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■ 丸沼温泉 「環湖荘(旧 丸沼温泉ホテル)」 〔 Pick Up温泉 〕



<丸沼温泉「環湖荘(旧 丸沼温泉ホテル)」> (片品村東小川4658-7、昼すぎ~15:30(要事前予約)、1,000円、0278-58-2002)
オフィシャルHP

沼田から金精峠を越えて奥日光へ抜けるR120。金精峠の下には菅沼と丸沼(大尻沼)というふたつの湖。
歴史ある名宿「環湖荘(旧 丸沼温泉ホテル)」は丸沼の湖畔にあります。
このあたりはすでに標高1,400mを越えていて、高原の湖特有の幽邃の気にあふれています。
前面に丸沼、背後に奥鬼怒の山々を背負い、どことなく寺院調の堂々とした外観が存在感を放っています。


【写真 上(左)】 丸沼
【写真 下(右)】 エントランス

ここは日帰り可がどうかよくわからなかったのですが、昼すぎにいくと入浴OK。
ただし、原則事前予約制で、受入時間も昼~15:30とみじかいので要注意。(冬期休館)
なんとなく敷居が高い感じですが、受付の女性の対応はとても親切なものでした。


【写真 上(左)】 家族風呂1
【写真 下(右)】 家族風呂2

きれいに清掃されたきもちのいい館内。廊下の奥に男女別の浴場と家族風呂がふたつ(あついのとぬるいの、日帰り利用不可)
有名な「ニジマス風呂」はいちばん奥でこの日は男湯でした。(男女交替制かどうか不明)


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 ニジマス風呂

清掃のいきとどいた脱衣所。扉をあけると眼前に「ニジマス風呂」。天井高い総ガラス貼のサンルームのような開放感のある浴場はヒーリングモード全開。
まわりは針葉樹の林で、浴場にいながら森林浴ができそう。
みかげ石枠石タイル造で20人はいけそうな浴槽が中央にひとつ。
その奥には水槽がふたつあって、巨大なニジマスが10尾ほどもゆうゆうと泳いでいます。


【写真 上(左)】 開放感あふれる浴場
【写真 下(右)】 浴場のまわりの針葉樹林


【写真 上(左)】 浴槽よりニジマスの水槽
【写真 下(右)】 泳ぐニジマス

浴槽中央に据えられた石づくりの巨大ニジマスの口からかなりの量の源泉を投入で、切欠から大量に流し出すかけ流し。
カラン9、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜13時で贅沢にも独占。

きれいに澄み切ったお湯にはこまかな白い浮遊物。浴槽は大きいですが、投入量が多く浴客がすくないので鮮度感抜群。わずかながらアワつきもありました。
弱い芒硝泉系の味臭+かすかな石膏臭。キシキシが強めでヌルすべはあまり感じず。おだやかに温もる硫酸塩泉的なお湯で、湯中の指先が弱いながら青白く発光しています。


【写真 上(左)】 湯口1
【写真 下(右)】 湯口2

泉質の個性というよりは、お湯の鮮度と浴場の雰囲気を楽しむお湯で、1,000円出しても納得できるお湯だと思いました。

単純温泉 47.0℃、pH=7.2、湧出量不明(自噴)、成分総計=0.81g/kg
Na^+=136mg/kg、Ca^2+=94.3、Cl^-=93.6、SO4_2^-=282、HCO_3^-=149、メタけい酸=117、メタほう酸=7.1 <H18.6.2分析> (源泉名:丸沼温泉(1号泉・2号泉の混合泉))

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 循環ろ過装置使用:なし 消毒:なし

〔 2008年4月29日レポ 〕
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■ 下部温泉 「甲陽館」

<下部温泉「甲陽館」> (身延町(旧 下部町)、時間要問合せ、500円 or 700円、0556-36-0134)
オフィシャルHP

下部温泉「大市館」しか入ったことがなく、大御所「源泉館」と2006年新たに開発された新源泉に入りたくて昨夏いってみました。


【写真 上(左)】 (たぶん)泉源と貯湯槽
【写真 下(右)】 足湯の掲示

新源泉は温泉街から下部川を1kmほど遡った「湯町ほたるの里公園内」に湧出したようで、ここに泉源施設(?)と無料の足湯があります。
(じつはこのときは、富士宮側から林道湯之奥猪之頭線を抜けていったので、奥にあるこの公園が先にでてきました。林道は全面舗装ですが、浮き石多いワインディングなので山道になれた人向き)
木づくりの仮設足湯の利用時間は日の出~日没。利用にあたっての注意書きとともに分析書が掲示されています。お湯はたしかほぼ適温で、イメージは「甲陽館」と大差なかったので省略。(非加水・非加温・非循環・非消毒)


【写真 上(左)】 足湯
【写真 下(右)】 足湯の湯口

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「源泉館」で圧倒的存在感のぬる湯に打ちのめされたあと(笑)、新源泉に入れそうな旅館を物色していると「入浴できます。源泉かけながし」の看板が・・・。
宿名は「甲陽館」。ここはノーマークでした。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 女湯

帳場できくと「新源泉もつかっている」。さらに、先客がいないので貸し切り利用OKとのことで即突入。料金は500円か700円。(記憶があいまい)
階段をくだると廊下手前に狭い女湯と奥に男湯。女湯は新源泉で循環があるようにも思いました。

男湯は、正面に主浴槽(みかげ石枠平石貼5-6人)と右手に源泉槽(同2人)、左手奥には裸体像の壺から源泉が注がれる飲泉所まであります。
旧源泉らしき飲泉所の水は僅微芒硝味。主浴槽のよこには「しもべ奥の湯高温源泉」の掲示、源泉槽のうえには旧源泉とおぼしき泉質の解説がありました。


【写真 上(左)】 右が源泉槽、左が主浴槽
【写真 下(右)】 飲泉所

主浴槽は、石膏系の白い析出と赤茶変した石の湯口から44℃ほどの加温源泉(?)をかなりの量投入。相当量のオーバーフローに、側面吸湯と、源泉槽とのお湯の行き来が加わって湯づかい詳細不明。
源泉槽は、主浴槽との行き来と側面の穴(上下ふたつ)からの注排湯。下の穴は冷たくてたぶん非加温源泉注入。上の穴は注入と吸湯を繰り返し、ここも湯づかい不明ですが、どちらの浴槽も鮮度感はわるくありません。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜14時で独占(貸切)。


【写真 上(左)】 主浴槽
【写真 下(右)】 主浴槽の湯口

主浴槽(新源泉)のお湯はやや熱めでほぼ無色透明。かすかに白い浮遊物がただよいます。
イオウ系たまご味+微芒硝味にはっきりとした甘イオウ臭が湯面でも感じられます。
キシキシとヌルすべがいりまじる複雑な湯ざわりで、下部としてはやや硬めのお湯ながらよくあたたまり、かなり入りごたえのあるお湯です。イメージは、戸倉・上山田あたりが近いかな?


【写真 上(左)】 源泉槽
【写真 下(右)】 源泉槽の湯口

源泉槽(旧源泉)のお湯は34℃くらいのぬる湯。無色透明で茶色のこまかな浮遊物。ほぼ無臭で僅微芒硝味。こちらもキシキシとヌルすべがありますが、新源泉よりやわらかな浴感。すこぶる入りごこちのいいお湯で、温まり感も強くないので、浴槽に根がはえてしまいます(笑)。イメージは「源泉館」のお湯に近いかも・・・。(さすがにあれほどの神がかり的質感はありませんが・・・)。

それにしてもこの新源泉にはびっくり、イオウ臭やあたたまり感は旧源泉をしのぎ、一浴しただけでは新源泉のほうがよほど温泉らしいです。それに分析上はイオウ成分がほとんどないのに、1km以上も引湯してなお湯面でイオウ臭を保っているのは驚異的。
よほど引湯方法&湯づかいがいいのでは・・・?。
でも気がつくと源泉槽(旧源泉)につかっているので、下部旧源泉の力はやはり底しれぬものがあります。

残念だったのは、量は少ないながら新旧両源泉を混合してしまっていること。
新源泉で旧源泉の加温をしているのかもしれませんが、個人的には旧源泉はもっと低温でもぜんぜん問題なし。
それでも新旧両源泉の入りくらべができるこの浴場は貴重。
宿の人も親切だし、男湯に入れるならばおすすめの一湯かと思います。

<新源泉>
アルカリ性単純温泉 51.0℃、pH=9.32、(445L/min掘削揚湯)、総計=0.845g/kg 、Na^+=152.0mg/kg、Ca^2+=111.9、Cl^-=135.1、SO_4^2-=370.3、CO_3^2-=14.2、陽イオン計=265.3、陰イオン計=520.0、メタけい酸=50.8 <H18.5.12分析> (源泉名:しもべ奥の湯高温源泉)

<旧源泉>
単純温泉(Ca・Na-SO4・HCO3・Cl型) 21.3℃、pH=7.2、510L/min揚水、総計=297.2mg/kg 、Na^+=31.35mg/kg (38.36mval%)、Ca^2+=36.43 (51.17)、Cl^-=30.30 (24.04)、SO_4^2-=87.81 (51.45)、HCO_3^-=52.84 (24.37)、陽イオン計=76.22 (3.553mval)、陰イオン計=171.2 (3.553mval)、メタほう酸=23.64 <S30.9.7分析> (源泉名:下部ホテル)

●新源泉開発の背景はいろいろとあるようですが、新源泉開発によって旧源泉が影響を受けないことを願っています。

〔 2008年4月21日レポ 〕
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■「秀明館」の謎

昨年9月上旬、小田原市付近に上陸した台風9号の影響により、箱根は650ミリを越す記録的な豪雨となり、道路は各所で寸断されました。
その数日後、どうにか通行が確保されていたR138御殿場口から登り姥子の「秀明館」にいってきました。
豪雨による湯量増加を狙ってか、10時前から客が押しかけ、10時の段階で安い部屋は満室となっていました。

前にいったとき(箱根で400ミリ以上)より雨量が多く、岩盤からわき出す湯量もすごいものがありました。スタッフの話では「ここ数日でいちばん多い」とのこと。

でも、正直いって前回のような”すごみのあるお湯”ではなかったような気がします。
このことをY師匠に話したところ、いくつかの示唆をいただきましたので、それをふまえて整理してみます。
なお、これはあくまでも筆者の勝手な推測です。

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前にも書いたとおり、ここの浴槽にはつぎの3系統の配湯ルートがあります。

A.奥の岩盤と岩盤下の底から自然湧出する源泉を、しきいの上から浴槽へ流し込み - (湧出量豊富なとき)
B.左端の金属パイプから熱交換装置経由で湯温を落として配湯 - (岩盤湧出高温時)
C.中央の金属パイプから低層からのポンプ揚湯泉を配湯 - (岩盤湧出涸渇の時)

今回、Cはありませんでした。
ほんとうはAをそのまま流し込むのがベストですが、熱くてとても入れません。(湯量が増えるほど湯温もあがるらしい) そこで、Bで温度調節をするわけです。
今回、思い返してみると、Aの流れはほとんど木板で浴槽の外へ逃がされ、Bがメインとなっていました。
前回は、Bもあったものの、Aはほとんど全量浴槽へ流れ込み、Aがメインでした。

Bは、すくなくとも熱交換装置を通しています。また、ひょっとするとポンプ揚湯泉をつかっているのかもしれません。
そうだとするとあまりに湧出湯量の多いときは、浴槽のお湯はほとんど熱交換装置経由のもの(&ポンプ揚湯泉?)になってしまいます。
これで、Aがメインだった前回より、湯質が劣っていた(?)理由の説明がつきます。

そうすると、ここの湯質がベストなのは、湧出量と湯温が適度に落ちついてAのみを利用しているときということになります。
「大雨のあとに『秀明館』」というのは定説ですが、ひょっとしてじっくりかまえておもむろに突入したほうがベターなのかもしれません。

(注.写真は前回撮影のもの。現在撮影禁止となっています。)
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【 音楽コラム 】 サクラ色

東京のサクラは散り初めて、いよいよ見頃です。
桜がらみで好きな曲を1曲。
アンジェラ・アキの「サクラ色」。



この曲は昨年のNHK紅白や「Cyber-shot Tシリーズ」のCMで流れたので、知っているひとも多いと思う。
2005年に日本デビューした、このハーフの女性アーティストは、日本人ばなれした個性で人気を集めています。
これは昨年3月に発売された5枚目のシングル。

♪ 川沿いに咲いてた サクラ並木を~
というオーソドックスな出だしからはじまり、

サビは、
♪ 恋しくて目を閉じれば~
♪ あの頃の二人がいる~

サビメロがかなり強烈なので、ま~、ふつうならこれでおわって上出来、パチパチとなるとこだけども、この曲のすごいのはつぎの一節。

♪ ふるさと 心の中で今でも優しく響くよ
♪ そんな歌が聴こえる

♪ トゥートゥトゥットゥルー~ トゥートゥトゥットゥルー~
♪ サ~ク~ラ~い~ろの サ~ク~ラ~い~ろの サ~ク~ラ~い~ろの
♪ ふぅ~るぅさと~
っつう前フリの節まわしとバックのストリングスのメロは凄い!
フツ~の才能じゃなかなか構成できません (^^)
んでもって、おもむろに転調してサビに突入。一気に盛り上げてエンド。

どちらかというとラフでエネルギッシュな唄い方をする人ですが、声質がのびやかでやさしいので、ミスマッチ的に不思議な浮遊感がただよっているのが魅力。低音と高音を自在に行き来する独特な唄法と、高音でビミョーに裏返る声質がやたらにエモーショナル。
スタンダート化必至の名曲。オススメです。
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