アジアと小松

アジアの人々との友好関係を築くために、日本の戦争責任と小松基地の問題について発信します。
小松基地問題研究会

満ち溢れる排外主義

2017年02月14日 | 雑感

満ち溢れる排外主義

文化財略奪問題
 2017年1月26日、韓国大田(テジョン)地裁が「観世音菩薩座像」の所有権を韓国・浮石寺にあるとの仮処分決定をおこなった。日本のマスコミはこぞって地裁決定を非難し、排外主義をあおりたてている。

 2012年、対馬の海神神社の重要文化財「銅造如来立像」(統一新羅時代)、観音寺の長崎県指定有形文化財の「銅造観世音菩薩坐像」(高麗時代)、多久頭魂神社の長崎県指定有形文化財の「大蔵経」が盗まれ、韓国で発見されたという事件が起きた。

 忠清南道瑞山市にある曹渓宗の浮石寺(プソクサ)が「観音寺の銅造観世音菩薩坐像は、元々倭寇に略奪された仏像である」と主張して返還しないよう求めた。観音寺の田中節孝前住職は、「仏像は李氏朝鮮時代の仏教弾圧から守るために対馬に持ち込まれたもの」と語っているが、大田地裁は「所有権は浮石寺にあり、正常ではない過程で観音寺に移された」として、「観音寺がこの像を正当に取得したことが訴訟で確定するまで、韓国政府は日本政府に引き渡してはならない」と判断し、仏像の浮石寺への引き渡し命じた。



 金沢市兼六園にある「海石塔」は朝鮮出兵時に持ち帰ったものであり(戦前の絵はがきには、「朝鮮征伐の時の戦利品」との説明書き)、皇居にある「鴻臚井の碑」は日露戦争で旅順を占領した日本軍が略奪してきたものである。かつて靖国神社の置かれていた「北関大捷碑」も同時期に東京に送られた(返還要求運動があり、2005年に元の所在地に戻された)。

 植民地時代には、日本は朝鮮の土地を奪い、人を奪い(強制連行)、言葉を奪い、さまざまな文化財も略奪してきた(仏国寺舎利塔、栗里寺跡の八角石塔など)。まさに日本は略奪文化がはびこる国である。
 
領土問題―独島(竹島)、対馬
 2014年文部科学省は中学、高校の学習指導要領解説書を改定した。釣魚台(尖閣諸島)、独島(竹島)を「わが国固有の領土」とし、中学教科書は2016年度から適用され、高校教科書は2017年度から適用される。

 教科書会社は政府の意図を先取りする形で、2014年度の小学校教科書には独島(竹島)、釣魚台(尖閣諸島)を「日本固有の領土」とした教科書が出た。



 このような日本の領土拡張主義にたいして、2016年7月にはプロ棋士と歌手が独島(竹島)で対局したり、8月にはセヌリ党国会議員が独島(竹島)上陸を計画したりしている。

 とある会合(昨年)で、参加者から「対馬の土地の80%が韓国人に買い占められている」との発言があり、インターネットで調べてみると、元東京都港区議会議員山本へるみのブログに、「島全体の0.26%(5500坪)が韓国人によって買収されている」(対馬市長)との記述があった。わずか0.26%を80%と「針小棒大」の表現で、日本の領土が外国人に買い占められていると排外主義をあおっている。

 麻生首相(2008~9年)は、「土地は合法的に買っている。日本がかつて米国の土地を買ったのと同じで、自分が買ったときはよくて、他人が買ったら悪いとは言えない」と述べている(バブル期のハワイでは日本人がホテル、ゴルフ場、住宅地を買い漁っていた)。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レポート「防音事業関連維持事... | トップ | 家庭系ごみは3.7%減少し、事... »
最新の画像もっと見る

雑感」カテゴリの最新記事