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小松基地問題研究会

20240720森喜朗によるNHK介入 『NHKは誰のものか』を読む

2024年07月21日 | 日本軍性暴力関係原資料
20240720森喜朗によるNHK介入
    『NHKは誰のものか』(長井暁著、2024年)を読む

 2021年2月3日の日本オリンピック委員会臨時評議員会で、森喜朗(東京オリ・パラ大会組織委員会会長)が、「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」と発言した。これが国内外で批判されたため、4日の記者会見で謝罪し、発言を撤回し、居座ろうとしたが、11日にしぶしぶ辞任したことは記憶に残っている。
 しかし、その直前の1月に、森喜朗がNHKに圧力をかけて、番組放映を中止(延期)させていたことは、この本を読むまで知らなかった。

いきさつ
 1月13日に、「東京オリ・パラ」開催の是非に関するNHK世論調査の結果が放映された。「ⓐ開催すべき=16%、ⓑ中止すべき=38%、ⓒさらに延期すべき=39%」という結果があり、「ⓐ開催が先月より11ポイント下落して16%、ⓑ中止+ⓒ延期が先月より7%上昇して77%」と報じた。

 この世論調査報道が、森喜朗の怒りに触れたようで、組織委員会からNHKに「森会長が怒っています」という電話があり、そのいきさつを知った武藤敏郎東京オリ・パラ事務総長が14日に森喜朗に会った。そこで何が話されたのかは藪の中だが、おそらく1月24日放映予定の「令和未来会議 どうする?東京オリ・パラ」も話題にあがったのであろう。

 その翌日(15日)正籬放送総局長からNHKスペシャル(Nスペ)を統括する森田正人(大型企画開発センター長)に「延期できないか」との電話があり、現場で議論の末延期が決まったという。「令和未来会議 どうづる?東京オリ・パラ」は予定通り放映されず、延期され、2カ月後の3月21日に放映された。
 1月24日から3月21日に延期されたのだが、その間に番組の内容も改編されたであろうことは推測できる。

勝手にルール変更
 さらに重大なことは、森喜朗によるクレームで、東京オリ・パラ開催の是非に関する2月世論調査の質問項目が変更されたことである。ⓓこれまでと同様におこなう=3%、ⓔ観客の数を制限しておこなう=29%、ⓕ無観客でおこなう=23%、ⓖ中止する=38%」との結果があり、「ⓓ開催+ⓔ開催+ⓕ開催=賛成は55%、ⓖ反対は38%」と報道された。1カ月間で、開催賛成を16%→55%へと激変させたのである。まさにマジックである。

 質問項目の変更は、世論調査の禁じ手である。囲碁であろうが将棋であろうが、遊びであろうがスポーツであろうが、禁じ手(ルール)がなければ一切成立しない。NHKはここまでして、上に媚びているのである。そしてそうさせているのが森喜朗ら政界なのである。

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