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いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

いわき鹿島の昔ばなし27

2013-05-12 06:44:33 | Weblog
                                           分類・歴
       十九夜講と安産祈願
                         天徳山正福院 蔵福寺 : いわき市鹿島町走熊字坪下

 十九夜講は、毎月十九日の夜に輪番制で決まった家に女性たちが集まり、安産や子供の無事成長をを祈願した。祭壇に、観音様が子供を抱いた姿の掛軸を飾り、団子やお菓子、果物などを供え全員で線香をあげてお題目を唱和する。伝統的な行事で、人々は親しみを込めて「十九夜さま」と呼び各ごとに行われていた。
 
            
                  《走熊の蔵福寺境内にある如意輪観音像》

 走熊を例にとると、全員が車座になって座り、直径約1,8メートルに1,000個の数珠玉が通された紐輪を右回りにたぐり寄せ「ナンマイダンボ、ナンマイダンボ」と皆で調子を合わせながら願いを込め、大きな数珠玉が手元に触れた時には深く頭を下げる数珠繰りが行われた。
 ナンマイダンボとは南無阿弥陀仏と同意語。

 この風習は、主に千葉県北部、茨城県、栃木県にもあるが、福島県南部でも行われるようになったのは、江戸時代に磐城平藩の殿様が働きずくめの女性を休養させるための方策として、「十九夜講」によって女性たちに外出許可を出したと云われている。

 また『神谷村誌』によると、これより先に「慶長の頃、夏井武兵衛という武士が平中神谷字瀬戸に移り住み……云々」という、中神谷の十九夜講の伝承が記載されているから起源の確証は得られない。
コメント
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