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アジアと小松

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小松基地問題研究会

3/8不二越控訴審判決について(2)

2010年04月11日 | 戦後補償(特に不二越強制連行)
3/8不二越控訴審判決について(2)

争点1 国家無答責
 「実定法上、国等に損害賠償責任がないことが確定していたのではなく、その意味で、被控訴人国が主張するような国家無答責の法理が基本的政策として確立していたとまでは断定出来ず」「国等の賠償責任が肯定又は否定される範囲、その根拠等については、判例が終始一貫し、確立していたとは断定出来ない」「少なくとも、例えば、明らかに国等の権力作用に該当すべき行為であり、かつ、明治憲法下においても許容されないであろう重大な人権侵害というべき事案などについて、直接国等の賠償責任を否定した大審院判例は見当たらない」「よって、国等の権力作用にあたる行為が著しく違法・不当なものである場合などには、民法の不法行為規定の適用を前提として判断することが相当である」

★ このように、控訴審判決が「女子勤労挺身隊被害が明治憲法下でも許されない重大な人権侵害」であることを認め、国家無答責の主張を排斥しながら、強制連行被害者の権利を認めない事は重大な矛盾である。

争点2 共同不法行為の成否

 「勤労挺身隊への勧誘には、主として国民学校の校長や担任教師のほか、洞庁、面の役人、洞の役人、郡庁の職員、区長など…勧誘を受けて断りづらい状況にあった」「多くの者が12歳から16歳と若年であり、客観的状況を十分に把握し的確に判断できるだけの能力を有していたわけではなかった」「地域や学校を異にする多数の者に対し、国民学校あるいは官庁を通じて、上級学校への進学・勉学の機会が保障されているとして勧誘がおこなわれたことに照らすと、被控訴人国において組織的に、勤労挺身隊員には勉学の機会が保障されているなどと宣伝して勧誘し参加させたことが推認される」「被控訴人会社への勤労挺身隊につき京城府による募集広告も出していたことからすれば、被控訴人会社も勤労挺身隊員の募集、勧誘に積極的に関与」「勉学の機会については制度として保障されていたわけではなく、実際にも女学校等の学校へ進学した者は本件勤労挺身隊員の中に一人もおらず」「本件当時、戦時統制下にあって、…客観的状況に照らし勤労挺身隊員が女学校、中学、大学等に進学して勉学する余裕はなかったというべきであり、被控訴人らにおいてそのような客観的状況は十分認識可能であった」

 「したがって、被控訴人らには、客観的状況や将来の見通しについて十分な判断能力を有しない若年の本件勤労挺身隊員に対し、勉学の機会を保障することが極めて困難か絶望的な状況であるにもかかわらず、これが十分保障されているかのように偽って、勤労挺身隊に勧誘し参加させた例が大多数であった」「勉学の機会があるかのように欺罔して勤労挺身隊へ勧誘し参加させることは、…いわばその弱みにつけこむものであり、…明治憲法下の法制においても違法と評価される勧誘方法であった」「被控訴人国が、労働力不足を解消するための国家政策ないしその一環としておこなった権力的作用にあたる行為と評価せざるを得ない」「したがって、…被控訴人らの共同不法行為に該当するものというべきである」

★ このように、控訴審判決は「(原告らを)偽って」「(原告らの)弱みに付け込んで」おこなった「欺罔行為」であり、「明治憲法下でも違法と評価される勧誘」であったと認定した。判決は明確に「違法行為」と断定しながら、強制連行被害者の権利を回復しなかった。

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