いわき鹿島の極楽蜻蛉庵

いわき市鹿島町の歴史と情報。
それに周辺の話題。
時折、プライベートも少々。

いわき鹿島の昔ばなし39

2013-05-24 07:06:30 | Weblog
                               分類:歴
   団子聟(むこ)

 或る所に馬鹿聟がいて、或る時、舅(しゅうと)のところさ、お呼ばれに行ったんだと。
 そして団子をごちそうになった。
          

 それがあまりにも美味かったものだから家さ帰って妻に教えてやんべとして、忘れねえように途中の道をダンゴ、ダンゴと暗唱してきたんだと。
 そしたら塀があったもんだから、そっちさ気を取られてそこをドッコイと飛び跳ねたところ、すっかり暗唱していたものを忘れちまって、今度は家までドッコイ、ドッコイと言いながら帰ってきた。

 そして妻に「おめえ、ドッコイというものをこせえて(作って)食わせてくれろ」と言った。
 妻は「あんた、そのドッコイっちはどんなものだ?」と訊いたら「ドッコイを分んねえことあっか」と言って拳固を一つやったら、団子のようなコブができた。
 それで妻は「ありゃ、この人こんなに団子みてえなコブをこしらえてしまって」と呆れて言ったそうだ。

 「ああ、その団子だ」と言って思い出したそうだ。


   ※語り手によっては団子が、ぼた餅(牡丹餅)になったりします。
コメント
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