■Green River c/w Commotion / Creedence Clearwater Revival (Fantasy / 東芝)
こんな時代なればこそ、一致協力が大切だっ!
と誰しも思っているはずが、現実には保身と仲間割れ、裏切っては媚を売る醜態の続出に目を背けたくなる皆様も大勢いらっしゃるでしょう。
で、個人的には一致協力と言っても、有能なリーダーあってのそれが最高の結果と思う気持が強く、烏合の衆が協力を唱えたって、それはゴタゴタが増すばかりな結果は、今の政府与党を見ていれば、特に論ずる必要もありません。
それはロックバンドなんていう集まりの中にあっても、目的目標をひとつにする事の難しさ、あるいは一座の看板を守る困難さ等々が諸々の問題を抱えてしまう現実と似ていますから、必然的にひとりのスタアとその他のメンバーという構図こそが安定を導く道理も不思議ではありません。
例えば本日の主役たるクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル=CCRは、皆様ご存じのとおり、曲を書いて自分で歌い、好き勝手にギターを弾いてしまう天才的なワンマンスタアのジョン・フォガティ(g,vo) が存在してこその個性的なバンドなんですが、それ以外のトム・フォガティ(g,vo)、スチュ・クック(b,vo)、ダグ・クリフォード(ds,vo) の3人がひたすらにリズムを刻み続ける無骨な献身があってこそ、R&Rの王道に則したヒットを連発出来たに違いありません。
特に1970年前後のサイケデリックとスワンプの言わばロック主導権争いの渦中にあって、CCRは見事にその両方をやってしまった業績は偉大であり、1969年夏から年末にかけての両面ヒットを記録したこのシングル盤においては、尚更にそのあたりが明確になっていると思います。
なにしろ「Green River」はジョン・フォガティのオリジナルとなっていますが、メインの攻撃的なギターリフはR&RやR&Bで度々用いられてきた古典的なリックの焼き直しであり、それをリアルタイムのトレンドになりつつあったスワンプフィーリングどっぶりのビートで演じきったところに、斬新さがありました。
尤もサイケおやじが今、実に偉そうな事を書いている真相にしても、それは完全なる後付け理論であって、リアルタイムでノセられていた十代の頃には、とにかくバンドが一丸となってのノリ♪♪~♪
そこにストレートにシビレさせてもらっていただけです。
おまけにB面収録の「Commotion」が、これまた2ビートの分かり易いR&Rでしたから、自然体でワイルドなジョン・フォガティのボーカルを煽るバンドの演奏という、真に理想的な自作自演グループとして、CCRは人気を集めたのです。
ところがCCRを語る時、これまでも幾度が書いてきましたが、「それ以外」の3人とジョン・フォガティの結束関係が崩れてしまえば、アッという間に落ち目のなんとやら……。
あぁ、それが世の常、人の常!?
ということで、今の政府与党には再びの結束なんて無理なんでしょうが、我々国民はそんな事は無視して、とにかく前進あるのみ!
個人的には「Green River」の粘っこい突進力や「Commotion」の痛快な前傾姿勢に、それを重ね合わせているのでした。