土木技術者が撮った中南米の「光りと影」の写真 及び 他国風情

 約22年間の中南米赴任中に土木技術者の視点から撮った写真。開通前のパナマ運河に架かる第二アメリカ橋は圧巻 & 他国事情

当国第一の河川港と日本ーザイール(旧コンゴ)友好橋

2010-05-03 00:06:43 | コンゴ民主共和国
 宗主国により勝手に境界線が引かれたコンゴ民主共和国の一番大きなコンゴ河に位置する河川港です。ここから上流の400km先の首都までは急流や断崖があり溯上は不可能です。よって太平洋から約200kmのこの場所がやっと10,000ton級の船舶(喫水は10m)が入る限界です。ゆえに河川維持のため堆積する土砂の定期的な浚渫が必要となります。当初の計画は後述します。



 港の大写しです。10,000ton級船舶の係留桟橋は7ケ所あります。ただし最上流側は老朽化して小型船舶専用になっております。備え付けのガントリークレーンは吊り荷重(10ton)がなく、船内クレーンにて80tonまで相吊りで積み下ろし可能です。40FEETs(=約12m)のコンテナ船が主流です。



 港街の遠望です。写真の手前に港があります。中央の赤い屋根のあるカテドラルの場所が旧市街の中心です。



 カテドラルです。交通警察官が沢山張り付いて、管轄当局のご達しにより車内からの隠し撮影ですのでお見苦しい点、ご容赦願います。



 カテドラルの目の前から隠し撮りしています。



 泊ったホテルの従業員は朝7:00に礼拝を行っていました。貧しい国は敬虔なクリスチャンがいます。が、貧困ゆえ犯罪も絶えません。



 これが1983年4月30日に完工した「日本ーザイール友好橋」です。現天皇、皇后陛下(当時は皇太子及び皇太子妃殿下)が1984年に3月に訪問され先回掲載しました「火炎樹」の苗木を植樹されました。橋長722m、中央スパン(主塔間の区間)は520mある吊り橋です。



 主塔の高さは約100mで道路と鉄道の併用橋です。上部が道路用で下部が鉄道用です。



 吊り橋遠景。主ケーブルをまとめたアンカーの先端部に両国の国旗が描かれています。



 上記大写し。



 道路橋を撮影。この先の右岸下流側は飛び地の同国(コンゴ民主共和国)です。西欧の宗主国の身勝手な思惑で国境の線引きがされました。



 鉄道橋を撮影。元々は上記このコンゴ河右岸(港とは反対側)の大西洋のバナナ港から、この友好橋の鉄道で、この最大の港まで貨物列車で運び、ここから道路にて首都まで運ぶ計画でした。が、急激なインフレーションで物価が高騰し、当初予算では対応できず、鉄道は未だに敷かれていません。コンゴ民主共和国はここの最大の港(左岸側)で両岸に分断されています。それゆえ鉄道輸送が必要だったのです。この友好橋の下流左岸(港側)は別の国で、前述のように下流右岸側は飛び地(国)です。



 メインケーブル(橋桁をつっている主鋼線)のアンカー部。アンカー部の片側のコンクリート量は後楽園ドーム球場の外野フェンスの半分の約2mの高さが埋まる重量=25階建てビルがすっぽり入る容積です。



 アンカー部のメインケーブルです。56本のケーブル(ストランド)で構成されています。1ストランド何本?また1本の鋼線は何mm?また何本のより線で形成されている?は聞いたのですがその資料が手元にありません。

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