OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

春の歌謡フォーク:其の参

2015-04-19 15:09:29 | Singer Song Writer

心の中の / 丸山圭子 (エレック)

AOR歌謡曲というか、元祖ニューミュージックの大ヒット「どうぞこのまま」があまりにも有名すぎる丸山圭子は、しかし昭和47(1972)年の公式デビュー時には女性フォークシンガーの輝ける新星という注目もされていました。

なにしろ当時の芸能界は歌謡フォークのブームが真っ盛り!

その恩恵からアマチュアでも優秀なシンガーソングライターがメジャーデビューはもちろんのこと、所謂インディーズだったエレックレコードからは吉田拓郎や泉谷しげる、古井戸やケメ等々、なかなかの人気者がレコードを出しては売れていた頃でしたから、某ラジオ局主催の「唄の市」なぁ~んていうプロアマ同時出演のイベントも大盛況だったんですねぇ~。

ラジオの深夜放送では、そうした同企画から特にライブ音源もオンエアする番組があったほどです。

で、丸山圭子も件の「唄の市」出身という経歴があるようなんですが、個人的には前述したラジオ番組の中での紹介が、丸山圭子との出会いでした。

それは確かアコースティックギターかピアノだけのシンプルなバックで歌われたものでありながら、サイケおやじとしては、とにかく彼女の声質や節回しの和洋折衷感覚にグッと惹きつけられましたですよ、一発で♪♪~♪

どうやら丸山圭子は近々最初のシングル盤を出すとの話もあり、掲載したのが件のブツというわけなんですが、驚くべきは彼女は単なるボーカリストではなく、持ちネタのほとんどを自作自演するシンガーソングライターであったという事実です。

失礼ながら公式プロフィールでは、この時は18歳だったそうですから、殊更A面曲「心の中の」での初々しくも老成した不思議な歌の世界は、既成のアングラフォークやシャリコマな歌謡フォークとは微妙に異なる感じでして、それこそが後に当たり前となるニューミュージックの概念に重なるものかもしれません。

具体的には、本人自作の楽曲に附された田中正子のアレンジがオーケストラの豪華な使用もあって、正直幾分の暑苦しさを覚えるのとは逆に、丸山圭子のハートウォームな声質や洋楽ポップスをナチュラルに意識させられるメロディ展開がクセになっちまうわけでして♪♪~♪

勇んでレコード屋の店頭で現物に邂逅すれば、おぉぉ~、そこにはサイケおやじのフェチ魂を刺激してくれる「白いセーター姿」の彼女がねぇ~~~♪

しかし残念ながら、売れたとは言えません……。

それでも聴くほどに妙に味わい深くなるのは、田中正子のアレンジには基本的にハリウッドポップス調のキモがある感じで、極言すれば演奏パートに重厚なエコーを施し、リードボーカルを細めにミックスすれば、その頃から大滝詠一が密かに(?)提唱実践しようとしていたフィル・スペクターの音の壁に準拠するポップス歌謡に仕上がっていた可能性さえ、ここにはあるんじゃ~ないでしょうか。

発売されたのは晩秋でしたけど、このライトタッチのラテンビートがニクイばかりの仕上がりは、春真っ盛りにもジャストミートですよぉ~~♪

ということで、ご存じのとおり、丸山圭子の自作曲には最高にオシャレなフィーリングから時代錯誤に陥ったかのような歌謡曲がど真ん中な作品まで混在している中で、既にデビュー翌年に出した最初のLP「そっと私は」には、そうしたものがテンコ盛りでした。

だからこそデビュー曲となった「心の中の」には、様々なエッセンスが入っていて当然!?

機会があれば、皆様にも「心の中の」も収録された前述のアルバムをお楽しみいただきたいと願っておりますが、そこには他にもボサノバ歌謡の名品「お願い」が入っていますので、代表曲「どうぞこのまま」にシビレた皆様であれば、ぜひっ!

う~ん、丸山圭子の声って、せくしぃ~~~♪

本日は、好きだと素直に告白させていただきます。

コメント (1)
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