の地蔵菩薩(第6番)は、明治の廃仏毀釈で取り壊され現在は5体が残っています。
6体のうち、太田正義作の5体はすべて東京都指定有形文化財に指定されています。

現在は復興された永代寺のほか、旧6番の代仏とされる上野桜木の浄名院も参拝することが多いので、実質7ヶ寺の巡拝となります。

「後の六地蔵」の縁起は寶永三年(1706年)刊の『當國六地蔵造立之意趣』(『江戸六地蔵建立之略縁起』所収)(東京国立博物館デジタルライブラリー)に記載され、享保十七年(1732年)刊の『江戸砂子温故名跡誌』、天保九年(1838年)刊の『東都歳事記』にもとり上げられています。

原典とみられる『當國六地蔵造立之意趣』(同)から引用しますが、誤読があるかもしれません。(●は解読不能)

「抑(そもそも)(正元房)十二歳の頃故郷を出。十六歳に志て剃髪受戒す。そののち廿四歳の秋乃頃より重病を請。廿五歳の春の末に至て。醫術も叶難く死既に極れり。是●来のませるところにを。前日よりその相既に現れり。父母是を悲。偏に地蔵菩薩に延命を祷奉る。自も親の歎骨髄に通(とをり)。一心に地蔵菩薩に誓願すら●。我●菩薩の慈恩を蒙て。父母存生の内命を延るを得(ゑ)ば。盡未来際に至るまで。衆生の為に菩薩の御利益を勧。多(おおく)尊像を造立して衆生に帰依せしめ。共に安楽を得(ゑ)せしめんと誓。其夜不思議の霊験を得(ゑ)て重病速に本復す。其後諸国をめぐり無縁の衆生に多縁を結ば志む。我まさに世に生をふるとも。●●●●に。報恩乃ため地蔵菩薩の像前にて。七の難苦行を修せり。(中略)人のあざけりを省●。名利を求るに似たりといへども。------予づ願誓のこ妄にあらざるを示す。童男童女の信を勧て。尊像造立の願速に成就せしめんが為の事あり。我先年回国志せし砌。御在城を拝奉るに前念願しける。回国依り●べ二度こくに来て信人を勧。帝都の六地蔵に同く 御当地の入口毎に一躰づつ金銅壱丈六尺の地蔵菩薩を六所(むところ)に都合六躰造立して。天下安全 武運長久 御城下繁栄を祝願し。兼●ハ又諸国往来の一切衆生へ。普(あまね)く縁を結べ志めんと誓。」

「抑(そもそも)帝都六地蔵の濫觴ハ。人王五十四代仁明天皇の御宇参議小野篁。平等利益乃旨を思惟し給ひて。六度の能化なれバとて。自(みずから)六地蔵菩薩を造立し。天下安全宝祚延長洛陽繁栄万民快楽の為。かつ諸人性来の衢(ちまた)に安置し奉て。一切の衆生に普(あまね)く縁を結バしめ給んとぞ。帝都の六地蔵是也。我既に時節を得て。今度六躰の尊像像立をもよほして。此書見もんの人々。吾志を憐れ●ひて。一紙半銭の撰なく助成を加させ●え。我生ゞ世ゞにおいて永くその恩を報べし。大凡この尊像像立ハ。国土あらん限りの宝なるべし。金銅仏なれば火災●●滅せじ。壱丈六尺の大像なれば盗賊の失もなかるべし。諸人往来の衢(ちまた)に立れば一切●生皆悉く縁を結び奉る。拝願ハ神明仏薩の加護を蒙て。六躰の尊像つつがなく像立志て。万代の一切衆生と共に同く善行に●ん事を。」
勤化沙門 深川 地蔵坊正元謹言 寶永三丙戌年5月吉祥日 地蔵坊(印)

『江戸砂子温故名蹟誌 6巻3』(国立国会図書館DC)の醫王山 真性寺の項には以下の記載があります。
***************
地蔵坊正元法師建立唐銅六地蔵の三番也所謂六軀ハ
一番 品川 真言 品川寺
二番 四谷 浄土 大宗寺
三番 巣鴨 同(真言) 真性寺
四番 山谷 禅 東禅寺
五番 深川 浄土 霊巌寺
六番 深川 真言 永代寺

右六地蔵の●●元坊ハ俗名吉之郎とて八百屋の女お七●●もの●出家と云もの●●出家 ●六軀を造立●といひつ
されは宝永年中沙門正元坊か建立せし金銅丈六の六軀ハ世に後の六地藏といふと也

慈済庵空無上人勧化の助力を以 金銅立像八尺の地藏六軀を造立し江戶六ヶ所に安置す 元禄四年開眼供養を執行す これをはしめの六地藏といふ所謂六所ハ
一番 駒込 浄土 瑞泰寺
二番 千駄木 浄土 專念寺
三番 日暮里 諏訪 浄光寺
四番 池端 心行寺
五番 東叡山 大仏側 慈濟庵
六番 淺艸寺内 正智院
***************

また、『東都(江戸)歳事記 4巻 付録1巻』(国立国会図書館DC)に以下の記載があります。
***************
「江戸六地藏參  銅仏壹丈六尺坐像なり享條の頃深川の沙門地蔵坊正元造立す●●勤化の以宝永三戌六月(托鉢)して施銭をつのり●●建立縁起あり
一番 品川品川寺
二番 四谷大宗寺
三番 巣鴨真性寺
四番 山谷東禅寺
五番 深川霊巌寺
六番 同(深川)永代寺

正元房●十二歳の頃故地(未詳)を辞し其師に従ひ十六歳にして薙髪受戒を志うるに廿四歳の頃より重キヤマヒに伏し●●薬石の験もあらで今ハ黄泉の客と成ぬ●うりし●ハ 父母深く悲しみ地蔵尊●願●●れハ(中略)命を延る●らば(中略)多くの尊像を像立し後世の衆生に永く帰依せしめ●るべしと一心に誓しに 其夜不思議の霊夢(験)を感じて忽に快復しぬ 爾後諸国を回●●●衆生に縁を結ひ(中略)を修し或ハ千日に万巻の地蔵経をずしなりと東都●● 
頃●●必復ひ●に此に来て銅像の六地蔵を造立し一軀ツツ東都の入口毎に安置し
保元二年例●●慕し天下安全を祈り●●往来の人々に●く縁を結んで
宝永三年●●の五月に●て初て●人と勤化し愛宕深川●田の三所へ
心願成就を祈り享保の(中略)建立縁起の●を志●●江戸砂子小云六地蔵の願主正元●俗名吉●●とて八百屋の女や七と云●●ふ出家し●六軀を造立●といひつ●ふ
***************

六地蔵の造立については、『蓮華三昧経』の所説に依るという説があります。
資料1では、當國六地蔵造立之意趣(東京国立博物館デジタルライブラリー)の「六地蔵の図」に「御姿ハ十王経によるなり。利益●ハ蓮花経に志たかふ」とあるのは、「その出典を明らかにしている。」とし、「正元のいう『蓮華経』は『蓮華三昧経』すなわち『法蓮華三昧秘密三昧耶経』のことである。」と記されています。

それにしても、東都江戸の街道の出入口に「天下安全洛陽繁栄万民快楽の為」に地蔵菩薩を造立安置するというのは、どうみても為政者の発想です。
実際、江戸守護のために置かれたという江戸五色不動は、「天海大僧正が江戸の守護結界のために五色の不動尊を安置」あるいは将軍家光公の命により整備されたと伝わります。

発願・建立者の正元坊の出自ははっきりとしていませんが、いかに地蔵尊への誓願により重病が快癒したとはいえ、六体の金銅仏を建立し市内各寺に安置開願するということは並大抵の苦労ではなかったと思われます。

6体の地蔵尊のうち5体までが東京都指定有形文化財に認定されている名作で、露仏で身近に拝せるということもあってか、江戸六地蔵はいまもなお参拝者を集めています。

〔 江戸六地蔵の所在 〕
江戸六地蔵には札番が振られていますので順にリストします。
第6番永代寺の代仏とされる浄名院、江戸六地蔵と同じ仏師作とされる地蔵尊が御座す浄土寺についてもご紹介します。

第1番 旧東海道
■ 海照山 普門院 品川寺
品川区南品川3-5-17
真言宗醍醐派 御本尊:正観世音菩薩


第2番 奥州街道
■ 洞雲山 東禅寺
台東区東浅草2-12-13
曹洞宗 御本尊:釈迦如来


第3番 甲州街道
■ 霞関山 本覚院 太宗寺
新宿区新宿2-9-2
浄土宗


第4番 旧中山道
■ 医王山 東光院 真性寺
豊島区巣鴨3-21-21
真言宗豊山派 御本尊:薬師如来


第5番 水戸街道
■ 道本山 東海院 霊巌寺
江東区白河1-3-32
浄土宗 御本尊:阿弥陀如来


第6番 千葉街道(房総往還)
■ 大栄山 金剛神院 永代寺
江東区富岡1-15-1
高野山真言宗 御本尊:


第6番 千葉街道(房総往還)の代仏
■ 東叡山 浄名院
江東区富岡1-15-1
高野山真言宗 御本尊:阿弥陀如来


-------------
■ 平河山 源照院 浄土寺
港区赤坂4-3-5
浄土宗 御本尊:阿弥陀如来


〔 江戸六地蔵の宗派 〕
第1番 海照山 普門院 品川寺 / 真言宗醍醐派
第2番 洞雲山 東禅寺 / 曹洞宗
第3番 霞関山 本覚院 太宗寺 / 浄土宗
第4番 医王山 東光院 真性寺 / 真言宗豊山派
第5番 道本山 東海院 霊巌寺 / 浄土宗
第6番 大栄山 金剛神院 永代寺 / 高野山真言宗
第6番(代仏) 東叡山 浄名院 / 高野山真言宗

7箇寺のうち、真言宗が4、浄土宗が2、曹洞宗が1で、江戸五色不動や江戸六阿弥陀でみられる天台宗寺院が入っていないのが特徴かもしれません。

〔 江戸六地蔵の回り方 〕
江戸時代には1番と6番以外は札番にこだわらず回られていたようなので、1日で回れそうな下のコースを考えてみました。

1.品川寺/1番(青物横丁)
2.太宗寺/4番(新宿御苑前・新宿三丁目)
3.真性寺/3番(巣鴨)
4.東禅寺/2番(東浅草)
5.霊巌寺/5番(清澄白河)
6.永代寺/旧6番(門前仲町)
7.浄名院/6番代仏(上野桜木)

駅からのアプローチはおおむねいいですが、4.東禅寺は駅から離れており、ここへのアプローチがポイントになります。
各寺見どころも多いので、できれば9時すぎには品川寺に到着したいところです。

1.品川寺/1番(青物横丁)
最寄り駅は京浜急行「青物横丁」駅、徒歩4分です。
「青物横丁」から「新宿御苑前」までは、JRを使うと品川・新宿の乗り換えがやっかいなので、下記がおすすめです。
■青物横丁(京浜急行・都営浅草線)→新橋〔乗換〕(メトロ銀座線)→赤坂見附〔乗換〕(メトロ丸ノ内線)→ 新宿御苑前 【乗換2回、約40分】
※青物横丁から都営浅草線直通に乗るか、品川で浅草線直通に乗り換える必要があります。

2.太宗寺/4番(新宿御苑前・新宿三丁目)
「新宿御苑前」駅3番出口(前寄り)、徒歩2分。
■太宗寺(徒歩3分位)→新宿三丁目(都営新宿線)→神保町〔乗換〕(都営三田線)→巣鴨 【乗換1回、約25分】

3.真性寺/3番(巣鴨)
「巣鴨」駅A3番出口(前寄り)、徒歩3分。
巣鴨からつぎの東禅寺(東浅草)までが最大の難関です。
ルートはいろいろとれますが、徒歩と乗り換えが少ないのは以下のルートかと思います。
■巣鴨(山手線・9分)→鶯谷〔乗換・徒歩約7分〕根岸三丁目バス停(区営バスぐるーりめぐりん・17分・時刻表)→吉原大門バス停  【乗換1回、約40分】

4.東禅寺/2番(東浅草)
吉原大門バス停、約200m徒歩3分。
鉄道駅までは遠いので、バスを使います。
■東禅寺→(徒歩200m3分位)→東浅草バス停(都バス42-1または42-2系統/本数多い・12分)→蔵前駅前バス停〔乗換〕蔵前(都営大江戸線・5分)→清澄白河  【乗換1回、約20分】

5.霊巌寺/5番(清澄白河)
「清澄白河」駅A3番出口(前寄り)、徒歩2分。
霊巌寺から旧6番永代寺までは1㎞ほどで歩けます。鉄道利用の場合は↓。
■霊巌寺→(徒歩2分)→清澄白河(都営大江戸線・2分)→門前仲町  【乗換なし、約4分】

6.永代寺/旧6番(門前仲町)
「門前仲町」駅1番出口(前寄り)、徒歩2分。
門前仲町から浄名院まではいろいろなルートがありますが、徒歩距離が短いのは下記のルートです。

■永代寺→(徒歩2分)→清澄白河(都営大江戸線・12分)→上野御徒町(A3出口)〔乗換・徒歩約2分〕上野公園バス停(都バス上25系統・時刻表・15分)→上野桜木バス停  【乗換1回、約30分】
ただし、都バス上25系統は30分~1時間に1本と本数が少ないので、時間が合わないときは御徒町からJRに乗り、鶯谷下車(北口・前寄り)で浄名院まで徒歩約8分です。

7.浄名院/6番代仏(上野桜木)
上野桜木バス停下車すぐです。
こちらは「上野さくら浄苑」寺務所で御朱印受付しており対応時間は原則17時までのようですが、16時を過ぎる場合はTEL確認がベターです。(0120-257-577/03-5832-9511)

なお、六地蔵の御朱印はすべての寺院で拝受できます。


それでは、1番から順にご案内していきます。

(つづく)
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■ 春の唱歌2曲

いま「唱歌」ってきいて、わかる人どれだけいるのかな?

でも、じつはさりげに好きなんです。唱歌・・・。
メロディがすばらしいものが多いです。

別記事から引っ張ってきました。


01.早春賦 - 小鳩くるみ

(なぜか頭からの埋め込みリンクができません。1曲目です。)

メロディの美しさは唱歌屈指、凜と澄み渡った雪国の早春を感じさせる名曲。
小鳩くるみ。本名、鷲津名都江。
「アタックNo.1」の鮎原こずえ役の声優として広く親しまれた。
ハイトーンの声質の美しさは、日本の歌い手のなかでも歴代屈指だと思う。


02.朧月夜 - 鮫島有美子

唱歌はほんとうに名曲が多い。曲も歌詞も。
さりげに難曲。ソロで歌うには相当な力量がいると思う。

03.朧月夜 - 中島美嘉

名曲だから、こういう優れたアレンジテイクが生まれる。
中島美嘉の歌唱力も凄いが、葉加瀬太郎のバイオリンも圧巻。


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作詞:高野辰之 作曲:岡野貞一
大正3年『尋常小学唱歌 第六学年用』に初出

菜の花畠に 入日薄れ
見わたす山の端(は) 霞ふかし
春風そよふく 空を見れば
夕月かかりて にほひ淡し

里わの火影(ほかげ)も 森の色も
田中の小路を たどる人も
蛙(かわづ)のなくねも かねの音も
さながら霞める 朧月夜
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朧月夜(おぼろづきよ)、きれいなことばですね。
幼少から英語教育が行き渡って、こういう日本語ならではのことばも忘れ去られていってしまうのかな。


■ 桜曲40曲! もどうぞ。
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■ 1984年の洋楽バラード

仕事しつつYouTube流してたら、なぜか1980年代中盤の洋楽バラードが流れてきた。
あまりになつかしいので、奇跡的に残っている(というか、この前実家でみつけた)テープリストを再現してみます。

おそらく1984年頃につくったやつだと思います。

ジャーニー(JOURNEY)も来日することだし、秋にかけてひとしきり1980年代の洋楽が話題になるかもしれません。

■ Journey - Any Way You Want It(お気に召すまま) (1980年)



それではいきます。
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01.Bryan Adams - Heaven (1984年)


02.Chicago - You're The Inspiration (1984年)


03.Paul McCartney - So Bad (1984年)


04.Dionne Warwick, Luther Vandross - How Many Times Can We Say Goodbye (1983年)


05.Larry Carlton - Tequila (1983年)


07.Finis Henderson - Crush On You (1983年)


07.Bill LaBounty - In 25 Words Or Less (1978年)


08.Champaign - How 'Bout Us (1981年)


09.David Diggs - Love's Inception (1983年)


10.ABC - All Of My Heart (1982年)


11.Stevie Woods - Love You Back To Sleep (1982年)


12.Roxy Music - Running Wild (1980年)


YouTube検索したら、すべて1発ヒットしたのにはびっくり。
アーティストと曲名ベタ打ち必要だけど。

1984年といえば、ちょうどPOP-MUSICがアナログからデジタルに移行するタイミングですね。
曲のよさもさることながら、バックのインストとヴォーカル、コーラスの絶妙なバランス感は、いまの洋楽ではもはや聴けないもの。

【 洋楽1983年ピーク説 】
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■ 歌は世につれ ~炭鉱のカナリア~

2024年3月1日、日経平均株価は3万9910円82銭で取り引きを終え、終値として史上最高値を更新しました。
でも、ぜんぜん好景気感ないけどね・・・。

でも、まぁ、そんなこともあるので、数曲追加してリニューアルUPしてみました。

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2023-09-23 UP

前例のないことなので、どういう影響が出るかはよくわからぬが、
もう、日本は後戻りのできないところまで、来てしまったのかもしれません。
こういう苛烈な時代に出てくる音楽が、どういうものになるかはもはや想像の域を超えています。

'90年代以降現在に至るまで、多様な文化で育ってきたいまの50~60歳代の世代は現役(第一線)としてもっともっとたくさんの名作を生み出せるチャンスがあったはず。
でも、時代に流されてか、勝ちパターンに安住してか、キンタロー飴的な安直な内容が時代を追うごとに増えていった。
それを棚に上げて過去の名作にすがるのはなんだか情けない気も。(自分も含めてですが・・・)

1990年までに前の世代が素晴らしい作品をたくさん残してくれて、その恵まれた環境で育ちながら、結局このていたらく??
社会に対する責任感も、自身のなりわいへの矜持もなく、忖度を常とし、ただ漫然と時を重ねて・・・。
つくづくいまの50~60歳代の罪(不作為だとしても)は重いと思う今日このごろ。

■ answer - 遥海/2020年5月20日On Sale

再生数わずか3.2万回。
個人的には、いまの日本で屈指の歌唱力かと。
聴く人が聴けば、素通りできないと思うが・・・。
こういう才能を埋もれさせてしまうのは、J-POP界にとっても不幸だと思う。

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2023/07/07 UP

「歌は世につれ 世は歌につれ」ということばがあります。
このところ1980年代の「シティ・ポップ」が再評価されているけど、あの音はあの時代でしか生み出せなかったと思う。
2006年くらいからセツナ系がメジャーになって、ボカロ曲も増えてきたけど、やっぱりこういう曲はこの時代でしか生み出せなかったと思う。
いま、このふたつの流れを聴き比べてみると、とても同じ国のPop Musicとは思えない。

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冷え込み、凋落、分断、閉塞感・・・、そんな言葉ばかりが目につくこの頃。
そこはかとなく感じていた日本の凋落を、ここ数年で多くの人々が逃れられない現実として実感したのではないでしょうか。

でも、まだまだ日本の底力は尽きていない(と思いたい)。

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最近、TVでやたらに聴くこの曲。↓

■ 夏のクラクション - 稲垣潤一/1983年7月21日On Sale

こんな余裕かましたオトナの歌が巷にあふれていた1980年代前半。


これまで書き散らかした記事をまとめるかたちで、1980年代前半からJ-POPの曲調の変遷を追ってみます。

■SPARKLE - 山下達郎/1982年1月21日On Sale(FOR YOU)

さらさらと乾いたカッティングギターに達郎のハイトーンが乗る爽快感あふれる名曲。
この時代を代表する曲調。

■ Summer Focus - Anri 杏里/1983年6月5日On Sale(Bi・Ki・Ni)

夏といえば杏里。ブライトでグルーヴ絡みのシーサイドチューン。

■ Fantasy - 中原めいこ/1982年12月21日On Sale(2時までのシンデレラ-FRIDAY MAGIC-)

中盤からのあふれる「グルーヴ」。
やっぱり、この時代の楽曲のキモは「グルーヴ」だと思う。

グルーヴ&ハイトーン (グルーヴってなに・・・?)

■ P・R・E・S・E・N・T - 松田聖子/1982年5月21日(Pineapple)

名盤『Pineapple』のA-1曲。作曲:来生たかお、編曲:大村雅朗。
初期の松田聖子の楽曲の多くは「シティ・ポップ」だった。

1980年代前半といえばサザン(初期サザン)なしには語れない。

■ 涙のアベニュー - サザンオールスターズ/1980年3月21日On Sale(タイニイ・バブルス)

暗喩や圧韻だらけ。行間で語る歌詞がオサレなサウンドに絶妙に乗っている。

サザンのセブンス曲

☆ユーミンの母性曲
1980年頃、迷い?があったとも語るユーミン。
そのを打開したのが1981年の「守ってあげたい」だと思う。
これはユーミンの「母性」を感じさせる曲だった。
ここからの数年間でリリースした「ずっとそばに」「ノーサイド」を合わせて、個人的にはユーミンの3大母性曲だと思っている。

■ 守ってあげたい/1981年6月21日On Sale

これカノン進行だよね。でもベタつかない。

■ ずっとそばに/1983年2月21日On Sale(REINCARNATION)

バックのインストのフレーズどりが神すぎる。個人的にはユーミン屈指の名曲。

ユーミンの名曲

たしかにこの時代(1980年代前半~中盤)、男性が同世代の女性に無意識的にでも「母性」を求める流れがあったのかもしれぬ。
それだけ女性サイドにも余裕があったのでは・・・。


(マキタスポーツ氏のコメント)-----------------------------
 POPSっていうのは、もう、すべからく、もう、パクリの歴史なんだよ。
 だって、みんなが大好きなものとかの共有財産をどのようかにしてカスタマイズして、その時代の大衆に当てていくってっていうことの作業をずっとやっているのが商業音楽としてのPOPSであって・・・。

 まぁ、(19)85年以降だと思いますけど、だんだんヒップホップとか、ああいうアートフォームが出てくるじゃないですか。
 そしたら結局、あの人達っていうのは、元ネタをどのようにかにして批評して編集していくっていうこととかが、当たりまえになっていく。
 だから、サンプリングとかが当たりまえになって以降のアーティスト、あるいはフリッ●ーズ・●ターとか、まぁ、小●田●吾さんとか、あの辺の人達になると、確信犯的に「元ネタはこれですよ」ってこととかも言っていく、ことになるんですね。
 要するに、「こういうマジックですけど、これ東急ハンズで1,000円ね」って言ってくマ●ー審司的な手の内を明かすっていうことが、1個あったんですよ。

 で、それ以前の(きわの?)アーティストだったんですよ、彼(佐野元春)は。
 だから充分編集マンとしていろんな要素とかをとり入れながら、自分のサウンドっていうのをつくってたし、アーティスト像とかもコントロールしてつくってた。
 つくってたんですけど、やっぱ基本的に言わないんですよ。
 だからのちのち、元ネタとかが当たりまえに検索できる時代になったときに、「佐野元春の元ネタは、(ブルース・スプリングスティーンの)『ハングリー・ハート』だ!」とか、鬼の首とったように言うけど(笑)、いゃ、佐野元春さん以前からもいろんなアーティストとかも、そんなこと当たりまえに・・・。
 「筒美京平さん見てみろ」ってな、話じゃないですか・・・。
 これは、ネガティブな要素も含むかもしらないけど、パクリであることをふまえた上で、これだけちゃんとしたものとかを、普遍性のあるものをつくり上げた、この曲がやっぱ素晴らしいんじゃないかと。
(コメントおわり)-----------------------------

あまりにも芯喰ったコメントなので、ながながと引用してしまいました。
筆者が思っていることを語り尽くしてくれている(笑)
あっ、それと、これ東京五輪のはるか前、おそらく2017年頃のオン・エアーですから念のため。

■ ハートビート - 佐野元春(小さなカサノバとナイチンゲールのバラッド) / 1981年2月25日On Sale(Heart Beat)/LIVE1983

パクリにせよなんにせよ、ここまでのオリジナリティや普遍性に昇華できる才能。
これが「アーティスト」なんだと思う。

『たまらなく、アーベイン』 ~1980年代前半の音楽の空気感~


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1984年以降、洋楽も邦楽も大きく変容したけど、日本の景気は絶好調でまだまだ弾んだ曲調が多かった。そして一億総中流のもとでの不倫ブーム?

■ 恋におちて -Fall in love- 小林明子(Covered)/1985年8月31日On Sale

「土曜の夜と日曜の 貴方がいつも欲しいから」
流麗なメロと歌詞のギャップがエグすぎる。

■ My Revolution - 渡辺美里/1986年1月22日On Sale

意表をつく転調。初期の小室サウンド。
ここから1990年代後半まで小室サウンドがJ-POPシーンを席捲する。

■ 世界でいちばん熱い夏 - プリンセス・プリンセス/1987年7月16日On Sale

圧倒的な躍動感。音楽の醍醐味はアンサンブルにあることを教えてくれる。
いまに至るまでプリプリを超えるガールズバンドはおそらく出ていない。

↓ CMとのコラボもハイレベルだった。



****************
音楽は「炭鉱のカナリア」ともいわれます。
これから向かう時代の空気感を、いちはやく曲調であらわすというのです。
確かに、思い当たるフシはあります。

■ 空から降りてくる LONELINESS - 杉山清貴/1989年5月17日On Sale(here & there)

「祭りのおわり感」がハンパじゃない、杉山清貴の名曲。

■ 瞳がほほえむから - 今井美樹/1989年11月8日On Sale

バブル崩壊直前のリリース&ヒット。
景況が悪化し、世相がすさむにつれてこういうやさしい曲想のヒット曲は少なくなっていく・・・。

■ ANNIVERSARY〜無限にCALLING YOU〜 - 松任谷由実

1989.06.28 Release 23th Single 「ANNIVERSARY〜無限にCALLING YOU〜」
バブル最盛期に、どうしてこういう内省的な歌がつくれたんだろう。

■ 最後のニュース - 井上陽水/1989年12月21日On Sale

1989年12月21日、バブル崩壊直前のリリース。
筑紫哲也さんも陽水にも、これから来る時代の先が見えていたのかもしれず・・・。

バブル崩壊直後(1991年)のテープリスト
バブル崩壊直後(1991年)、筆者が聴いていた曲です。(すべて洋楽ですが・・・)
メロディアスなレディ・ソウルやスムースジャズ、そしてAOR系の残党がメインでした。
邦楽では今井美樹や小室サウンドをよく聴いていた。

■ No Wasted Moments - Bill Champlin(1990年)



****************
バブル崩壊後の1990~1995年頃にかけてはメロディの綺麗なヒット曲が多く生まれた。

■ 揺れる想い - ZARD/ 1993年5月19日On Sale

一世を風靡した坂井泉水さんの透明で切ない歌声は唯一無二。
上位互換に成功したカバーはひとつたりとも聴いたことがない。

■ 渡良瀬橋 - 森高千里/1993年1月25日On Sale

いま聴いてもフックだらけの素晴らしいメロディ。
この曲は森高千里本人しか歌いこなせないと思う。

■ ただ泣きたくなるの - 国分友里恵/1995年On Sale

1994年中山美穂のヒット曲のオリジナルテイク。

☆シブヤ系
■ 東京は夜の七時 - PIZZICATO FIVE /1993年12月1日On Sale

洋楽の影響を隠さなかった最後のムーブメントでは?
個人的には思わせぶりなあざとさが鼻についてあまり好きなシーンではなかったけど、この曲はよくできている。
当時の都心のオサレ感が表現されたクールなアイテム。

1996年頃まで、バブルの再来はなかったものの景況の落ち込みはそこまで深刻ではなく、曲調もそのような世相を反映していた。

■ ら・ら・ら - 大黒摩季/1995年2月20日On Sale

曲調も歌詞にも余裕が感じられる。

■ Don't wanna cry - 安室奈美恵/ 1996年3月13日On Sale

ビートとメロのバランスがいい時代でもあった。

■ アジアの純真 - PUFFY/1996年5月13日On Sale

井上陽水&奥田民生という才能が仕掛けたテクニカル・チューン。
抜群のインパクトで売れるべくして売れた。

■ LOVE BRACE - 華原朋美/1996年7月22日On Sale

キワどいくらいにフェミニンなイメージを打ち出していたこの頃の華原朋美。
いま聴き返してみるとエンディング感がハンパない。

そして、↓ が1997年1月1日On Sale。
■ YOU ARE THE ONE - TK presents こねっと

こういうコラボは2000年代に入って影をひそめたと思う。
この曲もまた終末感を帯びている。

1990年代初頭にバブルは崩壊したけど、1996年頃まではなんとか景気は維持していて、世間の空気もさほど悪くはなかった。
(ただしロスジェネ世代は、バブル崩壊後の1991年前後ごろからの約10年間に就職活動を行っていた世代とされる。)

一般に、日本が本格的な凋落を始めるのは1997年あたりとされているので、この曲たちはそのぎりぎりのところで世に出されている。

小室氏はこれから向かう日本の行き先を感じとっていたのでは?

■ HOWEVER - GLAY/1997年8月6日On Sale

映像も含めて、あとから振り返ってみると暗示的な歌だった。

■ Over and Over - Every Little Thing/1999年1月27日On Sale

世紀末にものされた、凜とした透明感あふれる名曲。
すでに歌詞に「しがない世の中」という言葉が入ってきている。

****************
2000年代に入ると日本経済の変調はいよいよ顕在化し、曲調にも影を落とすようになる。

■ SEASONS - 浜崎あゆみ/2000年6月7日On Sale

のちの「セツナ系」のはしりともいえる曲調。

■ 流星群 - 鬼束ちひろ/2002年2月6日On Sale

鬼束ちひろのキャラは不確実な時代の象徴だった。

■ Endless Story - Yuna Ito/2005年9月7日On Sale

節々にただよう諸行無常感。

■ 三日月 - 絢香/2006年9月27日On Sale

”太陽”や”サンシャイン”ではなく、”月”がモチーフとなっている。
「つながっている」「強くなる」といった2000年代以降のパワーワードが入ってきている。

↓ こういうポジティブなのもあったけどね。
■ 何度でも - DREAMS COME TRUE/2005年2月16日On Sale


■ 天体観測 - BUMP OF CHICKEN/2001年3月14日On Sale

タテノリ、ストロークギター、2~3キーのわかりやすいサビ。
コピーバンド&楽曲多数。
バンドサウンドに限っていえば、いまだに「天体観測」の呪縛から解放されていないと思う。


****************
そして「セツナ系」の時代。
「セツナ系」の全盛期は2007~2011年の5年間くらいだったと思う。

■ もっと... - 西野カナ/2009年10月21日On Sale

こういう曲は、1980~1990年代にはたぶん生み出せなかった。
歌詞がよりいっそうパーソナルなものになっていく。

■ 童子-T - 願い feat.YU-A/2009年12月16日On Sale

RAPとハイトーン女性ボーカルのコラボが目立った「セツナ系」。
曲の粒も揃っていた。

■ Because - LGYankees Feat.中村舞子/2008年9月17日On Sale

切なさを帯びた中村舞子の歌声は「セツナ系」にジャストフィットしていた。

■ 23:45 - Juliet/ 2010年8月25日On Sale

ギャル系3人組ユニットJulietは2009~2010年にかけて多くのスマッシュヒットを放ち、その多くはナイスメロを備えた「セツナ系」だった。
これはこの時代の空気感が伝わる名曲。
「レコチョク」メインのブレイクが、すでにこの頃にはあたりまえになっていた。

****************
ふつう「セツナ系」には数えられないけど、エモーショナルな名曲がつぎつぎと生まれたのもこの時期。
メロディのうつくしさやエモ感からみると、1980年代を凌いでいると思う。

■ サクラ色 - アンジェラ・アキ/2007年3月7日On Sale

屈指の実力をもつシンガソングライター。本格復活希望。

■ Flavor Of Life - 宇多田ヒカル/2007年2月28日On Sale

イントロなしのサビ入り。
よほどの歌うまじゃないと速攻で崩壊する超難曲。

■ ORION - 中島美嘉/2008年11月12日On Sale

こういう難曲が「黄金の世代」を育てたと思う。

■ あなただけが - 倖田來未/2010年9月22日On Sale

プロであれば「歌が巧い」のはあたりまえだった。

■ Butterfly - 木村カエラ/2009年6月1日On Sale

こういうテクニカルな曲がヒットしたりしていて、まだペンタ全盛にはなっていない。

■ キミトセカイ - 初音ミク 佳仙 (歌ってみた)/2011年5月配信

ボカロ系の好メロ曲。
歌い手の佳仙さんは透明感の高い繊細なエンジェル系ハイトーンが特徴ながらさりげに艶と力感も備え、このハイトーンつづきの難曲を余裕を残して歌い切っている。

☆クリエイター集団の名曲
2005年頃からは、ボカロやアニソンと密接な関係をもつ、いわゆる「クリエイター集団」といわれるユニットが完成度の高い名曲をものしていた。
リードをとっていたのは主にハイトーン系女性ボーカルで、そのレベルはすこぶる高く、「歌い手」による名カバーも多かった。

■ 君の知らない物語 - supercell/2009年8月12日On Sale Covered byくゆり

supercellは、コンポーザーのryoを中心にイラストレーターやデザイナー参画するクリエイター集団。
リードボーカルがいないため、ボカロ・初音ミクや適宜女性ボーカルが抜擢された。
これはニコ動上歌い手として活動していたガゼル/nagiをゲスト・ボーカルに迎えて制作された名曲。
透明感にあふれるnagiのボーカルは多くのフォロワーを生んだ。

■ こなたよりかなたまで(OP Imaginary Affair) - KOTOKO(I've(アイブ、アイヴ))/2005年9月30日On Sale(COLLECTIVE)

I've(アイヴ)は札幌市本拠のクリエイター集団で、とくにゲームやアニメに多くの名曲を提供している。
KOTOKO、詩月カオリ、川田まみなどすぐれた女性ボーカルを多くかかえ、その楽曲のレベルの高さには定評があった。

■ ずっと前から好きでした Destiny feat.花たん - HoneyWorks/2014年1月29日On Sale

HoneyWorks
HoneyWorks(ハニーワークス、通称ハニワ)は『告白実行委員会〜恋愛シリーズ〜』で知られるクリエイター集団。
そのメロディアスでフェミニンなサウンドには定評があり、「ハニワ曲」とも呼ばれて愛される。


2011年くらいからJ-POPのメインシーンは「坂道シリーズ」やジャニタレの寡占状態に陥り、マニアックなボカロやアニソン系とは明確にマーケットが分化した。
マイナージャンルでは曲やテイクのできがよくても、なかなかメジャーヒットにつながらないという構図は2015年くらいから顕著となり現在までつづく。
だからいい曲がつくれなくなっているワケではなく、従来からの音楽好きよりも、じつはゲームやアニソンマニアの方が良質な音楽に触れているのではないかと思っている。
彼らは、作品のクオリティに対しての再生数が伸びないことを「過剰埋没」というが、「過剰埋没」している名テイクがじつはたくさんある。
(シーンが細分化しているゲームやアニソンの世界から、名曲を掘り起こしてくる作業はかなり手間がかかる。)

1980~1990年代だったら、こういう実力のあるクリエイターたちはメジャー歌手の裏方にまわり名曲を創り出すパターンが多かったが、いまはシーンが細分化されすぎてなかなかメジャーヒットに結びつけられない。
これも時代のかかえるジレンマでは。

****************
リーマンショック、そして東日本大震災。
出口の見えない閉塞感。

■ 遠くても - 西野カナfeat.WISE/2009年3月18日On Sale

リーマンショック後、東日本大震災前の2009年3月18日リリースのセツナ系。

■ SUPER MOON - 藤田麻衣子 

東日本大震災がもたらしたものは、やっぱり重すぎる。
震災後の2011年3月20日に現れたスーパームーンを歌った曲。
ここでも「つながる」がキーワードになっている。

■ 夜空。- miwa feat. ハジ→/2015年8月19日On Sale

2008年頃の”セツナ系”よりセツナさを増している。
そしてどうしようもない閉塞感。


****************
1990年代以降のJ-POPはコード進行のパターン化(とくに王道進行の寡占化)が進み、メジャー・セブンスはおろか、マイナーセブンフラットファイブやナインス(テンションや分数コード)の使いこなしも減って、アーバンな曲じたいも次第に少なくなっていく。

多くの日本人は、根っこにヨナ抜き音階(ペンタトニック)やダウンビートが入っているので、コンスタントに洋楽を意識する局面がないと、どうしてもセブンス(四和音)やアップビートから遠ざかっていく。
最近では洋楽も急速にペンタ化やダウンビート化(というか4つ打ち化)が進みつつあるし、70~80年代に洋楽の影響を受けた多才なアーティストたちも第一線を退きつつある。

2015年以降、日本でペンタ化・4つ打ち化(あるいはほぼフォークソング化)が進んだこと、そして海外からのシティ・ポップの再評価が進んだ背景には、こんな要素もあると思う。

また、2000年以降はテクノロジーの発展もあって楽曲の多様化が進み、「なんでもありの時代」(一部のボカロやアニソンなどで音楽的にすこぶる高度な楽曲がつくられる時代)になったが、聴き手がこれについてこれなくなり、とくに2015年以降はメジャーシーンで平易なペンタ化が進んだというのが持論。

これらの曲聴くと、2000年以降のJ-POPがいかに多様化したかがわかる。
でも、聴き手は細分化され、シーンは分断してメジャーヒットした曲は多くない。

■ ハロ/ハワユ - リツカ(歌ってみた)

2010年10月11日歌ってみた投稿。
私的な内面(日々の悩み)に向かう曲が増えてきている。
時代はこの頃よりさらに苛烈になっていると思うが・・・。

■ 空奏列車 - めありー(歌ってみた)

2015年2月Web公開とみられるボカロ曲。
不確実、不安定、先の見えない世界。

■ 徒夢 feat. 初音ミク- 花たん(歌ってみた)/2011年3月30日原曲配信

救いようのない無力感。


****************
思い返してみると、
~1970年代前半
 ペンタの時代
1970年代前半~中盤
 ペンタとセブンスの拮抗時代
1970年代中盤~1980年代中盤
 セブンス優位の時代
1980年代中盤~2014年
 J-POP 進行(小室進行含む)の時代
(2003年くらい~ ボカロやゲーム曲(一部アニソン)などの高度でマニアックな音世界、メジャー化例は少ない)
2015年~
 ペンタ回帰の時代

そして・・・
2020年~
 ペンタからの脱却の時代??(シティポップ人気、コード進行ブームやヒゲダン・ワンオクの人気)
2021~2022年
 ペンタからの脱却の試行錯誤にもがいた年?

↑ こんなイメージがある。
空前のヒット曲不作といわれた2021~2022年。でも、いよいよ風向きが変わりつつあると感じる動きも・・・。

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2007年頃~、”セツナ系”の隆盛と歩調を合わせるように、聴き手が前向きになれるような曲は少しづつ出てきていた。

■ Again - アンジェラ・アキ (2007年)


梶浦由記さんと歌姫たちが生み出すテイクは、壮大で高揚感にあふれていた。
それは1980年代のシティ・ポップとはあきらかに異なる質感をもっていた。

■ Everlasting Song - FictionJunction (2009年7月12日のLIVE)


■ 未来 - Kalafina (2013年)

メロディ。ハーモニー、アンサンブルの質を揃えた名ユニット。
2019年3月の解散はほんとうに痛い。

梶浦サウンド総ざらい!(&「炎」-homura)
伝説のユニットkalafina
FictionJunctionの秘密?


■ I Will Be There With You - 杏里/Anri(JAL 企業PV/2011年)

1980年代の杏里にはなかった旋律。

■ ここにあること - 桜ほたる(歌ってみた)

2011年秋、震災後のWeb公開とみられるボカロ曲。
思いっきりはじけた感じがする名曲。

■ 夢の途中 - KOKIA/2013年3月20日On Sale

海外での評価が高い、日本を代表する歌姫。

■ ヒカリヘ - miwa/ 2012年8月15日On Sale

どちらかというと、いまの時代にアジャストしている曲のような気がする。
時代を先取りしすぎたか?

■ Hero - 安室奈美恵/2016年7月27日On Sale

J-POPの質感が変わったか? と感じた曲。
この名曲でもオリコン最高位6位。五輪のテーマソングとしてはよく流されたが、時代の空気にはそぐわなかった?

■ 栞 - 天野月 feat.YURiCa/花たん/2016年11月23日On Sale

閉塞した世界から花開いていく感じの曲。これも早すぎたか。

■ YOASOBI「群青」 from 初有観客ライブ『NICE TO MEET YOU』2021.12.04@日本武道館/2020年9月1日On Sale

一聴”応援ソング”っぽいけど、歌詞を聴き込むと、巷にあふれる”自助的応援ソング(がんばろうソング)”とは明らかに一線を画していることがわかる。
Just The Two of Us進行をこんなふうに使うとは・・・。
1980年代のお洒落感とはちがう解釈ではまってる。
「本当に変わっていくかも」と感じた1曲。

■ 【公式ライブ映像】Poppin'Party「キズナミュージック♪」

アニソン系でもはじけるブライト感をもつ曲が増えてきた。

■ One Reason - milet/2021年9月10日On Sale

これまでのJ-POPとは明らかにスケール感がちがう。

■ キャラクター - 緑黄色社会/2022年1月26日On Sale

ひさびさに聴いたヨコノリ含みのグルーヴ曲。

■ おもかげ - milet×Aimer×幾田りら (produced by Vaundy)

2021年12月17日リリース。
あたらしいJ-POPを象徴する3人のコーラス。これは来たと思った(笑)
Vaundyのような才能が出てきて正当に評価されるのも時代の流れの必然では?

■ 星月夜 - 由薫/2023年2月8日On Sale

内省的な曲想だけど、スケール感を帯びてどこか希望を感じさせる。

■ サクラキミワタシ - tuki.

わずか15歳。
サウンドだけで勝負できるかもしれないあたらしい才能。


歌は株価と同じで、時代を先に織り込むともいいます。
おそらく日本社会はこれからさらに苛烈な方向に向かうと思うが、こういう曲たちを聴くと、ひょっとしてそうはならない芽もでてきているのかもしれません。
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■ カラバトU-18黄金の世代のナイステイク(中・高時代)  

■ カラバト黄金の世代の名テイク ~ 日本の歌姫たち ~を再編するたかちで、古めの動画を集めてみました。

いずれも中学~高校生のときのテイク。
歌のうまさももちろんだけど、それぞれの声質のオリジナリティが際立ってる。
なので、聴いててやたらに面白い。
よくぞこれだけの才能が同時期にあらわれたものだと思う。

これだけキャラの立った才能をユニットにまとめ上げられる腕利きが、いまのJ-POP界にはいないのかもしれぬ。
(梶浦由記さんくらいか・・・。)


★ 三阪 咲
声に雰囲気があって、強弱のコントロール&声のまわし方が抜群で、とくにR&Bでいい味出してます。
アンサンブルを大切にするスタンスも時流に合っているのでは?

■ 三阪 咲「If I Ain't Got You (Alicia Keys)」2018/12/28 The BAND NIGHT Vol.2 ESAKA MUSE


■ 三阪 咲『I LOVE YOU / クリス・ハート』@ OSAKA Freeeee!! 2部 あべのルシアス 2019/02/02



★ 富金原佑菜
声の成分が複雑でなかなかいないタイプ。それと声量のキャパシティ。(ぜったいお腹で支えてる)
すでに自分の世界もっているので曲がはまれば大化けするかも?
歌ってる表情がとてもいい。
歌って伝えることが本当に大好きなんだと思う。
■ 富金原佑菜ちゃんのナイステイク

■ 富金原佑菜「流星群 (鬼束ちひろ)」2018/09/17 あべのAステージ


■ 富金原佑菜「群青」2019/12/30 The Band Night Vol.3 ESAKA MUSE



★ 原藤由衣
歌のお姉さん的な美声だけど、それだけでは収まらない深みを感じる声質と豊かな声量。

■ やさしさに包まれたなら / 原藤由衣 / 原藤由衣 1stワンマンライブ


■ 原藤由衣「Alone (岡本真夜)」2019/02/17 konoha&yui 天使のハーモニー 溝ノ口劇場



★ 熊田このは
比類なきスーパーソプラノ。
せつなさを帯びているのに、なぜか聴き手に元気を与える類い希な美声。
1/fゆらぎまじりのヒーリングヴォイスと透明感。
誰にも似ていない。誰のまねでもない。「熊田このは」というオリジナルのフォーマット。
■ 熊田このはちゃんのセトリ(&出演記録)-Vol.2

■ 熊田このは「明日への手紙 (手嶌葵)」2016/05/21 HEP前 路上ライブ (13歳)


■ 熊田このは - Time To Say Goodbye(Sarah Brightman)2016/08/20AステージEVENT / あべのルシアスAステージ



★ 佐久間彩加
いろいろな声色が複雑に混じり合う。まさに声色の魔術師(笑)
こんな歌いまわし、意識して出せるとは思えないから、たぶん天性のものだと思う。
だから天才。
勝負師的なキレ味も魅力。
カラバト&佐久間彩加ちゃん配信ライブ情報/LIVE初参戦

■ やさしさで溢れるように/juju~カラオケ大会 グランプリ大会 首都圏カラオケバトル2015 GP~


■ 『かくれんぼしてる君に / 佐久間彩加』music video(オリジナル)



★ 鈴木杏奈
絶対音感(?)にテクと情感が乗って、もはや文句のつけようなし。
ステージングも抜群で、人前で歌うことが本当に好きなんだと思う。

■ 鈴木杏奈 - 帰りたくなったよ (中学2年生) 2017.10.7@野木町れんがまつり


■ 鈴木杏奈 オキノタユウ 和楽器バンド



★ 堀 優衣
どこまでもつやっつやな響きまくる美声。そしてゆるぎない安定感。
このところ、ハイトーンの美しさに磨きがかかっている。

■ 堀優衣 - This Love 2017年3月18日 東武百貨店大田原店 堀優衣ミニライブ


■ 堀優衣 「ORION」 YuiHori 高校3年



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■ 三阪咲 × 富金原佑菜 - Y / C&K 2018/09/17 あべのAステージ

これが中学生のLIVE?? ありえん。

■ 熊田このは × 富金原佑菜 - 打上花火( DAOKO X 米津玄師) 2019/04/29 溝ノ口劇場

「声質のオリジナリティ」を実感できるパフォーマンス。
このはちゃんの響き渡るハイトーンに、佑菜ちゃん、密度の濃い深みある声色をぶつけて四つに組んで譲らず。

■ 原藤由衣 × 熊田このは - さよなら大好きな人(花★花) 2019/02/17 溝ノ口劇場

どちらもハイトーンだけどそれぞれ持ち味や質感がちがう。これがオリジナリティ。

■ 鈴木杏奈 × 熊田このは - いのちの歌  2017/08/05 Leaf Bell(リーフベル)コンサート / 道の駅那須与一の郷・那須与一伝承館多目的ホール(栃木県大田原市)

鈴木杏奈ちゃん&熊田このはちゃんの貴重なデュエット。
ヒーリング感ばりばり。杏奈ちゃんは”華”、このはちゃんは”艶”かな?


やっぱりこの世代凄いわ。
個人的には2018/11/21放送の「U-18歌うま甲子園2018頂上決戦」がカラバト史上ベストの内容と思っている。

一度でいいからこのメンバーでユニット組んで歌ってほしかった。
できれば、梶浦由記さんプロデュースで ↓ こんな感じで・・・。


全員ユニゾンで歌っても、聴き分けできる自信あり(こればっかし(笑))

日本の歌姫たちにもっともっと光を・・・。


〔関連記事〕
【抜粋編】黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)
黄金の世代?(カラバトU-18が強い件)
カラバトU-18黄金の世代の7人+4人
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■ 御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-1A(導入編)

■ 2023/02/15 UP
今年(令和五年)は弘法大師御誕生1250年の記念の年です。
金剛峯寺の公式Web
そこで、御府内八十八ヶ所霊場の御朱印のご紹介をはじめることにしました。

■ 2024/02/28 UP
ようやく(一応)完成しました。
この記事を書いている途中で『御府内八十八ケ所道しるべ』の存在に気づいたため、途中から構成が変わっております。
ひとまずはこれで完結としますが、後日前半の構成を整えていきたいと思います。

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□ 札所リスト



□ 記事へのリンク

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-1B
第1番
高野山東京別院(港区高輪)
第2番
金峰山 東福寺(中野区江古田)
第3番
金剛山 多聞院(世田谷区北烏)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-2
第4番
永峯山 高福院(品川区上大崎)
第5番
金剛山 延命院(港区南麻布)
第6番
五大山 不動院(港区六本木)
第7番
源秀山 室泉寺(渋谷区東)
第8番
海岳山 長遠寺(大田区南馬込)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-3
第9番
古碧山 龍厳寺(渋谷区神宮前)
第10番
観谷山 聖輪寺(渋谷区千駄ヶ谷)
第11番
光明山 荘厳寺(渋谷区本町)
第12番
明王山 宝仙寺(中野区中央)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-4
第13番-1
三田高野山 龍生院(弘法寺)(港区三田)
第13番-2
和光山 大龍寺(北区田端)
第14番
白鷺山 福蔵院(中野区白鷺)
第15番
瑠璃光山 南蔵院(練馬区中村)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-5
第16番
亀頂山 三寶寺(練馬区石神井台)
第17番
東高野山 長命寺(練馬区高野台)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-6
第18番
獨鈷山 愛染院(新宿区若葉)
第19番-1
瑠璃山 青蓮寺(板橋区成増)
第19番-2
陽岳山 圓乗院(大田区南馬込)
第20番
身代山 鏡照院(港区西新橋)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-7
第21番
寶珠山 東福院(新宿区若葉)
第22番
天谷山 南蔵院(新宿区箪笥町)
第23番
川崎大師東京別院 薬研堀不動院(中央区東日本橋)
第24番
高天山 最勝寺(新宿区上落合)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-8
第25番
六所山 長楽寺(日野市程久保)
第26番
海賞山 来福寺(品川区東大井)
第27番
瑠璃山 正光院(港区元麻布)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-9
第28番
宝林山 霊雲寺(文京区湯島)
第29番
大鏡山 南蔵院(豊島区高田)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-10
第30番
光松山 放生寺(新宿区西早稲田)
第31番
照林山 多聞院(新宿区弁天町)
第32番
萬昌山 圓満寺(文京区湯島)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-11
第33番
醫王山 眞性寺(豊島区巣鴨)
第34番
薬王山 三念寺(文京区本郷)
第35番
金剛寶山 根生院(豊島区高田)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-12
第36番
瑠璃山 薬王院(新宿区下落合)
第37番
瑠璃光山 萬徳院(江東区永代)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-13
第38番
神霊山 金乗院(豊島区高田)
第39番
金鶏山 真成院(新宿区若葉)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-14
第40番
福聚山 普門院(江東区亀戸)
第41番
十善山 密蔵院(中野区沼袋)
第42番
蓮葉山 観音寺(台東区谷中)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-15
第43番
神勝山 成就院(台東区元浅草)
第44番
金剛山 顕性寺(新宿区須賀町)
第45番
廣幡山 観蔵院(台東区元浅草)
第46番
萬徳山 弥勒寺(墨田区立川)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-16
第47番
平塚山 城官寺(北区上中里)
第48番
瑠璃光山 禅定院(中野区沼袋)
第49番
寶塔山 多寶院(台東区谷中)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-17
第50番
高野山 大徳院(墨田区両国)
第51番
玉龍山 延命院(台東区元浅草)
第52番
慈雲山 観音寺(新宿区西早稲田)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-18
第53番
本覚山 自性院(台東区谷中)
第54番
東豊山 新長谷寺(豊島区高田)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-19
第55番
瑠璃光山 長久院(台東区谷中)
第56番
宝珠山 與楽寺(北区田端)
第57番
天瑞山 明王院(台東区谷中)
第58番
七星山 光徳院(中野区上高田)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-20
第59番
佛寶山 無量寺(北区西ヶ原)
第60番
摩尼山 吉祥院(台東区元浅草)
第61番
望月山 正福院(台東区元浅草)
第62番
鶴亭山 威光院(台東区寿)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-21
第63番
初音山 観智院(台東区谷中)
第64番
長谷山 加納院(台東区谷中)
第65番
明王山 大聖院(港区三田)
第66番
白龍山 東覚寺(北区田端)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-22
第67番
摩尼珠山 真福寺(港区愛宕)
第68番
大栄山 永代寺(江東区富岡)
第69番
龍臥山 宝生院(港区三田)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-23
第70番
照光山 禅定院(練馬区石神井町)
第71番
新井山 梅照院(中野区新井)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-24
第72番
阿遮山 不動院(台東区寿)
第73番
法号山 東覚寺(江東区亀戸)
第74番
賢臺山 法乗院(江東区深川)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-25
第75番
智劔山 威徳寺(港区赤坂)
第76番
蓮華山 金剛院(豊島区長崎)
第77番
高嶋山 佛乗院(神奈川県秦野市蓑毛)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-26
第78番
摩尼山 成就院(台東区東上野)
第79番
清水山 専教院(文京区小日向)
第80番
太元山 長延寺(港区三田)
第81番
医王山 光蔵院(港区赤坂)
第82番
青林山 龍福院(台東区元浅草)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-27
第83番
放光山 蓮乗院(新宿区若葉)
第84番
五大山 明王院(港区三田)
第85番
大悲山 観音寺(新宿区高田馬場)
第86番
金剛山 常泉院(文京区春日)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-28
第87番
神齢山 護国寺(文京区大塚)

御府内八十八ヶ所霊場の御朱印-29
第88番
遍照山 文殊院(杉並区和泉)


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御府内八十八ヶ(箇)所とは、東京都内にある弘法大師ゆかりの寺院を巡拝する弘法大師霊場です。(以下、「御府内霊場」と記します。)

「御府内」とは「江戸町奉行が支配の対象とする江戸(の範囲内)」ないし「寺社勧化場として許可された江戸(の範囲内)」といわれ、時代によって変化したといいます。
東京都公文書館のWeb資料には以下のとおりあります。

-------------------------
文政元年(1818)8月に、目付牧助右衛門から「御府内外境筋之儀」についての伺いが出されました。
この伺いを契機に、評定所で入念な評議が行われました。このときの答申にもとづき、同年12月に老中阿部正精から「書面伺之趣、別紙絵図朱引ノ内ヲ御府内ト相心得候様」と、幕府の正式見解が示されたのです。

その朱引で示された御府内の範囲とは、およそ次のようになります。
 東…中川限り
 西…神田上水限り
 南…南品川町を含む目黒川辺
 北…荒川・石神井川下流限り
この朱引図には、朱線と同時に黒線(墨引)が引かれており、この墨引で示された範囲が、町奉行所支配の範囲を表しています。朱引と墨引を見比べると、例外的に目黒付近で墨引が朱引の外側に突出していることを除けば、ほぼ朱引の範囲内に墨引が含まれる形になっていることが見てとれます。

以来、江戸の範囲といえば、この朱引の範囲と解釈されるようになったのです。
-------------------------


このようにきわめて明快に説明されています。
つまり、江戸御府内=江戸朱引図内ということです。


■ 江戸朱引図東京都公文書館Web公開資料

たとえば 江戸朱引図(東京都公文書館)をみると田畑村はしっかり朱引図内に収まっており、田端は御府内に位置することがわかります。


■ 朱引きと田畑村の位置関係東京都公文書館Web公開資料を筆者にて加工)

以上のとおり、文政元年(1818年)頃の「御府内」の範囲は、東は亀戸・小名木村辺、西は角筈村・代々木辺、南は上大崎村・南品川町辺、北は上尾久・下板橋村辺の内側と定められています。

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『全国霊場大事典』(六月書房)によると、御府内霊場の開創は宝暦年間(1751年~)頃とされています。
同書によると、信州・浅間山真楽寺の憲浄僧正と千葉県松戸の諦信によって四国八十八ヶ所霊場が写されたものとされ、四国霊場の札所の土(お砂)を各札所の拝前におき、こちらを踏んで巡拝すれば四国霊場巡拝と同様のご利益が得られるとされる点は、全国各地の弘法大師(新四国)霊場と同様です。

『全国霊場巡拝事典』(大法輪閣)では、宝暦五年(1755年)刊の『大進夜話』に「江戸にも此頃は信州浅間山の上人本願にて、四国の八十八箇所を移して立札など見えたり」とあり、文化十三年(1816年)の札所案内には「宝暦五乙亥三月下総葛飾松戸宿諦信の子、出家して信州浅間山真楽寺の住になりぬ。両人本願して江戸に霊場をうつす」とあることを紹介しています。

さらに文政五年(1822年)刊の十返舎一九著『諸国道中金の草鞋』にも「宝暦の頃下総の國松戸宿の諦信●子●預して東都に八十八ヶ所の霊場を●●といへり。」との記載があり、宝暦年間、憲浄僧正と松戸の諦信による開創説でおおむね定まっているようです。



【写真 上(左)】 十返舎一九『諸国道中金の草鞋』二十一篇「東都大師巡八十八箇所」(文政五年(1822年))
【写真 下(右)】 同
十返舎一九 著 ほか『諸国道中金の草鞋』21,嵩山堂,〔 〕. 国立国会図書館DC より転載。

このことは「公訴発願 信州浅間真楽寺上人 巡行願主 下総国 諦信」と刻まれた札所碑が第42番観音寺にあり、他の札所にも同様の石碑が残ることからも裏付けられるとされています。(『全国霊場巡拝事典』)


【写真 上(左)】 第42番観音寺の御府内霊場札所碑
【写真 下(右)】 「公訴発願 信州浅間真楽寺上人 巡行願主 下総國 諦信」とあります

なお、同書によると、これとは別に正等和尚(1703-1774年)という人が開創という説もあるようです。



『御府内八十八ヶ所 弘法大師二十一ヶ寺 版木』(台東区教育委員会刊)には、「第十七番札所長命寺には「宝暦三癸酉三月廿一日」銘の御府内八十八ヶ所標石が現存する。(略)この銘文を信じる限り宝暦三年(1753年)三月までに開設されていたことになる。」
同書では第17番長命寺の標石と宝暦五年(1755年)刊の『大進夜話』を根拠とし、「ここでは、宝暦二年(1752年)頃『浅間山真楽寺住職』の開設とし、不明な点は後考に俟つこととしたい。」とあります。


【写真 上(左)】 第17番長命寺の御府内八十八ヶ所標石-1
【写真 下(右)】 同-2

また、同書には「本版木第二六丁によれば『廿三里十三丁五間』、約九二キロの行程で、御府内在住の健脚であれば三~四日で巡ったものと思われる。」とあります。


十返舎一九『諸国道中金の草鞋』二十一篇「東都大師巡八十八箇所」(文政五年(1822年))
十返舎一九 著 ほか『諸国道中金の草鞋』21,嵩山堂,〔 〕. 国立国会図書館DC より転載。

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御府内霊場の前身ともいわれる霊場に江戸八十八ヶ所霊場があります。
初番は高輪の正覚院、第88番結願は御府内霊場と同様文殊院で、御府内霊場と重複する札所が多いですが、微妙に異なる札番構成で廃寺も含みます。
→ 札所リストはこちら(『ニッポンの霊場』様)


【写真 上(左)】 第38番金乗院の御府内霊場札所碑
【写真 下(右)】 同 江戸八十八ヶ所霊場第38番の札所碑

御府内霊場第2番はもともとは新宿・余丁町の二尊院で、のちに江古田・東福寺に遷ったともされますが、江戸八十八ヶ所霊場第2番は二尊院となっています。
また、江戸八十八ヶ所の札所は御府内霊場に比べて御府内の札所が多くなっているので、あるいは御府内霊場の前身の可能性もあるのかもしれません。

廃寺・移動となった札番の変遷をこまかく追っていけばなにか見えてくるものがあるのかも知れませんが、なにぶん江戸八十八ヶ所霊場は記録がすくなく、それもむずかしいかもしれません。

現在、寺院移転により御府内霊場の2つの札所は都区外に移転していますが、それ以外は東京都区内の所在で、まさに「東京のお遍路」ということができます。


■ 第56番 宝珠山 地蔵院 與楽寺(北区田端)

『江戸名所図会』十五(国会図書館DC(保護期間満了資料)より転載)

■ 第59番 佛寶山 西光院 無量寺(北区西ヶ原)

『江戸名所図会』十五(国会図書館DC(保護期間満了資料)より転載)

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現在、霊場会の活動があるかは不明ですが、すべての札所で御朱印を授与され、発願(第1番)の高野山東京別院では専用の集印帳を頒布されています。
この集印帳は白地ですが差し替え方式もとれるため、現在はこの専用集印帳の使用が奨励されている模様です。

また、筆者は専用集印帳以外では御朱印を授与しないという掲示をされている札所も確認しています。(現況は不明)

多くの札所では汎用御朱印帳でも快く授与いただけますが、御朱印コンプリートを目指す向きは専用集印帳使用がベターかと思います。

札所一覧は→こちら(ニッポンの霊場様)、札所位置図については→こちら(第76番蓮華山金剛院様公式Web)に掲載があります。

筆者にて札番重複札所がふたつ(第13番、第19番)あることは確認しており、いずれも御朱印を拝受できます。
掛所、番外、特別札所はないので、コンプリートは90箇寺(札所)ということになります。

順路は、札番がエリアを越えて飛んでいるので順打ち、逆打ちともに効率が悪くなります。
発願(第1番)の高野山東京別院(港区高輪)、結願(第88番)の遍照山 文殊院(杉並区和泉)はおさえるとしても、その他の札所はアクセスを考えてランダムに回ってもいいかもしれません。

駐車場がない札所や狭い路地奥の札所もありますので、車での巡拝はおすすめしません。
多くの札所は鉄道駅から徒歩圏内で、東京メトロ駅利用も多いので「東京メトロ24時間券」が威力を発揮します。

日本橋、六本木、赤坂、四ッ谷など都心のお寺をはじめ、谷根千、高田、沼袋や烏山など都内有数の寺町も外さずに回る、エリア的にも変化に富んだ巡礼が味わえます。
ただし、荒綾霊場、南葛霊場、荒川辺霊場などがある下町エリアの札所は少なくなっており、どちらかというと都心~山の手寄りの霊場といえます。

宗派は禅宗1箇寺をのぞきすべて真言宗で、多くは新義真言宗(智山派、豊山派など)。
新義真言宗寺院が多い東京らしい弘法大師霊場といえましょう。

御朱印は多くが御寶印(札所本尊のお種子)で、札所本尊、弘法大師、興教大師が揮毫され、札所印も捺される華々しいものです。

 
【写真 上(左)】 霊場ガイド(メイツ出版)(以下『札所めぐり』)
【写真 下(右)】 専用集印帳

専用集印帳は大判で紙質がよく筆の走りもよいようで、いただいた御朱印はどれも見応えがあります。
和綴じ様式なので参拝の順序にかかわらず、札番順に綴じ込むことができるのは大きな利点です。
なお、お納めは以前は300円でしたが、現在は500円に改定されているかもしれません。(札所によりまちまちのようです。)

都内の札所メインですが、御朱印対応時間は9:00~16:00が多く夕刻には件数を稼げません。
札所での拝所は札所本尊(多くは本堂の御本尊)と弘法大師尊像ないし大師堂の二箇所となり、各寺見どころも多いので、じっくりと時間をかけて回る霊場かと思います。

また、他の霊場との兼任札所も複数ありますが、御府内霊場については1参拝ひとつの拝受がベターかもしれません。
とくに豊島八十八箇所の御朱印と併せてお願いすることは、実質的な弘法大師霊場の掛け持ち巡拝となるので個人的には避けた方がベターかと思います。

【 いわゆる「難所」について 】
八十八もの札所を数える弘法大師霊場では、いわゆる「難所」といわれる札所がでてきます。
「難所」にはいくつかのパターンがあるかと思います。

1.物理的にアクセスしにくい札所
エリア外に離れている札所。この霊場でも東京都日野市、神奈川県秦野市の札所があり、半日~1日がかりの巡拝となります。

2.ご不在気味の札所
ご多忙でご不在が多く、書置御朱印もご用意されていない札所があります。
とくに御府内霊場の場合、小規模な寺院札所も多く書置御朱印をご用意されていてもどなたもいらっしゃらない(ベルを押しても応答がない)という局面がかなりあります。
ご不在の場合、出直し参拝となるので、この場合は事前に電話で確認のうえお伺いした方がいいかもしれません。

3.いわゆる「塩対応」の札所
御府内八十八ヶ所は人気の御朱印スポットに立地する札所も多く、一時期御朱印拝受希望者が殺到したことがありました。
本堂にお参りもせず、いきなり御朱印所に向かう人も少なくなく、勤行が前提となる弘法大師霊場の札所として「御朱印ブーム」に疑問を抱かれたお寺様も少なくないのでは。

こういった経緯を受けてか、拝受希望者に納経や読経を促されたり、状況によっては参拝方法についてご指導をなされるお寺様もあるかと思います。
霊場札所としては自然なご対応だとは思いますが、慣れない人には「敷居が高い」「塩対応」などと感じられてしまうことはあるかもしれません。

そういう意味からすると、ある程度霊場巡拝に慣れた方向けの霊場ともいえ、メジャー寺院が多い「江戸三十三観音霊場」などで巡拝経験を積んだうえでトライするのがベターかもしれません。

筆者は二巡+αし、専用集印帳と汎用御朱印帳にいただいておりますので、両方ご紹介します。
ただし上記のとおり、現在汎用御朱印帳での拝受がむずかしい札所もあるかもしれません。


以前UPした「伊豆八十八ヶ所霊場の御朱印」と同様、フルバージョンで時間をかけてUPしていきます。


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2023-05-14 UP

続編を書き進めたいのですが、御府内についてまとめた『御府内風土記』は明治5年に火災で焼失。
御府内の寺社の由緒・沿革は、『新編武蔵風土記稿』を使える都下や下町よりもたどりにくくなっています。

目下、『御府内風土記』の編纂史料『寺社書上』と格闘中です。
しばらくお待ちくださいませ。

それにしても、江戸の先人の記稿(というか記録全般)に対する執念はものすごいものがあります。
何百年でも残そうという気迫が感じられます。
これを自宅のPCで閲覧できるとは、すごい時代になったものです。

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2023/05/26 UP

御府内霊場の記録を当たっていたところ『御府内八十八ケ所道しるべ』という文献にたどり着きました。
これは、御府内霊場の札所ガイドのような内容で、しかも、国立国会図書館によりWeb公開されています。

御府内八十八ケ所道しるべ 天( 国立国会図書館DC)
御府内八十八ケ所道しるべ 地( 国立国会図書館DC)
御府内八十八ケ所道しるべ 人( 国立国会図書館DC)

Wikipediaによると、神仏分離は「明治新政府により出された神仏判然令(慶応4年3月13日から明治元年10月18日までに出された、太政官布告・神祇官事務局達・太政官達など一連の通達[2]の総称)に基づき、全国的に公的に行われたものを指す。」とあります。
これを受けた廃寺の動きは明治初期に目立ったとみられています。

一方、『御府内八十八ケ所道しるべ』は慶応元年(1865年)序、明治二年(1869年)跋で、後半は神仏分離のさなかに編纂されたとみられます。

御府内霊場の札所は江戸期を通じて比較的変動が少なく安定しているのですが、この神仏分離の時期に複数の札所の異動がみられます。
『御府内八十八ケ所道しるべ』は神仏分離前の慶応元年序なので、神仏分離を受けて廃寺となった札所が記載された、たいへん貴重な記録となっています。

御府内に真言宗寺院はさほど多くなく、ほとんどの寺院が札所となっています。
天下の御府内の弘法大師霊場のご開創となれば、多くの真言宗寺院が諸手を挙げて参画したのかもしれません。

『御府内八十八ケ所道しるべ』によって明治初期時点での札所が確定できるので、憶測が少なくなると思います。
これまで書いた記事は当面そのままとし、今後の記事は『御府内八十八ケ所道しるべ』を参照したいと思います。
(『御府内寺社備考』(御府内備考第147巻)もゲットしたので、こちらもあわせて参照します。)

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『御府内八十八ケ所道しるべ』『寺社書上』と江戸八十八ヶ所霊場のデータを一覧形式にしたリストをつくってみました。

『寺社書上』は120巻もあって、88の札所をその中から探し出さなければならないので悪戦苦闘でした。
たとえば、第31番の牛込多聞院の記事はこんな感じです。(33巻34頁)
これで史料原典に直リンクする体制はできたのですが、果たして毛筆の達筆すぎる原文が読解できるかどうか・・・(笑)



このリストから、
・江戸八十八ヶ所霊場は、御府内霊場の前身または異称であった可能性がある。
・江戸時代の御府内霊場では神社が札所(内の拝所)として定められていた可能性がある。
・江戸時代は比較的札所は安定し、明治初期の神仏分離の流れを受けて複数の札所が異動した。
・明治以降の寺院の郊外移転の動きを受けて、札所も郊外に移動したケースがある。
・中野、幡ヶ谷、石神井、谷原など府外立地でも当初から御府内霊場札所となっていた寺院がある。
などが推定されます。

ともあれ、記事UPを再開します。


Vol.-1Bへつづきます。



【 BGM 】
■ 夢の大地 - Kalafina


■ 桜 - 中村舞子


■ 栞 - 天野月 feat.YURiCa/花たん
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