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■ 野沢温泉 「熊の手洗湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<野沢温泉 「熊の手洗湯」>
(長野県下高井郡野沢温泉村、5:00~23:00(11~3月は6:00~)、原則無休、寸志(浄財)、0269-85-3114(野沢温泉村役場商工観光課))
紹介ページ (野沢温泉観光協会)
紹介ページ (野沢温泉旅館ホテル事業協同組合)
紹介ページ (野沢温泉宿泊業組合)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (るるぶ.com)

外湯は古くから地域住民の生活の共同の場所として毎日利用されています。
それぞれの外湯は、その周辺の住民が「湯仲間」という制度をつくり、管理、維持をしています。電気料や水道料の負担、当番制で毎日の掃除をしています。
共同の場所です。お互いに気持ちよく入浴できるようエチケットを守りましょう。
(野沢温泉観光協会HPより)

北信の名湯、野沢温泉には外来客も入れる「外湯」といわれる共同浴場が13あります。
なかでも人気が高いのが大湯、真湯、熊の手洗湯の3湯。
熊の手洗湯(くまのてあらゆ)は傷ついた熊により発見されたという古い湯で、野沢温泉発祥の湯ともいわれる由緒正しいお湯です。
かつては伝説に因んで手洗湯、照湯、寺湯とも呼ばれ、いまでも寺湯と呼ばれることがあるようです。 


【写真 上(左)】「熊の手洗湯(寺湯)温泉街」入口
【写真 下(右)】 外観-1

野沢温泉街の北西側、「野沢温泉ホテル」に向かう坂道の途中左手の「熊の手洗湯(寺湯)温泉街」というアーチの路地に入ります。
急坂を下りつつしばらく行くと右手に外湯のひとつ「上寺湯」、さらに進んだ右手に「かわもとや」が見えてくるので、この角を右に入って少し行った左手。


【写真 上(左)】 入口正面
【写真 下(右)】 古湯の風格

ベースは木造ですが入口まわりは白レンガ貼りでそこにサッシュの入り口がふたつ。
端正な木造湯屋建築の外湯が多い野沢温泉のなかでは異彩を放つつくりながら、それがかえって風格を感じさせます。
建物左上に「熊の手洗湯縁起」、上部に「名湯 熊の手洗湯」の看板。
十二神将は因達羅大将、本地仏は地蔵菩薩、方位は午です。

建物入口に設けられた賽銭箱に浄財を入れてから入ります。
”無料”と書いてある資料もありますが、野沢温泉の外湯は、地元の”湯仲間”という組織によって大切に維持管理運営されているもの。
浄財(寸志)というかたちで感謝の意を示すのが、外来客のマナーでしょう。

このときは、熊の手洗湯のそばの「河一屋」に泊まったので、ちょこちょこ覗きにいきましたが、午後~夕方は入浴待ちも出るイモ洗いの大混雑。さすがに人気外湯です。


【写真 上(左)】 夜の熊の手洗湯-1
【写真 下(右)】 夜の熊の手洗湯-2

ここは温泉街中心からはずれていますが、「温めで入りやすいお湯」「野沢を代表する名湯」などと喧伝されているので、観光客もけっこうやってきます。
23時少し前、外湯巡りから帰る途中で覗くと無人。写真だけgetして翌朝再攻撃。
翌朝はすいていてラッキーにもほとんど独占。じっくりとこの名湯を味わえました。


【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 浴槽から脱衣所

右が男湯、左が女湯。
入って正面に木枠の脱衣棚、木組みの高い天井、数段低く浴槽、どれもこれもが絵になっていて文句のつけようがありません。


【写真 上(左)】 入口側から
【写真 下(右)】 窓側から

浴槽は赤タイル枠コンクリ叩きで、右手に3-4人、左手に1-2人のふたつが隣りあっています。
右手浴槽はタイル壁から突き出たパイプからややぬる湯を投入。
湯口の上には「低温(41℃)は熊の手洗湯です。湧出口は薬師堂 裏)」とあります。


【写真 上(左)】 右手浴槽の湯口 (熊の手洗湯)
【写真 下(右)】 熊の手洗湯の説明

左手浴槽はタイルから突き出た左側パイプ湯口からのややぬる湯投入&タイル壁から突き出たパイプからの熱湯ドコドコ投入で、熱湯のほうは多くを木樋から浴槽外に逃がしています。
左側パイプ湯口のそばにはコップがおいてありました。


【写真 上(左)】 左手浴槽の湯口
【写真 下(右)】 右手浴槽から入口方向

アメニティ類なし。日曜10時で2人~独占。

ふたつの浴槽はつながっていて、側面の穴をつうじてお湯の行き来があります。
左手浴槽はかなりの熱め、右手浴槽はややぬる~適温なので、右手浴槽では側面の穴のあたりから熱湯がでてくるといった塩梅になっています。
両槽とも槽内注吸湯なしでオーバーフローのかけ流し。

投入源泉ですが、右手浴槽はおそらく熊の手洗い湯源泉、左手浴槽左側のややぬる湯も熊の手洗湯源泉?。
左手浴槽右手の熱湯は麻釜系特有の焼けタイヤ臭があったので、おそらく麻釜系源泉の引湯かと思います。
熊の手洗湯だけでは寒い時季に温くなるので、おそらく加温用に麻釜系源泉を引湯しているのだろうと思います。


【写真 上(左)】 左手浴槽
【写真 下(右)】 右手浴槽

熊の手洗湯(右手浴槽)はきもち翠がかってうすく懸濁し、白と灰と黒い湯の花がたくさんただよっています。
芒硝たまご味に苦味と微塩味が混じりますがのどごしよく美味。また、塩味は右手の麻釜系源泉よりよわくなっています。

スペックより力強い浴感でイオウ成分をかなりつよめに感じます。
アルカリのヌルとイオウのスルスルにとろみをまじえる絶妙の湯ざわり。
噂どおり神がかり的な浴感がある絶妙のあと曳き湯でなかなか脱出できず。脱出に成功しても(^^)、またぞろ入りたくなります。
なるほど、いつも混みあっているワケです。


【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 湯の花がワンサカ

左手浴槽はほぼ透明で、湯の花は右手浴槽よりすくなめ。

ただひとつ残念なのは、右手の熊の手洗湯槽に左手浴槽から麻釜系源泉が流入していること。
熊の手洗湯槽は十分適温だったので、夏場など、流入を止めたら100%ピュアな熊の手洗湯が楽しめると思うのですが・・・。
(正直なところ、今回(9月)は予想より熱めでした。)


【写真 上(左)】 熊の薬師
【写真 下(右)】 裏手の泉源

泉源は、左手はす向かいの「熊の薬師堂」の裏手にあります。
お堂の裏手にコンクリ造の貯湯槽があって木板の屋根が掛けられています。
覗きこんでみると、一段低い湯槽に源泉が湛えられていました。

単純硫黄温泉(Na-SO4・Cl型) 41.1℃、pH=8.8、湧出量不明、成分総計=390mg/kg、Na^+=89.4mg/kg (85.31mval%)、Ca^2+=10.9 (11.84)、Cl^-=38.2 (23.18)、HS^-=9.5、SO_4^2-=102.1 (45.71)、HCO_3^-=40.7 (14.38)、CO_3^2-=14.2、陽イオン計=103.5 (4.56mval)、陰イオン計=205.2 (4.66mval)、メタけい酸=77.3、メタほう酸=3.4、硫化水素=0.2 <H18.6.7分析> (源泉名:熊の手洗湯)

単純硫黄温泉(Na-SO4型) 43.3℃、pH=8.8、湧出量不明、成分総計=409.6mg/kg、Na^+=76.0mg/kg (82.34mval%)、Ca^2+=11.6 (14.43)、Cl^-=25.5 (14.31)、HS^-=7.9、SO_4^2-=142.2 (58.85)、HCO_3^-=34.8 (11.33)、CO_3^2-=15.0、陽イオン計=91.2 (4.02mval)、陰イオン計=226.7 (8.92mval)、メタけい酸=81.2、メタほう酸=10.4、硫化水素=0.1 <H9.12.26分析> (源泉名:熊の手洗湯)

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 源泉かけ流し 消毒:記載なし

〔 外壁掲示/熊の手洗湯縁起 〕
「当野沢温泉発祥の湯と称せられる本鉱泉は今を去る約一二五○年前の養老年間。元正天皇の御宇一獵師適此の地に到り射止めし巨熊の跡を辿れど小溜池に掌を洗ふを見る怪みてひそかに窺えば先刻負傷を鉱泉の湧出口に浸し居たり此に於て人々木の根を伝ひ草を分け此処に居を移せしものにして因に効用は外傷火傷切疵勿論高血圧症其他諸々の疾病に顕著な効用を示すものなり。」

■ブランドグルメ
〔 野沢菜 〕
全国的な人気と知名度を誇る野沢菜はもはや野沢の代名詞。
宝暦年間、野沢温泉村健命寺第八代住職晃天園瑞大和尚が京都遊学の際に持ち帰られた天王寺蕪の種子が発祥といわれています。
温暖な西国育ちの天王寺蕪が寒冷で積雪の多い野沢で変異を起こし、野沢菜が誕生したとされています。
いろいろな食べ方がありますが、なんといっても有名なのが葉と茎を漬物にした野沢菜漬け。
畑で根(蕪)を切り落としてから麻釜などで「お菜洗い」したあとで木桶で塩漬けにします。
もうもうと湯気をあげる麻釜(茹釜や大釜)で野沢菜を洗う風景は、野沢の風物詩として広く知られています。(「野沢温泉観光協会」HPなどを参考)
(今回立ち話をした地元の方によると、いまはどこでも野沢菜をつくっているが、本来、麻釜で洗った野沢菜だけを”野沢菜”というらしい。)

〔 2009/12/31UP (2009/09入湯) 〕


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■ しもつま温泉 「ビアスパークしもつま」 〔 Pick Up温泉 〕



<しもつま温泉 「ビアスパークしもつま」>
(茨城県下妻市長塚乙70-3、10:00~22:00、第2火休、700円(20:00~ 600円)、0296-30-5121)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

茨城県下妻市にある古株のセンター系施設。
ここは、以前何度か入っていてお湯の印象はあまり残っていませんでしたが、このところ茨城のお湯の湯づかいがよくなってきているのと、一部のガイド誌に「かけ流し浴槽あり」との情報があったので、期待半分で攻めてみました。

農林水産省の「リフレッシュビレッジ構想」*にもとづいて整備された施設でやたらに立派。
温泉施設のほか、ホテル、地ビール&薬膳料理レストラン、地ビール工房、農産物加工施設、農産物直売所、体験農園など、グリーンツーリズム関連の施設がてんこ盛り。
*) 「リフレッシュビレッジ構想」とは、都市と農村の交流と共生の拠点となる食と健康のテーマパークを整備して、農村資源と農村空間(農産物や自然景観など)を活用した地域おこしを進める構想とされています。


【写真 上(左)】 源泉の説明板
【写真 下(右)】 源泉の手水鉢?

Pからエントランスに向かう脇に源泉とおぼしき手水鉢?がありました。
ため湯のような感じで味見する気になれず味不明(^^;)。よわい硫酸塩泉系の臭いととろみが感じられたので、おそらく源泉だと思います。


【写真 上(左)】 地ビールレストラン併設
【写真 下(右)】 温泉入口

ホテルのロビー奥に温泉施設の受付所。
飲食処は、ホテルロビー脇に「地ビール中華レストラン 好好」と「和食処 おもと」、さらに温泉施設内に「大広間 軽食コーナー」と「別館 大広間」があって、なんとなく過剰のような気がしました。
メンテナンスはしっかりされていますが、最新のスパ銭などにくらべると、どうしても施設じたいのつくりの古さは隠せません。

廊下の奥に浴場で右手が男湯、左手が女湯。ほかに有料制の家族風呂もあります。
脱衣所はまあまあの広さ。ただ、混んでいるのでゆったり感はありませんでした。


【写真 上(左)】 暖簾
【写真 下(右)】 薬湯の成分

内湯に入ったとたんに浴場内に立ちこめる頭痛を催すほどのカルキ臭&薬湯臭に辟易。
おまけに換気がいまひとつで、湯気がこもっているので居ごこちはいまいち。

内湯ゾーンにサウナ、水風呂、薬湯風呂、内湯(タイル貼20人以上、ジャグジー、ジェット、寝湯付)。
水風呂は20℃弱の入りごろ。とろみがあってカルキはほとんど感じられない良質なもので、うす茶の浮遊物をうかべています。これは井水使用のかけ流しかと思います。

薬湯風呂は、「トウキ・オウバク・センキュウ・ショウキョウ・サンシシ・バンショウ・コウカ・チンピ・トウヒ・オウゴン」を配合した本格的なもの。
人気でなかなか入れません。
ほかにかけ湯があって、これはとろみがありカルキも感じられなかったので、ひょっとして非消毒の源泉使用かも・・・。

露天ゾーンに露天と壺湯(陶製1人)×3と打たせ湯3本。林にかこまれなかなかの雰囲気。
露天は石枠平石敷一部屋根付で大(10人位)と小(7-8人)に仕切られて、お湯の行き来があります。

妙にふかいうえに、壁面の石がザラついているので、背中の当たりが悪く入りごこちはいまいち。
カラン13(少なすぎ、それに妙な変則配置でつかいにくい)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜16時で常時30人以上はいる盛況。

内湯は、白い石膏系の析出のでた石の湯口から適温のお湯を大量投入。
別に緑青のでた源泉っぽいカランがありますがでませんでした。
槽内注湯&底面吸湯でオーバーフローなしの典型的な循環仕様。

露天は、大きいほうの中央にある円形の石の湯口から適温湯を噴水状に大量投入。
(たぶん)槽内排湯のオーバーフローなしで、これも循環でしょう。
壺湯は、陶製の皿状の湯口からの投入でオーバーフローがありますが、お湯の感じからしてこれも循環かと思います。

お湯は内湯で適温~ややぬる、露天&壺湯で適温、内湯と露天のお湯にさしたるちがいは感じらず、壺湯はきもち濃度が高いように思いました。

お湯はほぼ透明で浮遊物なし。壺湯の湯口は明瞭な芒硝塩味+弱苦味+つよい薬品味(他の湯口は味見する気になれず)。
壺湯のお湯はかなりの濃度感と硫酸塩泉系のキシキシが感じられ、指先の青白発光があるものの、カルキ臭もしっかり。
内湯&露天のお湯はカルキ臭がつよく、よわいキシキシがあるものの、強消毒湯特有の締めつけてくるような湯ざわりがつよくて、入っていて楽しくありません。

で、壺湯と水風呂の往復に終始していました(^^)
とくに水風呂はかなりのもので、この施設のトイレのカランなど、褐色に変色しているので、井水じたいにそれなりの成分を含んでいるのかも。
(ガイド誌にあった「かけ流し浴槽」とは水風呂のことか・・・?)

それにしても、湯温44.6℃、湧出量140L/minというポテンシャルの源泉をもちながらこの不甲斐ない湯づかいはなんとかしてほしいところ。
いくら混雑施設とはいえ、カルキを入れるのにも限度があるというものでしょう。

また、湯づかいにしても、泉温44.6℃で140L/minもでてるのなら、たとえば、露天の小のほうだけかけ流しにするとかしても、バチは当たらないと思いますが・・・?

正直、いまの湯づかいには幻滅。
水風呂があったのでなんとか凌げたものの、これがなかったら逃げ場のないどハズレ湯。

茨城も鹿行や奥久慈、それに南部の新規施設の湯づかいはかなりよくなってきているのに、筑西エリアの多くのお湯ははいまだに悪名高い「バリ循強カルキのいばらぎのお湯」です。(ただし、筑波山のお湯にはけっこういいのがある。)
ここいらは、新鋭スパ銭などの手ごわい競合がないのでこれでもOKかもしれぬが、競合ができたらかなりきついのでは?
どこもなかなか面白い源泉をもっているので、個人的には湯づかいの改善を望みたいところです。

筑西エリアの温泉施設の例にもれず、ここにも成分記載の分析書掲示はありませんでした。
でも、フロントで訊いたら快くコピーをいただけました。
ここの成分データは初公開かも・・・(笑)

Na・Ca-塩化物泉 44.6℃、pH=8.5、140L/min(掘削揚湯)、成分総計=2438mg/kg、Na^+=95.50mg/kg (73.31mval%)、Ca^2+=210.00 (25.54)、総鉄イオン=0.50、F^-=4.20、Cl^-=1352.00 (92.77)、SO_4^2-=95.00 (4.82)、HCO_3^-=36.40、CO_3^2-=5.60、陽イオン計=915.80 (41.04mval)、陰イオン計=1492.00 (41.10mval) <H11.2.1分析> (源泉名:しもつま温泉)

<温泉利用掲示> 加水:記載なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

■ブランドグルメ
〔 しもつまブルワリー(地ビール) 〕
ビール工房「しもつまブルワリー」のビール工場で造られた地ビールは定番3種(ホワイト・レッド・ポーター)。ほかに季節限定ビール、特別醸造ビールなども製造しています。
しもつまビールは、主原料のモルトにこだわり、市内の契約農家で二条大麦を栽培、鬼怒川や小貝川の水に恵まれた肥沃な大地で育った自慢のビール麦をつかってつくられるそうです。(「しもつまブルワリー」HPを参考)

〔 2009/12/31UP (2009/11入湯) 〕


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■ 伊東温泉 「山喜旅館」 〔 Pick Up温泉 〕



<伊東温泉 「山喜旅館」>
(静岡県伊東市東松原町4-7、8:00~22:00、不定休、600円、0557-37-4123)
オフィシャルHP
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

伊東には自家源泉をもつ湯宿がたくさんあって、ここもそのひとつ。
小田原方面からだとR135(旧道)が伊東大川を渡る「大川橋」交差点の路地を海側に入ったならびに、海鼠壁瓦葺きの風情あふれる和風建築がしっとりとたたずんでいます。


【写真 上(左)】 みごとな海鼠壁
【写真 下(右)】 シックな館内

館内はリニューアルをかけているらしく和モダン調の仕上がりをみせていて、思わず泊まりたくなるお宿です。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所

浴場はロビーの奥、小階段をおりてのアプローチで手前が男湯、おくが女湯。
このあたりは手を入れていないらしく、古い温泉宿のつくりそのままですがそれもまた一興。


【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯

こぢんまりとした二面採光のあかるい浴室に石枠タイル造8人くらいの内湯がひとつ。
カラン5、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜12時で独占。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯の湯口

鉄分で赤茶に色づいた壁面づたいにかなりの量を投入してオーバーフロー。
槽内注吸湯はみあたらなかったので、かけ流しとみました。

かなりぬるめのお湯は、ごくわずかに懸濁しこまかな湯の花がたくさん舞っています。
かなりつよめの塩味+苦味。
苦味が表にでてきている伊東らしからぬ味で、むしろ熱海や伊豆山のお湯に近い味。

成分総計はあっとおどろく12.667g/kgの高張泉で、とても伊東のお湯とは思えません。
味からして希釈はないかと思いますが、そのわりに濃度感はさほどではなく、あたたまりもそれほどつよくありません。
石膏系の甘い湯の香とキシキシ、弱とろみがあって、硫酸塩泉のイメージも・・・。


【写真 上(左)】 ザコザコです
【写真 下(右)】 女湯の湯色

濃度のわりにさっぱりとした浴感、浴後感があるのはやっぱり伊東のお湯だから・・・?
伊東のお湯では個性のある1湯で、かくれ家的なお宿のたたずまいもなかなかなので、温泉好きにおすすめです。

含石膏・塩化土類食塩泉(Na・Ca-塩化物・硫酸塩温泉) 40.7℃、pH=7.1、湧出量不明、成分総計=12.667g/kg、Na^+=3703mg/kg、、Ca^2+=508.6、Cl^-=6671.54、SO_4^2-=1168.6、HCO_3^-=129.0、メタけい酸=65.0、メタほう酸=7.3 <S27.10.15分析> (源泉名:松原14号泉)

弱食塩泉(Na-塩化物温泉) 45℃、pH=7.4、170L/min動力揚湯、蒸発残留物=12858mg/kg <S34.1.22試験> (源泉名:松原7号泉)

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり(低温時のみ加温) 循環ろ過:なし 消毒:なし

※ 庭にある源泉2本(松原7号、松原14号)を混合使用しているらしい。浴場から泉源らしきものがみえますが、これがそれかどうかは不明。

■ブランドグルメ
〔 伊東のムロアジ 〕
伊東の沖合ではムロアジの棒受網漁が盛んで、伊東漁港に水揚げされたムロアジの干物は伊東名物として一部のグルメ層に知られています。

〔 2009/12/31UP (2008/04入湯) 〕


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一年の〆に今井美樹

なんかコンセプト不明だが(笑)、一年の〆に今井美樹。怒濤の20曲!
気にいったら買ってあげてね。

※ You-Tubeの試聴(クリック)は自己責任にてお願いします。

1.ふたりでスプラッシュ

■ 1987/09リリース「elfin」収録曲。2ndとは思えない完成度。
跳ねた曲調が彼女の声質によくあってる。

2.MISS YOU

■ 1994/09リリース「A PLACE IN THE SUN」収録。
布袋寅泰作曲。メロ、歌詞ともに今井美樹色あざやかで、一躍人気曲に・・・。

3.夏をかさねて

■ 1988/06リリース「Bewith」収録曲。
「Bewith」は夏向きのブライトな曲が詰まった名盤でこのころからこ洒落たAC系の曲が増えてくる。
作曲は柿原朱美(ak)。やたら透明感あふれる曲を書く人で、今井美樹との相性抜群(だと思う)。

4.Piece Of My Wish (LIVE)

→ 〔直リンク〕 (埋め込み無効)
■ 1991/11リリースの代表曲のひとつ。
彼女の伸びやかなハイトーンヴォイスがよく表現される歌詞も曲調もドラマティックな上田知華作曲の佳曲。

5.あこがれのままで
今井美樹 - あこがれのままで(1991)

→ 〔直リンク〕 (埋め込み無効)
■ 1991/09リリース「Lluvia」収録曲。
やや歌謡曲的なメロもでてくるが、曲の構成は秀逸。
リバーヴのかかったギターと綺麗なストリングスがよく効いている。

6.PRIDE(LIVE with 布袋寅泰)

■ 1997/07リリース「PRIDE」収録の代表的なヒットチューンで布袋寅泰作曲。
簡単に唱えそうな気がするが、実はたいへんな難曲で、民間人がカラオケで安易に選曲するとあっけなく崩壊することが多い(笑)。
彼女のLIVEでも好調・不調の波が大きくなる1曲。

7.春の日 (LIVE with 川江美奈子)

■ 1995/07リリースの名盤「Love Of My Life」収録曲。
これも難曲だが、こういう曲を淡々と唱ってしまうところが彼女の真骨頂か。

8.空に近い週末

■ 彼女の数ある楽曲のなかでもおそらく屈指の名曲だと思う。
柿原朱美(ak)のリリカルな曲調冴えわたり。
今井美樹のヴォーカルも武部聡志のアレンジメントも文句のつけようがなく、捨て音なしのすばらしい出来。歌詞も秀逸。

9.NOCTILUCA (LIVE)

■ 1995/07リリース「Love Of My Life」収録、布袋寅泰作曲の大作。
たぶんおそらくひじょ~に、スタミナを要求される曲なので、LIVEではなかなか聴けない。
今井美樹の伸びのある声質があって、はじめて歌いこなせる難曲。

10.微笑みのひと (LIVE)

■ 2002//07リリース「Pearl」収録で、これはLIVEでもけっこう歌う。
「Sunny Sunday」、「Bluebird」などとともにLIVEで演る代表的なアップテンポ曲。

11.elfin

■ 1987/09リリース「elfin」収録の静謐な曲調の佳曲。
しかし、2ndALBUMでよくもこんなアーティスティックな曲を入れてきたと思う。
フェミニンでやわらかな声質がよく活きている。

12.The Days I Spent With You
今井美樹 「 The Days I Spent With You 」

■ 1992/12リリース「flow into space」収録の人気曲。布袋寅泰作曲。
歌詞も曲調も泣ける。LIVEでもよく演るがアレンジによりイメージが大きく変わる曲。

13.A PLACE IN THE SUN (LIVE with 川江美奈子)

■ 1994/09リリースの「A PLACE IN THE SUN」収録。
「NOCTILUCA」に似たスケール感あふれる曲調で、こういう曲を歌わせたら今井美樹の右に出るシンガーはいない。
後半からの川江美奈子のバックヴォーカルが絶品。

14.夢の夜 今井美樹

■ 1991/09リリース「Lluvia」収録。リズムがやたら跳ねてるメリハリのある曲。なんということもない曲に思えるが、なぜか記憶に残る。

15.黄色いTV

■ 1988/06リリース「Bewith」収録の定番曲。ピアノの音色がエレガンスだが、メロはけっこうリリカルでこのアンバランスがなかなか。

16.泣きたかった (LIVE)

■ 1990/08リリース「retour」収録。こういうユーロピアンなACをさらりと歌ってしまうところが今井美樹らしい。こ洒落たLIVEで光る曲。
このLIVE行った(^^)

17.Pray

■ 1995/07リリース「Love Of My Life」収録の今井美樹にしては内省的な曲。
地味な曲ながら柿原朱美作曲のメロが抜群。

18.瞳がほほえむから (LIVE)
瞳がほほえむから   今井 美樹

■ 1989/11リリースの今井美樹の代表的なヒットチューン。
LIVEでもよく歌う人気曲。曲調に声質がバッチリはまってる。
KARYOBIN率いる上田知華の作曲。ちなみに上田知華作曲の曲は意外に多い。

19.滴 (LIVE with 川江美奈子)

■ アサヒビール・焼酎「かのか」のCMソングで2009/11リリース「corridor」収録。
このところよく組んでいる川江美奈子作曲の佳曲で、きらきらと粒立ったメロディが秀逸。

20.GOODBYE YESTERDAY (LIVE)

→ 〔直リンク〕 (埋め込み無効)
■ 2000/02リリースのヒット曲で本人出演のドラマ「ブランド」主題歌。
彼女らしいスケールのおおきなバラード。このLIVEはとくにいい出来です。
このLIVEもたしか行った(^^)
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■ 月岡温泉 「高橋館」 〔 Pick Up温泉 〕



<月岡温泉 「高橋館」>
(新潟県新発田市(旧 豊浦町)月岡温泉552-28、11:00~14:30(要時間確認)、800円、0254-32-1500)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (じゃらんnet)

下越の名湯、月岡温泉
大正初期開湯の比較的新しい温泉地ながら、新潟市にもほど近い立地とお湯のよさで急速に発展。
新潟市の奥座敷としての歓楽温泉(月岡の芸妓は有名)と、お湯のよさが育んだ湯治場のふたつの顔をもっています。
圧倒的な質感をもつすばらしいお湯で、いつも再訪をもくろんでいますが、新潟、下越はあまりに遠い。
これは2003年4月に入湯したときのレポです。

豪華絢爛な大型旅館と質素な湯治宿に二分される月岡ですが、湯治系は連れが猛烈に抵抗したので(^^;)イサイズじゃらんの「ほっこり温泉案内所」で予約。
やませみさんの宿泊レポもある、純和風25室の落ちついた中規模旅館です。

とかく高いイメージのある月岡ですが、限定ながら予想外に安いプランがあってびっくり。
 A.温泉名人育成プラン:2,980~(驚愕!) (食事なし / 2泊以上)
 B.大浴場オープン5周年記念平日限定特別割引プラン:8,999~ (2食付) 
 C.ISIZE限定空室バーゲン:10,900~ (2食(夕食11品)付)
料理もよさげな宿なのでCにしました。(いずれも4月平日1泊、1室大人2名利用時)

2階にある奥まった部屋は、眺めはよくないものの約12畳WC・バス付で、部屋出しどころか隣の部屋が食事部屋として別に用意されたのにはおどろき。
料理は質量ともに満足できるもので、接客もよく驚異のコストパフォーマンスでした。(月岡もたいへんなのかな~?)


【写真 上(左)】 つきあかり
【写真 下(右)】 ゆきあかり

浴場は畳廊下を渡る小粋なアプローチ。雰囲気のいい湯上がり処もあります。
石風の「つきあかり」、檜風の「ゆきあかり」の2つの浴室は深夜に男女交替。


【写真 上(左)】 つきあかりのバブルバス
【写真 下(右)】 ゆきあかりのひのき内風呂

「つきあかり」は、バブルバス(たぶん真湯)、源泉槽(石枠鉄平石敷1-2人)、大岩露天風呂(同12人以上)とドライサウナ。
「ゆきあかり」は、ひのき内風呂(たぶん真湯)、源泉槽(石枠鉄平石敷1-2人)、大岩露天風呂(同12人以上)、ひのき露天風呂(たぶん真湯)とミストサウナ。


【写真 上(左)】 ゆきあかりのひのき露天風呂
【写真 下(右)】 見事に硫化したカラン

別に、貸切にしては広いハーブ風呂(貸切・無料・予約不要)もあります。
各浴場ともアメニティ完備。
「つきあかり」「ゆきあかり」の洗い場カランはイオウでまっ黒に硫化しています。


【写真 上(左)】 ハーブ貸切風呂「かおりの湯」
【写真 下(右)】 つきあかりの大岩露天風呂の湯色

「つきあかり」「ゆきあかり」ともに、やはり源泉槽が出色です。
巨大なつくばい?の底から湧き出した熱湯源泉が流れ落ちる湯口と、反対側にぬるめのお湯を注ぐ石の湯口があります。


【写真 上(左)】 つきあかりの源泉槽熱湯湯口
【写真 下(右)】 つきあかりの源泉槽ぬる湯湯口

熱湯源泉の湯口は石膏とイオウと鉄分の析出でえらいことになっています。
石の湯口は味が薄めでたぶん加水温調、側溝排湯の加水かけ流しかと思います。


【写真 上(左)】 ゆきあかりの源泉槽熱湯湯口
【写真 下(右)】 ゆきあかりの源泉槽ぬる湯湯口

源泉湯口と加水湯口の湯量は時間によって変動し、夜遅くにはどちらの湯口も絞り気味で、相対的に源泉比率が高くなるような感じがしました。
やませみさんご指摘のとおり、源泉つくばいには、表面にふわふわと油分が浮いてきて油膜をつくり、黒い湯の花も・・・。
源泉湯口には柄杓がおかれ飲泉できますがえらく不味いです。


【写真 上(左)】 つきあかりの源泉槽熱湯湯口(上から)
【写真 下(右)】 ゆきあかりの源泉槽熱湯湯口(上から)

かなり熱めの源泉槽のお湯は、きれいなエメラルドグリーンに黒灰色の湯の花を浮かべて透明。ときおり湯面にふわふわと油膜が出現します。
塩味+強苦味+エグ味。しぶ焦げイオウ臭+アブラ臭がしっかりと香り立ちます。
ぬめりとツルすべ感のあるお湯で、美人の湯の面目躍如。


【写真 上(左)】 つきあかりの源泉槽
【写真 下(右)】 ゆきあかりの源泉槽

温まりも浴感も相当に強い力のあるお湯で、強く記憶にのこります。
大岩露天風呂のお湯もこれに準じますが、ややぬるくなまった感じで緑味が濃いです。


【写真 上(左)】 つきあかりの大岩露天風呂
【写真 下(右)】 ゆきあかりの大岩露天風呂

それにしても、強アブラ臭&HS^-=88.4mg/kgの強イオウとはいったいどうしたことでしょう。
いったいに下越には泉質の面白いお湯が多いですが、月岡のお湯は群を抜いています。

やませみさんより肌荒れのご忠告がありましたが、乾燥肌ではないのにやはりきました。入浴中からぴりぴりきてましたが、皮膚の弱いところが赤くかぶれてしまいました。
人によっては、美人の湯ではなくなるのでご注意 (^^;
でも、力のある名湯をじっくり落ち着いて味わえるとてもいいお宿でした。

含硫黄-Na-塩化物・硫酸塩泉 50.0℃、弱アルカリ性、湧出量・成分総計不明、Na^+=1109mg/kg (88.57mval%)、F^-=3.1、Cl^-=1275 (63.69)、HS^-=88.4、チオ硫酸イオン=0.5、SO_4^2-=552.3 (20.38)、HCO_3^-=372.0 (10.81)、陽イオン計=1225 (54.45mval)、陰イオン計=2293 (56.44mval)、非解離・溶存ガス成分不明 <H元.3.30分析> (源泉名:不明)

■ブランドグルメ
〔 結城堂のかりんとう饅頭 〕
温泉まんじゅうで有名な結城堂のかわり種まんじゅう。
外皮の生地がなんとかりんとう、なかはたっぷりのあん。カリッとした食感と沖縄産黒糖の風味が好評でファン増殖中らしい。
瀬波温泉でも売っているらしいが本家はここ月岡で、遅い時間に行くと売り切れのことが多いらしいです。

〔 2009/12/24UP (2003/04/17レポに加筆 (2003/04入湯)) 〕

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でもご紹介いただいています。


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■ 下部温泉 「古湯坊 源泉館」 〔 Pick Up温泉 〕



<下部温泉 「古湯坊 源泉館」>
(山梨県身延町下部45番地、8:00~15:00(2h以内)、原則無休、1,000円/2h、0556-36-0101)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

「信玄公のかくし湯」として知られる下部温泉の老舗宿で、足元湧出浴槽をもっており、温泉好きに高い人気をほこります。
場所は下部温泉街のほぼ中心、温泉神社(熊野神社)のすぐ下手にあることからみても、このお宿の格式とお湯のポテンシャルの高さが伺われます。


【写真 上(左)】 下部川の橋から「源泉館」
【写真 下(右)】 本館の玄関

オフィシャルHPによると、「当館には武田信玄やその父、信虎の免状が残されています。川中島を始め各地の戦場で負傷した多くの武将が当旅館の温泉で傷を癒しました。当時の武田軍は最重要の治療施設であった源泉館の岩風呂に対し、土地浴場の免状を発行して手厚く保護していました。」とあり、信玄公ひきいる武田軍とふかい関わりがあったことがわかります。
また、文豪、井伏鱒二氏が好んで逗留した宿としても知られています。


【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 岩風呂の看板

本館帳場で受付し、坂をおりて「かくし湯 岩風呂」へ向かいます。
入浴回数券(6回分5,000円、13回分10,000円)もあって、日帰り受入れにも力を入れています。


【写真 上(左)】 ところせましと並べられている温泉掲示類
【写真 下(右)】 信玄公の免許状

「かくし湯 岩風呂」は別館「神泉」のなかにあり、すぐ脇の赤い鳥居は温泉神社(熊野神社)の参道です。
入ってすぐにベンチ、右が男湯、左が女湯。一見なんということもない佇まいながら、独特な雰囲気にあふれています。


【写真 上(左)】 男子脱衣所入口
【写真 下(右)】 女子脱衣所入口

浴室に入ると正面に上がり湯。
左手、階段の下にかの有名な混浴源泉槽「かくし湯 岩風呂」があります。
脱衣所は男女別々ですが、浴槽はすべて混浴。ただし、17:00~18:30は女性専用時間となります。
なお、本館5階に男湯(日帰り不可)、本館2階に女湯(混浴できない女性客のみ日帰り可)があります。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 上がり湯

2層構造の浴場ですが、「かくし湯 岩風呂」の上部は吹き抜けとなっているので閉塞感はありません。
やや暗めながらやたら雰囲気あふれる浴場で、こういうものは一朝一夕でつくれるものではありません。
長湯湯治のメッカらしく浴場内にWCがあります。
カラン6位、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
土曜12時で3-7人とまあまあ空いていました。

なお、ここはタオル巻きでの入浴が原則。「一般の浴場と違い、源泉館ではタオルを巻いて入浴するのがマナーです。」との注意書きも。


【写真 上(左)】 上がり湯から岩風呂の上部
【写真 下(右)】 上がり湯はザコザコ

上がり湯は岩枠石敷4-5人で、からだを暖めるためのもの。
浴槽のよこには飲泉処があって、コップもおいてあります。

岩の湯口から湯滝状の投入でたぶん全量をザンザコにオーバーフロー。
当然温泉で加温かけ流しかと思います。
無色透明のお湯はほぼ無味でわずかに芒硝系の湯の香、お湯じたいのイメージは「かくし湯 岩風呂」に似ています。


【写真 上(左)】 上がり湯の湯口
【写真 下(右)】 岩風呂-1

さて、本題の「かくし湯 岩風呂」です。(データなどはオフィシャルHPより引用)
ここは約15畳の大岩盤から自然湧出している貴重な足元湧出浴槽で、湧出量はじつに200~415L/minにもおよぶとのこと。
30人以上優にいけそうな大きな浴槽で、深さ2m以上もある天然岩風呂の上に板を敷いて適度な深さにしています。
右手奥、神棚の下の部分(3-4人)だけは板が張られていないのでやや深く、足元湧出源泉を直にからだに受けることができるので、当然ここが一番の人気スポットです。


【写真 上(左)】 源泉槽-2(中央のふかいところが湧出口)
【写真 下(右)】 壁には分析書

湯温は30℃くらい、ほぼ無色透明で湯の花はほとんどありません。
味不明、甘い石膏泉系の湯の香で、香りは「大市館」(現「裕貴屋」)とちがうニュアンスがあるように思いました。
キシキシとヌルすべが入りまじる複雑な湯ざわりで、よわい青白発光とわずかなアワつきもあり、浴後はただならぬ爽快感がでてきます。

ほぼ不感温度ですこぶる入りごこちのいいお湯は、やさしくからだをつつみこむ感じの長湯向け。
イメージとしては阿武隈の湯岐温泉の共同浴場に近いものがあるかな?

お湯のよさもさることながら、なんといっても浴場の雰囲気が抜群。
温泉好きならば一度は訪れてみたい名湯だと思います。

単純温泉(Na・Ca-SO4・Cl型) 29.6℃、pH=8.0、415L/min自然湧出、成分総計=0.470g/kg、Na^+=74.4mg/kg (52.68mval%)、Ca^2+=57.1 (46.34)、Cl^-=60.9 (28.38)、SO_4^2-=189.2 (65.02)、HCO_3^-=23.9、陽イオン計=132.9 (6.15mval)、陰イオン計=274.2 (6.06mval) メタけい酸=31.9、メタほう酸=2.9、遊離炭酸=28.1 <H16.8.25分析> (源泉名:源泉館神泉)

<温泉利用掲示>(「かくし湯 岩風呂」/オフィシャルHPより)
・一切「循環」「加熱」「加水」しておりません。
・温泉成分100%の天然温泉をかけ流しにしております。
※「武田信玄公の時代から加温はしていません(温泉利用証)」というのが凄い。
※ 温泉利用証の自然度・適正度評価はオール5です。
※ 館内掲示されていた日本温泉総合研究所の認定書(H16.8.19)では以下の通り
  ・浴槽の温泉水は源泉と同一であり「源泉100%かけ流し」であること。
  ・温泉の本質的な特徴の一つである「還元系」が良好に保たれていること。 
  ・浴槽の状態 加水:なし 加温:なし 循環:なし 塩素殺菌:なし 

■ブランドグルメ
〔 下部のヤマメそば 〕
渓流に棲むヤマメは下部川にも生育し、下部リバーサイドパークでは毎年8月にヤマメまつりも開催されます。
また、黄金色の「黄金のヤマメ」も放流され、ヤマメによる地域おこしがすすめられています。
かたや蕎麦は温泉街の定番。かけ蕎麦にヤマメの甘露煮をまるまる一匹のせた下部名物「ヤマメそば」は、温泉街の飲食店で食べることができます。

〔 2009/12/24UP (2007/06入湯) 〕


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■ 天津小湊温泉 「城崎の源泉の湯 宿中屋」 〔 Pick Up温泉 〕



<天津小湊温泉 「城崎の源泉の湯 宿中屋」>
(千葉県鴨川市(旧 天津小湊町)天津3287、13:00~20:00(要時間確認)、1,000円、0470-94-1111)
オフィシャルHP
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)

南房、小湊あたりにいくつかある自家源泉の温泉宿のひとつで、日帰り入浴も受け入れています。
日蓮聖人誕生の地、天津小湊に天保年間に創業した老舗で、昭和49年に現在の城崎海岸で再オープン、平成14年、天然温泉の湧出にともない「宿中屋」と改名しています。(一時「ホテルニューナカヤ」と名のっていた。)


【写真 上(左)】 フロント
【写真 下(右)】 源泉の銘板

36部屋の大きめの旅館で、館内のつくりもしっかりとしています。
日帰り受け付けは、団体客の入館状況などにより流動的なようで、年末の14時ごろダメもとで攻めたのですが「いまなら大丈夫です。」と快く受け付けてくれました。
なお、このときはたしか料金600円だったかと思いますが、いまは1,000円になっているようです。

「城崎の湯」「華海の湯」と名づけられた男女別温泉大浴場・露天風呂のほかに、貸切露天風呂「浜千鳥」(45分 2,100円)、リラクゼーション「アロマリン」などもあります。

フロント・ロビーまわりは南房らしくトロピカル。
フロントまわりに「源泉かけ流しの宿」、「城崎の源泉の湯」という掲示と温泉協会の温泉利用証も取得しているので、お湯に自信をもっていることが伺われます。
ロビーをまわりこんで廊下を海側にすすむと浴場。
このときは、手前「華海の湯」が女湯、おくの「城崎の湯」が男湯でした。(男女交替制かどうかは不明)


【写真 上(左)】 「城崎の湯」入口
【写真 下(右)】 「華海の湯」入口

脱衣所はメンテよく綺麗。扉をあけると窓の広いあかるい内湯で、タイル貼20人ほどのゆったりとした浴槽がひとつ。
さらに扉をあけると露天。これは眼前に海が広がるすばらしいロケです。
伊豆石貼3-4人のなかなか入りごこちのいい浴槽です。
カラン7以上、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
年末の14時ごろで男女湯とも独占~2-3人。


【写真 上(左)】 「城崎の湯」の内湯
【写真 下(右)】 「城崎の湯」の露天

内湯は、木箱で囲われた石の湯口からの投入+底面注入、おそらく底面排湯でオーバーフローなし。
露天は、木の湯口からの投入+側面注入、底面吸湯でオーバーフローなし。
湯づかいからするとかけ流しではないようにも思えますが、露天のコンディションはかなりのもの。すくなくとも露天の湯口からは非加水の源泉を入れていると思います。


【写真 上(左)】 「城崎の湯」露天からの眺め
【写真 下(右)】 「城崎の湯」露天の湯色

また、左どなりの女湯「華海の湯」露天からの排湯が目の前の側溝を流れていて、連れによると「露天はオーバーフローがあった」とのことなので、ひょっとして「華海の湯」露天はかけ流しなのかもしれません。(掲示類には「かけ流し表記なし」)

内湯のお湯はほぼ適温でごくわずかに懸濁し、少量ながら浮遊物もただよっています。
湯ざわりやさしいお湯ながら、よわいカルキが感じられ、露天のお湯よりだいぶん劣ります。


【写真 上(左)】 「城崎の湯」内湯の湯口
【写真 下(右)】 「城崎の湯」露天の湯口

露天のお湯はややぬるめ、翠がかった微濁でうす茶の浮遊物をうかべています。
味メモ忘れ(^^;)。おだやかな湯の香に若干の礒の香が加わります。
よわいヌルすべ、あたたまり感はさして強くはないものの、温泉ならではのやわらかな湯ざわりが楽しめるなかなかのお湯です。
なんとなくひっかかりのある浴感は、SO_4^2-=307.0mg/kg (31.63mval%)が効いているせいかもしれません。

ロケはいいし、源泉スペックも湯づかいも南房ではレベルの高いものなので、1,000円はちと痛いですが、寄ってみるのもいいかも。(このエリアで110L/min掘削揚湯、SO_4^2-=307.0 (31.63)というスペックは貴重)

Na-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩冷鉱泉 18.7℃、pH=8.7、110L/min掘削揚湯、成分総計=1.400g/kg、Na^+=419.0mg/kg (93.30mval%)、NH^4+=4.0、Mg^2+=3.9、Ca^2+=10.5、Cl^-=300.7 (41.98)、SO_4^2-=307.0 (31.63)、HCO_3^-=270.3 (21.93)、CO_3^2-=26.4、陽イオン計=446.6 (19.54mval)、陰イオン計=904.7 (20.20mval)、メタけい酸=44.2、メタほう酸=4.1 <H14.12.9分析> (源泉名:天津小湊温泉 城崎の湯)

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 消毒:あり

〔 温泉利用証掲示(抜粋) 〕
・引湯方法・距離:引湯管を利用・引湯距離:55m
・浴槽の衛生管理ならびに温度管理の為、常時循環濾過装置を使用
・常時新湯を補給しながら循環濾過装置を稼働しています。
・加水なし。湯量豊富な温泉が常に浴槽を満たしています。

■ブランドグルメ
〔 天津小湊のはばのり 〕
岩のりの一種で小湊や上総の正月に欠かせない縁起物。
雑煮に入れて食べると、”一年間はばを利かす”ことができるそうです。
天然ものを岩礁で摘みとるので、労力のわりに収量がすくない貴重品。年末に摘み取ったものを「旧はば」、年明けのものは「新はば」と呼ぶそう。

〔 2009/12/23UP (2007/11入湯) 〕


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■ 湯西川温泉 「共同浴場 薬師の湯」 〔 Pick Up温泉 〕



<湯西川温泉 「共同浴場 薬師の湯」>
(栃木県日光市(旧 栗山村)湯西川、時間不定(水・土5:00-8:00は清掃)、寸志(200円以上)、0288-97-1126(観光協会))
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (温泉みしゅらん)

平家の落人伝説で知られる湯西川温泉の共同浴場。
湯西川の集落を流れる湯西川の右岸、湯前橋のたもとに鄙びたたたずまい。
ここは、見事な萱葺き屋根(いまは瓦葺きがふえた)がならぶ平家集落と温泉街をむすぶ要の位置にありますが、ちと引き込んでいるのと、あまりにまわりの風景に溶け込んでいるので、気づかずに通りすぎる観光客も多いのでは?(たしか看板もなし)
また、気づいたとしても、モロ共同浴場的雰囲気と混浴にはばまれ、突入する人はすくないと思います。(ここ目的でくる温泉好きはべつ(^^))


【写真 上(左)】 平家集落
【写真 下(右)】 橋の上から

とくに夕方は地元の方の利用が多そうなので、外来者は避けたほうがよさそう。
このときは、夕方に偵察したところ誰もいなかったので、ついつい突入。
予想以上にお湯がよかったので、つぎの日の朝にもう一度突入(笑)


【写真 上(左)】 対岸から (右手が超開放的露天)
【写真 下(右)】 外観

このあたりは露天が集結していて、川の上手に「本家判久萬久旅館」の露天、橋をはさんで右手に「金井旅館」の露天、対岸正面にも超開放的な露天(どこかの旅館の所有らしく、無断入浴不可)があります。


【写真 上(左)】 銘板
【写真 下(右)】 水の樽

しぶ~い木造の建物。サッシュを引くとさらに別世界。
総木造の脱衣所、木枠の脱衣棚、左手に数段ひくく石づくりの浴槽、高い木梁と湯気抜きの天井、大きめの窓から差し込む日差し、吹き込む川風、すべてが一体となってすばらしい雰囲気をかもしだしています。
ただ、のぞき込み防止のためか窓ガラスが白くスプレーされいてるのは無粋。
脱衣所も男女兼用なので、慣れた女性以外は混浴はきびしいか。

石をくりぬいたような野趣あふれる湯船(3-4人)に、ぬるめ(窓側)とあつめ(内側)の2本のパイプから投入で、槽内注排湯はみあたらず、全量を手前内床に向けて大量に流し出す、文句なしのかけ流し。
この位置関係からすると湯面は前を流れる湯西川の川面と同じくらいの高さでは?


【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口-1

カランはなく、パイプで引かれた水が緑のバケツに注ぎ込まれているだけ。アメニティ類なし。
土曜夕方、日曜の朝、どちらも独占でした。

適温~ややぬるのお湯は、きもち青白く懸濁し、白~灰色の湯の花をうかべています。
よわい芒硝重曹味にたまご味が加わります。


【写真 上(左)】 湯口-2
【写真 下(右)】 湯色

湯口で思いのほかしっかりとした甘イオウ臭、湯面でもほのかなイオウ臭がただよいます。
キシキシとツルすべの入りまじる湯ざわりで、かなりつよめのとろみも感じられます。
湯西川には、あたたまりのつよいお湯とさっぱり冷の湯系のふたつの系統のお湯があると思いますが、ここはあたたまり系の代表格かと思います。

濃いお湯ではないものの、浴感に奥行きがあり「温泉に入った~!」という満足感の高いお湯で、湯西川でも入りごたえのある1湯だと思います。

分析書の掲示はなく、使用源泉不明。
前山などの共同泉利用にしてはイオウが強いようにも思いました。

■ブランドグルメ
〔 湯西川の味噌(一升)べら 〕
山ぶかい湯西川には独特の食文化があります。
鹿肉、熊肉、山鳥の肉などを挽き、自家製味噌や山椒と和えて叩きへらにつけて囲炉裏端で焼く「味噌べら」もそのひとつで、湯西川の名物料理として根強い人気があります。
酒のあてに最適で、これがあればお酒が一升でも飲めることから「一升べら」ともいわれます。
各旅館の名物料理ですが、料理店で出しているかは不明。

〔 2009/12/23UP (2008/11入湯) 〕


E139.35.37.084N36.57.32.026
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■ 松乃温泉 「水香園」 〔 Pick Up温泉 〕



<松乃温泉 「水香園」>
(東京都西多摩郡奥多摩町川井、10:30~19:30(要問合せ)、水休、1,000円、0428-85-2221)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

奥多摩の自家源泉をもつ宿のひとつ。
場所は、R411青梅街道で、JR青梅線「川井」駅をすぎてすこし行った左手の私道(看板あり)をななめ左におりたところ。


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 帳場まわり

国道からちょっと下っただけなのに、あたりはおちついた一軒宿の趣。
母屋で受付し、左手別棟の浴場棟へ向かいます。


【写真 上(左)】 浴場棟全景
【写真 下(右)】 浴場棟

すこぶる雰囲気のある”大人の隠れ家”的な宿で、いい空気が流れている感じ。
浴場棟もシックで手前が男湯、奥が女湯。
脱衣所も広くはないもののこれまたおちついた雰囲気がただよっています。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 女湯

浴室は5-6人の内湯ひとつとシンプル。
菊花石のような風趣のある石造りの浴槽で、たっぷりふかめで入りごこちがいいです。
浴槽の傍らには、源泉カランがあって冷たい源泉が大量にでます。
カラン3?、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
日曜11時で独占~2人とゆったり入れました。
浴室からは奥多摩の渓谷が見下ろせ、東京都とは思えない風景が広がります。


【写真 上(左)】 浴場からのながめ
【写真 下(右)】 男湯

ほぼ適温のお湯はわずかに懸濁し、こまかな気泡と白いイオウ系の湯の花が少量ただよっています。
若干の硫酸塩成分を含んでいるのか、湯中の指先がよわいながら青白く発光しています。
浴槽のお湯は味不明、わずかに甘イオウ臭?がただよい、カルキはまったく感じません。
循環だとは思いますが、思いのほかお湯のコンディションがよくてびっくり。
かなり強いヌル(ツル)すべがあって、やわらかくやさしい浴感のお湯です。


【写真 上(左)】 男湯の浴槽
【写真 下(右)】 男湯浴槽の湯口

それにも増していいのが源泉カランです。
かなり冷たい源泉は豊潤な甘イオウ臭を帯び、たまご味+重曹味。
強いヌルすべにとろみをともなう湯ざわりは、しっかりとした硫黄重曹泉のイメージ。


【写真 上(左)】 源泉カラン
【写真 下(右)】 源泉

お湯的には秩父の”たまご水”系に近いものがありますが、硫酸塩が効いているためか浴感に奥行きがあり、強めのアルカリ性泉ながら肌がパサつくこともなく、浴後しっとりとおちつきます。

奥多摩のお湯は「うすい、循環、高くて混む」のイメージがあって、温泉好きにはあまり人気がないですが、さりげにこのような名宿もあるので、食わず嫌いはもったいないかも・・・。

HPによると「三〇〇〇余坪の庭園に離れを散りばめた純和風の割烹 」とのこと。
ちとネットであたってみたところ、さすが”割烹”と謳うだけあって、料理は相当のものがありそうです。
ここは食事付き入浴のメニューも充実しているので、じっくり料理&温泉を楽しむのも一興かもしれません。

なお、”松乃温泉”の由来は「『夢の中で松の木の下に仙人が現れてここを掘れ』というご託宣があって掘り当てた温泉(アルカリ鉱泉)」とのことです。(HPより)

単純硫黄冷鉱泉(Na-(CO3)・HCO3型) 14.9℃、pH=10.10、5.3L/min自然湧出、成分総計=0.293g/kg、Na^+=81.7mg/kg (96.21mval%)、Fe^2+=1.1、F^-=1.7、Cl^-=9.6 (5.66)、HS^-=2.1、SO_4^2-=7.4、HCO_3^-=87.5 (29.98)、CO_3^2-=69.5 (48.43)、チオ硫酸イオン=2.8、メタけい酸イオン=23.1、陽イオン計=84.9 (3.69mval)、陰イオン計=208.4 (4.37mval) <S58.10.21分析> (源泉名:松乃温泉)

<温泉利用掲示> 加水:記載なし 加温:あり 循環ろ過装置使用:あり 塩素系薬剤使用:あり

■ブランドグルメ
〔 奥多摩わさび 〕
奥多摩では、江戸時代より冷涼な気候と多摩川水系の渓流を利用してワサビが栽培され、静岡、島根に次ぐ産地であった時期もありました。
現在では奥多摩町、檜原村を中心とした7ha程度のワサビ田で栽培されています。
秋に播種し、2年目に収穫され旬は4~12月とされます。
なお、加工品であるわさび漬けも東京都労働局により認証基準が設けられブランド化されています。(「東京農業WEBサイト」などを参考)

〔 2009/12/23UP (2008/12入湯) 〕


E139.9.53.558N35.48.23.380
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■ 小渋温泉 「赤石荘」 〔 Pick Up温泉 〕



<小渋温泉 「赤石荘」>
(長野県下伊那郡大鹿村大河原1972、11:30~19:00(要事前確認)、不定休、500円、0265-39-2528)
オフィシャルHP
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (温泉みしゅらん)

長野県大鹿村は、南北朝、後醍醐天皇の第八皇子宗良親王ゆかりの地、大鹿歌舞伎も伝わる歴史の香りゆたかな山間の村で、南アルプスの登山口としても知られています。
ふかい山中にもかかわらず強い塩分をふくむ鹿塩温泉も大鹿村の名湯としてふるくから知られています。

ここは、鹿塩温泉とははなれた湯場で、「南北朝時代、宗良親王の家臣渋谷三郎が大鹿村を訪れた際に、一匹の鹿がこの湯に浸りながら傷を癒していた。そこで自分の傷にこの湯をひたしたところ傷が治癒した。」(大鹿村観光情報HPより抜粋)という古い開湯伝説をもっています。
また、「明治25年には日本アルプスの父とも言うべきウォルター・ウェストンもこの湯を使ったことが記録されています。」(同上)とのこと。

戦前は、湯宿が何軒かあったようですが、いまは「赤石荘」の一軒宿となっています。

場所は説明しにくいので、下の地図をご覧ください。
アプローチの道は細いですが舗装で険路というほどではないです。
それよりときおりでてくる集落内の分岐が複雑なので看板を見落とさないように・・・。
Pは広いので問題なし。


【写真 上(左)】 外観
【写真 下(右)】 周囲の風景

「赤石荘」という山小屋的ネーミングからしょぼい建物を想像していましたが、思いのほか立派。
玄関左手のフロントで受付、右手別棟の露天風呂へ。
ここは本館に内風呂もあるようですが、日帰りで入れるのは露天だけのよう。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 浴場棟

湯小屋の手前が男湯、おくが女湯。
ウッディな脱衣所はさして広くなく人が多いとごったがえします。駅においてあるようなコインローカーがやや無粋。

外の浴場に出ると思わず息をのみます。
正面、右手が吹き抜けた高台にある絶景の露天です。
未確認情報ですが、この露天からは南アルプス赤石岳と中央アルプス宝剣岳の両名峰がのぞめるそうですが、入ったときは雨降りにつき確認できませんでした。
眼下はるかに蛇行する小渋川の流れが銀色に光っています。
屋根はあるものの、高い木組みで、なにより眺めがすばらしいので開放感は抜群。

檜枠石タイル貼7-8人の浴槽ひとつとシンプル。
カラン3、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
雨の多い土地柄なので、洗い場にも屋根がかかっているのは親切。
カランは温泉とはちがうものだと思いますが、ほのかにミシン油臭が香っていました。

日曜15時で入ったときは8人くらい。その後も3~5人とけっこうな盛況。
絶景露天はどこも人気がありますね。

木樋の湯口から適温のお湯の投入&側面注入で左手側溝への上面排湯。
なんとなくかけ流しではないような感じがしましたが、お湯の鮮度はかなりのもの。


【写真 上(左)】 浴槽&景色
【写真 下(右)】 浴槽

ややぬるめのお湯は、うすく翠がかって白と灰色の浮遊物がただよいます。
湯中の指先がよわいながら青白く発光しているので、微量ながら硫酸塩も存在を主張しているかと思います。

明瞭な重曹味+収斂渋味+α。セメント臭+シャープな樹脂臭+渋っぽい臭いのうらでかくし味のように効いているほのかなイオウ臭が渋い。
成分の複雑さを感じさせる、複雑かつデリケートな味臭です。

はっきりとしたツルすべととろみ、やたらにあとを曳きまくる浴感は重曹泉特有のもの。
ぬる湯ということもあって出るに出られず、長湯モード全開。で、浴槽はたいてい混んでいます。
浴後の爽快感は、F^-=10.3mg/kgのしわざかと思います。

お湯のイメージは、南アルプスをはさんで反対側の雨畑湖温泉「VILLA雨畑」(ここもよい!)に似たものを感じました。

モロに好みのお湯で満足。絶景を差し引いても充分にいいお湯です。
鹿塩とはぜんぜんキャラのちがう(対照的な泉質だと思う)お湯は、鹿塩とはまったくちがう湯脈のお湯なのだと思います。
絶景露天だし、お湯は個性的だし、ゲキ混みしていなければすばらしい湯あみが楽しめるおすすめ湯です。

Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 18.3℃、pH=8.4、湧出量不明掘削揚湯、成分総計=1996mg/kg、Na^+=618.1mg/kg (95.72mval%)、Fe^2+=0.7、F^-=10.3、Cl^-=593.2 (59.31)、HS^-=0.3、SO_4^2-=1.2、HCO_3^-=664.5 (38.60)、メタほう酸=56.8、硫化水素=0.01 <H17.4.12分析> (源泉名:大河原三正坊)

↓の地図では、小渋川のさらに上流、大河原あたりに”小渋温泉”とありますが、そこから引湯しているのかもしれません。

〔後日追補〕
手持ちのふるい資料によると、
大河原の”小渋温泉”は旧源泉のあったところで、以前はここにも湯宿があった。
昭和45年湯量UPのためにボーリングを実施、大量の湯が出たので、それを約7km下流の現「赤石荘」に引湯することになったとの由。

〔 2009/12/19 (2009/11入湯) 〕


E138.3.46.074N35.32.25.313
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■ 下諏訪温泉 「高浜温泉旅館」 〔 Pick Up温泉 〕



<下諏訪温泉 「高浜温泉旅館」>
(長野県諏訪郡下諏訪町高浜6335、(10:00~15:00、500円/「諏訪湖パスポート」)、0266-27-6543)
紹介ページ (るるぶ.com)

下諏訪温泉には、主力源泉「旦過の湯」「綿の湯」のほかにもいくつかの泉源があります。(諏訪の温泉はたいてい集中管理されていて、配湯施設ないしは源泉を「源湯」とよぶ。)

高浜源湯もそのひとつで、外来客の入れる施設では、おそらく「高浜温泉旅館」でしかつかわれていません。
いちどTELでトライするも「いまは日帰りのみの入浴はやっていない。」とのことで、あきらめていたところ、なんと2009年の「諏訪湖パスポート」(諏訪市観光課発行/2009/4/1~2010/3/31有効・無料配布)に日帰り入浴施設としてエントリーされていたので、すかさず突入。

下諏訪市街の東のはずれ、高浜公園のよこに赤屋根が連なる構えはなかなか絵になります。
帳場で受付、以前TELであっさり断られたので「高ピーな対応か?」と思いきや、ご主人、女将さんともに親切そうな方でした。


【写真 上(左)】 お約束の卓球台
【写真 下(右)】 浴場入口

古びてはいるもののきっちりと清掃された館内。
増築を重ねたのか、予想以上に懐のふかいお宿で、廊下や小階段をたどっての迷路的アプローチを女将さんが案内してくれました。(帰りに迷った・・・(笑))
最後の階段をのぼると浴場入口、手前が女湯、おくが男湯。
階段を脱衣所にくだっていく雰囲気はなかなかのもの。
浴場は内湯と露天で、細長い脱衣所から両方の浴場に行けます。


【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 女湯

内湯は石枠タイル貼7-8人の浴槽ひとつとすっきりシンプル。
浴槽の奥は岩肌、チープな建材とがっしりとした木の梁がアンバランスで不思議な雰囲気の浴室で、湯気の抜けはよくこもりはありません。


【写真 上(左)】 女湯の露天
【写真 下(右)】 男湯

熱湯源泉をパイプから10L/minほどいったん湯つぼに注ぎ込み、岩から突き出たパイプ湯口を介して投入。
湯口まわりは石膏の析出だらけ。
槽内注排湯はなく、お湯の感じからしてもかけ流しかと思います。
オーバーフロー量はさほどではないものの、身をしずめるとさわさわとあふれだし、気持ちいいことこのうえありません。


【写真 上(左)】 男湯の露天
【写真 下(右)】 かなりザコザコ

扉のむこうに露天。
まわりを塀にかこまれていますが、屋根がないので開放感ばっちり。
職人芸を感じさせる見事なタイルの内床に6-7くらい石枠タイル貼浴槽を配置。
湯底の穴から気泡とともにお湯を注入し、全量をオーバーフローのかけ流し。

カラン内湯に2、露天に4の計6。シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。
メモしわすれましたが、たしかカランも温泉だったような記憶が・・・。
休日14時で男女湯とも独占。


【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯の湯口

お湯は内湯と露天でかなりちがいます。
内湯のお湯はやや熱め、ほぼ無色でわずかに懸濁し、うす茶の湯の花を大量に浮かべています。
しっかりとした硫酸塩泉らしく、湯中の指先がかなりつよく青白発光しています。
よわい芒硝味+微苦味。芒硝臭が明瞭で浴室にもほっこりとこもっていて、硫酸塩泉好きはトリップするかも・・・(^^)

キシキシとヌルすべととろみがいりまじる、いかにも硫酸塩泉的な湯ざわりと、あと曳き感をあわせもつ奥のふかいお湯です。
あたたまりがすこぶるつよく、何度も水浴びで冷ましながらの入浴。

硫酸塩泉として文句のつけようがなく、これは諏訪でも屈指の名湯かと思います。

露天のお湯は絶妙のぬる湯。おだやかな味臭はあるものの、内湯よりはるかに軽いお湯で、すこぶる入りごこちのいいもの。ただならぬお湯の軽さは湯温のちがいだけとは思えず、なんとなくかわった感じのお湯のように感じました。

分析書は2源泉掲げられ、帰りしなに尋ねたところ、やはり高温と低温の2本の源泉をつかっているらしく、内湯は高温泉、露天は低温泉がメインになっているのかと思います。

しぶ~い浴場で、趣きのちがう佳湯をじっくりと味わえるおすすめの1湯で、諏訪湖パスポ終了後も、日帰り受け入れを続けてほしいと思いました。

Na-硫酸塩・塩化物温泉 59.5℃、pH=8.5、湧出量不明、成分総計=1037.4mg/kg、Na^+=289.4mg/kg (82.50mval%)、Ca^2+=44.8 (14.68)、F^-=2.2、Cl^-=224.3 (44.52)、SO_4^2-=331.8 (48.59)、HCO_3^-=18.1、メタけい酸=77.8、メタほう酸=16.8 <H16.2.19分析> (源泉名:高浜受湯槽)

規定泉(メタけい酸)(Na・Ca-HCO3・Cl型) 23.7℃、pH=7.2、湧出量不明、溶存成分総量=275.5mg/kg、Na^+=27.0mg/kg (47.96mval%)、Ca^2+=17.0 (34.64)、Cl^-=23.0 (24.85)、NO_3^-=13.0 (8.03)、HS^-=0.5、SO_4^2-=11.0、HCO_3^-=92.0 (57.75)、メタけい酸=80.6 <H17.7.4分析> (源泉名:高浜低温)

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:なし 貯湯槽経由で給湯かけ流し 消毒剤使用:なし

〔 2009/12/19 (2009/05入湯) 〕


E138.6.2.525N36.3.54.613
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■ 八塩温泉 「神水館」 〔 Pick Up温泉 〕



<八塩温泉 「神水館」> (群馬県藤岡市(旧鬼石町)浄法寺6、11:00~16:00(時間確認要)、800円(タオル付)、0274-52-2641)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

銘石、三波石で有名な鬼石にある八塩温泉
昭和6年創業の老舗宿で日本秘湯を守る会会員宿が日帰りOKとなったので行ってみました。


【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 かなりレトロです

レトロ調の重厚な雰囲気の館内は、清掃もいきどどいていて好印象。
館内からはゆったりとした神流川の流れが望めます。


【写真 上(左)】 露天の入口
【写真 下(右)】 露天からの神流川

浴場は「赤鬼」「青鬼」と名付けられた内湯と、神流川に臨む露天(混浴)がありハダカ移動不可。
日曜13時で贅沢にもすべて独占でした。


【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口

露天は、瀞のようにエメラルドグリーンににごった神流川をのぞむナイスなロケ。
三波石造りの湯船(5-6人)で岩組みからの投入と槽内注排湯でたぶん循環。
お湯は無色透明無味無臭でカルキ臭が気になります。


【写真 上(左)】 内湯入口
【写真 下(右)】 女湯の内湯

窓の広い明るい内湯は、大浴槽(石造15人以上、ジャグジー付)、と源泉槽「八塩鉱泉 神水館の湯」(石造3-4人)の2槽をゆったりと配置しています。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。


【写真 上(左)】 源泉槽(手前)と大浴槽
【写真 下(右)】 内湯

大浴槽は、石の湯口からの大量注湯で槽内からの排湯。
お湯は、無色透明弱塩味によわいカルキ臭で浴感うすく、おそらく希釈+循環でしょう。


【写真 上(左)】 源泉槽
【写真 下(右)】 源泉槽の湯口

さて、本題の源泉槽「八塩鉱泉 神水館の湯」です。
茶クリーム色の見事な析出に覆われた30㎝角位の木槽に、沢沿いの自家源泉から非加熱で直接引いている鉱泉水をいったんためてから湯船に投入するしくみ。
入ったときは配湯をを絞っていたのか、ポタポタと滴りおちる程度で、排湯は湯船端からですが、投入量がすくないのでほぼ溜め湯状態。

成分の濃さをものがたる緑茶色にささにごったお湯は、こまかい浮遊物をうかべて強い塩味に磯の香。
そうとうに濃度感の高いお湯で、古くから「塩の湯口八ケ所」と呼ばれた塩気の強い鉱泉の本領発揮といった感じか・・・。
湯船の底には茶クリーム色の析出物も沈殿しています。

最初はすこし冷たいですが、成分が効いてくるのか次第にホカホカとしてきます。
炭酸泉の源泉水風呂なのに、炭酸(味・臭・泡つき)が感じられなかったのがすこし残念でした。


【写真 上(左)】 泉源
【写真 下(右)】 上質感のある館内

それでも、この特異な源泉槽に入るだけでも訪れる価値はあるかと・・・。
都心からも近く、落ちついた大人の雰囲気をもつ旅館でなかなかのおすすめです。

含Co2-Na-塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉 17.3℃、pH=6.3、湧出量不明、成分総計=18.64g/kg、Na^+=5080mg/kg、Fe^2+=0.73、Cl^-=6600、HCO_3^-=3170、Br^-=19.5、陽イオン計=6030、陰イオン計=10500、メタけい酸=473、メタほう酸=490、遊離炭酸=1150 <H6.7.7分析>
 (源泉名:神水館源泉)

※ HPによると6500万~200万年前の化石海水らしいです。

〔 脱衣所掲示 〕
浴場内の小さい湯舟は神水館源泉より鉱泉水を直接ひいております。
鉱泉水は加熱していない為、冷たく感じるかも知れませんが、入浴していると、しだいにポカポカしてきます。
鉱泉水の成分により、浴槽内が茶色く濁り、結晶が浮いたりしますが、汚れではございませんのでご了承ください。

■ブランドグルメ
〔八塩鉱泉煎餅〕
鬼石町商店街にある「油屋本店」の名物煎餅。
明治初期に「菓子店」として創業して以来、100年以上も1枚1枚鐵型によって手焼きするという製法を守り続けてつくられています。
生だねは「翌日の天気を頭に入れて、微妙に調節する。気温や湿度との駆け引きが難しい。」とのこと。まさに職人芸。
(「ぐんまの名物商人」(群馬県産業経済部商政課)より)

〔 2009/12/08再UP (2002/06/24レポに加筆修正・画像補強) 〕


E139.3.34.910N36.10.16.000
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■ 仁科・堂ヶ島温泉 「沢田公園露天風呂」 〔 Pick Up温泉 〕



<仁科・堂ヶ島温泉 「沢田公園露天風呂」>
(静岡県西伊豆町仁科2817-1、9:00~19:00(3~5、9月)/9:00~20:00(6~8月)/9:00~18:00(10~2月)※繁忙期は時間延長あり、火休)、500円、0558-52-0057(露天風呂管理事務所))
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (温泉みしゅらん)
紹介ページ (西伊豆町HP)


【写真 上(左)】 階段&脱衣所
【写真 下(右)】 男湯

西伊豆を代表する絶景露天風呂で人気観光スポット。
今年2009年10月の台風18号により被害を受け営業停止していましたが、2011/04/30より営業再開しています。
場所は仁科漁港の海側、沢田公園内にあります。
有料Pは入浴者無料ですが、台数はさほどないのでトップシーズンの夕暮れどきなど満車になるのでは?。

P入口の詰所で料金を払い、奥の海沿いの断崖にかかった階段をのぼってのアプローチ。
湯めぐりするなら、西伊豆町の5つの町営浴場(堂ヶ島温泉「沢田公園露天風呂」「なぎさの湯」「せせらぎの湯」、祢宜の畑温泉「町営やまびこ荘」、浮島温泉「しおさいの湯」)が1,000円で利用できる温泉手形「風呂奉行」(半年有効)があるので、こいつがお得。
この詰所でも売っています。

階段をのぼると脱衣所の小屋。手前が男湯、おくが女湯です。
脱衣所は狭く、混雑時は修羅場になりそう・・・。


【写真 上(左)】 露天からの眺め
【写真 下(右)】 三四郎島

外にでるとさすがにすばらしいロケーション。
高台にあるこの露天からは駿河湾とリアス式海岸に浮かぶ島々が見渡せます。
とくに右手沖合いにならぶ三四郎島(伝兵衛島・中ノ島・沖ノ瀬島・高島の総称)が印象的。

また、名勝、天窓洞・三四郎島などをめぐる「洞くつめぐり」の遊覧船がときおり沖合いをとおりすぎるので、やってきたら仁王立ちして手を振りましょう(笑)


【写真 上(左)】 遊覧船
【写真 下(右)】 湯面&海面

海辺の露天は数々あれど、ここまでのロケはそうそうありません。
しかも完璧に西向きなので、夕ぐれ時はさらに絶景、これで人気がでないワケがありません。

浴場じたいは広くなく、石造4-5人の浴槽ひとつ。
熱湯かつほてる泉質なのでトドが多発するハズですが、トドるスペースもあまりなく、ここも混雑時は修羅場か・・・?
水カラン1、アメニティ類なし。
平日11時でほとんど独占、出るころに3人。入れ替わりで入った前浴の人もず~と1人だったとのこと。
ここは3回目ですが、こんなに空いていたのははじめてです。
平日とはいえ、7月も下旬の快晴、この西伊豆有数の人気浴場でよもや独占は期待していなかったのでラッキーでした。

石膏の析出&黒褐色に色づいた石の湯口からかなり熱めのお湯(味臭からするとたぶん源泉)をしぼり投入+側面注入で、海側上面排湯口からの配湯+底面吸湯の半循仕様。

ごくうすく懸濁したお湯はわずかに茶色の浮遊物をうかべ、しっかりとした芒硝塩味に明瞭な磯の香&芒硝臭。
硫酸塩のキシキシとアルカリのヌルすべが入りまじる湯ざわりでとろみも感じられます。
硫酸塩をかなり含んでいるので、湯中の指先が青白く発光していますが、磯の香がつよいので、どちらかというと海のイメージのお湯になっています。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色&湯口

あたたまりがすこぶるつよく、屋根がなく日射に晒されるので海風だけでは冷めきりません。この日もときおりカランの水を浴びながらの入湯。
かなり濃いめの石膏芒硝泉で、どちらかというと通ごのみ。泉質的に力のつよいお湯なので長湯はきびしいものがあります。
しかし、海辺の温泉でこれだけ硫酸塩の強い泉質を繰り出すとは、さすがに硫酸塩泉のメッカ、西伊豆です。

ここはカルキがつよいという情報もありますが、今回はタイミングがよかったためか、お湯のコンディションがよくほとんど循環を感じないほど。(ただし、磯の香は消毒の影響をうけて出ていると思う。)

ロケは最高。お湯については毀誉褒貶ありますが、タイミングを選んでいけばなかなかに入りごたえのあるお湯が楽しめる好浴場だと思います。

Ca・Na-硫酸塩温泉 56.9℃、pH=8.8、湧出量不明、総成分=2.477g/kg、Na^+=200.8mg/kg、Ca^2+=553.44、Cl^-=88.7、SO_4^2-=1578、HCO_3^-=4.9、メタけい酸=35.8 <H14.6.20分析> (源泉名:仁科・堂ヶ島5号・16号混合泉(西伊豆町副配湯所))

<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過:あり 消毒:あり

■ブランドグルメ
〔西伊豆(田子・仁科)の塩鰹〕
かつて鰹の一本釣りが盛んだった西伊豆には鰹がらみの名物がいくつかあります。
脂ののった戻りがつおを加工して、おもに正月用に作られる「塩鰹」もそのひとつで塩干ごのみのグルメ層に知られています。
また、田子のしょっから(鰹の塩辛)もこのあたりの名物として知られています。

〔 2009/12/05 (2008/07入湯) 〕


E138.46.7.686N34.46.26.160

【過去の記録/休業情報(2009/10/08~2011/04/29)】
※休業情報西伊豆観光協会HPより)
●沢田公園露天風呂休業についてのお知らせ
平成21年10月8日の台風により、沢田公園露天風呂は大きな被害を受けた為、当分の間休業させていただく事となりました。
皆様にはご迷惑をお掛け致しますが、ご理解の程よろしくお願い致します。

今年2009年10月の台風18号により被害を受け営業停止している模様で、2009/12/05現在、同HPでは「休業」となっています。

新聞報道などによると、一帯は「名勝伊豆西南海岸」の国指定を受けていて、文化財保護法や付帯の許可等により、町では露天風呂を許可なく改修できないことと、数百万円に及ぶとされる復旧費用の二重のネックがあって改修が進まないようです。
「名勝伊豆西南海岸」の景勝保全も大切ながら、この露天はいまや西伊豆町屈指の観光資源となっています。
文化財保護と観光資源復旧のジレンマ、どのように決着するのか注目されるところです。
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■ 老松温泉 「喜楽旅館」 〔 Pick Up温泉 〕



<老松温泉 「喜楽旅館」>
(栃木県那須郡那須町大字湯本181、8:00~20:00、500円/45分、0287-76-2235)
紹介ページ (@nifty温泉)
紹介ページ (栃木県温泉物産協会)

温泉マニアのあいだでしばしば話題にのぼる、那須湯本の秘湯的名湯。
「山楽」をすぎて那須湯本温泉街に入る手前、湯川にかかる橋の手前の道を山側に入ります。(看板あり)


【写真 上(左)】 アプローチ
【写真 下(右)】 看板

かつては廃墟と化した旧館の印象が強烈なアプローチだったようですが、わりにもとも。それでも潰れかけた廃墟のようなものはありました。
一帯にはメジャー温泉街のはずれにありがちな、どことなくB級めいた雰囲気がただよっています。


【写真 上(左)】 ちよっとB級
【写真 下(右)】 廃墟?

手前のPに車を停め、ジャリ道をすこし歩いていくと道の両側に木造の建物がみえてきます。
ちょうど谷間のようなところにあって、左手前方には那須湯本の旅館群がそびえ立っています。
右が浴場棟、左が母屋で入浴は母屋で受付します。


【写真 上(左)】 入湯案内
【写真 下(右)】 階段

浴場棟に入るといきなり特徴ある木造の階段。これを下って廊下のおくに男女別の浴場。
木造の館内は薄暗く、湯治場の趣。有料の休憩所もあるようです。
手前が男湯、奥が女湯。


【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴場入口

総木造りの浴場はやや暗めながら風情にあふれ、湯気の抜けがいいのでこもりもさほどありません。

手前にぬる湯(3人)、奥に適温の2槽(2人)がならんでいます。
カラン1、アメニティ類なし。
平日14時で独占と思いきや、先客が3人もいてびっくり。(女湯は独占だったとのこと)
うち2人は他県からの日帰りということで、かなりの日帰り固定客をつかんでいそうです。


【写真 上(左)】 女湯-1
【写真 下(右)】 女湯-2

両浴槽とも2本のパイプからの投入でオーバーフロー。
ひとつはそうとうな熱湯、ひとつはぬるめで、コックで投入量を調整できます。
同浴した常連さん?のハナシでは、どちらも源泉とのこと。

どちらもベースは透明度30cmほどの乳白色にごり湯ですが、ぬる湯槽で青味、適温槽では緑味が強くなっています。湯中にはイオウ系の白い湯の花。

味と湯の香に特徴があります。
つよい苦味とよわいたまご味、「鹿の湯」(=鹿の湯・行人の湯混合泉)は酸性系のレモン味がつよいですが、ここは弱アルカリ性なので苦味が前面にでています。
相当につよいラムネ系イオウ臭。このラムネ臭は山地の硫黄泉によくある好ましいものですが、ここまでつよいのはめずらしいです。

キシキシとヌルすべが拮抗する湯ざわりで、異様にあとをひくのでなかなか脱出できません。日帰り入浴時間を45分に限定しているのがわかるような気も・・・。

よくあたたまりますが、浴後は爽快感がでてイオウの香りが肌につよくのこります。
浴感、浴後感ともすこぶる上質感の高い、文句のつけようのない名湯です。

酸性硫化水素泉の代表格である「鹿の湯」に対して、こちらは中性の単純硫黄泉でMgやCaなどの土類成分がきっちりと効いている感じ。
”動”の鹿の湯に対して、”静”の老松のイメージかな・・・?
お湯的には鹿の湯よりむしろ高雄にちかいような気がします。

それにしても、鹿の湯からさして距離はないのに、これほどの対照的なお湯を湧出させるとは、やはり那須湯本おそるべし。

分析書の掲示はありませんでした。
やませみさんの情報によると、
源泉名は、「喜楽の湯 (老松温泉)」
泉質は、単純硫黄温泉(Ca・Mg-SO4・HCO3型)で泉温30.0℃、pH=6.1、TSM(溶存計)=0.65g/kg、TS(総硫黄)=29.5mg/kg
とのことです。(温泉みしゅらんより)

また、泉源は建物の地下にあり、湧出量はさほど多くはなさそうです。

■ブランドグルメ
〔那須のパン〕
御用邸や別荘地を擁する那須は、昔からおハイソな客層が多くパンづくりが盛んでした。
いまでも多くの手作りパン屋があり、地元産の牛乳や卵、天然酵母や無漂白粉など素材へのこだわりが人気を博しています。
調理・菓子パンを得意とするお店もあってバラエティゆたかで、パン屋めぐりをする人も・・・。

〔 2009/12/05UP (2006/12入湯) 〕


E140.0.22.180N37.5.32.190
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■ 堂ケ島温泉 「晴遊閣 大和屋ホテル」 〔 Pick Up温泉 〕



<堂ケ島温泉 「晴遊閣 大和屋ホテル」>
(神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下66、14:00~16:00時間確認要(予約要?)、2,000円、0460-82-2261)
オフィシャルHP
紹介ページ (@nifty温泉)

室町時代の臨済宗の高僧、夢窓国師(夢窓疎石)の開湯伝承をもつ箱根堂ヶ島温泉の二軒の老舗宿のひとつ。
R1東海道の宮ノ下の手前からすこし早川寄りにおりたところのPに停め、自家用ロープウェイ「夢のゴンドラ」で早川の谷底にある宿までおりていきます。
定員5名のかわいい「夢のゴンドラ」は、高低差60mを2分30秒かけて下っていきます。
ちなみに堂ヶ島のもう一軒の宿「対星館 花かじか」(日帰り不可)は、自家用ケーブルカーでのアプローチです。


【写真 上(左)】 大和屋ホテル全景 (「対星館」庭園より)
【写真 下(右)】 看板

乗り場に操作員のおじさんが番人のごとく待ちかまえていました。
「今日は貸切露天は予約一杯で入れない」とか「日帰り入浴は1人2,000円する」とか「ほかにも安い日帰り湯がある」とかいうので、「底倉や宮ノ下じゃなく堂ヶ島のお湯に入りにきた」というと、「お湯は『太閤湯』とおなじ」となかなか手ごわい ^^;)
なんとなく、日帰り客を入れたくないというか、ロープウェイを動かしたくない様子。


【写真 上(左)】 ロープウェーのりば(上)
【写真 上(左)】 かなりの傾斜です

自遊人パスポ利用とはいえ1人は正規料金、しかも平日にあらかじめ電話予約までしてきているのでさすがにカチンときて、「事前に電話で予約しているし、貸切露天に入るつもりはない。底倉からの引湯でもかまわない。」と強めに出るとあっさり動かしてくれました。
どうやら予約なしで強行突入をはかる客が多いようで、基本的には「ご入浴とお食事プラン」優先のような気もしました。


【写真 上(左)】 緑のなかに赤屋根
【写真 下(右)】 ロープウェーのりば(下)

堂ヶ島のふかい渓谷に向かってゆっくりとおりていくロープウェイは雰囲気のあるもの。
見下ろすと一面の緑のなかに旅館の赤い屋根が鮮やか。
3分弱で到着、さらに階段をおりると赤い橋の向こうに重厚な玄関を構える風格あるアプローチ。


【写真 上(左)】 趣ある館内
【写真 下(右)】 早川の渓流沿いにあります

扉をあけると番頭さんがお出迎え、帳場で女将が受付。
自遊人パスポがでて間もなかったので、女将はしげしげとパスポをながめつつ、「こんどはお泊まりでいらしてくださいね・・・」(笑)、でも応対は悪くなかったです。
堂ヶ島温泉は子供の頃なんどか「対星館」に泊まったことがありますが、ここははじめて。


【写真 上(左)】 浴場へのアプローチ
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」入口

浴場は、男性大浴場「大閣夢の岩風呂」、女性大浴場「大閣夢の岩風呂」、男女交替制の「長寿野天風呂」、「女性用野天風呂」と貸切野天風呂「ねねの湯」(日帰り別途料金、予約制)、さらに家族風呂「茶々」「薬師」「利休」(たぶん日帰り不可)と多彩です。
当日は「大閣夢の岩風呂」と「長寿野天風呂」、連れは「大閣夢の岩風呂」と「女性用野天風呂」(つながっている)に入りました。

廊下を渡り階下におりたところに大浴場「大閣夢の岩風呂」(男女)、階段をのぼって屋上テラスを抜けた奥に「長寿野天風呂」があります。


【写真 上(左)】 「大閣夢の岩風呂」
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」から早川の渓流

「大閣夢の岩風呂」はいかにも老舗らしいゆったりと落ちついたもの。
すぐ眼下には水量ゆたかな早川の流れ。
さしものR1の喧噪もここまでは及ばず、瀬音のみが耳に涼やかな癒し系浴場です。
カラン5(温泉)、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。平日13時で独占~2人。


【写真 上(左)】 「大閣夢の岩風呂」大浴槽
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」大浴槽の湯口

大浴槽(岩枠タイル貼20人以上、熱め)と小浴槽(同10人程度、ややぬる)の2槽があります。
大浴槽は、豪快に組み上げられた岩の湯口から20L/minほど投入+側面注入で上面排湯。
小浴槽も、岩の湯口から10L/minほど投入で上面排湯。
ともに湯口には石膏系の白い析出が盛大に出ています。
また、小浴槽の湯口をのぞくと3本のパイプが入っていました。


【写真 上(左)】 「大閣夢の岩風呂」小浴槽
【写真 下(右)】 「大閣夢の岩風呂」小浴槽の湯口

「長寿野天風呂」は、休憩用東屋と巨大な石灯籠を配した豪勢なもの。
「秀吉入湯 源泉太閤湯」という立て札が立っています。
岩枠石敷10人以上の浴槽に岩の湯口から25L/minほども湯滝状に投入で上面排湯。
別に木の湯口がありますが投入はなし。湯温はやや熱めです。


【写真 上(左)】 「長寿野天風呂」-1
【写真 下(右)】 「長寿野天風呂」-2

お湯は露天と内湯で大差ありません。
かすかににごりを帯びたお湯には少量の茶色の湯の花がただよいます。
口のなかで上滑りするような特有の芒硝味に芒硝臭。わずかに薬品っぽいとんがった臭いも感じましたが、これは芒硝臭かもしれません。
とろみとヌルすべが明瞭な、箱根らしいやわらかくやさしいお湯です。
よくあたたまり浴後は肌がしっとりと落ちつく、なかなかに味わいぶかいお湯です。


【写真 上(左)】 「長寿野天風呂」の湯口
【写真 下(右)】 内湯の湯口

ロケといいお湯といい、いかにも箱根の老舗らしいしっとりとした落ちつきが感じられ、好感がもてました。

くだんの操作員おじさんですが、かえりは愛想よく動かしてくれ、「お湯はどうでした?」と尋ねるので、「どうやら『太閤湯』とはちがう源泉みたいだけど、お湯はよかったですよ。」と応えると、ニヤりと笑っていました。(けっこう詳しそう・・・ ^^;)

Na-塩化物泉 53.6℃、pH=8.1、70L/min自然湧出、成分総計=1048mg/kg、Na^+=279mg/kg (83.97mval%)、Ca^2+=30.8 (10.69)、Cl^-=376 (75.44)、SO_4^2-=81.0 (12.03)、HCO_3^-=93.3 (10.89)、メタけい酸=137、メタほう酸=15.0 <H8.2.2分析> (源泉名:底倉、宮ノ下温泉(太閤湯)台帳番号 元温泉村第25.26.41.43.65.102号混合泉)

■自遊人の記事には「6つの源泉(掘削自噴5、掘削動力揚湯1)を混合」とあります。
分析書の源泉地は宮ノ下字堂ヶ島92,93,86-3,95、底倉字底倉266,254-7、源泉名は「底倉、宮ノ下温泉」とあるので、やはり底倉方面からの引湯があると思われます。
ちなみに元温泉村第25.26号泉は、かつて「太閤湯」でつかわれていた源泉のようです。

■館内掲示には「源泉は室町時代からのものと当館で持ったもの等5本ありまして、無色透明弱アルカリ泉や弱塩類等それぞれ異なりますがとても良質で美しくきらきら光っているものもあります」とありました。

<温泉利用掲示>(大閣夢の岩風呂、長寿野天風呂)
 加水:あり(浴槽洗浄後のみ) 加温:なし 循環装置等使用:なし 消毒処理:なし

■ブランドグルメ
〔菜の花の箱根のお月さま〕
温泉まんじゅうは箱根湯本の名物として有名ですが、なかでも人気の高いのが、「菜の花の箱根のお月さま」。
徳島の和三盆糖蜜、沖縄波照間の黒糖、北海道低農薬有機小豆など素材を吟味し、自家の井戸水で晒して飽和蒸気で蒸し上げる(以上HPより)手間ひまのかかった温泉まんじゅうで、とくに女性に人気があります。

〔 2009/12/05UP (2006/8入湯・2008/05/23レポ) 〕


E139.3.56.310N35.14.28.530
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