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■ 宇都宮天然温泉 「ベルさくらの湯」



ブログ表題がいちおう「関東周辺の新設日帰り温泉レポ」なので、たまには速攻レポしましょう(^^;;)。

<宇都宮天然温泉「ベルさくらの湯」> (宇都宮市陽東6-5-31、9:00~24:00、750円(土日祝850円)/会員各100円引、028-663-4126)
オフィシャルHP

宇都宮の大規模SC(ショッピングセンター)ベルモール内に2008/11/20オープンしたばかりの温泉スパ銭。
栃木湯めぐりの帰りによってみました。
ベルモールには簡単にたどりつけますが、そのあとが大変。
渋滞対策のためかP入口を絞っていて、それが3レーンにわかれ、一番右のレーンを行かないと道の反対側のイトーヨーカドーに強制連行(^^;)されたりするので要注意。
位置的にはモールの東端(国道4号寄り)で、平面Pに東側から直接入る入口もあるらしいが、発見できず。

施設前の平面Pか地下Pに停めますが、場内通路はすべて一通で複雑怪奇な導線。
サインが不備のこともあって、非常にわかりづらいです。今回、雨だったので地下Pに停めましたが、ここも迷路状態。
駐車場5,000台完備というのは「ベルモール」全体のP台数だと思いますが、専用地下駐車場220台というのも充分すごい。さすがは日本有数の車社会、栃木県のお湯です。

館内で配布していた下野新聞開業特集号をみると、この施設はステーキで有名な旧”宮グループ”との関係がふかいようですが、いろいろと複雑な経緯があるようで詳細不明。
プロジェクトチームは多くが宇都宮周辺の企業で、北関東の雄、宇都宮が総力を結集してつくりあげた最新鋭大型スパ銭という感じがします。
総床面積は約三千平方メートル、年間五十万人の入場を見込む(下野新聞記事)という巨大施設は、さすがに「北関東最大級の日帰り温泉」と謳うだけのことはあります。

施設詳細はみしゅらん掲示板のONKEN21さんの速攻レポがあるので、そちらを参照ください。


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 サイン

典型的和風スパ銭のつくり。暖色照明のあかるい館内。
食事処、千円カット、無料リクライニングルーム、チムジルバン(韓国風岩盤浴、有料)など施設充実。

浴場は1階の廊下の奥。手前が男湯、奥が女湯の男女固定制。
脱衣所はさほど広くなく、熱気がこもり気味。
浴室に入って、左手に洗い場ゾーン、その奥に「主浴槽」(みかげ石枠タイル貼数十人、温泉加水使用、ジャグジー付)、右手手前からドライサウナ、水風呂、人工炭酸泉、塩サウナ、各種機能浴槽(井水)。内湯は開口が少なくやや暗めか?

露天ゾーンは左手に「壺湯」(みかげ石造1人)×3、中央に「くつろぎ湯」(20人以上)とその左手奥に「あつ湯」(7-8人)、右手奥には「岩風呂」(7.8人、源泉かけ流し)、さらに右手奥には右手に「寝ころび湯」(6人)、内湯寄りにスチーム式ハーブサウナと多彩。
露天の浴槽はおおむね石枠鉄平石造です。

露天はさすがにスペース感&開放感があって、浴槽を縫うように小川を配したつくりも趣があります。
男湯かけ流し槽は屋根付ですが、女湯のは屋根がないのはちと問題か?。
カランセパ式31、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。休日20時で20~30人と拍子抜けするくらい空いていました。

水風呂は井水循環で17℃と冷たいですが、カルキよわくて良質なもの。ほてほて湯の源泉「岩風呂」との交互浴がすこぶる快感。
人工炭酸泉はやたらに強力。あっという間にアワアワと炭酸冷感につつまれます。
これだけ強力なのは下志津温泉「みどりの湯 都賀店」以外にちょっと記憶がありません。

全体にゆったりつくられ快適ですが、水風呂の踏み切りがやたら高くてあぶないのと、内湯の座湯?にお湯が流れていなかったのは疑問。

湯づかいは「岩風呂」以外は槽内注吸湯ありの循環仕様。
「岩風呂」は赤茶に変色した岩の湯口から熱湯源泉を投入し、岩の隙間からとなりの「くつろぎ湯」への流し出し。
壺湯の湯口はお湯の感じからして源泉だと思います。(あと、熱湯の岩湯口は出ていませんでしたが、岩の色づき具合からみてここも源泉投入では?)

内湯主浴槽は、「源泉加水」とありますが、ほとんど濃度を感じられないほどのゲキ希釈。ただ、希釈につかっている井水の泉質がよいのか意外にやわらかく、カルキ臭も弱めで入りごこちは悪くありません。
その他の循環槽は、色不明のうす濁りで浮遊物なし。味不明で磯の香+タール臭がしますがわりにおだやか。
しっかりとした濃度感に加え、かけ流し槽よりはよわいもののツルすべととろみもあって、循環湯にしては悪くありません。
お湯のよさは、壺湯 > 温湯 > くつろぎ湯の順かな?
壺湯は湯口からかなりの量の源泉?を投入しているのに、底面からうっとうしい強力注入があるのは残念。ここは底注をやめてかけ流し槽にしてもよいのでは?

さて、本題のかけ流し槽「岩風呂」です。
43℃ほどもある熱湯は透明度60cmほどのささにごり。
夜だったので色はよくわかりませんでしたが、たぶん茶~褐色系だと思います。
塩味に重曹味とよわい鉄系のだし味が入ったまろやかな味。よわいながら栃木平野部特有の焼けタイヤ臭+微金気臭+微モール臭+僅微イオウ臭?の鮮度を感じる複雑な味臭。
よわめのツルすべ(重曹泉系)に弱とろみが加わって、温泉らしい湯ざわりを生みだしています。
強いあたたまりと迫り来るような力づよさに加え、どことなく奥行きのある浴感は、SO4^2-=470.6が効いているためかもしれません。(関東平野部でこれだけの硫酸塩を含んでいるお湯はすくない。)

イメージ的には塩原の「あかつきの湯」を濃くして、「ただおみ温泉」の硫酸塩泉を足しこみ、常総の「きぬの湯」の個性的モールをスパイスした感じか・・・?(笑)。

”かけ流し”掲示があるので客が集まってくるものの、熱湯かつ力感あふれるお湯なのでふつうの人(~~)は数分と入れません。で、回転が速く意外に空いています。(ここに限らず、浴槽よこで湯づかい掲示をする施設がふえていますが、これをやるとかけ流し槽が過度に混雑するので、ここまでやる必要はないと思う - あくまで個人的意見ですが・・・)

たぶんいまの湯温では「熱すぎる」という苦情が殺到すると思いますが、これで湯温をひくくすると回転が落ちて、イモ洗いになるはお湯はなまるは、「ぜんぜん空かない」との苦情は出るはでいいことはないような・・・。
すくなくとも、温泉好きは(加水にせよ貯湯時間延長にせよ)「岩風呂」の温度を落とした時点で、もうここには行かなくなるように思います。

SC内の温泉施設はこれまでハズレつづきだっただけに、ここもどうせ「なんちゃってかけ流し(~~;)」だろうとさして期待もせずにいきましたが、その予想はいい意味で見事に裏切られました。
宇都宮市内のお湯は、「ただおみ温泉」、「南大門」、「極楽湯」、「リフレ鶴田」と入っていますが、すくなくとも「岩風呂」に限っていえば、かなり上位にくるお湯かと。
施設もいいし、雰囲気も明るいし、これから人気があがっていく施設だと思います。

Na・Ca-塩化物温泉 60.8℃、pH=7.2、215.2L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=3.863?g/kg、Na^+=963.2mg/kg (72.18mval%)、Ca^2+=315.0 (27.08)、Fe^2+=1.3、F^-=2.9、Cl^-=1483.2 (70.05)、HS^-=0.2、SO4^2-=470.6 (16.41)、HCO_3^-=480.9 (13.20)、陽イオン計=1291.8 (58.05mval)、陰イオン計=2442.0 (59.72mval)、メタけい酸=64.0、メタほう酸=14.6、硫化水素=0.1 <H16.2.9分析> (源泉名:さくらの湯)

<温泉利用掲示>
 岩風呂 加水:なし 加温:あり 循環:なし 消毒:なし
 内湯主浴槽 加水:あり 加温:あり 循環:あり 消毒:あり
 壺湯・くつろぎ湯・あつ湯 加水:なし 加温:あり 循環:あり 消毒:あり

〔 2008年11月25日レポ 〕
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■ 松代温泉 「寿楽苑」 〔 Pick Up温泉 〕



<松代温泉「寿楽苑」> (長野市松代町東条15、8:00~21:00(施設前看板による)、たしか350円、026-278-2644)

名湯のメッカ、松代。温泉好きには加賀井温泉「一陽館」、観光客には国民宿舎「松代荘」が人気ですが、一部の温泉マニア(^^)に評価の高いのが、ここ「寿楽苑」です。


【写真 上(左)】 「一陽館」へ曲がる路地の奥にあります
【写真 下(右)】 浴場入口

松代市街からくると、「一陽館」への角を右折せずにまっすぐ進んだ左手。かなり年季の入った建物です。(→ここ
外観はハードル高そうですが、日帰り客が多いようで宿の対応は手なれたもの。
効能に自信があるらしく、いろいろな掲示が貼られた廊下の奥、卓球台のむこうに男女別の浴場。この日の男湯は左手でした。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 男湯の内湯

浴場は内湯と扉の外に露天。
内湯は暗めで緑色のカベがなんとなく変。タイル貼石灯籠付3-4人の浴槽。
脱衣所に”白湯”の掲示があるこの透明でぬるいお湯には、誰も入っていません。
露天は、スペースとしては広くないものの浴槽がかなり大きい(石枠コンクリ造10人以上)ので、ほとんど浴槽で埋まっています。
半透明の樹脂製屋根があるので、完全な露天ではありません。


【写真 上(左)】 女湯の内湯
【写真 下(右)】 露天?の屋根

緑色のブロックを積み上げた無造作なつくり。浴槽まわりは石灰華の析出でコテコテにコーティングされています。
析出がすごいので年に1回パイプを交換するらしく、浴槽まわりにはパイプがむき出しに配管されていて、それがまた雰囲気を盛り上げて(^^;)います。


【写真 上(左)】 浴場脇の配管
【写真 下(右)】 ナゾのパイプ

見事にサビまくった大口径鉄パイプの湯口から透明なお湯(たぶん源泉)を大量投入で、端の排湯口へ大量上面排湯するかけ流し。
カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。連休10時で4-7人とけっこうな盛況。


【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 女湯の湯口

お湯は露天のみレポします。
ぬるめのお湯は透明度20~30cmの緑がかった茶褐色にごり湯で、表面にアブラのようなものが浮いています。

塩味+金気だし味+微炭酸味+微甘味+微苦味に粘土臭+金気臭+微炭酸刺激臭の複雑な味臭。
強い濃度感と、土類と金気によるぎしぎしとした湯ざわりと、肌に染み渡るような浴感と、わずかながらも炭酸冷感があって入りごたえ充分。
ぬるめながら、からだの中からじわじわとあたたまってくるようなお湯で、冷の湯と熱の湯がないまぜになったような複雑怪奇な浴感。
館内の手書き掲示にもあるように、泉質名はちがえど、重炭酸土類泉のイメージもあります。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 析出と湯色

鮮度感も高く、混み合っていてほとんど近づけなかったですが、おそらく湯口まわりではアワつきがあるかと思います。
イメージ的には秋山郷の小赤沢に似ていますが、小赤沢より炭酸よわめであたたまり感があります。
近くの「一陽館」とくらべると炭酸と重曹がよわめかな?。

同浴者全員長湯モード。ただ、みなさんほとんど地元関係のプロ(^^)の方々だからいいようなものの、本質は濃度感バリバリの凶暴なお湯なので、慣れない人が長湯したらあとでおそろしいことになるかも・・・(笑)

たたずまい、泉質ともにお客を選ぶお湯ですが、この手のお湯が好きな人はたまらんでしょう。とくに泉質マニアは必湯では??。

しかし、なんで内陸の小盆地にこんなすさまじいお湯が湧くんだろう??。
ひょっとしてジオプレッシャー型の温泉なのかも・・・。
(館内に皆神山のマグマ水由来説を報じる新聞記事が貼りだしてありました。(信濃毎日新聞2006/1/11付))

とても歴史の古い温泉らしく、館内掲示には「松代温泉 元・加賀井温泉・ひね湯の源泉を改称」「当、寿楽苑の源泉は八百年を経過」「日蓮上人が佐渡へ二度の流刑の際、帰路には当源泉に浴し、皮膚病を癒したと云われております。」「北条政子が当地へ祈願に来た際、浴したと云われております。」「川中島合戦のおり将兵らも浴した・・・」などとあります。
こんなもの凄い源泉が800年も湧きつづけているというのは驚異です。

含二酸化炭素-Na・Ca-塩化物温泉 38.8℃、pH=6.5、湧出量不明、成分総計=17580mg/kg、Na^+=3764mg/kg (64.68mval%)、Mg^2+=241.6、Ca^2+=1067 (21.43)、Sr^2+=12.8、Mn^2+=4.1、Fe^2+=15.1、Cl^-=7570 (84.22)、Br^-=11.0、I^-=7.7、SO_4^2-=177.5、HCO_3^-=2199 (14.22)、陽イオン計=5656 (253.1mval)、陰イオン計=9967 (253.5mval)、メタけい酸=130.6、メタほう酸=809.5、遊離炭酸=1020、硫化水素=0.06 <H13.6.14分析> (源泉名:松代旧一号泉)

含鉄-Na・Ca-塩化物温泉 38.8℃、pH=6.4、湧出量不明、成分総計=14480mg/kg、Na^+=2749mg/kg (57.07mval%)、Mg^2+=275.2、Ca^2+=1127 (26.84)、Sr^2+=11.4、Mn^2+=4.9、Fe^2+=21.5、Cl^-=6148 (82.73)、Br^-=8.4、I^-=8.5、SO_4^2-=260.0、HCO_3^-=1867 (14.60)、陽イオン計=4557 (209.6mval)、陰イオン計=8291 (209.6mval)、メタけい酸=119.4、メタほう酸=646.2、遊離炭酸=870.6、硫化水素=0.04 <H13.6.14分析> (源泉名:松代一号泉)

メタほう酸の数値がすごい。松之山以上!

※分析書は2種類あり、源泉名は、「松代1号泉・松代旧1号泉」との掲示があるので混合使用かもしれません。

<温泉利用掲示>
(地下300mの所より湧出)自噴している源泉(当館北30m)をパイプで落とし込みにて浴槽に直結・かけ流し

〔 2008年11月21日レポ(2007年9月入湯) 〕
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■ 川崎温泉(セントラル宮前平源泉) 「湯けむりの庄」



<川崎温泉(セントラル宮前平源泉)「湯けむりの庄」> (川崎市宮前区宮前平2-13-3、10:00~24:00(土日祝9:00~)、1,200円(土日祝1,470円)、平日21:30以降950円、044-860-2641)
オフィシャルHP

2007/11/8にオープンしたアップスケール型日帰り温泉施設。
場所は東急田園都市線「宮前平」駅より徒歩4分。
車でのアプローチはかなりこみ入っているのでHPの地図を参照ください。
駅北口からいかにも田園都市線沿線らしい整然とした住宅地の坂道をのぼってのアプローチ。
「ほんとにこの先にスパ銭あるのか?」と不安になりますが、1つ目の信号を右に曲がると、その先の右手にそれらしき建物がみえてきます。

あたりは閑静な住宅地で、それにあわせるように上質感あふれるつくりになっています。
純和風の趣あるアプローチ、館内各所にあしらわれた調度類など、そこらへんのスパ銭とはあきらかに一線を画しています。
館内のカラーは落ちついた和系色でまとめられ、シックな質感があります。


【写真 上(左)】 石のサイン
【写真 下(右)】 純和風のエントランス

入ってすぐが母屋。右手に食事処「心音」。温浴施設の食事処にしてはまあまあの味で値段もリーズナブル。ここは豆腐料理に自信があるようです。

廊下をわたった離れにお休み処(リクチェアあり)と浴場、1階が男湯、2階が女湯とセパレートされています。
他に岩盤浴、アロマトリートメント、アカスリエステなど設備充実。

脱衣所ロッカーは細長タイプでちょい狭め。この料金なら箱形がほしいところか。
内湯ゾーンはぐっと照明を落として落ちついた雰囲気。
入って左手にフィンランド式サウナ(ロウリュあり)&水風呂(弱カルキ)。
正面が洗い場で右手に機能浴槽(たぶん真湯)、座湯(温泉)、内湯(みかげ石造10人弱、温泉)。

露天ゾーンは左手から時計まわりに炭酸琥珀湯(みかげ石造4-5人、温泉+人工炭酸泉)、寝湯(石造6人)、親子つぼ湯(陶製1人)×2、源泉かけ流し風呂(岩組鉄平石敷7.8人)につぼ湯(陶製1人)×2、中央に源泉岩風呂(岩組鉄平石敷10人以上)と多彩ですべて温泉使用。
屋根がなく、空が広くて開放感がありますが、大雨のときはつらいかも・・・。
湯温は、源泉かけ流し風呂と寝湯と炭酸琥珀湯がややぬるめ、あとはほぼ適温です。
露天も暖色照明落とし気味で環境設定ばっちり、ヒーリングモード全開(^^)。

カラン27(内セパ型9)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり、平日19時で20人程度とけっこうゆったり。

湯づかいはこまかく確認しませんでしたが、だいたい槽内注吸湯あり。
掲示によると露天の源泉かけ流し風呂のみが加温かけ流しで、ここは岩の湯口から投入し下の源泉岩風呂に流し出しています。

源泉かけ流し風呂と 他の浴槽のお湯はあきらかにちがいます。
源泉かけ流し風呂は、透明度10cmくらいの黒湯で明瞭な重曹塩味。アンモニア臭+微モール臭。見た目よりヌルすべは強くないですが、よわいとろみがあります。
このとろみはメタけい酸=129.7のしわざかもしれません。
かなりの鮮度感があり、よわいながらアワつきもあったかと思います。

その他の浴槽は、透明度10cmくらいの黒湯で味不明。
黒湯によくある有機肥料臭が強く、カルキ臭はほとんど感じませんが、炭酸琥珀湯だけはバリバリのカルキ臭がただよっていました。
また、ヌルすべはむしろ源泉かけ流し槽より強くなっています。

わりに濃い目の黒湯でそれなりの濃度感もありますが、重曹泉らしく浴後はすっきり。

黒湯はどちらかというと銭湯やB級施設に多いですが、こんなお洒落な施設で入れるのは、ここと成田大和の湯くらいかな?

上質感たっぷりだし、タオル・バスタオル・館内着セットもついているので、ゆったりすごすならこの料金でも高くないかも・・・?
ただ、人口のわりに温浴施設がすくないエリアなので、週末どういう状態になっているかが気になるところです。

Na-炭酸水素塩・塩化物温泉 37.6℃、pH=8.1 350L/min、成分総計=3.823g/kg、Na^+=1006mg/kg (94.21mval%)、NH^4+=16.6、Fe^2+=0.5、Cl^-=586.7 (35.12)、HCO_3^-=1842 (64.06)、陽イオン計=1075 (46.45mval)、陰イオン計=2444 (47.13mval)、メタけい酸=129.7、メタほう酸=4.7、遊離炭酸=136.0 <H18.5.12分析> (源泉名:セントラル宮前平源泉)

<温泉利用掲示>
 源泉かけ流し風呂 / 加水:なし 加温:あり 循環:なし 消毒:なし
 その他の浴槽    / 加水:あり 加温:あり 循環:あり 消毒:あり

〔 2008年11月22日レポ 〕
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■ 喜連川温泉(おおるり源泉) 「ベルセルバCC&ホテルベルセルバ」



<喜連川温泉(おおるり源泉)「ベルセルバCC&ホテルベルセルバ」> (さくら市(旧 喜連川町)、14:00~23:00、800円、028-685-1511)
オフィシャルHP

喜連川東部、鹿子畑地区にあるゴルフ場が温泉入浴施設を日帰り開放するもの。
情報がすこぶる少ないですが、流れ星さんの情報をたよりに攻めてみました。
喜連川から小川へ抜けるR293旧陸羽街道沿いにあります。

クラブハウス設計はかの丹下健三氏によるもので、さすがに存在感がありロビーから望むフェアウェイの眺めは圧巻。浴場はクラブハウスお約束のロッカー室の奥、脱衣所には日帰り客も使える無料ロッカーがあります。当然のごとくタオル&バスタオルは備え付け。

窓の広い明るい浴場はメンテがきいて綺麗、落ちついた雰囲気のあるいい浴場です。
内湯(みかげ石造10人以上、ジャグジー付)、備長炭風呂(ぬるめカルキ臭、たぶん真湯(井水))、水風呂(井水、15℃位で冷たい)、サウナに露天(みかげ石造10人以上、ジェット×4付)という構成。
露天は軒下タイプながら手入れされた前庭をもち、風が通ります。
カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日14時で独占~10人。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯の湯口

内湯と露天はガラス越しにとなり合ってお湯の行き来あり。
湯口はみかげ石半球状で内湯、露天両サイドに投入口があり、お湯の感じからしてこれは源泉かと思います。
内湯は他にジャグジー注入と側面注入で槽内排湯はなく、ザコザコのオーバーフロー。
露天は側面注入・吸湯ありでオーバーフローなし。

ほぼ適温のお湯は無色透明で微たまご味、微かに甘いイオウ臭とこのエリア特有の焼けタイヤ系の微アブラ臭が香ります。カルキ臭はまったく感じませんでした。
内湯の湯口そばでは弱いアワつき、露天でもわずかなアワつきがあってお湯の鮮度は悪くないです。
ヌル+ツルすべととろみがあり、肌ざわりやさしいお湯でよくあたたまります。
「美人の湯」として売り出しているようですが、看板に偽りなしでしょう。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

浴槽は厳密にいうと循環仕様に思えますが、湯口そばのお湯は鮮度感高く、ほとんどかけ流しに近いコンディション。
スペック以上に入り応えのあるお湯は、さすがに喜連川エリア。

ここは、幾度か経営主体が変わり、「王門倶楽部オオルリコース」→「ザ・ミレニアムゴルフクラブ」→「ベルセルバカントリークラブ」と2回も名称を替えています。
ゴルフ場厳冬の時代を象徴するような施設ですが、こういう時世でもなければ、とても日帰り開放はされないでしょう。

お湯はいいし、施設内容のわりに料金も手頃なのでここはおすすめです。
公式情報では日帰り開始は14時からですが、当日は13時ごろから受付していたようなので早めに攻めるのがベターでは?。
14時過ぎると、プレーを終えたゴルフ客が団体で入浴してきます。

なお、クラブハウス内にある沖縄料理「やんばる」で食事すると当日は半額で利用できるようですが、こちらの営業時間は17:00~です。

アルカリ性単純温泉(Na-HCO3・(CO3)・Cl型) 49.7℃、pH=9.4、102.3L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=0.555mg/kg、Na^+=141.0mg/kg (98.72mval%)、F^-=2.0、Cl^-=57.3 (23.28)、HS^-=0.1、HCO_3^-=181.9 (42.96)、CO_3^2-=55.7 (26.73)、陽イオン計=143.4 (6.21mval)、陰イオン計=314.1 (6.94mval)、メタけい酸=97.6 <H17.1.12分析> (源泉名:喜連川温泉(おおるり源泉))

<温泉利用掲示>(要約)
加水:あり(気温の高い期間のみ) 加温:あり(気温の低い期間のみ) 循環濾過:あり 塩素系薬剤使用:あり

〔 2006年8月10日レポに加筆・修正 〕
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■ ざぶん相模原の湯 「ざぶん 相模原店」



<ざぶん相模原の湯「ざぶん 相模原店」> (相模原市大野台3-20-19、650円(土日祝750円/会員各50円引)10:00~25:00、偶数月の第1火休、042-757-4109)
オフィシャルHP

2007年夏に温泉導入後、一時営業を休止し、2008/4/6に営業再開した東急スポーツオアシスが運営するスパ銭チェーンです。
場所はR16「大野台2丁目」交差点より3分。駅からは距離がありますが、JR横浜線「古淵」駅から無料送迎バスがあります。(10-17時台、1本/時)
小田急線「相模大野」駅・JR横浜線「古淵」「相模原」駅から路線バスもあり。

典型的和風スパ銭で浴室は2F。建坪が狭めなのか、全体にちとせせこましい感じ。
右手男湯の男女固定制のようです。
浴場の扉を開けたとたんにかなり強めのカルキ臭。
内湯ゾーンに白湯、機能浴槽群、サウナ、水風呂(17℃で冷たい)で、すべて真湯でカルキ臭。
カラン30、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日18時で30~40人とまあまあの入り。

露天はそれなりに広く2Fにあって風とおしもいいものの、植栽すくなめでやや殺風景。でも、塀ごしに見える緑がいい借景になっています。
左右両サイドにねころび処、左に天然温泉源泉掛け流し露天風呂(円形鉄平石造7-8人)とその外側に足湯、中央壁側に壷湯(陶製1人)×2、右に腰掛湯(鉄平石造10人位屋根付、座湯×5付)。
露天ゾーンはすべて温泉で適温~ややぬる。掛け流し露天以外はすべて「循環式」の掲示があります。
HPには「この『ざぶん相模原 源泉掛け流しの湯』は当店地下から湧き出る新鮮な源泉を循環、ろ過せず、かつ塩素系薬剤による消毒を行わずにご提供しております。」とあり。

腰掛湯は側面注入で槽内排湯不明。かなりザンザコのオーバーフロー。
壷湯は底面注入でオーバーフロー。
掛け流し露天は岩の湯口からの投入+側面注入で側溝への大量上面排湯(槽内排湯不明)。

掛け流し露天のお湯は透明度20~30cmの黒湯。
湯口で重曹味+弱塩味+金気だし味。モール臭+金気貝汁臭+微アンモニア臭+僅微イオウ臭?の鮮度を感じる味臭。
湯面ではアンモニア臭が卓越し、これに弱モール臭が加わります。
みた目のわりにはツルすべは強くないですが、湯口そばではかなりのアワつきがあるのでぬるぬる感があります。

あたたまりは強いものの引きが早く、浴後すっきりの重曹泉系イメージ。
肌もすべすべに落ちつくので、謳い文句の「美人の湯」に偽りなしでしょう。

循環の腰掛湯&壷湯は、黒湯によくある有機肥料臭。循環のわりにお湯は悪くなく十分楽しめます。

黒湯特有の奥行きに欠ける浴感ですが、これは源泉の個性なのでやむなしでしょう。
県央~湘南エリアは、はっきりいって湯づかいのいい施設がすくないですが、ここはそのなかではレベルの高い施設で、温泉にうるさい人でも十分楽しめるのではないでしょうか。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 42.6℃、pH=8.15、250L/min(1,200m掘削揚湯)、総計=2.813g/kg、Na^+=852.5mg/kg (96.71mval%)、NH^4+=4.2、Fe^2+=1.2、Cl^-=958.5 (67.72)、HCO_3^-=775.5 (31.83)、陽イオン計=882.2 (38.34mval)、陰イオン計=1739.0 (39.93mval)、メタけい酸=67.8、メタほう酸=70.3、腐植質=40.0 <H18.11.22分析> (源泉名:ざぶん相模原の湯)

<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり
(源泉掛け流しの湯) 加水・加温:不明 循環、ろ過:なし 塩素系薬剤による消毒:なし

〔 2008年11月21日レポ(2008年5月入湯) 〕
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■ 唐沢鉱泉 〔 Pick Up温泉 〕



<唐沢鉱泉> (茅野市湖東1323、午前~夕方?(時間要問合せ)、700円、0266-76-2525)
オフィシャルHP

北八ヶ岳のふところふかく、標高1870mの高所に湧く名湯。
武田信玄公のかくし湯としても知られるこのお湯はながらく懸案でしたが、冬期(1月後半~4月初旬)休業のうえ、湯めぐりに組み込みにくい立地にあるので未湯でした。

東京方面からだと中央道「諏訪南」ICで降り、県道425払沢富士見線を北上、「八ツ手」T字路で県道17茅野北杜韮崎線に入って10㎞弱走った「南大塩」交差点を右折、あとは八ヶ岳に向かってひたすら高度を上げていきます。途中、三井の森立科CCやフォレストCCがあるので、それらを目印にしてもいいでしょう。

三井の森別荘地を抜けてしばらく走ると舗装が切れます。ここから未舗装路約4kmのアプローチ。フラットで幅員もあるのでどうということもなさそうですが、意外にわだちが深いので低車高の車はきびしいかも・・・。

しばらく行ってY字分岐を左にとり(右に行くとオーレン小屋)、しばらく走った道のどんづまりにいかにも”山の宿”といった雰囲気の木造の建物があらわれます。これが唐沢鉱泉です。
日本秘湯を守る会会員宿で八ヶ岳天狗岳の登山口としても知られ、けっこう人気があるようです。

 
【写真 上(左)】 アプローチのY字分岐
【写真 下(右)】 周辺の風景

玄関には「八ヶ岳名湯 唐沢鉱泉」の看板。
声をかけると親切そうな女将さんが出迎えてくれました。
山宿ながら館内はよくメンテされ、ドライフラワーがあちこちにあしらわれています。

階段をのぼった廊下の奥に男女別の浴場。左手が女湯、右手が男湯でつくりはほぼシンメトリ。
脱衣所や浴室も清掃がいきとどいていて気分がいいです。


【写真 上(左)】 女湯
【写真 下(右)】 男湯

石と木で構成された浴室はシックで落ち着いたもの。森に囲まれた湯小屋に、やわらかな日差しがさし込んで山の湯の風情にあふれています。

右手手前から小浴槽(檜造3人)、源泉貯湯槽と奥に大浴場(檜造6-7人)。左手は洗い場と奥に冷たい源泉打たせ湯。打たせ湯のまわりは綺麗な緑色のコケにおおわれ、湯口はイオウのクリーム色の析出が厚く堆積して、源泉の力を物語っています。
どうやらこの源泉は一種のコケの生育を促進するようです。
カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜10時で男女湯とも独占。


【写真 上(左)】 女湯の打たせ湯
【写真 下(右)】 打たせ湯の湯口 

小浴槽は、側面注入数ヶ所で底面吸湯とよわいオーバーフロー。
大浴槽は、側面注入数ヶ所に底面吸湯でオーバーフローなし。
源泉貯湯槽と大小浴槽間のお湯の行き来はよくわかりませんでした。

お湯は大浴槽と小浴槽と源泉貯湯槽でイメージがちがいます。
大浴槽はほぼ透明でクリーム色の湯の花と沈殿物。39℃のややぬる湯で弱い焦げ臭と若干の薬品臭があります。

 
【写真 上(左)】 女湯の湯口
【写真 下(右)】 男湯の小浴槽

小浴槽は青みがかったうす茶色のうすにごり、白とクリームとオレンジ色の湯の花がたくさん舞い、底には木くずのような沈殿物がたまっています。
37-38℃くらいのぬる湯ですが個人的にはもっと冷たくてもいいように思いました。
焦げ臭+弱ドクダミ臭+金気臭。お湯はあきらかにこちらのほうがいいので、ほとんどここにいました。


【写真 上(左)】 男湯小浴槽の湯色
【写真 下(右)】 男湯小浴槽から浴場 

キシキシとからだのなかに染み入るような酸性泉独特の湯ざわり。あたたまりはよわいですがなかなか冷めません。湯中の手先が青白く発光しています。入るほどに気持ちが落ち着いてくるようなしみじみといいお湯で、でるにでられず。なるほどこれは名湯。
浴後は湯切れよく、肌にこのましい焦げ臭が残ります。

源泉貯湯槽は、かなり冷たく青みをおびた透明でわずかにクリーム色の湯の花。酸性泉系のレモン味+収斂味にしっかりとした炭酸味が加わり、裏で微苦味と微金気味がきいている複雑な味。強い焦げ臭+ラムネ系イオウ臭+微金気臭。当然、鮮度感はピカ一でこのお湯に入りたいですが、わずか9.7℃ではあまりに冷たすぎか・・・。
泉質は関東周辺では珍しい単純二酸化炭素泉(炭酸泉)、しかも芒硝-正苦味泉系のめずらしい泉質で、鮮度がいいので微量成分の鉄やイオウもしっかりと効いています。


【写真 上(左)】 泉源地の池
【写真 下(右)】 湧き出る源泉 

1分ほど歩いた宿の上手に泉源地があって、自由に見学できます。
湿地のようなところで源泉が湧き、澄み切った池に流れ込んでいます。鮮やかな緑色のコケとクリーム色のイオウの析出のコントラストが見事。なかなか見られない光景で、これは必見でしょう。(奥草津の穴地獄でも泉源地に似たようなコケが繁茂していましたが、雰囲気はこちらのほうが明るい。)
源泉は浴場の源泉貯湯槽とさほどかわらないイメージがあったので、源泉貯湯槽までの引湯による劣化はわずかでしょう。

すばらしいロケと個性あふれるお湯。未舗装のアプローチを差し引いても訪れる価値のある名湯だと思います。

単純二酸化炭素冷鉱泉(Na・Ca・Mg-SO4・Cl型) 9.7℃、pH=3.8、湧出量=約600L/min(自然湧出)、成分総計=1260mg/kg、Na^+=19.7mg/kg (28.06mval%)、Mg^2+=7.6 (20.56)、Ca^2+=14.2 (23.17)、Al^3+=4.5、Fe^2+=1.9、Cl^-=38.1 (35.69)、SO_4^2-=91.1 (63.37)、陽イオン計=51.6 (3.06mval)、陰イオン計=130.4 (3.00mval)、メタけい酸=59.1、遊離炭酸=1017、硫化水素=0.05 <H6.6.9分析> (源泉名:唐沢鉱泉源泉)

<温泉利用掲示>
大浴槽/加水:記載なし 加温:あり 循環:あり 塩素系薬剤使用:あり
小浴槽/加水:記載なし 加温:あり 循環:なし 消毒処理:不明

〔 2008年11月18日レポ(2006年9月入湯) 〕
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● 全リスト (INDEX) リニューアル続報

全リスト (INDEX)をリニューアル中です。

温泉施設名をひとつにまとめ、コメントをつけました。
いまのところ完了したのは、

東京都
■ 千葉県
 1.千葉北部
 2.千葉南部
■ 埼玉県
 1.東部
 2.中部
 3.秩父
■ 群馬県
 1.吾妻 (草津・万座・六合・嬬恋)
 2.吾妻
   2.1.伊香保温泉 (→ 別リスト)
   2.2.四万温泉 (→ 別リスト)
 3.北毛・新治
 4.尾瀬・赤城
   4.1.老神温泉 (→ 別リスト)
   4.2.赤城温泉 (→ 別リスト)
 5.西毛
 6.平野部・東毛


サイトの県別INDEXは廃止し、今後は以下のリスト(INDEX)になります。

全リスト (INDEX)
新設温泉リスト-1 (東京、神奈川、千葉、埼玉)
新設温泉リスト-2 (群馬、栃木、茨城、山梨、その他)

残りのエリアは近々リニューアルし、その後、神奈川、静岡、長野、新潟、福島を随時新規UPの予定です。
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■ 猿ヶ京温泉 「いこいの湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<猿ヶ京温泉「いこいの湯」> (みなかみ町(旧新治村)、10:00~22:00、300円、0278-66-0296)

猿ヶ京の温泉地からすこし離れたところにある旧新治村営の公衆浴場。
場所は判りにくく、月夜野方面からだと猿ヶ京郵便局を過ぎてすぐをななめ左に入り、しばらく走った看板を左に入ったところ。
木造平屋で屋根の上に湯気抜きのあるかわいい建物。
無人なので券売機で入浴券を買い箱に入れます。6畳くらいの休憩スペースと男女別の浴場があります。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 男湯

浴場は檜枠伊豆石敷5.6人の浴槽がひとつとシンプル。高い木組みの天井で湯気の抜けがよく快適。
カラン7、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。土曜11時で独占。

人が入った形跡がなかったのでたぶん一番湯。
お湯は超ゲキ熱でおそらく50℃はあったかと思います。
必死に湯もみするも、そのそばから熱湯をドコドコと投入されるのでたちうちできず、やむなく蛇口&ホースで水を投入。
石の湯口から熱湯を30L/minほど投入で、相当量のオーバーフローと別にパスカル方式?の排湯あり。
槽内排湯口はあるもののまったく引いておらず、かけ流しだと思います。


【写真 上(左)】 高い木組みの天井
【写真 下(右)】 男湯の湯口

ここは、以前から循環説があり、少し古い日帰り温泉ガイドにもかけ流しマークがついていませんでしたが(最新のにはついている)、文句なしのかけ流し施設かと思います。

無色透明のお湯には白い湯の花が舞い、ほこほことした石膏味と微薬味がありました。この薬味が、いわゆる芒硝薬味か消毒剤によるものかは不明。
弱い石膏臭と硫酸塩泉らしいキシキシとした湯ざわりに弱いとろみが加わります。
とにかく鮮度感がすばらしいので入っていて気持ちがよく、浴後には硫酸塩泉系の力強い温まり感があります。


【写真 上(左)】 芸術的に色づいたカラン
【写真 下(右)】 女湯

猿ヶ京の主力源泉”共有泉湯島”とは別源泉で、データ上はやや塩気が強いですがお湯のイメージは似ています。

夕方は地元の人で混みそうですが、早めに攻めれば鮮度いいお湯をゆったりと楽しめる渋~い浴場かと思います。

Na・Ca-硫酸塩・塩化物温泉 57.7℃、pH=7.5、湧出量不明、成分総計=1.26985g/kg、Na^+=201mg/kg、Ca^2+=174、F^-=2.4、Cl^-=202、SO_4^2-=511、メタけい酸=70.9、メタほう酸=21.2 <H4.8.19分析> (源泉名:村営1号泉)

〔 2005年10月29日レポ 〕
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■ 岩地温泉 「(温泉船)ダジュール岩地」 〔 Pick Up温泉 〕



<岩地温泉「(温泉船)ダジュール岩地」> (松崎町岩地、清掃17:00以降朝まで入浴不可、無料、0558-45-0116(岩地観光協会))
紹介HP

唐突ですが西伊豆です。
西伊豆の海岸沿いを走るR136。松崎町をすぎると断崖を縫うシーサイドラインとなり、がぜん雰囲気がでてきます。
ここから南には、三浦(さんぽ)地区と総称される岩地、石部、雲見の集落が点在し、魚料理のおいしい民宿エリアとして知られています。
それぞれ温泉と伊豆有数の個性的な無料露天をもっていてここもそのひとつ。

いちおう夏期メインの設置ですが、岩地観光協会HPによると10月下旬まで設置されているようです。
私が行った10月上旬もなみなみとお湯がはられていました。

岩地海水浴場の一角におかれた船に温泉がはられ無料開放されるもので、温泉船としては土肥の土肥温泉丸と双璧では?。
岩地の海岸沿いは海水浴場&漁港で無料Pがないし、道が狭いうえに行き止まりになるので不用意に入りこむと往生します。
で、R136沿いにある無料Pに停めるのがベターかと。
このPのよこに源泉櫓(おそらく三浦3号泉)もあります。


【写真 上(左)】 Pよこの温泉櫓
【写真 下(右)】 アプローチの階段

Pからは岩地海岸の全景がみおろせ、温泉船(ダジュール岩地)もしっかりみえます。
岩地の集落はベージュ色の屋根が印象的。「集落の建物はウコン色の屋根、アイボリーホワイトの壁で『東洋のコートダジュール』と呼ばれています。」(岩地観光協会HP)とのこと。
じつはナゾだった(^^;)「ダジュール岩地」のネーミングもここからきたものでしょう。


【写真 上(左)】 岩地海岸とダジュール岩地
【写真 下(右)】 カラフルな岩地の集落

Pから急な階段をおりていきます。さえぎるものがないので空中散歩をしているような気分のいいアプローチ。
おり切ってすぐ右手に公衆WC。ここは原則水着着用のようなので、混雑時以外はここで着替えるのもいいかも・・・。

WC脇からすぐ堤防沿いの道となり数十秒右手に歩いて堤防が切れたところに目ざす「ダジュール岩地」があらわれます。
砂浜のうえに据えられた船風呂は予想より大きなつくりで、海側の樹脂容器にもパイプから温泉が注がれていますが、たぶんこれは海水&砂落とし用だと思います。


【写真 上(左)】 ダジュール岩地
【写真 下(右)】 海側の小浴槽?

船にはぜんぜん詳しくないですが、おそらく漁船形式。ただ、船首に「D'Azur IWACHI」という銘板とマストに万国旗が掲げられているので、なんとなく洋風のイメージ。
あざやかな水色の船体に温泉がなみなみとたたえられています。


【写真 上(左)】 タラップ
【写真 下(右)】 湯口(左が温泉)

タラップをのぼって入浴します。
浴槽は3つに仕切られ、左舷の船尾側、陸側より引かれたパイプからゲキ熱源泉と湯温調整用の水が注がれています。
温泉の投入量は25L/min以上と多いですが、加水量もダイナミック(^^)。混合比は温泉60:水40くらいとみました。

船尾の船べりに寝そべると、目の前は入り江と海。頭上にはマストと万国旗。なんとも贅沢なシーサイド露天です。


【写真 上(左)】 オーシャンビュー
【写真 下(右)】 船首から船尾

10月上旬の連休の10時で独占~3人。ゆったりと入浴を楽しめました。
船尾槽は4-5人でやや熱め。中央槽は5-7人でややぬる。船首槽は5-7人でぬるめ。
温泉が注がれている船尾槽から仕切越しに船首方向にお湯を流し出し、さらに船首槽から樹脂容器に排湯しています。

わずかに懸濁したお湯にはうす茶の浮遊物が少量。強塩味微苦味で、塩味は雲見赤井浜や石部平六などより強いのでは?。
よわいながら磯の香。肌に食い入るような塩化土類食塩泉の湯ざわりと強いあたたまりがあり浴後はややぺとぺと、これだけ加水あってもかなりの濃度をキープしているように思いました。

みかたによっては”キワモノ”的な温泉施設ですが、想定外に力づよいお湯におののき。
好ロケで力のある温泉を楽しめるすぐれもののお湯だと思います。

浴槽のカベには「この温泉は三浦温泉様のご好意によりいただいております。(以下略)」とありましたが、これは三浦(さんぽ)地区に5本の稼働源泉をもち、温泉供給事業をおこなっている松崎三浦温泉(株)のことだと思われます。

分析書はみあたりませんでしたが、松崎三浦温泉(株)のHPに分析書の掲載がありましたので引用します。(この施設でつかっているものかどうかは不明。)

Ca・Na-塩化物温泉 56.0℃、pH=7.2、湧出量不明、成分総計=12.12g/kg、Na^+=2068mg/kg (43.31mval%)、Ca^2+=2285 (54.89)、Fe^2+=0.2、Cl^-=6866 (92.59)、SO4^2-=722.2 (7.19)、メタけい酸=51.9 <H12.3.10分析> (源泉名:三浦1号、三浦3号、三浦5号、赤井浜 混合貯湯槽(混合泉))

やはり高張性の塩化土類食塩泉。さすがに源泉から塩をとっているだけのことはあります。

〔 2008年11月4日レポ 〕(2008年10月入浴)
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