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■ 総社鉱泉 「せせらぎの湯」

※ この施設はWeb上で休業、ないし閉館の情報が多数みつかります。
現況については確認しておらず不明です。(2021年1月現在)
営業データは入湯時(2003年1月)のものです。




総社鉱泉 「せせらぎの湯」
住 所 :群馬県前橋市総社町植野985-2
電 話 :027-253-1126
時 間 :11:00~21:00 / 随時変更あり、時間要問合せ
定休日 :毎週金曜
料 金 :700円(以前は500円)

休廃業の可能性もありますが、以前の情報や雰囲気を記録するため極力以前のレポの内容を手を加えずに残しています。
入湯は2003年1月で、レポは2003年1月27日。2005年11月08日に加筆したものに今回2021年1月に加筆および画像を追加しました。

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大正14年(1925年)開湯の歴史ある鉱泉宿。
現在は日帰り温泉としても積極的に営業しています。
鉱泉につき、とくに開店時間は変動があるようで、事前の電話確認必須かと・・・。

JR上越線「群馬総社」駅前から細い路地を東に入り、住宅地を300mほど走ると唯一?の看板があり、その先に小さな駐車場があります。



【写真 上(左)】 駐車場
【写真 下(右)】 アプローチ

日帰り温泉ガイドにはけっこう載っていたりしますが、異常にわかりにくいアプローチなのでたどりつけない人もいるかも。
駐車場から宿までのアクセスもサインは出ているもののわかりにくく、途中の小さな橋を渡ると看板があって、その先にようやく見えてきます。


【写真 上(左)】 橋を渡ります
【写真 下(右)】 成分の出た河床

橋から見下ろす午王頭川の河床は、ところどころ鉄分で赤茶けていて期待が高まります。まわりは住宅地なのにここだけ異空間。一気に秘湯モードに突入です。



【写真 上(左)】 見えてきました
【写真 下(右)】 エントランス

外観はかなりの鄙び系、雀荘の看板も出ていて、これはB級ワールド炸裂か!? とさらに期待(笑)が高まります。
エントランス脇のサイン「総社温泉センター せせらぎの湯」が正式名称かもしれません。



【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 館内

B級ワールド覚悟で突入すると、館内は意外にきれい。
小物の粋なあしらいなど、大正時代からつづく老舗の矜持のようなものさえ感じられます。



【写真 上(左)】 館内のあしらい
【写真 下(右)】 掲示板

掲示板に掲げられていた「鑛泉旅館 総社鑛泉」の暖簾もいい味を出しています。



【写真 上(左)】 注意書き
【写真 下(右)】 適応症

せまい廊下を渡った奥に午王頭川沿いにある男女別の浴室。これがまた渋い。
木格子の脱衣棚に籐かごのお約束の展開。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 日差しの差し込む浴室

扉を開けると板張りの壁、鉄平石の内床の浴室。
午王頭川に面した広い窓から、冬のやわらかな陽射しがさし込んでいます。



【写真 上(左)】 浴室からの景色
【写真 下(右)】 洗い場

カラン6、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。
土曜の12時で贅沢にも独占でした。



【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 浴槽まわりの析出

浴槽は石枠鉄平石貼り4-5人の趣あるもので、鉄分と石灰華の析出で赤茶に染まった湯船まわりがさらに雰囲気を盛り上げています。
樹脂製の天井が唯一の難点か?



【写真 上(左)】 湯口まわり
【写真 下(右)】 湯口

白い石膏系の析出が出た竹の湯口からおそらく加温した源泉を7L/minほど投入で、槽内注排湯は見あたらず、少量オーバーフローは加温かけ流しメインでは。

やや熱めのお湯は、緑がかった黄褐色ににごった(透明度40㎝)深みのあるいい湯色。
無味で粉っぽい鉄泉臭は、伊勢崎の五色温泉を薄くしたようなイメージ。



【写真 上(左)】 湯口&湯色
【写真 下(右)】 分析書

濃度感はさほどないものの、よく温まりさらさらとした浴後感が出るなかなかにいいお湯です。
泉質名は不明ですが、温泉分析書の温泉名に「総社温泉 せせらぎの湯」とあるので、分析書記載外の成分、たとえばメタけい酸、メタほう酸などで温泉規定に適合しているかもしれません。
(鉄分(Fe^2+=3.7mg/kg)では温泉規定には乗りません。)
〔関連記事〕
温泉分析書の見方の補足編
療養泉と規定泉

泉質云々よりも、浴室の雰囲気とあわせてじっくり味わうお湯のような気がします。
北関東にはこのような味わいぶかい一軒宿がたくさんありましたが、近年かなりの宿が休廃業となっています。
このお宿も休廃業だとしたら、残念ながらまたひとつ古きよき一軒宿が姿を消してしまったことになります。

〔 温泉名:総社温泉 せせらぎの湯 〕
泉質不明 泉温・pH・湧出量・成分総計不明、Na^+=11.8mg/kg、Ca^2+=33.6、Fe^2+=3.7、Cl^-=18.7、SO_4^2-=80.0、HCO_3^-=64.7、陽イオン計=60.73、陰イオン計=163.46 <分析日不明>

〔 2003年1月入湯、2003/01/27レポに加筆(最新UP2021/01/23) 〕


E139.2.26.370N36.24.51.700

【 BGM 】
■ I.G.Y. - Donald Fagen
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■ 沼田岡谷温泉 「かねまんやすらぎセンター」

あけましておめでとうございます。
今年もスローペースながら、UPをつづけていきたいと思います。
久しぶりの温泉レポです。

 

沼田岡谷温泉 「かねまんやすらぎセンター」
住 所 :群馬県沼田市岡谷町1677-1
電 話 :0278-24-5956
時 間 :11:00~21:00 毎月1・15日定休
料 金 :600円(2時間)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (ぐるたび)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (奥利根湯けむり街道Web)
紹介ページ (湯まっぷ(求人ジャーナル社))
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

おかやおんせん? かねまん?? たいていの方は?マークがついてしまうと思われるこの温泉は、群馬県沼田市の郊外にひっそりとあります。
ふつうに通りかかるような立地ではなく、入湯は遅れに遅れて2010年となりました。そこからまたしてもレポをさぼっていたので、ぜんぜん最新情報ではありません。
記録的な意味あいでお読みくださりませ。

沼田は城が築かれただけあって地勢が複雑で、利根川本流、片品川、薄根川の3つの川にかこまれた台地上にあります。
北側の薄根川に向け下っていった岡谷橋のたもとにこのお湯はあります。
アプローチは玉原高原に向かう県道266号上発地材木町線沿いですが、沼田ICからだと岡谷橋はショートカットして通らないので、観光客にとっては隠れ湯的な立地となります。

 
【写真 上(左)】 手づくり感あふれる案内サイン
【写真 下(右)】 サイン

敷地手前に看板はありますが、白壁の民家風の母屋には目立つ看板がかけられていないので、一見ではそれとわかりません。
温泉施設というよりは、併設している釣り堀の方が目立っています。
周囲の風景にとけこんだ衒いのないたたずまいは、なんとなくいわきあたりの鉱泉に似たものがあります。

 
【写真 上(左)】 釣り堀
【写真 下(右)】 入口

沼田周辺には日帰り温泉がいくつかあるので、わざわざここを狙っていく外来者はそうとうな好き者といえそう。
ただし日帰り対応は手慣れていたので、それなりに地元の利用客はいそうな感じです。

 
【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 浴場からの眺め

廊下のおく、手前が男湯、おくが女湯。こぢんまりとした浴室に、白タイル貼2人ほどのちいさな浴槽がひとつ。
窓はわりに大きく、開けると薄根川越しに玉原方面の展望があり、狭いながら閉塞感はありません。

 
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口とカラン

みかげ石の湯口からお湯を投入。これはだんだん熱くなっていったので、加温をつよめてくれたのかもしれません。
この湯口には「循環泉のため飲めません」との表示。
べつに壁から突き出たカランがあり、冷たい水が出ます。こちらには「源泉 飲めます」との表示。(湯口の上にはコップがおいてありました)
カランを回しきるとかなりの量の源泉が出ます。

 
【写真 上(左)】 源泉カラン
【写真 下(右)】 源泉カランを入れながらの入湯

かなり奮発して加温してくれたので、源泉を入れながらの湯浴みが楽しめました。(温泉マニアとみられたかも知れぬ。)

なぜか槽内吸湯は確認できませんでしたが、オーバーフローはなかったのでどこかで槽内排湯しているかと。
3.8L/minと湧出量は多くはないものの、浴槽は小さくテクニカルな湯づかいもあって、お湯の鮮度感は悪くありませんでした。

カラン2、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜13時で独占。

 
【写真 上(左)】 洗い場
【写真 下(右)】 湯色

ほぼ適温のお湯は、透明度50cmほどの緑茶色のうすにごりで、茶色のこまかな浮遊物がただよいます。

色味的には金気含みのイメージですが金気味臭はさほど感じず、むしろ苦っぽいような漢方薬的な湯の香とよわい芒硝味を感じます。
きしきし(ぎしぎし)が強そうな感じですが、意外にも明瞭なツルすべを感じます。
よわいとろみをまじえ肌に染みてくるようないかにも効きそうな湯ざわりは、予想外にインパクトのあるもの。
味臭もあいまって、これまたいわきあたりの鉱泉に近いものを感じました。

効能を実感できるようなこの手のお湯は固定客がつきやすいので、地味なお湯ながら地道に営業をつづけているのかも。
北毛ではめずらしい感じのお湯で、温泉マニアが湯めぐりのさなかにアクセントをつけるには最適かもしれません。

〔 源泉名:沼田岡谷温泉 天然イオンの湯 〕 <H17.12.16分析>
規定泉(メタけい酸)(Ca・Mg・Na-HCO3・SO4型) 13.2℃、pH=7.2、3.8L/min自然湧出、成分総計=0.26g/kg
Na^+=11.1mg/kg (22.03mval%)、Mg^2+=7.50 (28.09)、Ca^2+=18.0 (40.93)、Fe^2+=3.01
Cl^-=2.8、SO_4^2-=28.4 (26.88)、HCO_3^-=93.2 (69.28)
陽イオン計=42.9 (2.20mval)、陰イオン計=124 (2.20mval)、メタけい酸=83.7

<古い分析書 分析年月日不明>
規定泉(メタけい酸) 15℃、pH=7.25、7L/min自然湧出、蒸発残留物=0.1869g/kg
Na^+=11.2mg/kg、Mg^2+=6.84、Ca^2+=16.4、Fe^2+=8.00
Cl^-=7.4、SO_4^2-=27.0、HCO_3^-=73.7
メタけい酸=73.7

■ブランドグルメ
〔 沼田のだんご汁 〕
小麦粉を練って丸めただんごをダイコン、人参など地元産の野菜と一緒に煮込む沼田の郷土料理で、ここ数年でご当地グルメ的な人気が上がってきています。
味つけはお店によって多彩。だんごのもちもちとした食感が特長で、小麦文化圏、群馬らしいレシピといえましょう。

■御朱印
沼田は古い城下町で由緒ある寺院がたくさんあります。
今年は酉年なので、不動尊霊場の札所をご紹介します。
【海王山 善福寺 金剛院】
沼田市坊新田町1108 天台宗 御本尊:阿弥陀如来・不動明王

名族、沼田氏ゆかりの古刹で、比叡山延暦寺の直末寺院ながら成田山新勝寺より不動明王を勧請し、沼田成田不動尊として親しまれています。また、「寄席のお寺」としても有名なようです。
北関東三十六不動尊霊場第二番札所で、快く揮毫の御朱印を授与いただきました。
札所本尊の成田不動尊の揮毫、中央に御宝印、左下に院号と寺印、そして右上には北関東三十六不動尊霊場第二番札所の札所印が捺されています。


※現在、HDD不調につきお寺の写真が取り出せません(泣)

〔 2017/01/08UP (2010/01入湯)) 〕


E139.3.57.250N36.39.23.340

【 BGM 】


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■ 片品土出温泉(市山の湯) 「尾瀬岩鞍リゾートホテル」

  

片品土出温泉(市山の湯) 「尾瀬岩鞍リゾートホテル」
住 所 :群馬県利根郡片品村土出2609
電 話 :0278-58-7131
時 間 :12:00~16:00(要事前確認)
料 金 :600円
オフィシャルHP
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況、時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

上級者に人気の高いホワイトワールド尾瀬岩鞍(旧尾瀬岩鞍スキー場)のベースにある36室のリゾートホテル。
「市山の湯」という自家源泉?をつかい、日帰り入浴も受け付けています。
なお、岩鞍のあたりは”土出(つちいで)”という地名で、温泉地名は土出温泉とされることもあります。(→ 戸倉・片品エリアの源泉

 
【写真 上(左)】 ホワイトワールド尾瀬岩鞍
【写真 下(右)】 ロビー

 
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 男湯入口

洋風の瀟洒なホテルで、館内おくまったところ、右手に「浮島」(男湯)、左手に「水ばしょう」(女湯)。
脱衣所はゆったりで使い勝手よし。
浴場は天井低めで窓がちいさく、やや圧迫感があってこもり気味。
手前に洗い場がセパレートされているのは機能的で使いやすいです。サウナも備え付けています。

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 サウナ

カラン12、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜14時で男女湯とも独占でした。

 
【写真 上(左)】 浴槽(左が温泉槽、右が水風呂)
【写真 下(右)】 湯口(左が温泉槽、右が水風呂)

湯口をはさんで左手に温泉槽(石枠タイル貼10人程度、やや熱~適温)、右手に水風呂(同4-5人)がとなり合っています。
白い湯の花が盛大に出た石の湯口から階段上に落とし込み、途中で分岐させて左手温泉槽サイドに大量投入、水風呂には少量の投入。
湯口のおくには3本のパイプがあり、熱湯槽側の左手のは熱湯、水風呂槽側の右手のは水、中央のはややぬる湯で、これはお湯の感じからして非加温源泉とみました。

 
【写真 上(左)】 温泉槽
【写真 下(右)】 水風呂

 
【写真 上(左)】 大もとの湯口
【写真 下(右)】 温泉槽の湯口

温泉槽にはメイン湯口のほかに底面熱湯注入があり、底面吸湯&切欠から排湯口への上面排湯。
水風呂は、メイン湯口のほかに、赤茶に色づいた石の専用投入口から水を相当量投入で、切欠から排湯口への上面排湯。
水風呂は↑のとおり、メイン湯口から少量ながらお湯を投入しているのでさほど冷たくありません。

 
【写真 上(左)】 水風呂の専用投入口
【写真 下(右)】 水風呂の色

お湯はほぼ無色透明で、白~クリーム色の湯の花がただよい、とくに水風呂で大量。湯の花は湯口まわりにも出ています。浴場入口には、「浴槽内の沈殿物は、地下から湧出した温泉の”湯の花”です。」という掲示も。

たまご味+微甘味+微苦味+微重曹味に、湯口ではかなり明瞭な甘イオウ臭をただよわせ、水風呂ではこの甘イオウ臭が湯面でも香ります。

 
【写真 上(左)】 盛大に舞うイオウ系の湯の花
【写真 下(右)】 湯口にも白い湯の花

温泉槽は循環と思われますが予想以上にコンディションよく、水風呂はほとんどかけ流しかと思われるほどの仕上がり。
掲示泉質は「アルカリ性単純硫横(?)温泉」、硫黄系成分は掲示されていませんでしたが、かなりの量を含んでいるのでは?
片品村の源泉のなかでもキャラが立った一湯ではないでしょうか。

〔 源泉名:片品温泉 市山の湯 〕
アルカリ性単純硫横(ママ)温泉 41.7℃、pH=9.18、湧出量不明、成分総計=0.35g/kg
Na^+=79.2mg/kg、Fe^2+=0.02、F^-=5.4、Cl^-=50.4、HS^-=記載なし、SO_4^2-=29.2、HCO_3^-=42.8、CO_3^2-=29.8、陽イオン計=84.0、陰イオン計=162、メタけい酸=98.4、メタほう酸=5.1、硫化水素=0.0 <H14.3.4分析>

<温泉利用掲示>
加水:あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤・紫外線装置使用:あり

■ブランドグルメ
〔 大白大豆 〕(おおじろだいず)
かつて、片品村の特産品として東京方面で高値で取引されていたという地場の大豆。
「おもに煮豆用だったが、味噌、醤油、納豆、豆腐用にもつかわれ、豆腐にすると甘味とこくのあるのが特徴」とのこと。
地元の(有)尾瀬ドーフによって納豆などの加工品が製造・販売されています。
(「故郷に残したい食材」((社)農山漁村文化協会)HPなどを参考。)

〔 2016/01/11UP (2007/11入湯) 〕


E139.13.18.395N36.48.40.109

【 BGM 】
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■ 鹿沢温泉 「紅葉館」

 

鹿沢温泉 「紅葉館」
住 所 :群馬県吾妻郡嬬恋村田代681
電 話 :0279-98-0421
時 間 :10:00~16:00(休業日有。奨事前確認) / 不定休(蕎麦処は火休)
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (温泉みしゅらん)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。
※ 写真説明で(2003)は2003年11月撮影、表示ないものは2015年8月撮影です。

祢津山の湯、加沢湯とも呼ばれ、元禄年間からの歴史をもつ上州・吾妻の名湯。
かつては外湯もあって湯治場として賑わったようですが大正七年の大火でほとんどが消失し、いまは「紅葉館」のみの一軒宿(「日本秘湯を守る会」会員宿)となっています。
(下の新鹿沢温泉には、旧鹿沢温泉から移った多くの宿があります。鹿沢温泉・新鹿沢温泉については、別途「温泉地巡り」にてまとめたいと思います。)

 
【写真 上(左)】 丁石百体観音(百番)
【写真 下(右)】 旧鹿沢温泉絵図

かつては信州側からの湯治客が多く、信州の滋野から地蔵峠を越える道端に観音像がおかれ、紅葉館でちょうど百番を数えます。
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丁石百体観音像 (現地案内板等より)
長野県東御市新張から地蔵峠を越えて、嬬恋村田代の鹿沢温泉までの道沿いに、江戸時代から明治にかけて一丁(約109m)おきに百体の石造観音仏が建てられ、「丁石百体観音」と呼ばれています。
「紅葉館」脇に建てられた「千手観音像」は、百番目の観音像で、発願人は地元の樽原所右衛門と依田角平とあり、伊那高遠の石工 中山暉雲によって明治2年に造られました。東御市新張の一番観音と並び優れた出来映えのものとして知られているそうです。

「鹿(か)沢の湯泉は、大変体を丈夫にするということで、昔から多くの人々の湯治場(体の悪い所をなおす湯)となっていました。この峠越えの険しい山道「湯道」を観音様を拝みながらそのお力にすがり、さらにお湯に入って体を丈夫にしようとしてつくられたものです。」(東御市公式Webより)

 
【写真 上(左)】 雪山讃歌の歌碑
【写真 下(右)】 雪山讃歌発祥の説明板

ふるくから湯ノ丸山、篭ノ登山などの登山基地としても有名で、「雪山讃歌」誕生の地ともいわれています。
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1926年(大正15年)(1927年とも)1月、京都帝國大学山岳部の精鋭たちと鹿沢温泉に来ていた西堀榮三郎氏(のち第一次南極観測越冬隊隊長)が、雪で足留めを食らった際に、退屈まぎれに仲間たちと「山岳部の歌」を作ろうということになった。
当時山岳部で愛唱されていたアメリカ西部開拓時代発祥の民謡『いとしのクレメンタイン』(原題:Oh My Darling Clementine )のメロディーに歌詞をつけるかたちで、この雪山讃歌が誕生した。(現地案内板等より)

雪山讃歌(歌詞碑より)
 西堀榮三郎 作詞

  雪よ岩よ われらが宿り
  俺たちゃ 町には
  住めない からに

  山よさよなら
  ごきげん よろしゅう
  また来る時には
  笑って おくれ
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ここは2003年秋に一度入ったきりでしたが、2015年夏に再訪したので、あわせてまとめました。

鹿沢温泉へのアクセスは、鉄道だとJR吾妻線「万座・鹿沢口」駅からタクシー。
東京方面からの車アクセスは2ルートあります、
1.上信越自動車道・小諸ICか東部湯の丸ICで降り、浅間サンライン&県道94号東御嬬恋線経由で湯の丸方面へ。地蔵峠(1732m)から約3km。
2.R144(R406)長野街道、田代から県道東御嬬恋線で地蔵峠方面へ6km。
長野街道は八ッ場ダム関連工事による付け替えですこぶる道がよくなりましたが、これも草津登り口の大津交差点まで。大津から田代までは既成道路でさりげに距離もあるので、登り口そばまで高速でアクセスできる1の方が楽です。
ともに冬場も利用可ですが、県道東御嬬恋線は南面の信州側では雪が少なくても、地蔵峠を越えて北斜面に入ると俄然積雪が多くなるので要注意。どちらもチェーン必携です。

 
【写真 上(左)】 サイン
【写真 下(右)】 峠側からの外観.

田代側からアプローチすると、まず新鹿沢温泉、つぎに休暇村、そこからひとしきりのぼったところに、(旧)鹿沢温泉「紅葉館」があります。
ここは湯ノ丸山(2101m)の山腹、標高1500mの高所で、あたりの林相もそれにふさわしく高山の気を帯びて、昭和43年に国民保養温泉地に指定されています。
いったいに上信国境は、上州側の地形が険しいのが常ですが、このあたりはキャベツ畑が広がる開豁な高原風景で、険しい風景を見せぬままに針葉樹林へと移っていきます。

 
【写真 上(左)】 かつての外観(2003)
【写真 上(左)】 かつてのエントランス(2003)

 
【写真 上(左)】 玄関(2003)
【写真 下(右)】 ロビー(2003)

 
【写真 上(左)】 年季入った浴場棟の外観(2003)
【写真 下(右)】 浴場への階段(2003)

〔2003年〕
玄関は県道沿いですが、館内は別世界。
磨き抜かれて光沢を放つ重厚な調度類、ぎしぎしと音をたてる狭い廊下、木枠のガラス窓など、いずれ湯宿の風情にあふれています。
階段を下っていく浴場へのアプローチや共同浴場のような渋いたたずまいの脱衣所も好ましげで、なにもかもがお湯への期待を高めてくれます。

 
【写真 上(左)】 本館のエントランス
【写真 下(右)】 浴場棟

〔2015年〕
2013年にリニューアルされ、和シックな建物に生まれ変わっています。
メインエントランスは建物裏手の湯尻川側にまわりこんだところですが、日帰り入浴の受付は、手前の蕎麦処「上州 喜庵 雨過山坊」になります。
蕎麦との入浴セット(1,100円)もあり、この日はそれを頼みました。手打ちの蕎麦は適度にコシがあってなかなかのもの。とくに甘さを抑えた濃いめのつゆが印象に残りました。
この蕎麦処から座敷を抜けて階段を降りると浴場です。

 
【写真 上(左)】 日帰り入口
【写真 下(右)】 蕎麦

浴場やお湯の感じは、以前とさして変わりはないのでここから共通レポとします。

 
【写真 上(左)】 浴場への階段
【写真 下(右)】 浴場入口

 
【写真 上(左)】 扁額(2003)
【写真 下(右)】 脱衣所

「雲井乃湯」の扁額が掲げられた浴場は男女別。右が女湯で左が男湯。
窓は小さく場内暗めの浴室ですが、それがかえって風情を高めています。

 
【写真 上(左)】 男湯浴室
【写真 下(右)】 女湯

湯船の正面、湯口の上にはファイヤーダンスのレリーフが刻まれてどこかレトロな雰囲気も。
こういう味わいは、一朝一夕でつくりだせるものではありません。

 
【写真 上(左)】 レリーフ
【写真 下(右)】 レリーフ(2003)

湯船と打たせ湯というシンプルな構成。
湯船は木造り5~6人の年季入りまくりで、湯船のふちは黄土色の石灰華で彩られ、たっぷりふかめで入りごこちがいいもの。

 
【写真 上(左)】 浴槽から洗い場
【写真 下(右)】 壁面の析出

洗い場まわりの壁面も黄土色の石灰華でおおわれています。
総木貼りの内床は、潤沢にあふれたお湯を受けて濡れていてツルっとすべりやすく要注意。

 
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 浴槽(2003)

 
【写真 上(左)】 浴槽案内図(2003)
【写真 下(右)】 窓側から浴槽

カランはなく、打たせ湯からお湯を汲みます。
打たせ湯のお湯は「龍宮の湯」といい、湯船とは別源泉(35℃)。これはときどき止まります。
その右横には冷水槽がありきりりと冷たい水(湧水、6.2℃)が注がれています。これは掲示(2003年)によると「湯の丸に、50年以前に降った『天水』」とのこと。

 
【写真 上(左)】 打たせ湯と冷水槽
【写真 下(右)】 打たせ湯(2003)

岩からつき出た金属パイプから20L/min程度のやや熱めの源泉を投入で、槽内注排湯はなく、湯船のふちから静かにあふれ出る文句なしの源泉かけ流し。
(浴場入口の天然温泉利用証も全項目で”適正”)

 
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯口(2003)

 
【写真 上(左)】 オーバーフロー
【写真 下(右)】 オーバーフロー(2003)

カランなし、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。
土曜14時で独占~3人(2003年)。土曜14時で2人~独占(2015年)

ほぼ適温のお湯は、青みがかったうす茶褐色ささにごりの深みある色味。光線の加減により複雑に変化します。
重炭酸土類泉特有の旨味+金気だし味+微苦味によわい重曹味をまじえます。
金気臭+コゲ臭+ミシン油臭にドクダミを思わせる特異な湯の香がまじり、味臭ともにすこぶるデリケートなもの。

 
【写真 上(左)】 女湯の湯色
【写真 下(右)】 湯色(2003)

とろみのあるお湯はよわい土類系のぎしぎしをまじえ、肌に染み込んでくるような絶妙な浴感があります。
よくあたたまり、浴後は肌に張りがでて、こげ温泉臭の残り香かおるすばらしいお湯で、浴感が複雑なので入り飽きせず、冷たい冷水であたたまりを散らすことができるのでいくらでも入れそう。
浴後はすっきりと爽快感につつまれます。
立地的に硫酸塩が卓越しそうですが、硫酸塩はほとんど含まず、重炭酸土類泉になっているところがこのお湯の個性だと思います。


【写真 上(左)】 綺麗な湯色です(2003)
【写真 下(右)】 天然温泉利用証(2003)

打たせ湯は湯船より金気がよわく、よわい芒硝重曹味を感じ、あきらかにちがう源泉だと思います。(雲井の湯(湯船の源泉)より成分はうすめだと思う。)

 
【写真 上(左)】 泉源?
【写真 下(右)】 泉源かも?

風情ある浴場とふかみのあるお湯が見事に調和した屈指の名湯で、とくに温泉好きは虜になる可能性大では。
手入れはたいへんかと思いますが、このような素晴らしい浴場をいつまでも大切にしてほしいと思いました。

〔 源泉名:雲井の湯(県有泉) 〕 <H19.10.22分析>
Mg・Na-炭酸水素塩温泉 47.5℃、pH=6.8、湧出量測定せず(自然湧出)*、成分総計=1.48g/kg
Na^+=136mg/kg (38.99mval%)、Mg^2+=76.1 (41.24)、Ca^2+=57.2 (18.83)、Fe^2+=1.15、Cl^-=35.2 (6.81)、HCO_3^-=828 (93.07)
陽イオン計=274 (15.2mval)、陰イオン計=864 (14.6mval)、メタけい酸=238、メタほう酸=3.7、遊離炭酸=98.8
*) (社)日本温泉協会「温泉利用証」によると、61L/min自然湧出、引湯方法は「源泉地」

〔 源泉名:雲井の湯 〕 <H9.10.31分析>
Mg・Na-炭酸水素塩泉 44.5℃、pH=7.0、37L/min自然湧出、成分総計=1.39g/kg
Na^+=127mg/kg (39.21mval%)、Mg^2+=69.8 (40.74)、Ca^2+=53.7 (18.99)、Fe^2+=1.62
Cl^-=35.6 (7.18)、HCO_3^-=790 (92.47)
陽イオン計=256 (14.1mval)、陰イオン計=827 (14.0mval)、メタけい酸=226、メタほう酸=6.0、遊離炭酸=79.7

<温泉利用掲示> ((社)日本温泉協会「温泉利用証」による)
加水:なし 加温:なし 循環装置使用:なし/完全放流式 消毒:なし

一郷一会100名湯

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。

〔 2015/09/27内容補強のうえUP (2003/11・2015/08入湯) 〕


E138.25.20.510N36.26.32.329

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■ 草津温泉 (わたの湯) 「草津白根マウンテンビューロッジ」

 

草津温泉 (わたの湯)「草津白根マウンテンビューロッジ」
住 所 :群馬県吾妻群草津町草津464-887
電 話 : 0279-88-8893
時 間 :要事前確認、冬季クローズ
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

●使用画像は、年号記載ないものは2015年撮影です。

草津の数ある源泉のなかでも、とくにイオウ気がつよくて湯の花が多く、湯ざわりがやわらかいといわれる「わたの湯」源泉。
この源泉は、共同浴場で使われておらず、引湯しているお宿も少ないのでなかなか入れる機会がありません。
温泉好きのあいだでは「わたの湯」使用の宿として、「ペンションはぎわら」が知られています。また、草津ホテル別館でも使用され、ずばり「綿の湯」とネーミングされています。
スパリゾート「テルメテルメ」(中沢ヴィレッジ)の”時間湯”でも使用され、以前レポした「ルーバン山田」でも「万代鉱」との混合ながら「わたの湯」使用。
また、2010年7月にオープンした人気宿「季の庭/木の葉」でもこの源泉を使用しています。

このうち、日帰りで入浴できるのは「テルメテルメ」(時間湯)ですが、これは時間限定、草津ホテル別館「綿の湯」も日帰りできた時期があったようですが、2015年春時点の電話確認では現在日帰り対応はしていないとのこと。「ルーバン山田」は日帰り要問合せでタイミングがむずかしいのと、「季の庭/木の葉」では値段の張る予約制の日帰りプランのみとなっています。

このように日帰り難易度の高い「わたの湯」ですが、思わぬところに日帰り受入れをしているお宿があります。
草津中心街の南側の高台にある草津白根別荘地内の「草津白根マウンテンビューロッジ」です。
ここは2007年11月に宿泊していますが、うかつにもメモを紛失したため未レポのままでした。今回日帰りで入湯したのでまとめてレポします。

 
【写真 上(左)】 源泉閣
【写真 下(右)】 わたの湯の泉源

<わたの湯について>
わたの湯の泉源は湯畑の山側にある飲食処、「源泉閣 桔梗亭」にあって、草津温泉配湯㈱により配湯されています。
草津温泉配湯㈱の公式Webには、「源泉閣 桔梗亭」の他、「草津白根マウンテンビューロッジ」も掲載され、当社直営ないし関連施設の可能性があります。
また、草津白根別荘地も紹介され、ここにも「わたの湯」が引湯されています。

 
【写真 上(左)】 湯畑から。左から、わたの湯(源泉閣)、白旗源泉、御座の湯、白旗の湯、熱の湯
【写真 下(右)】 源泉閣、白旗源泉、御座の湯

当Webには「わたの湯」について丁寧な説明がありますので一部引用します。
「湯畑の目の前、『源泉閣』の地下から自噴する源泉です。湯の花が付き、硫黄泉で強酸性にもかかわらず、肌には優しく、ソフトでまるで真綿に包まれている様に湯心地まろやかということから『わたの湯』と名付けられています。」
また、孫引きですが、「草津温泉誌」には、「『わたの湯』は湯質が知らかであったので、よはき人、ひへしょうの人、心ながく入ば、げんきをます也、子なき女はくわいたひするなりといわれた。」「湯が和かいので、はじめて草津の湯に入りにきた人には宿ですすめたり、『熱の湯』などのように荒い湯に入った後でゆっくり入ったりした。」などの記載があるようで、古より、「やさしい湯質の源泉」として定評があったようです。

草津町資料(PDF)によると、江戸期に「草津五湯」と称されたのは「御座の湯」「瀧の湯」「鷲の湯」「綿の湯」「かっけの湯」で、「綿の湯」もしっかりとその座を占めています。
同資料によると「明和2(1765)年3月に普請、天明2(1782)年に浴槽を新たに造る(よろづのかきかた)温泉誌①p704 上州草津真景図(明治42年版1909)には記載 大正3年版には記載なし。「大正のはじめ頃に取り除かれてしまった」『草津温泉誌①』p704」とあります。

文化14(1817)年の「温泉角力・上州草津温泉図」、安政6(1859)年の「上州草津温泉之全図」(歌川芳虎 山田屋庄次郎板)ともに、湯畑の南東角に「わたの湯/ワタノゆ」その西側に並んで「かつけ湯/カツケのゆ」、その西に「ねツの湯/子ツノゆ」、光泉寺(薬師堂)参道(温泉宮/現在の湯善堂?)脇に「御ざの湯/ゴザノゆ」の文字が確認できます。
江戸後期刊の「上州草津温泉の図」でもほぼ同じ位置関係です。

 
【写真 上(左)】 奥が源泉閣、手前が白旗源泉
【写真 下(右)】 光泉寺参道

「草津温泉誌 : 一名・入湯手引草(明治21年8月刊)」(国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」)によると、「草津温泉場浴室(ユツボ)名称」として、以下の記載があります。
<西町> 「御蓙ノ湯」、「熱ノ湯」、「脚気ノ湯」、「眼ノ湯」
<東町> 「綿ノ湯」、「松ノ湯」、「瀧ノ湯」、「和志ノ湯」、「富ノ湯」、「煮川ノ湯」
<泉水> 「凪ノ湯」、「琴平ノ湯」
<地蔵> 「地蔵ノ湯」、「眼ノ湯」
<新田> 「玉ノ湯」
<湯ノ澤> 「新御座ノ湯」「籬ノ湯」

現在の「わたの湯泉源」(源泉閣敷地内)からすると、江戸期の図絵では「御ざの湯/ゴザノゆ」の位置の方が近いような気もしますが、いずれにしても、江戸後期~明治期にかけて、湯畑の南東側に「わたの湯」の浴舎があったことが裏付けられます。

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【写真 上(左)】 対面に「季の庭/木の葉」
【写真 下(右)】 外観 (2007)

前置きが長くなりました。
「草津白根マウンテンビューロッジ」は草津中心街の南側の高台にある、草津白根別荘地内にあります。
以前は外来者は通ることも希だったと思われるこの温泉別荘地に、2010年7月㈱共立メンテナンスがコンセプト湯宿「季の庭/木の葉」をオープンさせ、あたりの雰囲気が変わっています。
(「季の庭/木の葉」は当館の北側の高台にそびえ立つようにしてあります。(「木の葉」には宿泊していて、別途レポします。))

 
【写真 上(左)】 夏場の外観
【写真 下(右)】 サイン

2007年に泊まったときは白い外壁のやや無機質な建物(足場が組まれて外装工事中?)でしたが、2015年日帰り再訪時はアースカラーのウッディな外観に変貌を遂げています。
ちなみにここは冬季クローズのようです。

 
【写真 上(左)】 エントランス&ロビー
【写真 下(右)】 浴場入口

玄関先ロビーの右手がフロント。
廊下の奥、突き当たりが左手が女湯、手前右手が男湯だったかと思います。
浴場は男湯の方が広めです。

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 男湯 (2007)

ゆったりとした脱衣所に木製の脱衣棚。
2015年再訪時の壁面掲示には「草津湯畑源泉」(分析書は「わたの湯」)とあり、念のためフロントで確認したところ「わたの湯使用」とのことでした。

 
【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯 (2007)

林に囲まれた雰囲気のいい浴室に、伊豆石造りの大ぶりな扇形浴槽ひとつとシンプル。
内床も豪勢な伊豆石仕上げで、これは源泉の酸や硫黄に対抗するためのものだと思います。
天井高く、窓もあけられるのでこもりなく快適。

カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
平日12時で独占。

 
【写真 上(左)】 カラン
【写真 下(右)】 硫化したカラン (2007)

2007年は硫化して黒くなっていた混合カランが、2015年には真新しくなっていました。でも、いずれは硫化してふたたび真っ黒になってしまうのでしょう。

2007年は湯の花に彩られた伊豆石の湯口からの投入、2015年は湯口から伸びたパイプからの底面注入。
供給湯量は2007年の方が多い感じがしました。
わたの湯を大量に使用しているとみられる「季の庭/木の葉」のオープンは2010年なので、この影響で配湯量が減ったのかもしれません。
それでも充分なオーバーフローがあり、お湯の鮮度感はかなりのものがあります。

 
【写真 上(左)】 湯口 (2007)
【写真 下(右)】 湯口

お湯については2015年再訪時のみのレポとします。
適温~ややぬるのお湯は、うすく緑白色に濁ってクリーム色の湯の花がただよいます。
酸性泉らしい甘味混じりのレモネード味に、山のイオウ泉特有のラムネ臭+こげイオウ臭。
イオウ気は白旗ほどではないですが、草津の源泉のなかでは強い方だと思います。
山のクリアーな硫黄泉のイメージがあり、草津のなかでは奥日光や奥鬼怒に近いイメージがあるお湯かもしれません。

 
【写真 上(左)】 女湯の湯口 (2007)
【写真 下(右)】 潤沢なオーバーフロー

草津のお湯にしては当たりがやわらかく、酸性泉の肌が溶けるようなぬるぬる感よりも硫黄泉系のスルスルとした湯ざわりが卓越しているようなイメージがあります。
草津のお湯は、「万代鉱」にかぎらず多少なりとも追い立てられるような感じがありますが、ここのお湯はゆったり身を委ねられるような安心感があります。
なにより、鮮度感があるので入っていてきもちがいいです。
(最近、草津のお湯は源泉ごとの個性がうすくなったという声を時折きくことがありますが、このお湯ははっきりとした個性があると思います。)

 
【写真 上(左)】 綺麗な湯色 (2007)
【写真 下(右)】 クリーム色の湯の花 (2007)

上記のとおり日帰り難易度の高い「わたの湯」に手軽な料金で入れるこのお宿は貴重。
Pも広めだし、シャワーの出もいいので、共同湯巡りの〆に据えるのも面白いかもしれません。

〔 源泉名:草津温泉 わたの湯 〕 <H16.11.26分析>
酸性・含硫黄-Al-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 51.1℃、pH=2.1、湧出量:測定せず(自然湧出)、成分総計=1.67g/kg
Na^+=58.2mg/kg (10.47mval%)、Mg^2+=34.6 (11.78)、Ca^2+=75.1 (15.49)、Fe^2+=17.2、Al^3+=44.7 (44.7)、H^+=8.85 (36.28)
F^-=10.4、Cl^-=371 (41.20)、SO_4^2-=602 (49.32)、HSO_4^-=181
陽イオン計=265 (24.2mval)、陰イオン計=1164 (25.4mval)、メタけい酸=221、メタほう酸=9.2、硫酸=4.1、硫化水素=7.3

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり(厳冬期など) 循環:なし 塩素系薬剤使用:記載なし

〔 脱衣所掲示 〕
当館の温泉は湯畑に源泉があり、ポンプアップにより、当浴場へ引湯しております。
厳冬期など温泉の温度を一定に保つ為、蒸気ボイラーにより加温を行う場合があります。又、加水、循環は行っておりません。

<硫化水素(H_2S)の含有量(単位mg/kg)>
わたの湯(H3)13.6、煮川(H25)10、白旗(H25)7.7、わたの湯(H16)7.3、湯畑(H25)7.1/、地蔵(H25)6.9、西ノ河原(H25)0.6、万代鉱(H25) 0.0
埼北温泉愛好会 資料室よりデータを引用させていただきました。

H16分析では減っているものの、草津でも屈指の硫化水素含有量の多い源泉といえそうです。

〔 2015/06/12UP (2007/11・2015/06入湯) 〕


E138.36.33.885N36.36.58.658

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■ 尻焼温泉 (根広共有泉) 「バーデ六合」



尻焼温泉 (根広共有泉)「バーデ六合」
住 所 :群馬県吾妻郡中之条町大字入山1478-5 (旧 吾妻郡六合村)
電 話 :0279-95-5711  
時 間 :5~9月:10:00~20:00/10~4月:10:00~19:00/原則月休
料 金 :400円(プール利用の場合+100円)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (湯まっぷ(求人ジャーナル社))
紹介ページ (温泉みしゅらん)
紹介ページ (中之条町観光協会)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

中之条町六合(くに)エリア(旧 六合村)入山の山の中にある、診療所、介護老人保健施設、居宅介護支援事業所、地域包括支援センター、健康増進施設の集合施設「六合温泉医療センター」のなかにある日帰り温泉施設。
もともと六合村(現 中之条町)が設置した施設ですが、公益社団法人 地域医療振興協会が運営(指定管理)しています。
「六合温泉医療センター内にある中之条町健康増進施設を、公益社団法人 地域医療振興協会が、中之条町健康増進施設「バーデ六合」の設置及び管理に関する条例に基づき指定管理者として運営する施設」ということになりそうです。う~む堅い!(笑)
1988年~の「ふるさと創生資金」をベースに診療所を開設、さらに、助成金、補助金などを活用して複合施設になったようです。

 
【写真 上(左)】 春浅い六合
【写真 下(右)】 国道からの分岐点

群馬の日帰り温泉はほとんど入っていますが、ここは残り少ない1湯でした。
これまで尻焼温泉には幾度となくきていますが、そういえばセンター系なのに目にした記憶がありません。
花敷や尻焼温泉の方には行かず、野反湖方向へ道をとります。こちらが国道ですが、これより先にめぼしい集落はなく、通行量もほとんどありません。

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かつて、越後妻有から秋山郷に入り、魚野川を溯り地蔵峠(現 野反湖のそば)を越えて六合に至る道(草津街道)があり、相応の往来があったものとみられています。(同じルートの国道405号野反湖~秋山郷切明は現在不通区間)
また、草津温泉から六合小雨を通り、暮坂峠を越えて仕上げの湯、沢渡温泉へ向かうルートも頻繁に利用されていたとされるので、六合村は意外に交通の要衝だったのかもしれません。
また、六合は長野原の奥のイメージがあり、平成の大合併後、長野原町ではなく中之条町となったことになんとなく地理的な違和感がありますが、暮坂峠経由のつながりを考えると自然な成り行きだったのかも。
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【写真 上(左)】 分岐のサイン
【写真 下(右)】 巨大な施設群

トンネルをくぐった先、白砂川ダム(白砂大橋)の手前の道(サインあり)を右手に入ります。
まわりに人家のない山中ですが、道は立派で大規模施設の取付道路の雰囲気そのもの。
何回かカーブを切って登っていくと、いきなり眼前に一大公共施設群が出現。
手前が医療系の施設で、奥が「バーデ六合」です。
「バーデ六合」専用の入口には、建物のバックヤードのような場所を通ってのアプローチですが、サインが出ているので迷うことはありません。

 
【写真 上(左)】 駐車場からの案内サイン
【写真 下(右)】 アプローチ

どことなく無機質な、絵に描いたようなセンター系施設です。
入って正面が受付、奥が休憩スペース、手前左手が男湯、右手が女湯で、そのまんなかに温泉プールがあります。
プールは別料金でプラス100円のようです。

 
【写真 上(左)】 エントランス脇のサイン
【写真 下(右)】 プール

脱衣所も無機質でプールタイプの縦長ロッカーがずらり。
温泉好きはげんなりするような舞台建てが整いすぎていますが、脱衣場掲示の温泉利用掲示の「加水・加温・循環ろ過・消毒なし」に望みをつなぎます。

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 浴場

窓の広いあかるい浴室に4-5人ほどのベージュのタイル浴槽ひとつとシンプル。
露天はなく、「バーデ六合」というゴージャスなネーミングからするとやや期待ハズレ感を抱くお客もいるかもしれません。
天井は高くなく、きもちこもり気味ですが、窓側の扉が開き、ミニデッキ風の場所に出られるので、ここで涼むことができます。

 
【写真 上(左)】 カランも温泉
【写真 下(右)】 内床に出た石膏の析出

カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
おそらくカランも温泉使用だと思います。
日曜15時で独占~4人。入ったときは館内に人気がなかったので終始独占かと思いきや、あとから意外に来ました。(すべて地元の方のよう。)
尻焼温泉は観光客は川の露天が一手に引き受けてくれるし、温泉好きも京塚温泉や泉質に定評のある応徳温泉(道の駅)に向かうので、ここは外来客がすくなくなっているのでしょう。

 
【写真 上(左)】 シンプルな浴槽
【写真 下(右)】 湯口

茶色の塩ビパイプからやや熱めのお湯を静かに注入し、浴槽端の切欠からの上面排湯。
他に水とお湯のカランがあり、お湯は温泉だと思います。
内床のところどころに石膏系の析出が出ています。

やや熱めのお湯は澄み切って浮遊物はなく、湯中の指先が青白く発光しています。
よわい石膏味。おだやかな芒硝石膏臭が湯面でも香ります。
硫酸塩泉らしい、よわいとろみときしきしとした湯ざわりを備え、身体のすみずみにまで染み渡ってくるような、なんともいえない質感があります。

ゆっくりと湯船に身を沈めると、ふちからお湯があふれ出てさわさわと湯音をたてています。湯船はたっぷり深めで、きもちいいことこのうえありません。
よくあたたまりますがほてりはなく、熱の抜けも上品。
露天の湯小屋、「関晴館」「明星屋旅館」(廃業?)などのお湯とくらべると、ごつごつとした感じがなく、やさしいイメージのお湯です。
入り飽きしないお湯で、湯治するならこういうお湯がいいなぁ、と心底思いました。

 
【写真 上(左)】 切欠からの排湯
【写真 下(右)】 清澄なお湯です

とくにすばらしいのが鮮度感。根広共有泉は白根ハイム(現 白根の見える丘)で入ったことがあり、その時もかなりの鮮度感を感じました。
根広共有泉は長笹沢川から引き上げて貯湯し、根広集落やバーデ六合に送湯しているらしく、自然湧出で湧出量30L/min。
この条件でこの鮮度感を維持しているのは、どうも不思議な気がします。

いずれにしても、センター系然とした外観を、いい意味で見事に裏切ってくれた、すばらしいお湯でした。

〔 源泉名:根広共有泉 尻焼温泉 〕 <H20.10.9分析>
Ca・Na-硫酸塩温泉 49℃(56℃*)、pH=7.65(7.90*)、自然湧出、成分総計=1.39g/kg
Na^+=170mg/kg、Ca^2+=251、
F^-=0.8、Cl^-=217、SO_4^2-=639、HCO_3^-=23.8
陽イオン計=429、陰イオン計=882、メタけい酸=58.7、メタほう酸=13.4、遊離炭酸=8.4
*S62.2.19分析値

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:なし 循環ろ過:なし 消毒処理:なし(プールはあり)

■ブランドグルメ
〔 六合(くに)ハム 〕
「群馬鉄山」の跡地で飼育されるブランド豚「六合豚」からつくられるハム。大手販売チャネルをもつため、販売力があり、このハムで「六合」のよみ方を知った人も多いのでは?

〔 201//21UP (2003/02入湯) 〕


E138.39.17.007N36.38.47.661

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■ 京ヶ島天然温泉 「湯都里」  ~ 湯都里の逆襲 ~

 

京ヶ島天然温泉「湯都里」
住 所 :群馬県高崎市島野町890-3
電 話 :027-350-8811
時 間 :10:00~24:00
料 金 :896円(土日祝1,058円)(税込)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

これまで2005年オープン時のレポをベースにUPしていましたが、先日来訪時(2014/7)にいろいろと変化があったのでリニューアルUPします。
(施設構成など、オープン時と変わらない部分はダブリますが、オープン時ベースの旧レポも下に残しておきます。)

2005/07/23にオープンした大型日帰り施設。
中古車販売のBCNチューブ(中部自動車販売(株))が運営するもので、高崎ICからすぐ(300m、1分)、関越道からもよく見えます。
全国有数の車社会、群馬県らしくPは500台もありますが、人気施設なので週末の建物近くのPはたいてい埋まっています。

ここはオープン時の入館料金780円(土日祝)をほどなく値上げして980円に。
2014/04/01より価格改定し、税込1,058円(土日祝)に。それまでは消費税5%込で980円だったと思うので、消費税5%込価格にそのまま新消費税率8%を乗じるという、ありがちな値上げパターンになっている模様。
ただし、曜日・時間限定の割引料金も設定されているので、タイミングを計ればもっとお安く入館できます。
(ここは回数券の割引率が大きく、しかも回数券割引キャンペーンを頻繁に打ち出すので、わたしは群馬県民でもないのに(笑)常時回数券で入館します。)

和のコンセプトで統一された2層の館内は、ハリボテ和風スパ銭より質感が高く全体にゆったりとつくられていて居ごこちよし。
1階に浴場と食事処2ケ所、カットサロンなど、2階には家族風呂9室、岩盤浴、TV付リクチェア設置の休憩ルーム、フットケアなどがあり、いろいろ楽しめます。

浴場までのアプローチも懐ふかく、スパ銭とは一線を画しています。
浴場は男女固定制でほぼシンメトリ。右手が男湯、左手が女湯。ゆったり広めの脱衣所は機能的でつかいやすいもの。
脱衣所のおくにあった屋外喫煙所は禁煙休憩スペースに変更となり、以前、浴場でときおり臭ったタバコ臭はなくなっています。

内湯は天井が高くてこもりなく、黒丸太の梁をあしらって雰囲気のいいもの。
セパレート式洗い場30以上、アメニティ類は完備しています。
オープン後10年近く経過しカランなどだいぶガタがきていましたが、先日リニューアルをかけたらしく装いを新たにしています。

内湯ゾーンに大浴槽(木枠石貼10人弱)、かわり湯、機能浴槽、絹のごろ寝湯(人工ミクロ泡で白濁・アワつき)、3つのサウナ(シアター・塩・アロマ)に水風呂。
うち、大浴槽のみが温泉使用(循環)とみられますが、加水量が多く露天のお湯とは相当に趣がちがいます。
ただ、ここの井水はすこぶる泉質がよく(弱酸性に振れた硫酸塩泉系では?)、大浴槽では消毒気はあるものの、なかなかに面白い浴感が楽しめます。
また、今回、水風呂が完全かけ流しになっていました。以前よりやや冷たいですが、水質のよい井水をザンザコにかけ流しているので、気持ちいいことこのうえありません。

露天は圧巻です。
趣味よく植栽があしらわれた本格的和風庭園仕立ての露天で、奥手上段の築山から滝を落とし、湯船を縫うように小川をめぐらせています。
風通しよく開放感のある場内には、あちこちに休憩用ベンチや寝ころびスペースが配され、居ごこちのよさは申し分ありません。

手前から時計まわりに大露天風呂(岩枠石貼20人以上)、よこの塀沿いに石釜風呂(1人用×3)、そのおくに大岩湯(大きな岩をくりぬいたもので入りごこちよし、3人、東屋付)、檜の湯(檜枠鉄平石貼3-4人、東屋付)と見上げの湯(寝湯、木枠石貼5人)。
すべての浴槽が加温・加水・循環なし(消毒はあり)でかけ流しとの掲示があります。
とくに檜の湯からのオーバーフローは潤沢で、通路は溢れたお湯で川のよう。温泉成分が堆積して千枚田状態になっています。

石釜風呂の湯口はガス抜きしていない源泉をそのまま注いでいるとみられ、天然ガスが噛むゴボゴボという音を盛大に立て、その合間を縫って間欠的に源泉が注がれています。

露天浴槽のお湯は全体に熱めです。
緑濁色を帯びたうすにごり湯には茶色の浮遊物がただよいます。
はっきりとした重曹味+弱塩味+金気系だし味。かなり強い焦げ臭+粘土臭+弱金気臭+ガス臭に仄かなイオウ臭が混じる、温泉マニアにはたまらない重炭酸土類系湯の香が湯口だけでなく湯面でも香ります。
大露天風呂だけはアンモニア臭をまじえたモール泉系寄りの湯の香が常時ありますが、これはこれで悪くないです。

重曹系のツルすべと重炭酸土類のぎしぎしとした肌にまとわる湯ざわりが絶妙に拮抗しています。
今回は鮮度感も抜群で、久しぶりにほぼ全槽でアワつきが感じられました。
重炭酸土類泉特有の重厚な浴感と温まり感があって、浴後は湯切れよく肌がすべすべとなります。

どの浴槽もレベルは高いですが、今回は投入量の多い檜の湯のお湯の仕上がりが白眉でした。
とにかく温泉臭が強くて土類系の温まり感もあるので、高張泉なみの迫力があります。
通ごのみの重炭酸土類泉の豪快なかけ流し湯は、温泉好きには涙モノでは?

【湯づかいについて】
ここはオープンからほぼ月1ペースで入湯をつづけていましたが、ここ1年ほど間隔が空きました。
実は、ここの絶好調時は2007~2009年頃と思われ、その後は日によって変化はありながらも、この時期を凌ぐお湯を楽しむことはできませんでした。(湯口の湯温は高くなったものの、お湯が薄くなった感じがあり、鮮度感も湯の香もいまひとつだった。)

ところが、今回(2014/7)入ってみてびっくり。ほぼ2007~2009年頃の絶好調時のコンディションに戻っていたのでした。(ただし、金気はかなりよわくなっている。)

(以前の好調時レポを引用)
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お湯は、大岩湯と檜の湯が鮮度良好。とくに大岩湯の湯口そばは凄いお湯になっていて、メタンガス臭と粘土系アブラ臭とアンモニア臭と金気貝汁臭が渾然一体となって匂い立ちます。
そのわりに塩味は弱く重曹味と金気だし味が全面に出ていて、味と温泉臭のギャップが渋い。
アワつきもすばらしく、肌をなでると湯面がはじけてサイダー状態になります。
重曹泉系のツルすべにアワつきのぬるが加わったなめらかな湯ざわり。
浴中はよくあたたまり、浴後は重曹泉特有の爽快感がでて持続します。
ほどよい濃度感とあとをひく浴感は入り応え充分。
----------------------------------------

おそらくここ1年くらいでリニューアル、温泉井戸のメンテナンスをかけたのではないでしょうか。
(2013/09/24に再分析をしている。)
ここ数年は物足りなさを感じる日もあっただけに、この復活は嬉しい限りです。

施設計画はよく練られていて、かゆいところに手が届く感じ。
これほど充実した施設でこれほどの良泉をこれほどの湯づかいで提供する施設は、ちょっと思い当たりません。温泉県群馬の面目躍如か。
料金は高くなったものの、利用のしかたによっては充分モトを取れるのではないでしょうか。
とくに温泉好きにおすすめしたい好施設です。

〔 源泉名:京ヶ島天然温泉 〕 <H25.9.24分析>
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 57.5℃、pH=7.5、140L/min掘削揚湯、成分総計=3401mg/kg
Na^+=1059mg/kg (91.22mval%)、Ca^2+=61.0、Fe^2+=0.3
Cl^-=1350 (76.11)、HS^-=0.1、HCO_3^-=724.5 (23.73)
陽イオン計=1148 (50.5mval)、陰イオン計=2078 (50.0mval)、メタけい酸=64.1、メタほう酸=58.3、硫化水素=0.1
※ H16.6.30分析にくらべ湯量は減っていますが泉温は上がっています。鉄分が減り、重曹分が若干増えたほかは大きな変化はありません。

〔 源泉名:京ヶ島天然温泉 〕 <H16.6.30分析>
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 55.5℃、pH=7.3、468L/min掘削揚湯、成分総計=3640mg/kg
Na^+=1126mg/kg (89.66mval%)、Ca^2+=76.0、Fe^2+=2.4
Cl^-=1524 (78.52)、Br^-=5.0、HS^-=0.05、HCO_3^-=707.8 (21.19)
陽イオン計=1241 (54.63mval)、陰イオン計=2242 (54.75mval)、メタけい酸=54.0、メタほう酸=56.3、硫化水素=0.03

<温泉利用掲示>(露天)
加水:なし 加温:なし かけ流し 塩素消毒:あり

一郷一会100名湯

〔 2014/07/08内容補強のうえUP (2014/07入湯による) 〕


【オープン時レポ】
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<京ヶ島天然温泉「湯都里」>(高崎市、10:00~翌1:00、630円(土日祝780円)、027-350-8811)
オフィシャルHP

ウワサの新施設に行ってきました。
ONKEN21さん、トオルさんのレポなどで先日来話題となっている2005/7/23オープンの新顔日帰り施設。中古車販売のBCNチューブ(中部自動車販売(株))が運営するもので、高崎ICからすぐ、関越道からもよく見えます。
IC方面から行くと、ド派手な色彩の立駐の壁面に”天然温泉”の巨大看板が見えてきて、「コテコテの巨大健康ランドか?」とひるみますが、建物はその裏手、落ちついた和風の佇まい。

和のコンセプトで統一された2層の館内は、ハリボテ和風スパ銭より質感が高く、全体にゆったりとつくられているので居ごこちがいいです。
1階には浴場と食事処2ケ所、1000円床屋など、2階には家族風呂9室、岩盤浴、TV付リクチェア設置の休憩ルーム(なんと無料!)、茶店などがあり充実しています。

ゆったりとした脱衣所は機能的で使いやすいです。
内湯ゾーンに大浴槽(木枠石貼8.9人)、機能浴槽、絹のごろ寝湯(人工ミクロ泡で白濁、すごいアワつき)、かわり湯、3つのサウナに水風呂。天井が高く、黒丸太の梁をあしらって雰囲気がいいですがちょっと採光が悪いかな?
ほとんどの浴槽は井水使用の循環でさほど強くないカルキ臭あり。大浴槽のみ黄色がかった透明で温泉だと思いますが、タール系薬品臭ただようお湯はかなり希釈をかけたうえでの循環かと思います。
セパレート式洗い場30以上、アメニティ類完備。土曜13時で40人程度、16時で70~80人と盛況。

圧巻は露天です。
タカノハススキなどが趣味よくあしらわれた本格的和風庭園仕立ての露天で、奥手上段の築山から滝を落とし、湯船を縫うように小川をめぐらせています。風通しよく開放感のある場内には、あちこちに休憩用ベンチや寝ころびスペースが配され、居ごこちは抜群です。
手前から岩風呂(岩枠石貼20人以上)、よこに石釜風呂(1人用×3)、その奥に大岩湯(大きな岩をくりぬいたもので入りごこちよし、3人、東屋付)、檜の湯(檜枠鉄平石貼3.4人、東屋付)に寝湯(木枠石貼5人)。
石釜風呂のみ井水の加温かけ流しで、あとはすべて源泉かけ流しの掲示がありました。
石釜風呂と寝湯以外は槽内注排湯は確認できず、ほぼ投入量と同量を潤沢にオーバーフローしていて、通路は溢れたお湯で川状態。温泉成分で赤茶に変色しています。

全体にやや熱めのお湯は緑濁色透明度70cmほどのにごり湯で、茶色と黒の浮遊物あり。はっきりとした塩味+重曹味+金気系だし味にかなり強い粘土系アブラ臭+金気臭+ガス?臭+仄かなイオウ臭?。重曹系のツルすべがあり、岩風呂、大岩湯、檜の湯の湯口そばではアワつきもあります。食塩泉の重厚な浴感と温まり感があって、ややぺとつきますが浴後は肌がすべすべとなります。

石釜風呂の井水は、無色透明無味無臭で湯中に細かな気泡が舞い、アワつきもあります。
ここに限らず、井水使用浴槽の湯口も赤茶に染まっているので井水も金気を含んでいるのかも。

どの浴槽もレベルは高いですが、
鮮度感だと、大岩湯 > 檜の湯 > 岩風呂 > 寝湯
濃度感だと、岩風呂 > 檜の湯 > 大岩湯 > 寝湯 かな?
とにかく温泉臭が強くて土類系の温まり感もあるので、高張泉なみの迫力があります。
アブラ臭&ツルすべ&アワつきの豪快なかけ流し湯は、温泉ファンには涙モノでは?

施設計画はとても良く練られていて、かゆいところに手が届く感じ。これほど充実した施設でこれほどの良泉をこれほどの湯づかいで提供する施設は、ちょっと思い当たりません。
しかも、平日回数券使用だと580円で一日過ごせるとはおどろき。文句なくおすすめです。

しかし、「ゆ~ゆ」「七福の湯」、パワーアップした「天神の湯」、そしてここと、ほんとうに最近の高崎・前橋エリアのレベルの高さおそるべしです。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 55.5℃、pH=7.3、468L/min掘削揚湯、成分総計=3640mg/kg、Na^+=1126mg/kg (89.66mval%)、Ca^2+=76.0、Fe^2+=2.4、Cl^-=1524 (78.52)、Br^-=5.0、HS^-=0.05、HCO_3^-=707.8 (21.19)、陽イオン計=1241 (54.63mval)、陰イオン計=2242 (54.75mval)、メタけい酸=54.0、メタほう酸=56.3、硫化水素=0.03 <H16.6.30分析>

〔 2005年8月16日レポ 〕

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〔 2005年11月3日 〕

またしても湯都里にいきました。
この日は混雑してたのにお湯はとても良好でした。

アワつきは前回レポしたときより多く、温泉臭もあいかわらず絶好調です。
ただ、ややアンモニア臭が出てきていて、「七福の湯」の匂いに近づいているような。
やはりすばらしい温泉施設だと思います。

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〔 2006年2月中旬入湯 〕
先日、200円という超強気な値上げを強行した「湯都里」に値上げ後はじめて行ってきました。
やはり館内はかなり空いていました。

入浴客が少ないせいか、岩風呂と檜の湯は熱めで、とくに岩風呂は45℃ほどもあったのでは。井水使用だった石釜風呂は源泉かけ流しとなっていました。

お湯は石風呂、檜の湯、寝湯でいままでどおりのイメージでコンディション良好、大岩湯と石釜風呂はなぜかモール臭と弱いツルすべのモール泉のイメージ。2通りのお湯が楽しめてかえって面白いかも・・・。

それにしても、時間制限なしとはいえ、土日祝980円は群馬では高い!
600円/3hくらいの設定がほしいです。

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〔 2006年7月下旬入湯 〕
高崎「湯都里」絶好調
ひさしぶりに「湯都里」にいきました。ここは掟破りの大幅値上げを断行し、現在は土日祝980円という群馬とは思えない強気の料金設定になっています。
さすがに空いていて土曜夜というのに広い露天にたった8人!。
で、当然お湯はなまりが少なくいいのですが、源泉じたいのコンディションもよくなっていて、露天全槽でアワつきがありました。

お湯は、大岩湯と檜の湯が鮮度良好。とくに大岩湯の湯口そばは凄いお湯になっていて、メタンガス臭と粘土系アブラ臭とアンモニア臭と金気貝汁臭が渾然一体となって匂い立ちます。そのわりに塩味は弱く重曹味と金気だし味が全面に出ていて、味と温泉臭のギャップが渋い。アワつきもすばらしく、肌をなでると湯面がはじけてサイダー状態になります。
重曹泉系のツルすべにアワつきのぬるが加わったなめらかな湯ざわり。浴中はよくあたたまり、浴後は重曹泉特有の爽快感がでて持続します。ほどよい濃度感とあとをひく浴感、個人的には理想に近いお湯で、ひょっとすると今年一番かも・・・。
ここは10回近くきていますが、こんなに状態がいいのははじめてです。(一時期はモール泉のイメージが強まっていた。)

また、壺湯はガスが一番残っているらしく、湯口からボコボコと音を立てながら源泉が吹き出し、あたりにはメタンガス臭が立ちこめています。ひょっとして火がつくかも・・・。試験揚湯じみた荒削りなお湯は、たぶん短距離直引きかと。

それにしても平野部のまちなかでこんなものすごいお湯が楽しめるとは、群馬の温泉力やはりおそるべし。南関東の化石海水系温泉とは明らかに一線を画しています。
980円は高いですが、たぶんまた引き寄せられてしまうでしょう。

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〔 2007~2008年10回以上入湯 〕
高崎の「湯都里」がますますよくなっています。
群馬湯巡り(吾妻・北毛)のあとには、「湯都里」「ゆ~ゆ」「天神の湯」のどこかで時間をつぶしてETC夜間割引をゲットするのが定番コースですが、最近は「湯都里」ばっかり。回数券がどんどん減っていきます(笑)

当初は感心しなかった内湯の湯づかいも最近はかなり改善されていて、十分楽しめます。
これだけ温泉浴槽があってハズレがないのは驚異。

お湯は、大岩湯がすさまじいものになっています。
メタンガス臭と粘土系アブラ臭とアンモニア臭と金気貝汁臭とこげ臭が渾然一体となって匂い立ち、肌をなでるとアワで湯面がはじけてサイダー状態になります。
お湯のイメージは完璧に重炭酸土類泉。

名だたる群馬の名湯に入ったあとでも「やっぱりここのお湯が一番いい」と思うこともしばしば。
関東のスパ銭では1.2位を争う名湯だと思います。


E139.3.20.220N36.20.14.160

【 BGM 】


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■ 榛名湖温泉 「レークサイドゆうすげ」

 

榛名湖温泉 「レークサイドゆうすげ」
住 所 :群馬県高崎市榛名湖町846-3 (旧 群馬郡榛名町)
電 話 :027-374-9131
時 間 :10:00~19:00
料 金 :400円/2h
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (ゆこゆこネット)
紹介ページ (高崎観光協会)
紹介ページ (はるなビ)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

昭和50(51)年、榛名湖畔に開湯した榛名湖温泉は、ここと対面にある「ゆうすげ元湯」の2軒の公共系宿泊施設にしか引かれていない貴重な源泉です。
湖畔周遊道路から入ると、左手の立派な施設が「ゆうすげ元湯」、右手のこぢんまりとしたのが「レークサイドゆうすげ」で、どちらも日帰り入浴を受け付けています。

 
【写真 上(左)】 2軒の宿泊施設
【写真 下(右)】 左が「ゆうすげ元湯」、右が「レークサイドゆうすげ」

ここは高崎広域市町村圏振興整備組合が設置した公共系宿泊施設で、現在は(株)榛名湖温泉 ゆうすげが指定管理者に指定され、施設運営に当たっています。
新しい施設ではないですがメンテばっちりで、古さを感じさせません。

 
【写真 上(左)】 日帰り看板
【写真 下(右)】 サイン

フロントで受付、右手廊下を進んだおくに浴場があります。廊下突き当たりが女湯、手前右手が男湯です。
榛名湖畔は冬場寒さがきびしいですが、脱衣所はヒーターでほっこり暖められていて快適です。(ただ、あたたまりのつよい泉質なので、浴後はちとつらい。)
脱衣所から浴場越しに榛名湖の湖面が見えます。

 
【写真 上(左)】 休憩所
【写真 下(右)】 浴場入口

浴室は、石枠タイル造10人以上の内湯のみですが、広い窓のすぐ外には榛名湖の湖面が絵のように広がり、冬場は結氷した榛名湖を眺めながらの雰囲気ある湯浴みが楽しめます。

 
【写真 上(左)】 非結氷時の景色
【写真 下(右)】 全面結氷した湖面が目の前

これだけ湖面のちかい浴場はめずらしいのでは。
(冬場の榛名湖は人影も少なくやたらに寒いですが、あかるく凛とした独特の雰囲気があってけっこういいです。(チェーン必携))

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 浴槽

手前、洗い場サイドの天井は高いですが、浴槽のある湖側の天井は低いのでややこもり気味です。
カラン7、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。「ゆうすげ元湯」と日帰り客を分散するためか、週末でも昼間は空いていることが多いです。

 
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 ザンザコです

石灰華の析出+赤茶に変色した岩の湯口から熱湯を投入で、槽内排湯なしの全量オーバーフローは文句なくかけ流し。泉温は高くないので加温はかけています。
なお、HPには「薄めず、循環させずの『かけ流し』のぜいたくな湯が自慢。(タオルがうっすらと茶色くなるのが玉にきず)」とあります。

 
【写真 上(左)】 よさげな湯色
【写真 下(右)】 にごりが強いときの湯色

お湯は湯口そばでやや熱め。離れるにしたがってぬるめになっていきますが、端のほうでも相当の湯温を保っているので、熱もちのよい湯質では。
綺麗なうぐいす色うす濁りで、タイミングにより、にごりがつよくなったり赤茶色の酸化鉄がただようこともあります。

硫酸塩泉系のキシキシ感があり、かなりあたたまりますが、浴後は爽快感が出てきます。
伊香保に勝るとも劣らない相当に力のあるお湯かと思います。

  
【写真 上(左)】 鮮度抜群です
【写真 下(右)】 抜群の景色

湯口ではよわい重曹味と、軽めの土類臭がかった温泉臭(炊き立てのご飯のような)が香ります。かすかなアブラ臭を感じることも・・・。
硫酸塩泉系のキシキシ感があり、あたたまるお湯ですが、浴後は爽快感が出てきます。

とにかく鮮度がよく、入っていてすこぶる心地のいいお湯で、なかなか脱出できません。
このあと挽き曳き感は成分の複雑さ(バランス系の泉質)からくるものかも。
伊香保温泉のかげに隠れがちなお湯ですが、レベル的にはかなりのものがあるので、榛名湖まできたら温泉好きは外せないのでは。

設備の充実度で選ぶなら「ゆうすげ元湯」、お湯の質で選ぶなら「レークサイドゆうすげ」という選択だと思います

今回、新しい温泉分析がされていました。(*は筆者推定・算出)
〔 源泉名:榛名湖温泉 ゆうすげの湯 〕 <H16.9.6>
Na・Mg・Ca-塩化物・硫酸塩泉 泉温・pH・湧出量不明、成分総計*=1669.1mg/kg、Na^+=267mg/kg (51.63mval%)、Ca^2+=99.9 (22.17)、Mg^2+=63.7 (23.31)、Fe^2+=1.79、Cl^-=458 (57.12)、SO_4^2-=263 (24.20)、HCO_3^-=256 (18.59)、陽イオン計=455 (22.5mval)、陰イオン計=979 (22.6mval)、メタけい酸=153、メタほう酸=14.6、遊離炭酸=67.1

〔 源泉名:榛名湖温泉 ゆうすげの湯 〕 <H5.10.26分析>
Na・Ca・Mg-塩化物・硫酸塩温泉 37.2℃、pH=6.81、湧出量不明、成分総計=1.64g/kg、Na^+=258.0mg/kg (50.17mval%)、Ca^2+=109.0 (24.20)、Mg^2+=61.5 (22.63)、Fe^2+=1.71、Cl^-=448.0 (54.69)、SO_4^2-=287.0 (25.86)、HCO_3^-=274.0 (19.43)、陽イオン計=453 (22.4mval)、陰イオン計=1009 (23.1mval)、メタけい酸=74.1、メタほう酸=14.0、遊離炭酸=92.4

〔 2014/01/13UP (2002/11以降数回入湯、2006/01/06、2002/12/08レポ) 〕


E138.52.34.343N36.28.42.531

【 BGM 】
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■ 御所平温泉(北軽・応桑温泉) 「かくれの湯」

 

御所平温泉(北軽・応桑温泉) 「かくれの湯」
住 所 :群馬県吾妻郡長野原町応桑1985-175
電 話 :0279-82-1526
時 間 :11:00~19:00 / 火休
料 金 :900円/2h
オフィシャルHP
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

2011/08/12オープンの日帰り温泉施設。
以前から北軽・応桑に「かくれの湯」という源泉があることは知っていましたが(→やませみさん情報)、ここはその源泉をつかって日帰り温泉をオープンしたものとみられます。
なお、同じ応桑地区に2010/05/01にオープンした北軽井沢温泉 「絹糸の湯」とは別の源泉です。

いちど平日(火曜)にトライするも定休曜日変更(水→火、2011/10/01より)を知らずに衝撃のロスト。2度目のリベンジでようやく入湯。

 
【写真 上(左)】 衝撃の「本日定休日」
【写真 下(右)】 橋を渡らずに直進(右手)します

場所は非常にわかりにくいです。
長野原方面からだと、R146(日本ロマンティック街道)と県道241がぶつかる「応桑」交差点からR146を1㎞ほど軽井沢方向に登った右手に「西中学校」があり、そのとい面の小道を左折し谷に向かっておりていきます。(分岐に看板あり。)
道なりに走り、橋のたもとに看板がでているので橋を渡らずにそのまま直進します。

 
【写真 上(左)】 橋のたもとの看板
【写真 下(右)】 舗装が途切れます

ここから道はかなり細くなり、しばらくすると舗装が途切れます。
とてもこの先に日帰り温泉があるとは思えず、荒れた路面には水たまりがあって、思わず引き返したくなりますが、強行突破すると舗装路に戻り周囲は畑となって、道沿いに看板、右手に建物が見えてきます。
「かくれの湯」の名そのままの秘湯的ロケーション。

 
【写真 上(左)】 アプローチの看板
【写真 下(右)】 アプローチから建物

手前にP。こぢんまりとした建物は真新しくシックな外観。
券売機で入浴料900円(2時間制限)のチケットを購入。いささか高いような気もしますが、”軽井沢価格”ということでいたしかたないところか・・・。

 
【写真 上(左)】 「源泉掛け流し」のノボリも
【写真 下(右)】 エントランス

手前に休憩所兼食事処、これを抜けたおくが浴場で、右手の「美泡の湯」と左手奥に「希泡の湯」。この日の男湯は「美泡の湯」でした。(男女交替制かどうかは不明。)
脱衣所は広くなく、お盆のさなかということもあってごった返し。ただ、グループ客がちょうど上がるところで、その後は空いていきました。

 
【写真 上(左)】 地元の農産物を売ってます
【写真 下(右)】 内湯

カラン内湯に2、外に3の計5。シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。お湯カランは贅沢にも源泉です。
お盆17時で6~3人。

扉をあけると湯小屋風の内湯。露天は脱衣所のすぐよこですが、内湯経由のアプローチ。
高木に囲まれた沢すじにあるのでやや暗めの雰囲気ながら野趣あふれるロケーション。
ただ、時期によってはアブがでるかも・・・。

 
【写真 上(左)】 屋根付きの露天
【写真 下(右)】 露天

内湯は石タイル石敷3-4人のこぢんまりしたもので、木梁の天井は高くてこもりなく、二面とられた窓から沢がのぞめるいい浴室です。
露天は木枠(石敷?)屋根付で10人ほどもいけそうなゆったりしたもの。ただ、浴槽まわりが窮屈でトドになる場所がないのは残念。
なお、「希泡の湯」の露天は石づくりでさらに広そうです。

内湯は赤茶変&析出付の石の湯口から投入、露天はパイプからの投入でどちらもかなりの投入量。
おそらく側面スリットからの排湯で、お湯の感じからしてどちらもかけ流しかと思います。

湯温は内湯でやや熱、露天は適温。
うすく青味がかって茶濁したお湯は、湯口そばでは気泡で白濁し、湯中にはうす茶の浮遊物が舞っています。
微炭酸味+微苦味+重曹味+旨味+金気だし味の成分の複雑さを感じさせる味。
焦げ臭+金気貝汁臭+微炭酸臭にわずかにイオウ臭がまじるかも・・・。
鮮度、炭酸のきき具合とも、露天より内湯の方が上でしょう。

 
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 内湯の湯色

重炭酸土類泉的なぎしぎしとした湯ざわりと、炭酸収斂感をはっきりと感じます。
えらくフックのある浴感で長湯モードに突入を目論むも、お湯の力感がはんぱではなく、しばらくすると追い出されてしまいます。
温まり感は相当につよく、水を浴びたいところですが、外の洗い場に水カランはなく、内湯まで戻らなくてはならないのはいささか不便。

北軽は意外にクセもの湯が多いですが、炭酸が効いている分クセものぶりが際立っています。
イメージ的には炭酸まじりの重炭酸土類泉で、近くでは鹿沢、また、奥会津あたりのお湯にも似ているかと。
なお、「絹糸の湯」の硫酸塩(正苦味)泉的イメージに対して、こちらは重炭酸土類泉的で、ややニュアンスが違うと思います。(どちらもいいお湯ですが・・・)

泉質といい湯づかいといい、温泉マニアの琴線に触れると思われるお湯で、秘湯ファンにも受けそうですが、オフシーズンの平日などどのくらいのお客がいるのかな?
ただ、地元住民(長野原町・嬬恋村居住者、同別荘永住者)には地元料金500円が設定されているので、手軽な日帰り温泉施設のすくない北軽では、それなりに利用者があるのかもしれません。

〔 源泉名:北軽・応桑温泉(かくれの湯) 〕 <H21.4.13分析>
Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 48.6℃、pH=6.5、220(160)L/min(掘削揚湯)、成分総計=3.72g/kg
Na^+=628mg/kg (66.30mval%)、Mg^2+=95.9 (19.14)、Ca^2+=74.6 (9.03)、Fe^2+=5.81
Cl^-=435 (30.23)、SO_4^2-=332 (17.01)、HCO_3^-=1305 (52.70)
陽イオン計=885 (41.2mval)、陰イオン計=2074 (40.6mval)、メタけい酸=216、メタほう酸=43.5、遊離炭酸=503

■公式Webで公開している紹介動画


〔 2013/06/04UP (2012/08入湯) 〕


E138.35.29.691N36.29.25.834
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■ 妙義・長寿の湯 源泉見学レポ & 妙義温泉 「妙義グリーンホテル 『長寿の湯』」

 

妙義・長寿の湯 源泉見学レポ & 妙義温泉 「妙義グリーンホテル 『長寿の湯』」
住 所 :群馬県富岡市妙義町菅原2678 (旧 甘楽郡妙義町)
電 話 :0274-73-4111
時 間 :12:00~22:00
料 金 :700円/3h
オフィシャルHP
紹介ページ (MAPPLEトラベル)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (るるぶ.com)
紹介ページ (じゃらんnet)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

この記事は2002/08/25作成(「温泉みしゅらん掲示板」にカキコミ)の原文に若干の補足をしてUPするものです。
なお、掲載内容は作成当時のもので、現況とはことなる部分があります。

【 妙義・長寿の湯 源泉見学レポ 】

やませみさんが 8/12(2002/08/12)に(「温泉みしゅらん掲示板」にて)募集された企画です。総勢8名(内1はジュニア)の参加でした。
西上州・妙義に湧く「長寿の湯」は、強烈な濃度と重曹成分をもち、日本一濃い重曹泉と目される特異な温泉です。関東では珍しい炭酸泉でもあります。

<源泉データ>
〔 源泉名:妙義温泉 長寿の湯 〕 <H7.11.1分析>
含CO2-Na-炭酸水素塩・塩化物泉 26.6℃、pH=7.29、湧出量=21.8L/min、成分総計=41.57g/kg、溶存総量=40.25g/kg、蒸発残留物=28.27g/kg
Na^+=11905mg/kg (99.49mval%)、Fe^2+=5.84
F^-=2.03、Cl^-=5765 (30.71)、HCO_3^-=22271 (68.93)、Br^-=22.5、CO_3^2-=30.7
陽イオン計=11992 (521mval)、陰イオン計=28116 (530mval)、メタけい酸=50.1、メタほう酸=95.3、遊離炭酸=1319

運営企業、緑営開発(当時、以下同じ)* の方にご案内をいただき、ゴルフコースすぐ横の窪地にある泉源へ・・・。(当然、通常は立入厳禁。)
コンクリの基礎から白い金属パイプが立ち上がっていて、黒いパイプ(入浴施設への供給ライン)と蛇口が分岐しています。すぐ脇には温泉標識があります(深さ1,999.45m)。
蛇口をひねるとしばらくして一気に源泉が吹き出し、参加者からオオッ!という歓声が・・・。

 
【写真 上(左)】 温泉標識
【写真 下(右)】 泉源

●色:無色透明ですが、炭酸の泡立ちがスゴイです(サイダーを振ってぶちまけた感じ)。
分析表では淡紫色とありますが、1日経過したペットボトルの源泉をみても無色透明です。
他の方はどうですか?

●臭い:一番おどろいたのはこれです。アブラ臭+渋いイオウ臭+臭素臭?+炭酸のツンとくる臭いで、松之山、林、川原湯などを連想しました。アブラ臭中毒者にはたまらない臭いでしょう。
ペットボトルに捕らえた源泉は今なお強烈な臭気を発し、存在を主張してます ^^)

●味:強い塩辛味。舌に効いてくる食塩と口全体に効いてくる重曹の薬っぽい塩辛味が相乗している感じの何とも強烈な味。

●温度:やや冷たいですが、源泉水風呂として十分使える程度の温度はあります。

●触感:まとわりつくようなとろみと強烈なツルすべキトキト感があります。重曹分によるところが大きいと思われます。

 
【写真 上(左)】 吹き出す炭酸のあわあわ-1
【写真 下(右)】 吹き出す炭酸のあわあわ-2

どこをとってもさすがに屈指の高濃度温泉です。でもやっぱり薄めないと浴用にはキツイかな?
(個人的には入りたいですが... ^^)

ご丁寧にご案内いただいた緑営開発の方、企画いただいたやませみさん、とても貴重な体験をさせていただきました。
ありがとうございました。

*)緑営グループ(当時)は、2,000mまで掘削可能な掘削機をもち、スプリングス温泉(ゴルフ場内の温泉施設)、直営保養施設などを運営していました。あの「白寿の湯」もそのひとつでした。

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【 妙義温泉 「妙義グリーンホテル 『長寿の湯』」 】

 
【写真 上(左)】 妙義グリーンホテルのエントランス
【写真 下(右)】 「長寿の湯」の内湯

その後、この源泉をつかっている妙義グリーンホテル内の「長寿の湯」へ。(12時すぎ)
小高い丘にある11階建ての豪華なリゾートホテルの大浴場を日帰り開放するもの。
浴場からの眺望はよく、ゴルフコースの向こうに見事な山容の妙義山がのぞめます。
窓の広いあかるい浴室は、内湯大浴槽(石造15人以上)と露天(同5-6人)。
セパレート型のゆったりした洗い場多数。シャンプー・ドライヤーあり。

お湯は、内湯と露天でかなり違いました。
露天は、石の湯口から投入で底面排湯口がありますがほとんど未作動で、オーバーフロー状態。
ここは4回目ですが、こんなにいい状態ははじめてです。
これまでは夕方に来ていたので、やはりお湯を張りたての12時すぎがおすすめでは・・・。

お湯は露天の方がよく、淡緑黄色透明、塩味重曹味。
以前、「鶴亀の湯」(2013年時点で閉館中)でレポしたときは”セメント系の臭い”と書きましたが、これは源泉臭(アブラ臭+渋いイオウ臭+臭素臭?)の薄まったものかと思います。

 
【写真 上(左)】 「長寿の湯」の露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

まとわりつくようなとろみのあるツルすべ感が特徴。
pH=7.29(中性)なのにこれだけのツルすべ感は、やはりつよい重曹分のたまものでしょう。
塩分もつよくてとても温まり、浴後にはさらさら&爽快感がでてきます。
内湯は石の湯口からの投入で排湯は未確認ですがオーバーフローはなく、弱カルキ臭?があって、露天より薄い感じでした。

昨秋の「鶴亀の湯」の濃厚感には及びませんが、露天は相当の浴感があり、やはり源泉の凄味を感じさせるお湯でした。

なお、同じ源泉を使っていた日帰り施設「鶴亀の湯」は(2002年)5月末の火災により休業中です。

〔 2013/05/12内容補強のうえUP (2002/08/25レポ (2002/08入湯)) 〕


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■ 上牧温泉 「常生館」



上牧温泉 「常生館」
住 所 :群馬県利根郡みなかみ町石倉317 (旧 利根郡月夜野町)
電 話 :0278-72-3494
時 間 :10:00~21:00
料 金 :400円/2h
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (群馬の温泉宿(求人ジャーナル社))
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

上毛の保養温泉地、上牧温泉にある自家源泉の湯宿が日帰り対応するもの。
日帰り温泉「風和の湯」とは利根川をはさんだ対岸にあり、右岸のここは中心部からやや南にはなれていることもあって、「川角温泉」と呼ばれることもあるようです。

 
【写真 上(左)】 利根川から
【写真 下(右)】 サイン

湯治をメインとしたこぢんまりとした宿で、庭先には自家源泉らしきものがありました。
訪れたときは女湯は工事中で、男湯の湯づかいも暫定的な感じがしたので、いまはこのレポと変わっているかもしれません。

 
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 飲泉所

どことなく活気があって、湯治宿ないし日帰り温泉として固定客をつかんでいる感じ。
玄関先には飲泉所(このときは流していなかった)もありました。

 
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴場へのアプローチ

館内は予想外に懐がふかく廊下&階段経由のアプローチ。館内はリニューアルされたらしく綺麗です。
脱衣所は木造りのシックで使い勝手のいいもの。

 
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所

利根川を見おろす明るい総木造の内湯は、天井高くこもりもなくて快適。
左手2-3人の小浴槽と右手5-6人の大浴槽に仕切られ、小浴槽から大浴槽への流れ込みがあります。
総木造りの浴槽はかなりスリッピーなので要注意。

   
【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 浴場からの眺め

カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜18時で独占~2人と空いていました。

 
【写真 上(左)】 木づくりの風情ある浴室
【写真 下(右)】 高い天井

 
【写真 上(左)】 手前大浴槽、おくが小浴槽
【写真 下(右)】 大浴槽

左手の木の湯口からチョロチョロ投入と、右手の湯口からやはり少量の投入。べつに右手浴槽には槽内注入が2ヶ所ありました。
小浴槽の湯口の上にはコップがおいてありました。
小浴槽はおそらく槽内注排湯なく、大浴槽側へ排湯のかけ流しとみました。

 
【写真 上(左)】 小浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽の湯口

大浴槽はオーバーフローなく、底面の排湯口も引いていなかったので湯づかい不明。(掲示によると循環利用)
お湯の鮮度は小浴槽のほうがいいです。
なお、このときは小浴槽はぬるめ、大浴槽はややぬるでした。
湯口の湯温はどちらも同じだったので、大浴槽の側面注入が加温湯のようです。
また、湯口は金気で赤茶に変色しています。

 
【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 別の角度から

右手、扉の外に石組み4人ほどの露天。
石組みのメイン湯口(?)からの投入はなく、側面注入&底面吸湯+樹脂パイプからの少量投入で、あちこちにコケが生えていてお湯もなまり気味。
お湯は熱めにキープされていたもののほとんど入りませんでした。

ほとんど小浴槽にいたので、お湯はそのレポです。
緑褐色にうすにごり浮遊物はほとんどなし。(大浴槽は微濁して白とうす茶の浮遊物。)
弱塩味+微芒硝味、わずかに芒硝臭が香る程度。
硫酸塩泉系のきしきしにぬるすべが混じります。

 
【写真 上(左)】 鉄分がでている湯口
【写真 下(右)】 湯色のちがい

正直、投入量が少なめで、お湯の鮮度もさほどではありませんでしたが、どこかフックのある浴感で記憶に残ります。
からだにじんわりと浸みてくるようなお湯で、充実した浴後感も感じられます。
こういうところが湯治温泉の底力か・・・?

キャラの立った「大峰館」のお湯を”動”とするならば、こちらは”静”のイメージか?。
低温泉加温利用ながら奥行きのある面白いお湯だと思います。

〔 源泉名:上牧温泉 常生館の湯 〕 <H17.5.13分析>
Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉 25.8℃、pH=7.0、湧出量不明、成分総計=1.23g/kg
Na^+=273mg/kg、Ca^2+=104、Fe^2+=1.60、F^-=2.5、Cl^-=321、SO_4^2-=344、HCO_3^-=63.2
陽イオン計=391、陰イオン計=731、メタけい酸=68.6、メタほう酸=16.6、遊離炭酸=19.8

〔 源泉名:上牧温泉 常生館の湯 〕 <S63.11.12分析>
Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉 28.3℃、pH=7.2、湧出量不明、成分総計=1.31941g/kg
Na^+=295mg/kg、Ca^2+=111、Fe^2+=0.21、F^-=2.8、Cl^-=341、SO_4^2-=374、HCO_3^-=79.3
陽イオン計=422.51、陰イオン計=797.1、メタけい酸=77.3、メタほう酸=15.5、遊離炭酸=7.0

〔 源泉名:常生湯 〕 <S53.10.5分析>
Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉 28.5℃、pH=・湧出量不明、成分総計=1778.45mg/kg
Na^+=29.50?mg/kg (58.63mval%)、Ca^2+=167.80 (38.27)、Cl^-=548.4 (54.07)、SO_4^2-=583.0 (42.43)、HCO_3^-=61.0
陽イオン計=483.23 (21.879mval)、陰イオン計=1192.4 (28.604mval)、メタけい酸=76.60、メタほう酸=23.90、遊離炭酸=2.30

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過状況:小さい浴槽は循環していませんが少し大きい浴槽のみ温度均一保持のため、循環利用しています。 塩素系薬剤使用:なし

■ブランドグルメ
〔 月夜野クラフトビール 〕
「月夜野びーどろパーク」で販売されている月夜野の地ビールで、公式HPによるとチェコのブルワリーと提携しているようです。
ピルスナー、黒ビール、アンバーエール、ヴァイツェンなど欧州各国を代表する種類が揃えられ、地ビールレストランもあります。

〔 2013/01/14UP (2006/07入湯) 〕


E138.59.1.410N36.43.58.420

【BGM】
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■ 万座温泉 「豊国館」

 

万座温泉 「豊国館」
住 所 :群馬県吾妻郡嬬恋村大字干俣万座温泉2401
電 話 :0279-97-2525
時 間 :8:00~18:00(要問合せ)
料 金 :500円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (楽天トラベル)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

”豊国館苦湯”という湯質に定評のある自家源泉をつかい、温泉好きのあいだで高い人気をもつ万座温泉の老舗湯治系宿が日帰り対応するもの。

万座温泉は温泉街というより山腹にお宿が点在しているイメージで、同じスキーのベース温泉地でもお宿が密集する野沢や草津とは対照的です。
2000mに近い高冷地のため集落が発達しなかったのがその理由でしょう。

 
【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 泉源?

 
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 帳場

ここは万座高原ホテルのすぐ下側にあり、Pのおくにすこし奥まってエントランス。
帳場まわりは広く、建物も奥がふかい好ましげなたたずまい。

 
【写真 上(左)】 湯治宿の趣
【写真 下(右)】 自炊場

浴場に向かう廊下の途中には炊事場もあって湯治宿の趣。
お湯のよさだけでなくこんなところも温泉好きの琴線に触れるのか。

 
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 女湯入口

浴場は中央に男湯内湯、左手に女湯内湯、右手が混浴露天の脱衣所。
女湯には内湯と露天があるようです。
脱衣所、内湯ともに総木造で、階段をおりてのアプローチがいい味を出しています。

 
【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 男湯脱衣所

内湯は天井高く窓もあるのでこもりなく快適。(というか遊離硫化水素が109mg/kgもあるのでこもらせたら危ないと思う。)
万座は木造浴舎にいいものがありますが、ここの内湯もそのひとつ。

 
【写真 上(左)】 内湯-1
【写真 下(右)】 内湯-2

露天は万座名物、空吹きをのぞみ高原の涼気に包まれる好ロケーション。
狭めながら風情ある内湯と開放感あふれる露天がいいコントラスト。

 
【写真 上(左)】 高原の露天です
【写真 下(右)】 遠景に空吹き

カラン1、シャワー・ドライヤーなし。シャンプー?
土曜15時で3人~独占。

 
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 内湯の排湯

内湯はふかめ総木造5-6人でイオウで白色変した岩から突き出た金属パイプの湯口から熱湯源泉を投入し、全量を側溝からの上面排湯。
湯口そばにはコップがおいてあります。

 
【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

露天は数十人はいける大きな浴槽。大きさだけでなく立てるほど深いのにはびっくり。
丸太を刳り抜いた豪快な湯口から熱湯源泉を投入、にごり湯につき槽内注排湯は不明ですが、おそらく全量を側溝から上面排湯しているかと思います。
投入は相当な量で、湯口そばから排湯口にかけて槽内に流れがあり、端の排湯口からの排湯が湯川となって流れていきます。
内湯と露天でお湯の鮮度感にさしてちがいがないのは驚き。

 
【写真 上(左)】 露天の湯口まわり
【写真 下(右)】 排湯の湯川

どちらの浴場もホースで引かれた水を体にかけられるのが快感。

 
【写真 上(左)】 流される冷水
【写真 下(右)】 内湯の湯色

お湯はやや熱め~ややぬる。うすく青味を帯びた灰白色、透明度30cmほどのにごり湯でクリーム色の湯の花を浮かべ、この湯の花は浴槽フチにも堆積しています。
色味は浴槽や光線の加減により微妙に変化しています。万座温泉らしいすばらしい色です。

 
【写真 上(左)】 露天の湯色-1
【写真 下(右)】 露天の湯色-2

酸性のレモン味と強い苦味のうらに+αの複雑な味で、”豊国館苦湯”という源泉名を裏切らず、苦味がアクセントとなっています。
ラムネ臭にしぶ焦げイオウ臭と明礬臭がまじるクリアーで爽快な湯の香。
イオウ泉系のするするとした湯ざわりが卓越していますが、しっかりとろみも感じられます。

しっかりとした浴感がありながら、どこか軽快であと曳き感も備えたお湯は、やはり万座でも屈指の名湯とみました。

〔 源泉名:苦湯(豊国館) 〕 <H21.5.8分析>
酸性・含硫黄-Na-硫酸塩温泉(硫化水素型) 68.2℃、pH=2.2、湧出量測定せず(自然湧出)、成分総計=1.53g/kg
Na^+=97.6mg/kg (22.55mval%)、Mg^2+=31.4 (13.70)、Ca^2+=40.8 (10.82)、Fe^2+=6.48、Al^3+=18.2、H^+=7.08 (37.30)
Cl^-=132 (19.47)、HSO_4^-=132 (19.47)、SO_4^2-=656 (71.78)、HCO_3^-=156
陽イオン計=227 (18.8mval)、陰イオン計=945 (19.1mval)、メタけい酸=143、メタほう酸=7.8、硫酸=2.8、硫化水素=109

〔 源泉名:豊国館苦湯 〕 <H10.10.21分析>
酸性・含硫黄-Na-硫酸塩温泉(硫化水素型) 75.8℃、pH=2.3、湧出量測定不能(自然湧出)、成分総計=1.63g/kg
Na^+=105mg/kg (20.45mval%)、Mg^2+=44.4 (16.30)、Ca^2+=41.1 (9.17)、Fe^2+=6.17、Al^3+=9.12、H^+=9.12 (40.43)
Cl^-=151 (19.39)、HSO_4^-=132 (6.19)、SO_4^2-=784 (74.15)、HCO_3^-=132
陽イオン計=269 (22.4mval)、陰イオン計=1070 (22.0mval)、メタけい酸=155、メタほう酸=14.9、硫酸=1.68、硫化水素=120

<温泉利用掲示>
〔男子内湯・混浴露天〕
加水:お湯張り替え時のみ 加温:なし 循環利用:なし 消毒:なし

〔 2013/01/11UP (2012/09入湯) 〕


E138.30.40.516N36.37.55.957
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■ 敷島温泉 「赤城の湯 ふれあいの家」



敷島温泉 「赤城の湯 ふれあいの家」
住 所 :群馬県渋川市赤城町敷島165-3 (旧 勢多郡赤城村)
電 話 :0279-56-2125
時 間 :10:00~21:00 / 第2水休 (8月無休)
料 金 :300円(市外)/2h
オフィシャルHP
紹介ページ(渋川市)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (群馬銀行)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (渋川市赤城商工会)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

2013年年始、じつに12年ぶりに入湯したので補足レポです。

平成5年、竹下内閣の通称「ふるさと創生事業」をつかって温泉掘削に成功、毎分1700Lもの湧出をみたとされる敷島温泉。
ここには「ユートピア赤城」「ヘルシーパル赤城」の豪華施設がありますが、それらに挟まれるようにひっそりとあるのが「赤城の湯ふれあいの家」です。

場所はJR上越線「敷島」駅の利根川寄り。駅徒歩8分、関越道「赤城」ICから約5分と交通の便に恵まれています。
渋川と沼田を結ぶ県道255からさらに利根川寄りのアクセス道に入ります。
道がちと複雑ですが、「ユートピア赤城」「ヘルシーパル赤城」などの看板がでているので迷うことはないかと・・・。
シックな木造の外観は小屋風で、知らない人は見過ごすかも。(2013年時点ではそれなりに目立つようになっています。)
ただ、すこし前(対面が農産物直売所)で佇んでいると地元の方がひっきりなしに出入りしていて相当な人気施設であることがわかります。
建物の外には常連さんの手拭いが一列に干されていて共同浴場か銭湯のよう。

入って右手が受付。その右手おくが休憩所で、地元の年輩客を中心ににぎわいをみせています。

右手おくが男湯、手前が女湯で交替制かどうかは不明。
脱衣所はそこそこの広さで100円返却式ローカーを配置。

浴場は男女別の内湯と露天。
こぢんまりとした内湯浴室に石枠タイル貼5-6人の内湯。
庭園風の露天は豪勢な三波石づくりで20人はいける予想外に立派なもの。
高めの竹垣に囲まれ展望はないものの風はとおり、手前には木組みの屋根が掛けられていて雨の日もOK。
露天まわりには涼み用のベンチも配置されています。
これに地元住民なら200円で入れるのですから、なるほど混む理由もわかろうというもの。

内湯カラン5(すくなすぎ)は常に満杯でした。(いまは増設されているかも。)
後註:2013年時点では内湯から露天に向かう途中に4つ増設され計9となっています。
シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。
年輩の地元客がとても多く、土曜11時でかなり混んでいました。(2013年では年始13時で10人ほど。)

内湯は赤茶変&少量の石灰華のでた石組みの湯口から熱湯をしずかに投入し、上面排湯口からの排湯でオーバーフローはなし。
露天は奥側の赤茶変&少量の石灰華のでた石組みの湯口からの熱湯投入と側面熱湯注入。
手前上面排湯口からの排湯とそのそばの側面吸湯口からの吸湯があるかどうか・・・。こちらもオーバーフローはありません。

2013年時点の脱衣所掲示によると内湯は循環ろ過なし、露天は循環ろ過ありとのこと。

〔2001年入湯時〕
広い露天かつ混んでいるので、場所によってはお湯がややなまり気味なのがちと残念。
源泉の持ち帰り可(2001年入湯時、いまは禁止されている模様。)なので、ペットボトル持参の人が目立ちます。建物横に温泉スタンドもあります。

 
【写真 上(左)】 温泉スタンド
【写真 下(右)】 年季入った温スタ

適温のお湯はわずかに緑色を帯びた透明で、こまかい白色の湯花がただよいます。
味不明、おだやかな湯の香とぬめりを帯びた湯ざわり。(筆者後註:ツルすべととろみが合わさった重曹泉系のものだと思う。)

温泉臭、ぬめり感、浴後にでる適度な湯づかれ感など、すこし前に行った宝川温泉に似ている感じがしました。(2001年入湯時の感想、いま入るとちがうかも・・・。)

日々入るのによいおだやかないいお湯だと思います。
施設は小規模で地元客メインの利用なので、ファミリー観光客には不向きかも。
「ユートピア赤城」「ヘルシーパル赤城」(ともに入湯済未レポ)などへどうぞ。
ただし、お湯は「ふれあいの家」がベストかと思いますが・・・。

 
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 敷島温泉

ここはたしか2005年くらいから塩素消毒を導入し、温泉好きのあいだで物議をかもした記憶があります。
ただ、公共系でお年寄りが多いので、いたしかたない部分もあるのかもしれません。

ここは再訪を期していましたが、個人的に混む施設はついつい敬遠してしまうので(笑)、2001年12月に一度入ったきりです。
(2006年2月20日に赤城村は渋川市と合併、地元料金200円で入れる範囲が渋川市全域に広がったので、余計に混むようになったのでは・・・?、と。)

塩素消毒も含め、どのようなお湯になったのか、平日の午前でも機会をみて再訪したいお湯です。

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〔2013年入湯時〕
 
【写真 上(左)】 ほのぼの系の看板
【写真 下(右)】 外観

湯温は露天湯口そばが熱く、手前内湯寄りはややぬるめ。内湯はその中間くらい。
わずかに緑茶色がかったお湯は、薄茶の浮遊物を浮かべています。
よわい芒硝重曹味に露天湯口ではよわい薬品味がまじります。
露天は明瞭なカルキ臭とそのうらでわずかにおだやかな温泉臭。
内湯はよわいカルキ臭+芒硝泉系のおだやかな湯の香。

アルカリ性のヌルすべより硫酸塩泉系のきしきしのほうが卓越している感じ。とろみはあるもののどことなく硬めの浴感か。
湯中の指先の青白発光もあり、以前より硫酸塩成分がつよまっているのでは?
あたたまりはかなりつよく、冬でも何人か露天のベンチでトドになっていました。

 
【写真 上(左)】 入口
【写真 下(右)】 干される手拭い

お湯は内湯の方がいいですが、露天の方が人気があります。
それにしても露天のカルキのつよさは群馬では屈指のものかと思います。
これだけの広い露天、これだけの入り込み、そして年輩客が多い公共系施設となればレジ菌対策を考えるとやはり安全サイドにカルキ投入してしまうのはいたしかたないところか・・・。

それでもこの盛況をみれば、地元に愛される施設としてのポジションはゆるぎないように思えました。

〔 源泉名:赤城の湯 〕 <H14.10.18分析>
単純温泉(Na-HCO3型) 45.5℃、pH=8.1、湧出量不明、成分総計=0.67g/kg
Na^+=154mg/kg、Fe^2+=0.04
Cl^-=19.5、SO_4^2-=9.6、HCO_3^-=388
陽イオン計=167、陰イオン計=422、メタけい酸=76.9

〔 源泉名:赤城の湯 〕 <H4.8.19決定>
単純温泉(Na-HCO3型) 46.2℃、pH=8.1、1500L/min(掘削自噴)、成分総計=0.70886g/kg
Na^+=155mg/kg (92.71mval%)、Fe^2+=0.09
Cl^-=32.7 (12.03)、SO_4^2-=1.2、HCO_3^-=409 (87.58)
陽イオン計=170.29 (7.27mval)、陰イオン計=443.17 (7.65mval)、メタけい酸=69.6

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:内風呂なし、露天あり 塩素系薬剤使用:あり

■ブランドグルメ
〔 赤城村のいちご 〕
渋川市の旧赤城村樽地区はイチゴの産地として知られています。
「有機栽培と(収穫しやすい)高設ベンチ栽培で有名」(観光navi)らしく、地区内数軒の農園でイチゴ狩りができます。
品種はとちおとめ、あきひめ、やよいひめ、紅ほっぺ、女峰など。出荷時期はおおむね1月~6月上旬。

〔 2013/01/06UP (2013/1・2001/12入湯) 〕


E139.2.6.170N36.31.51.120
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■ 滝沢温泉 「滝沢館」



滝沢温泉 「滝沢館」
住 所 :群馬県前橋市粕川町室沢滝沢241 (旧 勢多郡粕川村)
電 話 :027-283-5711
時 間 :10:30~15:00(要事前確認)
料 金 :600円
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (群馬の温泉宿(求人ジャーナル社))
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※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

赤城山の南面、粕川の渓流沿いにある一軒宿で日本秘湯を守る会会員宿。
温泉名は滝沢温泉。赤城温泉郷のひとつに数えられます。
アクセスは赤城神社の下をかすめ赤城山に登る県道16号大胡赤城線経由。「忠治館」のすこし下の三叉路を右にとり、ちょっとした尾根を乗っ越してのアプローチ。

 
【写真 上(左)】 アプローチのサイン
【写真 下(右)】 雰囲気あるアプローチ

この尾根は分水嶺となっていて、赤城温泉は神沢川沿い、滝沢温泉は粕川沿いと谷筋がちがいます。
ちなみに、赤城温泉・「忠治館」は旧 宮城村、滝沢温泉は旧 粕川村に属し、赤城温泉郷としてのまとまりにいささか欠けたきらいもありましたが、いまは両村とも前橋市に編入され、一体的にPRされるようになりました。

 
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 入口の看板

粕川にかかる橋を渡っての雰囲気あるアプローチ。この橋の手前の坂は冬季凍結気味になるので要注意です。

 
【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 名残りの紅葉

建物は近年リニューアルを重ねて、純和風の小綺麗なつくりになっています。
以前いた”シロ”という人なつこい老犬の姿は見えず、やたらに吠える元気のいい犬がお出むかえ。

日帰りで入れる露天風呂へは、以前は駐車場側からのアプローチでしたが、いまは館内経由に変更されています。

ここは、かなり以前から気に入りのお湯で15回以上は行っているかと思います。
以前はなんとなく生彩を欠いていたような雰囲気のお宿でしたが、行くたびにあか抜けていくような気がして、地道な営業努力が感じられます。

館内の演出にも趣向がこらされ、日帰り客も休める?ような湯上がり処ができています。
時季によってはチェックイン前でも立ち寄り客が多くて活気があります。
今回(2012/11)久しぶりに訪ねたときはさらに趣を加え、泊りたい衝動にかられました。

内湯(木枠石貼3-4人)の日帰り入浴は不明(未確認)ですが、露天の雰囲気が好きなのでいまだに未入浴。一度偵察したことがありますが、お湯は透明で、見た感じからすると露天のほうがお湯はよさげ。


【写真 上(左)】 内湯 (2003年)
【写真 下(右)】 内湯の湯口 (2003年)

上質感の高まった帳場から休憩所兼囲炉裏の脇を抜け、外履きに履き替え外に出ます。
階段を下ってすぐが露天入口。左手が男湯、右手上流側が女湯の固定制です。
コンパクトでやや暗めの小屋風脱衣所。扉をあけると眼前に露天が展開。

 
【写真 上(左)】 露天入口
【写真 下(右)】 脱衣所

カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
時季によりけりですが、週末だとたいてい数人は日帰り客が入り込んでいます。

 
【写真 上(左)】 注意書
【写真 下(右)】 露天

露天は粕川の渓流沿いにある野趣あふれるもの。
すぐ下は粕川の流れ。赤城南麓の谷あいにあるこのお湯は、春の新緑、夏の清流、秋の紅葉、冬の風花と、四季折々の趣を見せてくれます。
ただ、夏は強力なアブが発生するので、空中戦を展開しながらの入湯となりますが・・・(笑)

 
【写真 上(左)】 野趣あふれる露天-1
【写真 下(右)】 野趣あふれる露天-2

露天には、メイン露天(岩造、10人位)と、川寄りに非加温源泉槽があります。
以前は非加温源泉槽はなく、非加温源泉の飲泉所がありましたが、飲泉所が若干場所をずらして非加温源泉槽に姿をかえたようです。


【写真 上(左)】 飲泉所 (2003年)
【写真 下(右)】 飲泉所の湯口 (2003年)


【写真 上(左)】 赤く染まる飲泉所からの排湯 (2003年)
【写真 下(右)】 析出に紅葉

メイン露天は重炭酸土類泉らしく黄土色の石灰華の析出で見事にコーティングされた湯口から加温湯を投入、底面のパイプからの吸引でオーバーフローはありません。
浴槽まわりの析出は見事で、湯底も析出でコーティング。析出マニア(^^)にはたまらないのでは・・・。

 
【写真 上(左)】 析出&湯の花
【写真 下(右)】 源泉槽がいいアクセント

以前の掲示では「お湯は新鮮なうちは黄緑色、約30時間で透明になる」とあったので循環系湯づかいとも思いますが(最新掲示は「循環加熱」)、お湯はたいてい好コンディションを保っています。

 
【写真 上(左)】 メイン露天の湯口
【写真 下(右)】 メイン露天湯口の析出&湯色

適温~ややぬるめのお湯は、きれいな緑黄色で透明度は30cmほど(透明のときもある)。酸化鉄らしき赤茶~黄土色の浮遊物を大量に湛えています。
金気まじりのおだやかな温泉臭があって、調子がいいときはこれに若干の焦げ臭が混じります。
重曹泉ながらツルすべ感はなくむしろひっかかる感じの肌触り。浴感はかなり強くてよく温まり長湯するとけっこうどっしりきます。
このお湯はタイミングにより状態に差があり、調子がいいときは湯口そばでアワつきもあります。


【写真 上(左)】 露天 (2003年)
【写真 下(右)】 露天の湯色 (2003年)

新設された非加温源泉槽は金属製の窯風呂でかなりふかめの1人用。
(女湯にも新設されていますが、男湯より小ぶりのよう。)
石灰華の析出&赤茶変した石の湯口から冷たい源泉を10L/minほど投入し、湯船からあふれた分は粕川に向け放流されています。
新設の湯口にしてはやけに析出&変色がきついなと思いきや、これは以前の飲泉所の湯口をそのまま転用したようです。

 
【写真 上(左)】 非加温源泉槽
【写真 下(右)】 注がれる非加温源泉

 
【写真 上(左)】 芸術的な湯口
【写真 下(右)】 上からの非加温源泉槽

浴槽温度は20℃超はあると思われ、メイン露天で温まってからいけば、冬場以外ならさして抵抗はないのでは。

お湯はやや緑がかってかすかに懸濁。透明度はメイン露天よりはるかに高く鮮度感抜群。
湯中には気泡が舞い、おどろいたことにかなりのアワつきがあります。
ひょっとするとこれは正真正銘の炭酸泉によるアワつきかもしれません。
炭酸の存在を語るがごとく、小虫がわらわらと飛び交っているのはいたしかたないところか・・・。

 
【写真 上(左)】 赤茶の排湯
【写真 下(右)】 露天女湯

金気だし味+明瞭な炭酸味+旨味+芒硝味が入り混じる、複雑かつインパクトのある味はかつての飲泉とほぼ同じ。
焦げ臭+金気貝汁臭にわずかな炭酸臭を交えます。
土類系と思われるぎしぎしとした湯ざわりが卓越し、肌に染み入るような感覚とよわいながら炭酸収斂感を感じます。

 
【写真 上(左)】 露天女湯の湯口
【写真 下(右)】 露天女湯の湯色

メイン露天では重炭酸土類泉のイメージがつよいですが、源泉槽では炭酸泉のキャラを感じます。
関東周辺では非常にめずらしい天然炭酸泉体験で、炭酸泉のイメージは塩沢温泉「高林閣」には及ばないものの、初谷鉱泉(浴槽)よりは前面に出ている感じ。
塩沢温泉「高林閣」はなお休業中とみられるので、ひょっとして現在、関東最強の炭酸泉といえるかも・・・。

 
【写真 上(左)】 露天女湯の非加温源泉槽
【写真 下(右)】 露天女湯の非加温源泉槽の湯口

ただ、これほどの浴槽をつくってしまった以上、これを目当てに訪れる客も少なくないはず。
現況、もったいないほどの湯づかいをしているので、もう一槽あれば待ち客を気にせずゆったり入れるのに。と贅沢な想いも・・・。

このあと訪れた赤城温泉もあいかわらず調子がよかったし、地味ながら泉質にこだわる温泉好きは見逃せないエリアだと思います。

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(以前あった源泉槽のレポ)
露天脇に飲泉があって、竹の掛樋から粕川に流れ出しており、まわりは鉄分で赤茶に変色。20℃位で無色透明金気臭。炭酸味+金サビ味にうま味が混じった何とも複雑な味がします。(伊香保の飲泉所に似ている)
これを湯船に満たすとお湯は鉄サビ色になる筈なので、露天と飲泉は別源泉かも?。
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〔 源泉名:滝沢温泉 滝沢の湯 〕 <H20.11.12分析>
Ca・Na・Mg-炭酸水素塩冷鉱泉 24.3℃、pH=6.2、89L/min*(50m掘削自噴)、成分総計=2.20g/kg
Na^+=137mg/kg (32.99mval%)、Mg^2+=64.5 (29.40)、Ca^2+=122 (33.79)、Fe^2+=5.43
Cl^-=122 (19.68)、HCO_3^-=745 (70.02)、SO_4^2-=86.0 (10.27)
陽イオン計=348mg/kg (18.1mval)、陰イオン計=953mg/kg (17.4mval)、メタけい酸=141、メタほう酸=12.4、遊離炭酸=746、硫化水素=0.0
*) 湧出量は別掲示によると80~100L/min

【以前の掲示】〔 源泉名:滝沢温泉 北爪の湯? 〕 <分析日不明>
Ca・Na・Mg-炭酸水素塩冷鉱泉 泉温**・湧出量・成分総計記載なし、pH=6.1
Na^+=170mg/kg (30.56mval%)、Mg^2+=85.0 (28.95)、Ca^2+=179 (37.61)、Fe^2+=7.3
Cl^-=168 (19.48)、HCO_3^-=1030 (69.38)、SO_4^2-=130 (11.14)
陽イオン計=463.8mg/kg (24.18mval)、陰イオン計=1328.06mg/kg (24.33mval) 

・お湯表面の白い粉=炭酸カルシウム、黄褐色の沈殿物=酸化鉄、40万年前の赤城の雨水が地中の岩石成分を溶かして湧出(以前の脱衣所掲示より)
** 泉温はガイド本によると24.5℃とのこと。

<温泉利用掲示>
野天風呂:循環加温 / 壺風呂:源泉かけ流し

〔 脱衣所掲示 〕
・源泉給湯方法
壺風呂源泉給湯口より竹樋にて、湯船溢湯まで、一日に2~3度たします。
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四十年前に、赤城山に降った雨が、地中に浸透し、岩石などの鉱物成分を透かして、現在湧出しております。

■ブランドグルメ
〔 粕川のモロヘイヤ 〕
モロヘイヤ(シマツナソ/タイワンツナソ)は中近東などで盛んに食される栄養価の高い緑黄色野菜で、1980年代に日本に入ってきたとされ各地で栽培が広がりました。
旧 粕川村でも栽培が盛んで粕川村編入後は「前橋のモロヘイヤ」として出荷されています。うどんに練り込んだモロヘイヤうどん(元気うどん)という名物もあるようです。

〔 2012/12/27内容補強のうえUP (2003/10/20レポ (2000年以前から複数回入湯) 〕


E139.11.24.820N36.29.39.946
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■ 敷島温泉 「赤城の湯 ふれあいの家」



敷島温泉 「赤城の湯 ふれあいの家」
住 所 :群馬県渋川市赤城町敷島165-3 (旧 勢多郡赤城村)
電 話 :0279-56-2125
時 間 :10:00~21:00 / 第2水休 (8月無休)
料 金 :300円(市外)/2h
オフィシャルHP
紹介ページ(渋川市)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (群馬銀行)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (渋川市赤城商工会)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

平成5年、竹下内閣の通称「ふるさと創生事業」をつかって温泉掘削に成功、毎分1700Lもの湧出をみたとされる敷島温泉。
ここには「ユートピア赤城」「ヘルシーパル赤城」の豪華施設がありますが、それらに挟まれるようにひっそりとあるのが「赤城の湯ふれあいの家」です。

場所はJR上越線「敷島」駅の利根川寄り。駅徒歩8分、関越道「赤城」ICから約5分と交通の便に恵まれています。
渋川と沼田を結ぶ県道255からさらに利根川寄りのアクセス道に入ります。
道がちと複雑ですが、「ユートピア赤城」「ヘルシーパル赤城」などの看板がでているので迷うことはないかと・・・。
シックな木造の外観は小屋風で、知らない人は見過ごすかも。

浴場は男女別の内湯と露天。
こぢんまりとした浴室にタイル貼5-6人の内湯。
庭園風の露天は銘石組青鉄平づくりで20人はいける予想外に立派なもので、高い竹垣に囲まれ展望はないものの風はとおります。
手前には木組みの屋根が掛けられていて雨の日もOK。
これに地元民なら200円で入れるのですから、なるほど混む理由もわかろうというもの。

内湯カラン5(すくなすぎ)は常に満杯でした。(いまは増設されているかも。)
年輩の地元客がとても多く、土曜11時でかなり混んでました。

たしか外側のほうに湯口があったかと思いますが、お客にガードされていて近寄れず。
オーバーフローはないですが、”源泉かけ流し”との事。

広い露天かつ混んでいるので、場所によってはお湯がややなまり気味なのがちと残念。
源泉の持ち帰り可(2001年入湯時、いまは禁止されている模様。)なので、ペットボトル持参の人が目立ちます。建物横に温泉スタンドもあります。

 
【写真 上(左)】 温泉スタンド
【写真 下(右)】 年季入った温スタ

適温のお湯はわずかに緑色を帯びた透明で、こまかい白色の湯花がただよいます。
味不明、おだやかな湯の香とぬめりを帯びた湯ざわり。(筆者後註:ツルすべととろみが合わさった重曹泉系のものだと思う。)

温泉臭、ぬめり感、浴後にでる適度な湯づかれ感など、すこし前に行った宝川温泉に似ている感じがしました。(2001年入湯時の感想、いま入るとちがうかも・・・。)

日々入るのによいおだやかないいお湯だと思います。
施設は小規模で地元客メインの利用なので、ファミリー観光客には不向きかも。
「ユートピア赤城」「ヘルシーパル赤城」(ともに入湯済未レポ)などへどうぞ。
ただし、お湯は「ふれあいの家」がベストかと思いますが・・・。

 
【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 敷島温泉

ここはたしか2005年くらいから塩素消毒を導入し、温泉好きのあいだで物議をかもした記憶があります。
ただ、公共系でお年寄りが多いので、いたしかたない部分もあるのかもしれません。

ここは再訪を期していましたが、個人的に混む施設はついつい敬遠してしまうので(笑)、2001年12月に一度入ったきりです。
(2006年2月20日に赤城村は渋川市と合併、地元料金200円で入れる範囲が渋川市全域に広がったので、余計に混むようになったのでは・・・?、と。)

塩素消毒も含め、どのようなお湯になったのか、平日の午前でも機会をみて再訪したいお湯です。

〔 源泉名:赤城の湯 〕 <H14.10.18分析> ※「ヘルシーバル赤城」掲示より
単純温泉(Na-HCO3型) 45.5℃、pH=8.1、測定せず(動力揚湯)、成分総計=0.67g/kg
Na^+=155mg/kg (93.64mval%)、Fe^2+=0.04
Cl^-=19.5 (7.58)、SO_4^2-=9.6、HCO_3^-=388 (87.60)
陽イオン計=167 (7.15mval)、陰イオン計=422 (7.27mval)、メタけい酸=76.9

〔 源泉名:赤城の湯 〕 <H4.8.18分析>
単純温泉(Na-HCO3型) 46.2℃、pH=8.1、1500L/min(掘削自噴)、成分総計=0.70886g/kg
Na^+=155mg/kg (92.71mval%)、Fe^2+=0.09
Cl^-=32.7 (12.03)、SO_4^2-=1.2、HCO_3^-=409 (87.58)
陽イオン計=170.29 (7.27mval)、陰イオン計=443.17 (7.65mval)、メタけい酸=69.6

■ブランドグルメ
〔 赤城村のいちご 〕
渋川市の旧赤城村樽地区はイチゴの産地として知られています。
「有機栽培と(収穫しやすい)高設ベンチ栽培で有名」(観光navi)らしく、地区内数軒の農園でイチゴ狩りができます。
品種はとちおとめ、あきひめ、やよいひめ、紅ほっぺ、女峰など。出荷時期はおおむね1月~6月上旬。

〔 2012/09/25UP (2001/12入湯) 〕


E139.2.6.170N36.31.51.120
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