スマラン事件開示文書を読んで
インドネシア・スマラン事件の開示文書を読んでいくと、日本軍による性犯罪の実態に絶句せざるを得ない。被害者の証言に見られる日本軍による性犯罪があまりにもすさまじいので、そのまま伝えてよいものかどうか、躊躇せざるを得ないほどである。
これらの開示文書の中に、E.F.Zikel医師の証言がある。
Z医師は「スマラン事件ノ原因ハ日本人ガ捕ヘタ米国潜水艦ノ中ニ日本人ノ婦人ガノセラレテヰテ、強制的ニ売笑行為ヲ行ハセラレテヰタ事ノ復讐ダ」という日本の軍人の話を紹介している。
米軍は帝国主義軍隊であり、ベトナム戦争やイラク戦争での残虐行為、今でも沖縄でレイプ事件が後を絶たないことを考えると、あり得ないと一笑に付すことは出来ない。この「事件」が真実かどうかはわからないが、しかし、この「事件」を口実に、日本軍がオランダの民間人捕虜の中から女性を強制連行して、性奴隷にして良いはずがない。
しかも、インドネシア駐留中の3年半に、日本軍が数万人を越えるインドネシア女性を性奴隷にしてきた事も含めて、このような「復讐論」で合理化することなど許されるはずがない。
行き詰まった、先の見えない侵略戦争のまっただ中で、刹那的な快楽を追い求める日本軍の中に、それでもまだ理性的な兵士がいたことも事実である。
Z医師は「宮地(医師)ハ日ノ丸慰安所デT.d.Oヲ犯サントシタノデ、T.d.Oハ逃出シ、青柳(アンバラワ刑務所の看守)ガ保護シテヤッタガ、彼女ノ衣服ハビリビリニ破レテヰタ」「慰安所ノ婦人ニ援助ヲ与ヘタコトガ知レタラ大変ダカラ(決して口外してくれるな)」などと言っていた青柳伍長について証言している。
軍事オンブズマン制度のない軍隊では、このような理性も戦争というエネルギーでへし折られていくのである。
安倍首相が「証拠がない」と言って、河野談話を見直すとしているが、その意図は戦争をする「普通の国」をめざし、侵略の軍隊を養成し、そして軍隊を先の見えない極限的な窮地に突き落とそうとしているのである。
かつての侵略戦争を真っ正面から見据え、アジアの人々の犠牲をこころから悔やみ、反省し、謝罪し、再び軍隊を持たないことだけが、私達の進むべき道なのではないか。
インドネシア・スマラン事件の開示文書を読んでいくと、日本軍による性犯罪の実態に絶句せざるを得ない。被害者の証言に見られる日本軍による性犯罪があまりにもすさまじいので、そのまま伝えてよいものかどうか、躊躇せざるを得ないほどである。
これらの開示文書の中に、E.F.Zikel医師の証言がある。
Z医師は「スマラン事件ノ原因ハ日本人ガ捕ヘタ米国潜水艦ノ中ニ日本人ノ婦人ガノセラレテヰテ、強制的ニ売笑行為ヲ行ハセラレテヰタ事ノ復讐ダ」という日本の軍人の話を紹介している。
米軍は帝国主義軍隊であり、ベトナム戦争やイラク戦争での残虐行為、今でも沖縄でレイプ事件が後を絶たないことを考えると、あり得ないと一笑に付すことは出来ない。この「事件」が真実かどうかはわからないが、しかし、この「事件」を口実に、日本軍がオランダの民間人捕虜の中から女性を強制連行して、性奴隷にして良いはずがない。
しかも、インドネシア駐留中の3年半に、日本軍が数万人を越えるインドネシア女性を性奴隷にしてきた事も含めて、このような「復讐論」で合理化することなど許されるはずがない。
行き詰まった、先の見えない侵略戦争のまっただ中で、刹那的な快楽を追い求める日本軍の中に、それでもまだ理性的な兵士がいたことも事実である。
Z医師は「宮地(医師)ハ日ノ丸慰安所デT.d.Oヲ犯サントシタノデ、T.d.Oハ逃出シ、青柳(アンバラワ刑務所の看守)ガ保護シテヤッタガ、彼女ノ衣服ハビリビリニ破レテヰタ」「慰安所ノ婦人ニ援助ヲ与ヘタコトガ知レタラ大変ダカラ(決して口外してくれるな)」などと言っていた青柳伍長について証言している。
軍事オンブズマン制度のない軍隊では、このような理性も戦争というエネルギーでへし折られていくのである。
安倍首相が「証拠がない」と言って、河野談話を見直すとしているが、その意図は戦争をする「普通の国」をめざし、侵略の軍隊を養成し、そして軍隊を先の見えない極限的な窮地に突き落とそうとしているのである。
かつての侵略戦争を真っ正面から見据え、アジアの人々の犠牲をこころから悔やみ、反省し、謝罪し、再び軍隊を持たないことだけが、私達の進むべき道なのではないか。