OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ガッツあふれる黒い炎

2010-01-05 13:13:18 | Rock Jazz

黒い炎 / Chase (Epic)

昨夜の宴会はご推察のとおり、不景気によるボヤキ優先モードが支配的でした……。

しかし今日からは気持を取り直して、とにかく前を向いていくしかないですね。

そこで朝っぱらから猛進するプラスロックを聴きました。

ご存じ、トランペットが激しく咆哮し、ロックのビートが炸裂しまくった1971年の大ヒット! 原題は「Get It On」ですが、これを「黒い炎」とした邦題は秀逸の極みとしか言えない、熱血が最高です。

そして実際、我国でも洋楽というジャンルを超越した有名曲となって、豪快無比なイントロやエンディングのキメのフレーズが、今もワイドショウやニュース番組のジングルに使われていますから、当時をご存じ無い皆様も、あっ、これだったのか!?! とシビレること請け合いです。

ちなみにチェイスはウディ・ハーマン楽団の看板トランペッターだったビル・チェイスが結成した本格的なブラスロックのグループで、メンバーはビル・チェイス(tp,arr)、テッド・ピアースフィールド(tp,vo)、アラン・ウェア(tp)、ジェリー・ヴレア(tp,vo)、エンジェル・サウス(g,vo)、フィル・ポーター(key)、デニス・ジョンソン(b,vo)、ジェイ・バリッド(ds,per)、テリー・リチャーズ(vo,g) の9人組ですが、やはりホーンセクションがトランペッターばかりというのが痛快なサウンドの秘訣でした。

ちなみにメンバーは何れもがジャズ畑出身であり、オーケストラやスタジオの仕事の他に、有名ジャズプレイヤーのバンドレギュラーも務めた実力派揃いでしたが、中でもドラムスのジェイ・バリッドは一時期のビル・エバンス・トリオでの活躍もあったという超一流です。

で、この「黒い炎」はデビューアルバム「追跡 / チェイス」からのシングルカット曲として白熱の大ヒットを記録したわけですが、アルバムも当然ながらチャート1位のベストセラーとなり、巡業公演も大成功しながら、なんとその大ブレイクの最中にレギュラーメンバーの脱退が続くという、実に不可解な出来事があり、セカンドアルバムの「ギリシャの神々 /  エニア」は、なんとも中途半端な仕上がり……。

しかも再起をかけてビル・チェイスが新メンバーで作った1974年のアルバム「ビュア・ミュージック」は、なかなかの仕上がりだったのですが、その直後の巡業中、飛行機事故により、ビル・チェイスを含む多くのメンバーが他界……。

当然ながら、バンドは消滅してしまいました。

それゆえにチェイスと言えば、この「黒い炎」の一発屋かもしれませんが、それにしても痛快至極なブラスロックの超王道は不滅!

BS&Tやシカゴの大成功により、1970年前後の時期はブラスロックのバンドが数多く登場しましたが、チェイスこそ、いつまでも忘れられないバンドだと思います。なによりも、この強烈に熱い「黒い炎」を残してくれただけで、サイケおやじは感謝に堪えない気持です。

テンションの高いイントロから疾走していく演奏を聴いていると、さあ、今日もやるぞっ! という力が漲ってくるのでした。

コメント (12)
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