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■ 大塩温泉 「大塩温泉館」 〔 Pick Up温泉 〕



<大塩温泉 「大塩温泉館」>
(長野県上田市(旧 丸子町)大塩、14:00~21:00、200円、0268-42-1048(丸子町観光協会))
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

大塩温泉は、霊泉寺、鹿教湯とともに丸子温泉郷を成す1湯で、丸子温泉郷のなかではいちばん地味な湯場ながら、「信玄公の隠し湯」と伝えられる古い歴史をもっています。
ここは湯宿が数軒あるものの日帰り不可なので、おそらく日帰りで大塩温泉に入れる唯一の施設です。


【写真 上(左)】 由緒書き
【写真 下(右)】 脱衣所

なんの変哲もない公民館のなかにあり、よほどの温泉好き以外、外部の人間はまずこないのでは?。
館内も無機質な公共施設ですが、さりげに由緒書きや古い分析書が掲示されていたりして、歴史あるお湯の風格がにじみでています。
地元の方々が日々つかっているであろうこのような施設を外部に開放していただけるのは、ほんとうにありがたいことです。


【写真 上(左)】 大浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽

変形5-6人の大浴槽と1人用の加温小浴槽がとなりあっていて、どちらも大理石枠タイル貼り。
大浴槽は壁から突き出た塩ビパイプからかなりの量を投入で、よこにはコップがおいてありました。
小浴槽の湯づかいは確認しわすれましたが、どちらも(加温)かけ流しかと思います。

カランあり、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜14時で2~3人。
カランもたぶん温泉だと思います。


【写真 上(左)】 大浴槽の湯口
【写真 下(右)】 掲示

ほぼ適温(小浴槽はやや熱)のお湯はほぼ無色透明で、大浴槽には気泡がただよい、かなりのアワつきがありました。
口のなかで上すべりするような芒硝泉特有の味に微塩味とわずかな鉄味がまじります。この鉄味がこのお湯のわかりやすい個性だと思います。
わずかに硫酸塩泉系のやわらかな湯の香が香りますが、さほど強くはありません。
成分的には芒硝より石膏が卓越しているはずですが、なぜか芒硝のほうが強く感じました。

キシキシした湯ざわりの非常に軽くおだやかなお湯でイメージとしては沓掛を熱くしたような感じかな? 
丸子温泉郷の他の2湯、霊泉寺鹿教湯などとくらべるとやさしいお湯。
ただ、やさしいだけでなく、どこか奥ぶかさを感じるお湯で、これは相当量含んでいると思われるラドン(Rn)のしわざかもしれません。

さすがに丸子の一湯、一筋縄ではいかないようなお湯で、鮮度感も抜群だし、そっけないけど味わいぶかい浴室の雰囲気も捨てがたく、温泉好きにはたまらないお湯かと思います。

Ca・Na-硫酸塩温泉 38.5(34.1)℃、pH=7.86、320~330L/min(掘削揚湯)、蒸発残留物=1141mg/kg、Na^+=165.5mg/kg、Ca^2+=186.5、Fe^2+=0.5、Cl^-=104.6、SO_4^2-=618.1、HCO_3^-=52.1 <H2.8.9分析> (源泉名:大塩温泉5号源泉)

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環装置使用:なし 消毒:なし

〔 2009年10月26日UP (2005年10月入湯) 〕

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■ 塩之沢温泉 「塩之沢温泉」 〔 Pick Up温泉 〕



<塩之沢温泉 「塩之沢温泉」>
(山梨県身延町帯金字塩之沢2786、10:00~16:00(要事前時間確認)、500円、05566-2-1108)
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)
紹介ページ (株式会社求人ジャーナル)

はっきりいって、わたしは山梨の温泉フリークだと思いますが(笑)、それでも二の足をふんでいたお湯があります。身延の二湯、「塩沢温泉」と「塩之沢温泉」です。
どっちもちいさな宿でFRP(ポリ)浴槽だし、冷鉱泉なのでよほど条件があわないと入浴できないのでは?・・・と。

お盆ならば帰省客もいるしお湯を入れているのでは・・・?ともくろみ、2008年のお盆、一気に2湯を攻略。読みどおり(?)、ともに入湯を果たしました。


【写真 上(左)】 塩之沢駅
【写真 下(右)】 看板

マイナーなお湯ながら、じつは「塩之沢」駅から徒歩3分という駅近立地です。
身延線にはひなびた駅が多く、最寄り駅「塩之沢」駅もかなりの筋金入り。
車が停められるかどうかわかりませんでしたが、宿の前に1-2台の駐車スペースがありました。
住宅地のなかの民家然とした建物で、屋根の上のかわいい湯抜きに「塩之沢温泉」と掲げられ、玄関脇にも目立つ看板がでているので迷うことはないでしょう。

入浴を乞うとごく自然に受け付けてくれたので、意外と浴客がいるのかもしれません。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 浴槽

館内は民家風ながらよく手入れされてB級感はありません。
「山梨の温泉」(山梨日日新聞社出版局刊、平成9年)によると「温泉は明治時代に開業した。(中略) 現在の場所に移ったのは1967年。約1km離れた源泉から、パイプで引いている。」とのこと。
写真の注釈に「1996年中に改築予定」とあるので、近年改築されたらしく外観、館内ともこざっぱりとして綺麗です。
なお、同誌の旧建物写真の看板には「富屋」とありますが、いまはこの屋号はつかっていないようです。

廊下の奥をまがったところに浴室がひとつで、このときは貸切で入れました。
大きくはないですが窓の広い明るい浴室で、閉塞感はなく、窓からはのどかな景色が広がります。
3-4人は入れるやや大きめのFRP(ポリ)浴槽で、側面で注吸湯でオーバーフローなし。べつにお湯カランと水カランがあって随時投入可。これは感じからして源泉かもしれません。


【写真 上(左)】 源泉カラン
【写真 下(右)】 カランも温泉

カラン2(たぶん源泉)、シャワー・シャンプーあり。お盆の12時で貸切でした。

ほぼ適温のお湯には、こまかな赤茶の浮遊&沈殿物(酸化鉄?)。
ほぼ無味でうすい石膏臭+αのような、うすめながら独特な湯の香を感じました。
ごくよわいきしきしがあるやわらかなお湯で、浴後はすっきり爽やか。


【写真 上(左)】 注吸湯
【写真 下(右)】 赤茶の沈殿物

浴後女将さんとすこし話しをしました。
浴場ではすべて温泉をつかっている。温泉は山のなかで湧いていて、そこではたまごのような臭いがするが、引き湯してくると臭いが飛んでしまう。また、そこではやや白濁したお湯だとも・・・。
スペックどおりしっかりとイオウ分のでた源泉なのだと思います。

お湯はさほどインパクトはないものの、なんとなく変わった感じのお湯で、山梨の温泉フリーク(笑)ならば攻めてみる価値はあるのでは?。

ネット検索してもほとんど情報とれないと思いきや、オフィシャルHPはないものの、じゃらん、楽天トラベル、るるぶ.comなど錚々たるメジャー系サイトで紹介されているのにはびっくり。意外と有名宿?

単純硫黄冷鉱泉(Na-(CO3)・HCO3・Cl型) 11.5℃、pH=9.6、0.29L/min自然湧出、成分総計=0.1913g/kg、Na^+=55.2mg/kg (92.66mval%)、Fe^2+=0.5、Cl^-=19.8 (20.82)、HS^-=3.9 (4.46)、SO_4^2-=11.1 (8.55)、CO_3^2-=30.1 (37.17)、HCO_3^-=38.2 (23.42)、陽イオン計=159.1 (2.59mval)、陰イオン計=107.4 (2.69mval)、硫化水素=- <H8.6.13 > (源泉名:塩之沢温泉)

<温泉利用掲示> 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 他掲載なし

〔 2009年10月26日UP (2008年8月入湯) 〕


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■ いこいの村涸沼温泉 「いこいの村涸沼」



<いこいの村涸沼温泉 「いこいの村涸沼」>
(茨城県鉾田市(旧 旭村)箕輪3604、11:00~14:30、火休、700円、0291-37-1171)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

県開発公社が運営する宿泊施設が浴場を日帰り開放するもの。
一時、昼食付プランのみでしたが、入浴のみもOKとなりました。
しじみで有名な涸沼(ひぬま)に面したリゾートホテル並みの立派な建物で、2階の奥に男女別の浴室があります。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 エントランス

みかげ石貼の豪華仕様の浴室は、大浴槽(みかげ石貼12人以上)、ジャグジー槽(同7-8人)にサウナと水風呂ですが、サウナは15:00~なので宿泊者専用です。
露天はないですが、広い窓の外には涸沼の雄大なながめが広がります。
カラン11、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日13時で2~5人とゆったり。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 浴場からの涸沼

大浴槽は、赤茶に染まった石の湯口からぬる湯を大量投入でけっこう鮮度感もありますが、硫化水素=1.7mg/kgもあるのにイオウ臭は感じられず、やはり循環湯か?
べつに熱湯の側面注入と槽内吸湯があり、軽くオーバーフローもありますが循環でしょう。
ジャグジー槽は、槽内注排湯ありでオーバーフローなしの循環仕様。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 窓の向こうはすぐ涸沼

適温のお湯は、やや緑黄色がかった透明。弱塩味+金気だし味でけっこう美味(飲泉不可)。
弱いタール系アブラ臭 or カルキ臭。ジャグジー槽にはカルキ臭あり。
そこそこのヌルすべがあってよくあたたまるお湯は、なかなかの実力派です。


【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 ジャグジー槽から内湯

温泉稀少の地の新興温泉なのであまり期待していませんでしたが、温泉らしい浴感もあって悪くないです。
「美人の湯」と謳っていますが、看板に偽りなしでしょう。
ただ、クセもの系の泉質なので非加温源泉にふれてみたいところです。

※ 入浴可能時間が短いので要注意。

■ブランドグルメ
〔涸沼しじみ〕
鹿島灘の海水が流れ込む汽水湖涸沼は養分が豊富で、味のよいしじみがとれる関東有数のブランド産地です。
夏の「土用しじみ」、冬の「寒しじみ」とともに、味のよさと鮮度に定評があります。

Na-塩化物・炭酸水素塩泉 33.3℃、アルカリ性、湧出量不明、成分総計=2.285g/kg、Na^+=760mg/kg (94.30mval%)、Fe^2+=8.8、NH4^+=9.2、Cl^-=960 (75.94)、HCO_3^-=470 (21.59)、CO_3^2-=24、陽イオン計=799.0 (35.06mval)、陰イオン計=1455.5 (35.66mval)、硫化水素=1.7 <H6.7.15分析> (源泉名:いこいの村涸沼温泉)

〔 2009年10月26日再UP (2003年8月31日レポに加筆、画像補強、地図追加) 〕

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■ 太海湯元温泉 「温泉民宿 こはら荘」 〔 Pick Up温泉 〕



<太海湯元温泉 「温泉民宿 こはら荘」>
(千葉県鴨川市太海2288、9:00~20:00?(時間要確認)、300円、04-7092-1080)
オフィシャルHP
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

房総のイオウ泉というと岩婦「岩婦館」七里川「沖津屋」濃溝「千寿の湯」などが知られていますが、南房にもイオウ気入ったお湯があります。
鴨川の南、太海にあるここもそんな1湯です。

場所は、源頼朝公ゆかりの仁右衛門島の陸側、鴨川の海沿いを走る県道247浜波太港線からのアプローチ。
Pは県道に面していますが、宿はすこし路地に入ったところ。
こぢんまりとした民宿然としたたたずまいです。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 ロビー

浴場は2つあり、行ったときは大浴場が入浴中だったので、1階の小浴場に貸切で入りました。
こぢんまりとした浴室に岩枠で青い丸石タイル貼のかわいい浴槽がひとつ。
ジェット&熱湯側面注入で側面吸湯。べつにカランが3つあって、そのうちひとつは冷たい源泉がMax60L/min以上も出ます。
カランに「掛け流し風呂の為、蛇口を〆ないで下さい。」とのパネルがかかっているので、まちがいなく源泉投入でしょう。


【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口

しっかりとイオウ気を感じるお湯なのにカランがまったく硫化していないのが不思議。
最初オーバーフローはありませんでしたが、身を沈めるとザンザコにあふれ出し、源泉カランを投入すると引きつづきオーバーフローします。
カラン2、シャワー・シャンプーあり。ドライヤーなし。日曜昼すぎで小浴場貸切。


【写真 上(左)】 掲示
【写真 下(右)】 しっかりオーバーフロー

ややぬるめのお湯はうすく黄色がかってわずかに白い湯の花。
入ったときは源泉カランをとめてあったので湯面でよわい消毒臭がありましたが、源泉カラン投入で湯面からもイオウ臭が香りを放ちます。

源泉カランはたまご味+重曹味に本格的な甘&しぶ焦げイオウ臭。
しっかりとしたツルすべがあり、浴後もすべすべ爽快感の硫黄重曹泉のイメージ。
あたたまりはさして強くなく、あと曳き系のお湯なのでいつまでも入れそう・・・。

分析上はHS^-=-、硫化水素=0.1で硫黄泉でもなんでもありませんが、お湯のイメージは硫黄泉の貫禄十分。
鮮度のいいお湯だと、分析書に硫黄系成分がなくてもほのかにイオウが香ることはよくありますが、総硫黄=0.1mg/kg程度でここまでつよいイオウ気をだしてくるお湯は、ちょっと記憶にありません。濃度的にも総計=2.024g/kgと、しっかりとした食塩重曹泉です。 

ジェットがじゃまなのが残念ですが、南房らしからぬしっかりとしたイオウ気のお湯をたのしめる貴重なお宿だと思います。

Na-炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉 16.6℃、pH=8.8、18L/min(掘削揚湯)、成分総計=2.024g/kg、Na^+=614.2mg/kg (98.45mval%)、Fe^2+=0.2、F^-=3.3、Cl^-=343.8 (34.75)、SO_4^2-=24.7、HCO_3^-=915.2 (52.97)、CO_3^2-=83.9 (9.89)、HS^-=-、陽イオン計=626.2 (27.13mval)、陰イオン計=1375.9 (28.32mval)、メタほう酸=7.3、硫化水素=0.1 <S58.3.11分析> (源泉名:太海湯元温泉)

<オフィシャルHPより>
●民宿の庭を45メートル掘って出た天然温泉
●【太海湯元温泉】は、昭和58年2月に1分間に80リットル沸く温泉として許可されました。それより本日まで鴨川の温泉として多くのお客様に喜ばれております。

<温泉利用掲示> 加水:記載なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

〔 2009年10月18日UP (2007年5月入湯) 〕

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■ 草津温泉 「凪の湯」 〔 Pick Up温泉 〕

現在、総リストを整備中ですが、あまりに”Coming Soon!”が多いので、すこしばかり心を入れ替えてレポのピッチをあげようと思います(笑)
で、もう1発、草津の共同浴場です。



<草津温泉「凪の湯」>
(群馬県草津町泉水区、無休?、24h(清掃等で不可時間あり)、無料、0279-88-0001(草津町観光課))
紹介ページ (草津観光協会)
紹介ページ (@nifty温泉)

共同浴場は観光用ではありません。地域住民の生活のお風呂です。
つねに“もらい湯”の心を忘れずにご利用下さい。
(草津観光協会HPより)

草津を代表する有名浴場、「西の河原露天風呂」
ここでは当然、「西の河原源泉」をつかっていると思っている人も多いかと思いますが、じつはここでつかっているのは現在の草津の主力源泉で湯量の多い「万代鉱源泉」。
「西の河原源泉」をつかうお宿は意外にすくなく、共同浴場ではここ「凪の湯」のみです。


【写真 上(左)】 西の河原公園-1
【写真 下(右)】 西の河原公園-2

やませみさんの情報によると、ここは以前「凪の湯」という自家源泉をつかっていましたが、「凪の湯泉源」は低温化により封鎖され、現在は「西の河原源泉」が引湯されています。
ちなみに「凪の湯」の泉質は、酸性-Al-SO4・Cl泉でpH=2.3、TSM(溶存成分計)=1.06g/kg(出所:同上)


【写真 上(左)】 住宅地図
【写真 下(右)】 まんじゅう攻撃と「凪の湯」への曲がり口

草津の目抜き通りのひとつ、湯畑から西の河原公園へ抜ける「西の河原(公園)通り」で、ひときわ有名な「まんじゅう攻撃」(^^;;)
そのまんじゅう屋さんのすぐ脇の路地を入ったところにあります。

観光客でごったがえす通りからすこしく入っただけなのに、あたりは落ち着いたたたずまい。
草津でも好きなポイントのひとつです。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 脱衣棚

石積み木造の趣ある湯屋建築。建物の両側の階段をおりると浴場です。左が男湯、右が女湯。
脱衣所、浴室ともさして広くなく、上部に湯抜き用の連子窓があるだけなので昼間でも暗く洞窟風呂のよう。


【写真 上(左)】 湯気にけむる冬の夜の凪の湯
【写真 下(右)】 湯口

木造2人ほどの浴槽がひとつ。これは草津の共同湯のなかでもっともこぶりなもの。
奥の金属パイプから熱湯源泉をこれでもか!というくらいの大量注入で切欠からの大量流し出し。
わたしが入ったときはいつもコックがロックされていて、絞ることさえできませんでした。
当然、お湯はゲキ熱、ふつうに47℃ほどはあります。
まるで「どうじゃ、入れるもんなら、入ってみい!」とばかりに、しゃかりきになって熱湯をキープしていると思えるほどの湯量&湯温であります。

気合い入れまくって湯もみだけで入ったこともあるし、あきらめてホースで加水したこともあります。
ま~、いずれにしても、すぐに入って出る、ということはとうていできないのでしばらく浴場にとどまることになります。

そうこうしているうちに、たいてい何組かの観光客がものめずらしげにやってきます。
でもって、たいてい「ここは無料で入れるのか?」的なことを尋ねてくるので、「無料だけど、めちゃくちゃ熱いっすよ・・・」なぞと答えると、だいたいお湯に手をつっこんだあと、あきれた顔をしつつ退散していきます(笑)

草津の共同湯は熱いのがあたりまえですが、これだけコンスタントに熱いのは「凪の湯」くらいでは?
「草津でいちばん熱い共同湯」としてあげる温泉好きが多いのも、なるほどうなづけます。
(ただし浴客の増える夕方はさすがに入れる湯温になるのでは? ・・・ 夕方入ったことないので不明。)

ここも当然、アメニティ類はいっさいありません。


【写真 上(左)】 切欠からの大量流し出し
【写真 下(右)】 湯色

ほぼ無色透明のお湯には湯の花はほとんどなく、酸性泉系のつよいレモン味としぶ焦げイオウ臭にタールじみた臭いとよわい金気臭が混じります。
このタール臭+弱金気臭がこの源泉の個性かと思います。

酸性泉特有のぬるぬる感が強く、イオウより酸性が表にでたイメージのお湯ですが、おなじく酸性泉のイメージのつよい「万代鉱源泉」にくらべるとピリピリ感はよわくて、よほど奥のふかい浴感があります。
また、お湯の力感じたいは「湯畑源泉」より上かと思います。

熱いですが、個人的には好きな浴場のひとつ。
ただ、あのすさまじい注入量を絞ってもらえると、もっと入りやすくなるのですが・・・。

<西の河原源泉/草津温泉旅館協同組合オフィシャルHP「ゆもみねっと」より>
酸性・含硫黄-Al-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 49.5℃、pH=2.0、湧出量測定せず(自然湧出)、成分総計=2.00g/kg、H^+=10.0 (32.18mval%)、Na^+=81.4mg/kg (11.48mval%)、Mg^2+=41.4 (11.05)、Ca^2+=93.8 (15.19)、Mn^2+=1.45、Fe^2+=15.0、Al^3+=70.2 (25.32)、F^-=14.2、Cl^-=499 (45.34)、SO_4^2-=668 (44.79)、HSO_4^-=225、陽イオン計=348 (30.8mval)、陰イオン計=1406 (31.1mval)、メタけい酸=229、メタほう酸=13.2、硫酸=5.7、硫化水素=4.7 <H15.4.30分析> (源泉名:西の河原源泉(町有))

〔2009年10月18日UP (2006年から数回入湯)〕

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■ 草津温泉 「瑠璃の湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<草津温泉「瑠璃の湯」>
(群馬県草津町新田区、無休?、24h(清掃等で不可時間あり)、無料、0279-88-0001(草津町観光課))
紹介ページ (草津観光協会)
紹介ページ (@nifty温泉)

共同浴場は観光用ではありません。地域住民の生活のお風呂です。
つねに“もらい湯”の心を忘れずにご利用下さい。
(草津観光協会HPより)

さて、草津の共同浴場です。
草津はまだ「草津館」しかUPしていません。
共同浴場は地味なお湯から始めてやろうと「瑠璃の湯」をネット検索すると、でてくるでてくるワラワラと・・・(笑)
さすが草津、つねに温泉番付の東の筆頭を譲らなかっただけのことはあります。
こんなにレポあふれてるなら、も~いいか(^^:)とも思いましたが、せっかく全湯制覇しているので、おいおい書いていきます。

で、「瑠璃の湯」です。
草津温泉で外来者にも開放されている共同浴場は、現在18あるとされています。
そのうち、湯畑源泉をつかっている浴場は10でいちばん多く、「翁の湯」「長寿の湯」「瑠璃の湯」「千代の湯」「関の湯」「喜美の湯」「千歳の湯」「巽の湯」「白嶺の湯」「睦の湯」で入れます。

観光客が多い「千代の湯」をのぞくとわりに地味な浴場が多いですが、ここもかなり地味。
場所的には、温泉資料館の前の「バスターミナル前」交差点から湯畑におりていく途中なので、観光客もけっこう前を通るのですが、ほとんどいちもくさんに湯畑や「白旗の湯」をめざしているので、ここに共同浴場があることすら気づかない人が多いのでは?

場所は「末広屋旅館」のとい面、坂道にそって建てられたこじんまりした建物で、屋根にはしっかり湯抜きが設置されています。
木板に書かれた「瑠璃乃湯」の銘が達筆で風格があります。


【写真 上(左)】 脱衣所から浴室
【写真 下(右)】 こもり気味の浴室

脱衣所はけっこう狭め。浴室に変形5角形のコンクリ造の浴槽。
4-5人は入れそうで、浴室の面積のわりに浴槽が大きいイメージ。
たっぷりふかめの浴槽は入りごこち抜群。

アメニティ類はいっさいありません。
ここは何度か入っていますが、夕方は地元の方を中心にそれなりに混みます。
昼間はたいてい空いているので、夕方ははずすのがベターでしょう。

浴槽の奥は窓なのでそれなりに明るく、けっこう好きな雰囲気の浴場ですが、狭めなので湯気がこもっていることが多いです。
赤いコックがついた黒い金属パイプからの投入で、パイプにはしっかり石膏の析出。コックをフルオープンするとかなりの投入量があります。
もちろん槽内吸湯なんていうものはあるはずもなく、投入全量をオーバーフローのかけ流し。


【写真 上(左)】 源泉バルブ
【写真 下(右)】 湯色

ほぼ適温(というか、草津の共同浴場はタイミングにより湯温はかなり変化する。)、ほぼ透明でやや翠がかったお湯には、こまかなクリーム色のイオウの湯の花がただよっています。
よわい酸性泉系のレモン味にしぶ焦げイオウ臭。酸性硫黄泉らしいヌルするとした湯ざわり。湯畑系共同湯のなかではわりにおだやかなお湯のような気がします。

湯畑源泉はかなり広範囲に配湯していますが、湯畑の北側(関の湯)や東側(千代の湯・長寿の湯)などにくらべ、南側のここはやさしくおだやかな感じがするような・・・。
個人的には湯畑系共同湯のなかでは湯質の好きな浴場で、「長寿の湯」「翁の湯」(いずれも湯畑)と連ちゃんしたあとにはいったときも、ここがいちばんのように思いました。

<湯畑源泉/浴場内掲示より>
酸性・含硫黄-Al-硫酸塩・塩化物温泉(硫化水素型) 53.9℃、pH=2.0、湧出量測定せず(自然湧出)、成分総計=1.74g/kg、H^+=10.0 (37.73mval%)、Na^+=61.2mg/kg (10.12mval%)、Mg^2+=34.3 (10.73)、Ca^2+=73.8 (14.00)、Mn^2+=1.23、Fe^2+=19.0、Al^3+=52.2 (22.05)、F^-=11.4、Cl^-=381 (41.22)、SO_4^2-=606 (48.41)、HSO_4^-=204、陽イオン計=279 (26.3mval)、陰イオン計=1201 (26.0mval)、メタけい酸=230、メタほう酸=8.8、硫酸=5.2、硫化水素=13.0 <H15.4.30分析> (源泉名:湯畑源泉)

〔2009年10月18日UP (2006年から数回入湯)〕

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■ 王様温泉(花小金井の湯) 「おふろの王様 花小金井店」



<王様温泉(花小金井の湯)「おふろの王様 花小金井店」>
(東京都小平市花小金井南町3-9-10、年中無休、9:00~24:00、800円(土日休1,000円)(会員各50円引)、042-452-2603)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

※ 館内撮影禁止のため館内の写真はありません。

昨年11/28オープンの温泉スパ銭。大野あやさんのレポ(12/27)あり。
鈴木街道沿いにありますが、この道は東京方面から入ると逆側一方通行区間があり、Pに右折inもできないようなので、小金井街道「鈴木町交差点」経由のアプローチが無難。電車だと西武新宿線「花小金井」駅より徒歩13分。


【写真 上(左)】 立体P
【写真 下(右)】 玄関

絵に描いたような典型的和風スパ銭。
日曜夕方に突入したので、Pは数台待ちでした。
料金が高いためか、新型施設なためか、志木店よりも質感の高い仕上がりになっています。


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 案内看板

あまり広くない脱衣所はごったがえし。素材のせいか、床の水切れが悪くて不快。
脱衣所から露天が見渡せる志木店と同様のつくり。

内湯はこぢんまりとしてオーバーキャパ気味。
手前から不感温泉(みかげ石枠石タイル貼6-7人、不感温度、ジャグジー付、温泉)、温泉あつ湯(同4-5人、42℃)と水風呂(冷たい、強カルキ臭)の3槽がならび、奥にサウナと機能浴槽(真湯)があります。
座湯も5ありますが、なんとなく背もたれの角度がへん。

カラン28(内セパ式8)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
日曜夕方につき、浴場全体でお子さま混じりで常時100人ほどもいる修羅場的大混雑。

露天もさして広くなく、岩風呂(石枠一部岩組鉄平石貼15人以上)とつながって寝湯×3、その上段に源泉「王様の湯」(同4-5人)。
他に壺湯(陶製1人×3、温泉、超人気で入れず詳細不明)、絹の湯(真湯、強カルキ臭)、寝ころび湯(深め×3、浅め×6の計9、温泉)、珊瑚蒸風呂と多彩ですが、名物の高濃度炭酸泉はありません。

内湯不感温泉は石の湯口+ジャグジー注入、温泉あつ湯は石の湯口+底面注入。
ともにオーバーフローはなし。(大混雑につき槽内排湯不明)
岩風呂は岩の湯口2ケ所からの投入+熱湯底面注入、軽いオーバーフローと槽内排湯?。湯口のうち左のやつは「王様の湯」からの落とし込みです。

「王様の湯」は岩の湯口から投入で、上面排湯口からの排湯(下段「岩風呂」への流し出し)+かなりの量のオーバーフロー。

内湯は透明度60cmほどの緑茶色うすにごり、味不明、弱モール臭+弱アンモニア臭+薬品臭。なまり気味のお湯はさして面白いものではありません。

露天は「王様の湯」と岩風呂でお湯のニュアンスがちがいます。
「王様の湯」は色不明(たぶん緑茶系)のささにごりで、湯口まわりは白くアワ立っています。塩味重曹味+金気だし味で成分濃度なりの味は出ていると思います。
湯口では金気貝汁臭+メタンガス臭+弱い化学系(?)モール臭+微アンモニア臭。湯面では、化学系(?)モール臭+アンモニア臭で金気は感じられず。
湯口で明瞭な金気が出ているのに、湯面ではにごりもうすく、金気が感じられないのは不思議。この化学系(?)モール臭は市原 「江戸遊」市川 「法典の湯」に近いもの。明瞭なツルすべと湯口そばではアワつきによるぬるぬるがあります。

岩風呂は、「王様の湯」よりにごりが強く透明度30cmほど。湯口そばでは白いアワ立ち。
湯面は有機肥料臭+弱い化学系(?)モール臭+微アンモニア臭+薬品臭。
「王様の湯」よりなまった感じがするのに、なぜかツルすべは強くアワつきも多いです(このオイリーなツルすべは関東近県でも屈指だと思う)。
なお、右手の湯口はときおり大量投入し、このときは「王様の湯」の湯口に近いコンディションになるので、間欠的に源泉投入があるのかも・・・?

かなりの濃度感とあたたまりのある力強いお湯で適度に湯づかれします。
温まるわりに冷めが早く、浴後重曹泉系のすっきりとしたすべすべ感が出るのでどちらかというと夏向きのお湯かもしれません。

ゲキ混みと高濃度炭酸泉がないのが難ですが、露天のお湯はかなりのツルすべ湯なので、平日空いているときなど、ツルすべ湯好きには納得の一湯になるのでは。

〔 2007年2月19日レポ 〕

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平日の夜に行ってみました。
平日21時というのに50人以上もいる大盛況。ここらへんは競合施設がすくないので、どうしても需要が集中するのでしょう。

お湯のイメージが前回と若干変わっていました。

<内湯系>
●「温泉あつ湯」
薬品臭がして濃度感もうすくいまいち。

●「不感温泉」
いくぶん薬品臭がよわく有機肥料臭もして、「温泉あつ湯」よりお湯がよい。

<露天系>
●「絹の湯」
上質な入浴剤が入っていて、香りよくヒノキ玉も浮いていてなかなか。2回も入ってしもた(笑)

●「壺湯」
浴槽によってお湯がちがうが、全体にしっかりとした浴感があってアワつきもあり悪くない。というか東京周辺では屈指の壺湯かも・・・。
湯口からの少量投入+底面注入でオーバーフロー。アンモニア臭よりも有機肥料臭が卓越。

●「岩風呂」
アンモニア臭が強い。どっしりとした浴感があるツルすべ湯で潤沢なアワつきもあって悪くない。
前回感じられた有機肥料臭や弱い化学系(?)モール臭や薬品臭はほとんど感じられず、「アンモニア臭一本勝負」といった感じか・・・。

●「王様の湯」
湯口まわりは白いアワ立ちは前回よりすくない。
アワつきはあるが、前回と同様「岩風呂」よりよわい。ツルすべはしっかり。
塩味重曹味+金気だし味で、成分濃度なりの味は出ている。
湯口で金気貝汁臭+微アンモニア臭。湯面では上質なアンモニア臭。
前回感じられたメタンガス臭や弱い化学系(?)モール臭はほとんど感じられず。
前回と同様、湯口で明瞭な金気。
「岩風呂」よりも湯面のアンモニア臭に深みがあるのは、たぶん金気貝汁臭が混じっているからだと思う。

全体に前回よりもクセもの度がよわまって、ふつうのアンモニア系黒湯に落ち着いてきているような感じ。
それでも、大量の浴客を受け入れても破綻しない鮮度と、明瞭なツルすべをキープしているのは立派。
やたら混むのは難ですが、やはり西東京エリア屈指の佳湯だと思います。

〔2009年10月14日レポおよび画像・地図補強 (2009年10月入湯)〕

Na-塩化物温泉 42.8℃、pH=7.9、255L/min(約1,500m掘削揚湯)、成分総計=4781mg/kg、Na^+=1663mg/kg (95.80mval%)、Fe^2+=0.8、Cl^-=2219 (62.59)、Br^-=11.8、I^-=6.8、HS^-=0.02、HCO_3^-=737.5 (16.14)、陽イオン計=1747 (75.52mval)、陰イオン計=2977 (74.93mval)、メタほう酸=16.0 <H18.5.12分析> (源泉名:王様温泉 花小金井の湯)

<温泉利用掲示>
(源泉「王様の湯」(男女))
 加水:なし 加温:あり 循環濾過:なし 消毒:なし

(岩風呂、寝湯、寝ころび湯、壺湯、源泉あつ湯、不感温泉(男女))
 加水:あり 加温:あり 循環濾過:あり 消毒:塩素系薬剤使用

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■ 浜平温泉「しおじの湯」(三岐温泉センター)



<浜平温泉「しおじの湯」(三岐温泉センター)>
(群馬県上野村楢原3487-2、10:00~20:00 第2・4火休、500円/4h、0274-59-3955)
オフィシャルページ
紹介ページ (@nifty温泉)

※ 写真は、特記のないものは2009年2月入湯時のものです。

利根川支流、神流(かんな)川流域は”多野エリア”とよばれ、その最奥にあるのが上野村です。
これは2006年4月に、上野村の温泉4湯を一気に攻めたときのレポです。

伝説の名湯、浜平鉱泉を1㎞引湯利用ということで、この掲示板でも何度が話題になったお湯。3/3に仮オープン(料金200円)、4/24にグランドオープン予定。ONKEN21さんの速攻レポ(3/6)あり。


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 休憩所

西上州の山ふかく、神流本流、中ノ沢、北沢が合流する三岐の集落にできた公営の日帰り施設。
2004年3月、下仁田方面から入る湯の沢トンネルが開通しているので、下仁田ICから30分程度でアクセスできます。
黒屋根と茶クリームの外壁をベースにした外観は優れた意匠、木をメインにした館内も落ち着いたもの。
廊下の奥に男女別の浴室があり、男女固定制です。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 露天からの眺め

浴室は木貼りの天井と広い窓をもつ雰囲気のいいもの。
ただし、檜シャンプーの香りが強烈。
内湯(石枠青鉄平造10人以上)に露天(岩&石枠石敷6-7人、一部軒下)とシンプル。
露天からは川の合流点がパノラマのごとく望めます。

カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
集落もまばらな山奥なのでガラガラかと思いきや、週末11時で常時5人以上とけっこうな盛況。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 露天

内湯・露天ともに赤茶に色づいた湯口からぬる湯投入+熱湯底面注入で底面吸湯+軽いオーバーフロー。
投入湯はお湯の感じからして加熱源泉と思われ、湯口源泉投入+槽内循環オーバーフロー併用の半循環方式かと・・・。

お湯は内湯、露天で大差なく、ほぼ適温で微濁。
白と灰茶の湯の花が盛大にただよいます。
酸性泉系の小酸味に弱いながらしぶ焦げイオウ臭と焦げ臭が湯面でも香ります。

とろみと非常に強いキシキシというかペトペト感のある個性的な湯ざわりで、浴後は肌が粉っぽくなります。
”山の温泉”のイメージが強く、えらくあとを曳くお湯でなかなか脱出できません。

弱酸性の硫酸塩泉系のお湯は、日光沢の露天姥子「秀明館」伊豆山「般若院浴場」などを思い起こすほどのすばらしいもので、規定泉引湯混合循環の非力なイメージを見事にくつがえしてくれます。


【写真 上(左)】 混合使用時の内湯
【写真 下(右)】 混合使用時の露天

ここは浜平鉱泉(S-Na・Ca-Cl、15.3℃、pH=6.3、等張性)と湯ノ沢源泉(弱酸性低張性冷鉱泉)を混合利用しています。
ONKEN21さんも指摘されていましたが、浜平は濃いめの硫黄食塩泉。

加水なしということなので、混合で成分総計=0.52g/kgまで薄まるとしたら、湯ノ沢源泉はかなりうすめでしかも混合量が多いと思われます。
混合により浜平源泉のpHが低下してSO4型の泉質となっているので、湯ノ沢源泉はうす目ながら酸性明礬緑礬泉系の実力派の源泉では・・・?

この日は上野村4湯(塩ノ沢、向屋、野栗沢、ここ)を一気に攻めましたが、ここのお湯がダントツでした。
この湯づかいがキープされるならば温泉ファンも納得の一湯でしょう。


【写真 上(左)】 伝説の名湯、浜平温泉「奥多野館」-1
【写真 下(右)】 伝説の名湯、浜平温泉「奥多野館」-2

その後、浜平鉱泉にいってみました。廃業した一軒宿「奥多野館」とおぼしき建物には人が住んでいる気配があり、すぐ上の山腹からは真新しい送湯パイプが延びていました。

規定泉 (メタけい酸)(Ca・Mg-SO4型) 11.6℃、pH=4.1、湧出量不明、成分総計=0.52g/kg、H^+=0.08mg/kg、Na^+=14.6 (11.63mval%)*、Mg^2+=17.3 (26.07)、Ca^2+=40.6 (37.11)、Fe^2+=6.20、Al^3+=9.43 (19.21)、Cl^-=1.7 (0.88)、SO_4^2-=257 (98.69)、陽イオン計=89.4、陰イオン計=93.3、メタけい酸=92.9 <H16.8.5分析> (源泉名:湯ノ沢の湯と浜平の湯の混合泉)
*) mval%は筆者にて算出したもの、有効桁数等考慮していないので概数です。

※ その後の情報によると、浜平源泉は運搬利用しているようです。

<温泉利用掲示> 加水なし 加温あり 循環濾過あり 塩素系薬剤使用あり

〔 2006年4月16日レポ 〕

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「白濁して硫黄の臭いがする昔の浜平温泉に入りたい」という利用者の声に応えて、2006/10/9より「浜平源泉浴槽」が設置されました。
また、湯ノ沢源泉と浜平源泉のブレンド使用もやめています。(出所:温泉みしゅらん掲示板(ONKEN21さん2006/09/30))

湯づかい変更後のレポです。
「浜平源泉浴槽」が設置されたのは露天の一画。1人用のちいさな檜風呂です。
人気で順番待ちかと思いきや、たいてい空いていて入り放題でした。(土曜15時で3-7人と浴場じたいも空いていました。)


【写真 上(左)】 浜平源泉浴槽-1
【写真 下(右)】 浜平源泉浴槽-2

熱湯側面注入と(たぶん)源泉パイプ(常時出ていなかったような・・・)と水カラン(真水?)の3つ。
槽内排湯はみあたらず、入るとかなりのオーバーフローがあります。

うすく懸濁したお湯はかなり熱めで白とうす茶の浮遊物。
ごくよわい塩味に磯の香。硫酸塩を含んでいるらしく、湯中の指先が青白く発光しています。
土類系のキシキシペトペトとした湯ざわりもある複雑なお湯。
本来の浜平温泉は塩味が強く、イオウ臭がするハズなので、かなりの加水があると思いますが、異様な力感とあたたまり感があって、名湯の片鱗は感じられます。


【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 露天の湯口

それにもましておどろいたのが、内湯と露天でつかっている湯ノ沢源泉です。
内湯は赤茶に色づいた湯口からの投入で槽内注入不明でよわいオーバーフロー。
露天は赤茶に色づいた湯口からの投入+側面注入+底面吸湯でよわいオーバーフロー。


【写真 上(左)】 露天の湯色
【写真 下(右)】 露天の析出

内湯と露天のお湯はほぼ同じコンディションで、内湯はややぬる、露天は適温。
うすく懸濁したお湯には白い浮遊物が少量ただよい、「浜平源泉浴槽」より強い青白発光。にごりは混合泉時代よりうすくなっているようです。
また、湯口まわりは鉄分の赤茶と白い石膏の析出で盛大にいろどられていますが、これらの変色&析出は混合泉時代より多くなっています。

よわい酸性泉系のレモン味+微収斂味に焦げ臭+微ドクダミ臭(^^;)+収斂(?)臭。
ベースはきしきしで、これにわずかながら酸性泉系のぬるが乗ってくる、肌に染み入るような絶妙な湯ざわりのお湯で、あとを曳きまくります。
あたたまりはかなり強めですが、浴後は熱の抜けがよくすっきりとした充実感がでて肌がしっとりと落ちつきます。

硫酸塩ベースの弱酸性泉と思われる湯ノ沢源泉は、上に挙げたような酸性泉の名湯群をほうふつとさせるものさえあって、関東周辺でも屈指の規定泉だと思います。

今回の湯づかい変更は正解かと・・・。
どちらも個性の強いお湯なので、やはりそれぞれに楽しめるのはうれしいことです。
ただ、欲をいえば、「浜平源泉浴槽」の希釈をもうすこしよわめてくれるといいのですが・・・。


【写真 上(左)】 使用源泉の説明
【写真 下(右)】 うどんといのぶたソーセージ

なお、分析書は従来の混合泉のものだけで、浜平、湯ノ沢単独の掲示はありませんでした。

ps.食事処で名物のいのぶたソーセージを出していました。コクがあってなかなか美味。

<掲示>
1.「しおじの湯では、露天にある檜風呂には、浜平の源泉を、内風呂と露天風呂には、湯ノ沢の源泉と別々の2種類の源泉を使用しています。」
2.「露天風呂と内湯 新源泉! 湯ノ沢の源泉(しおじの湯) 泉質:メタけい酸温泉 弱酸性低張性冷鉱泉 メタけい酸が温泉法の限界以上のため、温泉法にいう温泉に該当している。」

〔 2009年10月14日レポ (2009年2月入湯) 〕



〔参考〕<上野村の温泉>

西上州も奥まった上野村は、周囲を山々に囲まれた自然ゆたかなところです。
以前はどこから入るにも厄介なアプローチでしたが、平成16年3月、下仁田から入る湯の沢トンネルが開通し、下仁田ICから約30分と便利になりました。
ハイキングコースや滝、関東一の規模を誇る鍾乳洞「不二洞」など見どころも多く、まいたけにしいたけ、十石みそ、いのぶたなど特産品もたくさん。

また、下仁田からの途中、南牧(なんもく)村には普茶料理で有名な黄檗宗の名刹、黒瀧山不動寺もあります。
エリア的にはうどん文化圏ですが地粉蕎麦もあって、道の駅の前にある「福寿庵本店」の蕎麦はかなりのレベルでした。

上野村には現在4つの温泉入浴施設があります。(かつては伝説の名湯、浜平温泉「奥多野館」がありましたが、いまは休業しているようです。」)

1.塩ノ沢温泉「国民宿舎 やまびこ荘」
(上野村楢原塩ノ沢887/TEL0274-59-2027、日帰り入浴12:00~17:00 火休 600円)
含鉄-二酸化炭素-Na-塩化物・炭酸水素冷鉱泉 11.6℃、pH=6.2、成分総計=10.81g/kg

2.向屋温泉「ヴィラせせらぎ」
(上野村大字勝山684-1/TEL0274-59-2585、日帰り入浴12:00~20:00(月・木は15:00~)、600円)
Na-塩化物冷鉱泉 15.2℃、pH=10.4、成分総計=1.70g/kg

3.野栗沢温泉「民宿 すりばち荘」
(上野村大字野栗沢506/TEL0274-59-2161、日帰り入浴12:00~20:00頃 不定休 500円)
Na-塩化物冷鉱泉 21.9℃、pH=6.8、成分総計=6.87g/kg

4.浜平温泉(浜平の湯・湯ノ沢の湯)「しおじの湯」
(上野村楢原3487-2/TEL0274-59-3955、日帰り入浴10:00~21:00(冬季~18:00) 第2・4火休 500円)
規定泉(メタけい酸)(Ca・Mg-SO4型) 11.6℃、pH=4.1、成分総計=0.52g/kg

いずれも冷鉱泉ながら、いかにも西上州らしいクセもの系のお湯です。
ただ、温泉利用掲示は4軒とも、加水(1.4はなし)、加温、濾過循環、殺菌処理ありでした。4はスペック以上の浴感がありましたが、他の3湯はスペックほどの浴感は感じられず。

個人的感想ですがお湯的には、
浜平 > 塩ノ沢 > 野栗沢 > 向屋 かな
ただし、野栗沢の源泉槽に入れるときは(底に少したまっていた源泉?はよさげだった)、
浜平 = 野栗沢 > 塩ノ沢 > 向屋 になるかも・・・

午後からのお湯があるので、4湯一気に制覇するにはくふうがいります。
下仁田から入り、鬼石(or秩父)へ抜けるルートだと
浜平 →(昼食)→ 塩ノ沢 → 向屋 → 野栗沢 の順かな
ただ、これだと浜平-塩ノ沢の往復が余計になるのと最後にまた浜平に入りたくなる(笑)のが難点です。鬼石ルートなら、白寿の湯で仕上げるのもいいかも。

帰路ですが、下仁田に戻るのがいちばん楽。つぎが志賀坂峠を越えて秩父に抜けるルート。鬼石~本庄のルートは道幅狭くカーブの多い道が延々とつづくので、運転に不慣れな方にはあまりおすすめできません。

上野村では「しおじの湯」の開設にあわせ湯巡りスタンプラリーが導入されていますが、温泉で村おこしするなら、もう少し湯づかいを改善してほしいところ。(現在はもっとよくなっているかもしれません。)

いまいち地味で温泉好きのあいだでもなかなか話題にならないエリアですが、ひとつの村でこれだけバラエティあるお湯を揃えているところはめずらしく、各施設が非加水源泉槽をととのえれば、温泉好きにはたまらないエリアになるのでは?
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■ 向屋温泉 「国民宿舎 ヴィラせせらぎ」 〔 Pick Up温泉 〕



<向屋温泉 「国民宿舎 ヴィラせせらぎ」>
(群馬県上野村勝山684-1、12:00~20:00(月・木は15:00~)、600円、0274-59-2585)
オフィシャルHP
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

利根川支流、神流(かんな)川流域は”多野エリア”とよばれ、その最奥にあるのが上野村です。
これは2006年4月に、上野村の温泉4湯を一気に攻めたときのレポです。

上野村にある国民宿舎。ここも「浜平温泉「しおじの湯」(三岐温泉センター)」とおなじく川の合流点(神流川&野栗沢)にあります。
赤屋根レンガ壁の南欧風のつくりで一見、温泉がありそうにはみえません。


【写真 上(左)】 川の合流点にあります
【写真 下(右)】 浴場入口

フロントから浴場にかけてのつくりは「やまびこ荘」よりこぢんまりとしていますが、ここにも日帰り客がくつろげる休憩所が用意されています。
入浴用の券売機もあって、日帰り入浴の受け入れに力を入れているようです。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 内湯

狭めながら二面採光のあかるい浴場に内湯(みかげ石枠石貼8-9人)、サウナ(ぬるかった)に2005年春に増設された露天(三波石造7-8人)という構成。
どこがどうという指摘はできないのですが、なんとなくそっけない感じの浴場。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天からの景色

川の合流点という立地が似ているためか、露天からの眺めは「浜平温泉「しおじの湯」(三岐温泉センター)」と同様、雄大なもの。

カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜14時で2人とすいていました。

内湯・露天とも熱湯側面注入+底面吸湯でオーバーフローなしの循環仕様。
露天は、湯の花キャッチャー付カランからごく少量の投入。「非加温源泉か?」と思いきや無味無臭で、ひねっても投入量はかわりませんでした。


【写真 上(左)】 湯の花キャッチャー付カラン
【写真 下(右)】 内湯の湯色

ほぼ適温のお湯は無色透明で赤茶色の浮遊物。ほぼ無味無臭できもちヌルすべととろみがあるかも・・・。
スペックほどの濃度感はなく、浴感よわめで特徴もうすいですが、浴後はかなりあたたまる、なんとなく変わった感じのお湯です。

個人的には残念ながら上野村4湯にうちでいちばんインパクトのうすいお湯に思えましたが、じつはこの源泉はかなり貴重なものです。

それは「強アルカリ性の食塩泉」ということで、かつて温泉みしゅらん掲示板で話題になったことがありました。

やませみさんによると「塩化物泉の場合、成分が濃くなるとpHが高くなるのを妨げるので、pH10超になるのはたいへん珍しいです。」(同掲示板2001/08/21)とのことで、これはやませみさんの「温泉の科学」のグラフ(図5-6-1-2 アルカリ性泉のpH頻度分布と泉質)からもうらづけられます。
これによると、pHが10を越えるような強アルカリ性の食塩泉は、全国的にみてもほとんど例がないのです。

いくら加水があるといっても、CO_3^2-=133mg/kgもあれば多少なりともヌルすべが出てくるハズですが、ほとんど感じられないのは、塩化物泉系の泉質のためとも思われます。
(これについても「温泉の科学」(5-6-3 つるつる温泉の謎/つるつるしないアルカリ性泉)に詳述されています。)

このようなめずらしい源泉なので、どうしても源泉にふれてみたいところですが、強アルカリ泉は、じつは肌へのダメージがかなり大きいときいたことがあるので、やっぱりむずかしいのかな?(館内掲示にも「強アルカリ性のため加水しています」とある。)
それにしても上野村にはかわった泉質のお湯が多いですね・・・。

Na-塩化物冷鉱泉 15.2℃、pH=10.4、15.4L/min(掘削揚湯)、成分総計=1.70g/kg、Na^+=614mg/kg (97.49mval%)、Fe^2+=0.15、F^-=3.5、Cl^-=744 (72.05)、SO_4^2-=23.0、HCO_3^-=133 (7.48)、CO_3^2-=133 (72.05)、OH^-=11.7、ほう酸イオン(BO^2-)=4.10、ヒドロけい酸イオン(HSiO_3^-)=6.45、陽イオン計=639 (27.4mval)、陰イオン計=1059 (29.1mval) <H11.4.27分析> (源泉名:未定)
※ OH^-=11.7mg/kgという正真正銘の強アルカリ性泉です。

<温泉利用掲示> 加水:あり(強アルカリ性のため) 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤及び銀イオン殺菌装置使用:あり

〔 2009年10月13日UP (2006年4月入湯) 〕



〔参考〕<上野村の温泉>



西上州も奥まった上野村は、周囲を山々に囲まれた自然ゆたかなところです。
以前はどこから入るにも厄介なアプローチでしたが、平成16年3月、下仁田から入る湯の沢トンネルが開通し、下仁田ICから約30分と便利になりました。
ハイキングコースや滝、関東一の規模を誇る鍾乳洞「不二洞」など見どころも多く、まいたけにしいたけ、十石みそ、いのぶたなど特産品もたくさん。


【写真 上(左)】 黒瀧山不動寺
【写真 下(右)】 上野村の山々

また、下仁田からの途中、南牧(なんもく)村には普茶料理で有名な黄檗宗の名刹、黒瀧山不動寺もあります。
エリア的にはうどん文化圏ですが地粉蕎麦もあって、道の駅の前にある「福寿庵本店」の蕎麦はかなりのレベルでした。


【写真 上(左)】 伝説の名湯、浜平温泉「奥多野館」-1
【写真 下(右)】 伝説の名湯、浜平温泉「奥多野館」-2

上野村には現在4つの温泉入浴施設があります。(かつては伝説の名湯、浜平温泉「奥多野館」がありましたが、いまは休業しているようです。」)

1.塩ノ沢温泉「国民宿舎 やまびこ荘」
(上野村楢原塩ノ沢887/TEL0274-59-2027、日帰り入浴12:00~17:00 火休 600円)
含鉄-二酸化炭素-Na-塩化物・炭酸水素冷鉱泉 11.6℃、pH=6.2、成分総計=10.81g/kg


【写真 上(左)】 「国民宿舎 やまびこ荘」の外観
【写真 下(右)】 「国民宿舎 やまびこ荘」の内湯

2.向屋温泉「ヴィラせせらぎ」
(上野村大字勝山684-1/TEL0274-59-2585、日帰り入浴12:00~20:00(月・木は15:00~)、600円)
Na-塩化物冷鉱泉 15.2℃、pH=10.4、成分総計=1.70g/kg


【写真 上(左)】 「ヴィラせせらぎ」の外観
【写真 下(右)】 「ヴィラせせらぎ」の露天

3.野栗沢温泉「民宿 すりばち荘」
(上野村大字野栗沢506/TEL0274-59-2161、日帰り入浴12:00~20:00頃 不定休 500円)
Na-塩化物冷鉱泉 21.9℃、pH=6.8、成分総計=6.87g/kg


【写真 上(左)】 「民宿 すりばち荘」の外観
【写真 下(右)】 「民宿 すりばち荘」の浴槽

4.浜平温泉(浜平の湯・湯ノ沢の湯)「しおじの湯」
(上野村楢原3487-2/TEL0274-59-3955、日帰り入浴10:00~21:00(冬季~18:00) 第2・4火休 500円)
規定泉(メタけい酸)(Ca・Mg-SO4型) 11.6℃、pH=4.1、成分総計=0.52g/kg


【写真 上(左)】 「しおじの湯」の外観
【写真 下(右)】 新設された浜平源泉槽


いずれも冷鉱泉ながら、いかにも西上州らしいクセもの系のお湯です。
ただ、温泉利用掲示は4軒とも、加水(1.4はなし)、加温、濾過循環、殺菌処理ありでした。4はスペック以上の浴感がありましたが、他の3湯はスペックほどの浴感は感じられず。

個人的感想ですがお湯的には、
浜平 > 塩ノ沢 > 野栗沢 > 向屋 かな
ただし、野栗沢の源泉槽に入れるときは(底に少したまっていた源泉?はよさげだった)、
浜平 = 野栗沢 > 塩ノ沢 > 向屋 になるかも・・・

午後からのお湯があるので、4湯一気に制覇するにはくふうがいります。
下仁田から入り、鬼石(or秩父)へ抜けるルートだと
浜平 →(昼食)→ 塩ノ沢 → 向屋 → 野栗沢 の順かな
ただ、これだと浜平-塩ノ沢の往復が余計になるのと最後にまた浜平に入りたくなる(笑)のが難点です。鬼石ルートなら、白寿の湯で仕上げるのもいいかも。

帰路ですが、下仁田に戻るのがいちばん楽。つぎが志賀坂峠を越えて秩父に抜けるルート。鬼石~本庄のルートは道幅狭くカーブの多い道が延々とつづくので、運転に不慣れな方にはあまりおすすめできません。

上野村では「しおじの湯」の開設にあわせ湯巡りスタンプラリーが導入されていますが、温泉で村おこしするなら、もう少し湯づかいを改善してほしいところ。(現在はもっとよくなっているかもしれません。)

いまいち地味で温泉好きのあいだでもなかなか話題にならないエリアですが、ひとつの村でこれだけバラエティあるお湯を揃えているところはめずらしく、各施設が非加水源泉槽をととのえれば、温泉好きにはたまらないエリアになるのでは?
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■ あさひ温泉 「あさひ温泉」



<あさひ温泉 「あさひ温泉」>
(茨城県古河市2-9-4、10:00~22:00、原則無休、600円、0280-32-5781)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

2003/8/17にオープンした民営の日帰り施設。
古河では2湯目となる温泉で、「老人福祉センター」(温泉スタンド)とは別源泉です。
R4旧道にある「古河サティ」裏手(一本東側の道沿い、古河一高の並び)にあります。

こぢんまりとした建物ですが、けっこう広い食事処兼休憩所(大広間)があります。
カラオケは別棟に隔離 ^^) されていますので館内は静かです。


【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 内湯

男女別の浴室には、内湯(石貼15人以上、ジェット3本付)、ミストサウナに露天(岩造10人位)という構成。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

露天は壁に囲まれ屋根もあって、開放感はありません。
セパレート型洗い場16、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。(シャンプーは、いまはないらしい・・・)
土曜15時で2~5人と空いていました。

内湯は、石の湯口から50L/minほどを投入。
底面吸湯はありますが、切欠から洗い場方向に相当量を流し出しています。

露天は、早くも赤茶に変色した岩の湯口から50L/minほどを投入。底面注入もあり、端の排湯口からの排湯です。
パンフや館内表示によると「循環、沸かし直しなしの源泉掛け流し」とのことで、お湯の鮮度はかなり高いものがあります。


【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 かなりの上面排湯

内湯は適温で、緑褐色ささ濁り。
塩味でかすかに西毛の重曹泉のようなセメント臭がしましたが、建材の臭いかも・・・?
露天はかなり熱く、内湯より赤味が強い茶褐色で透明度40㎝のにごり湯。
塩味+かすかな金気だし味?でほぼ無臭。
内湯も露天も塩味は同程度だったので、内湯は除鉄しているのかもしれません。

かなり重厚な浴感があって、猛暑+熱湯ということもあるでしょうが、相当にほてりました。
浴後はさらさらと乾き、すっきりとするなかなかにきっぷのいいお湯です。

よもや等張泉のかけ流しだとは思わなかったので、いい意味で予想を裏切られました。
いかにもアブラ臭がしそうなお湯ながら感じられなかったのは少し残念ですが、とてもあたたまるいいお湯なので、涼しくなったら再訪したいです。

Na-塩化物泉 (等張性弱アルカリ性高温泉) 44.2℃、pH=7.7、280L/min(1,500m掘削揚湯)、蒸発残留物=10.68g/kg <H15.2.15分析> (源泉名:あさひ温泉)

館内には、分析表の前半部分(蒸発残留物まで)と別表の掲示がありましたが、成分表の部分については受付の人がどういうものかよくわからない様子 (^^; だったのでgetできず。
土類の少ない食塩泉かと思いますが、鉄分はけっこう含んでいるかも・・・?

〔 2009年10月12日画像・地図補強のうえ再UP (2003年8月入湯) 〕

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でも紹介いただいています。

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■ 湯ノ花沢温泉 「箱根湯の花温泉ホテル」 〔 Pick Up温泉 〕



<湯ノ花沢温泉 「箱根湯の花温泉ホテル」>
(神奈川県箱根町湯の花高原、月~金:13:00~16:00/土・日:12:00~16:00、1.2月の火・水休、1,625円(割引券あり1,450円)、0460-83-5111)
オフィシャルHP
紹介ページ (じゃらんnet)

箱根十七湯のひとつ湯ノ花沢温泉は、箱根の温泉の最高所、海抜約950mの駒ヶ岳東斜面にあって、芦之湯の二湯(松坂屋本店、きのくにや)とともに白濁の硫黄泉として知られています。

湯ノ花沢温泉に向かう道は、かつて箱根駒ヶ岳ケーブルカーを巡る周遊ルートでしたが、ケーブルカーが2005年9月に廃止され、上部が道路崩落によって通行止めとなって(いまは復旧?)、めっきり通行量がすくなくなりました。

芦之湯からのぼっていく道路左手の沢沿いから湯けむりがあがり、カラカラという独特な音が聞こえてきます。ここでは湯ノ花沢造成泉が造成されています。
湯ノ花沢沿いは泉源地帯で、「『与右衛門湯』『弘法湯』『権現湯』などと名づけた湧出口があり、療養に用いられた」(「箱根二十湯」(平野富雄氏著、かなしんブックス)より引用)とあり、露天風呂もありましたが、硫化水素中毒事故などにより、自然湧泉は使用されなくなっているようです。

箱根湯の花GCもあるこのあたりはすがすがしい高原エリアで、こういうすばらしい立地をおさえられたのは、やはり西武グループならではでしょうか。

贅沢に空間どりがなされた質感のあるリゾホで、浴場はフロント階から回廊を抜けエレベーターで下ったところにあります。


【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴室入口

脱衣所はまあまあゆったり、リゾホ湯らしく、タオル・バスタオルの備え付けがあり、美味しい冷水器もおいてあります。

扉をあけると内湯ゾーンで手前にセパ式洗い場×7(シャワー・シャンプー・ドライヤーあり)、その奥、窓ぎわに内湯(石貼10人位)を配置。
浴場よこの扉をあけ、階段をおりたところに露天。
優に20人はいけそうなゆったりとした石貼りの浴槽に青緑白色ににごったお湯が湛えられ、それが周囲の森の緑に映えてとてもきれい。
高原の涼気につつまれたすばらしいロケの露天です。

土曜14時で5-10人程度。


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯の湯口

内湯は赤茶に色づいた石の湯口から大量投入で側面吸湯。(浴槽中央に巨大排湯口あるが引いておらず)
わずかににごりを帯びたお湯はほぼ無味でカルキ臭あるものの、湯ざわりやさしくただの真湯ではないような・・・。(弱酸性のような気がする)


【写真 上(左)】 階段から露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

露天は、クリーム色の湯の花にいろどられた石の湯口からかなりの量を投入で切欠からの上面排湯。
投入より上面排湯のほうがすくないので槽内排湯もあるかと思いますが、にごり湯につき不明。
給排湯からみると循環だと思いますが、お湯になまった感じはありませんでした。

やや熱~ややぬる(浴槽広いので幅がある)のお湯は青緑がかった乳白色のにごり湯で透明度20~30cm。
クリーム色の湯の花が盛大に舞い、湯底にも沈殿しています。

よわいたまご味に明瞭なラムネ臭まじりのしぶ焦げイオウ臭。
濃度感はさほどなく、あたたまりもさして強くありませんが、イオウががんばっているためか意外に長湯できずトドが大量発生(^^)
湯の香からしてかなり硫化水素濃度が高そうなので、内湯でつかうのはかなりきびしいのかも・・・。(分析スペックも硫化水素=79.9mg/kgと、かなりのもの)

ここは以前あった湧出泉から自家造成泉に変えているという情報があります。
たしかにイオウと他の成分がややアンバランスなような感じもしました。
なので、湯質的には、「松坂屋本店」「きのくにや」には及ばないように思いましたが、大湧谷造成泉よりは上では?。

1,680円は箱根価格ですが、オフィシャルHPで1,450円になる割引券を提供しています。(それでも高い?)
ロケ抜群だし、お湯も悪くないし、箱根十七湯でもあるので、湯巡りファンならばいちどはいってみてもいいのでは?

※ここは、ゴルフ客は無料で入れるので、ゴルフ客があがってくる前のはやい時間がおすすめかと思います。

単純硫黄温泉(硫化水素型)(Ca-SO4型) 52.2℃、pH=5.67、湧出量不明、総計=264.0mg/kg、Na^+=4.78mg/kg、Ca^2+=31.3、Fe^2+=0.11、Cl^-=3.60、SO_4^2-=101、HS^-=2.82、陽イオン計=40.0、陰イオン計=108、メタけい酸=36.1、硫化水素=79.9 <H10.11.16分析> (源泉名:湯の花沢温泉)

<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 消毒処理:あり

〔 2009年10月5日UP (2006年5月入湯) 〕

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■ 小川温泉 「小川町老人いこいの家寿荘 」 〔 Pick Up温泉 〕



<小川温泉 「小川町老人いこいの家 寿荘」>
(茨城県小美玉市(旧小川町)上吉影52番地、9:00~16:00、月休、700円(町外)、0299-53-0059)
オフィシャルHP
紹介ページ (じゃらん観光ガイド)

茨城の北浦から大洗あたりにかけては、さして有名な観光地もない地味なエリアですが、さりげにしぶい自家源泉のお湯が点在しています。
ここもそんな一湯でメジャー系ガイドにはまず載っていません。
ここは旧小川町でしたが、2006年3月27日に美野里町、玉里村と合併し小美玉(おみたま)市になっています。

石岡からR355に入り、鹿島鉄道「常陸小川」駅辺りから県道144紅葉石岡線を北上、上吉影小を過ぎたつぎの信号を左折し、九州石油を過ぎてすぐを右(看板あり)の巴川沿い。
(2009/10現在では県道144のバイパスができ、そこから直接入れるのでアプローチがややかわっています。(バイパスに看板あり/下の地図では県道144バイパスは県道145に突き当たっていますが、これがいまは北まで伸びて、そこから直接アプローチできる。)


【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 銘板

バイパスができてもすこし引き込んでいるので、Pや建物まわりの雰囲気は以前のまま。
市民向け日帰り施設ですが市外者も入浴OK。ただし料金で激しく差別されます ^^;)


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 浴場入口

玄関を入って左手にフロント、右手に大広間。ほかに個室や休憩所多数。
廊下の奥まったところに浴場。手前が男湯、奥が女湯。
脱衣所はまあまあゆったり。窓の広い明るい浴室に内湯(石タイル造12人以上、強力ジェット4本付)&シャワーブース1とシンプル。窓のそとは一面の農地でのどか。
カラン11、シャンプー・ドライヤーなし。
土曜12時で大広間はお年寄りで大盛況。風呂もイモ洗いか?と思いきや4~7人、また、土曜15時に行ったときは2人~独占とすいていました。(2009/10)


【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 浴槽

浴槽脇の蛇口から熱め20L/minほど(2009/10は少量)を投入で若干のオーバフロー。


【写真 上(左)】 お湯ポジの色
【写真 下(右)】 水ポジの色

黒湯につき槽内注排湯は確認できず。
カランも温泉ですがお湯ポジションで緑褐色の色がつき、水ポジで透明になるので、たぶん浴室には源泉12.8℃を加温供給でしょう。


【写真 上(左)】 強力ジェット
【写真 下(右)】 湯口

お湯は、薄コーヒー色の黒湯なので濁りはないものの透明度は低くなってます。
よわい重曹味で弱いながら干しワラのようなモール系の香り(有機肥料臭)がありましたが、2009/10ではこの香りがかなり強まっていて、湯色も濃く、黒湯にしては鮮度感もあって、一段と湯づかいがよくなっているような・・・。


【写真 上(左)】 湯色-1
【写真 下(右)】 湯色-2

重曹・炭酸イオン(アルカリ性)によるツル&ヌルすべ感がありますが、そのうらに何となく、硫酸塩泉的な浴感を感じ、あとを曳くお湯。このあたりのイメージは内房金谷の「海辺の湯」や外房飯岡の「飯岡荘」に通じるものがあるような・・・。
浴中はよくあたたまりますが、浴後はさっぱりすべすべの美人の湯。

700円はちと高いですが、茨城のこのあたりにしては泉質、湯づかいともトップクラスのお湯だと思います。

Na-炭酸水素塩泉 12.8℃、pH=8.70、110L/min、成分総計=1378mg/kg、Na^+=355.2mg/kg (95.52mval%)、Cl^-=49.77 (8.38)、HCO_3^-=769.4 (78.05)、CO_3^2-=45.37 (9.36)、陽イオン計=373.7 (16.17mval)、陰イオン計=898.4 (16.15mval)、メタけい酸=57.44、メタほう酸=10.32、有機物=36.64 <S49.5.25分析> (源泉名:小川温泉1号 寿荘)

〔 2002年6月16日レポに2009年10月入浴による加筆修正 〕

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■ 千倉瀬戸浜温泉 「ホテル瀬戸浜」 〔 Pick Up温泉 〕



<千倉瀬戸浜温泉 「ホテル瀬戸浜」>
(千葉県南房総市(旧 千倉町)瀬戸浜2980-30、10:00~18:00(時間確認要)、600 or 800円、0470-44-2221)
オフィシャルHP
紹介ページ (楽天トラベル)

温泉のイメージはうすい南房ですが、じつは数多くの温泉があります。
とくに、館山市や旧千倉町、旧白浜町あたりには自家源泉の宿がかなりあって、日帰り入浴できることはあまり知られていません。

ここもそんな1湯です。
「千倉」駅の東側にある瀬戸浜海水浴場のそば、R410の道沿いにあるのですぐにわかります。(→ ここ


【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 脱衣所

海辺にありがちなこぢんまりとした観光ホテルで、玄関前の銘石に「千葉の南端 ホテル瀬戸浜」と刻んであるだけ。
知らない人はとても温泉があるとは思わないでしょう。
玄関で声をかけると人あたりのいいスタッフのおじさん(経営者?)がでてきました。


【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 浴槽

外観にくらべ、廊下の奥にある浴場はかなり本格的です。
総タイル貼の内床の浴場に、これまた渋い石枠タイル張り6-7人のゆったりとした浴槽がひとつ。
桶はケロリンで、浴槽のところどころに石灰華とおぼしき析出もでています。
房総とは思えない、温泉魂(笑)を挑発するたたずまいに思わず期待が高まります。

みかげ石の湯口からの投入と底面注入に側面吸湯。冷鉱泉なので加温循環はいたしかたありません。
カラン4(ひょっとして温泉かも?)、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。日曜16時で男女湯とも独占でした。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色

ほぼ適温のお湯はかすかに懸濁し浮遊物はありません。
湯中の指先がよわいながら青白く発光しています。
よわい芒硝重曹味にかすかなモール臭でカルキは感じられません。
キシキシとツルすべがいりまじる入りごこちおだやかなお湯で、弱いとろみも感じられて硫酸塩泉系のイメージもあります。
浴後はおだやかに温もり、肌に弾性がつく、これも硫酸塩泉的なもの。

房総というと、黒湯のイメージがつよいですが、じつは南房あたりまでくると、硫酸塩もまじる複雑なお湯がみられるようになります。

予想外の浴場とデリケートなお湯にびっくり、地味なお湯ですが温泉マニアなら寄ってみるのも面白いのでは。

Na・Ca-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 19.1℃、pH=7.37、湧出量不明(掘削揚湯)、成分総計=1.064g/kg、Na^+=205.7mg/kg (58.46mval%)、Ca^2+=93.7 (30.01)、Fe^2+=0.2、Cl^-=349.0 (63.69)、SO_4^2-=52.6 (7.12)、HCO_3^-=274.0 (29.06)、HS^-=16.24 (6.31)、陽イオン計=326.9 (15.31mval)、陰イオン計=676.2 (15.45mval)、メタけい酸=40.0 <H4.8.12分析> (源泉名:千倉瀬戸浜温泉)

<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

〔 2009年10月3日UP (2008年1月入湯) 〕

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■ 上尾温泉 「極楽湯 上尾店」



久しぶりに(^^;) 新設の温泉です。

<上尾温泉 「極楽湯 上尾店」>
(埼玉県上尾市大字上尾村500-1、9:00~翌2:00、700円(土日祝800円)会員各50円引、048-779-2641)
オフィシャルHP
紹介ページ (ぱどナビ)

2009/8/14にオープンしたスパ銭。
上尾市は温泉のオープンラッシュで、2/20に「HANASAKI SPA」もオープンしています。

場所はJR高崎線「北上尾」駅南東のR17「緑丘」交差点を東方向に入ってしばらく走った右手(上尾消防署手前)。ロードサイドなのですぐにわかります。(→ここ
なお、ここは地番表示エリアなので(大字上尾村!(^^;))、ナビや地図ソフトでは出てこない可能性があります。


【写真 上(左)】 エントランス
【写真 下(右)】 何?

典型的和風スパ銭で、どこをとってもどこかで見たような・・・(笑)
食事処、ほぐし処、千円カットなどの定番アイテムに浴場。

連休の夕方に行ったのでPはほぼ満車。館内もいたるところで人があふれ返っています。
脱衣所は人口の多い上尾市にしては狭くつくりすぎたのでは?

浴室は掛け湯の奥に「天然温泉 自然の湯」(石タイル造10人位、適温)、右手に機能浴槽群(たぶん真湯)、サウナに水風呂(えらく冷たい、よわいとろみあって井水かも・・・)。
サウナは入口は内湯側にあるものの、内部は露天に面したなかなか気の利いたつくり。

扉を出た露天ゾーンの右手に「天然温泉 露天岩風呂」(石枠鉄平石造10人位、適温)、左に温泉蒸気浴とその奥に「天然温泉 くりぬき風呂」(石造2人×1、同3人×1、適温)、さらに右手奥の階段をのぼると「炭酸檜風呂」(檜造10人位、屋根付、ぬるめ)。
露天は塀に囲まれているものの風はとおります。

さして広くもないスペースによくぞこれだけ盛り込んだな~と思うくらい、効率的に浴槽群が配置されています。
とくに「炭酸檜風呂」まわりの雰囲気はなかなかのもの。

「露天岩風呂」と「くりぬき風呂」はあきらかに温泉、「自然の湯」と「炭酸檜風呂」は温泉掲示がありますが、温泉かどうかはよくわかりませんでした。

カラン30、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり、日曜18時で100人もいる修羅場的大混雑。例によって、しつけのわるいガキ、もといお子様たちが傍若無人に暴れ回っています。(大人客のマナーもいまいち)

「自然の湯」は肌のうるおいを取り戻すといわれるヒアルロン酸風呂で、甘酸っぱいような独特な臭い。
適温のお湯にはよわいとろみが感じられ、温泉かどうかは不明ですが、正直いってほかの温泉槽よりも浴感を感じました。

温泉槽はすべて循環仕様と思われるので湯づかいは省略。

温泉槽はお湯はどれも大差なく、わずかに黄色がかって湯口そばでは白い気泡が浮いています。
思いのほかしっかりとした重曹塩味に消毒臭。
消毒臭はいわゆるカルキ臭ではなく、次亜塩素酸ナトリウム以外の薬剤をつかっているのかも・・・。

重曹系のツルすべはあるものの、そのうらで強消毒湯特有のしめつけてくるようなあざとい湯ざわりを感じます。
重曹がきいているためか、塩味のわりにあたたまりは強くありません。

「炭酸檜風呂」はぬるめなので回転がわるくやたらに混んでいます。
それでも鮮度はいちばんいいように感じ、炭酸濃度はさほど強くはないですが入りごこちもここがベストでした。

極楽湯チェーンはかけ流し槽がすくなく、湯づかいもいまいちの施設が多いですが、残念ながらここも例外ではありませんでした。
集客力の高いお店が多いので、しっかり循環消毒しないとまずいのかもしれず・・・。
じっさい、この日もぎっしりと人で埋め尽くされた浴槽をみて、「さすがに消毒なしじゃ、こわくて入れんわな・・・」と思いました(^^;)

ただし、ここは湧出量300L/minもあるのだから、かけ流し槽ひとつぐらいつくってもバチはあたらないと思いますが・・・。

ま~、オープンしたての連休夕方に行って、混雑や湯づかいの悪さをあれこれあげつらうのはアンフェアな気もするので、このくらいでやめておきます(^^)。

個人的には、源泉の資質じたいも、競合施設の「HANASAKI SPA」「さいたま清河寺温泉」にくらべてややよわいように思います。
でも、高崎線沿線は東上線や伊勢崎線沿線にくらべ、人口のわりに温浴施設はまだまだすくないので、温泉施設というよりみぢかなスパ銭として、まわりの住民を固定客にすれば充分やっていけるのでは・・・。

Na-塩化物・炭酸水素塩温泉 34.0℃、pH=7.8、300L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=1.774g/kg、Na^+=520.5mg/kg (89.59mval%)、Fe^2+=0.6、Cl^-=591.4 (65.93)、HCO_3^-=519.3 (33.54)、陽イオン計=573.1 (25.27mval)、陰イオン計=1117 (25.30mval)、メタけい酸=67.8、メタほう酸=9.4 <H20.3.10分析> (源泉名:上尾温泉 自然の湯)

<温泉利用掲示> 加水:一部あり 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

〔 2009年10月2日UP (2009年9月入湯) 〕

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