いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

じゃんがらの唄

2018-08-15 06:16:26 | Weblog

                                                                                                 
   分類:催                     いわき市暮らしの伝承郷                                   鹿島町下矢田字散野14-16(県立いわき公園内)                                                      
   供養と 祈りと 涙に似た汗と                               昨日(14日)は 「いわき市暮らしの伝承郷」 の民家ゾーン、猪狩家の庭先で 「じゃんがら念仏踊り」 の実演がありました。
 牛後1時に、常磐の「上矢田じゃんがら保存会」の皆さんが、団長の先導で総勢16名が鉦(かね)と太鼓を鳴らしながら観客が待ち受ける庭にやってきました。
                
  《長提灯を手にした団長の先導で、さっそうと踊り手たちがやってきた=猪狩家の入口》



じゃんがら念仏踊りが、いわきで初めて踊られたのは明暦2年(1656)と言われている。                                              8月のお盆に、この1年間に亡くなった人の家を回り、鉦・太鼓を鳴らしながら故人を供養する伝統文化で、市の無形民俗文化財に指定されています。毎年、盛夏の中を霊を慰め回り歩く姿はいわきの夏の風物詩であり、市内の各地で行われるこの念仏踊りが終わると、朝夕すっかり秋の気配を感じさせる季候を迎えます。                                                       《汗を滴らせての実演がいよいよ開幕》    《じゃんがらが行われた猪狩家の旧家》


        じゃんがらの唄       箱﨑 昭

    
ほら見えるかい 聞こえるかい                                庭先で踊躍するじゃんがら念仏踊り                            生きる者が盆の霊を敬う心                                   記憶よ和らげ 苦しみよ安らげ
鉦と太鼓のリズムに念仏は踊る

♪ナアハアハアー、モオハハホーイ                                供養と 祈りと 涙に似た汗と                                     青年たちの熱い競演は興奮の坩堝(るつぼ)と化す       
太鼓を打つ者 鉦を鳴らす者                                   円を描いて舞い 念仏をそろえて唄(とな)え                                魂は彼岸、此岸の両界とで清められ                               肉親の徳を積む じゃんがら

高僧が庶民に説き広めた念仏                                     江戸時代から脈々と受け継がれ                                  四百年の歴史を伝える極楽浄土への道は                            いま、幾多の煩悩と悟りに揺れる
叱責のように激しく打ち叩かれる太鼓                            金切り声を上げて泣き叫ぶ鉦                                  じゃんがら念仏踊りは最高潮に達する                                                                       
山々の濃い緑に濾(こ)され、夜空に抜けていく
送り人は、失った尊い命と別れを惜しむと                          山里に再び静寂な空気と、生暖かい風が漂う                         蜩(ひぐらし)が鳴き、色褪せた鬼灯(ほおずき)は                          このとき、ひと夏の終わりを告げる
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