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■ 御朱印帳の使い分け

ひさしぶりに、追記してみました。

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2022/03/26 UP

多くのアクセスをいただき、ありがとうございます。
こちらは先ほどgoo blogのトップでご紹介いただいた記事です。
しばらくトップに置いておきます。

また、このところUPした御朱印関連記事のリンク、ぜんぜんつくっていなかったので末尾に追加して再構成しました。
よろしければどうぞ。

また、記事を若干補強しました。

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2022/02/04 UP
久しぶりにすこし追加してみました。

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2019/04/30 UP
結願関係の記事を加えて、平成最後のUPです。

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すこし追加してみました。(2019/02/28)
このページ予想外にアクセスをいただいているので、またすこし内容を補充してみました。

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御朱印を集めはじめて突き当たる疑問はいくつかありますが、もっとも多いのはつぎの3つではないでしょうか。

1.神社とお寺の御朱印帳は分けるのか、一緒でいいのか?
2.御朱印帳のサイズは?
3.御朱印帳は両面使うか、片面だけか?

今回はこれについてまとめてみます。
なお、いずれも人それぞれ考え方に違いがあり、「これが正解!」というものはないような気がしています。
あくまでも個人のひとつの考え方としてお読みください。


1.神社とお寺の御朱印帳は分けるのか、一緒でいいのか?

これはすぐに直面する問題です。多くの方は歴史ある観光地で御朱印デビューすると思いますが、こういうところでは、有名な神社やお寺がたくさんあるからです。
最初から汎用ないし手づくり御朱印帳を使う人は希だと思うので、寺社で御朱印帳を購入し、最初の頁に初御朱印を受けることになります。
一般に神社の方が敷居が低く、オリジナル御朱印帳も多いので、たいていは神社の御朱印帳でスタートということになります。

さて、無事に御朱印帳と初御朱印をゲットし、つぎに有名なお寺にやってきました。
すでに御朱印帳は手にしていて、表面の題字には「御朱印帳」とあるので(オリジナル御朱印帳は記入済みであったり、御朱印帳を購入すると書いていただけることが多い)、お参りをして次の頁に御朱印を受けるだけです。

敏感な人はこの時点で疑問を抱きます。
「神社とお寺」の御朱印をひとつの御朱印帳にいただいてもいいのかということに・・・。

わが国には神仏習合(混淆)という思想があります。
これは本地垂迹説や神本仏迹説(神様や仏様が状況によって仏様や神様にお姿を変えて衆生に向かわれる)に基づくもので、神社とお寺の敷居は低くなり、神宮寺や別当寺は神社と密接なかかわりをもち、地主神社や伽藍神もまた、お寺と不可分の関係をもってきました。

また、御朱印は日本廻国六十六部(大乗妙典奉納巡礼)の納経請取状に起源をもつという説もあります。
六十六部の巡礼地には寺院も神社もありますから、そうなると、納経請取状は寺社がまじっていた可能性があります。
(ただし、六十六部と本地垂迹説の関連は強く、六十六部は神社というより神社に垂迹された本地(菩薩・諸天)を巡っていたとみることもできるので、このあたりの解釈はむずかしいところかも・・・。)

〔神社と元別当寺の例〕
 
【写真 上(左)】 六月八幡神社(足立区六月)
【写真 下(右)】 炎天寺(元別当寺)(足立区六月)

なお、現在は別当制度自体がなくなっているので、どちらかが一括して授与ということはほとんどありません。
神社は神社の御朱印、寺院は寺院の御朱印を、それぞれ個別に授与されています。

〔1ヶ所の授与所で神社と元別当寺の御朱印が拝受できるめずらしい例〕
  
【写真 上(左)】 塚越稲荷神社(埼玉県蕨市)
【写真 下(右)】 定正寺(元別当寺)(埼玉県蕨市/足立百不動第86番の御朱印)


明治維新後の一時期に廃仏毀釈のうごきがあったものの、ながらく神仏習合の時代がつづいてきたので、この流れからすると「神社とお寺の御朱印は一緒でいいのでは」という考えが出てきます。
実際、近畿には「神仏霊場」という神社と寺院を巡る霊場があり、七福神でも神仏混合のケースがあります。

〔神仏混合の七福神の例(東海七福神)〕
 
【写真 上(左)】 品川神社・大黒天(品川区北品川)
【写真 下(右)】 品川寺・毘沙門天(品川区南品川)

ただ、廃仏毀釈の事実を重視したり、神仏はもともと性格が異なるという考えをとると、分ける方が自然、ということになるでしょう。
また、筆者は遭遇したことはないですが、一部の寺社では神社(寺院)の御朱印帳には御朱印を授与しないという例も少数ながらたしかにあるらしく、これを避けるために分ける人も少なくないようです。

〔神社とお寺を分けていない例〕
 
【写真 上(左)】 左 浅草神社(台東区浅草) 右 不動院(台東区寿)
【写真 下(右)】 左 一向寺(栃木県佐野市) 右 朝日森天満宮(栃木県佐野市)

筆者は当初は一緒にいただいていましたが早々に別々に切り替えました。
これは思想的なものではなく、神社と寺院の御朱印は趣が異なるから、という単純な理由からです。
かように個人の考え方によるところ大なので、「答えはない」とするしかないような気がしています。

むずかしいところで寺院境内の鎮守社・地主神や境内社があります。
神社と寺院の御朱印帳を分けている場合は判断のしどころですが、筆者の場合、原則寺院境内の鎮守神や地主神の御朱印は寺院御朱印帳、神社境内鎮座の仏教系尊格の御朱印(七福神の弁財天、毘沙門天、大黒天など)は神社御朱印帳に拝受しています。
ただし神社のご由緒によっては例外もあって、ケースバイケースです。

〔寺院境内の神社の例〕
  
【写真 上(左)】 諏訪山 吉祥寺(文京区本駒込)
【写真 下(右)】 茗荷稲荷神社(境内社)(文京区本駒込)
御朱印はいずれも吉祥寺寺務所で拝受できます。
正式名は社号ですが、御朱印は権現号となっています。

寺院と鎮守(神)について、明確なのは鎌倉の建長寺です。
建長寺背後の山上にご鎮座の半僧坊大権現は、公式Webに「明治二十三年五月、建長寺の鎮守として浜松市引佐町の方廣寺から勧請」と明記されています。

建長寺では、神仏が入りまじった御朱印を授与されているので、少しくご紹介してみます。
建長寺の御本尊は地蔵菩薩で、御本尊・地蔵菩薩の御朱印は受付朱印所で授与されています。
上記のとおり、山上の半僧坊大権現は建長寺の鎮守で、こちらの御朱印は半僧坊の授与所で授与されています。

  
【写真 上(左)】 建長寺御本尊の御朱印
【写真 下(右)】 「勝上ケン地蔵尊」の御朱印(半僧坊大権現(鎮守)にて授与)

半僧坊は権現(仏・菩薩が衆生を救うために仮にあらわされたお姿)で、御真言をお唱えして参拝します。
半僧坊にはたくさんの天狗像が祀られ、期間限定かもしれませんが大天狗や烏天狗の御朱印も授与されています。
半僧坊と天狗の関係については諸説あり、正直よくわかりません。

 
【写真 上(左)】 半僧坊大権現(鎮守)の御朱印
【写真 下(右)】 「大天狗」の御朱印(半僧坊大権現(鎮守)にて授与)

建長寺は、鎌倉地蔵尊霊場のうち、第9番「心平地蔵尊」、第10番「済田地蔵尊」、第11番「勝上ケン地蔵尊」の3つの札所となっています。
このうち、第9番「心平地蔵尊」、第10番「済田地蔵尊」は受付朱印所、第11番「勝上ケン地蔵尊」は鎮守である半僧坊の授与所での授与です。
つまり、地蔵尊霊場の御朱印を鎮守で授与されているということになります。


回春院の御本尊・文殊菩薩と護法神・韋駄天の御朱印

建長寺の塔頭、回春院では複数の尊格の御朱印を授与されていますが、そのひとつに韋駄天があります。
韋駄天は、仏教では天部に属し、禅刹では伽藍の護法神として多く祀られます。
韋駄天の御朱印はなかなかいただけませんが、こちらでは快く授与いただけます。
よって建長寺山内では、仏尊の御朱印のほかに、鎮守と伽藍の護法神の御朱印もいただける、ということになります。

ここまでくるともはや神仏の区分はむずかしくなるので、おそらく観念して(笑)すべてお寺の御朱印帳に拝受ということになるかと・・・。


2.御朱印帳のサイズは?

たいていの御朱印帳のサイズは、横11cm×縦16cmの小タイプか横12cm×縦18cmの大タイプになります。
東京周辺のオリジナル御朱印帳は、神社・お寺ともに横11cm縦16cmの小タイプが主流です。
これは持ち運びしやすいですが、寺院御朱印など記入される要素が多い場合はやや窮屈に感じることがあります。

また、お寺の書置用用紙は大きなサイズの場合があり、小タイプに貼ろうとすると収まりません。
そんなこともあって、筆者は神社用は小タイプ、お寺用は大タイプにしています。

日蓮宗・法華宗用も、寺院オリジナル御首題帳の多くが小タイプなので必然的に小タイプになっています。
ただし例外的に大サイズのものもあり、一冊あると大サイズの書置御首題を拝受した場合にこちらに張り込めるので重宝します。

 
【写真 上(左)】 神社の御朱印帳の例(小タイプ)〔鷲神社(台東区千束)〕
【写真 下(右)】 お寺の御朱印帳の例(大タイプ)〔水澤寺(水澤観音)(群馬県渋川市)〕

<例外の例>
 
神社の大サイズ御朱印帳 芝大神宮(港区芝大門)

 
日蓮宗寺院の大サイズ御首題帳 身延山久遠寺 奥之院思親閣(山梨県身延町)

 
日蓮宗新聞社の大サイズ御首題帳に大サイズの書置御首題を貼り込んだ例(善性寺(荒川区東日暮里))


3.御朱印帳は両面使うか。片面だけか?

これもいろいろな意見があります。
筆者はお寺の御朱印が圧倒的に多く、片面にすると冊数が増えるので、お寺用は両面にしています。
両面使用の場合、袋部分に墨抜け防止用の半紙を仕込む必要があります。
また、紙質によっては半紙を置いても裏面に抜けることがあるので、筆者は鳥の子紙かそれに近いしっかりとした紙質で、山(頁)数が片面20くらいのものを使うようにしています。

紙質がいい大サイズのオリジナル御朱印帳としては、浅草寺(聖観音宗/東京・浅草)、豊川稲荷東京別院(曹洞宗/東京・赤坂)、水澤寺(天台宗/群馬・渋川)、中禅寺(天台宗/栃木・日光)、喜多院(天台宗/埼玉・川越)などがあります。
日光・輪王寺関連寺院の御朱印帳もどれも大判で紙質がいいです。

これらの御朱印帳で拝受すると、しばしばお寺さまから「書きやすい」というお言葉をいただきます。
紙質がしっかりしていて、筆の走りがいいからでは?
とくに浅草寺のものは紙質がよく、比較的廉価で頒布いただけるので愛用しています。

 
【写真 上(左)】 浅草寺の御朱印帳
【写真 下(右)】 喜多院の御朱印帳

御朱印帳には、1枚ものと2枚重ね(袋型)があって、蛇腹式のものはほとんど2枚重ね(袋型で外表のあるもの)なので、半紙が仕込めます。
また、外表の裏面に揮毫はないので、後日表装をかける場合にも問題ないのでは?
ただし、1枚ものの場合はほぼ確実に裏面に墨抜けしますので、両面使用はまず不可能です。

あとは表裏揮毫の問題ですが、浅草寺の御朱印帳では、表面(「御朱印帳」の題字のある方)の1頁目に「南無観世音菩薩」の揮毫と落款、裏面(題字のない方)の最後の頁に山号寺号が記されているので両面使用を前提としている感じがあり、両面使用を前提としている以上、表裏に優劣はないような気もしますが、さてさてどうでしょうか。(確信なし)

なお、神社用と日蓮宗・法華宗の御首題帳は、寺社オリジナルものの片面使いとしています。
神社の御朱印帳や御首題帳は小サイズが主流で、小サイズタイプは紙質もうすめのものが多いので、半紙を仕込んでも墨抜けする場合があります。
なので片面使いとしています。
神社の御朱印帳は意匠が美しいものが多いので、オリジナル御朱印帳を集めるのも面白いかもしれません。


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神社用、お寺用のなかで、さらに分けていくというやり方もあります。
かなりマニアックになりますが(笑)、せっかくなのでご紹介します。



尊格系札所(薬師霊場や不動尊霊場など)を一冊に纏める場合は、必然的にひとつの尊格のみの御朱印帳ができあがります。
専用納経(御朱印)帳を出されている霊場もあって、ほとんどが大判の規定用紙の綴じ込みタイプです。

 
【写真 上(左)】 狭山三十三観音霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第十四番 寶珠寺(東京都東久留米市)

 
【写真 上(左)】 児玉三十三霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第十九番 宥勝寺(埼玉県本庄市)

筆者の場合、メジャー札所では御朱印帳への書き入れをお願いできるので御朱印帳を使います(使いました)。
マイナーな札所の場合、規定用紙の書き置き対応となるケースが多いので専用納経帳を使います。
むずかしいのはこの中間で、同じ霊場で御朱印帳と専用納経帳に分かれてしまうことがあります。

はじめて御朱印帳を手にすると、空白の頁をはやく御朱印で埋めたくなります。
お寺で御朱印をいただきやすいのは名刹や観光寺院で、メジャー霊場の札所となっているところも多いので、どうしても当初はメジャー霊場の御朱印が多くなります。
振り返ると、メジャー霊場は最初から専用納経帳で回った方がよかったかも、と思うふしもあります。
(たとえば、御本尊は御朱印帳に、観音様は観音霊場の専用納経帳に、という受け方があります。)

でも、最初から専用納経帳を使うという発想にはなかなか到りませんし、そもそもその状況では初番で発願御朱印をいただいた専用納経帳をもっていません。
(ただし、鎌倉デビューの場合、いきなり坂東霊場初番の杉本寺で専用納経帳&発願印ゲットという荒ワザ(?)を繰り出すことはできます。)

御朱印歴を重ねていくといずれ「御開帳」の年が巡ってきます。
メジャー霊場の「御開帳」では御開帳御朱印を授与されることが多いので、御朱印熱が冷めなければ、いずれ御開帳時に専用納経帳で打ち直す、という局面になります。
なので(近場の)メジャー霊場については、結局は御朱印帳、専用納経帳どちらでも拝受する、ということになるかもしれません。

〔御朱印帳と専用納経帳(御開帳)の例〕 武蔵野三十三観音霊場初番 東高野山 長命寺(練馬区高野台)

↑ 当初は御朱印帳にいただきました。

  
↑ 御開帳時に専用納経帳にいただきました。

発願印、結願印をいただく場合は、専用納経帳にした方がベターです。
専用納経帳がない場合は御朱印帳をつかいますが、そもそも専用納経帳がない霊場では、発願印、結願印も捺されないケースが多いです。
(御朱印帳を数冊に分けての結願でも結願印をいただけた霊場もありますが、これもタイミング次第かもしれません。)

 
【写真 上(左)】 鎌倉地蔵尊霊場 発願の御朱印(宝戒寺)
【写真 下(右)】 鎌倉地蔵尊霊場 結願の御朱印(安養院)


御開帳霊場の場合も考えどころです。
2017年4月~5月に御開帳された「都筑橘樹酉歳地蔵菩薩霊場」では、御朱印帳への揮毫はむずかしそうだったので専用納経帳をつかいました。

〔都筑橘樹酉歳地蔵菩薩霊場の例〕
 
【写真 上(左)】 都筑橘樹酉歳地蔵菩薩霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第十六番 西蔵寺(川崎市宮前区)

ほぼ同時期に御開帳された武相二十八不動尊霊場、三浦二十一薬師如来霊場、三浦二十八不動尊霊場では御朱印帳への揮毫・印判ないし書置が期待できそうだったので御朱印帳で臨みましたが、予想通りほとんど揮毫をいただき結願を迎えることができました。


〔薬師如来霊場の例〕
・武南十二薬師霊場(寅年御開帳)
(直近では2022年4月1日~4月30日御開帳)

 
【写真 上(左)】 チラシ
【写真 下(右)】 専用納経帳
 
【写真 上(左)】 第1番貴雲寺の御朱印(専用納経帳)
【写真 下(右)】 第1番貴雲寺の御朱印(御朱印帳貼付用)

※御朱印は原則規定用紙での授与でしたが、御朱印帳貼付用書置ご用意の札所も、御朱印帳に揮毫捺印いただけた札所もありました。

寅年薬師如来霊場についてはこちら ↓ をどうぞ。
■ 寅薬師霊場御開帳  ~ 12年に一度の御朱印 ~


御朱印帳をひとつの霊場専用とする場合、ランダムでいくか順打ちでいくかはむずかしいところです。
1頁めは発願寺でいただくとしても、たやすく順打ち巡拝できる霊場は希です。

御朱印帳に鉛筆で頁を打ち、付箋を貼った頁に授与いただいて順打ち御朱印帳を仕上げるというテクニカルな方法もありますが、1箇所でもずれる(違う頁に授与される)とこのコンセプトはたちまち瓦解します(笑)
十二支守り本尊や十三仏くらいならばなんとかなるとも思いますが、観音霊場(三十三ヶ所)、弘法大師霊場(八十八ヶ所)ともなると、いかんともしがたいところがあります。

■めずらしく順打ちにこだわった滝野川寺院めぐり(十六ヶ所)の御朱印の例

右 第14番 思惟山 正受院(北区滝野川)の御朱印 左 第15番 瀧河山 金剛寺(北区滝野川)の御朱印

弘法大師霊場(八十八ヶ所)では、よほどの厚手(山数の多い)の御朱印帳でなければ、確実に数冊にまたがります。
また、現役の弘法大師霊場の多くは専用納経帳を設定されているので、規定用紙のみ授与の札所も少なくありません。
規定用紙は御朱印帳サイズをこえる大判のものが主流なので、この時点で霊場専用御朱印帳コンプリートの野望は崩れ去ります(笑)

なので、きっちり順打ちで霊場御朱印を揃えたい場合は、順序にこだわらず巡拝できる専用納経帳をおすすめします。

ただし例外もあります。
たとえば豊島八十八ヶ所霊場は専用納経帳がないので、御朱印帳コンプリートが可能かもしれません。
実際、10冊以上にまたがりましたが、筆者は88の御朱印をすべて御朱印帳に収めています。

 
【写真 上(左)】 第1番発願寺 武王山 最明寺 安養院(東京都板橋区)の御朱印
【写真 下(右)】 第88番結願寺 如意山 観明寺(東京都板橋区)の御朱印
※御朱印帳10冊以上を持ち込むわけにはいかず、参拝リストをお納めしたら結願の揮毫をいただけました。

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専用納経帳には、用紙を差し替える(あるいは挟み込んでいく)和綴じ様式のものと、あらかじめ揮毫(印刷)された頁に御寶印や寺院印をいただく帳面様式のものなどがあります。
いずれも専用納経帳だけでなく御朱印帳に揮毫いただける場合もあり、専用納経帳と御朱印帳揮毫で尊格が違ったりするので、興味が尽きません。

〔和綴じ様式の例〕
 
【写真 上(左)】 御府内八十八ヶ所霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第六十一番 正福院(台東区元浅草)

〔帳面様式の例〕
 
【写真 上(左)】 奥多摩新四国霊場の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第五十五番 清泰寺(埼玉県飯能市)

 
【写真 上(左)】 南毛霊場 多野藤岡三十三観音の専用納経帳
【写真 下(右)】 同 第七番 千手寺(群馬県藤岡市) 第八番 大雲寺

〔専用納経帳と御朱印帳揮毫で尊格が異なる例〕
 
【写真 上(左)】 行徳・浦安三十三カ所観音霊場の専用納経帳Vers.(徳願寺/千葉県市川市)
【写真 下(右)】 同 御朱印帳揮毫Vers.(同)

※こちらの専用納経帳は地元の郷土文化研究団体発行のもの。
専用納経帳Vers.の揮毫(印刷)は山号・寺号で、これに札所本尊の観世音菩薩の加印という構成に対し、揮毫Vers.は御本尊(六字御名号・南無阿弥陀佛)と札所本尊・観世音菩薩のダブル尊格の豪華絢爛たる内容で、三寶印や寺院印は同一ながらそれぞれ趣の異なる御朱印となっています。
(おそらく、郷土文化研究団体では尊格の揮毫までは難しいという背景があるかと思われ、レアケースかもしれません。)

〔限定専用御朱印帳と通常御朱印で尊格が異なる例/前橋四公祭〕
 
【写真 上(左)】 前橋四公祭専用御朱印帳Vers.(龍海院/群馬県前橋市)
【写真 下(右)】 通常(?)のVers.(書置)(同)
前橋四公祭(第2回)は平成29年10月14日~20日、11月4日~10日に前期・後期に分けて開催され、専用御朱印帳が配布されました。
専用御朱印帳は、予め印刷された揮毫の上に朱印を捺すタイプです。
専用御朱印帳では、御本尊釋迦牟尼佛の揮毫、書置御朱印では院号が主揮毫となっていて尊格が異なります。


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お寺用で分けているのは、浄土宗の阿弥陀如来・六字御名号用、日蓮宗・法華宗の御首題帳、日蓮宗・法華宗の御朱印帳、修験系寺院用、(浄土)真宗用です。
真言宗智山派だけで完結した御朱印帳もありますが、ここまで細分化するとどうしても持ち出す機会が少なくなって進みが遅くなるので、いまは↑のようになっています。

仏教の宗派によって、御朱印に特徴がみられます。
進みは遅くなりますが、宗派毎に御朱印帳を整えてみるのもひとつの楽しみかもしれません。

■ 日本仏教13宗派と御朱印(首都圏版)


この他にお大師様(弘法大師)、元三大師、閻魔様専用の御朱印帳もありますが、こちらは基本、ご縁日に拝受するようにしているので、ちょっと特殊です。

 
【写真 上(左)】 お大師様専用の例 左 光蔵院(港区赤坂) 右 西新井大師 總持寺(足立区西新井)
【写真 下(右)】 閻魔様専用の例 左 源覚寺(文京区小石川) 右 還国寺(文京区小日向)

ご縁日用の御朱印帳をつくると、ご縁日参拝の楽しみができます。
ご縁日の御朱印については ↓こちらの記事をご覧ください。
■ ご縁日と御朱印

 
【写真 上(左)】 令和初縁日の御朱印 左 養願寺(品川区北品川) 右 寛永寺(台東区上野桜木)
【写真 下(右)】 お不動さまと観音さまの縁日御朱印の例 左 薬研堀不動尊(中央区東日本橋) 右 浅草寺・四万六千日(台東区浅草)


〔浄土宗の阿弥陀如来・六字御名号用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(京都・知恩院)
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 榧寺(台東区蔵前) 右 宗慶寺(文京区小石川)

なお、日蓮宗・法華宗の場合、専用の御首題帳でないと御首題をいただけない場合があります。
(他宗派が混じる御朱印帳では、”妙法”やその他の揮毫となる場合もあり。)

〔日蓮宗・法華宗の御首題用〕
 
【写真 上(左)】 御首題帳(身延山・久遠寺)
【写真 下(右)】 御首題の例 左 陽運院(墨田区太平) 右 長照寺(大田区本羽田)

〔日蓮宗・法華宗の御朱印用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(池上本門寺)
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 雑司ヶ谷鬼子母神堂(豊島区) 右 安国論寺(鎌倉市)

〔真言宗智山派でまとめた御朱印帳〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(成田山・神護新勝寺)
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 総持院(さいたま市緑区) 右 長福寺(千葉県館山市)

〔(浄土)真宗用〕
 
【写真 上(左)】 帳面
【写真 下(右)】 左 善福寺(港区元麻布) 右 願船寺(茨城県東海村/親鸞聖人二十四輩 第14番)
(浄土)真宗は教義上御朱印を授与されない寺院が多いですが、「参拝記念」を授与されるケースはけっこうあります。
この帳面は汎用のものを使い、あえて「御朱印帳」の題字も入れていません。

〔修験系寺院用〕
神仏習合の雰囲気をもっともよく遺すのが修験道です。
現代では 、金峰山修験本宗、本山修験宗、真言宗醍醐派、それに各地の霊山を拠点とする国峰修験がその流れを汲むとされています。

たとえば埼玉県飯能市の竹寺(医王山 薬寿院 八王寺)は天台宗寺院ですが、山岳修験の流れを汲むとされ、現在でも神仏習合しています。
御本尊は牛頭天王で、本地仏は薬師如来です。

 
【写真 上(左)】 竹寺の御朱印帳
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 天龍寺(埼玉県飯能市) 右 長谷寺(群馬県高崎市) 

竹寺の御朱印帳には両部鳥居と茅の輪が描かれ、扁額には山号が記されています。
また、裏表紙に「神仏習合 竹寺」と明記されています。
こちらは修験系の寺院御朱印帳として使っていますが、独特な尊格が多く、神仏習合のイメージ濃厚な御朱印帳となっています。


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神社の場合は、神社汎用、神明社・天祖神社、八幡神社、浅間神社、東照宮、熊野神社、諏訪神社、氷川神社、天満宮・北野神社、出雲大社系に分けています。
ただし、種類を増やしすぎると外出時に持ち歩く御朱印帳の数が増えるという問題が生じます。
なので神社については汎用以外は参拝先を決めたときしか持ち出さないようにしています。

全国の一之宮については専用御朱印帳も頒布されており、巡拝している方も多いようですが、筆者は入手しておりません。

〔浅間神社用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(北口本宮富士浅間神社(山梨県富士吉田市))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 富士山下宮小室浅間神社(山梨県富士吉田市) 右 新倉富士浅間神社(山梨県富士吉田市)

〔八幡神社用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(川越八幡宮(埼玉県川越市))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 浅海八幡宮(群馬県みどり市) 右 鳩峯八幡神社(埼玉県所沢市)

宗派や神社別の御朱印帳をつくると、ご住職や宮司様との会話がはずむことがあります。
筆者は渋谷区内の八幡宮の氏子ですが、八幡神社で八幡神社専用の御朱印帳を出すと、「あちこち廻られていますね。どちらかの氏子さんですか?」などときかれることがあります。
これが糸口となって、貴重なお話しを伺えたりもします。

檀家寺や産土神社の名前をお伝えすると、「ああ、そちらのご住職(宮司さん)とは●●で同期で・・・」などと思わぬ展開のお話しを伺えたりも・・・。
それに、専用の御朱印帳だと先様も思わず気合い?が入り、筆致も冴えるような感じも・・・。(気のせいか(笑))

〔東照宮用〕
  
【写真 上(左)】 御朱印帳(世良田東照宮(群馬県太田市))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 仙波東照宮(埼玉県川越市) 右 徳川東照宮(群馬県太田市)

〔諏訪神社用〕
 
【写真 上(左)】 御朱印帳(諏訪大社下社秋宮(長野県下諏訪町))
【写真 下(右)】 御朱印の例 左 諏訪神社(群馬県藤岡市) 右 諏訪神社(東京都立川市)


お寺用の場合は基本ランダムにいただくようにしていますが、お寺さんの縁起によっては、1冊のなかに同居いただくのはどうなのかな? という場合もあります。
また、書き置きはサイズが合えば御朱印帳に貼り付けますが、書き置きが続いた場合、その部分の厚味が膨らんでしまいます。
なので、常時2~3冊を同時並行し、状況に応じて振り分けています。

〔大日如来が続いた例〕

【写真 上(左)】 左 光明院(北区田端) 右 大龍寺(北区田端)
【写真 下(右)】 左 観蔵院(大田区西嶺町) 右 密蔵院(大田区田園調布南)

〔不動明王が続いた例〕

【写真 上(左)】 左 天然寺(埼玉県川越市) 右 西音寺(北区中十条)
【写真 下(右)】 左 来迎院(埼玉県杉戸町) 右 水上寺(群馬県みなかみ町)

大日如来、不動明王、如意輪観世音菩薩など力感ある尊格が続くと、ことばでは言い表しにくいのですが「中身が稠密になって御朱印帳が負けてしまう」感じになることがあります。
この場合は他の尊格にお出ましいただくようにしていますが、このときも並行して複数冊あると楽です。
如来、菩薩、明王、天部などさまざまな尊格にお座りいただくと、バランスがとれるような感じがします。

とくに天部が入ると多彩感が強まります。
天部は御本尊の例は多くないですが、弁財天、大黒天、毘沙門天は七福神の尊格でもあるので、御朱印はいただきやすくなっています。
(註:以上はあくまでも筆者の個人的な感覚や趣向によるものです。)

〔天部拝受の例〕
 
【写真 上(左)】 〔地蔵菩薩と弁財天〕 左 専教院(文京区小日向) 右 徳雲寺(文京区小日向)
【写真 下(右)】 〔毘沙門天と十一面観世音菩薩〕 左 宗建寺(東京都青梅市) 右 玉泉寺(東京都青梅市)

筆者の場合、お寺用は汎用御朱印帳の両面使用がメインなので、表面の最初と最後、裏面の最初と最後をどうするか、ということがでてきます。
密教の中心仏である大日如来とその教令輪身である不動明王、浄土教系の御本尊阿弥陀如来、禅宗系の宗派本尊釈迦牟尼佛(釈迦如来)にお座りいただくことが多いですが、生まれ年の十二支守り本尊、普賢菩薩にお願いすることもあります。
1冊だけですが、当家の檀家寺のご住職に揮毫いただいたものもあります。

 
■ 最初の頁の例
・准胝観世音菩薩(准胝仏母)にお座りいただいた例 (佛母寺・埼玉県本庄市)
■ 最後の頁の例
・大日如来にお座りいただいた例 (長明寺・群馬県太田市)

とくに両面の総頁が100にも及ぶような厚手の御朱印帳の場合は、最終頁はもちろん、これに向けてお座りいただく尊格を考えたりもします。
札所もそうですが、このような尊格の多彩さもお寺の御朱印の醍醐味であり、数が増えている理由でもあると思います。


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2022/03/26 新規リンクを加えて整理  --------------------------------------

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