◆1974.10.19【名古屋防衛施設局から小松市への文書】
小松基地において自主的騒音規制について
小松基地では、周辺住民の人達に少しでもジェット機による騒音が少なくなることを願って、中央施策(施設庁による防音、移転などの周辺対策)とは別個に、基地自体が「騒音対策」を「飛行安全」との調和を図りつつ次の事項を実施しつつあります。
騒音源の規制
当基地の騒音発生源は当然航空機によるものですが、これを「時間帯制限」「各種行事に対する規制」「飛行方法による騒音軽減」に分けて自主的に規制しております。
これは、周辺住民の方々の声や、小松市の行政にたずさわっておられる方々の意見を何とか現実に反映させたいと、基地としての「任務遂行」や「飛行安全」との限界ぎりぎりに煮つめた結果であり、今後更に良き対策があれば、基地として総能力を持ち、且つ真しな態度を持って解決してゆきたいと決心しております。
(1)時間帯制限
周辺住民の方々の生活を乱さないため次の事項を定めております。
(ア)「就寝時間の制限」 2200以降翌朝0700(0600~0700基地司令の承認が必要)の間止むを得ない要務飛行のほか、ジェット訓練機の離発着及び地上での試運転等を自粛する。試運転の実施は上記時間内でも風向及び雲の高さ等考慮しております。
(イ)「昼休み時間の制限」 1200~1300の間止むを得ない要務等のほか、ジェット訓練機の離発着を自粛する。
(2)「各種行事に対する規制」
小松市民の一員として小松市の行事を積極的に支援する意味を含めて、次のような行事には、その内容に応じて飛行訓練を制限する。
ア 市議会本会議及び重大な会議 飛行訓練の中止
イ その他の会議実施間(委員会等) 安全上許す限り海側(西向)に離陸し、着陸は西側から侵入する。
西側から風が強い時は、海上から廻り込んで着陸する。
ウ 市内高校入試間(一部の課目について適用) 飛行訓練の中止
エ 小学校等での特殊テスト間(知能テスト) 飛行訓練の中止
オ お旅まつり、その他重要な行事 訓練量、時間帯、訓練課目、侵入要領等を規制する。
第6航空団の訓練機のみでなく外来機にも適用する。
(3)「飛行方法による騒音軽減」
飛行運用要領面について「飛行安全」との調和を保ちつつ、可能な範囲内で次の事項を実施しております。
ア 離陸
(ア)背風離陸(試行中) 飛行性能及び飛行安全確保上許される範囲内で海側(西向)についてのみ離陸する(主として有視界飛行状態)。
(イ)T/oFLAPのUPの時機を遅らせ速やかに高度を収得する(試行中)
(ウ)可能な限り人家を避け北側に離脱する様に努める(実施中)
(エ)東向に離陸せざるを得ない場合には編隊離陸を実施しない(実施中)
イ 着陸
(ア)着陸侵入コースを現在より更に海側に変更
(イ)着陸侵入高度を更に高く規定する(検討中)
(ウ)最終着陸コースのオーバーシュート(市街地内に入らない)防止(指導中)主としてパイロットの技術上の指導
防音施設
音の発生源である飛行場と周辺の民家とを遮断して音の被害を少なくするという事を吾々の願望としており、このために直接的にはサイレンサー、防音提(ランアップ-テストスタンド)、防音壁(アラート裏万年塀)等中央施策として、実施されています。ほか基地として次の事項を計画実施しております。
(1)基地内に総合的な防音林計画を立案し、現在は松林内の若木を移植して(約900本)防音林を造成中です。
(2)特にサイレンサー周辺については、三重、四重の遮断を考え、次(3)項以下の施策のほかに防音効果があると云われています竹林(49.4.24約60本を県林業試験場の指導で金沢から移植した)を試験的に造成し逐次拡大したいと考えています。又サイレンサーの音が他に溢脱しないよう「廃品のターゲットを利用した防音壁」を考察し実施しております。これは昭和49年7月末、高さ4米×長さ33米を第1段階として作成し、約7~10ホーンの低下を見ましたので、更に移動式の防音壁を作成する予定です。
(3)防音提の作成
現在のサイレンサーは松林に囲まれてはいますが更に防音効果を高めるため、松林内に土を運搬し防音提を作成中です。
(4)防音林(樹種等)の検討
どのような●型、樹型が航空機騒音防止に適しているか、どんな植え方が良いのか、何処に植えたら効果があるのか、専門家の指導を受けて、素人ながら何でもやって見るという方向で真剣に研究態度を取っております。
騒音対策機構
基地としては騒音対策に総力を挙げ衆知を集めて効果的に実施するため、次の事項を検討中であります。
(1)基地騒音対策機構
この組織は現在の組織によりその業務分担に従って処理する方法ではなく、副司令を長として基地内の所在各部隊から騒音対策幹部をそれぞれ指名し、総合的に且つ一貫した専門的に取らえて対策を立てることを目的とした特別編成の組織です。
(2)問題処理班
この組織は基地周辺の住民等からの騒音等の各種指摘事項があった場合、直接その人たちに面接し問題点を処理していくことを目的とした専門のチームです。
添付書類
①小松基地ジェット機発信帰投要領
②小松基地平面図
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小松基地において自主的騒音規制について
小松基地では、周辺住民の人達に少しでもジェット機による騒音が少なくなることを願って、中央施策(施設庁による防音、移転などの周辺対策)とは別個に、基地自体が「騒音対策」を「飛行安全」との調和を図りつつ次の事項を実施しつつあります。
騒音源の規制
当基地の騒音発生源は当然航空機によるものですが、これを「時間帯制限」「各種行事に対する規制」「飛行方法による騒音軽減」に分けて自主的に規制しております。
これは、周辺住民の方々の声や、小松市の行政にたずさわっておられる方々の意見を何とか現実に反映させたいと、基地としての「任務遂行」や「飛行安全」との限界ぎりぎりに煮つめた結果であり、今後更に良き対策があれば、基地として総能力を持ち、且つ真しな態度を持って解決してゆきたいと決心しております。
(1)時間帯制限
周辺住民の方々の生活を乱さないため次の事項を定めております。
(ア)「就寝時間の制限」 2200以降翌朝0700(0600~0700基地司令の承認が必要)の間止むを得ない要務飛行のほか、ジェット訓練機の離発着及び地上での試運転等を自粛する。試運転の実施は上記時間内でも風向及び雲の高さ等考慮しております。
(イ)「昼休み時間の制限」 1200~1300の間止むを得ない要務等のほか、ジェット訓練機の離発着を自粛する。
(2)「各種行事に対する規制」
小松市民の一員として小松市の行事を積極的に支援する意味を含めて、次のような行事には、その内容に応じて飛行訓練を制限する。
ア 市議会本会議及び重大な会議 飛行訓練の中止
イ その他の会議実施間(委員会等) 安全上許す限り海側(西向)に離陸し、着陸は西側から侵入する。
西側から風が強い時は、海上から廻り込んで着陸する。
ウ 市内高校入試間(一部の課目について適用) 飛行訓練の中止
エ 小学校等での特殊テスト間(知能テスト) 飛行訓練の中止
オ お旅まつり、その他重要な行事 訓練量、時間帯、訓練課目、侵入要領等を規制する。
第6航空団の訓練機のみでなく外来機にも適用する。
(3)「飛行方法による騒音軽減」
飛行運用要領面について「飛行安全」との調和を保ちつつ、可能な範囲内で次の事項を実施しております。
ア 離陸
(ア)背風離陸(試行中) 飛行性能及び飛行安全確保上許される範囲内で海側(西向)についてのみ離陸する(主として有視界飛行状態)。
(イ)T/oFLAPのUPの時機を遅らせ速やかに高度を収得する(試行中)
(ウ)可能な限り人家を避け北側に離脱する様に努める(実施中)
(エ)東向に離陸せざるを得ない場合には編隊離陸を実施しない(実施中)
イ 着陸
(ア)着陸侵入コースを現在より更に海側に変更
(イ)着陸侵入高度を更に高く規定する(検討中)
(ウ)最終着陸コースのオーバーシュート(市街地内に入らない)防止(指導中)主としてパイロットの技術上の指導
防音施設
音の発生源である飛行場と周辺の民家とを遮断して音の被害を少なくするという事を吾々の願望としており、このために直接的にはサイレンサー、防音提(ランアップ-テストスタンド)、防音壁(アラート裏万年塀)等中央施策として、実施されています。ほか基地として次の事項を計画実施しております。
(1)基地内に総合的な防音林計画を立案し、現在は松林内の若木を移植して(約900本)防音林を造成中です。
(2)特にサイレンサー周辺については、三重、四重の遮断を考え、次(3)項以下の施策のほかに防音効果があると云われています竹林(49.4.24約60本を県林業試験場の指導で金沢から移植した)を試験的に造成し逐次拡大したいと考えています。又サイレンサーの音が他に溢脱しないよう「廃品のターゲットを利用した防音壁」を考察し実施しております。これは昭和49年7月末、高さ4米×長さ33米を第1段階として作成し、約7~10ホーンの低下を見ましたので、更に移動式の防音壁を作成する予定です。
(3)防音提の作成
現在のサイレンサーは松林に囲まれてはいますが更に防音効果を高めるため、松林内に土を運搬し防音提を作成中です。
(4)防音林(樹種等)の検討
どのような●型、樹型が航空機騒音防止に適しているか、どんな植え方が良いのか、何処に植えたら効果があるのか、専門家の指導を受けて、素人ながら何でもやって見るという方向で真剣に研究態度を取っております。
騒音対策機構
基地としては騒音対策に総力を挙げ衆知を集めて効果的に実施するため、次の事項を検討中であります。
(1)基地騒音対策機構
この組織は現在の組織によりその業務分担に従って処理する方法ではなく、副司令を長として基地内の所在各部隊から騒音対策幹部をそれぞれ指名し、総合的に且つ一貫した専門的に取らえて対策を立てることを目的とした特別編成の組織です。
(2)問題処理班
この組織は基地周辺の住民等からの騒音等の各種指摘事項があった場合、直接その人たちに面接し問題点を処理していくことを目的とした専門のチームです。
添付書類
①小松基地ジェット機発信帰投要領
②小松基地平面図
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