OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

愛しのウォ~ク・アウェイ

2010-01-16 11:18:48 | Rock

Walk Away / The James Gang (ABC / 東芝)

ヘビメタが嫌いなサイケおやじにしても、ハードロック、もっと言えばヘヴィロックやアートロックが大好きという自己矛盾は常に周囲から失笑されているわけですが、中でもキメが一発の重厚なイケイケ曲には何時もシビレが止まらない体質になっています。

で、もちろん本日ご紹介の1曲も、そのひとつとしてリアルタイムの若い頃から頭の中に鳴り続けてきた名演で、これに共感される皆様も大勢いらっしゃるはず! と自己弁護しながら、これを書いているというわけです。

演じているジェームス・ギャングはアメリカのバンドで、1960年代中頃からメンバーチェンジを繰り返しながら活動していたらしく、一応の正式レコードデビューは1969年でした。そしてこのシングル盤を出しのは、既にアルバム3枚を作った後のことで、メンバーはジョー・ウォルシュ(g,key,vo)、デイル・ピータース(b,vo)、ジム・フォックス(ds,vo) という3人組!

ですから、所謂アメリカンハードでありながら、実は妙にジャズっぽかったり、意識過剰のフォークソングみたいな曲を演じてしまったり、その音楽性がイマイチ定まらなかったのも、後追いで聴いたアルバムに感じられるところです。

しかし私に、その「後追い」をさせるきっかけとなったヒット曲「Walk Away」は、昭和46(1971)年の我国深夜放送ラジオから流れまくり、忽ち洋楽ファンを狂喜させた、実にストレートな意気込みが潔い名曲名演♪♪~♪

なによりもブリティッシュ丸出しなスタイルでシンプルなコードワークやリフを弾き、熱を帯びたギターソロを聞かせてくれるジョー・ウォルシュには瞠目させられましたですね。そして実際、イギリスのバンドからは誘いが幾つもあったと言われています。

それはこの「Walk Away」のヒットが出た後、自らジェームス・ギャングを辞めた頃の話ですが、なんと1976年になって、西海岸派ど真ん中のイーグルスに加入するとは、夢にも思いませんでした。

ちなみにジョー・ウォルシュに去られたジェームス・ギャングは、ドン・トロイアーノやジョン・トロペイ、トミー・ボーリン等々のフュージョンロック系ギタリストを助っ人して活動を継続したのも、バンドの方向性を思えば意味深でした。

もちろんその間、ジョー・ウォルシュは自己名義のバンドを率いて、数枚のリーダーアルバムを作り、それらは玄人筋からは評価されていますが、個人的にはイマイチ……。

それもこれも全ては、このシングル曲「Walk Away」の出来がジャストミートし過ぎた所為かもしれません。

ただし、そうだからと言って、私はジョー・ウォルシュが嫌いになったわけでは決して無く、イーグルスのハードロック化に果たした役割は絶大だと思いますし、知っている人には分かってもらえでしょうが、例のトーキングモジュレーターの使い手としては、ジェフ・ベックやピーター・フランプトン以上の味わいを醸し出せる名人だと思っています。

そして恥ずかしながら、感化されて、件のアタッチメントを買ってしまったのが、サイケおやじの本性です。

ということで、最近はハードロックも愛おしい毎日なのでした。

コメント
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