気まぐれ日記☆着物の小部屋

2007年耳下腺癌の手術で顔が変わり、生活が一転。街歩きと着物と芝居のブログをどうぞ宜しく♪

若者が赤ちゃんと遭遇した話

2012-05-19 09:57:42 | お話

 先週初め、娘の所に泊まった。

翌朝「梅ちゃん先生」の後の情報番組「アサイチ」をしっかりと見た。

先日渋谷ハチ公前で友人と待ち合わせした時に、つい街頭インタビューに答えてしまったのが「アサイチ」。

いつも街頭インタビューは断っていたが、この時は 声をかけられ振り向いたら、

いつも朝お会いするアナウンサーが私の顔の前にいた

で、つい「いいですよ」と・・・・・おなじみの顔には弱いわ。 友人二人としっかり質問に答えた。

でも放送されるのはいやだなぁと思っていたが、結局街頭インタビューはすっかりカットしてあった。 ホッ!

それにしても、この番組の特集、放送されない分も含めて、ずいぶん丁寧に取材しているのだなと

改めて感心した。

 

テーマは「消えた子供たち」・・・・・DVや経済的苦境からの夜逃げ等で、学校にも行けず、

所在のわからない子供達が全国で1100人ほどもいるそうだ。

 さらには、生まれてすぐの検診に現れず、学齢期になっても入学検診も来ず、学校が始まっても、

学校に来ない例もあるそうだ。事件に巻き込まれた例もあるに違いない。

子供たちはいったいどこに行ってしまったのだろう?

調べようにも、個人情報保護の壁があり、思うように進まないという内容だった。

 

出勤前の娘と、消えた理由をあれこれ想像し、話し合っていたが、

思い出して、こんな話をしてくれた。

 

 若者が赤ちゃんに遭遇した話 

会社の若い仲間が、冬の寒い夜中に都内の大きな公園でジョギングをしていた。

ミャー ミャー という声が聞こえたが、気にせず走っていたら、段ボールの箱があった。

捨て猫かなぁと、何の気なしに箱を開けたら、なんと赤ちゃんがいた

 

もしこれが、私達みたいなおばさんが遭遇していたなら、動揺はするけど、すぐに適切な処置ができただろう。

でも、赤ちゃんを抱いたこともないような若者だったら・・・・

(ここまで話を聞いてドキドキしてきた。)

 

彼は、動揺した頭でとっさに考えた。

 

「俺、育てられるかなぁ?経済的にしっかりしないと育てられないなぁ。

今正社員になれって言われているけど、やりたいことがあるので断るつもりだったけど、

やっぱり受けた方がいいのかなぁ」・・・・・と。  

おろおろしながら、同僚に電話し、「今、赤ちゃんの入った段ボールを拾ったのだけど、どうしたらいい?」と聞いた。

友人は 「バカなこと言うな」 と一蹴して電話を切ってしまった。

次に、彼女に電話したら、すぐさま 「赤ちゃんは何を着ているの?」 と聞き返し、

毛布を持って、飛んできてくれた。 (良くできた彼女です

 

そのあと、赤ちゃんを抱いて交番に届けようとしたが、

待てよ!! 「俺たち、誘拐犯にされてしまうかもしれない」 と、気が付き、心配になってきた。

(話を聞いている私は、早く届けろ!とやきもき

 

結局警官に、現場に来てもらった。

(そうそう、それでいいのよ

でも彼の心配は留まるところを知らない。

 

「あ、あの、落し物って、落とし主が見つからなかったら、6か月後に拾った人の所に戻ってくるのですよね?」

念のため住所を書けと警官に言われて、

「ぼ、ぼく、赤ちゃん戻されても困るんですよ」  (ア~ア 

警官は落ち着いていて優しかった。

親が分からなくても、赤ちゃんはきちんと施設で育てる事、小さい赤ちゃんの場合、

貰い手が多くて、幸せに暮らせること。

この近くに施設があって、時々、こんな事が起こることを説明してくれた。

そして、こんな冬の寒い日に、もし発見が遅れたら大変なことになっていただろうと。

(ここまで聞いて、良かった~~ホッとした

 

若者の動揺は半端ではなかったようですが、

もし動揺のあまり、知らんふりして行ってしまったら大変な事がおきていました。

寒い冬の日の、人が途絶えた夜中に、段ボールの中にいた赤ちゃんの事を考えると

背筋の凍る思いがします。

一つの命が助かって本当によかったです。

普通の若者が遭遇した、残酷でいて、温かいような、不思議な話でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント
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