分類:歴
時鳥 (ホトトギス) の兄弟
昔あったそうだ。或る家があって、そこの母親は後妻だったんだと。
母親は自分が連れて来た本当の子供には美味い物を食わせて、先妻の子供には何でもない普通の食い物を与えていたんだとよ。
ところが、後妻の子供は自分にはこんな美味いもんだから、先妻の子供にはどんなに美味いものを食わせているんだっぺと思うようになってきたんだと。
先妻の子供は食い物について、何ひとつ文句を言う訳ではねかったから、益々疑うようになってしまったそうだ。
さあそこで、なじょ(どう)したらば自分より美味い物を食っているかを確かめる為に、とんでもねえことを考え付いてしまった。
先妻の子供の腹を切って見れば、ハッキリと分ることだと思ったんだと。
ところが実際に腹を切ってみたら、別に何も美味い物を食っていなかったどころか、腹の中には食った物は、ほんの少ししかなかったというでねえか。
ああ、これは済まねえことをしてしまったと後悔して 「兄さま、オラが悪かった。勘弁してけろ」 と、後妻の子供は死んだ後に時鳥に変身して、八千八声鳴いて兄の功徳をしているということだ。
時鳥 (ホトトギス) の兄弟
昔あったそうだ。或る家があって、そこの母親は後妻だったんだと。
母親は自分が連れて来た本当の子供には美味い物を食わせて、先妻の子供には何でもない普通の食い物を与えていたんだとよ。
ところが、後妻の子供は自分にはこんな美味いもんだから、先妻の子供にはどんなに美味いものを食わせているんだっぺと思うようになってきたんだと。
先妻の子供は食い物について、何ひとつ文句を言う訳ではねかったから、益々疑うようになってしまったそうだ。
さあそこで、なじょ(どう)したらば自分より美味い物を食っているかを確かめる為に、とんでもねえことを考え付いてしまった。
先妻の子供の腹を切って見れば、ハッキリと分ることだと思ったんだと。
ところが実際に腹を切ってみたら、別に何も美味い物を食っていなかったどころか、腹の中には食った物は、ほんの少ししかなかったというでねえか。
ああ、これは済まねえことをしてしまったと後悔して 「兄さま、オラが悪かった。勘弁してけろ」 と、後妻の子供は死んだ後に時鳥に変身して、八千八声鳴いて兄の功徳をしているということだ。