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■ 川原湯温泉 「王湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<川原湯温泉「王湯」> (群馬県長野原町川原湯、10:00~18:00(冬季~17:00)、300円/入浴のみ、0279-83-2960)
紹介ページ (@nifty温泉)

吾妻の名湯、川原湯温泉には「王湯」、「笹湯」「聖天様露天風呂」の3つの共同浴場があります。王湯は川原湯温泉の奥、川原湯神社の門前にあり、Pは建物前と神社下に数台分ありますが満車のことが多いです。

石+木造切妻屋根の風情ある外観、源頼朝公開湯のいわれにちなむ、笹竜胆の紋が誇らしげ。
入って右手階段下が内湯、階段を下りずに廊下を渡ると露天。ともに男女別です。なお、渡り廊下の下に「元の湯」泉源が湯煙をあげています。



露天は鉄平石造6.7人。山肌に張り付いているようなロケで眼下に渓谷が望めます。
石膏まみれの金属パイプからの熱湯源泉投入+カランからのうめ水少量投入。パスカル方式の排湯+オーバーフローのかけ流し。湯口にはコップあり。
お湯は、ほぼ微白濁でうす茶の浮遊物が少量。芒硝味微塩味にしぶ焦げイオウ臭。内湯よりヌルすべが強く、とろみ、鮮度感、温まり感とも劣りますが、内湯ではみられなかった指先の青白発光がこちらにはありました。



受付横の階段を下りると内湯脱衣所があり、浴室はさらに階段を下った所でここにもサブの脱衣所があります。天井が高くすこぶる雰囲気のある好みの浴場です。よく笹湯は地元(通)向き、王湯は観光客向きと言われますが、王湯も笹湯に劣らず十分風情があります。
石枠鉄平石+伊豆石造の入り心地のいい湯船は4.5人。石から突き出たパイプ(右/A、左/B)と窓側の塩ビパイプ/Cの3本の熱湯源泉投入とカランからのうめ水投入。ここも湯口にコップがあります。槽内注排湯はなく、切欠から流し出すかけ流し。
ここに限らず川原湯共同湯の湯口のお湯は異常に熱いので要注意。さわると確実にやけどします。(湯船も全般に熱め)
なお、3ケ所の共同浴場のうちシャワーがあるのは王湯の内湯のみです。
カラン1、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。土曜11時で独占!~4人とめずらしく空いていました。



ほぼ適温のお湯はやや黄色味を帯びた透明で、白~灰色の羽毛状の湯の花がふわふわとただよっています。アブラ臭としぶ焦げイオウ臭が醸し出す独特な川原湯臭が強く香ります。3本の湯口はニュアンスが微妙にちがいます。
湯口A:川原湯臭強く、弱塩味+芒硝味+微たまご味、ゲキ熱。
湯口B:しぶ焦げイオウ臭が卓越、微塩味+芒硝味+微たまご味、熱い。
湯口C:AとBの中間でAにちかい、ゲキ熱。
きしきしととろみを帯び、肌に喰い入るような力強いお湯で温まり感が半端じゃありません。トドになっているとまたぞろ入りたくなる後をひくお湯はやはり名湯です。
弱加水が残念ですが、水を入れないとすぐに熱くて入れなくなってしまうのでやむなしか。

3ケ所の共同湯のうち、王湯の内湯がいちばん川原湯臭が強い気がします。鮮度を求めるなら笹湯、川原湯臭狙いなら王湯内湯か?(笑)

こんなすばらしい共同浴場がダムに沈んでしまうのはとても残念。これから水没までに何回か訪れることになりそうです。

データ1:王湯建物前掲示
含食塩石膏硫化水素泉 72℃、Na^+=232mg/kg、Ca^2+=230、Cl^-=287、SO_4^2-=577.6、メタほう酸=65.54 <分析年月日不明>

データ2:王湯露天(川原湯新湯)
Ca・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉 78.9℃、pH=7.7、成分総計=1.53895g/kg、Na^+=250mg/kg、Ca^2+=225、F^-=1.2、Cl^-=308、SO_4^2-=595、HCO_3^-=36.6、陽イ計=480.35、陰イ計=940.8、メタけい酸=88.7、メタほう酸=22.7、遊離硫化水素=2.0 <分析年月日不明>

データ3:王湯露天(川原湯温元の湯、新湯混合泉)
含硫黄-Ca・Na-塩化物・硫酸塩泉 71.6℃、pH=7.1、湧出量:測定せず、成分総計=1.96g/kg、Na^+=289mg/kg (43.69mval%)、Ca^2+=321 (55.62)、Fe^2+=0.01、Cl^-=576 (55.56)、HS^-=1.2、SO_4^2-=584 (41.62)、HCO_3^-=45.8、陽イオン計=616 (28.8mval)、陰イオン計=1208 (29.2mval)、メタけい酸=88.4、メタほう酸=37.8、硫化水素=1.0 <H14.6.27分析>

<温泉利用掲示(露天)> 加水:あり 加温:なし 循環濾過:なし 消毒処理:なし

〔 2002/01/03レポに加筆 (2002/01以降10回ほど入浴) 〕


E138.42.14.197N36.32.39.353
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■ 「平安湯」 (横浜市鶴見区) 〔 Pick Up温泉 〕



<「平安湯」>(横浜市鶴見区平安町1-70、15:00~24:00、400円、045-502-4126)

源泉水風呂が話題となった鶴見にある温泉銭湯です。
京急本線「鶴見市場」駅から迷わなければ ^^) 徒歩5~6分ですが、妙に行きにくい場所にあります。
「鶴見市場」駅の階段を降りて右(海)方向に進みます。しばらくすると第一京浜国道にぶつかるのですぐ右手の歩道橋を渡り、左手の階段を降りてすぐの路地を右に入ります。
すぐに三角形の市場公園にぶつかるのでこれを通り抜けて道なりに進み、片側2車線の広い道を信号で渡り、そのまま住宅地をしばらく進むと左手にあります。

受付はフロント形式で脱衣所もゆったりしていていい感じ。
天井の高い浴室の奥に、ジェット槽(真湯)、ジャグジー&電気風呂槽(真湯)、加熱温泉槽(赤みかげ石枠タイル貼2.3人)が並び、入口の脇に水風呂(同1人、非加熱温泉)があります。サウナ料金内は太っ腹。
カラン29、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。平日19時で5~10人。

加熱温泉槽は、石の湯口から大量投入+ジャグジー状底面注入で上面排湯はたぶん循環かと。
カランが2つあって1つはぬるめの源泉?が出ます。(もう一つは蛇口動かず)
水風呂は球状の黒い石の湯口から投入で上面排湯口から排湯し、ときおりオーバーフローがあります。弱い側面吸湯(注入かも?)が間欠的に作動しているので完全かけ流しかは不明。
水風呂のまわりは鉄分で赤茶に変色し、いい感じに仕上がっています。

加熱温泉槽はほぼ適温で、緑茶色で薄く濁ったお湯は味不明ほぼ無臭で弱いツルすべ(蛇口は金気味臭)。
水風呂は、かなり冷たいですが、しばらく入ってると慣れてきます。
加熱温泉槽より若干濁りが強く少量の茶色の浮遊物あり、金気味+微塩味+微重曹味+α。金気臭に弱い粘土臭が混じります。
金気味臭が前面に出張ってきているので、他の微妙な味臭が隠れてしまいよくわかりません。めがねさんが伊香保を引き合いに出されたのは、この金気味臭のせいかな? 
ここではあまりツルすべは感じられませんが、けっこうな量のアワつきがあってアワつきのヌルヌルはあります。甲府のアワつき自噴泉群からモール?臭を抜いたようなイメージか。
あまりほてらず、浴後爽快感が出てお肌すべすべとなる重曹泉系の湯あがり感。

それなりに客はいましたが、温泉槽はどちらもあまり入っている人がいなかったので、何度か冷温交互浴を楽しみました。
加熱槽はさほどインパクトはありませんでしたが、水風呂はなかなかいいです。
鶴見でアワつき湯とはたしかに意表をついた攻撃かも・・・ ^^)

Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 16.0℃、pH=7.3、60L/min、溶存物質計=1.193g/kg、Na^+=285.6mg/kg (77.77mval%)、Fe^2+=7.5、Cl^-=328.2 (54.76)、HCO_3^-=455.7 (44.12)、CO_3^2-=0.8、陽イオン計=351.7 (15.97mval)、陰イオン計=791.8 (16.91mval)、メタけい酸=46.8 <S61.6.16分析>

〔 2004年6月20日レポ 〕
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【 コラム 】 温泉と神仏

20~30代のころ、私の休日は温泉よりも林道ドライブや史跡巡りに費やされていました。なかでも神社仏閣はよくまわったものです。
ここ数年はひたすら温泉巡りで、神社仏閣を巡る間もなかったのですが、最近は古い温泉地をじっくり散策する機会も増えてきて、昔の虫が騒ぎ出しました。

そこで、温泉と神仏の関係についてまとめてみます。このテーマは奥が深いので、じっくりと腰を据えてかかりたいと思います。
温泉といえばまず温泉神社ですが、こちらは事例が多くえらく複雑なので、まずは寺院関係からとりとめもなくいきます。

<湯場(温泉地)にゆかりの寺院と仏さま>

まずはざっとネット検索をかけてみました。
温泉地名 守護寺ないしはゆかりの寺 ご本尊 の順です。

日光湯本 温泉寺 薬師如来
城崎 温泉寺 十一面観音
有馬 温泉寺 (薬師堂) 薬師如来
龍神 温泉寺 薬師如来
下呂 温泉寺 薬師如来 
山中 医王寺 薬師如来
山代 薬王院温泉寺 十一面観音
粟津 大王寺 薬師如来
秋保 泉明寺 薬師如来・日光月光菩薩
形原 補陀寺 薬師如来
片山津 愛染寺 薬師如来
道後 湯釜薬師 薬師如来
辰口 集福寺 薬師如来
湯の峰 東光寺 薬師如来
野沢 温泉薬師堂 薬師如来
浅間 湯谷社湯薬師/下浅間薬師堂 薬師如来
川湯 十二薬師 薬師如来

このように圧倒的に薬師如来が多いことがわかります。
それでは薬師如来とはどのような尊格なのでしょうか。

【 薬師如来 】
仏教の尊格には如来、菩薩、明王、天部、羅漢・僧形などがあります。
如来は悟りを開いた覚者(仏)、菩薩は自らも悟り、衆生を救済するために修行する者、明王は如来の明呪(真意)を保持するもの、天部は仏教の護法神とされています。(このあたりは専門サイトが多数あるので興味ある方は参照ください。)
薬師如来は、人間の病苦や苦悩を癒す十二の誓願をたてられた如来で、薬師瑠璃光如来、大医王仏ともよばれます。左右に日光・月光菩薩を従えた三尊形式や十二神将とよばれる眷属を配します。密教の両界曼荼羅には描かれませんが、胎蔵大日如来や金剛界の阿閦如来と同体とする説があります。 

かつての湯場は病を癒す場であり、人間の病苦や苦悩を癒す薬師如来が信仰されたことは自然ななり行きだったと思われます。また、有馬や道後などの古湯でふるくから信仰され、これが他の湯場に広まっていったことも考えられます。
薬師の名を配した湯場や浴場は数多く、その一部をあげておきます。

薬師温泉(群馬)
温泉津薬師湯温泉(島根)
ニセコ薬師温泉(北海道)
こんだ薬師温泉(兵庫)
川治温泉「薬師の湯」(栃木)
白根温泉「薬師の湯」(群馬)
発哺温泉「薬師の湯」(長野)
村杉温泉「薬師の湯」(新潟)
湯村温泉「薬師湯」(兵庫)
上北山温泉「薬師湯」(奈良)

【 十一面観音 】
観音菩薩は観世音菩薩、観自在菩薩ともいわれ、衆生の救いを求める声をきくと、自在にこれを救われる菩薩とされます。三十三の相をもって慈悲を行ずるとされるため、多くの観音菩薩がおわし、十一面観音もそのひとつ。深い慈悲により衆生から一切の苦しみを抜き去る功徳を施す仏とされ、薬師如来と同じような理由により湯場で信仰されたものと思われます。

■観音の名を配した湯場や浴場の例(以下おなじ)
観音温泉(南伊豆)
穴観音の湯(小布施)
浅草観音温泉(東京)
高崎観音山温泉
布引観音温泉(佐久)
東鷲宮百観音温泉(埼玉)
聖籠観音の湯(新潟)
南平台温泉観音湯(馬頭)
成相観音温泉(京都宮津)


この他に温泉地名や温泉施設には以下のような尊格名がみられますが、守護寺ないしはゆかりの寺の本尊としては少数の事例しかみつかりませんでした。(今後さらに探索します)

【 地蔵菩薩 】
■大地の恵みを神格化した菩薩とされ、死者を六道に導く存在として、路傍や峠道などで広く信仰されました。温泉の仏というよりは、地名や地蔵堂のそばにある湯場という意味合いで名づけられた例が多いように思います。
城崎温泉には道智上人(地蔵菩薩の化身とされる)による開湯伝承があります。

湯の澤温泉「地蔵の湯」(山形鶴岡)
草津温泉「地蔵の湯」
地蔵の湯(地蔵川ホテル)(北軽井沢)
地蔵温泉「スパリゾートゆにーいく」(群馬)
地蔵温泉「十福の湯」(長野)
地蔵温泉(新潟)

【 不動明王 】
■密教の中心仏大日如来の輪身ないしは使者とされる代表的な明王で、修験道とも関係の深い尊格。山の温泉をこまめにあたればもっと事例がみつかると思います。

平湯温泉「神の湯」の尊格
不動の湯(塩原)
不動湯(土湯)
不動湯(富士吉田)
不動の湯(秩父)

【 弁財天 】
■財宝神や音楽・言語の神としての性格をもつが、水に関係のある場所に祀られることが多いので、温泉と関係をもっているのかも・・・。

弁天温泉(那須)
浅川温泉「弁天の湯」(茨城)
土肥温泉大藪温泉共同浴場「弁天の湯」(西伊豆)
伊東温泉「湯川弁天の湯」(東伊豆)

【 聖天様 】
■正式には大聖歓喜天。諸願成就の神として広く信仰される。

川原湯温泉「聖天様露天風呂」(群馬)

【 大黒天 】
■温泉神社に多く祀られる大己貴神(大国主命)と少彦名神。本地垂迹(ほんちすいじゃく)説(日本の八百万の神々は、様々な仏が化身としてこの地に現れた権現であるとする考え)では、大国主命の本地仏は大黒天なので、温泉との関わりは深いかと思いましたが意外に少数。

蔵王温泉=蔵王大黒天
小野川温泉=甲子大黒天本山(小野山宝珠寺)


●浴場の守護仏
東司(トイレ)の守護仏として烏枢沙摩(うすさま)明王がありますが、不勉強につき浴場の守護仏は不明。きっとおられると思うので、探してみます。

(つづく)
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【 コラム 】 魚ってマグロだけ?

  

今回は温泉じゃないです。あいすみませぬ。

このところ海辺の温泉にでかける機会が多かった。魚に目がない私は、魚料理屋や地魚回転寿司で地の魚を食べるのが楽しみなのだが、最近妙に目につくことがある。やたらとマグロやトロの注文が目立つのだ。

内房の地魚回転寿司でマグロとトロをひたすら連打していた若いカップル。南房の地魚料理店で、メニューにもないマグロの刺身定食をむりやり注文していたグループ客・・・。
これが焼津や三崎、紀伊勝浦ならまだわかる。でもわざわざ房総や伊豆まできてなぜにどうしてマグロ?
むろん伊豆や房総でもクロマグロなどは揚がるという。でも、そんなのは超レアもので、ふつうに考えれば定食や回転寿司に提供できるワケがない。
「好きで食べてんだから、べつにい~じゃん、ほっとけ」とは思うのじゃが・・・ (^^;)

「江戸時代、武士は絶対食べなかった」「戦前は食べてもヅケ(赤身)で、油ぎったトロなど”猫またぎ”と蔑まれ捨てられていた」「格式高い関西のやかた(高級料理店)ではいまでも出さない」などなど、マグロ下魚論は世に掃いてすてるほどあるが、マグロが超人気魚となっている現実の前ではむなしく響くだけ。脂肪系ギトギト料理に慣れた人には、たしかにマグロ(とくにトロ)ほど美味しい魚はないと思う。

でもでも、ちょい待った。この美味しいマグロは世界中でめきめきと人気をあげている。
「こげなうまかもんをジャパニーズが独占しとるのはけしからぬ!」という動機かどうかはわからぬが、「乱獲防止&資源保護」というお題目のもとに、とくに全世界で捕れるほとんどを消費しているといわれるクロ、ミナミなどの日本への供給は今後確実に減らされ、流通量も減る。需要が変わらず供給が減ればとうぜん値段は高騰し、マグロ好きにはきびしい時代がやってくるというわけだ。

かたや、国産魚の国内需要は減る一方といわれ、数年前に大ブレークした「おさかなの唄」(だったか?)はその打開策のひとつだったとされている。需要が減ればやっていけない漁師さんがでてくる(というか、さらに増える)というワケで、マグロは高いは、国産の旬魚は入ってこないはという、魚好きにとって八方ふさがりな時代がやってくるかもしれず・・・。

そいつはやばい、ということで、みなさんマグロ以外の魚もたくさん食べましょう(笑)
養殖技術や物流システムがすすみ、最近では養殖ものでもとっても美味しい。愛媛宇和海産の真鯛、大分産のヒラメなど、ハンパな天然ものなど勝負にならないようなすぐれものがリーズナブルな値段で手に入る。魚といえば焼酎より地酒、ということで、焼酎ブームに押され青息吐息の酒造メーカーもこれでほっと一息?
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■ よしかわ天然温泉 「ゆあみ」

<よしかわ天然温泉「ゆあみ」> (吉川市、10:00~23:00、850円(土日祝 950円)、048-982-2647)
オフィシャルHP

JR武蔵野線「吉川」駅前にあった日帰り温泉「エメラルド・マリン」がリニューアル、「ゆあみ」と改称し、昨年12/7にオープンしたもの。
エントランス、フロントまわり、食事処などが大幅リニューアル、和風に演出されています。

 

前回入ったとき(→レポ)とちがう浴場だったので断言できませんが、浴場構成に大きな変更はなさそうです。なお、前回入った露天の広い浴場はリニューアル後、女湯固定となっています。

2Fが脱衣所で浴場フロアは2Fと3F、内部階段でハダカ移動するのは以前とおなじ。
2F浴室は小さめで智光薬湯(これけっこう好き)、五行石五色の湯(ストーンパワーの湯、真湯、カルキ)、温泉槽(タイル貼4.5人)に色彩浴(?)。カラン10。
メインの3F浴室は手前から、洗い場(カラン20、スペースゆったりでつかいやすい)、機能浴槽(真湯、カルキ)、蒸し風呂、サウナ、水風呂(冷たい、強カルキ)、源泉槽(タイル貼3人)、温泉槽(同12人以上)、噴き出し湯(真湯、カルキ)と多彩。
露天ゾーンに寝ころび湯×2(真湯、強カルキ)と露天(自然石枠石タイル敷15人以上)。露天は軒下タイプながらよく造り込まれていて雰囲気があります。年始21時でけっこう空いていました。

2・3Fの温泉槽は、石の湯口から投入(3Fは+側面注入)、オーバーフローなく、底面からの自然流下?
源泉槽は石の湯口から投入で槽内注排湯はみあたらず、オーバーフロー。
露天は龍神のモニュメント付岩の湯口(当日は投入なし)と木樋からの投入+強力側面注入でオーバーフロー+ごく弱い側面吸湯?

お湯は緑茶色透明、露天と源泉槽で濃いめ。温泉槽2槽は中塩味+薬品味、源泉槽は強塩味+強薬品味、露天は強塩味+重曹まろ味+微金気だし味+僅微苦味。ほとんどの湯口と湯面で強いヨードチンキ臭ないしは薬品臭ですが、露天湯口のみ金気貝汁臭+メタンガス臭のやわらかなものなので、ここは薬剤投入がないかも?
で、お湯は”源泉槽”よりも露天湯口そばのほうがいいと思います。
露天はかなりの濃度感とほてりをともなう攻撃力(^^)の高いお湯で、長湯する客はほとんどいません。

それにしても、2Fは智光薬湯臭+カルキ臭、3Fは病院を思わせる消毒臭がたちこめ、臭いに敏感な人は露天しか逃げ場がないかも? シャワーで洗い流したのに、浴後肌にカルキ臭が残ったのにも辟易。

周辺には早稲田天然温泉「めぐみの湯」越谷天然温泉「ゆの華」大谷田温泉「明神の湯」など、湯づかいに定評のある施設がメジロ押しなのに、この湯づかいは疑問。1,200L/min自噴(日量・8,640本/200Lドラム缶 - 泉源よこ掲示より)の実力を感じられる浴槽がひとつでも欲しいと思いました。
それでも温浴施設としてみればメニュー充実しているし、料金もそこそこなのでお湯にこだわらなければリーズナブルな施設では。あと、4Fの食事処は日帰り温泉施設にしてはまあまあの味だと思います。

私の確認した範囲では館内に分析書や湯づかい掲示はみあたらず。以前ゲットしたデータを載せておきます。(リニューアルチラシには「噴出量/1分間に1,200L 源泉温度47.4℃」とあるので、再分析はしていないかもしれません。)

Na-塩化物強塩温泉 47.4℃、pH=7.39、1,200L/min(1,500m掘削自噴)、成分総計=21.69g/kg、Na^+=7740mg/kg (90.22mval%)、Ca^2+=362.0 (4.84)、Fe^2+=2.1、Cl^-=12720 (98.17)、Br^-=42.8、I^-=8.7、陽イオン計=8381 (373.2mval)、陰イオン計=13130 (365.5mval)、メタほう酸=138.2 <H9.9.24分析>

〔 2007年1月11日レポ 〕
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【 コラム 】 2006年 関東近県納得湯20湯

 

あけましておめでとうございます。
ことしもいきます。10湯にするはずがまたしても絞り切れず20湯になってしまいました。(あとさきで順位はありません)(2005年の20湯
まずは1~10発目です。

■湖尻(姥子)温泉「旅館 山越」(神奈川県) <8/22レポ>
Mg・Ca・Na-硫酸塩・炭酸水素塩泉 58.9℃、pH=7.1、成分総計=1650mg/kg
湖尻にある温泉旅館、湖尻地区の源泉と姥子のお湯を混合使用。SO4がきいたかなり硬質で迫力のあるにごり湯は箱根では異色。そばにある「芦ノ湖一の湯」も同一源泉で湯づかいもなかなかだが、お湯の迫力は山越の方がある。

■上白岩温泉「民宿越後21」(静岡県) <未レポ>
Na・Ca-硫酸塩・塩化物温泉 59.3℃ pH=8.5 総計=3.418g/kg
庭にある独自源泉を潤沢に使用。濃さは感じるのになぜか羽布団のように軽い浴感のお湯。ひょっとして神懸かり的名湯かも? 4つの主要成分がうまくバランスしているイメージ。

■修善寺温泉「民宿福井」(静岡県) <未レポ>
アルカリ性単純温泉(Na-Cl・SO4型) 62.7℃ pH=8.7 総計=0.564g/kg
非集中管理の源泉「小山泉」を使用する温泉民宿。内湯と露天があり浴場充実。循環掲示あるが露天はほとんど循環消毒を感じさせないやわらかなお湯。石膏泉のイメージがよくでたいいお湯だと思う。高額施設の多い修善寺で料金300円は拍手。

■牧の原温泉「ヒーリングヴィラ印西」(千葉県) <未レポ>
Na-塩化物強塩温泉 36.1℃、pH=7.4、成分総計=27.29g/kg
自家源泉を利用するコンセプト型日帰り施設。SC内の新設施設につきほとんど期待しないでいったが、強食塩泉の源泉を活かしたすばらしい湯づかいにびっくり。けっこう入り込んでいるがみなサウナゾーンに集結しているので、浴場が意外に空いているのも○。
館内の雰囲気もよく、これで1,500円は高くないと思う。

王様温泉(志木の湯)「おふろの王様 志木店」(埼玉県) <10/20レポ>
Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 34.4℃、pH=7.8、成分総計=2469mg/kg
昨年も湯づかいがいいスパ銭がいくつかオープンしたが、その代表として。金気とメタンガスとモール臭が香る湯口そばは鮮度感バリバリ。お湯に勢いがあるので、湯温以上の温まり感があり長湯不可。総計2.5gのお湯とはとても思えない力感が楽しめる。

塩原日の出温泉「あかつきの湯」(栃木県) <12/24レポ>
アルカリ性単純温泉(Na-HCO3型) 68.4℃、pH=9.2、成分総計=0.867mg/kg
平成16年秋にオープンした民営日帰り施設。温泉プールもあるファミリー対応の施設ながらかなりの凶暴湯。強い焼けタイヤ臭ととろみ&ヌルすべは県内でも比類のないもの。アル単ながら温まり充分の入り応えのあるお湯。

■塩原福渡温泉「不動の湯」(栃木県) <未レポ>
Na・Ca-塩化物・炭酸水素塩温泉 38.5℃、pH=6.1、ER=1.82g/kg (やませみさんデータ)
じつはここ未湯だった(笑)。土曜だったのにラッキーにも独占。青みがかった絶妙の湯色に焦げ臭。鮮度はすこぶる高く、湯口そばではアワつきも。重炭酸土類泉のイメージ強いモロ好みのお湯。

■塩原新湯温泉「むじなの湯」(栃木県) <未レポ>
酸性含硫黄-Al-硫酸塩温泉 59.2℃、pH=2.4、成分総計=1792mg/kg
塩原新湯にある人気共同浴場。青灰色のよさげな湯色に強いしぶ焦げイオウ臭とアブラ臭。
ただごとではないとろみもあって、なぜか新津を思い起こした。

■老松温泉「喜楽旅館」(栃木県) <未レポ>
単純硫黄温泉(Ca・Mg-SO4・HCO3型) 30.0℃ pH=6.1 TSM=0.65g/kg (やませみさんデータ)
那須湯本にある、一部で熱烈なファンをもつ独自源泉の鄙び旅館。低温泉ながら湯づかいが絶妙。総木造りの趣ある浴槽に白濁ラムネ臭の硫黄泉が静かにかけ流されている。

■弁天温泉「弁天温泉旅館」(栃木県) <未レポ>
単純温泉(Ca・Na・Mg-SO4・HCO3型) 48.0℃、pH=6.4、成分総計=0.770g/kg
北温泉のようなお湯を想像していたが、きれにな緑茶色の金気まじりの重炭酸土類泉にびっくり。一番奥の露天では炭酸も感じられた。那須七湯では地味なお湯だが、泉質、湯づかいともに上位に位置すると思う。

赤城温泉「赤城温泉ホテル」(群馬県) <1/15レポ>
Ca・Mg・Na-炭酸水素塩泉 43.2℃、pH=6.5、成分総計=3.15g/kg
赤城温泉は関東でももっとも好きなお湯のひとつ。肌に染みいるような濃度感充分の重炭酸土類泉は、いくら入っても入り飽きない名湯。「赤城温泉ホテル」は日帰り可の3軒中でいちばん入りやすく、はじめての人におすすめ。

■川原湯温泉「丸木館」(群馬県) <未レポ>
含硫黄-Ca・Na-塩化物・硫酸塩温泉 71.6℃、pH=7.1、成分総計=1.96g/kg
ここも大好きな温泉地。現在の主力源泉は元湯・新湯の混合泉。高温泉なので、お湯のよさは湯づかいに左右されるところが大きい。ここは小さな浴槽に非加水源泉を投入しているので川原湯のお湯の真価をじっくりと楽しめる。タイミングによっては貸し切りも可。

■応徳温泉「くつろぎの湯」(群馬県) <未レポ>
含硫黄-Na・Ca-硫酸塩・塩化物温泉 48.8℃ pH=-
尻焼、花敷、湯の平など名だたる良泉のあとに入ったが、ここが一番気に入った。なんといってもポイントは硫黄で、六合のお湯らしからぬしぶ焦げイオウ臭ただよう白濁湯が楽しめる。混み気味なのが難か?

■上牧温泉「月がほほえむ宿 大峰館」(群馬県) <6/30レポ>
Na・Ca-硫酸塩・塩化物泉 42.3℃、pH=7.9、成分総計=1.64g/kg
「大峯の湯」という自家源泉をもつ小綺麗な温泉宿。以前入ったことがあるが、今回の方がお湯がいいように感じた。北毛特有の格調高い硫酸塩泉にイオウ気を交えたすばらしいお湯で、強い温まり感がある。水上の「きむら苑」との選択で迷ったが、僅差でこちらをチョイス。

■トータス温泉(山梨県) <5/7レポ>
Na-炭酸水素塩・塩化物泉 58.1℃、pH=7.8、成分総計=1.748g/kg
昨年オープンの新顔施設。モール臭、綺麗な紅茶色、ヌルすべ、アワつきという甲府のモール泉のすべてを備えたすばらしい源泉をザンザコにかけ流し。山口、フカサワ、国母駅前などとならび、甲府のモール泉を代表するお湯だと思う。

■増富温泉「金泉湯」(山梨県) <未レポ>
含硼酸炭酸食塩泉 32℃、pH=-6.0 成分総計=8786mg/kg
増富のお湯はどこもすばらしいが、ここはとくに炭酸が強く効きそうな気がする。混浴でぬる湯源泉槽と上がり湯用の加熱槽をもつ湯治系宿。宿の佇まいも秀逸。

■唐沢鉱泉(長野県) <未レポ>
単純二酸化炭素冷鉱泉(Na・Ca・Mg-SO4・Cl型) 9.7℃、pH=3.8、成分総計=1260mg/kg
長らく懸案となっていた唐沢鉱泉にようやく入湯。強いこげ臭+ラムネ臭の山の湯らしい湯の香。入るほどにきもちがおちついていくような癒し系のお湯。4km弱の未舗装路のアブローチだが、それを補ってあまりあるすばらしいお湯。宿のすぐ上にある泉源地も必見。

■渋御殿湯(長野県) <未レポ>
単純酸性硫黄温泉(Na-SO4・Cl型) 25.8℃、pH=2.7、成分総計=1415mg/kg
秘湯の佇まいをもつ奥蓼科を代表するお湯に宿泊。足下湧出の御殿湯は酸性泉特有の締めつけるような浴感。炭酸とイオウのダブル攻撃でヘロヘロに。温まりのすこぶる弱いお湯で出るに出られず。思い切ってでるとあとからほこほこ。日帰りで入れる浴場はさして面白くないので泊まりがおすすめ。

■大沢山温泉「幽谷荘」(新潟県) <未レポ>
Na-塩化物・炭酸水素塩泉 27.2℃、pH=8.46、成分総計=1.465g/kg
風情ある旅館群で人気の高い大沢山温泉だが、そのなかで温泉好きから別格の評価を得ている庶民的宿。泉質は含重曹-食塩泉だが、お湯のイメージは純重曹泉。オイリーなツル(ヌル)すべと強い温まりをもつ源泉を加熱かけ流し。沸かし湯の名湯の代表格か?

■五十沢温泉「ゆもとかん旧館」(新潟県) <未レポ>
アルカリ性単純温泉(Na-Cl・SO4・HCO3型) 50.3℃、pH=9.4 160.4mg/kg
越後魚沼にはうすめの良泉が多い。ここもそのひとつで、Cl・SO4・HCO3がバランスしたデリケートな素地にイオウが乗って、充実した浴感が楽しめる。温泉は濃さじゃないと実感させられる名湯。

●以上20湯リストしてみました。昨年も関東平野部で質のいいスパ銭のオープンがありましたが、個人的には古い温泉地のお湯のよさを見直した1年となりました。また、首都圏以外では、有馬「上大坊」、和歌山市内の「本町温泉」、福島矢吹の「いやさかの湯」、郡山の「東北原温泉」などが印象に残りました。

〔 2007年1月6日レポ 〕
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