不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

いわき鹿島の昔ばなし20

2013-05-05 07:25:45 | Weblog
                                           分類・歴
      鳥(酉)小屋という行事

 鳥小屋は、の子供(男)たちが山から篠竹を刈ってきたり、各家々からは薪や炭を貰い集めて空地や田圃の中に小屋を建て、ぼんでんに幣を付けて高い竿を立てると出来上がり。
 小屋の中に神棚をしつらえて正月様をまつり、子供たちはその中で一晩を過ごす。鑪(いろり)を作って、ここで夜、参詣に来た人たちに田楽や焼餅などを馳走する。

     
       《昭和初期の頃の鳥小屋風景》            《鹿島で復活した鳥小屋》
 「とり小屋」の「とり」という字は「鳥」とか「酉」と書かれるが、大須賀●(=竹かんむりに均)軒(おおすがいんけん)の『磐城誌料歳時民俗記』=明治25年(1892)によると、男女の子供たちが主体になって大人も加わり飲食、談笑して男子は手に小さい梵天(ぼんでん)を振り立て、女子は羽子板にヨツデ(四手)を持ち添え「放(ほう)いほういの鳥をば、頭折(かしらお)って、しぼ(塩)つけて、さんどがしま(佐渡島)へほうい」と繰り返し呼ぶ。これは今年も農作物(米など)が鳥の被害に遭わないように、追っ払う厄除けだというようなことが記載されている。
 ……と云うことは、語源は「鳥追い小屋」からきているように思われる。

            
          《地域の団体や地元の人たちが一体になって出来上がった鳥小屋》
 地域の伝統や芸能が時代と共に消滅していくのは淋しい限りだが、正月の伝統行事だった「鳥小屋」は鹿島地区地域振興協議会と地域住民などの協力によって平成22年に55年ぶりの復活を果たした。
            
            《各家庭から持ち寄った正月飾りと共に鳥小屋は燃される》
 一夜が明けて8日を迎えると、早朝からの人たちが正月飾りを持ち寄ってきて、鳥小屋に火が点けられると一斉に投げ入れて、お焚き上げを行う。
 その時に、竹の先に餅を刺して焼いたものを食べると1年中、無病息災でいられるという伝えがある。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする