◆1974.10.25【名古屋防衛施設局から小松市への文書】
小松基地ファントム配備に伴う当庁の諸施策について（案）
１、方針
小松市民の生活に最も影響を及ぼしている飛行の安全には十分に留意し、かつジェット機騒音の軽減緩和については、従来から法律の範囲内において周辺対策を講じてきたところであるが、今回F4Eｊを当基地に配備することに伴い、これを一歩進め、騒音源対策についても留意するとともに、とくに進入表面下の騒音軽減については十分に配慮し、もって基地の運用と市民生活の調和を計るため、当庁はつぎの諸施策を誠意をもって実施するものとする。
飛行の安全性及び航空機整備等について
（イ）操縦関係について
a航空機の機体、エンジン等の構造、機能の再教育により、故障判断能力の向上を計る。
b緊急事態対処能力の向上のため。各種事態に応ずる緊急手順の再教育を実施し、併せて従来の事故例の研究、故障の想定状況を与え、緊急手順を誤りなく実施させる等の教育訓練を実施し万全を期する。
（ロ）航空機の整備関係について
a航空機（機体、エンジンそれぞれにつき）の来歴等から航空機の個性、個癖、特異、故障内容等を整備員も操縦者も知悉するよう指導する。
bエンジンマウント（エンジン取付部）の点検、機体の各種点検、ドロップタンク等、各種装備品の確実な装着点検を実施する。
２、騒音源対策
（１）飛行運行の自主的規制について
ア 基地運用面において自主的騒音規制を次の通りおこなう。
（ア）自主規制騒音対策として、ジェット機の飛行方法による騒音軽減を計るほか、時間帯制限、各種行事の実施時における規制を飛行安全との調和を計りつつ実施する。
（イ）地上騒音源対策として、サイレンサー並びに防音堤（ウオミングアップ、エプロン等における）防音壁等を設置し、地上音の軽減を計る。
（ウ）背風離陸：騒音軽減上、風速5ノット以下の
イ 基地内の緑化計画
基地の場周に幅50メートルないし100メートルの緩衝緑地帯を設け、2重3重の遮音を計る。
（２）滑走路西側延長計画
滑走路の西側延長については、加賀市からの反対提起が考慮されるので、約300メートルほど延長することについて検討中である。
（３）研究機関の設置
騒音対策についての研究機関の設置について検討する。
３、騒音対策
（１）指定区域内の移転措置について
滑走路長軸を中心とした指定区域(1080m×2000m)内民家移転については、申請があれば実施する。
なお住宅の移転については、10戸以上で地方公共団体、公法人または移転者全員を含む私法人(任意組合)を事業主体として実施できるので、小松市の強力な支援を得て積極的にこれが推進を計る。
（２）個人住宅防音について
法に基づく区域告示後速やかに実施する。
なお住宅の防音化については当面防音改造(1室)を優先し、完全空調を実施するとともに、騒音の軽減は環境基準のWECPNL65以下に達成できるよう施工する。
なお補助額は100％、但し利する分は控除する。
(注)運輸省の補助額は75％である。
(参考)環境庁告示にもとづき、当面WECPNL85以上の地域にたいし、住居の移転、住宅の防音化により環境基準を逐次達成していく所存である。
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◆1974.11.19【小松市から名古屋防衛施設局への文書】
発第1987号
昭和49(1974)年11月19日
名古屋防衛施設局長殿
小松市長 竹内伊知
小松市議会議長 中口清栄
第303飛行隊関連施設の整備について
本年8月30日、貴殿より口頭で申し入れを受けた標記については、次の理由によって、事前協議が整うまで着工されないよう強く要望します。
記
１．昭和39年4月30日付け「小松基地拡張に伴う小松市要望事項にたいする協定書」及び同覚書に定める事前協議事項に該当すること。
２．新機種配備に関して、騒音防止並びに安全確保のための施策が示されていないことにたいし、周辺市民が不安と危惧の念をもちあげて反対していること。
小松基地ファントム配備に伴う当庁の諸施策について（案）
１、方針
小松市民の生活に最も影響を及ぼしている飛行の安全には十分に留意し、かつジェット機騒音の軽減緩和については、従来から法律の範囲内において周辺対策を講じてきたところであるが、今回F4Eｊを当基地に配備することに伴い、これを一歩進め、騒音源対策についても留意するとともに、とくに進入表面下の騒音軽減については十分に配慮し、もって基地の運用と市民生活の調和を計るため、当庁はつぎの諸施策を誠意をもって実施するものとする。
飛行の安全性及び航空機整備等について
（イ）操縦関係について
a航空機の機体、エンジン等の構造、機能の再教育により、故障判断能力の向上を計る。
b緊急事態対処能力の向上のため。各種事態に応ずる緊急手順の再教育を実施し、併せて従来の事故例の研究、故障の想定状況を与え、緊急手順を誤りなく実施させる等の教育訓練を実施し万全を期する。
（ロ）航空機の整備関係について
a航空機（機体、エンジンそれぞれにつき）の来歴等から航空機の個性、個癖、特異、故障内容等を整備員も操縦者も知悉するよう指導する。
bエンジンマウント（エンジン取付部）の点検、機体の各種点検、ドロップタンク等、各種装備品の確実な装着点検を実施する。
２、騒音源対策
（１）飛行運行の自主的規制について
ア 基地運用面において自主的騒音規制を次の通りおこなう。
（ア）自主規制騒音対策として、ジェット機の飛行方法による騒音軽減を計るほか、時間帯制限、各種行事の実施時における規制を飛行安全との調和を計りつつ実施する。
（イ）地上騒音源対策として、サイレンサー並びに防音堤（ウオミングアップ、エプロン等における）防音壁等を設置し、地上音の軽減を計る。
（ウ）背風離陸：騒音軽減上、風速5ノット以下の
イ 基地内の緑化計画
基地の場周に幅50メートルないし100メートルの緩衝緑地帯を設け、2重3重の遮音を計る。
（２）滑走路西側延長計画
滑走路の西側延長については、加賀市からの反対提起が考慮されるので、約300メートルほど延長することについて検討中である。
（３）研究機関の設置
騒音対策についての研究機関の設置について検討する。
３、騒音対策
（１）指定区域内の移転措置について
滑走路長軸を中心とした指定区域(1080m×2000m)内民家移転については、申請があれば実施する。
なお住宅の移転については、10戸以上で地方公共団体、公法人または移転者全員を含む私法人(任意組合)を事業主体として実施できるので、小松市の強力な支援を得て積極的にこれが推進を計る。
（２）個人住宅防音について
法に基づく区域告示後速やかに実施する。
なお住宅の防音化については当面防音改造(1室)を優先し、完全空調を実施するとともに、騒音の軽減は環境基準のWECPNL65以下に達成できるよう施工する。
なお補助額は100％、但し利する分は控除する。
(注)運輸省の補助額は75％である。
(参考)環境庁告示にもとづき、当面WECPNL85以上の地域にたいし、住居の移転、住宅の防音化により環境基準を逐次達成していく所存である。
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◆1974.11.19【小松市から名古屋防衛施設局への文書】
発第1987号
昭和49(1974)年11月19日
名古屋防衛施設局長殿
小松市長 竹内伊知
小松市議会議長 中口清栄
第303飛行隊関連施設の整備について
本年8月30日、貴殿より口頭で申し入れを受けた標記については、次の理由によって、事前協議が整うまで着工されないよう強く要望します。
記
１．昭和39年4月30日付け「小松基地拡張に伴う小松市要望事項にたいする協定書」及び同覚書に定める事前協議事項に該当すること。
２．新機種配備に関して、騒音防止並びに安全確保のための施策が示されていないことにたいし、周辺市民が不安と危惧の念をもちあげて反対していること。
