OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

はるみでゴーゴー

2014-06-20 14:27:14 | 歌謡曲

涙のバラ / 都はるみ (日本コロムビア)

都はるみは説明不要、我国歌謡界で数多くの大ヒットを放ち、そのクドイほどのコブシとウナリが特徴的な節回しは唯一無二の存在ですが、そのスタイルは楽曲によって変化するなぁ~んて事は、もちろんありません。

例えば、本日掲載のシングル盤A面曲「涙のバラ」は昭和43(1968)年夏の大ヒットなんですが、ということは当然ながら、作詞:三浦康照&作曲:市川昭介の狙いは流行最先端のGS歌謡!?!

ですから、味付けの濃いストリングスとエレキギターの全面使用、さらにはニューオリンズ系R&Bを彷彿とさせられるドラムスとベースのビート感が導入されていますから、前述した都はるみの歌いっぷりの個性が尚更に全開しているんですねぇ~~♪

いやはや、ここまでやられると、現代で言われるところの「和物グルーヴ」なぁ~ていう陳腐な業界用語が恥ずかしくなるほどですよっ!

ご存じのとおり、彼女は次曲「好きになった人」を決定的な代表作にするわけですから、都はるみの全盛期を何時にするかは難しい問題ではありますが、この頃が第一次黄金時代と言えましょうか、とにかくノリにノッていた「はるみ節」が、この「涙のバラ」を忘れられないものにしているのは確かです。

ちなみにジャケットは初見、味気ないデザインですが、当時の慣例(?)として見開きにしてみれば、なんとっ!

都はるみがミニスカ姿でジャストミートのファンキーポーズを披露♪♪~♪

正直、サイケおやじは、それほどのセクシーさは感じませんが、こうした高揚感こそが、昭和元禄の日本を象徴するものでありました。

ということで、話は変わりまして、本日のサッカーW杯の日本チームは、これで完全に他力本願の結果になりましたが……。

それも楽しみが続くと思えば、前を向いてっ!!

都はるみのイケイケなコブシとウナリは、そうした状況にもドンピシャのような気がしています。

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アイドル歌謡にリンダの永久を

2014-06-19 14:52:18 | 歌謡曲

恋は熱烈 / 山本リンダ (キャニオン)

山本リンダと言えば、デビュー当時は元祖アイドル歌手のひとりであったはずが、やはり今では大ヒット「どうにもとまらない」以降のセクシーアクション歌謡というイメージが勝っているんじゃ~ないでしょうか。

もちろん彼女にしても、状況的に今更デビューヒットの「こまっちゃうな」等々を歌うのは不自然であろうと推測されるわけですが、しかし、そうしたギャップが打ち消せないところに山本リンダの魅力の一端があると思うのは、サイケおやじだけでしょうか。

と、ノッケから勝手な疑念(?)の思い込みを書き連ねてしまったのも、それだけ山本リンダには打ち消せない「何か」を感じているからで、そんな「迷い(?)」のようなものが痛烈に出ているのが、昭和50(1975)年に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「恋は熱烈」です。

だって、作詞:岡田冨美子&作曲:加瀬邦彦、そして編曲:萩田光雄の狙ったところは、リアルタイムのアイドル歌謡ポップスがど真ん中の仕上がりなんですよっ!

ところがジャケ写は、如何にも当時の山本リンダがそのまんまのイメージという、情熱のアクション歌謡が全面的に表現されているんですから、いやはやなんとも、その落差というか、ギャップの凄さを「迷い」と思わずして、何が山本リンダを聴く姿勢なのか……!?

極言すれば、ここでの山本リンダの節回しや声質から滲むセクシーさが、ど~にも曲調にはミスマッチ過ぎるんですよねぇ~~~!?▲▼◎■?

ところが、それがクセモノというか、もしも同曲を例えば麻丘めぐみ、あるいは桜田淳子あたりが歌ったとしたら、ここまでの味わいが出せるのかは大いに疑問ですし、そんな「味わい」なんかアイドル歌謡の世界には不必要という結論さえ導かれてくるような、そんなこんなに熱くなってしまうのも、昭和歌謡曲を楽しむサイケおやじの態度のひとつなのでしょう。

ということで、山本リンダは永遠のアイドルシンガー!?!

そう、断じてしまいたいんですよ、サイケおやじの心情は。

ただし、もう、ずぅ~~~っと山本リンダのライプステージには接した事が無いサイケおやじとしては、当然ながら現在の彼女がどのような演目を披露しているのかを知りません。

それでも、今も「恋は熱烈」を歌ってくれる彼女を夢想して止みません。

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街を歩く岡崎広志

2014-06-18 14:31:10 | 歌謡曲

街を歩こう / 岡崎広志 (ヤマハ)

一般的な知名度は低いかもしれませんが、昭和の日本男児であれば、岡崎広志の声は聴いたことがあるはずです。

中でも有名なところでは、昭和の深夜テレビ番組を代表する「11PM」のテーマ曲、例の「シャバダバ」スキャットなんですよ♪♪~♪

そして皆様ご推察のとおり、岡崎広志は基本的にジャズプレイヤーなんですが、決して頭でっかちではなく、アルトサックスとボーカルを常に歌心を大切した演奏で聞かせてくれるという、なかなか粋なミュージシャンであり、特に男女混声のコーラスグループとしては我国の草分けであろうフォーシンガーズを結成しての活躍も忘れられないと思います。

もちろんレコーディングは夥しく残されており、自身のリーダー作品はもちろん、スタジオセッションからCM曲の仕事、あるいは来日外タレのバックや前座を含む、歌伴系の演奏も超一流ならば、ボーカルも実に上手いんですよねぇ~~♪

さて、そこで本日ご紹介する掲載盤A面曲「街を歩こう」は、昭和46(1971)年に録音制作された、実はヤマハの販促用楽曲なんですが、結論から言うと、なかなかライトタッチの歌謡ポップスがど真ん中!?

全然、ジャズっぽく無いわけでして、ところがバックの演奏を担当したのが渡辺貞夫(as)、福村博(tb)、遠藤利吉(g)、菊地雅章(p)、鈴木良雄(b)、つのだ・ひろ(ds) という、当時の渡辺貞夫グループに出入りしていた豪華なメンツであり、しかも作詞:青木誠&作編曲:渡辺貞夫というクレジットがあっては、捨て置けないブツでしょう。

ただし、繰り返しますが、ジャズっぽさやボサノバフィーリングは希薄なんで、そっち方面を期待すると肩すかし……。

と同時に、岡崎広志のオールマイティな歌の実力は存分に味わえる、隠れた名品かと思います。

ちなみに今回は諸事情から歌詞の記載は割愛させていただきますが、歌の中身は冬の情景&心象描写ながら、初夏~真夏に聴いても、なかなか和んでしまうところに、岡崎広志の味わい深さがあるような気がします。

ということで、お洒落でイヤミの無い歌と演奏が聴きたくなった時は、岡崎広志がオススメですよ。

現在では、リアルタイムで制作されながら、あまり売れなかった音源が地道にCD復刻されていますので、機会があれば、聴いてみてくださいませ。

ただし残念ながら、この「町を歩こう」の復刻はど~なっているんでしょうねぇ……。

物理的にも岡崎広志のコンプリートな音源集成は不可能と断じざるを得ませんが、アンソロジー&レアリティーズが編まれるとすれば、不可欠なトラックが「街を歩こう」だと、常にサイケおやじは強く思っているのでした。

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一番好きなシルヴィのレコード

2014-06-17 14:11:40 | Pops

コンパクト・グランプリ・シリーズ:シルヴィ・バルタン (RCA)

 A-1 哀しみのシンフォニー / Caro Mozart
 A-2 悲しみの兵士 / Les Hommes
 B-1 あなたのとこり / Irresisitiblement
 B-2 恋人時代
 B-3 アイドルをさがせ / La Plus Belle Pour Aller Danser

何時も美しすぎるシルヴィ・バルタンのお姉様が、これは代表的なヒット曲を集めた、日本編集のコンパクト盤なんですが、サイケおやじが、あえてこれを中古ゲットしたのは、見つめてくれるシルヴィお姉様のジャケ写ポートレイトは言わずもがな、B面2曲目に入れられた「恋人時代」がお目当てでありました。

なにしろ、これは昭和46(1971)年の来日時にレコーディングされた、作詞:山上路夫&作曲:村井邦彦による日本語の歌謡ポップスなんですからねぇ~~♪

もちろん、前述のソングライターコンビは我国屈指のソフトロック主義者という作風は素晴らしく、しかし最高に素敵なのは、何の違和感も無い、流麗な日本語の節回しを聞かせてくれる彼女の歌の世界です。

しかも、葵まさひこの絶妙のグルーヴ感が効いたアレンジによって、なんとなく弘田三枝子にも歌って欲しくなるような、密度の濃さがたまりません♪♪~♪

当然ながら、この「恋人時代」はリアルタイムでシングル盤が出ていたわけですが、サイケおやじは経済的な理由から入手が叶わず、それゆえに後々まで探索の対象にしていながら、良い出会いが無くて、時が流れ……。

ようやく手に入ったブツが掲載盤というわけですが、それにしても収録の全5曲、やっぱりグッとシビれる歌ばっかり♪♪~♪

それはモーツァルトの「交響曲40番」をアダプトした「哀しみのシンフォニー / Caro Mozart」から鋭いメッセージーが含まれているとして話題集中だった「悲しみの兵士 / Les Hommes」と続くA面、そして確か1968年の交通事故から見事なカムバックヒットになった「あなたのとこり / Irresisitiblement」、さらにオーラスには、これぞっ! シルヴィ・バルタンの誰もが知っている極みの大ヒット「アイドルをさがせ / La Plus Belle Pour Aller Danser」がせつなくなる、本当に見事な流れのB面の中にあって、何ら自然に聴けてしまうのが、日本制作の「恋人時代」なんですから、心底和みます♪♪~♪

今となっては何れの名曲名唱もCD等々で簡単に聴けるとは思いますが、サイケおやじが一番に愛聴していたシルヴィ・バルタンのレコードが、これっ! ということで、本日ご紹介させていただきました。

う~ん、シルヴィお姉様のコンプリートコレクションという、非常にアブナイに道に惹き込まれそうな、嬉しくもせつない予感に満たされています。

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未だ正統派アイドルの桜田淳子

2014-06-16 15:14:41 | 歌謡曲

ミスティー / 桜田淳子 (日本ビクター)

桜田淳子は説明不要、昭和歌謡曲の正統派アイドルを貫く女性歌手であったわけですが、ご存じのとおりの事情から極自然にフェードアウトし、だからこそ熱心な彼女のファンは今に至るも複雑な思いでありましょうし、それ以外の普通に芸能を楽しむ姿勢の皆様であれば、野次馬的な興味と共に、全盛期の彼女のイメージをあれこれと夢想するのも悪くはありません。

本日掲載のシングル盤は、ちょうど桜田淳子が女の子アイドルから大人の歌手へと移行していた昭和56(1981)年初夏に発売された1枚なんですが、何んと言ってもジャケ写の魅力には勝てません♪♪~♪

あぁ~、思わず撮影中のスタジオで見ている場所を変えたくなるのは必定という彼女のポーズの着エロフィーリングは、その頃には女優としての才能も開花させていたとはいえ、やはりアイドル正統派の証でありましょう。

しかし気になるA面曲「ミスティー」は作詞:小林和子&作曲:小田裕一郎による典型的な当時の洋楽系歌謡曲で、もちろん大村雅朗が施したアレンジは無機質テクノなんですから、なかなかサイケおやじには夢中になれない世界……。

まあ、それもリアルタイムでは我国歌謡界のポップス部門では最先端であったわけですから、既にして OLD WAVE な体質を露呈していたサイケおやじとしては皆様ご推察のとおり、所謂ジャケ買いの中古ゲットが真相というわけです。

当時のテレビ出演でも、なかなか露出度の高い衣装で歌っていた桜田淳子は特にサイケおやじが夢中なる存在ではありませんでしたし、例によって口の悪い妹に言わせると、彼女は左右の目の位置がズレているとか!?

それでもサイケおやじは彼女のルックスで素敵だなぁ~♪ と感じるのは、思い込みかもしれませんが「手の小ささ」なんですよ。

ということで、如何にも夏向きと言うよりは、着エロのブツという概念でご紹介させていただきました。

確か桜田淳子にとっては、歌手活動でも末期の作品かと記憶しておりますが、相当な大ヒットを放ち続けた彼女であっても、今となってはなんとなく残したものが希薄に感じられ、むしろサイケおやじとしては、女優としての桜田淳子をもっと観たかったと……。

芸能界に戻って来るのは困難かもしれませんが、きっと深みのある演技を披露していくれるにちがいないと思っています。

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沖縄から世界に咲いた花

2014-06-15 15:12:52 | 日本のロック

すべての人の心に花を / 喜納昌吉&チャンプルーズ (タイム / ポリドール)

もちろん好き嫌いはあるにせよ、喜納昌吉が沖縄伝来の音楽を継承発展させんとした試みと成果は、やはり芸能史に特筆されるものでしょう。

中でも本日掲載のシングル盤A面曲「すべての人の心に花を」は、別曲タイトル「花」として、幅広いミュージシャンが歌って演奏し、カバーバージョンも世界中で夥しくレコーディングされていますので、皆様も必ずや一度はは耳にされている傑作なんですが、やはり喜納昌吉&チャンプルーズが昭和55(1980)年に出したオリジナルバージョンは極みの名曲名演!

当然ながら作詞作曲は喜納昌吉が世界の平和という大上段に構えたところよりは、むしろ人と人との繋がりや自然の大らかさを基本する穏やかな世の中を希求する心を歌ったものと、そんなふうにサイケおやじは独断専行で思っているわけでして、例えそれがサイケおやじの勘違いだと言われようとも、気持はひとつ♪♪~♪

なによりも、まずは主役で歌う喜納友子のナチュラルな説得力に満ちた節回しと声質の素晴らしさは、一期一会の感銘でありましょうか。

また、チト河内に久保田麻琴とライ・クーダーが関わったアレンジも絶品で、特に間奏で流れるライ・クーダーのスライドギターは絶品ですよっ!

あぁ、この自然に落涙させられてしまう全篇のサウンドの響きは、立派な世界遺産でしょうねぇ~~~♪

ちなみに喜納昌吉&チャンプルーズは、この「すべての人の心に花を」を同年に出したLP「ボーダー・ライン」に収めていますが、実はライ・クーダーもいっしょの時期に同じタイトルのアルバムを制作発売しており、しかも収録数曲において、オキナワモードを使った演奏を披露しているのですから、これって「鶏と卵」ではありますが、個人的にはライ・クーダーが喜納昌吉の影響を受けたと判断したいところであり、チャンプルーズの件のレコーディングセッションにライ・クーダーが参加した経緯も含めて、皆様からのご意見をお伺いしたく思っています。

ということで、当たり前ですが、喜納昌吉は「ハイサイおじさん」≒「変なおじさん」ばっかりのミュージシャンではありません。

しかし告白すれば、サイケおやじは前述した喜納昌吉&チャンプルーズのLP「ボーダー・ライン」を聴いたのだって、そこにライ・クーダーが参加していたという現実に惹かれたからで、決して主役を目的にしていたわけではなかったのが、お恥ずかしい……。

ところが瞬時「すべての人の心に花を」が大好きになったのは、ライ・クーダー云々よりは、喜納昌吉&チャンプルーズが提供してくれた歌の世界に共感出来たからと思います。

ご存じのとおり、近年の喜納昌吉がやっている政治活動の中身については、全てを肯定するなんて事は出来ませんが、少なくとも「すべての人の心に花を」を作り、広く世界に伝播させた真実については、素直になっています。

最後になりましたが、実は今回、掲載盤を取り出してみたら、肝心のレコードの中身が!?!

なんとっ!

小林さち子=現・小林幸子の「やがて二十才になる女」なぁ~んていう、売れなかった時期のブツが入っていたんですよ……。

う~ん、自分じゃ~、全然自覚症状が無いもんですから、いやはやなんとも、そこで久々に喜納昌吉のベスト盤CDを聴いているのでした。

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逆説:ドラマがあって、歌があるのに

2014-06-14 14:08:57 | 歌謡曲

陽かげりの街 / ペドロ&カプリシャス (ワーナーパイオニア)

昔も今も、テレビドラマの主題歌のヒット確率が高い事は言うまでもありませんが、それが時を経て、何かのきっかけで歌を思い起こす時、不思議と肝心のドラマ本篇が浮かんでこないという現象は、皆様にもご経験がありませんでしょうか。

例えばサイケおやじの場合、本日掲載のシングル盤A面曲「陽かげりの街」が大好きで、もちろん演じているのがペドロ&カプリシャスであれば、作詞:杉山政美&麻生香太郎、作曲:ヘンリー広瀬、そして編曲:萩田光雄が狙ったラテンロック歌謡は薬籠中の名演名唱♪♪~♪

いゃ~、なかなかドラマチックな曲展開が当時のリードボーカリストであった高橋まり=現・高橋真梨子の卓越した歌唱力によって、程好いアクの強さを残すあたりが、クセになりますよ♪♪~♪

で、既に述べたとおり、この「陽かげりの街」は昭和50(1975)年の秋~年末にかけて放送されていた「はぐれ刑事(日本テレビ)」の主題歌だったんですが、サイケおやじはレギュラー出演(?)していた夏純子に惹かれて、それでも時間がある時は観ていたんですが、どうにもドラマの中身がちっとも記憶に残っていないんですから、いやはやなんとも……。

しかし、失礼は重々承知で書いてしまえば、サイケおやじは「陽かげりの街」という素敵な歌と演奏に出会えた事だけで、満足なんですよ。

そういう幸せも大切にしたいと思っています。

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PYG を聴くということ

2014-06-13 14:59:15 | 日本のロック

初めての涙 c/w お前と俺 / PYG (ポリドール)

PYG はGSのスタアが結成した「スーパーグループ」という響きも懐かしいバンドで、それはタイガースからジュリー=沢田研二(vo) とサリー=岸部修三(b)、スパイダースから井上堯之(vo,g) と大野克夫(key)、そしてテンプターズからショーケン=萩原健一(vo) と大口広司(ds) が参集し、既に各々のグループが解散していた昭和46(1971)年2月に公式レコードデビューしたわけですが、本人達が当時の最先端であった「ニューロック」を懸命に標榜しても、日本語主体で歌っている彼等は所詮歌謡曲という括り方はもちろん、もっと辛辣だったのは「悪足掻き」とか「残党」なぁ~んて言われていたんですから、今となっては、それが真実であったとしても、PYG が残した音源を聴くことは、ひとつの儀式以上の行為である事は言うまでもありません。

平たく言えば、少なくともサイケおやじは、リアルタイムから PYG が嫌いではありませんでしたし、基本的にGSが好きだった自分の感性からすれば、PYG は歌謡ロックの素晴らしきバンドでありました。

しかし、ご存じのとおり、PYG は決して大きな成功を収める事なく、翌年の夏頃には自然に活動を停止!?

というか、沢田研二がソロシンガーして堂々と売れ始め、井上堯之、大野克夫、岸部修三が、井上バンド名義でバックバンドというよりは対等の存在感を示せば、萩原健一は俳優として大ブレイクしましたらかねぇ~~~。

だからこそ、PYG は「仇花」とか言われてしまうんでしょうが、前述の井上バンドが本格的に劇伴サントラを担当した萩原健一主演のテレビドラマ「太陽にほえろ」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」等々が何れも素晴らしい印象を残している事を思えば、昭和40年代後半からの我国芸能界は、PYG の影響力から逃れられないわけでしょう。

さて、それはそれとして、本日掲載のシングル盤は、おそらくは PYG 名義としては最後のレコードになるのでしょうか、昭和47(1972)年11月に発売されたもので、まずはA面「初めての涙」が作詞:大橋一枝&作曲:大野克夫による、これがベタベタの「クラプトン歌謡」の決定版!

と言うよりも、実はビートルズの人気曲「While My Guital Gently Weeps」の替え歌の如き味わいが否定出来ませんので、本当は「ジョージ・ハリスン歌謡」とするべきなんでしょうが、井上堯之のギターの泣き方があればこそ、これは「クラプトン歌謡」に括るのがサイケおやじの独断と偏見であります。

もちろんジュリーとショーケンのツインボーカルは言わずもがな、モロにビートルズがど真ん中のコーラスパートの転調具合も良い感じ♪♪~♪

ちなみにドラムスは当時、原田裕臣に交代しており、そのリズム隊がソウル性感度を増している事は、作詞:岸部修三&作曲:大野克夫、そして井上堯之がリードボーカルを聞かせるB面収録曲「お前と俺」に結実していますよ♪♪~♪

いゃ~、このファンキー歌謡曲は、もっと広く伝播されるべきと思うばかりです。

ということで、PYG の音源は現在でも、それなりの復刻はされていますが、サイケおやじとしてはメンバー各々のソロレコーディングに関わった井上バンドのセッションワークも包括したアンソロジーが編まれるべきと、強く念じる次第です。

アイドルバンドと揶揄され、歌謡曲とバカにされる場面さえあった PYG ではありますが、これだけ真っ向から歌謡ロックに取り組んだグループも稀だと思うのはサイケおやじだけでしょうか?

そりゃ~、今や伝説となっている PYG への拒絶反応から様々なロックフェス等々でのヤジの大合唱や疑似暴動にしても、それだけ彼等の存在感が強かった証であったとすれば、後年になって局地的に再評価される動きがあった時でさえ、やはり同じ事の繰り返しになるのは、ど~しようもない現実です。

う~ん、虚心坦懐に PYG を楽しめ日が来る事を祈りつつ、本日は拙プログを書いているのでした。

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みゆきの気分は変わっていない

2014-06-12 14:23:48 | 歌謡曲

気分をかえて / 香坂みゆき (ポリドール)

香坂みゆきは幼少の頃からモデルとして活動していた所為もあるのでしょう、ファッションセンスも着こなしも上手いアイドルであったわけですが、もうひとつ、絶対に評価されるべきは彼女の歌唱力の素晴らしさです。

例えば昭和56(1981)年に発売された本日掲載のシングル盤は、特にA面曲「気分をかえて」における熱唱が強烈でしたねぇ~♪

ご存じのとおり、これは作詞作曲が山崎ハコということで、オリジナルバージョンは彼女が17歳だったと言われる昭和50(1975)年のデビューLP「飛びます」に入っていた、極めてロック寄りの歌謡フォークなんですが、その粗削りな部分を香坂みゆきのバージョンでは大村雅郎のアレンジにより、洋楽ヒットの流行最先端に近づけるという、ひとつ間違えれば、笑って許しての世界にギリギリ接近!?

なんとっ!

プロンディが前年に世界的な大ヒットにした「Call Me」を、そのまんま流用するという荒業が!?!

しかし、それが思わずニヤリの状況変化に結びついているのは、香坂みゆきの卓越した歌唱力があればこそっ!

そういうことなんですよ♪♪~♪

これは実際に両バージョンを聴き比べていただくのが一番ではありますが、山崎ハコがやっていたオリジナルのロックっぽいノリが、例え歌謡曲と言われたとしても、香坂みゆきのバージョンにおけるスピード感満点の歌と演奏にだって、しっかりと受け継がれていると思うのは、サイケおやじだけでしょうか?

ちなみに曲名表記は山崎ハコが「気分を変えて」なのに、香坂みゆきが「気分をかえて」にしてしまったのは、何か作者の山崎ハコの意思が働いていたとすれば、どうにも深い逸話があるような気がします。

ということで、香坂みゆきは現在でも各方面で活動していますし、ボーカリストとしての実力を記録したカバー作品集のアルバムも出して来ているんですが、サイケおやじの印象としては、ど~して彼女は、こんなに(?)中途半端な評価しかされていないのか?

と思わざるをえません。

女の子アイドルの中でも卓越した実力を発揮したボーカリストとしての香坂みゆきは、絶対認識の対象と強く、強く訴えるのが、本日のサイケおやじの独断と偏見なのでした。

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良くも悪くもジャックスは…

2014-06-11 13:15:43 | 日本のロック

からっぽの世界 c/w 時計をとめて / ジャックス (日本コロムビア)

サイケおやじが最も苦手とする日本のグループのひとつが、本日の主役たるジャックスです。

だって、暗いんだもんねぇ~~、ネクラとか、そんなの超越した個性の極北が、ど~してもサイケおやじの感性に合わないんですよ……。

ところが、ここがサイケおやじの節操の無さの表れなんですが、ど~しても認めざるを得ないという、とても好きな楽曲も確かにあるんですよ。

それが掲載盤B面に収録された「時計をとめて」でありまして、学生時代に知り合った狂的なジャックスマニアから仕込まれた、因縁の名曲という他はありません。

とにかく「泣ける歌」ってのは、こ~ゆぅ~もんですよ♪♪~♪

なぁ~んて結論を述べれば、それまでなんですが、あえてジャックスについてサイケおやじの知るところを簡単にご紹介すると、メンバーは大名曲「サルビアの花」を後に書く早川義夫(vo,g)、後年はアレンジャーとしても活躍する木田高介(ds,fl)、水橋春夫(g)、谷野ひとし(b) の4人組で、昭和42(1967)年頃から様々なコンテストやイベントで話題を集め、注目されていた存在でした。

もちろん当時はGSブームの真っ只中でしたから、今日では「日本語のロック」の先駆けと言われるジャックスにしても、その頃はフォークグループ扱いでしたし、決してメジャーな大ヒットを出していたわけでもありません。

しかしラジオの深夜放送ではジャックスの歌が流れる事も自然でしたし、所謂「アングラ」というジャンルで括れば、ジャックスの人気はそれなりに高かったと思います。

ただし、既に述べたとおり、ほとんどがオリジナルという楽曲が、どうにもサイケおやじには馴染めない、どん底までの暗さがあった事も確かで、例えば早川義夫の作詞作曲によるA面曲「からっぽの世界」は、聴いて納得するしかないほどの……。

ちなみに、だからと言って、サイケおやじは楽曲そのものや早川義夫を完全否定するわけではありません。

この「からっぽの世界」にしても、昭和47(1972)年には小林啓子の素晴らしいバージョンが作られ、そこでのロックフィーリングはジャックスの潜在的な魅力を時間を超えて引き出したものと思うばかりですからっ!

その諸々については追々に拙プログでもご紹介の所存ですし、結局、サイケおやじがジャックスに馴染めないのは、そんなこんなの思い込みが強い所為ですから、リアルタイムではレコードは1枚も買った事がありません。

こうして時が流れました。

そして冒頭に述べたとおり、学生時代に邂逅した「時計をとめて」は先入観念に強くあったジャックスの「らしさ」とは似て非なる、なんともサイケおやじの琴線に触れ、涙腺を緩ませてしまう名曲だったんですねぇ~~~♪

水橋春夫の作詞作曲は、なんともせつない最高のラブソングですよ♪♪~♪

あぁ、こういう歌があるからこそ、雑食性と汎用性に優れた日本の大衆音楽は素晴らしいわけです。

ちなみに掲載の私有盤は件のジャックスマニアが布教(?)用にストックしていたブツなんでしょうか、気前良く、ポンッとサイケおやじにプレゼントしてくれた昭和43(1968)年頃の再発盤なんですが、妙に新しいところから妄想推察して、もしかしたら勝手に作られたブート疑惑も!?

そんな事が昭和50年代には、局地的とはいえ、実際の話としてあったんですよ。

閑話休題。

ということで、「時計をとめて」は本当に胸キュンの歌なんで、ぜひとも聴いてみて下さいませ。

当然ながらカバーされる機会も多く、中でもカルメン・マキのバージョンは素晴らしすぎて、涙を抑えきれません。

サイケおやじは不明を恥じ入るばかりでございます。

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