OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

本牧メルヘンの永久の感傷

2012-11-01 15:10:22 | 歌謡曲

本牧メルヘン / 鹿内孝 (キャニオン)

何時の時代も古びない歌のひとつとして、本日ご紹介のシングル曲「本牧メルヘン」は推されることが多いと思います。

そして実際、これをカラオケで歌っては自分に酔ってしまう中年男が、サイケおやじも含めて、相当大勢の存在が認められる事も、日本の真実のひとつでしょう。

なぁ~んて、またまた勿体ぶった書き出しになっているのは、歌っている鹿内孝が本当にカッコ良すぎるイメージがある所為でしょうか、とにかく鹿内タカシとしてロカビリーを歌っていた昭和30年代前半、そして以降は個性的な役者として、主にクールな悪役やクセのある被害者等々を十八番で演じてきた芸歴の中で、常にナチュナルな自己表現に長けたところが大いに共感されるからかもしれません。

しかし歌手としての鹿内タカシは、確かにテレビにも当時は度々登場していながら、サイケおやじには決して大きなヒットは無かった記憶ですから、本当に魅力的な男性シンガーとしての本領は、鹿内孝と芸名を変えての「本牧メルヘン」が最初だったような気がしています。

 本牧でぇ~死んだ娘はぁ~鴎になったよぉ~
 ペットのブル~スにぃ送られてぇ~

 ジョォニーもス~ミスもぉ~泣くのを~忘れてぇ~
 海鳴り~に向かっ~てぇ歌っていたよぉ~

という阿久悠の作詞は如何にも発売された昭和47(1972)年当時の横浜の風情というものでしょうか、そんな雰囲気にどっぷり浸からされてしまうストレートな味わいを感じてしまいますが、お若い皆様には、いかがなものでしょう。

しかし、それでもせつない曲メロは、未だブルーコメッツに在籍していた井上忠夫の傑作だと思いますし、イントロからの口笛とアルペジオのギターフレーズによる絶妙の雰囲気作りは川口真が編曲ですから、まさに言うこと無しの名曲名唱だと思いますねぇ~~♪

ほとんど映画の中の一場面、特にハードボイルドな感傷がジンワリとした余韻を滲ませる節回しこそが、鹿内孝ならではの佇まいとジャストミートしている事も、「本牧メルヘン」本来の味わいです。

ちなみに掲載したジャケ写はスキャンが下手で潰れ気味になっていますが、全面にある黒い影は女性のヌードなんですよねぇ~、良く見ると!!?!

気になる皆様には、照度調整でご確認願いたいところではありますが、それにしてもこういうデザインが自然に見えてくるあたりが、やはり鹿内孝のカッコ良さでしょう。

ということで、年末のカラオケ大会では、果敢にも「本牧メルヘン」に挑む覚悟のサイケおやじです。

告白すれば、カラオケは好きではないんですが、付き合いでもその場に行くかぎりにおいては、それなりにやらないと浮いてしまいますからねぇ。

古びない名曲には、そうしたパワーも秘められていると思っています。

コメント (5)
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